当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
(経営理念)
・教育・文化事業への貢献を通じて人づくりを目指す
・フランチャイズノウハウの開発普及を通じて自己実現を支援する
上記2つの経営理念のもとに、事業活動を通じて民間教育企業としての人づくりと、フランチャイズノウハウの提供による自己実現支援企業としての役割を果たすことで社会に貢献し、社会からその存在を認められる社会的存在価値の高い企業でありたいと考えております。
(教育理念)
・個別指導による自立学習を通じて創造力豊かで自立心に富んだ21世紀社会の人材を育成する
上記の「教育理念」により多様化する教育に対する様々なニーズに応えたいと考えております。
これらの理念を「創業の精神」として、これからも変わらぬものとして引継ぎながら、社会環境の急速な変化に対応すべく、当社がこれからも選ばれ続ける企業となるために、未来社会に向けた当社の存在意義、在り方である“Purpose”、“Vision”、そして行動指針である“Values”を策定いたしました。進化の過程である明光ネットワークジャパンとその先の未来のために、改めて進化の向かう先を宣言いたしました。
(Purpose)
・「やればできる」の記憶をつくる
Statement
明光ネットワークジャパンは「自分にYES」を出せる人づくりをします。
新しい“め”を育み、新しきに繋がる記憶と勇気をつくります。
創造性豊かな社会の実現のために、新しい価値を発揮し続けます。
(Vision)
・“Bright Light for the Future”
人の可能性をひらく企業グループとなり輝く未来を実現する
(Values)
・隣に立つ
前でも、後ろでもない。向き合うでもない。同じ目線で、同じ方向を見る。
・繋ぐ
点と点を繋ぎ、新たな結び目を創る。新結合によって新価値を生む。
・自分にYES
自分にYESを出せる、自分でいる。判断行動する。社会をつくる。
(2)経営環境
日本における今後の人口動態の問題は、少子高齢化の加速だけに留まらず、生産労働人口の減少に伴う働き手不足など、多岐にわたる課題が危惧されています。こうした社会課題に対し、当社グループでは教育を介在価値として“Purpose”「『やればできる』の記憶をつくる」を起点として「総合的な人材支援グループ」への進化を遂げることで、「人の可能性をひらく企業グループ」という“Vision”を実現するために、2025年8月期を初年度とする3ヵ年中期経営計画「MEIKO Transition」を策定いたしました。
(3)中期経営戦略
当社グループは、中期経営計画「MEIKO Transition」の3ヵ年を、利益を創出するための投資期間と位置づ
け、現状の課題解決を図り、未来を切り開く成長基盤を構築するために、「事業」と「ヒト」の両面から、
大胆なTransition(※)を断行し、持続的な成長を続け、その先の100年企業を目指してまいります。
(※)Transition:連続的な変化を遂げながら、その先のステージへ移行すること
◇ Business Transition
当社グループは、子どもたちの自立を支援する教育事業会社から、幼児からシニアまであらゆる人々の可能性をひらき、一人ひとりのライフステージに応じた輝く未来を実現する「総合的な人材支援グループ」へとTransitionを図ります。従来の事業のみならず、新たな市場機会を積極的に捉え、“Purpose”及び“Vision”と親和性があり、社会課題を解決する事業を多数創出することで、安定した収益基盤を構築します。
◇ Human Transition
当社グループの一人ひとりが新たな価値創造に果敢に挑戦し、“Purpose” 「『やればできる』の記憶をつくる」及び“Vision”「人の可能性をひらく」を体現するため、従来のやり方や考え方からのTransitionを図ります。一人ひとりがTransitionを図ることで、自らの成長を実現するとともに、グループ全体の競争力を飛躍的に向上させます。
(1)Business Transition 基本方針
①ポートフォリオの進化
・明光義塾に続く成長の柱として、人材・研修事業、新規事業への投資により成長基盤を構築し、バラン
スよく利益を創出します。
②顧客層(ターゲット)の拡大
・教育ニーズの多様化に応える教育事業の顧客拡大とともに、人材・研修事業は、顧客の幅を広げて多様
なニーズに応えます。
③アライアンス戦略の加速
・行政、教育機関、民間事業者をはじめとする協業の強化により、新サービスの導入を加速します。
④グループアライアンスの実現
・当社グループのシナジーを最大化するための人事の最適化を実現します。またグループ統括室を起点と
した運営支援を実施します。
⑤安心・安全な環境づくり
・事業活動の継続とともに、当社グループの事業活動に従事する一人ひとりと顧客の安全を守ります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ポートフォリオを進化させる戦略投資を推進するとともに、資本コストを意識してレバレッジを活用し、
安定的・持続的に営業利益・EBITDAの成長を図る事業・財務収益基盤の構築を目指します。
①売上、利益
|
2025年8月期 計画 |
2027年8月期 目標 |
連結売上高 |
230億円 |
240億円 |
連結営業利益 |
11億円 |
15億円 |
EBITDA |
13.5億円 |
20億円 |
②効率性、安全性・レバレッジ
|
2025年8月期 計画 |
2027年8月期 目標 |
ROE |
5.9% |
8.0% |
財務レバレッジ |
1.64 |
1.70以上 |
③株主還元
|
2025年8月期 計画 |
2027年8月期 目標 |
DOE(株主資本配当率) |
6.6% |
5%~7% |
(注)上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に
基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(1)及び(3)に記載の、会社の経営の基本方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先
的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
(1)事業戦略
①教育:明光義塾事業
・高収益を実現しているトップランナーの成功事例を、直営から開始しFCに横展開し、収益構造を転換、
底上げすることによって、利益体質を強化します。
・ホスピタリティをすべての根幹に据えて、「ホスピタリティ・コーディネータ」「アソシエイト・ホスピタ
リティ・コーディネータ」の資格取得を推進し、現在までにグループ全体で累計398名の取得者がおります。
ホスピタリティの実践によって、提供サービスの品質底上げを実施し、顧客満足度のみならず従業員満足度
も高め、継続したくなる体験価値「ずっと明光」を実現します。
(2)財務投資戦略・組織人事戦略
①キャピタルアロケーション
・既存事業の成長投資、人材育成、システム・DXなどへの基盤投資だけでなく、将来の主力事業になり得る成
長可能性の高い人材・研修事業、新規事業に手元資金、営業及び財務キャッシュフローを原資とする30億円
から50億円程度の規模で戦略投資を推進します。
②Human Transition 基本方針
・人材を資源(リソース)ではなく資本(キャピタル=能力)と捉え、一人ひとりの個性と多様性を尊重し、
人材と組織を活性化いたします。そして個々の多様な視点・経験・スキルが生み出す化学反応によるイノ
ベーション、失敗を恐れずにワクワクしながら挑戦する意欲、主体性を発揮できる環境を整備します。
・多様性ある人材の採用を継続し、またグループ内でジョブローテーションを通じて人材育成、交流を図り、
数多くの事業を創出する、当社グループを支えるタレントプールをつくり、次世代経営幹部を輩出します。
(3)非財務目標
①マテリアリティ
・Purpose、Vision、中期経営計画「MEIKO Transition」が目指す総合的な人材支援グループへ「Transition」
を図るため、ステークホルダー及び自社にとって重要な社会課題をステークホルダーと専門家と協議した上
で、マテリアリティとして特定しました。中でも「社会課題の解決への挑戦」「学びのインフラ」について
は、自社にとって特に大切な項目としました。なお、今後もサステナビリティ委員会で検討し、適宜見直し
ます。
②人権方針
・当社は、人権擁護を重要な経営上の課題の一つと認識しています。そこで当社の人権尊重に関する考え方を
改めて整理し、明確にした上で取り組みを推進するべく、「人権方針」を制定いたしました。
(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
①教育:キッズ事業
・13校から受託している私立小学校のみならず、アセットを所有するアライアンス先を開拓し、協業を強化し
ます。
②教育:自立学習RED事業
・ICTを活用したヒトに頼らないビジネスモデルである強みを活かし、フランチャイジーを拡大するとともに、
講師不足である自治体との協働や町営塾の運営受託を強化します。
③教育:日本語学校事業
・日本語学校事業の2校にて、グループ内アライアンスを強化し、シナジーを追求します。
④人材・研修:人材事業(特定技能)
・市場ニーズの高い外食業界を中心として展開してきましたが、今後は業種領域を拡大します。
またホスピタリティを根幹とした研修を実施し、差別化した人材を輩出します。
⑤人材・研修:人材事業(人材紹介)
・市場ニーズの高い業種に絞り、人材紹介先及び求職者との関係性を構築してきましたが、今後は業種領域を
拡大します。
⑥人材・研修:研修事業
・個人向けリスキリングを新規導入し、リスキリングから人材紹介までをMIXしたハイブリッドモデルにより
差別化を図ります。
当社グループは今後においても、環境変化に柔軟に対応しながら、収益機会を創造し、持続的な成長の実現
を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
明光ネットワークジャパンは、「子どもたちの自立を支援する」教育事業会社から、幼児からシニアまで「あらゆる人々の可能性をひらく」グループへ、“Purpose”「『やればできる』の記憶をつくる」を起点に、一人ひとりのライフステージに応じた「輝く未来」を実現する、総合的な人材支援グループを目指しております。
これからも社会から選ばれる企業であり続けるために、教育格差、デジタル教育、教育/労働の機会不均衡、生産労働人口の減少、高齢化社会などの社会課題を新たなビジネスの機会と捉え、“Purpose”「『やればできる』の記憶をつくる」を起点として、積極的にその解決にチャレンジし、あらゆる世代のお客様に対して時代のニーズを見据えた最適な「学び」の機会を継続的に提供する「学びのインフラ」にコミットし、社会環境の急速な変化に立ち向かえる「人の可能性をひらく事業」を創造してまいります。
そして責任あるプライム市場上場企業として「サステナビリティ委員会」を設置し、適切なマテリアリティの特定とその方針、取り組みを審議、実践、見直しを図ることで、自社と社会のサステナビリティの実現に向けた活動を推進します。また社外の専門家やステークホルダーとの対話を積極的、能動的に行い、活動の実践とその結果を広く開示し、企業価値向上を目指してまいります。
