第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等)

当社グループは、前連結会計年度において4期ぶりに営業利益の黒字化を達成したものの、①当連結会計年度中間期は、営業赤字となっていること、②当連結会計年度中間期末において、財務制限条項への抵触が続いており、金融機関から期限の利益喪失請求等の権利行使の猶予を受けていること、③同様に当連結会計年度中間期末において自己資本が低い水準に留まり、また、収益力向上、財務体質の改善・強化、安定した経営基盤の構築及び安定的な資金繰りの確保を求められていること、④北米事業は継続的な再建への取組みにより赤字幅は着実に縮小しているものの、未だ改善途上にあること、⑤前連結会計年度の黒字化には販売先OEMによる支援も含まれていることから、現時点では依然として継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。

これに対して、当社グループでは当該事象又は状況を改善、解消すべく、当連結会計年度中間期半期報告書提出日までの間も引き続き、全社を挙げて以下(1)を含む様々な経営改革に取組んだ結果、その改善効果が着実に現れてきていることに加え、以下(2)及び(3)記載の取組みが実行されたことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

 (1) グループの収益力向上

① 取引先との販売価格・数量等の改定交渉、材料の市況変動による高騰や労務費高騰の販売価格への転嫁、生産現場における生産ロスの圧縮、人員体制の最適化等による人件費抑制の継続などの経営改革を断行し、グループ収益力の向上を図って参りました。

② 特に課題である北米拠点においては、上記取組みに加えて、主要販売先OEMのご協力による生産現場改善や、間接部門における事務のメキシコへの集約によるコストダウンなどの経営改革を着実に実行しております。

③ また欧州拠点においても、拠点再編・不採算事業の撤退・間接部門の共有化等も含めた収益改善施策の具体化を進めております。

 

 (2) 財務体質の改善・強化と安定した経営基盤の構築

① 当社グループの安定的な事業運営の継続、自己資本の充実による財務体質の改善・強化及び経営再建を確実とするための抜本的な構造改革施策の実施に必要な資金を確保することを目的として、2024年11月1日、日産自動車株式会社からの第三者割当増資による総額60億円の資金調達(以下、「本第三者割当増資」)が完了し、これにより、当社グループの自己資本比率は改善しております。

② 2024年11月1日に本第三者割当増資が完了したことで、古川幸二が当社の代表取締役社長 社長役員に新たに就任し、稲津茂樹が当社の取締役 副社長役員に新たに就任しております。

 

 (3) 安定的な資金繰りの確保

① 2024年11月1日、株式会社りそな銀行との間の、2024年5月9日付劣後特約付準金銭消費貸借契約書に基づく、デットデットスワップ(以下、「本DDS」といいます。)の効力が生じております。本DDSは、当社の既存借入金(総額約176億円)の一部(総額60億円)について2033年3月31日を返済期限とする資本性劣後ローンへ転換いただくものであり、当社の資金繰りの安定化に大きく寄与するものです。

② 当社は2022年5月26日に締結したシンジケートローン契約について、2024年10月23日付で変更契約を締結し、これにより最終返済期限を2028年3月31日に変更されると共に、当該契約に基づくシンジケートローンは解団され、シンジケートローンに参加する各取引金融機関との個別の金銭消費貸借契約の形態に変更されております。なお、過去の財務制限条項への抵触を理由として取引先金融機関が取得した権利については、いずれも2024年11月1日付で放棄をいただいております。

③ 当社は2022年9月30日に締結したコミットメントライン契約について、2024年10月23日付で変更契約を締結し、コミットメント期日を2028年3月31日に変更すると共に、2024年11月1日より貸出コミットメントの総額を55億円に増額いただいております。なお、過去の財務制限条項への抵触を理由として取引先金融機関が取得した権利については、いずれも2024年11月1日付で放棄をいただいております。

