1 【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   東京海上ホールディングス株式会社

所在地  東京都千代田区大手町二丁目6番4号

 

2 【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

普通株式

 

3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1) 本公開買付けに関する意見の内容

当社は、2024年11月19日開催の取締役会において、下記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに関し、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。

なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認」に記載の方法により決議されております。

 

(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

① 本公開買付けの概要

当社は、公開買付者より、本公開買付けの概要につき、以下の説明を受けております。

公開買付者は、2024年11月19日開催の取締役会において、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は当社株式を所有していないとのことですが、公開買付者の完全子会社である東京海上日動火災保険株式会社(以下「東京海上日動火災保険」といいます。)は、45,245株(所有割合(注1):0.30%)の当社株式(以下「東京海上日動火災保険所有株式」といいます。)を所有しているとのことです。

 

 

公開買付者は、本公開買付けにおいて9,988,600株(所有割合:66.18%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(9,988,600株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(9,988,600株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(9,988,600株)については、本基準株式数(以下に定義します。)(15,092,921株)に係る議決権の数である150,929個に3分の2を乗じた数(100,620個、小数点以下を切り上げ)から、東京海上日動火災保険所有株式数(45,245株)に係る議決権数(452個)(注2)並びに当社が2023年8月10日に公表した「譲渡制限付株式報酬としての新株式の払込完了に関するお知らせ」に記載された譲渡制限付株式数(13,473株)、当社が2024年8月16日に公表した「執行役に対する譲渡制限付株式報酬としての新株式の払込完了に関するお知らせ」に記載された譲渡制限付株式数(11,570株)及び10月25日付け譲渡制限付株式数(以下に定義します。)(3,177株)を合計した株式数(28,220株)(総称して、以下「本譲渡制限付株式」といいます。)に係る議決権数(282個)を控除した(注3)議決権数(99,886個)に、当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(9,988,600株)としているとのことです。これは、公開買付者が、本取引において、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者及び東京海上日動火災保険が当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したとのことです。

 

(注1) 「所有割合」とは、当社が2024年11月13日に公表した「2025年6月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(以下「当社第1四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の発行済株式総数(15,091,195株)から、当社第1四半期決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(1,451株)を控除した株式数(15,089,744株)に、2024年9月30日現在の発行済株式総数(15,091,195株)には加算されていない当社が2024年10月25日に公表した「取締役に対する譲渡制限付株式報酬としての新株式の払込完了に関するお知らせ」に記載の新たに発行された株式数(3,177株)(以下「10月25日付け譲渡制限付株式数」といいます。)を加算した株式数(15,092,921株)(以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じとします。)をいいます。

(注2) 東京海上日動火災保険は、公開買付者の完全子会社であるところ、東京海上日動火災保険所有株式について、本公開買付けへの応募は行わない予定であり、本公開買付けが成立した場合には、本スクイーズアウト手続(以下に定義します。以下同じです。)を通じ又は公開買付期間経過後に配当財産として公開買付者に交付することにより、東京海上日動火災保険所有株式(本スクイーズアウト手続において株式併合が行われる場合には当該株式に相当する端数)を公開買付者に帰属させることを検討しておりますが、いずれにせよ本スクイーズアウト手続に賛同見込みとのことですので、買付予定数の下限を考慮するにあたって、東京海上日動火災保険所有株式に係る議決権の数を控除しているとのことです。

(注3) 本譲渡制限付株式に関しては、2024年11月19日開催の当社取締役会において、上場廃止を前提とした本公開買付けに賛同する意見を表明することを決議しており、当該決議に際しては、取締役全員が賛成の議決権を行使していること、また、取締役を兼務しない執行役の全員からも本取引について賛同する旨の意向を受けていることから、当社の取締役及び執行役は、本公開買付けが成立した場合には本スクイーズアウト手続に賛同する見込みであると考えられますので、買付予定数の下限を考慮するにあたって、これらの本譲渡制限付株式に係る議決権の数を控除しているとのことです。

 

なお、上記のとおり、本書提出日現在、公開買付者は、東京海上日動火災保険所有株式(45,245株)の全てについて、本公開買付けに応募させないことを予定しているとのことです。当該株式については、公開買付期間経過後に配当財産として交付を受けることにより、譲渡代金を支払うことなく取得することを含め、当社を公開買付者の完全子会社とするための対応を取る予定とのことですが、具体的な対応は公開買付期間経過後に決定する予定とのことです。

 

 

また、公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、本譲渡制限付株式を含み、当社が所有する自己株式及び東京海上日動火災保険所有株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。

公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、自己資本・手元現金を本公開買付けに係る決済に要する資金として想定しており、新たな資金調達は想定していないとのことです。

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

公開買付者は、2001年9月、東京海上火災保険株式会社及び日動火災海上保険株式会社が、株式移転により完全親会社を設立することに関して共同株式移転契約を締結し、2002年4月、東京海上ホールディングス株式会社として設立され、また、東京証券取引所及び大阪証券取引所各市場第一部に上場したとのことです(2013年7月に大阪証券取引所市場第一部は、東京証券取引所市場第一部に統合されました。)。2022年4月の東京証券取引所における市場区分の見直しにより、本書提出日現在において公開買付者は東京証券取引所プライム市場に上場しているとのことです。

公開買付者のグループは、2024年3月31日現在、公開買付者並びに子会社268社及び関連会社23社(以下、公開買付者並びにその子会社及び関連会社を総称して「公開買付者グループ」といいます。)で構成されており、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業、及び金融・その他事業を営んでいるとのことです。

公開買付者は、お客さまの信頼をあらゆる活動の原点におき、企業価値を永続的に高めていくことを経営理念としており、創業時から「お客さまや社会の“いざ”をお守りすること」をパーパスとし、事業活動を通じて時代と共に変化する様々な社会課題の解決に貢献することで、持続的に成長してきたとのことです。公開買付者は、事業環境が加速度的に変化していくことが想定されるなかでもパーパスを果たし続けるため、「2035年にめざす姿」として「お客さまや社会の課題及びリスクに対して“イノベーティブなソリューションを届け続けるパートナー”」を掲げているとのことです。

この実現に向け、公開買付者は2024~2026年度を対象とした中期経営計画である「東京海上グループ中期経営計画 2026 ~次の一歩の力になる。~」において、グローバルなリスク分散及びグループ一体経営をグループの基本戦略として引き続き推進しながら、グループの重点戦略として成長の3本柱(①価値提供領域の飛躍的な拡大、②ディストリビューションの多様化・複線化、③生産性の徹底的な向上)及び規律の2本柱(①内部統制/ガバナンスの強化・向上、②事業ポートフォリオ・資本管理の高度化)に取り組んでいるとのことです。

 