<ガバナンス>
当社は、サステナビリティ経営に関わる基本方針や重要事項等を検討・審議・決議する組織として、2022年11月に代表取締役社長を委員長とする取締役会の諮問機関であり、取締役を中心に構成される「サステナビリティ委員会」を設置し、第40期につきましては6回実施しております。
特に気候変動及び環境課題への配慮、人権・従業員の労働環境やコンプライアンスの徹底等については、「明光ネットワークジャパンサステナビリティ基本方針」において重要なテーマのひとつとして位置付けております。
また、サステナビリティ経営を推進させるために、サステナビリティ推進室を設置しております。サステナビリティ推進室室長(取締役 経営企画部長)は年度計画を立案し、年度計画に基づいた指標、目標の進捗状況を管理し、サステナビリティ委員会に付議いたします。サステナビリティ委員会は、付議された年度計画、指標、進捗状況等の重要事項を評価、モニタリング、審議、決議し、取締役会に報告することにより、監視・監督機能を強化、実効性を確保しております。
第40期の活動内容につきましては、サステナビリティ基本方針の改定、価値創造プロセス、マテリアリティの特定、人権方針の策定、人権デューディリジェンスの実施についての審議、決議を行ってまいりました。
なお当社は2024年11月15日開催の第40回定時株主総会後の取締役会において、代表取締役社長に岡本光太郎を選任しており、サステナビリティ委員会委員長に就任しております。
引き続き、活動の実践につきましては、委員長である代表取締役社長の岡本光太郎を中心に議論をさせていただき広く開示してまいります。
<戦略>
マテリアリティ
Purpose、Vision、中期経営計画「MEIKO Transition」が目指す総合的な人材支援グループへ「Transition」を図るためステークホルダーおよび自社にとって重要な項目をステークホルダーと専門家と協議した上で、マテリアリティとして特定しました。中でも「社会課題の解決への挑戦」「学びのインフラ」については、自社の事業を遂行するうえで大切な項目と認識しております。なお、今後もサステナビリティ委員会で検討し、適宜見直してまいります。
サステナビリティ委員会では、当社が注力すべきサステナビリティに関する重要テーマを抽出し、サステナビリティ推進室ならびにE、S、Gの各分科会が事業戦略と組み合わせた具体的な取組を実行し、企業価値の最大化を目指してまいります。
E(気候変動対応)
・ 人類共通の課題である気候変動に対して、責任ある企業として対策を講じてまいります。
S(社会課題の解決への挑戦、学びのインフラ、人的資本経営、人権擁護と尊重)
・ 個別指導のパイオニアとして培った、事業創出のノウハウを活かして社会課題を新たなビジネスの機会と捉え、積極的に社会課題の解決にチャレンジしてまいります。
・ 事業活動を通じてあらゆる世代のお客様に対して、時代のニーズを見据えた最適な「学び」の機会を継続的に提供する「学びのインフラ」としてかけがえのない存在となります。
・ 人材を資源(リソース)ではなく資本(キャピタル=能力)と捉え、一人ひとりの個性と多様性を尊重し、人材と組織を活性化いたします。そして個々の多様な視点・経験・スキルが生み出す化学反応によるイノベーション、失敗を恐れずにワクワクしながら挑戦する意欲、主体性を発揮できる環境を整備してまいります。
・ 世界の全ての人が持つ基本的人権は、国際的に認められたものであり、守るべきであると認識しております。自社グループの事業活動において、人権を擁護・尊重するために人権方針を策定しました。また、人権デューディリジェンスを実施し、人権に関する研修を継続的に実施してまいります。
人権方針
年間約10万人の生徒が通う教室運営がビジネスの根幹にある中で、人権を重視した経営が必須と考えております。
当社は、人権擁護を重要な経営上の課題の一つと認識しています。そこで当社の人権尊重に関する考え方を改めて整理し、明確にした上で取り組みを推進するべく、「人権方針」を制定いたしました。また現在、経済産業省の実施ガイドラインに基づき、人権デューディリジェンスを実施しております。
人権方針
前文
明光ネットワークジャパンは、「子どもたちの自立を支援する」教育事業会社から、幼児からシニアまで、「あらゆる人々の可能性をひらく」グループへ、“Purpose”「『やればできる』の記憶をつくる」を起点に、一人ひとりのライフステージに応じた「輝く未来」を実現する、総合的な人材支援グループを目指しております。教育事業と人材事業を展開する当社グループは、一人ひとりの個性と多様性を尊重し、人権を最優先に事業運営いたします。そして、自社グループの事業活動と、その影響を直接的及び間接的に受ける人々の人権が尊重されるべきであることを理解し、企業として人権の方針を宣言すると同時に経営としてコミットいたします。
ここで言う「人権」は「国際権利章典」(「世界人権宣言」(1948年)及び「国際人権規約」(1966年))に基づくものであり、また取り組みの基本は「ビジネスと人権に関する指導原則」(2011年)に準拠したものであります。
1.基本的な考え方
世界のすべての人が持つ基本的人権は、国際的に認められたものであり、守るべきであると認識しております。明光ネットワークジャパンは、自社グループの事業活動において、人権を守ることを約束いたします。国連「国際人権章典」、「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言(*中核的労働基準「児童労働の禁止」「強制労働の禁止」「差別の撤廃」「結社の自由・団体交渉権の承認」「労働安全衛生の原則」を含む)」、「OECD多国籍企業の行動指針」、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」などの人権に関わる国際行動規範などを支持しております。
2.適用範囲
人権の方針とそれに基づく実施事項の遵守は、組織の全役職員(役員、正社員、契約社員、非正規職員)に適用します。また自社グループのすべてのビジネスパートナー(フランチャイズ)、サプライヤーへ本方針の支持及び理解を促進し、働きかけや対話によって人権尊重の責務を果たします。
3.責任の範囲
自社グループの事業活動が負の影響を直接引き起こす場合だけでなく、直接・間接に助長したり、自社の事業やサービスと関連する影響についても、方針や対策の対象とする必要があることを認識しています。
4.人権デューディリジェンスの実施
自社グループ及びサプライヤー等における人権への負の影響を特定し、防止・軽減し、取組の実効性を評価、開示するために、人権デューディリジェンスを実施いたします。人権デューディリジェンスは、人権侵害が存在しないことを確認するものではなく、潜在的な影響の可能性を特定・評価し、防止・軽減するための継続的なプロセスとして計画、実施いたします。
5.ステークホルダーとの対話
人権尊重への取組は、自社内だけではなく、多様なステークホルダーと理解、協働を推進することが重要です。当社は、広い市民社会との関わりを持ち、責任ある行動が強く求められる存在であることを認識しており、すべての人権が尊重される社会を構築するよう努めてまいります。社内外での活動に加え、ステークホルダーとの対話により協働への参画を働きかけ、また外部の専門知識、当事者、中立的な第三者機関などからの知見を導入いたします。
6.周知、実効性
人権の侵害は、経営層、従業員の知識・理解が不足している場合、起きうる可能性が高まります。従業員やビジネスパートナー、サプライヤー等が人権に関する一定の知識を習得できることを目的とした、教育・研修を実施いたします。その実効性を高めるためには、継続的な実施、モニタリングと報告を行います。
7.救済メカニズム
すべての企業には、人権の侵害を受けている人を迅速に救済する責任があります。自社または外部の第三者が持つ苦情処理メカニズム(苦情・相談・通報窓口等を指す)の存在を、多くの利用者が信頼して活用できる状態にすることが重要であると考え、その周知を推進いたします。
G(セキュリティの確保、プライバシーの保護、企業倫理の確立、腐敗防止、コーポレートガバナンスの強化)
・ 外部からのアクセスや環境の変化に耐えうるセキュリティを構築し、センシティブな情報を取り扱う企業として、プライバシーを守り、安心して利用できるサービスを提供してまいります。
・ 時代や企業の成長とともに企業文化を維持・変化させ、それらを通じた企業倫理を確立し、強要や贈収賄、癒着を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組んでまいります。
・ 経営の効率性と適法性の確保と株主に対する透明性の確保を柱としてコーポレートガバナンス機能の強化を追求いたします。
<リスク管理>
当社は、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会が中心となりリスク管理体制を構築し、リスクへの柔軟な対応を推進しています。運営プロセスにおいて取締役会等が必要な項目を特定し、定期的なモニタリングを実施することで適切に管理されています。
特に気候変動及び環境課題への配慮、人権・従業員の労働環境やコンプライアンスの徹底等については、「明光ネットワークジャパンサステナビリティ基本方針」において重要なテーマのひとつとして位置付けております。取締役を中心に構成されるサステナビリティ委員会を第40期は6回実施し、協議を行い、シナリオ分析による事業への影響を評価しております。また、サステナビリティ委員会においては、気候変動や人権への取組みを含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部的要因の共有、施策の進捗状況、将来的なリスク・機会の変更も視野に入れながら、サステナビリティ基本方針、戦略及び施策等を1年に1回以上の頻度で見直しいたします。
第40期の活動内容につきましては、サステナビリティ基本方針の改定、価値創造プロセス、マテリアリティの特定、人権方針の策定、人権デューディリジェンスの実施についての審議、決議を行ってまいりました。
<指標及び目標>
当社は、Purpose、Vision、中期経営計画「MEIKO Transition」が目指す総合的な人材支援グループへ「Transition」を図るためステークホルダーおよび自社にとって重要な項目をステークホルダーと専門家と協議した上で、マテリアリティとして特定しました。
各マテリアリティに関連する方針や考え方については、今後策定し開示してまいります。
<気候変動>
当社は、気候変動及び環境課題への対応が、重要な経営課題のひとつであると強く認識しております。パリ協定の枠組みや、日本政府が掲げた2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標のもと、持続可能な社会を実現するために企業が果たすべき役割を認識し、ビジネスを通じてこの課題解決を実現することが、当社グループの持続的成長に繋がると考えております。2022年7月にはTCFD提言への賛同を表明し、株主・投資家をはじめとする幅広いステークホルダーの皆さまと円滑なコミュニケーションがとれるように、気候変動関連のフレームワークに基づき、情報開示を強化してまいります。
① ガバナンス
