第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

なお、当社グループは、前中間連結会計期間については、中間連結財務諸表を作成していないため、前年同中間連結会計期間との比較分析は行っておりません。

 

(1)財政状態の状況

(資産)

当中間連結会計期間末における資産合計は7,094百万円となり、前連結会計年度末に比べ550百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が474百万円及び前払費用が165百万円増加したことによるものです。

(負債)

当中間連結会計期間末における負債合計は4,582百万円となり、前連結会計年度末に比べ350百万円増加いたしました。これは主に、前受収益が496百万円増加したことによるものです。

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産合計は2,512百万円となり、前連結会計年度末に比べ200百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益の計上259百万円があったことによるものです。

 

(2)経営成績の状況

当社グループは、「“はたらく”にテクノロジーを実装し、個の力から社会の仕様を変える」というパーパスのもと、テクノロジーによって一人ひとりの個性や才能を理解することで、個人のキャリア形成や働き方が多様化される社会の実現を目指しております。その実現のため、「人材情報を一元化したデータプラットフォームを築く」というビジョンを掲げ、企業の人材情報をクラウド上で一元管理し、データ活用のプラットフォームとなるタレントマネジメントシステム(TMS)『カオナビ』を提供しております。

生産年齢人口の減少を背景に、生産性の向上、多様な働き方への対応、人材の定着や離職防止、採用の強化など、企業はさまざまな人事課題を抱えております。その解決に向けてTMSの導入ニーズは高まっており、その市場は今後さらなる拡大が見込まれております。

当社グループは、中期経営方針として、「継続的なARR(注1)の成長」、「収益性の向上」、「非財務的活動の推進」の3つを掲げております。

継続的なARRの成長に向けた施策の一環として、人材データベースを軸にさまざまなサービスと連携して付加価値を高めることで、顧客に最適なUX(顧客体験)を提供する人材データプラットフォームの構築を目指しております。当連結会計年度においては、既存事業であるTMSのさらなる拡大に加えて、労務管理システムや予実管理システムといった新規事業の育成により、中期的なARR成長を加速させていく方針です。

このような方針のもと、当社グループは顧客体験価値の向上に向けた機能の開発・改善に注力し、スキル管理機能「アビリティマネージャー」の強化をはじめとしたさまざまな機能改善に加えて、新機能として社内の膨大な文章データを整理・分析する「インサイトファインダー」をリリースしました。また、新規事業として労務管理業務をペーパーレスで完結できる「ロウムメイト」をリリースしました。さらに、積極的な人材採用や育成をはじめとした組織体制の強化、サービス認知度向上を加速するためのマーケティング活動、既存顧客に対するカスタマーサクセスの取り組みなどにも注力してまいりました。

この結果、当中間連結会計期間末における連結ARRは前年同期比28.0%増の9,151百万円となりました。また、TMSのARR(注2)は同25.1%増の8,947百万円、TMSの利用企業数(注3)は同19.0%増の3,963社、TMSのARPU(注4)は同5.1%増の188千円となりました。TMSの解約率(注5)の直近12ヶ月平均は0.40%(前年同期比0.08ポイント減)となり、低い水準を維持しております。

以上の結果、当中間連結会計期間における当社グループの経営成績は売上高4,562百万円、調整後営業利益(注6)378百万円、営業利益330百万円、経常利益322百万円、親会社株主に帰属する中間純利益259百万円となりました。

なお、当社グループの報告セグメントは、HRテック事業のみであり、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの名称を従来の「タレントマネジメントシステム事業」から「HRテック事業」へ変更しております。当該名称変更がセグメント情報に与える影響はありません。

 

(注)1.ARR

Annual Recurring Revenueの略で、四半期末のMRR(Monthly Recurring Revenueの略で月額利用料の合計)を12倍して算出しています。なお、MRRは管理会計上の数値です。

2.TMSのARR

四半期末のタレントマネジメントシステム『カオナビ』から計上されるMRR(TMSのMRR)を12倍して算出しています。

3.TMSの利用企業数

四半期末のタレントマネジメントシステム『カオナビ』を導入している企業や団体の数をいいます。

4.TMSのARPU

Average Revenue Per Userの略で、四半期末のTMSのMRRをTMSの利用企業数で除して計算しています。

5.TMSの解約率

MRRの解約率を示しており、当月の解約により減少したTMSのMRRを前月末のTMSのMRRで除して計算しています。

6.調整後営業利益

営業利益+株式報酬費用+M&Aによるのれん償却費+その他一時費用

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ474百万円増加し、5,162百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は532百万円となりました。これは主に、前払費用の増加額168百万円等の資金の減少があったものの、前受収益の増加額496百万円、税金等調整前中間純利益の計上279百万円等の資金の増加があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は27百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出14百万円等の資金の減少があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は31百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出31百万円等の資金の減少があったことによるものであります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は87百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。