一方、当社は、戦前、朝鮮半島の電源開発に携わっていた朝鮮電業株式会社の役員・従業員が中心となって、1946年6月に東京都千代田区内幸町に創設した新興電業株式会社を起源としております。同社は、翌年10月に日本工営株式会社(以下「日本工営」といいます。)と改称し、以来、国内の荒廃した国土基盤や電力事業の復興に尽力しつつ、海外の戦時被災国の復興にも取り組んできました。同社は1963年4月に東京証券取引所市場第二部へ上場し、1978年9月に東京証券取引所市場第一部銘柄に指定されました。その後、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、同社株式の上場市場は、東京証券取引所市場第一部から東京証券取引所プライム市場へ移行いたしました。また同社は、中長期的な視点でグループの経営を深化させ、今後の成長を確かなものとするため、持株会社がグループ全体の戦略の策定とガバナンスを担当し、各事業会社は自律的かつ機動的に事業を推進する、純粋持株会社体制への移行が最適と判断し、2023年7月に同社の単独株式移転により当社を設立、テクニカル上場により東京証券取引所プライム市場に上場いたしました。

 

 

当社は、本書提出日現在において、当社を含む100社(当社、子会社89社、持分法適用関連会社8社及び持分法適用共同支配企業2社)からなる企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)で構成されています。当社は、持株会社としてグループ会社の経営管理及びそれに付帯又は関連する業務を行い、グループ会社はコンサルティング事業、都市空間事業、エネルギー事業を主な事業としております。各事業の概要は下記のとおりです。

1.コンサルティング事業

日本国内外における河川・水資源、上下水道、農業農村整備・開発、ダム・発電、交通・運輸(道路・鉄道・港湾・空港)、都市・地域開発、地質・防災・砂防、環境、情報システムなどに係わる調査、計画、評価、設計、工事監理、マネジメント等

2.都市空間事業

都市空間形成における事業組成、計画・設計、運営

3.エネルギー事業

電力機器、制御装置などの製造・販売並びに機電・通信施設などの計画・設計、工事、工事監理並びに分散型エネルギーリソースを活用したエネルギーマネジメント

 

当社グループは、「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。」という経営理念を大切にし、「世界をすみよくする」というミッション(私たちの使命)を実現するために、安全・安心な生活を支える社会資本づくりに関わるコンサルティング事業とエネルギー事業、豊かで快適な環境をつくる都市空間事業を通じて世界各地で国づくりに貢献しています。

 

当社は、創業から75周年を迎えた2021年6月に、「共創。限界なき未来に挑む」をコンセプトとする長期経営戦略「グローバル戦略 2030」を発表しました。2030年6月期の数値目標を売上収益2,500億円、営業利益250億円、営業利益率10%、ROE 15%と設定し、社内及び社外の多様なパートナーとの「共創」を通じ、知の探究と技術の革新・統合により新たな価値を提供し、人々が豊かさを実感できる社会の実現に貢献する企業グループを目指しています。長期経営戦略では「変革期」「展開期」「飛躍期」の3つのステップを定め、1stステップの「変革期」にあたる昨年度までの中期経営計画「Building Resilience 2024」(2021年7月~2024年6月)においては、長期経営戦略を実現するための基盤整備を図るべく「3つのドメインによる事業推進」「事業と地域のマトリクス経営体制の構築」「グループとしてのブランドとクオリティの確立」という3つの強靭化策を推進しました。

本年度からは2ndステップの「展開期」と位置づけ、中期経営計画「Building Growth 2027」(2024年7月~2027年6月)を推進しており、基本方針を「主力3事業の持続的成長と事業間の共創による事業領域の拡大」として、「成長に向けた改革」、「マトリクス経営の展開」、「人財・技術の進化」の3つの展開策に取り組んでいます。特に、今後の成長領域の1つとして長期経営戦略の策定当時から取り組んでいた「民間市場」への本格参入を中期経営計画におけるグループ経営方針の1つとして明示し、これまで当社グループが得意としてきた公共市場が堅調なこの時期にこそ、更なる成長が見込める民間市場へ本格的に参入する取り組みに着手しています。具体的には、当社グループの「知」を集積し、理想的な都市空間づくりにむけたビジョンや多くの都市が共通して抱える10項目の課題に対する解決の方向性を示したThe Good Cityコンセプトによる提案型営業の展開、新興国の財閥グループやインバウンド海外企業に対する営業活動の強化等が挙げられますが、この動きを本格化させるためには更なる検討・準備が必要であると認識しています。

 

 

当社グループを取り巻く経営環境は、ロシアによるウクライナ侵攻を契機とする世界的なエネルギー危機と食料危機、またインフレの進行や為替変動等、国際情勢における不確実性が高まっているものの、コンサルティング事業では、国内市場は引き続き国土強靭化に向けた公共事業予算が確保され、特に大規模災害対策や予防保全型インフラメンテナンス等の市場拡大と防衛関連インフラ事業の拡大が期待されます。また、海外市場は日本政府による「インフラシステム海外展開戦略2025」を軸にODA予算が強化され、紛争・被災地域における復興支援が必要となっています。都市空間事業では、国内及び欧米諸国において環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の3つの要素を考慮したESG投資を呼び込むサステナブルな都市構造の再構築のニーズが高まる一方、開発途上国においては交通関連施設や周辺基盤の整備を含む都市開発事業のニーズが旺盛です。エネルギー事業では、国内における老朽化した既設設備の更新需要は堅調と見込まれるほか、2050年カーボンニュートラル目標に向け、再生可能エネルギーへのシフトという世界的な潮流もあります。以上のことから、3rdステップ「飛躍期」となる次期中期経営計画(2027年7月~2030年6月)を経て長期経営戦略で描いた2030年までの市場環境は追い風と言えます。

2030年より先の未来を見通すと、我が国の少子高齢化が加速し、社会保障費の増加を背景とする公共事業予算の圧縮など財政再建に関する議論が本格化する可能性があります。こうした外部環境においても、強靭で持続可能な社会資本を国内外で整備していくことは、当社グループの社会的使命であると考えています。社会のニーズが大きく変わる中、民間企業と連携し、新たなソリューションを創出することで、既存の公共事業・公益事業、政府開発援助等に新たな価値を付加することが可能となります。社会に対して新たなサービス・価値を提供することで、世界トップクラスのコンサルティング&エンジニアリング企業となり、100年企業としての礎を築いていくことを目指します。

 