当社は気候変動対応を全社的重要リスクとして選定しており、取締役を中心に構成されるサステナビリティ委員会において定期的に協議を行い、シナリオ分析による事業への影響を評価いたしました。サステナビリティ推進室室長(取締役 経営企画部長)は、気候変動に関わる活動の削減数値目標の妥当性や施策の進捗状況を管理するとともに、サステナビリティ事務局長が中心となり、具体的な取り組みを推進しております。
② 戦略
国際エネルギー機関(IEA)が想定する1.5℃シナリオ(IEA Net Zero Emissions by 2050 Scenario 以下IEA NZE シナリオ)を前提に、気候変動による当社事業のリスクと機会をシナリオ分析で把握するとともに想定される多様なリスクへの対応を強化してまいります。移行リスクとしては、炭素税導入等の法規制厳格化による収益悪化リスク、環境負荷を軽減する教材開発、教室・施設へのLED導入等の設備投資増加、洪水リスクを考慮した教室配置等による負担増加等を想定しております。なお、2023年8月期の当社及び連結子会社におけるGHG排出量(スコープ1、2*)は3,379t-CO2であり(前年比6%の削減)、財務的な影響は、限定的と想定しております。財務的な影響は将来のリスクとしてカーボンプライシングが導入された場合、2030年に69百万円、2050年に123百万円と想定(IEA NZEシナリオを前提)しており、その影響度は限定的と判断しております。
物理的リスクとしては、気候変動による台風の大型化、洪水等の自然災害の深刻化により教室・施設等への被害や感染症の発生頻度が高まることや、異常気象によるエネルギーコストの高騰等を想定しております。
一方、新たな事業機会として気候変動がもたらすリスクにも対応したDX化の取り組み強化を重要戦略と位置づけ、明光DX戦略ロードマップに沿ってお客さまのニーズに合わせた個別最適なサービスを開発いたしました。また、教材やお客さまとのコミュニケーション時のペーパーレス化も推進しております。
*スコープ1+スコープ2(マーケット基準)
当社は、GHGプロトコルに則り、スコープ1、2の算定を実施しております(一部推定値も含みます)。GHG排出量の算定値は2023年8月期のものです。
③ リスク管理
当社は、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会が中心となりリスク管理体制を構築し、リスクへの柔軟な対応を推進しています。運営プロセスにおいて取締役会等が必要な項目を特定し、定期的なモニタリングを実施することで適切に管理されています。
特に気候変動及び環境課題への配慮、人権・従業員の労働環境やコンプライアンスの徹底等については、「明光ネットワークジャパンサステナビリティ基本方針」において重要なテーマのひとつとして位置付けております。
そのため、取締役を中心に構成されるサステナビリティ委員会において定期的に協議を行い、シナリオ分析による事業への影響を評価してまいります。サステナビリティ委員会が中心となりリスク管理体制を構築し、リスクへの柔軟な対応を推進しています。抽出した気候変動に伴うリスクについては、運営プロセスにおいて顕在時期や財務への影響を検討し取締役会へ報告しております。このような定期的なモニタリングを実施することで抽出した気候変動に伴うリスク及び機会は適切に管理されています。
④ 指標と目標
当社は、これまでも教室内蛍光灯のLED化等を推進してまいりました。今後、再生エネルギー導入等を視野に入れながら、グループ全体の温室効果ガス削減目標を「2030年までに2022年8月期(3,574t-CO2)比において10%削減*、2050年までに実質ゼロ」とする取り組みを強化してまいります。
2023年8月期のスコープ1、2は、3,379t-CO2と前年比6%削減しております。
*スコープ1+スコープ2(マーケット基準)
(単位:t-CO2) |
|
2022年8月期実績 |
2023年8月期実績 |
2030年目標 |
2050年目標 |
GHG排出量 (スコープ1、2マーケット基準) |
|
|
2022年8月期比10%削減 |
0 |
人的資本経営
当社の考える人的資本経営
明光ネットワークジャパンは、「子どもたちの自立を支援する」教育事業会社から、幼児からシニアまで「あらゆる人々の可能性をひらく」グループへ、“Purpose”「『やればできる』の記憶をつくる」を起点に、一人ひとりのライフステージに応じた「輝く未来」を実現する、総合的な人材支援グループを目指しております。
これからも社会から選ばれる企業であり続けるために、教育格差、デジタル教育、教育/労働の機会不均衡、生産労働人口の減少、高齢化社会などの社会課題を新たなビジネスの機会と捉え、“Purpose”「『やればできる』の記憶をつくる」を起点として、積極的にその解決にチャレンジし、あらゆる世代のお客様に対して時代のニーズを見据えた最適な「学び」の機会を継続的に提供する「学びのインフラ」にコミットし、社会環境の急速な変化に立ち向かえる「人の可能性をひらく事業」を創造してまいります。
そのためには、従業員の多様性と個性を活かし、個々の能力を最大限に発揮させることで、イノベーションを促進し、企業全体の競争力を高め、持続可能な成長を目指してまいります。
現在の日本企業は、従業員を会社の既存の枠組みにはめ込んだ結果、やらされ感や疲弊感、閉塞感が増加し、挑戦する意欲が減退しています。この問題を解決するために、従業員の個性と多様性を尊重し、人材と組織を活性化すること、個々の多様な視点・経験・スキルが生み出す化学反応によるイノベーション、失敗を恐れずにワクワクしながら挑戦する意欲、主体性を発揮できる環境を整備してまいります。
これからも、個々のMy Purposeを尊重し、従業員のモチベーションとエンゲージメントを向上させ、自己肯定感を感じられる育成プログラムを提供し、挑戦的な目標設定と公平な成果のフィードバックを通じて、社員が自己実現できる企業となります。
私たちの目指す『人的資本経営』は、人材を枯渇する資源ではなく、「能力」と捉え、個々の「能力」を磨き、活躍できる環境を整備することです。
人材育成方針
人の可能性をひらく企業グループとなり輝く未来を実現するためには、従業員自らが、主体的に物事を捉え、自立した人材に成長することが必要であり、“Purpose”、“Vision”、“Values”を理解し、共感して、自分事として主体的に共鳴することが不可欠です。
そのために“Purpose”、“Vision”、“Values”に関する集合型ミーティング、ワークショップを定期的に実施し、「創業の精神」や当社の“Purpose”がなぜ「『やればできる』の記憶をつくる」なのかを学んでおります。従業員一人ひとりに働く意義を問いかけ、当社の“Purpose”と従業員一人ひとりのMy Purposeとの共通点を深掘りしております。
当社の“Purpose”と従業員のMy Purposeが触れ合い重なり合うことで、共感から自分事として主体的な共鳴に繋がり、一人ひとりの主体性が育成されております。従業員一人ひとりに個性があるように、お客様にもそれぞれのニーズがあります。お客様個人に寄り添い、満足していただける提案ができる人材をこれからも育成してまいります。
スキルと能力開発
当社は、従業員を最重要の資本として定義しており、従業員のスキルと能力開発のために社内大学「明光アカデミー」を設立しております。社内大学「明光アカデミー」は、代表取締役社長の直轄機関であり、課題解決スキルを組み込んだ階層別・目的別研修や、キャリア形成のための自己実現の支援策などを実施しております。そして従業員一人ひとりに個別最適化された学習プログラム(eラーニング)を提供し、従業員の自律的学び、成長を支援しております。
また、すべての起点である“Purpose”を従業員それぞれが理解し、共感し、自分事として主体的に共鳴するために、社内大学「明光アカデミー」が主管となって、手挙げによる“Purpose”アンバサダーを募集し、活動を支援しています。“Purpose”アンバサダーは、それぞれの組織でメンバーを巻き込みながら、“Purpose”を日常の業務の中で自分事として捉えられるように活動しております。
また、主力事業である明光義塾では、「個別指導による自立学習を通じて創造力豊かで自立心に富んだ21世紀社会の人材を育成する」という教育理念(創業の精神)を掲げ、イノベーションによって学習塾業界を揺るがす個別指導のパイオニア企業として、創業以来、継続して自立した課題解決型人材を育成しております。この課題解決型人材を育成するために必要な教務、教室運営、カウンセリング、コーチング、マネジメントなど多岐にわたるノウハウ、知識、スキルを学ぶ機会を座学だけでなくOJTを含めて提供しております。そして他の教育ブランドにおいてもお客様個人に寄り添い、満足していただける提案ができる人材を育成するために、手挙げ式でホスピタリティ・コーディネータ、進路アドバイザーなどの資格取得を奨励しております。
[具体的な取り組み]
社内大学「明光アカデミー」
・ 全従業員対象のパーパス対話会、部署別オフサイトミーティングの実施
・ 手挙げによる“Purpose”アンバサダー募集と活動の支援
・ 社内ラジオや感謝の声を届けるサイトなど、社員の声を繋ぎ、感謝・リスペクトを伝えるプラットフォームづくり
・ 社内報での事例紹介
・ 手挙げ式の社内経営陣幹部を講師とした講義「Oゼミ」の実施
・ 執行役員・部長・グループ会社社長を対象とした社外講師による、「カルチャーサクセスワークショップ」の開催
・ エンゲージメント調査の実施と結果分析による課題の見える化
・ 課題解決スキルを組込み、「課題発見から解決」までの思考プロセスを学ぶ階層別・目的別研修の実施
・ コーチング研修
・ 従業員一人ひとりに個別最適化された学習プログラム(eラーニング)の提供、学びの支援
・ 社内講師による勉強会の開催
明光義塾や教育ブランド
・ 新任教室長研修会の開催
・ 定例研修会、明光オーナーズクラブ研修会の開催
[現状と対策]
・ 「従業員の成長こそ当社の成長」であり、従業員の成長に終わりはありません。今後も従業員が主体的に物事を捉え、自立した人材に成長するためにスキルと能力開発の機会を提供し、手挙げ文化、挑戦・承認文化を醸成してまいります。
・ 2024年8月期の人的資本ROIに関しましては、営業損益が減少するとともに、人件費の増加等により減少しております。
・ 2024年8月期の人材開発費、研修・教育費に関しましては、実績値が下がっておりますが、研修制度を見直している最中であり、目標値に変更はございません。
[目標]
・ 従業員自らが自立した人材への成長を測る指標に目標を設定し、改善に取り組んでまいります。
また、ホスピタリティ・コーディネータ、アソシエイト・ホスピタリティ・コーディネータ等のホスピタリティ資格取得による「自己肯定感・自己効力感」の高い職場づくりと顧客体験価値を創出しております。
指標 |
実績(2023年8月期) |
実績(2024年8月期) |
目標( |
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7.87% |
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|
人材開発費、 研修・教育費 |
1人あたり65,639円 |
1人あたり |
1人あたり |
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22時間 |
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手挙げ式 “Purpose”アンバサダーの人数 |
累積102名 |
