第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当グループが判断したものであります。

2023年8月17日に行われたRovio Entertainment Corporationとの企業結合について前中間連結会計期間に暫定的な会計処理を行っておりましたが、前連結会計年度末に確定したため、前中間連結会計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定後の金額を用いております。

また、従来「営業外収益」の「持分法による投資利益」に含めていた米国における映画製作の出資に係る配分収入を、当中間連結会計期間より「売上高」に含めて表示することに変更したため、表示方法の変更の内容を反映させた組替え後の数値で前中間連結会計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間は、主に前期ヒットした『スマスロ北斗の拳』の反動減により前年同期比で減収となりました。一方で、エンタテインメントコンテンツ事業においてはコンシューマ分野及び映像分野が好調に推移し、遊技機事業においても各タイトルの販売が概ね堅調であったことから、売上、利益ともに期初に想定した水準を上回って推移しております。

また、海外開発スタジオのAmplitude Studios SASをMBO方式で譲渡することに伴い、当中間連結会計期間に59億円を特別損失として計上いたしましたが、前中間連結会計期間に計上した欧州拠点の事業再編損からの反動や、当中間連結会計期間に実施したフェニックスリゾート株式会社の株式譲渡による特別利益の計上等に伴い、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比で増益となりました。

なお、今期より経営指標としている調整後EBITDAは348億円となり、前年同期の375億円を下回る結果となりましたが、こちらも期初の想定を上回っております。

 

このような経営環境のもと、当中間連結会計期間における売上高は211,663百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益は32,816百万円(前年同期比18.1%減)、経常利益は33,095百万円(前年同期比21.4%減)、また、関係会社株式売却益など特別利益を9,026百万円、事業再編損など特別損失を6,809百万円計上した結果、親会社株主に帰属する中間純利益は30,385百万円(前年同期比31.1%増)となりました。なお、今期より経営指標としている調整後EBITDA(注)34,806百万円(前年同期比7.3%減)となりました。

 

(注)調整後EBITDA:経常利益+支払利息+減価償却費±調整項目※

※調整項目

・+事業上の特別利益

・△事業上の特別損失(減損損失、タイトル評価減等)

・△非支配株主に帰属する当期純利益

・+M&Aに伴うのれん/商標権等の償却費

 

 

 

セグメント別の概況は以下のとおりであります。

なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。

 

《エンタテインメントコンテンツ事業》

当中間連結会計期間においては、コンシューマ分野及び映像分野が好調に推移したことから、前年同期比で増収増益となりました。

各サブセグメント別では、コンシューマ分野におきましては、2023年3月期に発売した『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』(リマスター版)や前期発売の『ユニコーンオーバーロード』等がけん引し、リピート販売が堅調に推移しております。また、「Total War」シリーズの追加ダウンロードコンテンツの販売や、過去作のサブスクリプションサービス等への展開に伴う収益が利益面で寄与したほか、為替による収益押し上げ効果もありました。

映像分野におきましては、歴代最高興行収入記録を更新した劇場版『名探偵コナン100万ドルの五稜星(みちしるべ)』や、今年4月の『ナックルズ』の配信開始を契機とした「ソニック」シリーズの映像作品収入等が大幅に伸長するなど好調に推移しました。

AM&TOY分野におきましては、新製品『UFO CATCHER TRIPLE TWIN Compact』等を発売し堅調に推移しておりますが、引き続き円安による原材料価格高騰の影響を受けております。

以上の結果、売上高は141,771百万円(前年同期比16.4%増)、経常利益は18,348百万円(前年同期比100.1%増)、調整後EBITDAは18,600百万円(前年同期比569.2%増)となりました。

 

