当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、主に当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
① 有価証券上場規程等の違反による制裁
当社は東京証券取引所スタンダード市場に上場しております。有価証券上場規程に違反すると処分を受ける場合があります。悪質なケースでは上場廃止となる場合もあり、会社法、金融商品取引法、民法及び刑法等による責任について問われる場合もあります。当社グループは事業に関連する各種制度・法令改正の情報を日々のモニタリングや弁護士及び公認会計士等から収集を図り、必要に応じて適切なアドバイスを基に事前の対策を講じる体制を構築しています。
② 貸金業法の業務規則及び自主規制団体による制裁
連結子会社であるPersonal Capital株式会社及びクラウドバンク・キャピタル株式会社は、貸金業法の適用による各種の業務規制を受けております。また、貸金業法に定める自主規制機関である日本貸金業協会は自主規制基本規則を設け、過剰貸付け防止等に関する規則や広告及び勧誘に関する規則等を規定しております。
当社グループは、高い法令等順守意識をもって法令等に対する正確な認識の確保に努めるとともに、法令等違反行為を防止するための適切な社内管理体制を構築しております。
しかしながら、当社グループが法令等に違反した場合には、行政処分や過怠金を課せられるなど法的措置が講じられるほか、法令等改正により事業規制が強化された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 紛議及び訴訟
当社グループは、法令や自主規制等のルールに沿った取引であっても、お客様との意思疎通を欠くことにより苦情につながり、結果的に紛議となる場合があります。その場合、紛議解決のための協議和解金や訴訟の場合の支払い命令等により、損害賠償費用が発生する場合があります。
なお、2024年9月末において、当社グループを被告とする損害賠償請求件数は過去に事業を行っていた商品先物取引の受託に関し、1件(請求額129,258千円)となっております。
④ 他社との競合リスク
当社グループは主に金地金事業及びノンバンク事業を営んでおり、金地金事業は地金商と競合しており、さらなる競争が激化した場合、販売価格に低下圧力がかかり、収益が大幅に低下する可能性があります。ノンバンク事業は銀行、その他貸金業のほか、異業種からの新規参入等と競合する可能性があり、これらの競争が激化した場合、貸付金利の引き下げ圧力、よりリスクの高い貸付先への貸付増加につながった場合、将来的に不良債権の増加につながるリスクがあります。その場合、当社の貸倒関連費用が増加する可能性があります。
⑤ 海外の暗号資産プラットフォームの指定解除リスク
当社グループはブロックチェーン技術を利用した金価格連動型の暗号資産「Kinka(XNK)」を発行しております。全世界的に暗号資産取引の法規制が強化された場合、暗号資産の販売が減少、停止する可能性があります。また、現在、3社の海外暗号資産取引プラットフォームに指定を受けておりますが、主要各国で暗号資産取引に関して規制強化が行われた場合、事業の縮小又は事業からの撤退の可能性があります。
⑥ 取引先の契約不履行等に係るリスク
連結子会社であるPersonal Capital株式会社及びクラウドバンク・キャピタル株式会社は、事業者向けの貸金業を営んでおり、経済情勢の悪化による景気の下振れに伴う資金繰りの困窮によって、返済が困難となる事業者が増加するリスクがあります。その場合、当社グループの受取利息の減少や貸倒関連費用の増加につながる可能性があります。また、経済情勢の悪化に伴う資金需要の低迷によって、貸付金残高が減少するリスクがあります。その場合、当社グループの受取利息の減少につながる可能性があります。
⑦ 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況について
当社グループは、2021年3月期に事業譲渡を行い営業収益の90%以上を占めていた貴金属先物事業の喪失、早期退職者募集等による従業員数の95%減少、本社を除く全営業店(10店舗)の閉鎖などにより、従前の企業活動を継続することが困難な状況にあり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループは、当該状況を解消すべく、金地金事業の収益力強化策として、①富裕層顧客の開拓、②インターネットによる金スポット取引、純金積立取引の顧客数増大(日本クラウド証券株式会社との共同事業)、③金価格連動型の暗号資産「Kinka(XNK)」の販路拡大に向けたインフラ整備と流通量の増大、等に取り組んでまいります。
また、ノンバンク事業の収益力強化策としては、当中間連結会計期間に貸金業のクラウドバンク・キャピタル株式会社を子会社化し、自己資金融資に加え融資型クラウドファンディング事業も手掛け、融資残高を増やしていく予定です。
一方で、当社グループは当中間連結会計期間の末日現在において現金及び預金を約26億円保有し、純資産も約56億円となっており、コスト削減の効果も表れていることから、当面の事業の展開・継続を図るに足る十分な現金及び預金を有しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
文中の将来に関する事項は、主に当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における世界経済は、インフレが沈静化に向かう中、景気の減速懸念が強まったことから欧州や米国では利下げ局面に入っています。一方、我が国経済は、雇用や所得、個人消費が堅調に推移していることを受け、日銀は金融正常化に向けて利上げを実施しました。この金融政策の方向性の違いに加え、ウクライナや中東における地政学リスクの高まりが世界の金融市場の波乱要因となっており、景気への影響も懸念されています。
このような環境において、金市場には資金流入が続き、国内外ともに金価格は史上最高値を更新中ですが、金地金事業においては富裕層の根強い需要に支えられ、金地金の販売額は前年同期比で2倍強と大幅に伸びました。また、海外子会社の「Kinka(BVI),Ltd.」が発行する金価格連動型の暗号資産「Kinka(XNK)」の販路拡大を目的に、新たなブロックチェーン上で「Kinka(XNK)」を発行・流通させるため、カルダノブロックチェーン創設企業の「EMURGO FINTECH INC.」とパートナーシップ契約を締結しました。今後も海外でのWeb3ビジネスの推進を図ってまいります。
ノンバンク事業においては、堅調な国内景気を背景に、不動産開発事業者の資金需要は旺盛であり、融資残高は高水準を維持しております。また、クラウドバンク・キャピタル株式会社を子会社化したことで、今後は融資型クラウドファンディング事業にも領域を広げ、収益の向上を目指してまいります。
