第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間における、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

当中間連結会計期間(2024年4月1日から2024年9月30日まで)におけるわが国経済は、物価高が個人消費に影響を与えたものの、インバウンド需要の増加もあり、緩やかな回復基調となりました。一方で、世界的な高い金利水準継続の影響や急激な為替変動に加え、地政学リスクの高まりによる海外経済の不確実性など、先行き不透明な状況が続きました。

当社グループを取り巻く環境におきましては、ペーパーメディアの需要は減少傾向にある一方、デジタルマーケティングや金融・行政手続きのオンライン化などのデジタル分野や、世界的なサステナブル意識の高まりを背景としたパッケージなどの環境分野、またAI・IoTなどの拡大を背景とした半導体分野における市場機会の拡大が見込まれています

このような環境の中で当社グループは、「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトに、社会やお客さま、TOPPANグループのビジネスを、デジタルを起点として変革させる「DX(Digital Transformation)」と、事業を通じた社会的課題の解決と持続可能性を重視した経営を目指す「SX(Sustainable Transformation)」を柱に、ワールドワイドで事業を展開しています。

以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は前年同中間連結会計期間に比べ3.2%増8,261億円となりました。また、営業利益は9.3%増277億円となり、経常利益は2.1%減318億円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は79.1%増323億円となりました。

当中間連結会計期間におけるセグメント別の状況は以下のとおりです。

 

①情報コミュニケーション事業分野

デジタルビジネス関連では、ペイメントサービスなどのデジタルセキュアや、欧州や南米を中心としたグローバルセキュアが増加したことに加え、顧客の業界特性に合わせたビジネス変革支援などを推進するマーケティングDXが堅調に推移し、増収となりました。メタバースの取り組みとしては、自治体における利用拡大に向け、クラウドセキュリティの国際標準規格ISO/IEC 27017認証を取得したモールサービス「メタパ®」をベースに、自治体向けに特化したサービスを開発しました。

BPO関連では、金融・行政・公共インフラ分野を中心に案件を獲得しましたが、前年度の一過性案件の反動減があり、減収となりました。

セキュアメディア関連では、データ・プリント・サービス、ICカード関連、海外ファイナンス印刷が増加し、増収となりました

コミュニケーションメディア関連では、出版印刷や商業印刷が減少しましたが、ビジネスフォームが増加し、増収となりました。また、出版印刷事業では、TOPPANクロレ株式会社(旧社名:図書印刷株式会社)へ販売部門を集約し、収益性改善に向けた構造改革を推進しています。

以上の結果、情報コミュニケーション事業分野の売上高は前年同中間連結会計期間に比べ3.4%増4,282億円、営業利益は4.6%減105億円となりました。

 

 

②生活・産業事業分野

パッケージ関連では、海外は、欧米やアジアにおいて、食品向けを中心としたパッケージやバリアフィルムの販売が拡大したほか、インドでの需給バランスも改善し、増収となりました。一方、国内は、地球環境保全に対する意識の高まりを背景にSXパッケージ関連が拡大したものの、紙器における収益性改善に向けた受注構成の見直しなどにより、減収となりました。その結果、当事業全体では増収となりました。また、SXパッケージを起点としたサステナブルブランド「SMARTS™」のさらなる拡大に向け、CO₂排出量などを可視化するシステム「SmartLCA-CO₂®」に外部連携機能を拡充し、顧客の情報管理の効率化を実現しました。さらに、環境負荷を軽減する水性フレキソ印刷などの生産方式により、製造時のCO₂排出量を削減したパッケージの供給を強化しました。

建装材関連では、海外は、欧米における住宅金利の高止まりや中国経済減速の影響を受けましたが、家具向け化粧シートの拡販や新興国市場の開拓を進め、また国内は、環境配慮型化粧シートや、高意匠・高機能建材とソリューションサービスを組み合わせた空間演出ブランド「expace(エクスペース)」を拡販し、当事業全体で増収となりました

以上の結果、生活・産業事業分野の売上高は前年同中間連結会計期間に比べ4.2%増2,747億円、営業利益は20.1%増156億円となりました。

 

③エレクトロニクス事業分野

半導体関連では、高密度半導体パッケージ基板のFC-BGAは、前年度下期を底とする市況低迷の影響が継続する中、フォトマスクは、アジアや欧州向けの堅調な需要に支えられ、当事業全体で増収となりました。また、さらなる競争力の強化に向け、「次世代半導体パッケージ開発センター」を新設したほか、技術開発や量産の拠点となる石川工場を2024年7月1日に開業しました。加えて、産業タイムズ社主催の第30回「半導体・オブ・ザ・イヤー」において、当社の次世代半導体向けコアレス有機インターポーザーが半導体用電子材料部門で優秀賞を受賞しました。 

ディスプレイ関連では、足元の市況は弱含みに推移する中、反射防止フィルムは、スマートフォンやテレビ向けの高付加価値品の需要を取り込み増加しましたが、TFT液晶パネルは、産業機器向けなどの需要が減少し、当事業全体では減収となりました

以上の結果、エレクトロニクス事業分野の売上高は前年同中間連結会計期間に比べ1.0%増1,351億円、営業利益は0.3%増244億円となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,006億円減少し、2兆3,322億円となりました。これは有価証券が633億円、受取手形、売掛金及び契約資産が423億円、それぞれ減少したことなどによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ679億円減少し、7,976億円となりました。これは支払手形及び買掛金が218億円、流動負債のその他に含まれる預り金が212億円、長期借入金が204億円、それぞれ減少したことなどによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ327億円減少し、1兆5,345億円となりました。これは自己株式が202億円増加し、非支配株主持分が133億円減少したことなどによるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ879億円減少し、4,348億円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益607億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結果、400億円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入があった一方設備投資などを行ったことから180億円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得や長期借入等の返済、配当金の支払などを行ったことから、1,097億円の支出となりました。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループ(当社及び連結子会社)が優先的に対処すべき課題について、重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)全体の研究開発費は13,381百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。