一方で、このような状況の下、公開買付者は、「災害レジリエンスの向上」、「気候変動対策の推進」、「健やかで心豊かな生活の支援」、という3つの社会課題を特に取り組む社会課題として選定し、これらの課題解決に向けて戦略を実行し、「社会的価値」と「経済的価値」を創出し、向上させることをめざしているとのことです。公開買付者は、その中期経営計画においても「価値提供領域の飛躍的な拡大」を重点戦略の一つとして掲げていますが、事故の未然防止や疾病の予兆検知といった保険事業の「事前」領域や、早期復旧、再発防止といった保険事業の「事後」領域における事業拡大を目指し、ソリューションの開発と実装の取り組みを推進しているとのことです。代表的な取り組みとして、防災・減災領域では、①東京海上ディーアール株式会社による自然災害リスク評価等のソリューション提供、②東京海上日動火災保険を発起人として、災害に負けない強靭な社会を目指し多種多様な業界から13法人(I-レジリエンス株式会社、株式会社AlgoNaut、株式会社ウェザーニューズ、応用地質株式会社、一般財団法人河川情報センター、セコム株式会社、東京海上ディーアール株式会社、日本工営、日本電信電話株式会社、株式会社パスコ、東日本旅客鉄道株式会社、ボストンコンサルティンググループ、三菱電機株式会社)が集結する防災コンソーシアム(CORE)の設立(注1)、③東京海上レジリエンス株式会社の設立(2023年11月)による民間企業向けの防災ソリューションの提供などが挙げられ、また、エネルギー・環境・モビリティ領域等では、①東京海上ディーアール株式会社による気候変動・水リスク評価、情報開示支援等、②東京海上スマートモビリティ株式会社の設立(2023年11月)による法人向けモビリティ・ソリューション(注2)の提供、③東京海上脱炭素事業設立準備株式会社の設立(2024年2月)による中小中堅企業向け脱炭素ソリューション提供などが挙げられ、ヘルスケア領域では、①東京海上ディーアール株式会社による健康経営支援コンサルティング等、②2023年4月、準備会社設立による「未病・予防」領域へフォーカスした事業の展開などが挙げられるとのことです。

(注1) 2021年11月24日に設立され、全体会や分科会を通じた研究成果や知見の社会への発信及びコンソーシアム内外の技術マッチング・連携支援等の活動を実施。詳細についてはCOREのホームページ(https://www.bosai-core.jp/)もご参照ください。

(注2) 移動・物流・交通の社会課題解決に向けた取り組みを展開しており、(i)IoTソリューションによるクルマの使い方の効率化やドライバーの働き方の最適化、(ⅱ)物流機能の共用化や企業間の垣根を超えた連携による業界単位での効率化、(ⅲ)データやアルゴリズムを活用した潜在的な無駄の削減や移動・物流の需給ギャップの解消等のソリューションを提供しております。

 

 

上記のように、公開買付者は、新たな領域における事業の展開に取り組んでおりますが、「災害レジリエンスの向上」、「気候変動対策の推進」に向けた更なる事業の拡大とお客さまへの価値創造をめざす上では、社会の強靭化に直結するような工学技術に基づいた計画・企画、評価、設計、調査、監理、維持管理、マネジメント、コンサルティング等などの経営資源(人財、実績、実務経験、ノウハウ、技術力、研究開発力など)が不可欠であるという認識に至ったとのことです。これらを保険と組み合わせることで、公開買付者は、災害リスクの評価・把握や温室効果ガスの排出量の可視化といった「現状把握」、都市計画・防災設計・ハード対策(物理的な自然災害対策)やエネルギー最適化といった「対策実行」、財物・工事・利益補償といった「経済的補償(保険金支払い)」、被災からの早期復旧再建・ビルドバックベター(注3)・再発防止や施設の運営維持管理といった「復旧・維持管理」という、社会の強靭化に関わる4つの各領域においてソリューションを一体的にお客さまへ提供することが可能になるとのことです。また、こうした認識のもと、公開買付者は、4つの領域における一気通貫のソリューション提供の実現に向けて、外部の企業との提携を模索・検討してきたとのことです。

(注3) 災害発生後の復旧・再建の段階において、次の災害発生に備えて、災害発生前よりも強靭な復興を目指す考え方を指します。

 

公開買付者及び当社は、2020年8月以降、防災・減災・モビリティ・スマートシティなどの分野での協業を進めてきており、前述の「防災コンソーシアム(CORE)」に当社グループは設立メンバーの1社としても参画しております。具体的な経緯としては、公開買付者及び当社は、2020年8月以降、防災・減災・モビリティ・スマートシティなどの領域の協議・意見交換を実施、2021年9月には公開買付者から当社へコンソーシアムへの加入を打診し、当社が応諾の上コンソーシアムに参画しました。2021年11月には「防災コンソーシアム(CORE)」を設立し、その後、2021年12月~2022年3月には分科会の内容を検討のうえ、2022年4月に分科会運営を開始しコンソーシアムの活動が開始されました。公開買付者は、2020年8月から2022年7月までの間、当社との協業や議論を通じて当社グループの強みとして、①技術力をもとに国・自治体向けに安定した事業基盤(日本における建設コンサルティング業界首位(業界各社の有価証券報告書等の公開された財務資料、SPEEDAやBloombergなどの情報データベース等を参照)であり、2010年3月期以降において連続増収)を有すること、②社会の強靭化の実現に直結するソリューションを既に実装し展開していること、③当社の「多様な技術の統合により、強靭な社会を実現する」という考えは公開買付者の目指すところにも合致すること等を確認・理解したとのことです。

 

 

公開買付者は、2022年8月、公開買付者及び当社との間でデュー・ディリジェンスの段階に入った場合に、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として起用するという想定のもと、長期的に公開買付者の企業価値向上に関する議論を継続してきた三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」といいます。)から適宜助言を受ける等しつつ、当社との防災・減災領域における協業や提携関係を進捗させるための進め方等の検討を開始したとのことです。その後、公開買付者は三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して、当社にも損害保険会社との協業や提携が当社の企業価値向上の観点よりメリットがあり、さらなる協業や提携について議論を進捗させることに関心があるかどうかを確認するよう依頼したとのことです。その背景として、公開買付者及び当社は前述のとおり、2020年8月から協業は行っていたものの、当社の経営に非常に近い立場で外部企業との協業や提携を担当する部門・部署への接触が必要であると考えたため、かつ公開買付者の名前を伏せた形で協業や提携への関心を当社から聴取するため、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して当社の初期的な関心を確認することを依頼したものとのことです。2022年10月、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は当社との面談を通じて当社に初期的な関心があることを確認し、当社との面談内容を公開買付者に対して共有したとのことです。2022年11月、公開買付者は当社との面談を通じ、潜在的な協業領域や提携関係に関する初期的な議論を開始し、2022年12月から2023年5月まで当社との間で協業や提携に関する協議を継続したとのことです。その後、公開買付者は、2023年6月に、公開買付者及び当社から独立したリーガル・アドバイザーである西村あさひ法律事務所(現「西村あさひ法律事務所・外国法共同事業」であり、以下「西村あさひ」といいます。)を選任し、西村あさひからも適宜助言を受ける等しつつ、協業の進め方についての初期的な検討を開始したとのことです。そして、公開買付者は、当社との協業や提携を深く推進するためには、当社の経営陣への事業に関わるインタビュー、デュー・ディリジェンスを通じた資料受領及び分析が不可欠であるという考えに至ったとのことです。加えて、公開買付者は、当社との間で当社の最適な資本構成等について意見交換を行い、双方の関係を強化させることも重要であると考え、公開買付者及び当社は、それまで推進してきた協業をより効率よく進めるためにも、単なる業務提携よりも強い関係を構築し、経営の効率化やシナジー発現に向けた取り組みを加速させることを目的として、資本の関係と併せた業務上の協業の検討を行うことに関する基本的な合意に達し、2023年8月29日に基本合意書を締結いたしました。なお、この時点では本取引及び本取引に関わる諸条件についての協議や交渉は行っていません。

