当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が大幅に縮小し、経済社会活動の正常化が進む中、個人消費は、賃金上昇や政府の経済対策の効果もあり、旅行・外食関連を中心に回復の動きが見られました。企業収益は、デジタル化や脱炭素化への投資拡大を背景に、総じて改善傾向が続きました。一方、海外においては、世界経済の不確実性は依然として高く、とりわけ中国経済の成長鈍化や地政学的リスクの影響が懸念され、先行き不透明な状況が続きました。
外国為替(以下、「FX」といいます。)市場におきましては、2024年4月に1米ドル=151円29銭で始まった米ドル/円相場は、日米金利差を背景に円売り・ドル買いが進み円安が加速しました。4月の金融政策決定会合で日銀が現行の金融政策の維持を決定したことで1米ドル=160円台前半まで円が急落しましたが、その後、政府・日銀が為替介入を実施し円が反騰するなど、1日で6円近く乱高下する荒い値動きとなりました。5月に入り、政府・日銀が再び為替介入を実施したことや米雇用統計が市場予想を下回ったことで円は1米ドル=151円台まで急伸する不安定な値動きとなりましたが、輸入企業の根強い円売り・ドル買い需要から再び円安傾向に転じ1米ドル=157円台まで円安が進みました。6月には米国経済指標の下振れにより、一時1米ドル=154円台まで円高が進みましたが、日米の金融政策が当面は維持されるとの見方から、キャリー取引の活発化が円安傾向に拍車をかけ、1986年12月以来の円安水準である1米ドル=161円20銭台を記録しました。7月に入ると米国消費者物価指数が市場予想を下回りインフレ圧力が弱まったことで、米国連邦準備制度理事会(FRB)による9月の利下げ観測が強まり円高に転じました。このタイミングを捉え政府・日銀が為替介入を実施したことで1米ドル=157円台まで4円以上も円高が進む不安定な値動きとなりました。さらに、キャリー取引の巻き戻し等により円が買われ米ドルが売られる展開が続く中、日銀が政策金利を0.25%とする利上げを発表し植田総裁が追加利上げの可能性を示唆したことから、7月末には1米ドル=149円台まで円高が進みました。8月に入り、米国景気の先行き不安や急速な円高の進行等を背景に東京株式市場が過去最大の下げ幅を記録したことを受け、日銀副総裁が「金融資本市場が不安定な状況での利上げはない」と発言したことで141円台まで上昇していた円高に歯止めがかかったものの、8月中は143円台から149円台の間で乱高下する不安定な相場が続きました。9月には、FRBが連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利下げに踏み切るとの観測から1米ドル=139円台まで円高が進みましたが、7月、8月に比べ値動きは小さく、当中間連結会計期間末は1米ドル=143円65銭で取引を終了しました。
このような市場環境のもと、当社グループの主力事業であるFX取引事業を中核とする金融商品取引事業は、子会社であるトレイダーズ証券株式会社(以下、「トレイダーズ証券」といいます。)において、『みんなのFX』(FX証拠金取引)、『LIGHT FX』(FX証拠金取引)、『みんなのシストレ』(自動売買ツールを利用したFX証拠金取引)、『みんなのオプション』(FXオプション取引)及び『みんなのコイン』(暗号資産証拠金取引)、のサービスを提供し収益確保を図ってまいりました。収益を確保する上で重要な指標となる顧客からの預り資産は、当中間連結会計期間末において100,653百万円(前連結会計年度末比363百万円減、0.4%減)となりました。当中間連結会計期間のトレーディング損益は為替相場の急変時に取引量の増加があったため、7,552百万円(前年同期比3,102百万円増、69.7%増)と昨年を大きく上回りました。
また、子会社である株式会社FleGrowth(以下、「FleGrowth」といいます。)が営むシステム開発・システムコンサルティング事業は、トレイダーズ証券向けにFX取引システムの開発及び保守・運用を行うとともに、外部顧客向けにFX取引及び暗号資産証拠金取引に関連したシステム開発などのフィンテックサービス、物流や医療などの分野のDX支援、Web制作及びセールスコンサルティングを行い収益の確保を図ってまいりました。当中間連結会計期間のシステム開発・システムコンサルティング事業における外部顧客に対する営業収益は、52百万円(前年同期比74百万円減、58.6%減)と前年を下回る結果となりました。
以上の結果、営業収益合計は、7,657百万円(前年同期比3,043百万円増、65.9%増)となり、売上原価及び金融費用を差し引いた純営業収益合計は、7,605百万円(前年同期比3,085百万円増、68.3%増)となりました。
一方、販売費及び一般管理費は3,331百万円(前年同期比674百万円増、25.4%増)となりました。増加の主な要因は、主に譲渡制限付株式報酬制度における報酬費用の計上について会計上の見積りの変更を行ったこと及び従業員給与の増加により人件費が1,534百万円(前年同期比495百万円増、47.7%増)、積極的にWeb広告を行ったことにより取引関係費が1,026百万円(前年同期比112百万円増、12.3%増)に増加したこと等によります。
その結果、営業利益は4,273百万円(前年同期比2,410百万円増、129.4%増)、経常利益は4,284百万円(前年同期比2,438百万円増、132.1%増)となりました。税金等調整前中間純利益は4,285百万円(前年同期比2,456百万円増、134.3%増)となりました。
