第一部【証券情報】

第1【募集要項】

1【新規発行株式】

種類

発行数

内容

普通株式

1,612,900株

完全議決権株式であり、権利内容に特に限定のない当社における標準となる株式

単元株式数 100株

 (注)1.本有価証券届出書による募集(以下「本第三者割当増資」といいます。)は、2024年11月14日付の取締役会決議によります。

2.本第三者割当増資は、割当先であるAIフュージョンキャピタルグループ株式会社(以下「AIフュージョンキャピタルグループ」又は「割当予定先」といいます。)との間で2024年11月14日に締結した資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といいます。)に基づき、AIフュージョンキャピタルグループが当社を連結子会社化するための取引の一環であり、本第三者割当増資と並行して、AIフュージョンキャピタルグループによる当社普通株式を対象とする公開買付け(以下「本公開買付け」といい、本公開買付け及び本第三者割当増資を総称して「本取引」といいます。)がおこなわれます。本第三者割当増資は、本公開買付けの成立を条件としております。

3.振替機関の名称及び住所

株式会社証券保管振替機構

東京都中央区日本橋兜町7番1号

 

2【株式募集の方法及び条件】

(1)【募集の方法】

区分

発行数

発行価額の総額(円)

資本組入額の総額(円)

株主割当

その他の者に対する割当

1,612,900株

677,418,000

338,709,000

一般募集

計(総発行株式)

1,612,900株

677,418,000

338,709,000

 (注)1 第三者割当の方法によります。

2 発行価額の総額は、会社法上の払込金額の総額です。資本組入額の総額は、会社法上の増加する資本金の額(会社計算規則第14条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとします。)です。また、増加する資本準備金の総額は、338,709,000円であります。

 

(2)【募集の条件】

発行価格

(円)

資本組入額

(円)

申込株数単位

申込期間

申込証拠金

(円)

払込期間

420

210

100株

2024年12月13日から

2025年1月14日

2024年12月13日から

2025年1月14日

 (注)1.第三者割当の方法によりおこなうものとし、一般募集はおこないません。

2.発行価格は会社法上の払込金額であり、資本組入額は会社法上の増加する資本金の額であります。

3.申込み及び払込の方法は、総数引受契約を締結し、払込期間中に後記払込取扱場所へ発行価格の総額を払い込むものとします。

4.払込期間の末日までに、割当予定先との間で総数引受契約を締結しない場合は、本第三者割当増資はおこなわれないこととなります。

5.本第三者割当増資に関しては、2024年12月13日から2025年1月14日までを会社法上の払込期間として決議しております。払込期間を上記のとおりとした理由は、本第三者割当増資の払込みが本公開買付けの成立を前提条件としており、本第三者割当増資における払込みを、本公開買付けの公開買付期間の末日の翌営業日から、決済開始日の前営業日までの間に行うことを予定しており、本公開買付期間が延長された場合には、上記払込みを行う日も延期されるためです。

 

(3)【申込取扱場所】

店名

所在地

株式会社ショーケース コーポレート本部 経理財務部

東京都港区六本木一丁目9-9

 

(4)【払込取扱場所】

店名

所在地

三菱UFJ銀行 赤坂支店

東京都港区南青山1-1-1

 

3【株式の引受け】

 該当事項はありません。

 

4【新規発行による手取金の使途】

(1)【新規発行による手取金の額】

払込金額の総額(円)

発行諸費用の概算額(円)

差引手取概算額(円)

677,418,000

28,500,000

648,918,000

 (注)1.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。

2.発行諸費用の概算額の内訳は、有価証券届出書に係るアドバイザリー費用(弁護士費用を含む)約25,000千円及び有価証券届出書作成費用等約1,100千円及び登記関連費用約2,400千円です。

 

(2)【手取金の使途】

 上記差引手取概算額648,918千円の具体的な使途につきましては、以下のとおり、①運転資金、②戦略的M&A等の投資資金に充当する予定です。なお、調達した資金を実際に支出するまでは、銀行口座にて管理いたします。

具体的な資金使途

金額(千円)

支出予定時期

① 運転資金の確保

108,918

2024年12月13日~2025年12月31日

② 戦略的M&A等の投資資金

540,000

2024年12月13日~2026年12月31日

① 運転資金の確保

 本資本業務提携で考えられるシナジーとして、地方企業や地方自治体への当社サービスの販売を通じたデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」といいます。)支援が挙げられます。特に企業と顧客をつなぐプラットフォームサービス「おもてなしSuite」はすでに地方企業や地方自治体での利用実績があり、地方企業へ展開する上で重要なサービスであると位置づけております。この目的を達成するためには、営業とマーケティングの強化が必要だと考えております。当社は現時点では東京に拠点を置いており、地方企業や地方自治体への認知度は相対的に低いと感じているため、まずは認知拡大を目的としたマーケティングと営業に注力していく予定です。具体的には、営業人材の採用・育成費用として30,500千円、展示会への出展・SNS等での広告配信・地方企業や地方自治体とのイベント開催等のマーケティング費用として78,400千円を検討しております。

 

② 戦略的M&A等の投資資金

 AIフュージョンキャピタルグループは中期経営計画の軸の一つにM&Aを掲げており、金融とシナジーのある企業のM&Aの実行により、ホールディングスカンパニーとして『金融総合サービス事業』を発展させる方針を示しています。また当社としても、当社グループとしての企業価値向上のためには、連続的な非連続な成長が有効的であると考えております。また、ベンチャーキャピタルとして様々な地域・事業領域における有力企業のソーシング活動を行っていることから、当社が単独でM&A活動に勤しむよりも一層効果的に当社ならびに当社グループとのシナジーの見込める企業との接点が獲得できるものと考えております。

 当社としても既存事業を成長させることに加え、M&Aやアライアンスを成長のエンジンであると捉えており、成長を考えるうえで財務基盤の強化と財務の柔軟性を確保するため、戦略的M&A等の投資資金を拡充することを予定しております。当社では2022年1月にリユーススマホの販売やレンタル事業を手掛けるReYuu Japan株式会社(東証スタンダード:9425、以下「ReYuu」といいます。)を子会社化いたしましたが、引き続きM&Aを事業成長の柱として考えております。今後もグループ全体の企業価値向上を目指し、連続的な非連続な成長を実現するため、M&Aやアライアンスに積極的に取り組んでまいります。なお、現時点で具体的に検討中の案件や決定した案件はございませんが、具体的な資金使途が確定した場合は、適切に開示いたします。また、M&A等の資金の支出予定期間内において、M&A等の案件成立に至らなかった場合であっても、引き続き、案件についての協議を継続し、案件成立が決定した時点で資金を充当する予定であり、当該状況が発生した場合は適時適切に公表いたします。

 

第2【売出要項】

 該当事項はありません。

 

第3【第三者割当の場合の特記事項】

1【割当予定先の状況】

(1)割当予定先の概要及び提出者と割当予定先との間の関係

割当予定先の概要

名称

AIフュージョンキャピタルグループ株式会社

本店の所在地

東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート

直近の有価証券報告書等の提出日

(有価証券報告書)

2024年10月1日設立のため、該当事項はありません。(注1)

提出者と割当予定先との間の関係

出資関係

当社が保有している割当予定先の株式の数

当社は当該会社の普通株式を保有しておりません。(2024年11月14日現在)

割当予定先が保有している当社の株式の数

割当予定先は、当社の普通株式を保有しておりません。(2024年11月14日現在)

人事関係

該当事項はありません。

資金関係

該当事項はありません。

技術又は取引等の関係

当社は、割当予定先との間で、2024年11月14日付で、資本業務提携契約を締結しております。

 (注)1 AIフュージョンキャピタルグループは、単独株式移転の方法により、2024年10月1日付けでフューチャーベンチャーキャピタル株式会社(以下「FVC」といいます。)の完全親会社として設立され、同日付けで東京証券取引所スタンダード市場に上場しているため、2024年11月14日現在において有価証券報告書は提出されておりません。なお、FVCは、2024年6月21日付けで、第26期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)有価証券報告書を近畿財務局長に提出しております。

2 割当予定先の概要及び提出者と割当予定先との間の関係の欄は、特に記載のない限り2024年11月14日現在のものであります。

 

(2)割当予定先の選定理由

当社グループは、1996年に設立され、DXを目的としたWebサイト最適化技術などを中心に、オンラインビジネスのコンバージョン率(成約率)の向上を実現するSaaS事業を展開しております。2015年3月19日に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、2016年12月21日に東京証券取引所市場第一部へ市場変更いたしました。そして、2022年4月4日には東京証券取引所スタンダード市場に移行いたしました。

現在はコアバリューを「おもてなしテクノロジーで人を幸せに」として、ビジネスコンセプトを「企業と顧客をつなぐDXクラウドサービス」に据え、様々なサービスを展開しております。具体的には、特許技術(国内外)を活用したクラウド型のWebサイト最適化サービス「ナビキャストシリーズ」、本人確認におけるなりすまし防止などのセキュリティ強化を目的とした「ProTech(プロテック)シリーズ」、企業と顧客をつなぐプラットフォーム「おもてなしSuite」や、企業のDX支援開発を行う「DXクラウド事業」を展開しております。このほかにも、オウンドメディア運用を行う「広告・メディア事業」、子会社の株式会社Showcase Capital(以下、「Showcase Capital」といいます。)が展開するスタートアップ支援事業を行う「投資関連事業」、子会社のReYuuが展開する中古スマートフォン等の通信端末機器の販売・買取り・レンタルを行う「情報通信関連事業」の4事業を手掛けております。

 

① DXクラウド事業

i. ナビキャストシリーズ

「ナビキャストシリーズ」は、Webサイト最適化技術により企業の運営するWebサイトのコンバージョン率(成約率)を高めるクラウドサービスです。主力サービスである「フォームアシスト」は、EFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)市場で10年連続シェアNo.1(注1)を獲得し、金融機関を中心としたお客様に対して、ウェブ解析士の資格を有するコンサルタントによる改善効果の高い提案により、付加価値の高いサービスを提供しております。

 

(注1)出典:ITR「ITR Market View:メール/Web/SNSマーケティング市場2024」入力フォーム最適化市場規模推移および予測(2014年~2023年度予測・売上金額)

 

ii. ProTechシリーズ

「ProTechシリーズ」は、Webサイトにおける不正なログインやなりすまし、入力ミスによる機会損失などの防止やセキュリティ強化などに特化し、お客様のコンバージョン(成約)獲得のベネフィットを最大化するクラウドサービスです。オンライン本人確認/eKYC(electronic Know Your Customer)を実現するサービス「ProTech ID Checker(プロテックアイディーチェッカー)」は金融機関をはじめ、古物商、法律事務所、レンタルショップなど幅広い業界で、ご導入いただいております。2023年6月には、マイナンバーカードを本人確認に利用する公的個人認証サービス(JPKI: Japanese Public Key Infrastructure)機能である「ProTech マイナンバーIC認証」の提供を開始したほか、運転免許証をはじめとするあらゆる書類の文字情報をデータ化する「ProTech AI-OCR」の提供を開始しております。また、AIによる保険証の自動マスキングサービス「ProTech AI Masking」、なりすましや不正ログインをSMS(ショートメッセージサービス)認証で防止する「ProTech MFA by SMS」(MFA:Multi-Factor Authentication、多要素認証のこと)を提供しております。

