当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(1) 経営成績の分析
当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより、個人消費が持ち直し景気は緩やかに回復しています。一方で、中国経済の減速感や継続的な物価上昇、グローバルな地政学的リスク、さらには欧米・国内の金利動向による為替変動等、先行きは依然として不透明な状況が続いています。半導体市場においては生成AI関連の需要を追い風に回復の兆しはあるものの、各種製品の需要には未だ強弱感のある状況となっています。
このような状況下、当社は2024年5月に、2019年の経営統合後初めてとなる中期経営計画を発表いたしました。2027年3月期までの成長に向けた基本方針を掲げ、4つのビジネスユニット(BU)体制の確立を目指しております。事業の一層の拡大と収益力の向上に取り組み、中期経営計画の達成に向けた施策を推進してまいります。2024年9月27日に中期経営計画の柱である4BU体制の新BU「IT&SIerBU」の基盤を担うPCIグループ(以下、「PCI」といいます。)を連結子会社といたしました。PCIの強みであるソフトウェア開発やソリューション開発・保守等の情報サービス事業を軸に、両社の強みを生かした技術リソースの強化並びに企画提案等の上流プロセスへの展開を加速させ、さらなる市場の深耕・拡大を図ってまいります。
デバイス事業におけるケミカル商材のラインカード拡充や材料系拡販におけるマーケティング強化を図る目的で、デクセリアルズ株式会社との合弁会社であるRestar Dexerials Hong Kong Limitedが2024年7月1日より当社の連結子会社としてオペレーションを開始いたしました。また、2024年10月1日に自己株式の取得を行い、2024年10月31日には新光商事株式会社との間で資本業務提携契約の締結及び第三者割当による自己株式の処分を行うことを決議いたしました。当社が進めるロングテール戦略において、規模・資金力・商材・人員リソース・技術力等、それぞれの経営リソースの共有により顧客基盤・販売ネットワーク及び製品ポートフォリオの拡充を図り、マスマーケット市場の深耕をはじめ、技術力・提案力を一層強化してまいります。
引き続き、国内外でのM&Aや資本提携に加え、グループシナジーの追求により、あらゆるニーズに対応できる「エレクトロニクスの情報プラットフォーマー」を目指し、情報と技術で世界・社会の持続可能な発展を実現し、企業価値の向上を図ってまいります。
(連結経営成績の概況)
当中間連結会計期間においては、連結子会社化(2023年7月株式会社レスターWPG、2024年1月株式会社レスターエンベデッドソリューションズ)したことやデバイス事業における民生の高機能カメラ向けやPC関連さらには車載向けを中心とした売上の伸長、加えてスマートフォン市場の回復に伴うEMS事業の業績改善などにより売上高は増収となりました。利益面では主にEMS事業やエコソリューション事業における増収などによる増益があったものの、デバイス事業における産業機器向けの減収や8月から9月にかけての急激な円高の影響により営業利益は減益となりました。経常利益においては主に為替差損の減少により増益となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は2024年9月に連結子会社の解散を決議したことに伴う子会社清算損を計上したものの、当該清算に関連した税効果により増益となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は273,042百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益は6,826百万円(前年同期比3.8%減)、経常利益は4,621百万円(前年同期比16.8%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は4,391百万円 (前年同期比30.4%増)となりました。
(報告セグメント別の経営成績)
当社グループの報告セグメントは、2024年4月の事業再編に伴い「デバイスBU(ビジネスユニット)」及び「システムBU(ビジネスユニット)」の2つを報告セグメントとしております。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当中間連結会計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
① デバイスBU
・業績の概況
デバイス事業は産業機器市場の回復が遅れている一方、連結子会社化(2023年7月株式会社レスターWPG、2024年1月株式会社レスターエンベデッドソリューションズ)が寄与したことや民生の高機能カメラ向けやPC関連さらには車載向けを中心とした売上の伸長により増収となりました。EMS事業は主力のスマートフォン向けが引き続き好調に推移し増収となりました。セグメント利益は、EMS事業における増収による増益はあったものの、産業機器市場の回復が遅れていることに加えて8月から9月にかけての急激な円高の影響もあり減益となりました。
以上の結果、売上高は253,609百万円(前年同期比11.9%増)、セグメント利益は5,199百万円(前年同期比12.7%減)となりました。
② システムBU
・業績の概況
システムソリューション事業は、オフィス移転需要などで企業向けビジネス等が伸長したものの、放送関連向けや出入管理端末などのシステム機器における販売が低調に推移したことや、センサー関連ビジネスの一体強化を図るため、イメージセンシングビジネスをデバイス事業に移管したことなどにより全体では減収となりました。エコソリューション事業は、新電力における電力販売先の拡大および国内外における太陽光発電所の拡大やPPA(電力販売契約)の新規契約の増加もあり増収となりました。セグメント利益は、システムソリューション事業の減益があったものの、エコソリューション事業の増収により増益となりました。
以上の結果、売上高は19,433百万円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は2,484百万円(前年同期比10.8%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して35百万円増加し、291,739百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加4,420百万円、商品及び製品の減少10,864百万円、流動資産のその他に含まれる未収入金の減少7,976百万円及び預け金の増加6,907百万円、繰延税金資産の増加5,905百万円、固定化営業債権の減少7,314百万円、投資その他の資産の貸倒引当金の減少7,314百万円などによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して10,714百万円減少し、189,964百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少33,974百万円、長期借入金の増加20,513百万円によるものであります。
純資産は前連結会計年度末と比較して10,750百万円増加し、101,775百万円となりました。これは主に、資本剰余金からの配当1,804百万円、親会社株主に帰属する中間純利益の計上による利益剰余金の増加4,391百万円、為替換算調整勘定の増加3,605百万円、非支配株主持分の増加4,790百万円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、44,210百万円となりました。
なお、当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、20,352百万円(前年同期は977百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益491百万円、貸倒引当金の減少7,020百万円、売上債権の減少8,050百万円、固定化営業債権の減少7,308百万円、棚卸資産の減少9,999百万円、未収入金の減少7,849百万円、預け金の増加6,907百万円によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、1,925百万円(前年同期は2,142百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,519百万円、投資有価証券の償還による収入600百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出577百万円によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、14,275百万円(前年同期は4,313百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純減少33,779百万円、長期借入れによる収入23,160百万円によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。
(6) 従業員数
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数は前連結会計年度末より1,511名増加し、4,743名となりました。これは主にIT&SIerBUにおいて株式取得によりPCIホールディングス株式会社他6社を連結子会社としたこと及び業容拡大による採用等によるものです。なお、従業員数は就業人員数であり、上記には臨時雇用者数は含んでおりません。
事業等の提携契約
当社は、PCIホールディングス株式会社との間で2018年6月27日付で締結した資本業務提携契約を終了し、2024年8月9日付で新たな資本業務提携契約を締結しております。