以上の結果、売上高は3,506,646千円(前年同期比86.3%増)となり、売上総利益は156,764千円(前年同期比38.0%減)となりました。前期に引き続き経費抑制を継続的に行い、営業利益は65,544千円(前年同期は営業損失46,381千円)となりました。経常利益については114,277千円(前年同期比81.9%増)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は124,723千円(前年同期比91.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①金地金事業
当中間連結会計期間における金地金事業の売上高は3,390,770千円(前年同期比103.9%増)、セグメント利益は17,711千円(前年同期比1.4%減)となりました。
②ノンバンク事業
当中間連結会計期間におけるノンバンク事業の売上高は115,876千円(前年同期比100.2%増)、セグメント利益は125,901千円(前年同期比483.4%増)となりました。
財政状態については、以下のとおりであります。
(資産)
当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末より658,430千円増加し、6,484,597千円となりました。これは主に現金及び預金が243,331千円、売掛金が115,631千円、商品が494,072千円、営業貸付金が442,181千円増えた一方、投資有価証券が747,887千円減少したことによるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末より614,983千円増加し、871,627千円となりました。これは主に買掛金が416,099千円増えた一方、繰延税金負債が102,657千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末より43,447千円増加し、5,612,969千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する中間純利益124,723千円を計上したこと及び、非支配株主持分が160,221千円増えた一方、有価証券評価差額金が239,512千円減少したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,636,519千円となり前連結会計年度に比べ243,331千円増加しました。なお、当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、流出した資金は460,365千円(前年同期は688,143千円の収入)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益の計上129,070千円、仕入債務の増加416,099千円が増加した一方、貸倒引当金の減少74,184千円、有価証券売却益が106,188千円、営業貸付金の増加421,181千円、棚卸資産の増加494,071千円等により、資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、得られた資金は703,697千円(前年同期は1,489,785千円の支出)となりました。これは主に敷金及び保証金の回収よる収入26,262千円、投資有価証券の売却による収入456,873千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入230,255千円により資金が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金の増減はありません(前年同期は増減なし)。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 金地金の販売戦略見直しと新サービスの開発
金地金事業においては、デフレ時代からの完全脱却、年々高まる地政学リスク、そして構造的な円安トレンドが重なり、国内金価格が史上最高値を更新中の環境下にあるため、円資産の価値の目減りを回避したいと考える富裕層のニーズの掘り起こしを強化し、販売提携先の開拓も視野に入れ取引量の拡大を図ってまいります。
一方、日本における金投資の裾野拡大のため、少額資金で金投資を行いたい投資家向けに、日本クラウド証券株式会社との共同事業であるインターネットによる「金スポット取引」及び「純金積立」も継続して取り組んでまいります。また、金地金に関する新たなサービスの開発を目指し、収益力の強化に努めてまいります。
② 暗号資産「Kinka(XNK)」の販路拡大と収益源の多様化
海外子会社のKinka(BVI),Ltd.が発行している金価格連動型の暗号資産「Kinka(XNK)」は、海外の中央集権型暗号資産取引所(CEX)3か所に上場を果たしましたが、今後はさらなる流通量拡大に向け、イーサリアム・ネットワークだけでなくカルダノ・ネットワークでも「Kinka(XNK)」の取り扱いを開始し、海外での販路を拡大していく予定です。そして、「Kinka(XNK)」を販売するだけに留まらず、他のユースケース(XNKレンディング、XNK担保融資等)を提携パートナーと模索しながらWeb3ビジネスへの投資を強化し、収益源の多様化を図ってまいります。
③ 貸金業子会社の融資残高の積み上げ
貸金業を行っている子会社のPersonal Capital株式会社及びクラウドバンク・キャピタル株式会社は、不動産を担保にした融資を主な事業としております。この事業は収益性が高く、今後、融資残高を増やすことで、当社グループの収益に大きく貢献すると考えております。両社合計の2024年9月末時点の融資残高は19億円強ですが、さらなる上積みを目指し、当社は同社に対して可能な限り資金支援を行っていく予定です。
また、クラウドバンク・キャピタル株式会社においては、融資型クラウドファンディング事業も手掛け、融資残高を増やしていく予定です。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(7)販売実績
当中間連結会計期間の販売実績は「第2(事業の状況)2(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(8)経営成績に重要な影響を与える要因
当中間連結会計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
(9)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは健全な財務基盤の確保を重視しており、運転資金及び設備資金全般につきましては、主に内部資金より充当しております。
当社は、2024年9月27日開催の取締役会において、クラウドバンク・キャピタル株式会社の株式を取得し子会社化することを決議し、同日付けで株式譲渡契約を締結しました。
詳細は、「第4(経理の状況)1(中間連結財務諸表)注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。