 

iii.おもてなしSuite

「おもてなしSuite」は、企業と顧客をつなぐあらゆるユーザーインターフェースをSaaSとして実現するプラットフォームです。AIによるチャット機能のほか、プログラミングなどの専門的な知識・技術がなくても簡単に入力フォームが作れるローコードフォーム作成機能を提供しております。フォーム作成機能においては、サイボウズ株式会社(東証プライム:4776)が提供する「kintone(キントーン)」との連携が可能です。当社はサイボウズオフィシャルパートナー(プロダクト、コンサルティング)に認定されており、kintoneをより使いやすくする機能も提供しております。kintoneの連携機能である「おもてなしSuite for kintone View」では、kintoneに入力されたデータをわかりやすく描画することが可能です。また、2024年10月に販売開始した「Associate AI Hub for kintone」は、自然言語インターフェース(NLUI:Natural-language user interface)を用いた音声認識で操作することで、まるでアシスタントに話しかけるようにしてkintoneのアプリを簡単に作成することができます。

 

iv. クラウドインテグレーション事業部

各業界のリーディングカンパニーが持つ専門的な知識と、当社の持つSaaSプロダクト開発ノウハウを掛け合わせて、業界特化型DX支援開発を行っております。これまでに、広報・PR支援SaaS「PRオートメーション」の共同開発、消防設備点検報告書をデジタル化し、データベース化するクラウドシステム等の防災をDXする新たなVertical SaaS(注2)の開発、横浜銀行(神奈川県横浜市)をはじめとする金融機関とのDXの開発事業も手掛けており、ローンの審査でオンライン本人確認/eKYC等を活用し審査をDXするサービスの開発も行っております。

 

またDXクラウド事業内で「ショーケース LLM Labs」を立ち上げております。生成AIの急速な発展を受けて、大量のテキストデータによって学習するLLM(Large Language Model、大規模言語モデル)を活用した新規プロダクト開発、協業企業との概念実証、LLM導入コンサルティングを行う目的で立ち上げた社内プロジェクトで、先述の「Associate AI Hub for kintone」の開発のほか、複数企業との概念実証を実施しております。

 

(注2)「Vertical SaaS」とは、特定の業界や分野に特化して設計されたソフトウェアサービスのことです。

 

② 広告・メディア事業

i. 広告関連サービス

広告関連サービスは、従来から提供してきた運用広告関連サービスに加え、顧客のニーズに合わせたSNS広告運用サービスを提供しております。

 

ii. オウンドメディア運営

オウンドメディア運営は、スマートフォン、プログラミング、英会話など様々な商品・サービスを比較するメディア「ショーケース プラス」をはじめとする複数のメディアを運営しております。

 

③ 投資関連事業

投資関連事業を手掛ける子会社であるShowcase Capitalは、スタートアップ起業家と事業会社やVC・CVCをオンラインでマッチングするプラットフォーム「SmartPitch(スマートピッチ)」等を通じて、スタートアップ・エコシステムの形成の一助となる活動に取り組んでおります。本日現在、登録数はスタートアップ企業側が500社超、事業会社等の投資家側は240社を超えました。昨年度はオフラインイベントも開催し、年間で合計約300名の投資家・起業家が参加しました。また、2024年9月にはDX人材育成研修プログラムの支援事業を開始しております。

 

④ 情報通信関連事業

情報通信関連事業を手掛けるReYuuは、スマートフォン、タブレット、パソコン等の通信端末機器について、リユース品を中心として売買する事業を展開しております。これらの機器が不要となった消費者や国内外の法人企業から同端末機器を買取り、同社のモバイルリファビッシュセンターにおいて、商品査定、データの消去処理や外装のクリーニング等の処理を施した後、リユースモバイル端末として販売しております。同事業においては、リユースモバイル端末を国内のMVNO事業者や国内外の卸売業者、一般法人企業等へ向けて販売するとともに、自社運営サイト及び外部ECモールにおいて、個人向けのオンライン販売を実施しております。また、法人向け通信端末機器のレンタル等も行っております。法人向け通信端末機器のレンタルは、同社のリユース関連事業において買い取り、整備等を行った通信端末機器をレンタルし、その顧客からレンタル利用料を収受しております。

 

当社グループが事業展開する主要マーケットの一つである、国内デジタルマーケティング市場は、2020〜2025年にCAGR(年平均成長率)7.2%の6,102億円(注3)と、当社の認識からして高い成長率が見込まれます。また、国内DX市場規模は、2030年には8兆350億円に拡大する見通しである一方(注4)、DXに「既に取り組んでいる」と回答した中小企業は2023年時点で14.6%であり(注5)、中小企業を中心としたDXには大きな伸びしろがあると考えております。

また、2023年に広く認知されたChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)により、AI関連市場が、当社の認識からして、大きく変化を遂げております。具体的にはLLMを活用した対話AIサービスは2027年度までに市場規模は約6,905億円に成長する見通しであり(注6)、現在も業界やサービスを問わず、その連携領域を広げています。

これらの事象を鑑みて、当社グループではAIを活用した自社サービスの機能開発を進める予定です。具体的には現場のユーザーが直接操作して日々の業務に取り込めることを目的とした、『誰でもカンタンに、スモールステップから始められるDX』を実現する手軽なAIソリューションの開発を目指しております。

 

(注3)IDC 国内デジタルマーケティング関連サービス市場 セグメント別/産業分野別予測、2020~2025年より

(注4)富士キメラ総研『2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』より

(注5)独立行政法人 中小企業基盤整備機構『中小企業のDX推進に関する調査(2023年)』より

(注6)株式会社シード・プランニング『2023年版 対話AIビジネスの現状と将来展望~ChatGPT・GPT-4を含む大規模言語モデル(LLM)がもたらす新市場~』より

 

当社は、2024年5月に中期経営計画を策定し、2024年5月15日付けで「2024年12月期-2026年12月期中期経営計画説明資料」(以下「本中期経営計画」といいます。)を公表いたしました。本中期経営計画の中では、成長戦略として、当社サービスの中でも「ProTechシリーズ」と「おもてなしSuite」を販売注力商品と掲げ、売上拡大を企図しております。その背景として、本中期経営計画策定以前より売上基盤を築いてきた「ナビキャストシリーズ」について、その所属するEFO市場が成熟しつつあるうえ、市場規模そのものが約16億円程度であることに鑑み、当社として、今後より市場の大きな成長が期待できる「ProTechシリーズ」(注7 eKYC市場:2024年市場規模で約120億円)と「おもてなしSuite」(注8 ローコード開発市場:2025年市場規模で約1,000億円)の販売に注力していきたい意向が当社としてありました。「ナビキャストシリーズ」は金融機関での利用が多かったことを踏まえ、「ProTechシリーズ」と「おもてなしSuite」でも金融機関をコアターゲットとして販売していく方針を検討しておりました。国内でのマイナンバーカードの普及により、マイナンバーカードを用いた本人認証を行う機会が増えたことから「ProTechマイナンバーIC認証」の需要が拡大したほか、近年地方自治体での導入が増加しているkintoneとの連携が可能な「おもてなしSuite」の新機能が2023年6月に販売開始となったため、当社サービスの地方自治体・官公庁・地方金融機関の需要が拡大いたしました。これにより当初検討していたターゲット以外にも、地方自治体や地方金融機関への販売強化を目指していきたい意向がさらに強まったものの、東京都に拠点を構えていることから地方自治体や地方金融機関に対する販路の拡大に地理的な課題がありました。加えて、2024年11月14日に公表いたしました「減損損失の計上及び通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の通り、2024年12月期において着地見込みを下方修正いたしました。DXクラウド事業において着実に顧客数を積み上げているものの、顧客単価の伸び率が想定の値に達してないことから、足元では本中期経営計画公表時点から予実の乖離が発生しておりました。これらの課題感から、特に需要の高まっている地方での認知拡大を目的とした地方営業人材の採用・育成や、地方企業・地方自治体に向けたマーケティング活動等を実施するべく、当社がターゲットとする地方自治体や地方金融機関とのネットワークを有する企業との業務提携及び資金調達に関して、検討を進めておりました。

 

(注7)eKYC市場規模 eKYC/当人認証ソリューション市場に関する調査を実施(2023年)より引用

(注8)ローコード開発市場規模 ITR Market View:ローコード/ノーコード開発市場2024より引用

 

一方、AIフュージョンキャピタルグループは、単独株式移転の方法により、2024年10月1日付けでFVCの完全親会社として設立され、同日付けで東京証券取引所スタンダード市場に上場したとのことです。

AIフュージョンキャピタルグループの企業グループは、持株会社であるAIフュージョンキャピタルグループ並びにその子会社であるFVC及びFVC Tohoku株式会社(以下「FVCT」といいます。)等(連結子会社:4社、持分法を適用した非連結子会社又は関連会社:40社。2024年11月14日現在)で構成され(以下「AIFグループ」といいます。ただし、AIフュージョンキャピタルグループの設立前についてはFVC及びその子会社等により構成される企業グループを指します。)、2024年10月29日に開示した「中期経営計画(AI 革命 1.0)策定に関するお知らせ」にも記載のとおり、「AIを軸に日本の成長を支えるキャピタルグループを目指す」ことを経営理念に、「AIを活用した事業モデル変革を図る企業等へのAIFグループによる自己投資事業」、「AIソリューションを提供する企業群に特化したファンドの組成及び従来からのベンチャー投資を行うファンド事業」、「上場企業への戦略投資とバリューアップ戦略の構築及び実行を行うPIPEs事業」、「これらに付随して派生する投資銀行事業」からなる4つの事業ドメインをコア領域と定め、シナジー効果を発揮しながら、それぞれが独立した事業としてAIFグループの利益成長をドライブする事業体制の構築に向けて、FVC及びFVCTにおいて、主としてファンド事業を行う他、M&Aや直接投資にも取り組んでいるとのことです。

ファンド事業については、AIFグループは、FVC及びFVCTにおいて、国内各地に事業拠点4箇所(京都、東京、愛媛、岩手)を置き、投資事業組合(ファンド)の組成及びその管理・運営、投資事業組合の無限責任組合員となって投資先の選定及び育成支援を行っており、無限責任組合員は投資事業組合の組成に対して組成報酬、管理・運営に対して管理報酬、投資先の売却益に対しては成功報酬を得る収益構造となっているとのことです。

AIFグループが行うファンド事業には、①投資先のIPO等を目指すベンチャーファンドの組成、②地方創生をテーマとした地域の創業や事業承継に資するファンドの組成、③大企業がオープンイノベーションの手段等として組成するCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)ファンドの組成等があるとのことです。それぞれのファンドについては、以下のとおりとのことです。