公開買付者及び当社の間での基本合意書締結後、公開買付者は、2023年9月中旬に、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJモルガン・スタンレー証券を選任し、2023年9月から2023年11月まで、公開買付者は当社グループに対するデュー・ディリジェンスを実施したとのことです。その後、公開買付者は、2023年12月から2024年1月中旬までの間、三菱UFJモルガン・スタンレー証券及び西村あさひから、適宜助言を受ける等しつつ、公開買付者と当社との間で目指す事業、当社の最適な資本構成、シナジー効果及びメリットの創出に関する協議を重ねたとのことです。この時点まで、公開買付者と当社との間で、お互いの協業に関わるサービスやソリューションに関する議論を行いましたが、他方、公開買付者と当社の間では資本取引のためのストラクチャーや公開買付者が当社の株式をどの程度保有するか等の詳細は決まっておらず、本取引及び本取引に関わる諸条件についての協議・交渉は行っていないとのことです。

 

公開買付者及び当社は、2024年1月下旬から同年3月上旬にかけて、公開買付者が当社の株式をどの程度保有するか等につき協議を重ねましたが、2024年3月中旬には公開買付者はこれまでの分析や調査を通じて以下の認識に至り、公開買付者にとって当社は最もふさわしいパートナーであると考え、公開買付者は当社との間で本取引及び本取引に関わる諸条件についての協議を開始したとのことです。なお、本取引が当社の企業価値を毀損するようなディスシナジー及びデメリット(公開買付者は保険持株会社の認可を受けているところ、本取引成立後に公開買付者が保険持株会社であることで当社にとって何らかのディスシナジー及びデメリットが無いか)について検討しましたが、当社の企業価値を毀損する点は検出されず、公開買付者及び当社は友好的に協議を開始し現在に至っております。

 

 

まず、当社グループの事業は、コンサルティング事業(日本国内外における河川・水資源、上下水道、農業農村整備・開発、ダム・発電、交通・運輸(道路・鉄道・港湾・空港)、都市・地域開発、地質・防災・砂防、環境、情報システムなどに係わる調査、計画、評価、設計、工事監理、マネジメント等を展開)、都市空間事業(都市空間形成における事業組成、計画・設計、運営等を展開)、エネルギー事業(電力機器、制御装置などの製造・販売並びに機電・通信施設などの計画・設計、工事、工事監理並びに分散型エネルギーリソースを活用したエネルギーマネジメント等を展開)という3つの事業セグメントにより主に構成されていますが、公開買付者は、分析及び検討の結果、当社との間で本取引が実現すれば、当社グループの3つの事業セグメントとの間で幅広く事業を協働して展開することができ、前述した4つの各領域(現状把握、対策実行、経済的補償、復旧・維持管理)において保険と技術を組み合わせた一気通貫のソリューションを国内外のお客さまに幅広く提供し、社会の強靭化に向けて大いに推進力が高まるという認識に至ったとのことです。このことは、公開買付者の中期経営計画において掲げた「価値提供領域の飛躍的な拡大」や、「災害レジリエンスの向上」及び「気候変動対策の推進」を通じた「社会的価値」と「経済的価値」の創出が可能になることにも繋がるとのことです。

 

第2に、当社の上場を維持する形で資本提携を実施した場合、当社は公開買付者以外の株主の利益保護のためにも、公開買付者から一定程度独立した運営を行わざるを得ず、情報管理の観点から公開買付者と当社との間の相互共有が可能な情報が限定されてしまう事態が想定される等、相互の経営資源・ノウハウの共有や迅速な意思決定に一定の制約が生じうることが懸念されたとのことです。

 

第3に、公開買付者及び当社は、以下のシナジー効果及びメリットを創出できるという認識に至ったとのことです。

(ⅰ)公開買付者グループの顧客基盤・チャネルネットワークの活用

公開買付者グループは、国内外で有する顧客基盤及びネットワークを通じて、お客さまのニーズに合致する保険商品やサービスの提供が可能な体制を整えているとのことです。公開買付者グループが有する保険事業の顧客接点を通じて、当社グループが有するサービスやソリューションを国内外のお客さまへ展開することが可能になり、当社がグループ経営方針の1つとして掲げている「民間市場への本格参入」も加速できると考えているとのことです。

(ⅱ)公開買付者グループの資本政策や財務基盤の活用

公開買付者グループは、内部成長やポートフォリオの見直し、政策株式の売却加速を通じて創出した資本・資金を基に、事業投資や株主還元を行い、ROE向上を図るという「規律ある資本政策」を実行しているとのことです。こうした公開買付者グループの資本政策や財務基盤を活用し、当社の事業領域についてもリスクを適切にコントロールしながら適切な資本・資金配分を行うことで、当社の持続的成長や事業領域の拡大を行うことが可能になると考えているとのことです。

(ⅲ)公開買付者グループの人財の活用

人財の面では、公開買付者グループには国内外で4万人以上の従業員が在籍し、保険事業に係る営業、損害サービス、保険数理、商品開発、保険事務等に加えて、資産運用、リスク管理、経営企画、法務・コンプライアンス、広報・IR、経理・財務、ITといった事業の運営に必要な様々なスキルや専門性を有しているため、当社グループにおける必要性に応じた人的な支援を行うことが可能になると考えているとのことです。

 

 