累積 |
累積 |
手挙げ式 資格取得者数 |
249名 |
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(注)本項目については、各連結子会社の規模・制度の違いから一律記載は困難であるため、提出会社単体の記載と
いたします。
※人的資本ROIの計算式
人的資本コスト=給与+福利厚生+諸手当
売上高-全コスト |
|
人的資本コスト |
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リーダー育成とサクセッション
当社は、連結子会社化するにあたり、やる気のある人材を子会社の代表取締役社長に選任する抜擢社長制を導入しております。また2022年9月より主力の明光義塾事業において「カンパニー制」へ移行し、カンパニー単位で大胆な地域戦略を実行していくために、カンパニープレジデントへ大幅な権限委譲を行いました。カンパニープレジデントは各カンパニーの最高経営者として子会社の代表取締役と同様の権限と責任を負っています。こうした抜擢社長制は、経営に必要な知識や経験を獲得するために有益な手段であり、実務の中で経営戦略の立案や意思決定を実践することによって、経営者マインドを養っております。
[具体的な取り組み]
・ 2014年 株式会社早稲田EDUを連結子会社化、代表取締役社長を抜擢
・ 2016年 国際人材開発株式会社を連結子会社化、代表取締役社長を抜擢
株式会社古藤事務所を連結子会社化、代表取締役社長を抜擢
・ 2020年 株式会社One linkを連結子会社化(簡易新設分割)、代表取締役社長を抜擢
・ 2021年 株式会社クース・コーポレーションを連結子会社化、代表取締役社長を抜擢
・ 2022年 「カンパニー制」へ移行、北海道東北カンパニープレジデント、関東甲信カンパニープレジデント、東海北陸カンパニープレジデント、近畿カンパニープレジデント、西日本カンパニープレジデントにそれぞれカンパニープレジデントを抜擢
・ 2023年 株式会社Reverseの株式を100%譲受、代表取締役社長を抜擢
2022年より当社は社内起業制度を導入し、社会課題の解決に向けた新たな挑戦を開始いたしました。
DX戦略の強化の一環として、教育のデジタル化推進を目的とした、Go Good株式会社を設立いたしました。現代社会における教育のDX化は不可欠であり、Go Good株式会社はその先陣を切る存在となっております。
また、労働人口の減少という社会課題に対応するため、人材事業の成長を加速させることで雇用創出とスキルアップの場を提供し、労働人口の減少問題に取り組む株式会社明光キャリアパートナーズを設立いたしました。
これらの取り組みは、社内起業制度のもとで生まれたものであり、社員一人ひとりの起業家精神を育む機会として提供しております。この制度を通じて、“蛻変(ぜいへん)”と“Innovation”(新結合)を促し、時代のニーズを見据えた多様なサービスを提供する新たな事業の創出を目指します。当社は引き続き社会課題の解決に取り組み、社員の起業家精神を尊重し、新たな価値創造に努めてまいります。
また、2022年より当社経営幹部や関連会社の経営執行責任者を輩出するために必要な知識・技術、戦略思考力や事業推進力を重点的に養成していくために、社内大学である「明光アカデミー」にて手挙げ式の特別なプログラムを実施しております。これらの経営幹部候補人材の育成に関する取り組みは、急速に変化する時代でも、当社が未来への価値を持続的に創造するための貴重なステップとなっております。
[現状と対策]
・ 起業家精神を持ったゼロからビジネスを築くことができる人材育成に不足があると考えております。当社が時代のニーズを見据えたサービスを提供する様々な事業を創造し、社会課題を解決する「人の可能性をひらく企業グループ」に成長するためには、経営幹部候補人材の育成は不可欠です。今後も抜擢社長制、社内起業制を積極的に推進し、また経営幹部候補生の養成プログラムをブラッシュアップすることで、起業家精神を持ったゼロからビジネスを築くことができる人材を育成してまいります。
・ 2024年8月期の経営幹部候補人材の育成に関する累積研修時間に関しましては、実績値が下がっておりますが、研修制度を見直している最中であり、目標値に変更はございません。
[目標]
・ M&A戦略を強化するため、リーダー育成について目標を設定しております。
指標 |
実績(2023年8月期) |
実績(2024年8月期) |
目標( |
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10人 |
|
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2,000時間 |
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(注)本項目については、各連結子会社の規模・制度の違いから一律記載は困難であるため、提出会社単体の記載と
いたします。
DXとCXの推進
人口減少に伴う生産労働人口減少や産業構造の変化により、我が国の人材に求められる職務遂行能力が高度化しております。当社が属する教育サービス業界においても、従来の学習指導方法だけではなく、AI等を含むデジタルツールを活用した新しい学習指導方法や、デジタルツールを活用したオペレーション運営など、より合理的、効率的な学習指導方法や教育サービスへ期待度は高まっており、それらの期待に応えるサービス提供についての重要性が高まっております。
当社では、新たなデジタル技術を活用し、データを活用した学習塾事業の業務変革を推進するために情報システム、マーケティング、オペレーション業務のDXに取り組んでおります。既に教室業務を中心とした明光義塾独自のMETISネットワークにおけるERP基盤の更改、学習塾業界として初のETLツールを活用したDXデータプラットフォームの構築、そして、アプリ塾生証やアプリ講師証の独自開発による教室業務のDX化を進めてまいりました。
今後、より一層生活者のコミュニケーションおよび行動変化がデジタルにシフトしていく中、DXの本質であるデジタルによるトランスフォーメーション、つまり“蛻変(ぜいへん)”を繰り返しながらイノベーションを起こす人材の育成が不可欠です。またDXによってお客様と継続的な関係性を築き、お客様一人ひとりのCX(顧客体験価値)の向上を推進する人材の育成が重要と考えております。CXの向上を推進するためには、お客様のニーズを理解し、デジタル技術を活用したより便利なサービスの提供が重要であることから、年間を通じたDX人材の育成に取り組んでおります。
[具体的な取り組み]
・ イノベーションとチーム間のコラボレーション促進
DX人材はイノベーションをリードする力が求められます。異なる部署の従業員が相互に知識を共有できるようにDX戦略本部の組織再編を行い、コミュニケーションチャネルを整備いたしました。また、DX戦略本部を中心にアイデアの共有やプロジェクトの推進を促進する環境を整え、新規ビジネスプロジェクトや業務改善プロセスなどにDX人材を積極的に参加させることにより、実践力を高めております。
・ 専門的スキルの育成
DXに関連する専門的なスキルが身につくように社員が自己学習を促進するためのサポートをすることにより、デジタルリテラシーを強化いたします。AI、データ分析、クラウドコンピューティング、アプリケーション開発など、ビジネスに合わせた技術の習得や、関連する資格取得を推奨し、オンライン学習や技術書籍の提供、定期的な勉強会の開催を実施しております。
・ 研修およびワークショップの開催
社内外での定期的な研修やワークショップを開催することで専門的な知識とベストプラクティスを社内に浸透させ、最新のデジタルトレンドやベストプラクティスを学ぶ機会を提供し、CX向上を目指しております。
・ インターンプログラムの拡充
大学や専門学校と連携し、DX/CXに関心のある学生を対象にしたインターンプログラムを充実させました。優秀な学生とのコラボレーションを通じて、新しいアイデアやアプローチを導入いたします。
[DX人材育成に向けた6つの狙い]
DX人材の育成を通して、組織全体の成長と競争力強化を実現しております。
狙い |
概要 |
DXの推進 |
DX人材の力を活かして、組織全体のデジタルトランスフォーメーションを加速することにより、業務効率化や顧客体験の向上を実現いたします。 |
新規ビジネスの創出 |
DX人材が持つイノベーション力を活用することで、新たなビジネスチャンスを発見し、デジタル技術やデータ分析を駆使して、新規事業の立ち上げや既存事業の改善を行います。 |
顧客中心のCX戦略 |
顧客のニーズを把握し、顧客中心の戦略を展開します。データを基にしたマーケティングやカスタマーサービスの最適化およびCX戦略を強化します。 |
データドリブンな意思決定 |
データに基づきデジタルを活用することで、意思決定をデータドリブンに変革いたします。正確な情報に基づいた判断で、経営戦略の精度を高めます。 |
効率的なプロセス改善 |
既存業務のプロセスを見直し、デジタルによる効率化とコスト削減を実現し生産性を向上させます。 |
持続的なイノベーション |
DX人材の育成は継続的な取り組みです。持続的なイノベーションを醸成し、変化する市場に柔軟に対応する組織文化を築きます。 |
[目標]
・ DX人材、CXを推進していく人材の育成について目標を設定し、改善に取り組んでおります。
指標 |
実績(2023年8月期) |
実績(2024年8月期) |
目標( |
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8名 |
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2件 |
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新規ビジネスの創出 |
・スマホ学習アプリ広告 ・メタバースイベント (Go Good株式会社) |
・スマホ学習アプリ広告 ・メタバースイベント (Go Good株式会社) |
・ARサービス (Go Good株式会社) |
(注)本項目については、各連結子会社の規模・制度の違いから一律記載は困難であるため、提出会社単体の記載と
いたします。
DE&I
当社は、最重要の資本である従業員が身体的、精神的に健康であることが企業の成長・発展へ繋がっていくと考えております。また、当社に関わるすべての人々の人権を配慮し、従業員が個々の持つ能力を最大限に活かし多様な価値観を共有することができる、働きやすくやりがいのある会社、組織を目指すために、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進しております。当社は多様なバックグラウンドを持った人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、未来への価値創造につなげております。
[具体的な取り組み]
・ 「えるぼし」の取得
当社は、女性の活躍支援に取り組む企業として、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(通称:女性活躍推進法)に基づき、厚生労働大臣より優良企業として認定を受け、認定マーク「えるぼし」の2つ星(2段階目)を取得しております。
・ 勉強会の開催