 ベンチャーファンドとは、高リスクながら高リターンが期待できる新興企業やスタートアップに資金を提供するファンドとのことです。資本や経営の専門知識を提供し、企業の成長を支援することを主な目的とするとのことです。投資家から集めた資金は、企業が新しい製品開発や市場の拡大に必要な資金として活用されるとのことです。投資先がIPO等で成功すれば投資額の数倍のリターンが期待できるため、富裕層や機関投資家にとって魅力的な投資先となるとのことです。一般的にベンチャーキャピタルが組成するファンドはこのベンチャーファンドとなるとのことです。実績としては、2019年に「次の社会の創発を支援」、「ものづくり」、「ロボット」、「SDGs」等のテーマを有する「ロボットものづくりファンド」を組成しているとのことです。

 地方創生ファンドとは、主として地域金融機関や地方自治体が出資し、地域の活性化等を目的として組成されるファンドとのことです。出資された資金は、地域内の企業への投資に用いられ、新たな企業の創業を支援したり、既存の企業が事業を次の世代に継承するための支援を行うとのことです。これにより、地方の経済活動を活発化させ、地域全体の活性化に寄与しているとのことです。その結果として、地域における雇用機会の創出や、地元経済の発展につながる効果が期待されるとのことです。地方創生ファンドは、地方に根ざした資源や文化を活用し、持続可能な成長を実現するための重要なインフラといえ、地域社会の持続的な発展を後押しする役割を担っているとのことです。実績としては、「もりおか起業ファンド」、「おおさか創業ファンド」、「ふくしま夢の懸け橋ファンド」、「おおさか社会課題解決ファンド」、「京都市スタートアップ支援2号ファンド」など、36本のファンドを組成しているとのことです。

 CVCファンドは、一般的なベンチャーキャピタルとは異なり、大企業が自社の成長戦略の一環として自ら資金を提供し、スタートアップや成長企業に対して投資を行う仕組みとのことです。これにより、大企業は新技術や革新的なビジネスモデルを取り入れやすくなり、市場での競争力を強化できるとのことです。また、スタートアップは資金支援を受けるだけでなく、大企業の資源やネットワークへのアクセスが可能になり、事業拡大のチャンスが広がるとのことです。CVCファンドは、投資先企業とのシナジー効果を生み出し、双方にとって利益をもたらすことを目指しているとのことです。このため、単なる資金提供にとどまらず、戦略的パートナーシップの構築が重視されるとのことです。実績としては、様々なセクターの企業様をパートナーに、10本のCVCファンドを組成しているとのことです。

AIFグループから提供された資料によると、AIFグループは、ファンド数42本(清算中のファンドも含みます。)、出資者数76社(名)、ファンド総額199億円(2024年9月30日時点)の運用をしており、特に、地方創生をテーマとしたファンドの組成に力を入れており、42ファンド中29ファンドが地方創生をテーマとしたファンドとなっております。また、同資料によると、ファンドの投資残高は333社85億円(2024年9月30日時点)となっており、27の都道府県の企業等(2024年9月30日時点)に投資しております。

M&A及び直接投資については、ファンド事業において管理・運営する投資事業組合と利益相反が生じないM&A案件及び直接投資案件に限り、投資事業組合の資金に頼らないAIFグループの自己勘定による地域企業のM&Aや直接投資に積極的に取り組んでおり、2024年7月には人材紹介フランチャイザー業を手掛けるTHE FREE AGENT LAB株式会社の株式を取得し、子会社化しているとのことです。なお、FVCが新たに持株会社であるAIフュージョンキャピタルグループを設立した理由は、FVCの従来のファンド運営事業と、M&Aや直接投資に関する事業を切り分けるために、ファンド運営を担う事業会社であるFVCと、その親会社であり、それ以外のM&Aや直接投資を行う持株会社であるAIフュージョンキャピタルグループを別会社とし、今後取得する予定のM&A先を子会社として保有する持株会社体制への移行が最適であると考えたことによるとのことです。このような持株会社化により、AIFグループでは、M&Aや直接投資について、これを FVC の従前からの地方創生ファンド運営とは切り分け、迅速かつ柔軟な経営判断ができる体制を構築するとともに、これらのセグメント毎の採算及び事業責任の明確化のほか、さらなるガバナンスの強化を図ることで、積極的に事業推進できる経営体制を構築したとのことです。今後、この体制のもとでAI関連事業及びAI関連技術(下記に定義します。)を導入することで企業価値の増加が見込める事業のM&Aを積極的に進めていく予定とのことです。

FVCは、2024年5月14日、AIフュージョンキャピタルグループを完全親会社とする持株会社体制への移行を決定し、FVCの既存ファンド事業とM&Aや直接投資を切り分けた運営体制を構築していく中で、M&Aや直接投資領域については今後市場のニーズが高まると予想されるAIを軸とした事業展開を検討していました。その一環として、AIに関連する事業会社との協業を模索していたところ、2024年5月22日に当社の元CFOが代表を務める株式会社東京コンサルティングファームより、当社の紹介を受けたとのことです。そして、2024年6月18日、当社からFVCに対し、AIFグループが有するファンド組成のノウハウと地域金融機関とのネットワークを活用して、当社が有するAI及びDX関連技術の導入を事業展開することを内容とする、業務提携の提案を行いました。これに対し、FVCは、持株会社化を進めるとともに、AI関連事業のM&A推進を検討している中で、当社から提案した業務提携に基づき協業することによって、AIFグループ及び当社グループの双方において、下記に記載する各シナジーが生じると判断し、2024年6月20日から、当社との業務提携に関する協議を進めてきたとのことです。

 

そのような中で、当社から、2024年7月4日、当社においては運転資金の確保等のための資金需要があるところ、当社が保有している自己株式1,612,900株をAIフュージョンキャピタルグループに対して処分することで、FVCが当社株式を保有することを内容とする、資本業務提携についての提案を行いました。FVCはこれを積極的に検討し、当社はその条件についての交渉を進めておりました。その中で、2024年7月29日、当社の創業者で代表取締役会長かつ第2位株主である永田豊志氏(所有株式数:1,190,200株、増資前所有割合:17.10%、増資後所有割合:13.88%、以下「永田氏」といいます。)から、FVCに対し、AIFグループとの連携をより強化し、当社グループのより迅速な成長を実現する観点から、1株あたり600円であれば、所有株式(1,190,200株)を譲渡したいという提案があったとのことです。当該価格は、当該提案日の前営業日である2024年7月26日の当社株式の終値(298円)に101.34%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)において同じです。)の、同日を基準とする過去1ヶ月間における終値の単純平均値(302円)(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値について同じです。)に98.68%の、過去3ヶ月間における終値の単純平均値(302円)に98.68%の、過去6ヶ月間における終値の単純平均値(316円)に89.87%のプレミアムを付した価格とのことです。その後、交渉が進む中で、当社の創業者で第1位株主である森雅弘氏(所有株式数:1,538,300株、増資前所有割合:22.10%、増資後所有割合:17.94%以下、永田氏とあわせて「本応募合意株主」といいます。)も、永田氏と同様の考えがある旨について当社に対して意向を表明し、当社はAIフュージョンキャピタルグループに対して当該意向表明を受けた旨を伝達しました。

このような提案を受け、AIFグループは、譲渡価格についてはさらに検討する必要はあるとしても、当社との間で構築する資本業務提携関係をより強固なものとし、両社グループの協業関係に基づくシナジーの最大化を図る観点から、所有割合の過半数を得るべきとの考えに至ったとのことですが、本応募合意株主から保有株式の譲渡を受ける場合、その所有割合から公開買付けを実施する必要があったところ、資本業務提携関係の強化により見込まれる事業上のシナジーや公開買付けを実施する場合に想定される費用等を検討した結果、本公開買付けを実施することとなったとのことです。

また、その後、2024年9月11日、本公開買付けを実施する場合、当社における自己株式の処分においても本公開買付けに応募する方法による必要が生じるところ、AIフュージョンキャピタルグループは、当社について、上場を維持しつつ連結子会社とすることを想定していることから、買付予定数には上限を設定する予定とのことでしたが、本応募合意株主の提案する譲渡価格に基づけば、本公開買付けがプレミアムを設定した公開買付価格によることが想定されていたことから、応募株券等の数の合計が買付予定数の上限を超えることが考えられ、その場合は、当社の自己株式の処分も含めた応募者からのあん分での買取りとなり、結果として当社が必要とする資金調達ができなくなる可能性を認識したとのことです。AIフュージョンキャピタルグループが、2024年9月19日、以上の認識について当社に伝えたところ、当社からは、2024年9月20日、本第三者割当増資によって資金需要を満たす資金調達を確実に得られるようにするため、自己株式処分ではなく、新株式発行による第三者割当増資により、AIフュージョンキャピタルグループが当社株式を取得する方法を採用したい旨の提案を行い、AIフュージョンキャピタルグループとしても、当該提案を採用することにしたとのことです。

上記経緯を踏まえ、AIフュージョンキャピタルグループは、当社に対し、初回提案として、2024年10月3日付で、(ⅰ)公開買付け及び第三者割当増資の手法により当社株式の過半数を取得すること、及び(ⅱ)本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付価格及び本第三者割当増資の払込金額は、1株につき470円とすること等を内容とする意向表明書を提出しました。当該価格は、当該提案日の前営業日である2024年10月2日の当社株式の終値295円に59.32%の、同日を基準とする過去1ヶ月間における終値の単純平均値284円に65.49%の、過去3ヶ月間における終値の単純平均値280円に67.86%の、過去6ヶ月間における終値の単純平均値295円に59.32%のプレミアムを付した価格です。AIフュージョンキャピタルグループが、本公開買付価格及び第三者割当増資の払込金額について1株につき470円で当初の提案をした経緯は、当社の本中期経営計画に基づき古関耕造国際会計事務所において算定した株式価値評価を参照し、AIフュージョンキャピタルグループの社内協議を経て決定したものとのことです。同日、AIフュージョンキャピタルグループは、当社と面談を行い、当社に対して当該意向表明書の内容について説明しました。当社としても本取引を通じたAIフュージョンキャピタルグループとの協業により、当社の経営成績及び財政状態の改善、ひいては当社の中長期的な企業価値の向上に資する可能性があると判断したことから、AIフュージョンキャピタルグループの考え方に賛同するとともに、2024年10月11日以降、本取引の実施及び本資本業務提携契約書の締結に向けた検討を開始しました。なお、当該意向表明書の内容からは明らかになっていない事項について、当社からAIフュージョンキャピタルグループに対し、2024年10月4日付で、(ⅰ)AIフュージョンキャピタルグループの概要、(ⅱ)本取引の取引形態の概要、(ⅲ)AIフュージョンキャピタルグループが本公開買付けの実施を決定するに至った背景、(ⅳ)本公開買付け後の経営方針、(ⅴ)本公開買付け後の当社株式の保有方針、(ⅵ)AIフュージョンキャピタルグループにおいて実施を予定する公正性担保措置の内容、及び(ⅶ)本公開買付けに係る重要な合意等を内容とする質問事項書を送付し、2024年10月11日にAIフュージョンキャピタルグループから当社に対し回答しました。当該回答の概要については、以下のとおりです。