法人税等合計は、税金等調整前中間純利益の増加により法人税、住民税及び事業税が1,222百万円(前年同期比917百万円増、301.1%増)に増加したこと及び繰越欠損金の充当を反映して繰延税金資産を取り崩した結果、法人税等調整額が178百万円(前年同期比159百万円増、838.9%増)に増加したことにより1,400百万円(前年同期比1,076百万円増、332.6%増)となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の親会社株主に帰属する中間純利益は2,885百万円(前年同期比1,380百万円増、91.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。
(金融商品取引事業)
トレイダーズ証券が営む当セグメントの営業収益は7,604百万円(前年同期比3,117百万円増、69.5%増)、セグメント利益は4,007百万円(前年同期比2,435百万円増、155.0%増)となりました。
なお、FX取引事業及び暗号資産証拠金取引事業の当中間連結会計期間末における顧客口座数、預り資産は以下のとおりとなりました。
顧客口座数 578,980口座(前連結会計年度末比 28,157口座増)
預り資産 100,653百万円(前連結会計年度末比 363百万円減)
(システム開発・システムコンサルティング事業)
FleGrowthが営む当セグメントの営業収益は1,610百万円(前年同期比337百万円増、26.5%増)となりました。同収益の内訳は、グループ会社であるトレイダーズ証券に対するFX取引及び暗号資産CFD取引システムの開発・保守運用等の内部売上が1,558百万円(前年同期比412百万円増、35.9%増)、外部顧客に対する売上が52百万円(前年同期比74百万円減、58.6%減)であります。セグメント利益は563百万円(前年同期比241百万円増、75.2%増)となりました。
(2)財政状態に関する説明
① 連結財政状態
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して8,502百万円減少し、109,691百万円となりました。これは主に、外国為替差入証拠金が3,439百万円増加した一方で、顧客分別金信託が12,947百万円減少したこと等によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末と比較して10,625百万円減少し、93,445百万円となりました。これは主に、受入保証金が12,350百万円減少したこと等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較して2,123百万円増加し16,245百万円となりました。これは主に、剰余金の配当446百万円及び自己株式の取得502百万円により減少した一方で、親会社株主に帰属する中間純利益2,885百万円及び譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分165百万円により増加したこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、営業活動により3,928百万円増加、投資活動により306百万円減少、財務活動により839百万円減少しました。この結果、資金は、前連結会計年度末と比較して2,768百万円増加し11,589百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況及び当該増減の要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金は、3,928百万円の収入超過(前年同期は2,149百万円の収入超過)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益4,285百万円及びFX取引にかかるトレーディング商品の増減額2,024百万円等により資金が増加したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金は、306百万円の支出超過(前年同期は238百万円の支出超過)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出157百万円及び投資有価証券の取得による支出110百万円等により資金が減少したものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金は、839百万円の支出超過(前年同期は855百万円の支出超過)となりました。これは主に、配当金の支払額446百万円と自己株式の取得による支出502百万円等により資金が減少したものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループの研究開発は、システム開発・システムコンサルティング事業を営むFleGrowthが、金融商品取引システムの開発に関する研究活動を行っており、当事業の当中間連結会計期間における研究開発費は107百万円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員の状況
当中間連結会計期間において、従業員数の著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の状況
当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(8)設備の状況
当中間連結会計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。