社内講師(キャリアコンサルタント資格保持者)による勉強会を定期的に実施し、ゲーム感覚で楽しく、「あなたらしさ」について考え、グループメンバーとの交流を通じて、行動指針である“Values”「自分にYES」を出すHAPPYサイクルをつくっています。また、従業員だから語れる当社の仕事・育児・自分らしさでの悩み等の実体験の話も織り込みながら、自分を振り返る時間を創出しております。
[現状と対策]
・ 女性の活躍における男女間の賃金格差、30代以下の管理職比率の低さに課題があると考えています。また現在は積極的に中途採用者を要職に登用しておりますが、教育制度を体系化し人的資本を強化する人事戦略を推進することで、これからは内部登用者比率を高める事にも取り組んでまいります。イノベーションを生み出し、未来への価値創造を継続していくためには、女性がイキイキと活躍できる職場環境の実現と、多様な人材の活用が不可欠であり、改善してまいります。
・ 2024年8月期の男性労働者の育児休業取得率に関しては、目標値と乖離しております。男性労働者の育児休業取得率を上げるための施策として、個別面談等を通じて、理解を促してまいります。
・ 2024年8月期の労働者の男女の間の賃金差異につきましては、非正規女性社員の採用が増加することにより格差が拡がりましたが、管理職に占める女性労働者の割合は目標通り進捗しており、今後格差は縮小していくものと考えております。
[目標]
女性の活躍を測る指標に目標を設定し、改善に取り組んでおります。
指標 |
実績(2023年8月期) |
実績(2024年8月期) |
目標( |
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正社員34.7% |
正社員 |
正社員 |
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24.6% |
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27.8% |
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|
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100% |
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但し、同一等級内の基本給における男女間の賃金差異はございません。 |
全労働者 64.0% |
全労働者 |
全労働者 |
(注)本項目については、各連結子会社の規模・制度の違いから一律記載は困難であるため、提出会社単体の記載と
いたします。
多様な人材の活用を測る指標に目標を設定し、改善に取り組んでおります。
指標 |
実績(2023年8月期) |
実績(2024年8月期) |
目標( |
|
77.8% |
|
|
|
22.2% |
|
|
|
19.0% |
|
|
(注)本項目については、各連結子会社の規模・制度の違いから一律記載は困難であるため、提出会社単体の記載と
いたします。
Well-being
当社は、従業員から、また社会から選ばれる企業となるための原動力は人材であると考えており、中期経営方針「ファン・イノベーション“Fan・Fun Innovation”」において、Fun(ワクワク、楽しさ)づくりを人材の成長の原点であると捉えております。そのために従業員とその家族のWell-being(身体的・精神的・社会的に良好な状態)とその先にいる方々のWell-beingに取り組み、楽しみながらも働きがいがあり、人材が成長できる職場環境を構築しております。
[具体的な取り組み]
明光ネットワークジャパンの健康経営宣言
・ 当社は2021年に「健康経営」を宣言し、働く従業員のみなさんの健康の保持・増進に積極的に取り組み、様々な活動を通じて、多様性ある人材が集まり、共に参画し、尊敬・励まし、成長し合う企業集団になることを目指しております。そのためには、全従業員が心も体も、そして企業体質も健康・健全であることが重要であり、当社が掲げる健康経営の目的を成し遂げることがすべての人の幸せ(well-being)につながることと考えています。今後も従業員一人ひとりが主体的に心身の健康維持・増進を図れる環境の整備を続けていくことで個性や能力を最大限に発揮しうる職場を通じて、持続的な会社の成長と社会への貢献を果たしてまいります。なお、当社は経済産業省と日本健康会議の主催で特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度である健康経営優良法人制度において、2024年3月に「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。
表彰制度(年間MVP表彰・半期に一度の特別表彰)
・ 業務上顕著な功績があった場合や、社業の発展に貢献した場合に表彰制度を設けています。自身の努力や貢献が会社に認められて表彰されることは、従業員のやる気やモチベーションを高める契機となります。また、エンゲージメントサーベイの結果、従業員の承認称賛文化の醸成をキードライバーとして、エンゲージメントの向上を図る施策が必要と判断し、2022年8月より、従来の部門長推薦に加え、「自己推薦」「他己推薦」を導入いたしました。更なる貢献へ向けた原動力に繋がり、互いをリスペクトする機会となると考えております。
人事制度改革
・ 従業員の持ちうる能力を最大限発揮し、競争力を強化するために、人事制度改革を推進しております。高度専門職人材の活用や年1回の昇格を年2回に増加するなど、従業員の成果を適正に評価し、個人のスキル、能力を最大限引き出す人事制度を構築いたしました。
従業員同士の交流
・ グループ全従業員の交流によりコミュニケーションを活性化するため、定期的にグループ従業員総会を実施しております。異業種を含むグループ会社、その従業員を知る機会を通じて、相互に理解を深めて、一体感を醸成する機運を高めております。
また総会にFun(ワクワク、楽しさ)づくりの要素(チャンバラ合戦等)を盛り込み、楽しさと従業員のやる気を結び付けながら内発的動機を触発して、従業員の成長意欲の向上に繋げております。
テレワーク制度(2020年9月より導入)
・ 従業員の多様な働き方や働きがいの実現を目指すためテレワーク制度を導入いたしました。テレワーク制度により、一人ひとりが時間意識や行動を変えて生産性を高めながらフレキシブルで自律した働き方を推進しております。
※ テレワークに適した業務を対象としております。
フレックスタイム制度(2021年8月より全社導入)
・ 人々の価値観が大きく変化し、働き方の多様性が増す中、当社においても一人ひとりのワークスタイルに対応し得る働き方を進めていくことが重要であると考え、フレックスタイム制を導入いたしました。各部門におけるコアタイムを定め、1日の勤務時間も個人の裁量で決定し、1ヶ月単位で必要勤務時間数を確保する事としております。
子の看護休暇
・ 18歳までの子を養育する従業員(子1人につき年5日、2人以上の場合は年10日)について、子の通院や予防接種等が必要な場合に、半日又は1日単位で取得することが可能です。
介護短時間勤務制度
・ 家族に要介護認定の方がいる場合、短時間勤務制度を利用可能です。法定では利用開始から3年間で2回までの利用が可能な制度ですが、介護はゴールが見えないこともあり、当社では回数を限定することなく利用でき、勤務時間は個別の状況に応じて、1日について4時間~6時間で選択可能です。
有給休暇取得率
・ ワークライフバランスを重要視しており、積極的な取得を促進しております。
国連WFPの「学校給食プログラム」への寄附
・ 当社は、2012年3月よりこの活動に賛同し、世界の子どもたちが一人でも多く、よりよい状態で教育を受けられるよう継続的に寄附を行っております。貧困に苦しむ子ども達を飢えから救い、健全な発育を助けると同時に、就学率の向上と教育機会の拡大に寄与しております。
特別休暇
・ 法定の年次有給休暇とは別に、従業員が保有する有給休暇数を減らすことなくライフイベント等に関連して休暇を取得することが可能です。(結婚、出産、忌引、転勤等)
[現状と対策]
当社は、2022年より毎年、エンゲージメントサーベイを実施し、従業員のFun(ワクワク、楽しさ)づくり、Well-beingを測る指標として活用しています。エンゲージメントサーベイの結果をもとに改善を繰り返して、エンゲージメントの向上を図り、自発的な貢献意欲と主体的な取り組みを促進しております。
[エンゲージメントサーベイスコアの実績と目標]
指標 |
実績(2023年8月期) |
実績(2024年8月期) |
目標(2025年8月期) |
総合 |
70 |
71 |
72 |
承認 |
69 |
69 |
71 |
理念戦略 |
70 |
72 |
72 |
組織風土 |
69 |
69 |
71 |
自己成長 |
67 |
67 |
69 |
(注)本項目については、各連結子会社の規模・制度の違いから一律記載は困難であるため、提出会社単体の記載と
いたします。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)フランチャイズ契約について
当社は、全国に個別指導塾「明光義塾」のフランチャイズチェーン展開を図るために、加盟者とフランチャイズ契約を締結し、教室開設及び継続的な教室経営指導並びに教室用備品、教室用機器、教材、テスト及び広告宣伝物等の商品販売を行っております。
当社といたしましては、フランチャイズ加盟者への経営指導により、顧客満足度の向上、生徒募集及び教室数の増加に注力しております。また、フランチャイズオーナー・教室を定期的に巡回し、教室運営オペレーションの徹底を図るとともに、フランチャイズ加盟者とその社員に対する遵法意識の向上を目的とした現場指導を行っております。
しかしながら、何らかの事情によりフランチャイズ加盟者は、当社とのフランチャイズ加盟契約を解消する可能性があります。また、当社の指導の及ばない範囲で、フランチャイズ加盟者の契約違反等が発生する可能性があります。
上記のような事態が発生した場合、当社の経営成績に影響を及ぼすだけでなく、ブランドイメージにも影響を与え、事業展開及びフランチャイズ展開に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、フランチャイズ契約の内容は、「5 経営上の重要な契約等」をご参照下さい。
(2)業界動向について
当社が属する学習塾業界は、小学生の英語教科化、プログラミング教育の導入、「大学入学共通テスト」への移行を柱とした大学入試改革、2022年度からは高等学校で新学習指導要領が実施されるほか、2024年度には文部科学省が高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)をスタートするなど、教育改革が進んでおります。また、通信インフラの整備やデジタル化の急速な進展を背景として、AIやIoTの活用による新たな学習形態やそれに対応したコンテンツが求められております。
また、個別指導塾においては、当社が経営する「明光義塾」、株式会社東京個別指導学院が経営する「東京個別指導学院」、株式会社リソー教育が経営する「TOMAS」、株式会社スプリックスが経営する「森塾」等が有力塾とされており、その他に集団指導塾が併営する個別指導塾等があり、競争が激化しております。