(i) AIフュージョンキャピタルグループの概要

(a)AIフュージョンキャピタルグループの基本的情報、(b)同日時点でAIFグループが当社株式を保有している事実や本取引までに取得する予定はないこと、(c)本取引の資金をFVCから調達予定であること等

(ⅱ) 本取引の取引形態の概要

(a)本公開買付け及び本第三者割当増資の主要条件(買付価格は1株につき470円、対象となる株券等、普通株式、公開買付期間:2024年11月14日公表・20営業日、買付予定数の上限:2,759,100株、買付予定数の下限:2,759,100株)、(b)当社が上場を維持する理由は、これによりソリューションを提供する金融機関・地方自治体・企業等に対する信頼性・ブランド価値が維持され、当社の企業価値向上及び株主の共同利益の最大化につながると判断し、また、当社の企業価値を最大化させるために資金調達や組織再編の柔軟性を確保することも可能となると考えていること、(c)本取引以外に検討したスキームはないこと、(d)AIFグループ外の共同取得者は想定していないこと、(e)本取引のストラクチャーについて、AIフュージョンキャピタルグループにおいて同日時点で保留又は今後継続的に検討が必要となっている、重要な前提条件等はないこと等

(ⅲ) AIフュージョンキャピタルグループが本公開買付けの実施を決定するに至った背景

本項「(2)割当予定先の選定理由」と概要は同じであるため、同項の記載をご参照ください。

(ⅳ) 本公開買付け後の経営方針

AIフュージョンキャピタルグループは、本取引成立後の当社の経営方針について、当社の経営の自主性を維持・尊重することを基本としつつ、本取引後の当社の経営方針の詳細については、本公開買付け成立後、当社と協議の上で決定していくことを予定していること等

(ⅴ) 本公開買付け後の当社株式の保有方針

増資後所有割合が51.00%となるよう当社株式を取得し、それを維持した状態での長期保有を考えていること

(ⅵ) AIフュージョンキャピタルグループにおいて実施を予定する公正性担保措置の内容

第三者機関から株式価値算定書の取得を予定していること

(ⅶ) 本公開買付けに係る重要な合意

(a)大株主である本応募合意株主から応募意向の確認を得る予定であること、(b)本取引後の役職や処遇等について当社役職員との間で合意はなく、合意する予定もないこと

その後、上記回答を踏まえ、当社においても本取引の実施及び本資本業務提携契約書の締結に向けた検討を進めてまいりました。

上記交渉状況を踏まえ、AIフュージョンキャピタルグループは、2024年10月上旬から下旬にかけて、両社合意のもとで、当社に対して、デュー・デリジェンスを行いました。具体的には、2024年10月上旬、AIフュージョンキャピタルグループは、デュー・デリジェンスにおける法務アドバイザーとして晴海パートナーズ法律事務所に、デュー・デリジェンス以外の事項に関する法務アドバイザーとして祝田法律事務所に、財務アドバイザーとして古関耕造国際会計事務所に、また、第三者算定機関及び財務アドバイザーとして東京フィナンシャル・アドバイザーズ株式会社(以下「東京フィナンシャル・アドバイザーズ」といいます。)に打診をし、2024年10月上旬に選定し、AIフュージョンキャピタルグループは、晴海パートナーズ法律事務所及び古関耕造国際会計事務所を通じて、法務及び財務の観点からのデュー・デリジェンスを実施しました。なお、各アドバイザーは、AIフュージョンキャピタルグループ、当社及び本応募合意株主から独立したアドバイザーとのことです。

以上の交渉及び検討の結果、AIフュージョンキャピタルグループは、本取引により、当社との間の資本業務提携関係をより強固なものとし、両社グループの協業関係を構築することで、下記に記載のとおり、両社事業におけるシナジーが実現可能であるとの考えに至ったとのことです。

この点、AIフュージョンキャピタルグループが当社に対して本公開買付価格及び第三者割当増資の払込金額について1株につき470円で提案した根拠は、当社の本中期経営計画に基づき古関耕造国際会計事務所において算定した株式価値評価を参照し、AIフュージョンキャピタルグループの社内協議を経て決定したものであったとのことです。一方で、AIフュージョンキャピタルグループが、2024年10月28日、当社から本中期経営計画から見直された当社の事業計画(2024年12月期から2026年12月期までの3期間。以下「本事業計画」といいます。)を受領したところ、本事業計画と本中期経営計画との間には乖離があり、具体的には、本事業計画の財務予測に係る数値が本中期経営計画上の数値を下回っていたとのことです。この点に関し、AIフュージョンキャピタルグループとしては、本中期経営計画は、DXクラウド事業では代理店販売を中心としたパートナー戦略における期待売上や高収益率を見込んでいたほか、広告・メディア事業にて2025年に開始予定の新規事業等の値が含まれており、積極的な成長戦略を前提とした意欲的な目標値として策定されたものであった一方、本事業計画の財務予測に係る数値は、上述の本中期経営計画策定時点からの事業環境の変化や足元の業況を踏まえて発生した予実差を踏まえ、現状に即した客観的且つ合理的な財務予測として策定されたものであり、これに伴い乖離が生じていることを認識したとのことです。そのため、AIフュージョンキャピタルグループにおいては、財務デュー・デリジェンスの結果も踏まえ、より慎重に社内で再評価を行う必要があると判断したとのことです。そこで、AIフュージョンキャピタルグループにおいて、本事業計画および財務デュー・デリジェンスの結果を反映し、公正価値の範囲内であるディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)によるレンジを再検討した結果、本公開買付価格及び本第三者割当増資の払込金額は、420円が妥当であるとの結論に至ったとのことです。そこで、AIフュージョンキャピタルグループは当社に対し、2024年10月31日、本公開買付価格及び第三者割当増資の払込金額を1株につき420円とする旨の再提案を提示したとのことです。

以上のとおり、本公開買付価格及び本第三者割当増資の払込金額については、AIフュージョンキャピタルグループから当社に対し、資本業務提携によるシナジー及び本事業計画を踏まえて1株当たり420円を再提案し、この価格は第三者算定機関である東京フィナンシャル・アドバイザーズによる価格算定により裏付けを得ている価格であり、2024年10月31日の当社の普通株式の終値に対して42.86%のプレミアムを乗じた価格となります。

AIフュージョンキャピタルグループの上記再提案に対して、当社は社内における検討を重ね、その結果、2024年11月12日、AIフュージョンキャピタルグループは当社から、上記再提案を受け入れる方針である旨の回答を得たことから、AIフュージョンキャピタルグループ及び当社は、本資本業務提携契約を締結し、当社が公開買付価格を420円とする本公開買付けに賛同し、また、本第三者割当増資の払込金額を420円、発行株式数を1,612,900株とする方針について、最終合意に至りました。

 

AIフュージョンキャピタルグループ及び当社は、AIFグループ及び当社グループにおける資本業務提携関係・協業関係の構築に基づく、両社グループのシナジーとして、具体的には、以下の点を見込んでおります(以下、これらのシナジーを総称して「本件シナジー」といいます。)。

まず、AIFグループのファンド事業における、投資先企業に対する金融支援(資金提供)と経営伴走支援において、当社の持つIT技術、特にAIに特化したソリューションに関する技術(以下「AI関連技術」といいます。)は、重要な役割を果たすことが期待できるとのことです。すなわち、当社は、AI関連技術を駆使して、AIFグループの投資先企業のグループ内でのDXを推進し、投資先企業の属する各業界での競争優位性を強化することが可能とのことです。より具体的には、AIFグループの投資先企業において、当社のAI関連技術を用いることで、売上等各種データ分析・予測の高速化による意思決定迅速化、ルーティン業務の自動化、製造工程における無駄の排除、在庫管理や価格設定の最適化などの業務効率化や、顧客ニーズ・市場動向のAI分析による新製品・サービスの開発、個別最適化された製品・サービスの提供、個別最適化されたマーケティングによる顧客との関係深化などの事業モデルの革新が可能となり、マーケットインテリジェンス(注9)の強化を図り、投資先企業において市場ニーズに即応する製品やサービスの提供が可能となるとのことです。さらに、将来的に当社は、他社が他社の顧客に提供している既存ソリューションとの連携により、当社のAIソリューションがより最適化され、その魅力を増強し、AIFグループの投資先企業に対して最適なテクノロジーの実装を支援できる可能性もあると考えているとのことです。これらにより、AIFグループの投資先企業の顧客満足度の向上、新規顧客の獲得、既存顧客のロイヤルティ向上を実現でき、AIFグループの投資事業全体の価値を増大させることが見込まれるとのことです。AIFグループは、本公開買付けにより、以上のような当社のAI関連技術を組み込んだ新たなビジネスモデルを確立し、投資事業のバリューアップを実現することを企図しているとのことです。そして、AIFグループ全体の企業価値の向上と、AIFグループの投資先企業に対してAI関連技術を用いたソリューションを提供し、バリューアップさせていくという持続的な成長モデルを確立することができると考えているとのことです。

次に、当社側からの観点では、当社においては、高度なAI関連技術を持つ一方で、そのようなAI関連技術を用いた新規開発製品について事業として黒字化できていないという点を見れば、自社サービスを、それを必要とする顧客に届けるための営業体制の構築が経営上の課題であるといえます。この点、AIFグループがこれまで培ってきた地方金融機関や地方自治体、CVCパートナーとのネットワークを活用することで、当社のDXソリューションである金融機関向けの本人確認/eKYCサービスや地方自治体の入力フォーム最適化といった製品を、幅広い市場へと迅速に横展開することが可能となります。すなわち、既に信頼関係のあるAIFグループの顧客基盤を当社に紹介し、当社における営業活動に活用することで、当社において当該顧客基盤のニーズをタイムリーに吸い上げ、当社のサービスについて当該顧客基盤への導入プロセスを円滑に進めることが可能となり、顧客のDXニーズに即応する新しい商材への発展を促進することが期待できます。さらに、AIFグループの豊富な企業投資経験とハンズオン経営支援のノウハウは、当社の新しい営業領域を切り開くための強力な基盤となります。具体的には、レンタカー業界や旅行業界での国際免許証やパスポートの認証市場、補助金申請プロセスの認証ソリューションといった事業分野において、AIFグループの顧客や投資先に対し当社の技術的価値を提供することで、当社の販路が拡大される一方、AIFグループの顧客や投資先のサービス向上や業務改善につながるといったシナジーが考えられます。また、AIFグループの投資先である医療やエネルギー、モビリティ分野の企業と連携し、当社の商材を活用した新規市場の開拓と販路構築を進めることも可能です。中期的には、AI関連技術の重要性が増す中で、AIFグループが注力しているAI領域のネットワークを最大限に活用し、当社の専門技術との統合、例えば、AIを活用した顧客データの高度解析によるマーケティング戦略の最適化や、AI駆動型の業務プロセスの自動化など、新たなビジネスモデルの変革を推進します。このような取り組みにより、AIFグループ全体の競争力を強化し、新しい付加価値を創出していくことが期待できると考えられます。