④ 当社は2024年10月23日付で、全取引先金融機関との間で、「債権者間協定書」を締結しており、新たな財務制限条項を設定すると共に、同「債権者間協定書」において定められた新たな弁済条件に基づく金銭消費貸借契約書を併せて締結しております。

⑤ 上記に加えて、投資案件の厳選及び抑制等により、事業及び運転資金については、安定的な確保を維持できております。

 

以上の通り、経営改革への取組みが奏功し、グループの収益力向上、財務体質の改善・強化と安定した経営基盤の構築ならびに安定的な資金繰りの確保のすべての面において、確実に成果が現れてまいりましたが、引き続き新たな経営体制の下でさらなる業績の改善に取り組んでまいります。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)  財政状態の状況

(資産)

総資産は1,584億82百万円と前連結会計年度末に比べ、164億36百万円の増加(+11.6%)となりました。この主な要因は、現金及び預金が91億57百万円増加、固定資産が32億53百万円増加、受取手形及び売掛金が29億9百万円増加したことであります。

 

(負債)

負債は1,312億58百万円と前連結会計年度末に比べ、116億49百万円の増加(+9.7%)となりました。この主な要因は、長期借入金が15億99百万円減少したものの、短期借入金が141億14百万円増加したことであります。

 

(純資産)

純資産は272億24百万円と前連結会計年度末に比べ、47億87百万円の増加(+21.3%)となりました。この主な要因は、利益剰余金が44億62百万円減少したものの、為替換算調整勘定が90億26百万円増加したことであります。

 

(2)  経営成績の状況 

世界経済は日銀による利上げや米国の景気後退及び中国での景気減速等の懸念を受けて、世界的に株価が急落しましたが、その後は落ち着きを見せ、景気は緩やかに持ち直しつつあります。

わが国の経済も、物価高及び地震、天候不良影響による景気悪化要因はありましたが、内需を中心に回復に向かいつつあると見込まれます。こうした中、当社グループの関連する自動車業界も、認証不正で停止していた自動車生産の再開により販売は回復傾向にあるものの、一方でインフレ動向や各国金利政策のほか、EV化に伴う車両価格上昇などが消費者購買力へ与える影響への懸念から今後の動向に留意が必要な状況となっています。

この結果、当中間連結会計期間における売上高は、1,095億26百万円と前中間連結会計期間に比べ96億86百万円(+9.7%)の増収となりましたが、営業損失は9億24百万円(前中間連結会計期間は8億10百万円の営業損失)となりました。経常損失は大幅な為替差損の影響により27億円(前中間連結会計期間は8億99百万円の経常利益)となり、親会社株主に帰属する中間純損失は、44億62百万円(前中間連結会計期間は6億6百万円の親会社株主に帰属する中間純利益)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

(日本)

主要得意先の生産台数の減少等により、売上高は252億49百万円と前中間連結会計期間に比べ16億21百万円の減収△6.0%)となりました。一方で構造改革費用を始めとした各種費用の削減により、セグメント利益は14億円と前中間連結会計期間に比べ2億45百万円増益(+21.2%)となりました。

 

(北米)

主に為替の影響等により、売上高は590億45百万円と前中間連結会計期間に比べ98億13百万円の増収+19.9%)となりました。一方で、新車立ち上げにおける生産関連費用等が増加し、セグメント損失は31億9百万円(前中間連結会計期間はセグメント損失36億18百万円)となりました。

 

(欧州)

主要得意先の生産台数が増加し、売上高は142億42百万円と前中間連結会計期間に比べ28億1百万円増収(+24.5%)となりました。インフレによる各種費用の増加により、セグメント損失は1億98百万円(前中間連結会計期間はセグメント損失2億27百万円)となりました。

 

(アジア)

主に中国地域におけるEV化へのシフトによる当社受注車の販売不振により、売上高は109億89百万円と前中間連結会計期間に比べ13億7百万円減収(△10.6%)となりました。セグメント利益は8億91百万円と前中間連結会計期間に比べ7億31百万円減益(△45.1%)となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