当社は小学生・中学生・高校生・既卒生まで全学年を対象としており、全国47都道府県すべてに教室を展開する業界シェアトップの個別指導塾として、ホスピタリティを中心に据えた一人ひとりの目的・ニーズに合わせたオーダーメイドの対話型個別指導を提供することで、優位性を維持できるものと考えております。
しかしながら、今後、少子化が更に進行した場合や、競合他社の事業拡大、他業種からの新規参入等により、当社個別指導へのニーズが低下した場合には、教室数及び在籍生徒数の減少等により業績に影響を与える可能性があります。
(3)個人情報管理及び情報セキュリティについて
当社は、学習塾を経営するとともに、独自のフランチャイズシステムに基づき、加盟者とフランチャイズ契約を締結し、継続的な教室運営指導を行っております。なお、教室運営の過程において、生徒、保護者及び講師等の個人情報を入手する立場にあります。当社では、これらの個人情報はデータベースにて管理しており、万全の管理体制の下、個人情報の漏洩防止に努めるほか、「個人情報保護規程」に則り、「リスク管理委員会」による情報漏洩未然防止策の検討、施策の運用状況の検証等を行い、個人情報の保護に努めております。また、全従業員に定期的に個人情報保護の重要性や情報の取り扱いについて指導を行っております。
外部からのアクセスや環境の変化に耐えうる情報セキュリティを構築し、個人情報に限らず、センシティブな情報を取り扱う企業として、プライバシーを守り、安心して利用できるサービスを提供しております。
しかしながら、様々な要因によりこれらの情報が漏洩する可能性があります。
上記のような事態が発生した場合、顧客及びステークホルダーからの信用が失墜するとともに、営業機会の損失及び損害賠償の請求等、業績に影響を与える可能性があります。
(4)有価証券の価格変動リスクについて
当社グループが所有する有価証券の会計処理については、「金融商品に係る会計基準」を適用しております。
市場性のあるその他有価証券は時価評価を行い、時価と取得原価との差額については、税効果会計適用後、純資産の部にその他有価証券評価差額金として表示しております。
満期保有目的の債券、関連会社株式及び市場性のないその他有価証券は、償却原価法又は原価法等により連結貸借対照表価額としております。
市場性のあるその他有価証券は、市場価格の変動リスクについて、定期的に把握された時価が取締役会に報告されております。また、市場性のないその他有価証券については定期的に財務諸表を入手し、財政状態等を把握しております。
満期保有目的の債券は、格付の高い債券のみを対象としているため、信用リスクは僅少であります。
なお、これら有価証券の将来における市場価額及び実質価額が著しく下落し、回復可能性があると判断できないものについては、減損処理が必要となります。
(5)人材の確保・育成について
当社グループは、競争が激化する教育業界において継続的に事業を成長させるには、多様化した顧客ニーズに合致した質の高い教育サービスを提供する人材の確保・育成こそが最も重要な経営資源であり、コミュニケーション能力等に優れた人材の獲得、育成を推進していくことが重要であると捉えております。
教育サービスならではの価値を訴求し人材確保に努めておりますが、今後、少子高齢化に伴い労働人口が減少するなかで、競合他社との人材の獲得競争が激しくなることも想定され、計画通りの人材確保が困難となる場合や、優秀な人材が社外に流出してしまう可能性があります。人材の安定的な確保が困難になった場合、教育サービスの質が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
今後は、従業員の個性と多様性を尊重し、人材と組織を活性化すること、個々の多様な視点・経験・スキルが生み出す化学反応によるイノベーション、失敗を恐れずにワクワクしながら挑戦する意欲、主体性を発揮できる環境を整備して人材の定着を推進してまいります。
(6)自然災害等のリスク
当社グループが展開している地域において、大規模な地震等の自然災害や、新型コロナウイルス感染症及びインフルエンザ等の感染症の大規模な流行が発生した場合、業務遂行が困難になる可能性があります。当社グループにおきましては、感染症の感染拡大防止策を徹底しておりますが、非常事態が発生した場合においては、生徒・保護者及び従業員の安心・安全を最優先として、オンラインによる生徒と講師間の双方向での個別指導による授業を展開し、自宅に居ながら対面授業と変わらない個別指導サービスの提供も出来る体制を採用しております。また、チェーン内で実施している各種研修会・フランチャイズオーナー会議などもオンラインで実施し、提供する情報の質と量についても、従前と変わらない体制を整えております。
当社グループでは、このように有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、これら自然災害等が想定を大きく上回る規模で発生した場合には、教育サービスの提供が困難となり、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)労務関連について
当社グループはアルバイト・パート社員を多数雇用しております。
昨今の労働行政を鑑みると、労働基準法等の法令や労働条件等諸制度の変更等や長時間労働等に対する監督官庁による指導・監督の強化への対応が必要不可欠であり、雇用者へのよりきめ細やかな労務管理と衛生管理等が企業に求められております。
更に、ハラスメントの防止やSNS等を介した個人情報の流失事故を未然に防ぐことを目的として「危機管理コンプライアンスマニュアル」を改定し、チェーン内に配布の上、定期的に教育を実施しております。このように当社グループとしては、現在、法令等に抵触する事実は無いものと認識しておりますが、今後の規制強化等があった場合、当社グループの人件費等が増加し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)外国人留学生受入れにかかる法的規制及びカントリーリスク
当社グループが展開している日本語学校事業において、日本語教育機関の運営に関する基準や在留資格など、外国人留学生受け入れにかかる厳格な法的規制が存在しております。
コンプライアンスを重視し法的規制を厳守しておりますが、出入国在留管理庁及び国により法的規制が強化された場合、計画通りの外国人留学生の受け入れが認められず、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症のように想定外の事態が顕在化した場合においても、入国制限及び行動制限措置を受けて事業の存続に大きな影響を与えることがあります。
世界情勢が複雑化しているなかで継続的に事業を推進していくために、オフラインでの教育サービスの質を向上させるだけでなく、オンラインでの提供など、新たな教育サービスの開発に努めております。
(9)投資の減損について
当社は、企業価値向上のため事業領域の拡大や新規事業の開発を経営上重要な施策としており、その一環としてM&Aを推進していく方針であります。M&A実施に際しては、対象企業の財務・法務・事業等について詳細な事前審査を行い、リスクの把握や正常収益力を分析した上で決定しております。
しかしながら、買収後の事業環境の変化等により、当初想定した事業計画どおり進まなかった場合、のれんの減損損失や株式の評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度(2023年9月1日~2024年8月31日)におけるわが国経済は、足踏みを交えつつも、緩やかな回復を見せてまいりました。先行きについても、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。
当社グループの属する教育サービス業界におきましては、2023年の出生数が72万人台と1947年以降の統計で最小を記録するなど少子化が加速する他、近年では大学入試における総合型・学校推薦型選抜による入学者が全大学入学者の概ね半数に及ぶなど、教育事業を取り巻く環境の構造変化が進んでおります。
当社グループはこのような環境の中で、前々期(2022年8月期)を初年度とする中期3ヶ年計画を策定し、中期経営方針を「ファン・イノベーション“Fan・Fun Innovation”」としました。
当社グループはこのような環境の中で、2022年8月期を初年度とする中期3ヶ年計画を策定し、中期経営方針を「ファン・イノベーション“Fan・Fun Innovation”」としました。
当社は“Purpose”「『やればできる』の記憶をつくる」を起点として“蛻変(ぜいへん)”を繰り返しながら、“人の可能性をひらく”企業グループの実現というVisionのもと、下記の基本方針に沿った事業戦略・人事戦略・資本戦略を推進してまいりました。
<基本方針>
① Fanをつくる
・DXの推進と明光ブランドの深化と探索により、新たなファンを創出します。
・社会の変化に対応した新しい価値の提案により、まなびのインフラをひろげます。
② Funをつくる
・“わくわく”を通じて満足と信頼に満ちたファン・エンゲージメントを育みます。
・働きがいのある、ウェル・ビーイングな職場づくりを目指します。
③ Innovation(=新結合)をつくる
・常に新しい“め”でみて意識変化し、判断行動します。
・事業収益のさらなる向上のために、事業構造を変革します。
<中期経営計画における戦略>
① 事業戦略
・既存事業における新教室フォーマットによる新規開校と、顧客エンゲージメント向上への取り組みを強化してまいります。
・新規事業である人材事業への取り組みを強化することで、教育事業に続く収益の柱を創出し、社会環境の変化に強い事業ポートフォリオへの変革を図ります。
・DX戦略として、「全社デジタルマーケティング機能の実現」と「DXデータプラットフォームの構築」に取り組んでまいります。
② 人事戦略
・イノベーション創出のためのダイバーシティ経営の推進と、働き方改革によるウェル・ビーイングの追求に取り組んでまいります。
③ 資本戦略
・事業基盤の強化・成長投資に必要な自己資本の充実と、株主の皆さまに対する安定的かつ持続的な利益還元を通じて中長期的に企業価値を高めてまいります。
中期3ヶ年計画最終年度となる当連結会計年度は、中期経営方針である「ファン・イノベーション“Fan・Fun Innovation”」の「その先へ」向かう年度と位置づけました。未来社会に向けて、お客様視点に立ち、「人的資本経営」と「デジタル経営」を実現し、「高い付加価値」の創造に取り組んでまいりました。
「人的資本経営」につきましては、「従業員の成長こそ当社の成長」と捉え、従業員の「スキルと能力開発」、「リーダー育成とサクセッション」、「DXとCXの推進」、「ダイバーシティ&インクルージョン」、「Well―being」という人的資本投資を通じ、従業員全員が自らの仕事に誇りを持ち、個々の力を発揮することで、人の可能性をひらく企業グループとなり輝く未来の実現に取り組んでまいりました。