一方で、ディスシナジーについては、AIFグループから当社グループの競業企業への投資が、競業企業側から回避され、困難になることが想定されます。もっとも、そのような競業企業は限定される上、本取引後、AIFグループにおいてAI事業及びDX事業を行うことで、これら事業において高いシナジーの期待される競業企業への投資がかえって促進される可能性もあることから、このようなディスシナジーが生じる可能性は低く、ディスシナジーが生じた場合であっても、極めて限定的であると考えているとのことです。また、当社グループのサービスがAIFグループの競業企業から回避される可能性もディスシナジーとしては想定されますが、市場全体から見ればそのような競業企業は限定的であり、このようなディスシナジーは、生じたとしても極めて限定的なものであると考えているとのことです。

(注9)「マーケットインテリジェンス」とは、企業が、市場での競争力を強化するために、市場環境や競合、顧客の動向、トレンドなど、外部環境に関する情報を収集、分析し、ビジネス戦略や意思決定に役立てるプロセスのことをいいます。

 

以上のように、本取引の実施が、両社グループのそれぞれの企業価値及び株主価値の向上を図るための手段として極めて有効であるとの考えで両社が一致したことから、当社とAIFグループは、本取引の実施を決定するとともに、2024年11月14日付で本資本業務提携契約を締結いたしました。

なお、本資本業務提携契約の概要は以下のとおりです。

 

①目的

AIフュージョンキャピタルグループが本公開買付けを実施することによって、AIフュージョンキャピタルグループが当社を連結子会社とした上で、AIフュージョンキャピタルグループ及び当社が保有する経営資源を相互に有効活用することで事業規模の拡大及び業務効率の向上を図り、両社の企業価値の最大化を図ることを目的とする。

 

②資本提携の方法

AIフュージョンキャピタルグループは、本第三者割当により当社から普通株式1,612,900株の割当を受けるとともに、本公開買付けを実施し、当社の普通株式を取得することにより、当社をAIフュージョンキャピタルグループの連結子会社とすることにより、資本提携を実施する。

 

③本公開買付けに関する事項

(ⅰ)AIフュージョンキャピタルグループは、本書記載の内容にて、本公開買付けを実施する。

(ⅱ)当社は、本資本業務提携契約締結日において、本公開買付けに賛同する旨の取締役会決議(以下「本賛同決議」という。)を行い、その内容(出席取締役全員(特別利害関係取締役又はそれに準じる取締役(永田氏を含む。)を除く。)の賛成によるものであり、かつ出席監査役全員の異議がない旨の意見を得たものである旨を含む。)を公表する。

 

④本第三者割当増資に関する事項

(ⅰ)当社は、本資本業務提携契約締結日において、大要以下の各号に掲げる条件で本第三者割当増資を行う旨の取締役会決議を行い、その内容を上場規程に従い公表するとともに、法令等に従い、本第三者割当増資に係る有価証券届出書を提出する。

募集株式の種類及び数

当社株式 1,612,900株

払込期間

2024年12月13日から2025年1月14日まで

払込金額

当社株式1株につき420円

払込金額の総額

677,418,000円

増加する資本金の額

338,709,000円

増加する資本準備金の額

338,709,000円

割当方法

第三者割当の方法によりAIフュージョンキャピタルグループに割り当てる。

(ⅱ)AIフュージョンキャピタルグループは、1,612,900株の当社株式について払込みを行う。ただし、払込期間の開始日において、(a)当社の表明保証事項が重要な点において真実かつ正確であること、(b)本第三者割当増資に係る有価証券届出書の効力が発生し、かつ、その効力が停止していないこと、(c)本公開買付けが成立していること、及び(d)本第三者割当増資を制限又は禁止する旨のいかなる法令等又は司法・行政機関等の判断等も存在しないことを条件とする。ただし、AIフュージョンキャピタルグループは、当該条件の全部又は一部を放棄することができる。

(ⅲ)当社は、本第三者割当増資を行う場合、本第三者割当増資の払込みの完了後、当社が保有する自己株式1,612,900株について速やかに消却を行う。

 

⑤業務提携の内容に関する事項

AIフュージョンキャピタルグループ及び当社は、主として以下を内容とする業務提携を行う。

(ⅰ)AIフュージョンキャピタルグループ及び当社それぞれが強みを持つ、DX関連技術の開発と導入、相互の商品、ブランド、及び事業の展開

(ⅱ)経営管理機能の共有、グループ間の顧客の連携

(ⅲ)その他AIフュージョンキャピタルグループ及び当社が合意した事項

 

⑥連結子会社化・上場の維持

(ⅰ)当社は、本取引後に、AIフュージョンキャピタルグループが保有する当社株式に係る議決権割合が40%を下回った場合又は下回ることが合理的に予見される場合(但し、AIフュージョンキャピタルグループが、自ら当社株式を売却したこと又は売却することを予定していることによる結果である場合、及びAIFの事前の承諾を受けて新株等の発行を行った結果若しくは⑧に記載された事由により、AIフュージョンキャピタルグループの持株比率が40%を下回った場合を除く。)には、AIフュージョンキャピタルグループが求めた場合には、AIフュージョンキャピタルグループが保有する当社株式に係る議決権割合が40%以上となるように合理的かつ友好的な措置を採るものとし、AIフュージョンキャピタルグループはこれに必要な合理的かつ友好的措置を採るよう協力するものとする。

(ⅱ)当社は、本取引によってAIフュージョンキャピタルグループが保有する当社株式に係る議決権割合が50.1%以上となったにもかかわらず、本取引後、AIフュージョンキャピタルグループが保有する当社株式に係る議決権割合が50.1%を下回った場合、又は下回ることが合理的に予見される場合(但し、AIフュージョンキャピタルグループが、自ら当社株式を売却したこと又は売却することを予定していることによる結果である場合、及びAIFの事前の承諾を受けて新株等の発行を行った結果若しくは⑧に記載された事由により、AIフュージョンキャピタルグループの持株比率が50.1%を下回った場合を除く。)には、AIフュージョンキャピタルグループが保有する当社株式に係る議決権割合が50.1%以上となるように合理的かつ友好的な措置を採るものとし、AIフュージョンキャピタルグループはこれに必要な合理的かつ友好的措置を採るよう協力するものとする。

(ⅲ)AIフュージョンキャピタルグループ及び当社は、当社の東京証券取引所スタンダード市場への普通株式の上場を維持することを確認し、当社が上場市場の変更を希望する場合は、両当事者において事前に協議をするものとし、必要に応じてAIフュージョンキャピタルグループは当該協議で決定した株主構成及び持分比率を達成することができるよう、最大限努力する。また、両当事者は、当社が他の証券取引所に上場をするにあたり、本資本業務提携契約の内容が支障になるとの指摘が日本取引所自主規制法人等からあった場合、本資本業務提携契約の見直しについて前向きに協議する。

 

⑦誓約事項等

当社は以下の事項を誓約する。

(ⅰ)当社は、本資本業務提携契約の締結後速やかに、本賛同決議をAIフュージョンキャピタルグループが合理的に満足する内容により公表する。

(ⅱ)当社は、AIフュージョンキャピタルグループが本公開買付けを開始した場合、本公開買付けの開始日において、本賛同決議の内容と同趣旨の意見表明報告書を金融商品取引法に従って管轄財務局に提出する。

(ⅲ)当社は、本公開買付けに係る公開買付期間が満了するまでの間、本賛同決議を維持し、これを撤回又は変更する取締役会決議を行わない。但し、下記(ⅵ)の但書に規定する場合にはこの限りではない。

(ⅳ)当社は、本資本業務提携契約締結日から本公開買付けに係る決済開始日までに、未公表の重要事実等が存在する場合、直ちに公表する。

(ⅴ)当社は、本資本業務提携契約締結日から本公開買付けに係る決済日までの間、本取引及び本資本業務提携契約と抵触し若しくは本取引及び本資本業務提携契約の実行を困難にする第三者との取引に関し、合意若しくはかかる合意に向けた申込み、申込みの誘引、勧誘、協議、交渉若しくは情報提供を行ってはならない。

(ⅵ)当社は、本資本業務提携契約締結日から公開買付期間が満了するまでの間に、対抗公開買付けが開始された場合、対抗公開買付けに対して反対の意見を表明する。但し、当社の取締役会が、対抗公開買付けが、本公開買付けと比較して、より当社の企業価値又は株主共同の利益に資すると合理的に判断した場合はこの限りでない。

(ⅶ)当社は、本資本業務提携契約締結日から本公開買付けに係る決済日までの間、現在行っている事業に関し、善良なる管理者の注意をもって、かつ、通常の業務の範囲内において従前の事業に従事し、会計記録及び会計帳簿を管理する。

(ⅷ)当社は、本取引に先立ち、司法・行政機関等による許認可が必要であれば取得する。

(ⅸ)当社は、本資本業務提携契約締結日後、当社又は当社の子会社の株式等の発行等を行う場合には、AIフュージョンキャピタルグループの事前の書面による同意を取得するものとし、又は、当社の子会社をしてAIフュージョンキャピタルグループの事前の書面による同意を取得させる。

 

⑧事前協議事項等

当社は、以下の各号に記載する事項につき自ら、又は、当社の子会社であるShowcase Capital及びReYuuにおける実施を決定又は承認する場合には、事前にAIフュージョンキャピタルグループに通知し、又は子会社をして通知させ、その上で、AIフュージョンキャピタルグループとの間で誠実に協議し、又は子会社をして誠実に協議させる。AIフュージョンキャピタルグループは、当該協議において当社の独立性に十分配慮するものとする。

(ⅰ)組織再編

(ⅱ)定款等の変更

(ⅲ)株式併合、株式分割、株式無償割当又は新株予約権無償割当

(ⅳ)資本減少、準備金減少、社債発行、1案件に対する5億円(但し、本取引の完了後に初めて開催される当社の株主総会が終了するまでは、3000万円)以上金融機関からの借入、その他の資金調達又は担保提供

(ⅴ)自己株式の取得又は剰余金の配当

(ⅵ)合弁契約その他経営に重大な影響を及ぼす契約の締結又は変更

(ⅶ)法的倒産手続開始の申立て

(ⅷ)発行する株式についての上場廃止

(ⅸ)3000万円を超える設備投資、開発及び資産の譲渡

(ⅹ)有価証券上場規程等に従って適時開示が必要となる新規事業の開始又は既存の事業の全部若しくは重要な一部の中止又は終了、知的財産権の譲渡・処分等

(ⅺ)本資本業務提携契約と同一又は類似の目的を有する契約等(投資契約、出資契約、株主間契約等を含むがこれらに限られない。)の締結、変更、解除又は終了(但し、本取引の完了後に初めて開催される当社の株主総会が終了するまでの期間に限る。)

