第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国の経済は、インバウンド需要の拡大や、雇用・所得環境の改善が見られる一方で、世界的な金融引き締めに加えて中国経済の減速、長期化するウクライナ情勢や中東地域の情勢悪化等による資源価格高騰や急激な円安の進行などに伴う物価高の影響などにより、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

 当社グループが属する情報サービス業界は、行政によるデジタル化推進やビジネス形態としてリモートワーク、

クラウド環境の導入、IoT、AI、5G、メタバースなどのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するIT投

資を積極的に行う企業の増加や、増加するサイバー攻撃に対するセキュリティ需要などにより中長期的には市場規

模の拡大が継続するものとみられます。

 このような状況の下、当社グループの主力サービスであるソフトウェアテストサービスにおきましては、潜在市場規模が大きくまた参入障壁の高いエンタープライズ系(注1)領域の開拓への注力を継続し、売上規模と利益率の向上に努めております。一方で、顕在化するエンジニア不足に対して、独自の教育ノウハウによる業界未経験者の早期戦力化や採用部門の機能強化によって積極的に人材の確保を図ってまいりましたが、前下半期より、拡大する業容に対しPM層/ハイレイヤー及び営業人員の確保が追い付かない等のボトルネックが発生いたしました。当中間連結会計期間においては、これらボトルネックの解消に向けた施策を継続的に実施してまいりましたが、早期の受注拡大には至らず、売上高に関しては若干計画値を下回り、昨対比で微増にとどまりました。一方で利益に関しては、第1四半期に開発事業において大規模な不採算案件が発生したものの、ソフトウェアテスト事業における利益率の改善が進んだことや、採用費等の未消化やその他販管費の圧縮の影響により、計画値を大きく上回ることとなりました。

 その結果、当中間連結会計期間の売上高は5,083,894千円(前年同期比0.4%増)、営業利益は308,048千円(同5.6%減)、経常利益は306,185千円(同7.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は213,129千円(同9.0%増)と堅調に推移しました。

(注1)エンタープライズ系

企業の業務システムや情報システム、金融機関、病院、鉄道など大規模かつ社会基盤を支える情報システムなどに含まれ、それらの中心となる制御システムの総称

 

 各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、当社は、当中間連結会計期間より、「第4 経理の状況 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同中間連結会計期間との比較については、前年同中間連結会計期間の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

①ソフトウェアテスト事業

 当事業においては、近年、金融業界を中心としたエンタープライズ系領域の受注が拡大したほか、PMO(注2)・QMO(注3)として上流工程への関与及び大型マイグレーション(注4)案件への参画が増加したことにより、案件の大型化が加速するなど順調に拡大を続けてまいりましたが、前期よりPM層/ハイレイヤー及び営業人員不足等のボトルネックが発生したことにより、成長が抑制される状況となりました。

 当中間連結会計期間においては前下半期から継続してこれらボトルネックの解消に向けた施策実施を進めてはまいりましたが、早期の受注拡大には至らず、売上高に関しては若干計画値を下回ることとなりました。その結果、外部顧客に対する売上高は4,386,932千円(前年同期比2.1%減)と微減いたしました。一方で、管理体制強化による効率化が進み売上総利益率が計画値を上回ったことに加え、販管費の効率化及び一部未消化の影響もあり、セグメント利益は422,399千円(同23.9%増)となりました。

(注2)PMO(Project Management Office)

組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システム

(注3)QMO(Quality Management Office)

組織内における個々の品質管理の支援を横断的に行う部門や構造システム

(注4)マイグレーション

ソフトウェアやシステム、データなどを別の環境に移動したり、新しい環境に切り替えたりすること

 

②開発事業

 当事業においては、前下半期よりフェアネスコンサルティング株式会社が新たにグループインした影響もあり、外部顧客に対する売上高は628,031千円(前年同期比22.4%増)と伸長しました。一方で、当第1四半期に発生した大型案件における大幅な進捗遅延に関してはほぼ解消し業績は上向きつつあるものの、第1四半期の損失をカバーするには至らず、セグメント損失は67,510千円(前年同期は10,962千円のセグメント利益)となりました。

 

③セキュリティ事業

 当事業においては、上記大型案件に人的リソースを集中した影響もあり、外部顧客に対する売上高は68,930千円(前年同期比6.4%減)、セグメント損失は9,053千円(前年同期は12,593千円のセグメント利益)となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当中間連結会計期間末における流動資産は3,270,427千円となり、前連結会計年度末に比べ255,875千円減少いたしました。これは主に現金及び預金の減少103,670千円によるものであります。固定資産は1,950,316千円となり、前連結会計年度末に比べ81,963千円増加いたしました。これは主に有形固定資産の増加64,995千円、のれんの償却等による無形固定資産の減少24,136千円によるものであります。

 この結果、総資産は5,220,743千円となり、前連結会計年度末に比べ173,912千円減少いたしました。

 

(負債)

 当中間連結会計期間末における流動負債は1,586,873千円となり、前連結会計年度末に比べ212,295千円減少いたしました。これは主に買掛金の減少53,974千円及び未払法人税等の減少41,845千円によるものであります。固定負債は713,831千円となり、前連結会計年度末に比べ56,938千円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少55,848千円によるものであります。

 この結果、負債合計は2,300,704千円となり、前連結会計年度末に比べ269,234千円減少いたしました。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産合計は2,920,038千円となり、前連結会計年度末に比べ95,321千円増加いたしました。これは主に取得等による自己株式の増加57,504千円及び親会社株主に帰属する中間純利益213,129千円の計上によるものであります。

 この結果、自己資本比率は55.8%(前連結会計年度末は52.3%)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末より103,670千円減少し1,637,048千円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は184,780千円(前年同期比28.0%増)となりました。これは主に売上債権及び契約資産の増加額35,888千円や法人税等の支払額又は還付額89,552千円による減少があった一方で、税金等調整前中間純利益306,185千円の計上による増加があったためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は141,407千円(前年同期比74.2%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出86,342千円、無形固定資産の取得による支出53,567千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は145,921千円(前年同期は671,158千円の収入)となりました。これは主に長期借入れによる収入900,000千円、長期借入金の返済による支出957,800千円によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は35,314千円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

(株式譲渡契約)

 当社は、2024年10月24日開催の取締役会において、タビュラ株式会社の発行済株式のすべてを取得して子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。なお、株式譲渡は2024年11月8日付で完了しております。

 詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。