「デジタル経営」につきましては、DXの実行に向けて、DX領域を「攻めのデジタル化(DI:デジタルイノベーション、DX:デジタルトランスフォーメーション)」と「守りのデジタル化(デジタイゼーション、ITインフラ)」に分けて定義を行いました。DX戦略本部の組織体制を見直すことで、QCDS(Quality: 品質、Cost: 費用コスト、Delivery: 納期、Safety: 安全性)をオペレーションDXのKPIとして捉え、オペレーション強化に努めてまいります。また、DX人材を計画的にアサイン・育成するためのリスキリング教育にも取り組んでまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は22,579百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益1,010百万円(同5.1%減)、経常利益1,163百万円(同6.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益489百万円(同39.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(明光義塾直営事業・明光義塾フランチャイズ事業)
主力である明光義塾事業(直営事業・フランチャイズ事業)につきましては、前期(2023年8月期)より、全国を5つの地域に分けた「カンパニー制」による運営体制のもと、地域ごとの環境・状況に合わせた「戦略の選択と集中」を直営・フランチャイズが一体となって推進してまいりました。
中学生指導におきましては、生徒の学力に応じて取り組むべき問題が明確にわかる「明光式特許10段階学習法」を通じて、「授業の質」のアップデートを図るとともに、家庭学習サポートサービス「MEIKO!家スタディ®」を通じて、家庭学習の質と量を確保するための取り組みを推進してまいりました。
また、生徒・保護者とのコミュニケーションアプリ「明光義塾アプリ塾生証」、ならびに、教室と講師の間のコミュニケーションアプリ「明光義塾アプリ講師証」につきましては、教室への導入フェーズを経て、生徒・保護者のCX(顧客体験価値)向上、教室業務のDX改革による効率化、講師とのエンゲージメント強化などの実行フェーズとして、教室運営の一層の改善を推進しております。
これらの結果、明光義塾直営事業における当連結会計年度の売上高は13,355百万円(当社売上高7,219百万円、連結子会社5社売上高計6,135百万円)(前年同期比5.3%増)、セグメント利益(営業利益)は1,254百万円(当社営業利益756百万円、連結子会社5社営業利益計497百万円)(同7.1%増)となりました。教室数は489教室(当社直営274教室、連結子会社5社計215教室)、在籍生徒数は33,465名(当社直営19,580名、連結子会社5社計13,885名)となりました。
また、明光義塾フランチャイズ事業における当連結会計年度の売上高は4,145百万円(前年同期比2.8%減)、セグメント利益(営業利益)は1,116百万円(同14.0%減)、教室数は1,216教室(連結子会社5社除く。)、在籍生徒数は64,092名(連結子会社5社除く。)となりました。
(日本語学校事業)
連結子会社である株式会社早稲田EDU(早稲田EDU日本語学校)及び国際人材開発株式会社(JCLI日本語学校)による日本語学校事業につきましては、「進学教育(大学院・大学・専門学校)」「美術基礎教育」「EJU(日本留学試験)対策」「就職支援(在留資格:技術・人文知識・国際業務、特定技能)」などの強み・特色を活かした学生募集活動・事業運営を進めてまいりました。なお、早稲田EDU日本語学校と比較して、生徒数の回復がやや遅れていたJCLI日本語学校におきましては、2023年10月ならびに2024年4月の入学者数が増加したことにより、大きく改善を見せました。
これらの結果、日本語学校事業における当連結会計年度の校舎数は2校(早稲田EDU日本語学校1校、JCLI日本語学校1校)、在籍生徒数は1,688名(早稲田EDU日本語学校787名、JCLI日本語学校901名)となり、売上高は1,352百万円(前年同期比20.6%増)、セグメント利益(営業利益)は79百万円(前年同期比の296.5%増)となりました。
(その他)
自立学習RED事業につきましては、AIタブレットを活用した個別最適化された学習カリキュラムにより、自分から勉強する力を育む自立学習塾として、株式会社スプリックスと緊密に連携を取りながら、直営教室による運営ノウハウの確立と、フランチャイズ教室の増加により、ブランドの価値向上を推進してまいりました。
これらの結果、自立学習RED事業における当連結会計年度の教室数は102教室(当社直営26教室、フランチャイズ76教室)となりました。
キッズ事業(アフタースクール)につきましては、地域への発信を強化し、事業の存在価値を広げていくべく、直営スクール「明光キッズ」のほか、私立小学校等からの運営受託、民間学童クラブ(助成型)、公設民営、フランチャイズ等、様々な運営形態を取りながら、お客様から信頼され満足度の高いスクール運営と質の高いサービス提供に取り組んでまいりました。
これらの結果、キッズ事業(アフタースクール)における当連結会計年度のスクール数は32スクール(直営6スクール、フランチャイズ及び運営受託等26施設)となりました。
明光キッズe事業につきましては、オールイングリッシュの学童保育・プリスクールとして、ロケーション毎の学童保育の需要や幼児英語教育への関心等に対応した取り組みを推進していく中で、不採算スクールのクローズを行いました。
これらの結果、明光キッズe事業における当連結会計年度のスクール数は8スクール(当社直営2スクール、フランチャイズ6スクール)となりました。
外務省より受託したEPA(経済連携協定)に基づくベトナム人看護師・介護福祉士候補者に対する訪日前日本語研修事業につきましては、これまでに培った日本語教育・日本文化理解教育の経験を最大限に活用し、質の高い教育の提供を追求してまいりました。
連結子会社である株式会社明光キャリアパートナーズにつきましては、日本人の新卒・第2新卒に特化した人材紹介事業や、外国人材紹介事業(特定技能人材等)、外国人材向け教育・研修事業を展開してまいりました。加えて、それらのノウハウを活かし、経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の補助対象事業として、一次公募に続き、二次公募の採択企業として選定されております。
連結子会社であるSimple株式会社による保育士・栄養士の転職支援サービスにつきましては、お客様満足度の高いサービス提供を行いながら、生産性向上に向けた取り組みを推進してまいりました。事業特性上、保育士の入職は新年度4月に売上計上が集中いたしますが、同時期の実績が計画を下回ったことで、当連結会計年度としても計画を下回る結果となりました。
連結子会社であるGo Good株式会社につきましては、デジタルの力で新たな市場を開拓すべく、デジタル広告・動画広告事業やメタバース(3D仮想空間)事業などの展開に加えて、新規事業の企画開発を推進してまいりました。
連結子会社である株式会社古藤事務所による学校支援事業(入試問題ソリューション)につきましては、業務の質の向上と確実な遂行により、堅調な業況推移となりました。
なお、2024年3月26日付で株式を取得した児童発達支援・放課後等デイサービス事業を展開する株式会社ランウェルネス(現株式会社明光ウェルネス)につきましては、第3四半期連結会計期間末より、連結の範囲に含めております。
その他の事業の当連結会計年度の業績合計は、上記以外の事業も含めて売上高は3,726百万円(前年同期比32.9%増)、セグメント利益(営業利益)は57百万円(前年同期のセグメント損失(営業損失)は59百万円)となりました。
<ご参考> 明光義塾教室数、明光義塾在籍生徒数及び明光義塾教室末端売上高等の推移
回次 |
第39期 |
第40期 |
|||
連結会計年度 |
自 2022年9月1日 至 2023年8月31日 |
自 2023年9月1日 至 2024年8月31日 |
|||
経営成績他 |
前年同期 比較 |
経営成績他 |
前年同期 比較 |
||
明光義塾(当社直営)教室数 |
|
239 |
19 |
274 |
35 |
明光義塾(MAXISエデュケーション)教室数 |
|
98 |
3 |
91 |
△7 |
明光義塾(ケイライン)教室数 |
|
40 |
△1 |
41 |
1 |
明光義塾(TOMONI)教室数 |
|
42 |
- |
43 |
1 |
明光義塾(One link)教室数 |
|
21 |
△1 |
20 |
△1 |
明光義塾(クース・コーポレーション)教室数 |
|
18 |
2 |
20 |
2 |
明光義塾直営教室数計 |
|
458 |
22 |
489 |
31 |
明光義塾フランチャイズ教室数 |
|
1,296 |
△43 |
1,216 |
△80 |
明光義塾教室数合計 |
|
1,754 |
△21 |
1,705 |
△49 |
明光義塾(当社直営)教室在籍生徒数 |
(名) |
16,992 |
1,090 |
19,580 |
2,588 |
明光義塾(MAXISエデュケーション)教室在籍生徒数 |
(名) |
6,539 |
△95 |
6,340 |
△199 |
明光義塾(ケイライン)教室在籍生徒数 |
(名) |
2,830 |
△49 |
2,919 |
89 |
明光義塾(TOMONI)教室在籍生徒数 |
(名) |
2,140 |
△125 |
2,274 |
134 |
明光義塾(One link)教室在籍生徒数 |
(名) |
871 |
△76 |
1,016 |
145 |
明光義塾(クース・コーポレーション)教室在籍生徒数 |
(名) |
1,183 |
15 |
1,336 |
153 |
明光義塾直営在籍生徒数計 |
(名) |
30,555 |
760 |
33,465 |
2,910 |
明光義塾フランチャイズ教室在籍生徒数 |
(名) |
65,176 |
△4,060 |
64,092 |
△1,084 |
明光義塾在籍生徒数合計 |
(名) |
95,731 |
△3,300 |
97,557 |
1,826 |
明光義塾直営事業売上高 |
(百万円) |
12,680 |
493 |
13,355 |
674 |
明光義塾フランチャイズ事業売上高 |
(百万円)※1 |
4,266 |
△259 |
4,145 |
△120 |
日本語学校事業売上高 |
(百万円) |
1,120 |
305 |
1,352 |
231 |
その他の事業売上高 |
(百万円) |
2,803 |
656 |
3,726 |
923 |
売上高合計 |
(百万円) |
20,871 |
1,196 |
22,579 |
1,708 |
明光義塾直営教室売上高 |
(百万円) |
12,680 |
493 |
13,355 |
674 |
明光義塾フランチャイズ教室末端売上高 |
(百万円) |
23,096 |
△1,235 |
22,352 |
△744 |
明光義塾教室末端売上高合計 |
(百万円)※2 |
35,777 |
△741 |
35,707 |
△69 |
※1 明光義塾フランチャイズ事業売上高は、ロイヤルティ収入及び商品売上高等を記載しております。
2 明光義塾教室末端売上高合計は、直営教室の授業料、教材費、テスト料等の全売上高と、フランチャイズ教室の授業料等の売上高を合計したものであり、フランチャイズ教室の教材費、テスト料等の売上高は含んでおりません。