(ⅻ)役員の解任、解職又は解雇

(xiii)他の会社の株式又は持分の過半数の取得又は譲渡

(xiv)その他当社の経営に重大な影響を及ぼす事項

 

⑨当社株式のロックアップ

(ⅰ)AIフュージョンキャピタルグループは、本資本業務提携契約の有効期間中は、本第三者割当増資及び本公開買付けにより取得した当社株式の保有を継続するものとする。

(ⅱ)AIフュージョンキャピタルグループは、本資本業務提携契約が終了した場合その他本資本業務提携契約の定めにより当社株式の処分が認められる場合において、取引所金融商品市場内外にかかわらず、その保有する当社の普通株式を当社の事業と同様の事業を営む一定の者に譲渡その他の処分をする場合には、当社に対する事前の通知を行い、誠実に協議するものとする。

 

⑩終了事由

AIフュージョンキャピタルグループ又は当社は、(ⅰ)相手方の表明保証が重要な点において真実又は正確でなかった場合、(ⅱ)相手方が本資本業務提携契約上の重要な点につき義務違反があった場合、(ⅲ)相手方につき、破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算開始その他これらに類する倒産手続開始の申立てがなされた場合等の一定の事由が生じた場合、本資本業務提携契約を解除することができる。

また、当社がAIフュージョンキャピタルグループの連結子会社でなくなった場合には、AIフュージョンキャピタルグループ及び当社は本資本業務提携契約の内容の見直しにつき協議を行う。また、AIフュージョンキャピタルグループの当社株式に係る議決権保有割合が20%未満となった場合又は当社がAIフュージョンキャピタルグループの持分法適用会社ではなくなった場合、自動的に本資本業務提携契約は終了するものとする。

 

(3)割り当てようとする株式の数

当社普通株式 1,612,900株

 

(4)株券等の保有方針

当社は割当予定先より、当社を事業の柱のひとつとして捉えているため中長期的に保有する方針である旨の意向を口頭及び書面にて当社の代表取締役社長の平野井順一が確認しております。

なお、当社は、割当予定先から、割当予定先が払込期日から2年以内に本第三者割当増資により発行される当社株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を当社に対し書面により報告すること、並びに当社が当該報告内容を東京証券取引所に報告すること、及び当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を取得する予定です。

 

(5)払込みに要する資金等の状況

当社は、割当予定先の払込みに要する財産の存在について、AIフュージョンキャピタルグループから、本第三者割当増資に係る払込金額は、割当予定先の子会社であるFVCからの借入れにより充当する旨伺っております。当社は、AIフュージョンキャピタルグループより、AIフュージョンキャピタルグループがFVCより、貸付金の限度額を40億円とする限度付金銭消費貸借契約を入手し、その貸付期間、貸付形態、返済方法、貸付実行条件等を検討し、当該融資が2024年11月14日までに実行が可能であり、AIフュージョンキャピタルグループ及びFVCの間において当該融資を実行するために支障となる重要な条件等がないことを確認しています。当該限度付金銭消費貸借契約は、AIフュージョンキャピタルグループが単独株式移転の方法により、2024年10月1日付けでFVCの完全親会社として設立され、本第三者割当増資の払い込み及び本公開買付けに必要な金額を保有していないことから、本第三者割当増資に係る払込金額及び本公開買付けに要する資金を含むAIフュージョンキャピタルグループにおける資金需要に応じるために締結されたものであり、限度額の範囲において、AIフュージョンキャピタルグループはFVCから都度借入れを行う予定であると伺っております。そして、FVCが近畿財務局長に提出している「2024 年3月期の有価証券報告書(2024年6月21日提出)」に記載されている連結財務諸表により、割当予定先が本第三者割当増資の払込みに要する十分な現預金その他の流動資産(現金及び預金:3,758百万円、流動資産合計:3,942百万円)を保有していることを確認しており、その後かかる財務内容が大きく悪化したことを懸念させる事情も認められず、本第三者割当増資に係る払込みの確実性に、特段の問題はないものと判断しております。

 

(6)割当予定先の実態

割当予定先は、東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、会社の履歴、役員、主要株主等について割当予定先の有価証券届出書において公表しております(なお、割当予定先は単独株式移転の方法によりFVCの完全親会社として設立された際に、割当予定先がFVCの発行済み株式の全部を取得する直前時(以下「基準時」といいます。)におけるFVCの株主に対し、その所有していたFVCの普通株式に代わり、基準時に発行しているFVCの普通株式の総数と同数の割当予定先の株式を交付しているところ、割当予定先の主要株主は、割当予定先の有価証券届出書及びFVCの有価証券報告書等において確認しております。)。また、割当予定先は、東京証券取引所に提出している2024年10月1日付 「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の中で、「内部統制システム等に関する事項」の「反社会的勢力 排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況」において、反社会的勢力との関係を全て遮断することを基本方針とし、これを実現するために、社内において統括部署を設置し、研修や会議の実施、情報収集、弁護士や警察等の外部の専門機関との連携を整備している等の表明をしており、AIフュージョンキャピタルグループ及びその役員は反社会的勢力とは関係がないものと判断しております。さらに、当社は、本日付でAIフュージョンキャピタルグループとの間で締結する本資本業務提携契約において、割当予定先であるAIフュージョンキャピタルグループから、反社会的勢力ではなく、又は反社会的勢力と何らかの関係を有していない旨の表明及び保証を受けております。

 

 

2【株券等の譲渡制限】

 該当事項はありません。

 

3【発行条件に関する事項】

(1)払込金額の算定根拠及び合理性に関する考え方

 本第三者割当増資により発行する当社新株式の払込金額(以下「本払込金額」といいます。)につきましては、割当予定先との協議により、本公開買付けの買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同額である420円としました。

 本公開買付価格と同額を採用することとしたのは、本公開買付けと本第三者割当増資とは本資本業務提携契約に基づく一連の取引であるところ、本公開買付けを確実に成立させるとともに、本第三者割当増資において有利発行規制を受けない発行価格という観点から割当予定先との間で、検討、交渉した結果、同額である420円とすることに合意したものです。

 なお、本払込金額は、本第三者割当増資に係る当社取締役会決議日(2024年11月14日)の前営業日である2024年11月13日の当社株式の東京証券取引所市場における終値349円に対して20.34%(小数点以下第三位を四捨五入しております。本項において以下同様の箇所は全て同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値306円(小数点以下を四捨五入しております。本項において以下同様の箇所は全て同じです。)に対して37.25%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値288円に対して45.83%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値291円に対して44.33%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。

 また、当社は、本払込金額は、当社が公開買付けに賛同する旨の意見を表明するにあたり、その公正性を担保すべく、当社及びAIフュージョンキャピタルグループから独立した第三者算定機関である株式会社プルータス・コンサルティングから取得した2024年11月13日付株式価値算定書の結果(市場株価法:288円~349円、DCF法:389円~445円)と比較しても合理的な水準であると考えております。

 以上のことから、当社は、本第三者割当増資に係る払込金額の決定方法は、適正かつ妥当であり、本第三者割当増資に係る払込金額は、割当予定先に特に有利な金額には該当しないものと判断しております。この判断に基づいて、当社取締役会は、本第三者割当増資に係る条件について十分に討議、検討を行い、決議に参加できる取締役全員の賛成により本第三者割当増資につき決議いたしました。なお、当社の取締役のうち、永田氏は、本第三者割当増資と一連の取引を構成する本公開買付けにその所有する当社株式の全てを応募する旨の応募契約を締結するため、手続の公正性を担保する観点から、上記の当社取締役会での本取引に係る審議及び決議には参加しておらず、当社の立場においてAIフュージョンキャピタルグループとの協議・交渉にも参加しておりません。これを踏まえ、当社の監査役全員(うち2名が社外監査役)は、上記払込金額につきましては、日本証券業協会の定める「第三者割当増資の取扱いに関する指針」に沿ったものであると認められることから、特に有利な払込金額ではなく適法である旨の意見を表明しています。

 当社は、本公開買付けは買付予定数に上限が設定され、本公開買付け後も当社株式の上場が維持されることから、当社株式の売却を希望しない当社の少数株主にとっては、本公開買付け後も当社株式を継続して所有するという選択肢がとれるものの、当社株式の売却を希望する当社の少数株主にとって妥当な価格での売却機会を確保する必要もあることから、本公開買付価格は、市場価格に対してプレミアムを付した価格とする必要があると考えております。また、当社は、本公開買付価格は、当社株式の売却を希望する当社の少数株主にとって妥当な売却機会が確保されていると評価できること、及び割当予定先が本取引後も引き続き当社株式の上場を維持する方針であり、当社株式の売却を希望しない当社の少数株主にとっては本取引後も当社株式を継続して所有するという選択肢をとれること から、当社の少数株主の利益保護に十分留意されていると考えております。

 

(2)発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠

 本第三者割当増資により割当予定先に対して割り当てられる当社新株式の数は1,612,900株であり、同株式に係る議決権の数は合計16,129個であるため、本第三者割当増資前の当社の発行済株式総数6,959,800株(2024年9月30日現在の当社の発行済株式総数(8,572,700株)から、当社決算短信に記載された2024年9月30日現在の当社が所有する自己株式数(1,612,900株)を控除した株式数)に対する比率は23.17%、2024年6月30日の当社の議決権総数69,566個に対する比率は23.19%となり、当社株式に一定程度の希薄化が生じます。しかしながら、上記「第1 募集要項」の「1 新規発行株式」及び「新規発行による手取金の使途」の「(2) 手取金の使途」に記載のとおり、本第三者割当増資により当社が認識している当社の成長の為に必要となる新規事業に遂行及び経営課題の解決に資するとともに、当社の事業基盤を拡大化し、中長期的な当社の企業価値向上に資することとなり、ひいては、株主価値の向上に繋がると考えていることから、発行数量及び株式の希薄化の規模は、合理的であると判断いたしました。

 なお、本第三者割当増資においては、希薄化率が25%以上となることは見込まれていないものの、これに近い相当程度の希薄化が見込まれており、かつ、本第三者割当増資と本公開買付けとを組み合わせることによって割当予定先が当社の支配株主となることに鑑み、当社は、東京証券取引所の有価証券上場規程第432条第1号に基づき、当社の経営者から一定程度独立した者による本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見の入手を目的として、当社の独立役員である社外取締役の矢部芳一氏、中原裕幸氏、佐藤香織氏及び社外監査役の南方美千雄氏、東目拓也氏から、本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見書(以下「本意見書」といいます。)を取得しております。本意見書の概要は以下のとおりです。

 

(本第三者委員会の意見の概要)

第1 意見の内容

 本第三者割当増資について、必要性及び相当性が認められると思料する。

 

