第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中において将来について記載した事項は、当半期報告書提出日現在において判断、予測したものであります。

Ⅰ 経営成績の状況の分析

 当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)の当社グループの業績等の概要は、営業収益1,432百万円(前年同期比 12.9%増)、営業総利益763百万円(同 75.7%増)、営業利益68百万円(前年同期 営業損失239百万円)、経常損失2百万円(前年同期 経常損失312百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失75百万円(前年同期 親会社株主に帰属する中間純損失543百万円)となりました。

 当中間連結会計期間は前年同期に比べて、上場株式の売却益が減少した反面、ディストリビューションセンタープロジェクトの売却による収益や新規稼働したメガソーラープロジェクトの売電収入が計上され、加えて投資資産に対する評価損や引当金が縮小したことから、業績が改善しました。その内訳や背景となる営業活動の状況は、次のとおりです

 

(a) 営業収益・営業原価内訳

(単位:百万円)

 

前中間連結会計期間

(自 2023年 4月1日

 至 2023年 9月30日)

当中間連結会計期間

(自 2024年 4月1日

 至 2024年 9月30日)

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

営業収益合計

1,269

1,432

2,444

うち 管理運営報酬等

60

62

123

うち 営業投資有価証券売却高

644

277

1,244

うち 組合持分利益・インカムゲイン等

544

1,072

1,023

うち その他営業収益

18

20

53

 

 

 

 

営業原価合計

834

669

2,279

うち 営業投資有価証券売却原価

237

159

621

うち 営業投資有価証券評価損・

投資損失引当金繰入額 合計

218

12

777

うち 組合持分損失等

371

487

863

うち その他営業原価

7

10

16

 

 

 

 

営業総利益

434

763

165

 

(管理運営報酬等)

管理運営報酬等には、投資事業組合等の管理報酬と事務受託報酬が含まれます。管理運営報酬等の総額は、前年同期並みの62百万円(前年同期比 2.8%増)となりました。

 

(投資損益)

営業投資有価証券の売却は、当中間連結会計期間及び前年同期ともに、プライベートエクイティ投資資産の売却のみでした。前年同期は、当社グループが運営するファンドにおいて国内で利益率の高い上場株式売却が進捗しましたが、当中間期は未上場株式の売却が中心でした。そのため、売却高は前年同期から減少して277百万円(同 56.9%減)となり、売却高から売却原価を差し引いた実現キャピタルゲインも前年同期から減少して118百万円(同 70.9%減)となりました。

営業投資有価証券評価損及び投資損失引当金繰入額の合計額は、事業の進捗に大幅な遅れが生じている投資先が減少したことから12百万円(同 94.4%減)となりました。

以上の結果、実現キャピタルゲインから営業投資有価証券評価損及び投損失引当金繰入額の合計を控除した投資損益は、前年同期から減少して106百万円の利益(同 43.6%減)となりました。

 

(組合持分利益・インカムゲイン等)

営業収益のうち組合持分利益・インカムゲイン等には、当社グループが運営するプロジェクトの収入(売電収益や、野菜の販売額、障がい者グループホームの賃貸収入等)、他社が運営するプロジェクトの持分利益(プロジェクトの運営による純利益や、プロジェクトの売却益)、他社が運営するプライベートエクイティファンドの持分利益、利息・配当収入、及び、その他の収益が含まれています。

当中間連結会計期間の組合持分利益・インカムゲイン等の合計額は、前年同期から増加して1,072百万円(前年同期比 96.9%増)となりました。前年同期はプロジェクトの売却がありませんでしたが、当中間連結会計期間はディストリビューションセンタープロジェクトから2024年3月に売却された施設の売却益を配当金として受領したことや、新規稼働したメガソーラープロジェクトの売電収益が増加しました。

 

(組合持分損失等)

営業原価のうち組合持分損失等には、当社グループが運営するプロジェクトの原価(売電原価や、野菜の製造原価、障がい者グループホームの賃貸原価等)、他社が運営するプロジェクトの持分損失(主に立上げ初期のプロジェクトからの純損失)、及び他社が運営するプライベートエクイティファンドの持分損失等が含まれています。

当中間連結会計期間の組合持分損失等の合計額は、前年同期から増加して487百万円(同 31.4%増)となりました。主に、新規稼働したメガソーラープロジェクトの原価が増加しました。

 以上の結果、営業収益は1,432百万円(同 12.9%増)、営業原価は669百万円(同 19.8%減)、営業総利益は763百万円(同 75.7%増)となりました。