《遊技機事業》

当中間連結会計期間においては、主に前期ヒットした『スマスロ北斗の拳』の反動減により前年同期比で減収減益となりましたが、投入した新作タイトルの販売は堅調であったこと等から、期初の想定を上回る水準で推移しております。特に当グループ初のスマートパチンコであり、今期目玉タイトルの『e北斗の拳10』については想定を上回る約3.5万台の販売となり、2024年に発売されたパチンコ機の中で最も販売されたタイトルとなっております*1。また、稼働面においても2024年8月の導入以降、市場平均を上回る稼働水準が継続*2しており、4円パチンコ全体の稼働の内、約5%のシェアを1タイトルで占める*3等、幅広いユーザーに支持されております。

以上の結果、売上高は64,711百万円(前年同期比30.1%減)、経常利益は21,588百万円(前年同期比45.1%減)、調整後EBITDAは23,256百万円(前年同期比42.7%減)となりました。

 

*1

:自社推計

*2、3

:ダイコク電機㈱DK-SISデータを元に自社推計

 

 

《ゲーミング事業》

当中間連結会計期間においては、前年同期比で増収減益となりました。

要因として、ゲーミング機器販売については、米国向けに2024年1月より導入を開始したビデオスロットマシンの新筐体「Genesis Atmos®」対応の『Railroad Riches™』が引き続き高稼働を記録し、市場からの高い評価を得て販売が好調に推移しました。韓国の『パラダイスシティ』については、カジノにおいて引き続き日本人VIP客のドロップ額(チップ購入額)が高い水準を維持し、売上が好調に推移したことから持分法取込において利益貢献いたしました。一方で、ゲーミング事業全体ではM&A関連費用や外貨建て資産評価に伴う為替影響等の計上により、約2億円の経常損失となりました。

※PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.は12月決算のため3ヶ月遅れで計上

以上の結果、売上高は1,802百万円(前年同期比194.1%増)、経常損失283百万円(前年同期は経常利益7百万円)、調整後EBITDAは△805百万円(前年同期は△13百万円)となりました。

 

 

(2) 財政状態の状況

(資産及び負債)

当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ19,165百万円減少し、634,828百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ16,075百万円減少いたしました。これは、有価証券や棚卸資産が増加した一方で、現金及び預金や売上債権が減少したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ3,090百万円減少いたしました。これは、投資有価証券や繰延税金資産が増加した一方で、フェニックスリゾート株式会社の連結除外に伴い有形固定資産が減少したこと等によるものであります。

当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ30,375百万円減少し、265,916百万円となりました。これは、賞与引当金や未払法人税等が減少したこと等によるものであります。

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ11,210百万円増加し、368,912百万円となりました。これは、自己株式の取得や配当金の支払により株主資本が減少した一方で、親会社株主に帰属する中間純利益を計上したこと等によるものであります。

(財務比率)

当中間連結会計期間末における流動比率は、前連結会計年度末に比べ55.9ポイント上昇の347.4%となりました。また、当中間連結会計期間末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.4ポイント上昇し、58.0%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ17,408百万円減少し、202,402百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

法人税等を11,602百万円支出し、棚卸資産が10,417百万円増加した一方で、税金等調整前中間純利益を35,313百万円計上したほか、法人税等について13,924百万円の還付があったこと等により、当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは10,770百万円の収入(前年同期は27,809百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

子会社株式の売却により12,385百万円の収入があった一方で、有価証券の取得により5,000百万円、出資金の払込により4,914百万円をそれぞれ支出したこと等により、当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは6,726百万円の支出(前年同期は100,102百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払により5,822百万円、自己株式の取得により10,007百万円をそれぞれ支出したこと等により、当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは18,938百万円の支出(前年同期は91,119百万円の収入)となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当グループは、事業活動の維持・拡大に必要な資金を安定的に確保するために、CMSによるグループ内資金の有効活用及び外部調達を行っております。外部調達については、今後もコンシューマ分野及びゲーミング領域への成長投資等を見据え、資本効率向上と資本コスト低減を意識しながら活用を検討してまいります。

創出したキャッシュは、成長分野への投資と安定的な株主還元に振り向ける方針であります。

 

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は30,014百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。