b.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ429百万円増加し、16,240百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ747百万円増加し、5,355百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ318百万円減少し、10,884百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、7,677百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は742百万円(前年同期比22.0%増)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益970百万円があった一方、法人税等の支払額252百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は595百万円(前年同期は使用した資金307百万円)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出が222百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が311百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は863百万円(前年同期は使用した資金588百万円)となりました。
これは主に、配当金の支払額860百万円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生徒に対しての授業を行うことを主たる業務としておりますので、該当事項はありません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
明光義塾直営事業 |
499 |
106.2% |
明光義塾フランチャイズ事業 |
1,241 |
103.9% |
日本語学校事業 |
- |
- |
その他 |
371 |
266.3% |
合計 |
2,112 |
117.0% |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、実際仕入価格で表示しております。
c.受注実績
当社グループは、生徒に対しての授業を行うことを主たる業務としておりますので、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
明光義塾直営事業 |
13,355 |
105.3% |
明光義塾フランチャイズ事業 |
4,145 |
97.2% |
日本語学校事業 |
1,352 |
120.6% |
その他 |
3,726 |
132.9% |
合計 |
22,579 |
108.2% |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して1,708百万円増加(8.2%増)し22,579百万円となりました。これは主に、明光義塾直営事業における当社直営教室数とその在籍生徒数の増加により当該事業の売上高が674百万円増加したことによるほか、その他の事業の増収や株式会社明光キャリアパートナーズ等の連結子会社化が寄与したことで、当該事業の売上高が923百万円増加したことによります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して1,494百万円増加(9.4%増)し17,314百万円となりました。これは主に、明光義塾直営事業の売上増加に伴う雑給の増加や、連結子会社の増加により人件費が708百万円増加したことや、株式会社明光キャリアパートナーズ等の連結子会社化や、日本語学校事業における入学者増加に伴う支払手数料などで、経費が477百万円増加したことによります。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して268百万円増加(6.7%増)し4,255百万円となりました。これは主に、株式会社明光キャリアパートナーズ等の連結子会社化により人件費等が増加したことによります。
(営業利益)
上記の営業損益計算の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比較して54百万円減少(5.1%減)し1,010百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比較して35百万円減少(17.9%減)し165百万円となりました。
当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度と比較して10百万円減少(47.7%減)し11百万円となりました。
(経常利益)
上記の経常損益計算の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比較して79百万円減少(6.4%減)し1,163百万円となりました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度と比較して108百万円減少(72.5%減)し41百万円となりました。これは主に、投資有価証券売却益が114百万円減少したことによります。
当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度と比較して191百万円増加(451.2%増)し234百万円となりました。これは主に減損損失が176百万円増加したことによります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して319百万円減少(39.5%減)し、489百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の32円17銭に対し、当連結会計年度は19円41銭となりました。
(注) セグメントごとの分析等につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績」をご参照下さい。
b.財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比較して115百万円増加(1.1%増)し10,536百万円となりました。これは主に、現金及び預金が600百万円減少した一方、売掛金及びその他がそれぞれ、251百万円及び、416百万円増加したことによります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比較して313百万円増加(5.8%増)し5,704百万円となりました。建物及び構築物、投資有価証券がそれぞれ、131百万円、81百万円増加したことによります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比較して720百万円増加(19.2%増)し4,480百万円となりました。これは主に、未払法人税等及び未払費用がそれぞれ、203百万円及び176百万円増加したことによります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比較して27百万円増加(3.2%増)し875百万円となりました。これは主に、資産除去債務が36百万円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比較して318百万円減少(2.8%減)し10,884百万円となりました。これは主に、利益剰余金が432百万円減少したことによります。
c.キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益970百万円あった一方、法人税等の支払額252百万円及び配当金の支払額860百万円、有形固定資産の取得による支出が222百万円、連結範囲の変更を伴う株式取得による支出が311百万円あったこと等により、607百万円減少し、当連結会計年度末は7,677百万円となりました。
当社は、運転資金の効率的な調達を行う目的として、取引銀行2行と当座貸越契約(極度額25億円)を締結しております。これにより当社グループの成長に寄与する将来必要な運転資金を適宜調達しております。
なお、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3配当政策」をご参照ください。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
(1)国内フランチャイズ契約
当社は、全国に学習塾のフランチャイズチェーン展開を図るために、加盟者とフランチャイズ契約を締結しております。契約のタイプ、当社が徴収する主な対価、契約期間及び更新は、以下のとおりであります。
① 契約のタイプ
当社を明光義塾本部とし、加盟者を加盟単位とするフランチャイズ契約(二者間契約)
② 当社が徴収する主な対価
当社が所有する商標及びノウハウ等の使用に対し、当社は加盟者から下記のような対価を徴収しております。
a.加盟者は、ロイヤルティとして月間売上高の一定割合を支払う(主として10%)。
b.加盟者は、フランチャイズ加盟時には加盟金を支払う。
③ 契約期間及び更新
現行3ヶ年。ただし、期間満了後、審査のうえ契約を更新する。
(2)海外フランチャイズ契約
契約会社名 |
相手先の名称 |
所在地 |
契約日 |
業務提携の概要 |
契約期間 |
株式会社明光ネットワークジャパン |
NEXCUBE Corporation, Inc. |
大韓民国 |
2007年10月22日 |
NEXCUBE Corporation, Inc.をサブフランチャイジーとして、当社の保有する学習指導システム「個別指導」のノウハウを提供 |
現行5ヶ年 自動更新 |
(注) 上記契約の当社が徴収する主な対価は、以下のとおりであります。
① NEXCUBE Corporation, Inc.が個別指導教室を運営する加盟者から徴収したロイヤルティの10%
② NEXCUBE Corporation, Inc.の直営教室のうち個別指導に係る売上の1%
③ その他
(3)合弁契約
契約会社名 |
相手先の名称 |
所在地 |
内容 |
合弁会社名 |
契約日 |
株式会社明光ネットワークジャパン |
翰林出版事業股份有限公司 翰林建設開発股份有限公司 百大文教事業有限公司 |
台湾 |
台湾において個別指導塾事業を展開するための合弁会社設立契約 |
明光文教事業股份有限公司 |
2015年9月29日 |
合弁会社「明光文教事業股份有限公司」は2015年11月4日に設立され、2015年11月11日に当社は同社とマスターフランチャイズ契約を締結しております。
(4)業務資本提携契約
契約会社名 |
相手先の名称 |
契約日 |
契約内容 |
株式会社明光ネットワークジャパン |
株式会社学研ホールディングス |
2008年8月28日 |
業務提携 ① 両社の対面教育事業における生徒の相互紹介 ② 教材の共同開発及び当社での利用 ③ 同社の教育システムを当社で活用 ④ その他模擬試験の共同開発・実施、教具の共同購入、講師の派遣等の実施 |
株式会社スプリックス |
2019年10月10日 |
業務提携 ① 個別学習塾「自立学習RED」の相互展開(各社による直営展開、フランチャイズ展開) ② ①のための教材、ITコンテンツ等の開発及び提供 ③ その他共同開発及び相互提供 |
|
株式会社城南進学研究社 |
2023年4月13日 |
業務提携 ① 乳幼児教育ブランドの相互展開(各社による直営展 開、フランチャイズ展開) ② その他共同開発及び相互提供 |
該当事項はありません。