 

(b) 販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費は、前年同期から増加して694百万円(同 3.0%増)となりました。主な増加要因は、回収見込額が低下した債権に対し貸倒引当金を計上したことです。

 

(c) その他の損益項目

 上記(a)(b)以外の損益項目のうち特筆すべき項目は、非支配株主に帰属する中間純損益です。当該項目は、当社グループが運営するファンドやプロジェクトの損益のうち、当社グループ以外の出資者に帰属する金額です。当中間連結会計期間は、前年同期に比べてこれらのファンドやプロジェクトの利益が減少したため、前年同期から減少して70百万円の利益(同 69.0%減)となりました。

 

 これらの結果、前年同期から赤字幅が縮小して、親会社株主に帰属する中間純損失は75百万円(前年同期 親会社株主に帰属する中間純損失543百万円)となりました。

 

Ⅱ キャッシュ・フローの状況の分析

(単位:百万円)

 

前中間連結会計期間

(自 2023年4月1日
    至 2023年9月30日)

当中間連結会計期間

(自 2024年4月1日
    至 2024年9月30日)

前連結会計年度

(自 2023年4月1日
    至 2024年3月31日)

営業活動による

キャッシュ・フロー

385

116

456

投資活動による

キャッシュ・フロー

1

△0

△2

財務活動による

キャッシュ・フロー

△509

503

△828

現金及び

現金同等物期末残高

1,646

2,040

1,396

 

 

 当中間連結会計期間末において現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から643百万円増加して2,040百万円となりました。主な増減要因は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

前年同期に比べて投資事業組合からの分配金が減少したことから、116百万円の収入(前年同期 385百万円の収入)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

長期借入金の返済を行った一方で、2024年6月28日付で第三者割当増資を行ったことから株式の発行による収入があったため、503百万円の収入(同 △509百万円の支出)となりました。

 

 

Ⅲ 財政状態の分析

(資産)

 資産合計は、前連結会計年度末から増加して18,868百万円(前連結会計年度末 16,796百万円)となりました。主に現金及び預金と有形固定資産が増加しました。

 現金及び預金は、前連結会計年度末から増加して3,454百万円(同 2,544百万円)となりました。主な増加要因は、2024年6月28日に第三者割当増資により998百万円を調達したことです。

 有形固定資産は、主に、当社グループが運営するプロジェクトの再生可能エネルギー発電所設備、植物工場、障がい者グループホームが計上されています。当中間連結会計期間末は、前連結会計年度末から増加して7,388百万円(同 5,977百万円)となりました。メガソーラープロジェクトと障がい者グループホームプロジェクトへの設備投資により増加しました。

 

 

(負債)

 負債合計は、前連結会計年度末から増加して11,961百万円(前連結会計年度末 10,663百万円)となりました。主に借入金が増加しました。

 借入金と社債の残高は合計で11,034百万円(同 9,833百万円)となりました。このうち、当社単体の金融機関からの借入額は3,819百万円(同 4,314百万円)です。返済に伴い前連結会計年度末から減少しました。今後も約定に基づき返済してまいります。

 残額は、当社グループが運営するプロジェクトにおけるプロジェクトファイナンスと社債の残高7,214百万円(同 5,519百万円)です。メガソーラープロジェクトと障がい者グループホームプロジェクトで新規調達を行ったため、前連結会計年度末から残高が増加しました。なお、当社グループの運営するプロジェクトにおけるプロジェクトファイナンス・社債は、プロジェクトの資産や収益のみを返済原資としているため、当社グループの財務健全性に与える影響は限定的です。そのため、当社は、今後も当社グループの運営する再生可能エネルギー等の多様なプロジェクトにおいて、プロジェクトファイナンス・社債による資金調達を組み合わせてレバレッジを効かせた投資を行い、財務健全性を損ねることなく収益性を高めていく方針です。

 

(単位:百万円)

 

前中間連結会計期間末

(2023年9月30日現在)

当中間連結会計期間末

(2024年9月30日現在)

前連結会計年度末

(2024年3月31日現在)

借入金・社債残高合計

9,271

11,034

9,833

うち 当社単体借入額

4,633

3,819

4,314

うち プロジェクト投資におけるプロジェクトファイナンス・社債

4,638

7,214

5,519

 

 

(純資産)