  当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前中間連結会計期間に比べ67億6百万円増加し302億80百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費35億1百万円、支払利息10億96百万円、為替差損11億6百万円等による資金の増加があり、一方で、税金等調整前中間純損失30億16百万円、仕入債務の減少37億57百万円等により、20億95百万円の支出(前中間連結会計期間は13億89百万円の支出)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出25億4百万円、有形固定資産の取得による支出26億54百万円等による資金の減少があり、33億20百万円の支出(前中間連結会計期間は29億14百万円の収入)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配株主への配当金の支払額9億45百万円、リース債務の返済による支出5億14百万円等に対して、短期借入金の純増減額が128億6百万円増加し、113億69百万円の収入(前中間連結会計期間は100億5百万円の支出)となりました。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当中間連結会計期間において、当社グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

当中間連結会計期間における研究開発費の総額は6億83百万円であり、この他に新車開発及び既存製品の改良等で発生した研究開発関連の費用は12億23百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7) 生産、受注及び販売の実績

当中間連結会計期間において、北米セグメント及び欧州セグメントにおける自動車内装部品の生産、受注及び販売の実績が著しく増加しております。これは、得意先の増産や新車立上げを受けて、当社受注部品の生産、受注及び販売の実績が増加したことによるものであります。

また、当中間連結会計期間において、日本セグメント、アジアセグメントにおける自動車内装部品の受注の実績が著しく減少しております。これは日本地域において主要得意先の生産台数が減少したこと、中国地域におけるガソリン車市場の縮小を受け、得意先が減産したことによるものであります。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

(シンジケートローン契約及びコミットメントライン契約に係る変更契約の締結)

当社は、2022年5月26日に総額303億円のシンジケートローン契約及び株式会社りそな銀行を貸付人とした総額30億円のコミットメントライン契約を締結し、その後2024年5月28日に変更契約を締結しておりますが、さらに2024年8月29日及び9月27日に変更契約を締結し、返済期日及びコミットメント期日に以下の変更が生じています。

 

1.シンジケートローン契約に係る変更契約の概要

2024年8月29日付の変更契約の締結に伴い、シンジケートローンの返済期日が2024年9月2日から2024年10月1日に変更され、その後2024年9月27日付の変更契約の締結に伴い、シンジケートローンの返済期日が2024年10月1日から2024年11月1日に変更されております。

なお、その後2024年10月23日付で変更契約を締結し、これにより最終返済期限を2028年3月31日に変更されると共に、当該契約に基づくシンジケートローンは解団され、シンジケートローンに参加する各取引金融機関との個別の金銭消費貸借契約の形態に変更されております。

 

2.コミットメントライン契約に係る変更契約の概要

2024年8月29日付の変更契約の締結に伴い、コミットメント期日が2024年9月2日から2024年10月1日に変更され、その後2024年9月27日付の変更契約の締結に伴い、コミットメント期日が2024年10月1日から2024年11月1日に変更されております。

なお、その後2024年10月23日付で変更契約を締結し、コミットメント期日を2028年3月31日に変更しております。

 

(コミットメントライン契約に係る変更契約の締結)

当社は、2022年9月30日に株式会社りそな銀行を貸付人とした45億円のコミットメントライン契約を締結し、その後2024年5月28日に変更契約を締結しておりますが、その後さらに2024年8月29日及び9月27日に変更契約を締結し、コミットメント期日に以下の変更が生じています。

 

1.コミットメントライン契約に係る変更契約の概要

2024年8月29日付の変更契約の締結に伴い、コミットメント期日が2024年9月2日から2024年10月1日に変更され、その後2024年9月27日付の変更契約の締結に伴い、シンジケートローンの返済期日が2024年10月1日から2024年11月1日に変更されております。

なお、その後2024年10月23日付で変更契約を締結し、コミットメント期日を2028年3月31日に変更すると共に、2024年11月1日より貸出コミットメントの総額を55億円に増額しております。