第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。

(1) 経営成績の状況

都市ガスの販売については、高気温影響等により家庭用の需要が減少したものの、発電向け需要の増加等により工業用及び他事業者向け供給の需要が増加したこと等から、都市ガス販売量は前年同期比0.4%増5,150百万m3となりました。当中間連結会計期間の売上高は、原料費調整に伴う単価減の影響等により、前年同期に比べ51,237百万円減少し、1,221,494百万円となりました(前年同期比4.0%減)。

また、原油価格上昇影響等により原材料費が増加したこと等から、営業費用は前年同期に比べ40,272百万円増加し、1,183,262百万円となりました(同3.5%増)。

この結果、営業利益は前年同期に比べ91,509百万円減少し、38,231百万円となり(同70.5%減)、また、経常利益も118,942百万円減少し、28,703百万円となりました(同80.6%減)。これに加え、特別利益として投資有価証券売却益2,949百万円、受取損害賠償金2,000百万円を計上し、法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する中間純利益は86,813百万円減少し、17,170百万円となりました(同83.5%減)。

セグメント別の業績は、以下のとおりです。

① エネルギー・ソリューション

都市ガス販売量について、家庭用は高気温影響による需要減等により前年同期に比べ5.7%減少918百万m3となりました。また、業務用及び工業用は発電向け需要の増加等により1.0%増加3,474百万m3、他事業者向け供給は6.1%増加758百万m3となり、合計では0.4%増加5,150百万m3となりました。

電力販売量について、小売は件数増等により前年同期に比べ6.8%増加し、6,902百万kWhとなりました。また、卸他は卸供給先の需要減等により22.6%減少4,731百万kWhとなり、合計では7.5%減少11,633百万kWhとなりました。

売上高は1,087,818百万円と前年同期に比べ78,690百万円減少しました(同6.7%減)。営業費用は1,033,663百万円と前年同期に比べ5,165百万円減少しました(同0.5%減)。持分法による投資利益は936百万円と前年同期に比べ83百万円減少しました(同8.1%減)。この結果、セグメント利益は55,091百万円と前年同期に比べ73,608百万円減少しました(同57.2%減)。

② ネットワーク

売上高は140,653百万円と前年同期に比べ1,454百万円増加しました(同1.0%増)。営業費用は157,154百万円と前年同期に比べ589百万円増加しました(同0.4%増)。この結果、セグメント損失は16,501百万円となり前年同期に比べ864百万円改善しました。

③ 海外

売上高は88,619百万円と前年同期に比べ23,942百万円増加しました(同37.0%増)。営業費用は82,830百万円と前年同期に比べ38,786百万円増加しました(同88.1%増)。持分法による投資利益は50百万円と前年同期に比べ927百万円減少しました(同94.8%減)。この結果、セグメント利益は5,838百万円と前年同期に比べ15,771百万円減少しました(同73.0%減)。

④ 都市ビジネス

売上高は30,334百万円と前年同期に比べ5,155百万円減少しました(同14.5%減)。営業費用は22,604百万円と前年同期に比べ1,702百万円減少しました(同7.0%減)。持分法による投資利益は321百万円と前年同期に比べ62百万円減少しました(同16.1%減)。この結果、セグメント利益は8,051百万円と前年同期に比べ3,515百万円減少しました(同30.4%減)。

 

 

なお、参考のため、セグメント別の売上高及び構成比を示します。

セグメント

前中間連結会計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年9月30日)

当中間連結会計期間

(自 2024年4月1日

至 2024年9月30日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

エネルギー・

ソリューション

1,166,508

83.0

1,087,818

80.7

ネットワーク

139,199

9.9

140,653

10.4

海外

64,677

4.6

88,619

6.6

都市ビジネス

35,489

2.5

30,334

2.3

合計

1,405,875

100.0

1,347,425

100.0

調整額

△133,143

△125,930

連結

1,272,731

1,221,494

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間においては、税金等調整前中間純利益の計上及び減価償却費の計上等があったものの、有形固定資産の取得及び無形固定資産の取得等により、現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ150,987百万円減少し、当中間連結会計期間末には212,902百万円となりました(前連結会計年度末比41.5%減)。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は、当中間連結会計期間において171,681百万円となりました。