 純資産のうち自己資本は、前連結会計年度末から増加して6,429百万円(同 5,536百万円)となりました。主な増加要因は、2024年6月28日に第三者割当増資により998百万円を調達したことです。その結果、当中間連結会計期間末における自己資本比率は前連結会計年度末から1.1ポイント上昇し34.1%(同 33.0%)となりました。

 新株予約権は、ストックオプションの行使により残高が無くなりました。非支配株主持分は、主にファンドの清算により減少しました。

 その結果、純資産全体では前連結会計年度末から増加して6,906百万円(同 6,132百万円)となりました。

 

 

Ⅳ営業活動の状況

(a)IPOの状況

 当社グループによる自己勘定並びに当社グループが運営の任にある、又は運営の為に必要な情報の提供を行っているファンドから投資を行った投資先企業の新規上場の状況は以下のとおりであります。

 

① 新規上場(IPO)の状況(自己勘定分及びファンド勘定分)

 

前中間連結会計期間
(自 2023年4月1日
    至 2023年9月30日)

当中間連結会計期間
(自 2024年4月1日
    至 2024年9月30日)

前連結会計年度
(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

IPO社数

(国内・海外 合計)

1社

-

1社

初値換算投資倍率

(国内・海外 平均)

1.4倍

-

1.4倍

(注)初値換算投資倍率=初値換算による保有株式の時価/保有株式への投資額(IPO時簿価残高)。なお、初値換算投資倍率の計算には株式交換等による上場株式取得分は含めておりません。

② 新規上場した投資先企業の一覧

当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)

該当事項無し。

なお、当中間連結会計期間末から本報告書提出日現在までのIPOの状況は下記のとおりです。

社数

投資先企業名

上場年月日

上場市場

事業内容

本社
所在地

国内:1社

海外:-社

株式会社ケイ・ウノ

2024年10月8日

名古屋証券取引所ネクスト

ジュエリー・時計の製造販売、オーダーメイド、リフォーム、修理

愛知県

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

社数

投資先企業名

上場年月日

上場市場

事業内容

本社
所在地

国内:1社

海外:-社

日本システムバンク株式会社

2023年4月14日

名古屋証券取引所メイン

コインパーキングの運営、駐車場機器の販売・保守

福井県

 

③ 営業投資有価証券のうち上場株式の含み損益(注)

(単位:百万円)

 

前中間
連結会計期間末
(2023年9月30日現在)

当中間
連結会計期間末
(2024年9月30日現在)

前連結会計年度末

(2024年3月31日現在)

含み損益

94

△6

△0

(注)当社グループ及び当社グループが運営するファンドが営業投資有価証券として保有している株式のうち、証券取引所に上場している銘柄の、取得原価と中間連結貸借対照表計上額又は連結貸借対照表計上額との差額のうち当社グループに帰属する金額を示しています。

 

 

(b)ファンドの状況

 当中間連結会計期間末における当社グループが管理、運用又は投資情報の提供を行っているファンドの運用残高は、7ファンド、12,596百万円(前連結会計年度末8ファンド、15,497百万円)となりました。

 当中間連結会計期間に、清算期間中であった2ファンド(ファンド総額合計 2,885百万円)が終了しました。また、運営中の1ファンドで、ファンド総額を50百万円減額しました。一方で、1ファンド(ファンド総額 35百万円)を設立しました。

 

①運用残高

 

 

前中間連結会計期間末

(2023年9月30日現在)

当中間連結会計期間末

(2024年9月30日現在)

前連結会計年度末

(2024年3月31日現在)

 

ファンド数

ファンド

総額

(百万円)

ファンドの

純資産額

(百万円)

ファンド数

ファンド

総額

(百万円)

ファンドの

純資産額

(百万円)

ファンド数

ファンド

総額

(百万円)

ファンドの

純資産額

(百万円)

運用期間中

6

11,812

3,605

7

12,596

4,040

6

12,612

3,928

満期延長中

-

-

-

-

-

-

-

-

-

清算期間中

2

2,852

1,432

-

-

-

2

2,885

881

合計

(うち当社グループ出資額)

8

14,664

(2,418)

5,037

7

12,596

(1,544)

4,040

8

15,497

(2,428)

4,809

 

②運用期間中のファンド(当中間連結会計期間末(2024年9月30日現在))

ファンド名

設立時期

ファンド満期

ファンド総額

(百万円)

