当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当中間連結会計期間における我が国経済は、一部で足踏みが見られますが、個人消費や設備投資で持ち直しの動きもあり緩やかに回復しております。海外においては、米国では個人消費や設備投資が増加し景気拡大の動きが見られます。欧州では金利水準やエネルギー情勢に伴う影響による下振れリスクが残るものの、サービス業を中心に回復し景気は持ち直しの動きが見られます。中国では個人消費の冷え込みが継続し、設備投資は伸び悩み、景気は足踏み状態が続いております。一部の国や地域で景気は持ち直しておりますが、世界的な金利変動や中国市場の停滞等の下振れリスクが継続し、依然として世界的な景気の先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当中間連結会計期間の売上収益は、中国における市況低迷継続により楽器販売が不振であったものの、法人向け音響機器の販売好調に加え、為替の円安による影響もあり前年同期に対し85億6百万円(3.9%)増加の2,281億34百万円となりました。当中間連結会計期間の損益については、事業利益は、為替の円安による影響により、前年同期に対し51億5百万円(33.3%)増加の204億30百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は、中国、インドネシア工場のピアノ生産設備等に関して78億4百万円の減損損失を計上したことなどから、前年同期に対し96億82百万円(64.8%)減少の52億62百万円となりました。
(注)事業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出した日本基準の営業利益に相当する
ものであります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 楽器事業
当中間連結会計期間の売上収益は、前年同期に対し30億37百万円(2.0%)減少の1,451億98百万円となりました。アコースティックピアノは、中国における市況低迷継続により大幅な減収となりました。電子楽器は、中国での需要減が響き、為替影響を除く実質減収となりました。管弦打楽器は、需要堅調ながら米国における財政支援終了もあり前年並みとなりました。ギターは、実質減収となりました。
事業利益は、前年同期に対し24億35百万円(18.7%)減少の105億60百万円となりました。
② 音響機器事業
当中間連結会計期間の売上収益は、前年同期に対し113億45百万円(21.5%)増加の640億10百万円となりました。個人向け事業は、ホームオーディオ縮小により実質減収となりました。法人向け事業は、業務用音響機器の需要増が継続したことにより大幅な増収となりました。
事業利益は、75億13百万円(前年同期は6億58百万円の利益)増加の81億71百万円となりました。
③ その他の事業
当中間連結会計期間の売上収益は、前年同期に対し、1億99百万円(1.1%)増加の189億26百万円となりました。電子デバイスは、車載オーディオの出荷が好調に推移したことにより大幅な増収となりました。自動車用内装部品、FA機器、ゴルフ用品は、減収となりました。
事業利益は、前年同期に対し28百万円(1.7%)増加の16億98百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末の資産合計は、前期末の6,668億37百万円から442億17百万円(6.6%)減少し、6,226億20百万円となりました。
流動資産は、前期末から27億56百万円(0.7%)増加し、3,721億2百万円となり、非流動資産は、469億73百万円(15.8%)減少し、2,505億18百万円となりました。流動資産では、ヤマハ発動機株式会社株式の一部売却等により現金及び現金同等物が増加し、季節変動等により営業債権及びその他の債権が減少しました。非流動資産では、株式売却に加え、保有有価証券の時価下落により金融資産が減少しました。また、中国及びインドネシアの生産設備等について減損損失を計上したことにより、有形固定資産が減少しました。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前期末の1,550億27百万円から175億9百万円(11.3%)減少し、1,375億17百万円となりました。
流動負債は、前期末から38億13百万円(3.6%)減少し、1,018億75百万円となり、非流動負債は、136億95百万円(27.8%)減少し、356億42百万円となりました。非流動負債では、保有有価証券の時価変動に対して認識する繰延税金負債が減少しました。
当中間連結会計期間末の資本合計は、前期末の5,118億10百万円から267億8百万円(5.2%)減少し、4,851億2百万円となりました。為替変動の影響及び保有有価証券の時価下落によりその他の資本の構成要素が減少しました。また、自己株式を630万株消却し、資本剰余金と利益剰余金が減少しました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間において現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、156億3百万円増加(前年同期は61億19百万円減少)し、期末残高は1,171億90百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税引前中間利益により、251億45百万円の収入(前年同期は主として税引前中間利益により196億98百万円の収入)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、主として投資有価証券の売却により、90億45百万円の収入(前年同期は主として有形固定資産の取得により158億42百万円の支出)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、主として自己株式の取得、配当金の支払いにより、159億39百万円の支出(前年同期は主として自己株式の取得、配当金の支払いにより148億48百万円の支出)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、新たに発生した当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題は、次のとおりであります。
中国において、市場の景気停滞と構造的変化により、ピアノの需要低迷が想定以上に継続しており、急速な市況の回復は見込めない状況であります。そのため、2022年4月からの3年間を対象とした中期経営計画「Make Waves 2.0」で掲げた財務目標について、目標達成は困難な状況であります。
今後は販売の回復に努めるとともに、将来の需要予測に基づいた事業プランを策定し、グループ全体で収益力の回復を図ってまいります。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は、127億84百万円であります。
なお、当中間連結会計期間における研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
当中間連結会計期間末の提出会社の従業員数は、前連結会計年度末から1,143名増加し、3,484名となりました。これは主に、楽器事業及び音響機器事業において、(株)ヤマハミュージックマニュファクチュアリングを吸収合併したことによるものであります。
なお、連結会社の従業員数に、著しい変動はありません。
(7) 主要な設備
「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 6.その他の費用」 に記載の通り、当中間連結会計期間において、中国、インドネシアの一部の生産工程について一時的に操業休止を決定しており、それに伴い78億4百万円の減損損失を認識しております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。