2024年5月から2024年7月には、公開買付者は、本取引を前提とした当社グループに対する追加的なデュー・ディリジェンスを実施し、また、2024年9月から2024年10月まで、当社グループの財務及び税務に関する追加の確認の実施や、当社グループの経営陣との間で当社グループの経営及び事業の詳細を理解するための面談を実施し、公開買付者と当社との間での事業シナジーの創出に向けた具体的な施策の議論及び検討を進めてきたとのことです。その分析及び検討の結果を踏まえ、公開買付者は本取引を実施すべきとの考えに至り、2024年10月16日付の公開買付者の取締役会報告を経て、同日付で当社に対して当社を完全子会社化することを前提に、本公開買付けを実施した場合における当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)や買付予定数等の諸条件についての記載を含む法的拘束力を有しない書面を提出し、当社株式1株当たり4,700円(以下「初回提案価格」といいます。)を公開買付価格とする本取引の提案をしたとのことです。なお、初回提案価格は2024年10月16日の前営業日である2024年10月15日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値(4,260円)並びに直近1ヶ月(2024年9月17日から2024年10月15日)、直近3ヶ月(2024年7月16日から2024年10月15日)及び直近6ヶ月(2024年4月16日から2024年10月15日)までの終値の単純平均値(4,254円、3,993円、4,145円)(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じとします。)に対していずれもプレミアム(10.33%、10.48%、17.71%及び13.39%)(小数点以下第三位を四捨五入。以下プレミアムの計算において同じとします。)が付与されていたとのことです。これに対し、2024年10月17日、当社から、大和証券(以下に定義します。以下同じです。)及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、当社が設置した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)の意見等も聴取の上、当社において検討した結果として、本公開買付価格の増額を要請されたことから、公開買付者は2024年10月22日、本公開買付価格等の諸条件についての記載を含む法的拘束力を有しない書面を提出し、当社株式1株当たり5,250円(以下「第二回提案価格」といいます。)を公開買付価格とする本取引の提案をしたとのことです。なお、第二回提案価格は2024年10月22日の前営業日である2024年10月21日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値(4,335円)並びに直近1ヶ月(2024年9月24日から2024年10月21日)、直近3ヶ月(2024年7月22日から2024年10月21日)及び直近6ヶ月(2024年4月22日から2024年10月21日)までの終値の単純平均値(4,301円、4,005円、4,143円)に対していずれもプレミアム(21.11%、22.06%、31.09%及び26.72%)が付与されていたとのことです。これに対し、2024年10月23日、当社から、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、本特別委員会の意見等も聴取の上、当社において検討した結果として、本公開買付価格の増額を要請されたことから、公開買付者は2024年10月28日、本公開買付価格等の諸条件についての記載を含む法的拘束力を有しない書面を提出し、当社株式1株当たり5,400円(以下「第三回提案価格」といいます。)を公開買付価格とする本取引の提案をしたとのことです。なお、第三回提案価格は2024年10月28日の前営業日である2024年10月25日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値(4,240円)並びに直近1ヶ月(2024年9月26日から2024年10月25日)、直近3ヶ月(2024年7月26日から2024年10月25日)及び直近6ヶ月(2024年4月26日から2024年10月25日)までの終値の単純平均値(4,307円、4,022円、4,138円)に対していずれもプレミアム(27.36%、25.38%、34.26%及び30.50%)が付与されていたとのことです。これに対し、2024年10月28日、当社から、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、第三回提案価格は当社の少数株主の利益に十分に配慮したものではなく、本公開買付けの成立も望めない水準であると考えられるという本特別委員会の意見等も聴取の上、当社において検討した結果として、本公開買付価格の増額を要請されたことから、公開買付者は2024年11月4日、本公開買付価格等の諸条件についての記載を含む法的拘束力を有しない書面を提出し、当社株式1株当たり5,700円(以下「第四回提案価格」といいます。)を公開買付価格とする本取引の提案をしたとのことです。なお、第四回提案価格は2024年11月4日の前営業日である2024年11月1日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値(4,245円)並びに直近1ヶ月(2024年10月2日から2024年11月1日)、直近3ヶ月(2024年8月2日から2024年11月1日)及び直近6ヶ月(2024年5月2日から2024年11月1日)までの終値の単純平均値(4,313円、4,053円、4,136円)に対していずれもプレミアム(34.28%、32.16%、40.64%及び37.81%)が付与されていたとのことです。これに対し、2024年11月5日、当社から、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、本特別委員会の意見等も聴取の上、当社において検討した結果として、第四回提案価格は技術人材の価値及び当社の不動産の含み益等を加味した純資産水準、公開買付者及び当社のシナジー並びに他の非公開化案件のプレミアム水準の近時の動向等を勘案すると、第四回提案価格は当社の少数株主の利益に十分に配慮したものではなく、本公開買付けの成立も望めない水準であると考えられる旨の回答とともに本公開買付価格の増額を要請されたことから、公開買付者は2024年11月10日、本公開買付価格等の諸条件についての記載を含む法的拘束力を有しない書面を提出し、当社株式1株当たり6,200円(以下「第五回提案価格」といいます。)を公開買付価格とする本取引の提案をしたとのことです。第五回提案価格は、2024年11月10日の前営業日である2024年11月8日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値(4,280円)並びに直近1ヶ月(2024年10月9日から2024年11月8日)、直近3ヶ月(2024年8月9日から2024年11月8日)及び直近6ヶ月(2024年5月9日から2024年11月8日)までの終値の単純平均値(4,305円、4,122円、4,130円)に対していずれもプレミアム(44.86%、44.02%、50.41%及び50.12%)が付与されていたとのことです。なお、第五回提案価格に基づく当社の株価純資産倍率(以下「PBR」といいます。)は1倍を超過する水準であることに加えて、プレミアム水準は公開買付者が認識する他の非公開化案件の近時の動向(注)と比較しても遜色の無い水準であり、公開買付者は当社の株主にとって魅力的な価格での株式売却機会であるとの認識のもと再提案を行ったとのことです。これに対し、2024年11月11日、当社から、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、本特別委員会の意見等も聴取の上、当社において検討した結果として、第五回提案価格は他の非公開化案件のプレミアム水準の近時の動向(公表前営業日株価に対するプレミアムの平均値約63%)や公開買付者及び当社のシナジーを勘案すると、第五回提案価格では本公開買付けへの賛同の意見を表明し応募を推奨することはできない旨の回答とともに本公開買付価格の増額を要請されたとのことです。公開買付者は2024年11月14日、本公開買付価格等の諸条件についての記載を含む法的拘束力を有する書面(ただし、2024年11月19日開催の公開買付者の取締役会での本公開買付けの開始に係る取締役会決議を停止条件として効力を有するもの)を提出し、当社株式1株当たり6,500円(以下「最終提案価格」といいます。)を公開買付価格とする最終提案を行ったとのことです。最終提案価格は、2024年11月14日の前営業日である2024年11月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値(4,170円)並びに直近1ヶ月(2024年10月15日から2024年11月13日)、直近3ヶ月(2024年8月14日から2024年11月13日)及び直近6ヶ月(2024年5月14日から2024年11月13日)までの終値の単純平均値(4,301円、4,147円、4,123円)に対していずれもプレミアム(55.88%、51.13%、56.74%及び57.65%)が付与されていたとのことです。これに対し、2024年11月15日、当社から、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、本特別委員会の意見等も聴取の上、2024年11月19日開催の当社の臨時取締役会において、本公開買付けに賛同意見を表明すること、及び、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議がなされることを条件として、最終提案を内諾する旨の回答を受領したとのことです。

これらの協議・交渉を経て、公開買付者は、2024年11月19日開催の取締役会において、本公開買付価格を6,500円として本公開買付けを実施することを決議したとのことです。

(注) 経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2024年8月31日までに公開買付けが公表され、成立した、日本国内における完全子会社化を目的とした非公開化案件のうち本件と類似する案件(第三者による非公開化を前提とした公開買付けの事例であり、かつ、特別関係者を含む公開買付者が公開買付け実施前に所有する対象会社の株式に係る議決権数が対象会社の総株主の議決権数の5%未満の案件)46件における、公表日前営業日の終値、並びに過去1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値それぞれに対するプレミアムの平均値は、順に50.89%、54.28%、56.23%、58.42%となっているとのことです。