特徴

JAIC企業育成投資事業有限責任組合

2016年2月

2026年2月

2,000

主に国内のベンチャー企業を対象として、他社の運営するファンドが保有する投資証券の買い取り等、広範な投資機会を追求するファンド

サクセッション1号投資事業有限責任組合

2017年6月

2027年6月

3,000

当社と㈱あおぞら銀行で設立した合弁会社(持分法を適用していない関連会社)が運営するファンド

日本国内の事業承継問題を抱える中小企業を投資対象とする

JAICソーラー2号投資事業有限責任組合

2020年3月

2039年12月

1,359

稼働済みメガソーラープロジェクトを投資対象とするファンド

北海道地域中小企業グローバル化支援投資事業有限責任組合

2020年4月

2026年12月

100

当社と㈱アジアンマーケット企画が共同で運営するファンド

北海道に所在もしくは展開している企業の海外展開支援や、インバウンド需要向け事業展開支援を行う

 

 

ファンド名

設立時期

ファンド満期

ファンド総額

(百万円)

特徴

AJC企業育成投資事業有限責任組合

2021年6月

2031年6月

1,001

当社と㈱あおぞら銀行で設立した合弁会社(持分法を適用していない関連会社)が運営するファンド

主に国内のベンチャー企業を対象として、他社の運営するファンドが保有する投資証券の買い取り等、広範な投資機会を追求するファンド

サクセッション2号投資事業有限責任組合

2022年8月

2032年8月

5,101

当社と㈱あおぞら銀行で設立した合弁会社(持分法を適用していない関連会社)が運営するファンド

日本国内の事業承継問題を抱える中小企業を投資対象とする

投資事業有限責任組合JAICウェルスファンド

2024年6月

2033年12月

35

プライベートバンクや富裕層個人を主な出資者と想定した、日本国内のベンチャー企業を主な投資対象とするファンド

(注)1.外貨建によるファンドは、各連結会計年度末日現在の為替レートを乗じて計算した金額を記載しております。従って、運用資産の増減額には為替による影響額も含まれております。

2.ファンド総額につきましては、コミットメントベース(契約で定められた出資約束金額ベース)の金額を記載しております。

 

Ⅴ 経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、2025年3月期から2027年3月期まで3年間の中期経営計画を2024年8月14日開催の取締役会で決議しております。当計画は、当社グループの投資事業の領域を、投資開発事業、投資運用事業、ファンド・プラットフォーム事業と再定義し、それぞれを新たな事業方針に基づいて拡大していくものです。

 投資の実行に当たっては、ファンドの組成や融資(デット)の調達により外部資金を活用します。外部資金を活用した投資を徹底して自己資金の負担を減らすことで、ファンドや投資資産からの安定したフィー収入を増加させると同時に、投資収益から得られる成功報酬(キャリー)により業績のアップサイドを追求し、財務基盤を強固にしながら収益の安定・拡大を目指します。

 また、外部環境と収益機会を整理し、補完・代替可能な事業ポートフォリオを構築して、様々な経済環境に対応できる投資資産や金融商品の開発・運用を行います。

 投資開発事業の収益機会は、エネルギー価格の高騰、労働力不足によるインフレ圧力、金利上昇と経済をめぐってくすぶり続ける不確実性という外部環境の中で、インフレヘッジ特性やディフェンシブ特性を持ち合わせているプライベート・リアルアセットとして、投資家にとって有力な分散投資先となることです。また、環境問題や社会問題に対応するプライベート・リアルアセットとして、投資家の責任投資目標達成にも貢献します。そこで、当社グループでは、安定収益の確保とファンドの組成に向けたプライベート・リアルアセットのパイプライン開発と投資資産の積み上げを行います。

 投資運用事業では、金利やインフレ率が上昇し経済成長性が高まっている現況では、伝統的な資産である上場有価証券への投資に収益機会があります。また、現在の日本経済の環境は、デフレからの脱却、円安の進行、米中対立を背景とした生産や研究拠点としての重要性が高まり、海外から注目を集めています。特にアジアの投資家が、日本国内の有望なテクノロジーやベンチャー企業、上場企業に対して投資機会を求める時代となっています。そこで、当社グループでは、国内外の機関投資家やファミリーオフィス・富裕層向けに伝統的・非伝統的な両資産クラスにおいて、強みを活かした投資手法により資産運用サービス・金融商品を提供します。

 また、ファンド・プラットフォーム事業では、VCファンドやCVCファンド、バイアウトファンド等の運営企業に対して、ファンド・アドミニストレーターとして長年の実績を有するジャイク事務サービス㈱が、ファンド組成・募集・運用に必要なファンド運営のミドル・バック業務のソリューションを提供します。