第2 意見の理由

1.本第三者割当増資の必要性について

 当社によれば、当社グループは、DXを目的としたWebサイト最適化技術などを中心に、オンラインビジネスのコンバージョン率(成約率)の向上を実現するSaaS事業を展開しているとのことである。そして、DXクラウド事業のSaaS販売においては、地方自治体・官公庁・地方金融機関の需要が拡大し、地方自治体や地方金融機関への販売強化を目指していきたい意向がさらに強まったものの、東京都に拠点を構えていることから地方自治体や地方金融機関に対する販路の拡大に地理的な課題があるとのことである。また、DXクラウド事業において着実に顧客数を積み上げているものの、顧客単価の伸び率が想定の値に達してないことから、足元では中期経営計画を公表した2024年5月15日時点から予実の乖離が発生しているとのことである。当社は、これらの課題感から、特に需要の高まっている地方での認知拡大を目的とした地方営業人材の採用・育成や、地方企業・地方自治体に向けたマーケティング活動等を実施するべく、当社がターゲットとする地方自治体や地方金融機関とのネットワークを有する企業との業務提携及び資金調達に関して、検討を進めていたとのことである。

 また、持株会社であるAIフュージョンキャピタルグループ並びにその子会社であるフューチャーベンチャーキャピタル株式会社及びFVCT等は、「AIを軸に日本の成長を支えるキャピタルグループを目指す」ことを経営理念に、「AIを活用した事業モデル変革を図る企業等へのAIFグループによる自己投資事業」、「AIソリューションを提供する企業群に特化したファンドの組成及び従来からのベンチャー投資を行うファンド事業」、「上場企業への戦略投資とバリューアップ戦略の構築及び実行を行うPIPEs事業」、「これらに付随して派生する投資銀行事業」からなる4つの事業ドメインをコア領域と定め、シナジー効果を発揮しながら、それぞれが独立した事業としてAIFグループの利益成長をドライブする事業体制の構築に向けて、FVC及びFVCTにおいて、主としてファンド事業を行う他、M&Aや直接投資にも取り組んでいるとのことである。さらに、AI関連事業及びAI関連技術(IT技術、特にAIに特化したソリューションに関する技術)を導入することで企業価値の増加が見込める事業のM&Aを積極的に進めていく予定とのことである。

当社は、このような状況の下、両社グループの置かれている事業環境を踏まえ、2024年6月中旬から両社グループの提携について、AIFグループとの協議を開始したとのことである。当社との交渉及び検討の結果、AIフュージョンキャピタルグループは、本取引により、当社との間の資本業務提携関係をより強固なものとし、両社グループの協業関係を構築することで、両社事業におけるシナジーが実現可能であるとの考えに至ったとのことである。

 そして、当社によれば、AIフュージョンキャピタルグループ及び当社グループは、AIFグループ及び当社グループにおける資本業務提携関係・協業関係の構築に基づく、両社グループのシナジーとして、以下の点を見込んでいるとのことである。まず、AIFグループとしては、当社の持つAI関連技術を駆使することにより、AIFグループの投資先企業のDXを推進し、投資先企業の属する各業界での競争優位性を強化することが可能であるとのことである。さらに、将来的に当社は、他社が他社の顧客に提供している既存ソリューションとの連携により、当社のAIソリューションがより最適化され、その魅力を増強し、AIFグループの投資先企業に対して最適なテクノロジーの実装を支援することが可能とのことである。

次に、当社側からの観点では、当社が高度なAI関連技術を持つ一方で、そのようなAI関連技術を用いた新規開発製品について事業として黒字化できていないという点から、自社サービスを、それを必要とする顧客に届けるための営業体制の構築が経営上の課題であるとのことである。この点、AIFグループがこれまで培ってきた全国の金融機関や地方自治体、CVCパートナーとのネットワークを活用することで、当社のDXソリューションである金融機関向けの本人確認/eKYCサービスや地方自治体の入力フォーム最適化といった製品を、幅広い市場へと迅速に横展開することが可能となるとのことである。さらに、AIFグループの豊富な企業投資経験とハンズオン経営支援のノウハウは、当社の新しい営業領域を切り開くための強力な基盤となるとのことである。

 一方で、ディスシナジーについては、AIFグループから当社グループの競業企業への投資が、競業企業側から回避され、困難になることが想定されるとのことである。もっとも、そのような競業企業は限定される上、本取引後、AIFグループにおいてAI事業及びDX事業を行うことで、これら事業において高いシナジーの期待される競業企業への投資がかえって促進される可能性もあることから、このようなディスシナジーが生じる可能性は低く、ディスシナジーが生じた場合であっても、極めて限定的であると考えているとのことである。また、当社グループのサービスがAIFグループの競業企業から回避される可能性もディスシナジーとしては想定されるが、市場全体から見ればそのような競業企業は限定的であり、このようなディスシナジーは、生じたとしても極めて限定的なものであると考えているとのことである。

 これらの検討の結果、当社は、本取引により当社がAIフュージョンキャピタルグループの連結子会社となり、AIフュージョンキャピタルグループと協業体制を構築することで、AIフュージョンキャピタルグループ及び当社が有するリソースやノウハウの共有によるシナジーの創出に取り組んでいくことで当社の中長期的な企業価値の向上に資すると判断したとのことである。

 また、当社によれば、本取引の実施を通じた当社とAIフュージョンキャピタルグループの資本業務提携で考えられるシナジーとして、地方企業や地方自治体への当社サービスの販売を通じたDX支援が挙げられるとのことである。しかし、当社は現時点では東京に拠点を置いており、地方企業や地方自治体への認知度は相対的に低いと感じているため、まずは認知拡大を目的としたマーケティングと営業に注力していく予定であり、そのための運転資金の確保が必要とのことである。また、当社としても既存事業を成長させることに加え、M&Aやアライアンスを成長のエンジンであると捉えており、成長を考えるうえで財務基盤の強化と財務の柔軟性を確保するため、戦略的M&A等の投資資金が必要とのことである。以上の背景から、当社は、本取引の一環として、本第三者割当増資を行うこととしたとのことである。

 当社から受けた説明及び当社から受領した関連資料を総合的に検討した結果、以上の説明に不合理な点はなく、当社の置かれている事業環境等を踏まえれば、本第三者割当増資を含む本取引の実施を通じた当社とAIフュージョンキャピタルグループの資本業務提携については、当社の企業価値の向上に寄与するものであると認められ、また、①運転資金の確保、②戦略的M&Aの実施という本第三者割当増資の資金使途については、具体性及び合理性が認められると思料する。

 

 以上より、本第三者割当増資には必要性が認められると思料する。

 

2.本第三者割当増資の相当性について

ア 本第三者割当増資という手段の相当性について

 当社によると、本第三者割当増資は、AIフュージョンキャピタルグループによる当社の連結子会社化を目的とした本取引の一環として行われるものとのことである。AIフュージョンキャピタルグループとの資本業務提携を推進し、当社の企業価値向上を図るための諸施策を実施するための資金調達の方法として、公募増資や株主割当増資ではなく、AIフュージョンキャピタルグループを割当先とした第三者割当増資は合理的である。

 また、MSワラントを含めた新株予約権の発行については、新株予約権の行使がなされるまで資金調達ができず、資金調達の時期や金額が不確定であるため、資金調達の確実性の観点から妥当ではないと認められる。さらに、新株予約権付社債の発行については、発行時に資金調達ができるものの、新株予約権の行使がなされない場合には社債を償還する必要があるため財務基盤強化を図る観点から妥当ではないと認められ、また、新株予約権付社債のうちいわゆるMSCBの発行については、今後の当社の株価変動によって潜在株式数が変動し、生じる希薄化の規模が予想できないだけでなく、AIフュージョンキャピタルグループが取得する株式数も転換まで確定しないこととなるため、既存株主に対する影響や本取引の目的の観点から妥当ではないと認められる。

 さらに、普通社債の発行や金融機関からの借入れ等の負債性資金による調達については、金利コスト等の増大を招くこととなり、また、財務基盤強化を図る観点からも妥当ではないと認められる。

以上を踏まえれば、他の資金調達手段と比較しても、本第三者割当増資という調達手段には相当性が認められると思料する。

 

イ 発行条件について

 日本証券業協会「第三者割当増資の取扱いに関する指針」では、「払込金額は、株式の発行に係る取締役会決議の直前日の価額(直前日における売買がない場合は、当該直前日からさかのぼった直近日の価額)に0.9を乗じた額以上の価額であること。」と規定されている。この点、本第三者割当増資発行価額(420円)は、本第三者割当増資に係る当社取締役会決議日(2024年11月14日)の直前取引日である2024年11月13日の東京証券取引所における当社株式の終値を上回る金額であるため、同指針に従った払込金額であると言える。したがって、本第三者割当増資の発行条件は有利発行には該当しないものと思料し、本第三者割当増資の払込金額には相当性が認められるといえる。

 

ウ 割当予定先について

 当社は、当社株式の上場を維持することによって当社の経営の自主性や独自の企業文化を維持しつつも、AIフュージョンキャピタルグループが本取引の実施を通じて、当社を連結子会社化し、AIフュージョンキャピタルグループと当社との間で安定的かつ強固な関係を構築し、(ⅰ)地方企業や地方自治体のDX推進、地方創生、(ⅱ) AIのプロダクトと研究開発リソースの共同利用、(ⅲ) スタートアップ・地方有望企業の支援、(ⅳ)M&Aによる事業の拡大といった施策を実施することで、両社グループのシナジーを実現させることが、当社の企業価値向上に資するとの判断に至ったことから、AIフュージョンキャピタルグループを割当先に選定したとのことである。

 当社はAIフュージョンキャピタルグループより、当社を事業の柱のひとつとして捉えているため中長期的に保有する方針である旨の意向を口頭及び書面にて当社の代表取締役社長が確認したとのことである。

また、当社は、AIフュージョンキャピタルグループの払込みに要する財産の存在について、AIフュージョンキャピタルグループから、AIフュージョンキャピタルグループの子会社であるFVCからの借入れにより充当する旨を確認しているとのことである。当社は、AIフュージョンキャピタルグループより、AIフュージョンキャピタルグループがFVCより、貸付金の限度額を40億円とする限度付金銭消費貸借契約を入手し、その貸付期間、貸付形態、返済方法、貸付実行条件等を検討し、当該融資が2024年11月14日までに実行が可能であり、AIフュージョンキャピタルグループ及びFVCの間において当該融資を実行するために支障となる重要な条件等がないことを確認しているとのことである。当該限度付金銭消費貸借契約は、AIフュージョンキャピタルグループが単独株式移転の方法により、2024年10月1日付けでFVCの完全親会社として設立され、本第三者割当増資の払い込み及び本公開買付けに必要な金額を保有していないことから、本第三者割当増資に係る払込金額及び本公開買付けに要する資金を含むAIフュージョンキャピタルグループにおける資金需要に応じるために締結されたものであり、限度額の範囲において、AIフュージョンキャピタルグループはFVCから都度借入れを行う予定である旨確認しているとのことである。そして、FVCが近畿財務局長に提出している「2024 年3月期の有価証券報告書(2024年6月21日提出)」に記載されている連結財務諸表により、AIフュージョンキャピタルグループが本第三者割当増資の払込みに要する十分な現預金その他の流動資産(現金及び預金:3,758百万円、流動資産合計:3,942百万円)を保有していることを確認しており、その後かかる財務内容が大きく悪化したことを懸念させる事情も認められず、本第三者割当増資に係る払込みの確実性に問題はないものと判断しているとのことであり、当該判断に不合理な点は見当たらない。