 

 

③ 当社取締役会における意思決定に至る過程

上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、公開買付者より、2023年8月上旬に、公開買付け等を通じて当社を公開買付者の完全子会社とすることを含む施策について議論したい旨の口頭提案を受領いたしました。当該提案を受け、当社は、公開買付者との間での協議を開始することの検討や本取引の実施についてさらなる検討を深めるべく、2023年8月下旬に、公開買付者及び当社のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を、2023年9月下旬に、公開買付者及び当社のいずれからも独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、それぞれ選任いたしました。そして、当社は、本取引の公正性を担保するため、TMI総合法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。

その後、公開買付者は、2023年9月から11月まで、本公開買付けの実現可能性の精査を目的として当社に対するデュー・ディリジェンスを実施するとともに、並行して、当社の事業、財務及び将来計画に対する多面的かつ総合的な分析を基に、本公開買付けの意義・目的や、本公開買付けによって創出が見込まれるシナジー効果、本公開買付け後の経営体制・事業方針、業界の見通しについて協議を実施し、当社は、2024年3月に、本公開買付けを通じて当社を完全子会社化する旨の、本取引に係る提案を受領いたしました。これを受けて、当社は、2024年3月中旬に、公開買付者に対し、当社の企業価値の向上及び当社の株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討を進める旨の回答を行い、2024年4月上旬において、本公開買付けを含む本取引に係る当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、当社の諮問機関として本特別委員会を設置し、当社との間で本取引の目的や、本取引後の経営体制・方針、本取引における諸条件等について複数回に亘る協議・交渉を重ねてまいりました。なお、本特別委員会に係る独立性の確認状況及び本特別委員会を構成する委員の報酬体系は、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。

なお、本特別委員会は下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会に付与された権限に基づき、2024年5月、独自のリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を、2024年10月、独自のファイナンシャル・アドバイザーとして野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を選任いたしました。

また、本公開買付価格について、当社は、公開買付者から、2024年10月16日に、本公開買付価格を1株当たり4,700円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値4,260円に対して10.33%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,254円に対して10.48%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値3,993円に対して17.71%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,145円に対して13.39%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)とする提案を受領して以降、公開買付者との間で本格的な協議・検討を進めてまいりました。具体的には、上記のとおり公開買付者より2024年10月16日に本公開買付価格を4,700円としたい旨の提案を受領いたしました。これを受けて、10月17日、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、本特別委員会の意見等も聴取の上、当社において検討した結果として、公開買付者に対して、本公開買付価格の増額を要請いたしました。

かかる要請を受けて、2024年10月22日、当社は、公開買付者から、本公開買付価格を5,250円(同日の前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値4,335円に対して21.11%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,301円に対して22.06%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,005円に対して31.09%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,143円に対して26.72%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)とすることを含む第2回提案書を受領いたしました。これを受けて、10月23日、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、本特別委員会の意見等も聴取の上、当社において検討した結果として、公開買付者に対して、本公開買付価格の増額を再度要請いたしました。

 

これに対し、2024年10月28日、当社は、公開買付者から、本公開買付価格を5,400円(同日の前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値4,240円に対して27.36%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,307円に対して25.38%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,022円に対して34.26%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,138円に対して30.50%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)とすることを含む第3回提案書を受領いたしました。これを受けて、同日、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、本特別委員会の意見等も聴取の上、当社は、公開買付者に対して、第3回提案書における本公開買付価格(5,400円)は、当社の少数株主の利益に十分に配慮したものではなく、本公開買付けの成立も望めない水準であると考えられることから、本公開買付価格の増額を再度要請いたしました。

これに対し、2024年11月4日、当社は、公開買付者から、本公開買付価格を5,700円(同日の前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値4,245円に対して34.28%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,313円に対して32.16%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,053円に対して40.64%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,136円に対して37.81%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)とすることを含む第4回提案書を受領いたしました。これを受けて、11月5日、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、本特別委員会の意見等も聴取の上、当社は、公開買付者に対して、第4回提案書における本公開買付価格(5,700円)は、当社の少数株主の利益に十分に配慮したものではなく、本公開買付けの成立も望めない水準であり、本源的価値を十分に反映していないとして、本公開買付価格の増額を再度要請いたしました。

これに対し、2024年11月10日、当社は、公開買付者から、本公開買付価格を6,200円(同日の前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値4,280円に対して44.86%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,305円に対して44.02%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,122円に対して50.41%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,130円に対して50.12%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)とすることを含む第5回提案書を受領いたしました。これを受けて、11月11日、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、本特別委員会の意見等も聴取の上、当社は、公開買付者に対して、第5回提案書における本公開買付価格(6,200円)は、不動産の含み益も加味した本源的価値に近い水準となっているものの、公開買付者と取り組む新規事業等から得られるシナジーについての評価も加味した価格であるべきとの本特別委員会からの指摘を踏まえ、本公開買付価格の増額を要請いたしました。

これに対し、2024年11月14日、当社は、公開買付者から、本公開買付価格を6,500円(同日の前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値4,170円に対して55.88%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,301円に対して51.13%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,147円に対して56.74%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,123円に対して57.65%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)とすることを含む第6回提案書を受領いたしました。これを受けて、11月15日、大和証券及びTMI総合法律事務所の助言も参考に、本特別委員会の意見等も聴取の上、当社は、公開買付者に対して、第6回提案書における本公開買付価格(6,500円)は、少数株主の利益へ配慮したものとして、2024年11月19日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを承認する旨の決議がなされることを前提に、第6回提案書における提案を受諾し、合意に至りました。

 

以上の経緯のもと、当社取締役会は、大和証券より2024年11月18日付で取得した当社株式の株式価値に関する株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。)の内容及びTMI総合法律事務所から受けた法的助言、本特別委員会から2024年11月19日付で提出された答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を総合的に勘案しつつ、本取引について、当社の企業価値の向上、少数株主の皆様の利益保護を含む本取引に関する諸条件の妥当性の観点から、慎重に協議及び検討を行いました。

 

 

その結果、当社としても、以下に示すシナジーが想定されることから、本公開買付けの実施も含めた本取引が、当社の企業価値向上に資するものであるとの結論に至りました。

前述のとおり、当社グループ創業の精神は、経営理念「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。」として受け継がれ、時代とともに変化するグローバルな社会課題に対し、技術に代表される「知」の集積を軸に、ソリューションを提供し続けることで現在まで成長してまいりました。当社の社名Integrated Design & Engineeringにも表れているように、「コンサルティング」「都市空間」「エネルギー」の3つの領域に関わる技術に磨きをかけるとともに、これら技術の統合により、「世界をすみよくする」という使命(ミッション)を持ち続けています。

 