これは、棚卸資産の増加(26,079百万円)等があったものの、税金等調整前中間純利益の計上(33,654百万円)及び減価償却費の計上(127,378百万円)に加え、売上債権及び契約資産の減少(47,834百万円)等により資金が増加したことによるものです。

また、これは、前中間連結会計期間に比べ6,833百万円の収入の減少となります(前年同期比3.8%減)。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は、当中間連結会計期間において226,215百万円となりました。

これは、設備投資等に伴う有形固定資産の取得による支出(101,242百万円)及び無形固定資産の取得による支出(64,796百万円)等により資金が減少したことによるものです。

また、これは、前中間連結会計期間に比べ113,368百万円の支出の増加となります(前年同期比100.5%増)。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は、当中間連結会計期間において105,531百万円となりました。

これは、長期借入れによる収入(15,308百万円)があったものの、自己株式の取得による支出(40,026百万円)、コマーシャル・ペーパーの減少(32,000百万円)、長期借入金の返済による支出(19,414百万円)及び配当金の支払(14,960百万円)等により資金が減少したことによるものです。

また、これは、前中間連結会計期間に比べ568百万円の支出の減少となります(前年同期比0.5%減)。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

株式会社の支配に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発費総額は2,322百万円です。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(5) 主要な設備

① 前連結会計年度末と比較して、当中間連結会計期間に著しい変動があったものは、次のとおりです。

TG Natural Resources LLC(以下、「TGNR」といいます。)がガス開発・生産設備として鉱業権等363百万米ドルを取得しました。

市原八幡埠頭バイオマス発電合同会社がバイオマス発電設備として機械装置等46,349百万円を取得しました。

② 前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当中間連結会計期間に著しい変更があったものは、次のとおりです。

TGNRが当連結会計年度の投資予定額を570百万米ドルに変更しました。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因

事業推進上の外部リスク要因

① 原料購入価格変動リスク

当社グループが供給する都市ガスの主要原料であるLNGは海外から輸入しており、ドル建ての売買契約になっているため、円/ドル為替の変動リスクを受けます。また、ドル建てのLNG価格は主として原油価格に連動して決定されるため、国際原油価格市場の変動リスクも受けます。

ただし、原料購入価格が変動しても変動分について最大5ヶ月遅れ(注1)で都市ガス料金に反映する「原料費調整制度(注2)」が適用されるため、年度を区切ると回収超過や回収不足が発生(スライドタイムラグ)しますが、中長期的には収支への影響は軽微です。

為替及び原油価格の変動が下期の売上総利益に与える影響額は、以下のとおりです。

為替:1円/ドルの円安により、約10億円減

原油価格:1ドル/バレルの価格上昇により、約15億円減

当連結会計年度見通しにおける年平均為替相場と原油価格は、前連結会計年度がそれぞれ144.58円/ドル、85.97ドル/バレルであったのに対し、それぞれ148.89円/ドル、78.34ドル/バレルを想定しています。

(注) 1 都市ガス料金への反映は、契約により5ヶ月遅れではない場合もあります。

2 調整の上限があり、原料費調整制度に基づき算定される平均原料価格(1トン当たり)が、2022年3月から5月までの平均原料価格の160%を超過した場合には超過分は未回収となります。

② 気温変動リスク

当社グループの年度売上高の過半が都市ガスの販売によるもので、その販売量は気温の影響を受けます。家庭用においては、主な都市ガスの利用目的は給湯・暖房であるため、暖冬の場合には都市ガスの販売量が減少し減収・減益要因となります。業務用においては、主な利用目的が空調であるため、夏場においては気温が低い場合、冬場においては気温が高い場合に、それぞれ都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となります。