 加えて、AIフュージョンキャピタルグループは、東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、会社の履歴、役員、主要株主等についてAIフュージョンキャピタルグループの有価証券届出書等において公表しているとのことである。また、AIフュージョンキャピタルグループが東京証券取引所に提出した2024年10月1日付「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」のうち「Ⅳ内部統制システム等に関する事項」の「2.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況」において、反社会的勢力との関係を全て遮断することを基本方針とし、これを実現するために、社内において統括部署を設置し、研修や会議の実施、情報収集、弁護士や警察等の外部の専門機関との連携を整備している等の表明をしており、AIフュージョンキャピタルグループ及びその役員は反社会的勢力とは関係がないものと判断しているとのことである。さらに、当社は、本日付でAIフュージョンキャピタルグループとの間で締結する資本業務提携契約において、割当予定先であるAIフュージョンキャピタルグループから、反社会的勢力ではなく、又は反社会的勢力と何らかの関係を有していない旨の表明及び保証を受けているのとのことであり、当該判断に不合理な点は見当たらない。

 以上より、AIフュージョンキャピタルグループを本第三者割当増資の割当予定先として選定することには相当性が認められる。

 

エ 増資金額の相当性について

 当社は、①運転資金の確保、②戦略的M&A等の投資資金の確保のため、648,918千円の資金調達が必要であるところ、本第三者割当増資による発行諸費用を除いた調達金額は、当該金額と同額である。そうすると、本第三者割当増資による調達金額は、必要性に応じた出資とみることができ、徒らに既存株主の株式の希薄化を生じさせるものではないと思料される。

 

オ 既存株主への影響について

 当社の説明によると、本第三者割当増資によりAIフュージョンキャピタルグループに対して割り当てられる当社新株式の数は1,612,900株であり、同株式に係る議決権の数は合計16,129個であるため、本第三者割当増資前の当社の発行済株式総数6,959,800株(2024年9月30日現在の当社の発行済株式総数(8,572,700株)から、2024年11月14日に提出した「2024年12月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2024年9月30日現在の当社が所有する自己株式数(1,612,900株)を控除した株式数)に対する比率は23.17%、2024年6月30日の当社の議決権総数69,566個に対する比率は23.19%となり、当社株式に一定程度の希薄化が生じ、株価下落のリスクが生じ得る。

 しかしながら、かかる希薄化は、AIフュージョンキャピタルグループが当社の連結子会社化に必要な当社株式の取得の一部を本公開買付けによって行うことにより、当社による本資金使途のための資金調達に必要な限度に留められており、AIフュージョンキャピタルグループが当社の連結子会社化に必要な当社株式の取得の全部を第三者割当増資で行う場合に比して、生じ得る希薄化及び株価下落のリスクの程度は小さい。また、当社が資金調達をすることにより、本第三者割当増資により当社が認識している当社の成長の為に必要となる新規事業に遂行及び経営課題の解決に資するとともに、本公開買付け及び本第三者割当増資を通じてAIフュージョンキャピタルグループの連結子会社となることによって、中長期的には、上記の希薄化を上回る当社の企業価値及び株主価値の向上につながるものと考えられるため、当社の企業価値及び株主価値の向上に資することとなる。そのため、本第三者割当増資により生じ得る希薄化及び株価下落のリスクを考慮しても、当社株主は、当社の企業価値及び株主価値の向上により、それを上回るシナジーを享受できると考えられる。

 以上より、本第三者割当増資に係る株式の発行数量及び希薄化の規模は合理的であると思料する。

 

 以上より、本第三者割当増資には相当性が認められる。

4【大規模な第三者割当に関する事項】

 本第三者割当増資は、①希薄化率が25%未満であること、②支配株主の異動を伴うものではないことから、大規模な第三者割当に該当いたしません。

 

5【第三者割当後の大株主の状況】

氏名又は名称

住所

所有株式数

(株)

総議決権数に対する所有議決権数の割合

割当後の所有株式数

(株)

割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合

AIフュージョンキャピタルグループ株式会社

東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート

0

0%

1,612,900

18.81%

森 雅弘

東京都港区

1,538,300

22.10%

1,538,300

17.94%

永田 豊志

東京都新宿区

1,190,200

17.10%

1,190,200

13.88%

株式会社SBI証券

東京都港区六本木1丁目6-1

130,374

1.87%

130,374

1.52%

倉員 伸夫

東京都杉並区

120,000

1.72%

120,000

1.40%

鈴木 智博

石川県金沢市

102,000

1.47%

102,000

1.19%

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区赤坂1丁目8-1

99,900

1.44%

99,900

1.17%

東京短資株式会社

東京都中央区日本橋室町4丁目4-10

92,000

1.32%

92,000

1.07%

楽天証券株式会社

東京都港区南青山2丁目6-21

63,000

0.91%

63,000

0.73%

日本証券金融株式会社

東京都中央区日本橋茅場町1丁目2-10

61,900

0.89%

61,900

0.72%

3,397,674

48.82%

5,010,574

58.45%

 注1.2024年6月30日現在の株主名簿を基準として記載しております。当社は、2024年6月30日現在、自己株式1,612,900株を保有しておりますが、上記大株主から除いております。

 注2.割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合は、割当後の所有株式数に係る議決権の数を2024年6月30日現在の総議決権数(69,566個)に本第三者割当増資により増加する議決権数(16,129個)を加えた数で除して算出した割合であります。

 注3.総議決権数に対する所有議決権数の割合及び割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合は、小数点以下第3位を切り捨てて算出しております。

 

6【大規模な第三者割当の必要性】

 該当事項はありません。

 

7【株式併合等の予定の有無及び内容】

 該当事項はありません。

 

8【その他参考になる事項】

 該当事項はありません。

 

第4【その他の記載事項】

 該当事項はありません。

 

第二部【公開買付け又は株式交付に関する情報】

 該当事項はありません。

 

第三部【追完情報】

1.事業等のリスクについて

 後記「第四部 組込情報」の有価証券報告書(第28期、提出日2024年3月25日)及び半期報告書(第29期中、提出日2024年8月14日)(以下「本有価証券報告書等」といいます。)に記載された「事業等のリスク」について、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年11月18日)までの間に生じた変更その他の事由はありません。

 また、当該有価証券報告書等には将来に関する事項が記載されておりますが、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年11月18日)現在においても変更の必要はないものと判断しております。

 

2.臨時報告書の提出について

 後記「第四部 組込情報」の有価証券報告書等の提出日(2024年3月25日)以降、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年11月18日)までの間において、次の臨時報告書を関東財務局に提出しております。

(2024年3月25日提出の臨時報告書)

1 提出理由

 2024年3月22日開催の当社第28回定時株主総会において、決議事項が決議されましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

 

2 報告内容

(1)当該株主総会が開催された年月日

2024年3月22日

 

(2)当該決議事項の内容

第1号議案 取締役6名選任の件

取締役として、平野井順一、永田豊志、中村浩一郎、矢部芳一、中原裕幸、佐藤香織の6名を選任するものであります。

 

第2号議案 監査役1名選任の件

監査役として、出口晃の1名を選任するものであります。

 

第3号議案 補欠監査役2名選任の件

法令で定めた監査役の員数を欠くこととなるときに備えて、あらかじめ補欠監査役として山口麻実子、服部裕美子の2名を選任するものであります。

 

(3)決議事項に対する賛成、反対及び棄権の意思の表示に係る議決権の数、当該決議事項が可決されるための要件並びに当該決議の結果

決議事項

賛成(個)

反対(個)

棄権(個)

無効(個)

可決要件

決議の結果及び賛成割合(%)

第1号議案

 

 

 

 

 

 

平野井 順一

39,367

1,848

1

 

可決 95.516

永田 豊志

38,165

3,050

1

 

可決 92.599

中村 浩一郎

40,488

727

1

(注)

可決 98.236

矢部 芳一

39,368

1,847

1

 

可決 95.518

中原 裕幸

40,555

660

1

 

可決 98.398

佐藤 香織

40,512

703

1

 

可決 98.294

第2号議案

 

 

 

 

(注)

 

出口 晃

40,839

376

1

可決 99.087

第3号議案

 

 

 

 

 

 

山口 麻実子

40,794

421

1

(注)

可決 98.978

服部 裕美子

40,595

620

1

 

可決 98.495

 (注) 議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主の出席及び出席した当該株主の議決権の過半数の賛成による。

 

(4)議決権の数に株主総会に出席した株主の議決権の数の一部を加算しなかった理由

 本株主総会前日までの事前行使分及び当日出席の一部の株主から各議案の賛否に関して確認できた議決権の集計により各決議事項が可決されるための要件を満たし、会社法に則って決議が成立したため、本株主総会当日出席の株主のうち、賛成、反対及び棄権の確認ができていない一部の議決権の数は加算しておりません。

 

(2024年11月18日提出の臨時報告書)

1 提出理由

 当社及び当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象が発生したため、金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号及び第19号の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

 

2 報告内容

(1)当該事象の発生年月日

2024年11月14日

 

(2)当該事象の内容

① ソフトウェアの減損処理(個別決算)

 当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき将来の回収可能性を検討した結果、DXクラウド事業に係る固定資産(ソフトウェア)の減損損失として、302百万円を特別損失に計上することといたしました。

 

② のれんの減損処理(個別決算)

 当社が2022年7月に事業譲受した「AI・高性能チャットボット スグレス」事業について、事業環境の変化を背景として将来の回収可能性を検討した結果、同事業に係るのれんを減損損失として167百万円を特別損失に計上することといたしました。

 

(3)当該事象の連結損益及び個別損益に与える影響額

 当該事象の発生により、2024年12月期の連結決算及び個別決算において、469百万円を特別損失として計上いたします。

 

第四部【組込情報】

 次に掲げる書類の写しを組み込んでおります。

有価証券報告書

事業年度

(第28期)

自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

2024年3月25日

関東財務局長に提出

有価証券報告書の訂正報告書

事業年度

(第28期)

自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

2024年3月29日

関東財務局長に提出

半期報告書

事業年度

(第29期中)

自 2024年1月1日

至 2024年6月30日

2024年8月14日

関東財務局長に提出

 なお、上記書類は、金融商品取引法第27条の30の2に規定する開示用電子情報処理組織(EDINET)を使用して提出したデータを開示用電子情報処理組織による手続の特例等に関する留意事項について(電子開示手続等ガイドライン)A4-1に基づき本有価証券届出書の添付書類としております

 

第五部【提出会社の保証会社等の情報】

 該当事項はありません。

 

第六部【特別情報】

 該当事項はありません。