一方で公開買付者グループは、創業時から「お客さまや社会の“いざ”をお守りすること」をパーパスとし、事業活動を通じて時代とともに変化する様々な社会課題の解決に貢献することで、持続的に成長してきたとのことです。特に取り組む社会課題として「災害レジリエンスの向上」、「気候変動対策の推進」、「健やかで心豊かな生活の支援」という3つを選定し、保険事業の「事前」「事後」領域におけるソリューションの開発と実装を推進しているとのことです。

 

公開買付者及び当社はこれまでそれぞれの得意領域を活かして異なるアプローチで取り組んできましたが、目指しているものは同じであることが確認できました。公開買付者及び当社は共通するゴールの実現を目指して両社の得意領域を掛け合わせ、新たなサービス・価値を創造することで「世界をすみよくする」という当社グループの使命をより強力に推進することができると考えました。

 

前述のとおり、本取引が当社グループの経営理念やミッションに変更を加えるものではなく、むしろ経営理念やミッションの遂行を推し進める意義があるとの判断に至りましたが、具体的には以下の様なメリットを想定しています。

(1) 共創による新たなビジネスの創造

時代とともに変化するグローバルな社会課題の解決に貢献し続けるためには、多様な知見とアイデアを結集し、常に新たなチャレンジに取り組む必要があります。「技術」と「保険」を掛け合わせた新たなサービス・価値を創造することは当社グループの創業者である久保田豊が説いた「挑戦する気概」そのものであり、100年企業としての礎を築くための重要な契機になると認識しました。

(2) 民間市場への本格参入

当社グループは、公共事業・公益事業、政府開発援助を中心に「すみよい世界」をつくるために貢献してきましたが、民間部門での顧客接点の開拓は道半ばと言えます。当社グループが持つ「技術」と公開買付者グループが持つ「国内外における民間顧客とのネットワーク」という双方の強みを活かすことで、当社グループが取り組んできた民間市場への本格参入を加速化させ、当社グループ全体の成長を押し上げることが期待できると認識しました。

(3) 中・長期戦略に基づく各種施策を実行するための財務基盤と人財

当社グループの中・長期戦略に基づく各種施策を実行し、着実に事業を拡大していくためには、成長分野への継続的な投資と新たな事業の展開に必要な様々なスキルや専門性が不可欠です。公開買付者グループの財務基盤と4万人を超える企業グループを運営してきた厚みのある人財を活かすことで、スピーディーかつダイナミックな成長投資とグループ経営を実現できると認識しました。

 

 

また当社グループの事業セグメント別では、以下の様な共創シナジーを想定しています。

(1) コンサルティングセグメント

民間企業を中心とした国内外のお客さまに対して、保険と技術を組み合わせて「現状把握」「対策実行」「経済的補償」「復旧・維持管理」という4つの領域で一気通貫のソリューションの提供を行う「民間防災コンサルティング」分野で新しいビジネスを創造することは意義があると考えました。

同様のビジネスは、防災に限らず環境(気候変動・脱炭素)分野やモビリティ分野でも創造できるものと認識しました。

(2) 都市空間セグメント

The Good Cityコンセプトに代表される当社グループの「都市空間」分野に関する知見を活用して、国内外の自治体や民間保有地の(再)開発ニーズに応じて、災害強靭化・脱炭素の視点を取り入れた都市デザインなどの「事前」のソリューションを提供することや、罹災からの復旧段階において持続性の高い建築デザインなどの「事後」の提案が可能になると考えました。

(3) エネルギーセグメント

近年、災害が激甚化する要因の1つとして、温室効果ガスによる地球温暖化や、これに伴う気候変動が挙げられています。再生可能エネルギー等の利用を拡大し、気候変動対策を推進していくことは公開買付者グループが特に取り組む社会課題の1つとして明記されており、当社グループが目指している蓄電池を中心としたエネルギーマネジメント事業の主力事業化を実現するにあたり、公開買付者グループの民間企業とのネットワークや財務基盤を活用し、また保険との一体提供により加速・推進できると考えました。

 

なお、本取引が当社の企業価値を毀損するようなディスシナジー及びデメリット(公開買付者は保険持株会社の認可を受けているところ、当社も保険業界のグループ企業と判断され、当社グループの事業の特性が外部から捉えられにくくなることで当社にとって何らかのディスシナジー及びデメリットが無いか)について検討したものの、当社の企業価値を毀損する点は検出されず、公開買付者及び当社は友好的に協議を開始し現在に至っております。

 

また、本公開買付価格を含む取引条件については、以下(ⅰ)から(ⅳ)に記載の点から、本公開買付価格(6,500円)その他の取引条件は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保されたものであり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な売却機会を提供するものであると判断いたしました。

(ⅰ)当社において、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格を含む取引条件の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が十分に講じられており、少数株主の皆様の利益が確保されていると認められるとともに、当該措置のもと、公開買付者との間で真摯かつ継続的に協議・交渉を重ねたうえで合意された価格であること

(ⅱ)当社が、公開買付者及び当社から独立した本特別委員会から取得した本答申書において、「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む取引条件の妥当性が確保されていると判断されていること

(ⅲ)本公開買付価格が、下記「(3) 算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている大和証券から取得した当社株式価値算定書の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限値を上回るものであるとともに、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの中央値を上回る金額であること

 

(ⅳ)本公開買付価格(6,500円)は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2024年11月18日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値3,875円に対して67.74%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,246円に対して53.09%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,155円に対して56.44%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,110円に対して58.15%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっており、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2024年10月31日までに公開買付けが成立した、日本国内における完全子会社化を目的とした非公開化案件のうち本件と類似する案件(マネジメント・バイアウト(MBO)案件を除き、特別関係者を含む公開買付者が公開買付け実施前に所有する対象会社の株式に係る議決権数が対象会社の総株主の議決権数の20%未満の案件)46件におけるプレミアムの平均値(公表日の前営業日を基準日として、基準日に対して51.87%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して52.46%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して55.65%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して56.27%)と比較しても、相応なプレミアムが付された価格であると評価できること

 

以上より、当社は2024年11月19日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議いたしました。なお、上記取締役会における決議の方法は、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認」をご参照ください。

 

④ 本公開買付け後の経営方針

公開買付者は、本取引成立後における当社の経営方針として、現在の経営体制を原則維持することを予定しており、現経営陣に引き続き当社の運営に際して主導的な役割を果たしてほしいと考えているとのことです。公開買付者としての適切なガバナンスを目的として、公開買付者から当社に対して役員等を派遣することは想定しているとのことですが、詳細については、本取引成立後、公開買付者及び当社との間で協議して決定する予定とのことです。また、公開買付者は、当社グループの従業員が有する知見及び経験が当社の運営に際して重要と考えているため、当社グループの従業員については、原則として現在の雇用条件を維持することを予定しており、本取引成立後も当社グループの事業に引き続き携わってほしいと考えているとのことです。