当中間連結会計期間の平均気温(※)は24.1℃でしたが、当連結会計年度の平均気温は通期で17.2℃を想定しています。

(※)平均気温は、各日における平均気温を月間で平均したものです。

③ 金利変動リスク

当社の有利子負債は、長期・短期ともに概ね固定金利であるため、借入れ期間中の金利変動リスクは軽微ですが、借換え時等においては金利変動のリスクを受ける可能性があります。

④ 株価変動リスク

当社の保有する株式のうち、上場株式の株価はマーケットリスクに晒されています。保有株式の取扱いについては、管理規則を設けています。

 

 

(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資産、負債及び純資産

当中間連結会計期間末は全体的に為替の影響を受けるなか、総資産は、前連結会計年度末から6,327百万円(0.2%)減少し、3,882,528百万円となりました。これは、鉱業権及び投資有価証券の増加があった一方で、コマーシャル・ペーパーの償還や自己株式の取得による現金及び預金の減少があったこと、季節要因による受取手形、売掛金及び契約資産の減少があったこと等によるものです。

負債は、前連結会計年度末から59,506百万円(2.8%)減少し、2,096,130百万円となりました。これは、コマーシャル・ペーパーの償還及び未払金の支払いによるその他流動負債の減少があったこと等によるものです。

純資産は、前連結会計年度末から53,180百万円(3.1%)増加し、1,786,398百万円となりました。これは、剰余金の配当及び自己株式の取得により株主資本が37,807百万円減少した一方で、為替換算調整勘定の増加等によりその他の包括利益累計額が88,752百万円増加したこと等によるものです。

負債の減少に伴い総資本が減少したことに加え、自己資本(株主資本及びその他の包括利益累計額の合計)が増加した結果、自己資本比率は45.0%1.4ポイント上昇しました。

② 連結キャッシュ・フロー

 

営業活動による
キャッシュ・フロー
(百万円)

投資活動による
キャッシュ・フロー
(百万円)

財務活動による
キャッシュ・フロー
(百万円)

当中間連結会計期間

(自 2024年4月1日

至 2024年9月30日)

171,681

△226,215

△105,531

前中間連結会計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年9月30日)

178,514

△112,847

△106,099

 

 

(8) 経営計画上の客観的な指標等

2023年2月22日発表の「東京ガスグループ 2023-2025年度 中期経営計画」に基づき、事業ポートフォリオマネジメントの強化を通じて、健全な財務体質と成長投資を両立し、持続的な成長・企業価値向上を実現していきます。

① 投資・資本効率性

投資に伴うリスク及び採算性に留意し個別の投資判断を行うとともに、投資効率の維持・向上及び株主資本の有効活用に努めます。また、稼ぐ力を考慮した投資・資産売却により、資産効率性を向上していきます。

具体的には、ROA(総資産利益率)・ROE(自己資本利益率)を主要経営指標と位置付け、2025年度における到達点を、ROAは4%程度、ROEは8%程度と定め上記の実現を図ります。

② 財務体質

現在の資金調達力を維持し財務健全性を確保するとともに、資本コストを意識した最適な資本構成の実現に努めます。

具体的には、D/Eレシオ(負債資本倍率)を主要経営指標と位置付け、2025年度における到達点を0.9倍程度と定め上記の実現を図ります。

③ 株主還元

配当に加え、消却を前提とした自己株式取得を株主還元の一つとして位置付け、総還元性向(連結当期純利益に対する配当と自己株式取得の割合)は、各年度4割程度を目安とします。

また、配当については、安定配当を維持しつつ、中長期の利益水準を総合的に勘案し、成長に合わせて緩やかな増配を実現していきます。

n年度総還元性向=((n年度の年間配当金総額)+(n+1年度の自己株式取得額))÷n年度連結当期純利益

 

3 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。