 その他詳細は、2024年8月14日付の東京証券取引所への当社開示資料「中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の策定、並びに資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関するお知らせ」をご覧ください。

 

 

Ⅵ 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記Ⅴに記載した今般の中期経営計画では、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題を下記のように認識し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を行う方針です。

 

1.現状分析

 当社の現状はPBRが1倍を下回る状態が継続しており課題となっています。その要因は投資利益率の低さと資産回転率の低さだと認識しています。

 

2.目指す姿

 当社は、PBRの改善に向けて、資本コスト(約13.4%)並みのROEを実現することを目指し、以下の方策を取ります。

① 安定収益の拡大
 フィー収入で固定費をカバーして黒字化を定着させ、資本コストの低減を図ります。

② 収益性の改善

 長期滞留資産を早期に回収して資産を入れ替え、資産の回転率の改善を図ります。また、アセットアロケーションや事業ポートフォリオの見直しも行い、収益性の改善を図ります。

③ リファイナンスの実現と財務レバレッジの改善

 当社単体の金融機関からの借入金は、返済スケジュールの変更(リスケジュール)を行っています。この借入金についてリファイナンス(借入金の正常化)と新規の借入金による資金調達を実現し、財務レバレッジの改善を図ります。

④ IR活動のアップデート

 より積極的なIR活動を行います。

 

3.主要な業績評価資料(KPI)、重要な目標指標(KGI)

 当社は2024年3月期の有価証券報告書において主要な業績評価資料(KPI)を従来連結基準(注)による親会社株主に帰属する当期利益としていましたが、今般の中期経営計画においてこれを変更し、運用資産規模(AUM)増加額と受託資産規模(AUA)残高を重要な成果指標(KPI)と定めました。変更の理由は、今般の中期経営計画では、ファンドの組成や融資資金の調達など外部資金を活用した投資を行い、それによって安定収益であるフィー収入を拡大し固定費をカバーすることで黒字化を定着させる方針としているためです。

 

KPI

2025年3月期

2026年3月期

2027年3月期

投資開発事業 運用資産規模(AUM)増加額

50億円

100億円

150億円

投資運用事業 運用資産規模(AUM)増加額

100億円

200億円

300億円

ファンド・プラットフォーム事業 受託資産規模(AUA)残高

3,000億円

3,500億円

4,000億円

 

 また、当社は、今般の中期経営計画において、従来連結基準(注)による重要な目標指標(KGI)を次のように定めています。

従来連結基準(注)による重要な目標指標(KGI)

2024年3月期実績

2027年3月期計画

将来の目指す姿

安定収益

2億円

8億円

10.8億円

ROE

-(赤字)

12.7%

資本コスト13.4%以上

親会社株主に帰属する当期純利益

△16億円

10億円

黒字化の定着と
一時収益の増加

 

(注)従来連結基準

 当社グループでは、2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 2006年9月8日 実務対応報告第20号)を適用し、当社グループで運営している投資事業組合等の一部を連結の範囲に加えて連結財務諸表等を作成しております。しかしながら、投資家及び株主の皆さまに、当社グループの経営成績及び財務状況を正しくご認識いただくためには、従来からの会計基準による財務諸表等の開示も必要と考えております。

 以上のことから、従来の会計基準に従って、投資事業組合については、資産、負債及び収益、費用を外部出資者の持分を含まない当社及び関係会社の出資持分に応じて計上し、また、会社型ファンドについては連結の範囲から除いた連結財務諸表等を「従来連結基準」として、決算短信等において継続的に開示しております。

 

 

Ⅶ 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

Ⅷ 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

 当中間連結会計期間において新たに発生した要因はありません。

 

Ⅸ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(当社グループの資金状況)

「Ⅱ キャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。

(当社グループの借入金の状況)

「Ⅲ 財政状態の分析 (負債)」に記載のとおりであります。

(当社グループのファンドの状況)

「Ⅳ 営業活動の状況(b)ファンドの状況」に記載のとおりであります。

(当社の資本政策の具体的な方針)

当中間連結会計期間において重要な変更はありません。

 

Ⅹ 従業員数

 当中間連結会計期間において従業員数の著しい増減はありません。

 

Ⅺ 主要な設備の状況

 該当事項はありません。

 

Ⅻ 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。