当社グループの創業者である久保田豊の精神は、経営理念「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。」として受け継がれ、現在も従業員の胸に脈々と流れています。この経営理念の下、当社グループが長年にわたり手掛けてきた公共事業・公益事業、政府開発援助等を含む従来の事業構成を引き続き継続して頂きたいと考えているとのことです。公開買付者によれば、「防災コンソーシアム(CORE)」等での公開買付者とのこれまでの協業を通じて、当社グループの技術力と競争優位性を評価し、また当社グループの経営理念や「多様な技術の融合により、強靭な社会を実現する」という方向性に対して共感・理解を得ているとのことです。こうした理解を背景に、当社グループの自主独立性を最大限尊重しつつ、引き続き「世界をすみよくする」という当社グループのミッションをともに推進できるものと認識しております。

 

 

(3) 算定に関する事項

① 公開買付者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

公開買付者は、2023年9月中旬に、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して、当社の株式価値の算定、付随する財務分析及び本公開買付価格の妥当性に関する意見(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の表明を依頼したとのことです。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)、三菱UFJ信託銀行株式会社(以下「三菱UFJ信託銀行」といいます。)及び三菱UFJアセットマネジメント株式会社(以下「三菱UFJアセットマネジメント」といいます。)と同一の親会社をもつ会社であり、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行及び三菱UFJアセットマネジメントは、公開買付者の株主たる地位を、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行及び三菱UFJアセットマネジメントは、当社の株主たる地位を有しているほか、三菱UFJ銀行は、公開買付者及び当社に対して通常の銀行取引の一環として融資取引を行っており、三菱UFJモルガン・スタンレー証券によれば、法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)第70条の4の適用法令に従い、第三者算定機関である三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行及び三菱UFJアセットマネジメントの間並びにそれぞれの社内において、弊害防止措置として、公開買付者に関する情報について厳格に管理する情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ、実施していることから、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行及び三菱UFJアセットマネジメントの判断に影響を受けることなく第三者算定機関としての役務を提供しており、三菱UFJ銀行の株主及び貸付人並びに三菱UFJ信託銀行及び三菱UFJアセットマネジメントの株主の地位とは独立した立場で当社の株式価値の算定及びフェアネス・オピニオンの表明を行っているとのことです。公開買付者は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行及び三菱UFJアセットマネジメントの間並びにそれぞれの社内における情報管理において厳格な情報管理体制が構築されていること、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が過去の同種取引の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任したとのことです。なお、本取引に係る三菱UFJモルガン・スタンレー証券の報酬は、本公開買付けを含む本取引の公表及び本取引の完了を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、公開買付者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合にも公開買付者に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等を勘案すれば、かかる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるものではないと判断の上、上記の報酬体系により三菱UFJモルガン・スタンレー証券をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任したとのことです。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、市場株価分析、類似企業比較分析及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下「DCF分析」といいます。)の各手法を用いて当社の株式価値評価分析を行い、公開買付者は三菱UFJモルガン・スタンレー証券から2024年11月18日付で、株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)及び本フェアネス・オピニオンを取得したとのことです。

 

三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりとのことです。

 

市場株価分析:   3,875円から4,246円

類似企業比較分析: 3,190円から4,662円

DCF分析:    5,778円から7,199円

 

市場株価分析では、基準日を2024年11月18日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値(3,875円)、直近1ヶ月間(2024年10月21日から2024年11月18日まで)の終値の単純平均値(4,246円)、直近3ヶ月間(2024年8月19日から2024年11月18日まで)の終値の単純平均値(4,155円)及び直近6ヶ月間(2024年5月20日から2024年11月18日まで)の終値の単純平均値(4,110円)を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を3,875円から4,246円までと分析しているとのことです。

類似企業比較分析では、当社と比較的類似する事業を手掛ける上場企業の市場株価と収益等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を分析し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を3,190円から4,662円までと分析しているとのことです。

DCF分析では、当社が作成した当社の2025年6月期から2027年6月期までの事業計画、公開買付者が作成した当社の2025年6月期から2029年6月期までの事業計画、当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した公開買付者による2025年6月期第1四半期以降の当社の将来の収益予想や投資計画に関する財務予測に基づき、当社が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割引くことにより当社の株式価値を分析し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を5,778円から7,199円までと分析しているとのことです。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券がDCF分析に用いた財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないとのことです。また、本取引により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味していないとのことです。

公開買付者は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から取得した公開買付者株式価値算定書に記載の市場株価分析及び類似企業比較分析の算定結果の上限を上回っており、DCF分析による算定結果の範囲内であることに加え、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、本公開買付価格である1株当たり6,500円が、公開買付者にとって財務的見地より妥当であると判断した旨の本フェアネス・オピニオンを取得していること、当社グループに対して2023年9月から2023年11月まで、及び2024年5月から2024年7月まで実施したデュー・ディリジェンス及び、2024年9月から2024年10月まで、当社グループの財務及び税務に関する追加の確認の結果、当社の企業価値に特段の重大な影響を及ぼす事項が発見されなかったこと、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の市場株価の動向、及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、かつ、当社との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2024年11月19日開催の取締役会において本公開買付価格を1株当たり6,500円とすることを決定したとのことです。

なお、本フェアネス・オピニオンは、当社から提出された事業計画その他財務情報の分析及び検討を経て、三菱UFJモルガン・スタンレー証券により実施された当社株式の価値算定結果の検討に加え、本公開買付けを公表するに至る経緯・背景に係る公開買付者との質疑応答、並びに三菱UFJモルガン・スタンレー証券内部の手続に従い、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の投資銀行本部その他のプロフェッショナルにより構成されるコミッティーによる承認を経て発行されているとのことです。

また、本公開買付価格である6,500円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年11月18日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値3,875円に対して67.74%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,246円に対して53.09%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値4,155円に対して56.44%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値4,110円に対して58.15%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。

また、本公開買付価格である6,500円は、本書提出日の前営業日である2024年11月19日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値3,980円に対して63.32%のプレミアムを加えた価格となります。

 

 

② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年11月18日付で、大和証券より当社株式価値算定書を取得いたしました。

なお、大和証券は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係る大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。

また、当社は、下記「(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の①乃至⑦に記載の公正性担保措置が講じられており、本公開買付けに係る公正性が十分に担保されていると判断したことから、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

(ⅱ)当社株式に係る算定の概要

大和証券は、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社の市場株価の動向を勘案した市場株価法及び当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法の各手法を用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、2024年11月18日付で大和証券より当社株式価値算定書を取得しました。

上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価法  :3,875円から4,246円

DCF法   :4,876円から7,762円

 

市場株価法では、2024年11月18日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日の終値3,875円、直近1ヶ月間の終値単純平均株価4,246円、直近3ヶ月間の終値単純平均株価4,155円及び直近6ヶ月間の終値単純平均株価4,110円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を3,875円から4,246円と算定しております。

DCF法では、当社が作成した事業計画を基に、2025年6月期から2027年6月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年6月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり価値の範囲を4,876円から7,762円までと算定しております。

大和証券がDCF法による算定に用いた事業計画には、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、海外エネルギー事業の成長により、2027年6月期の営業利益は13,821百万円から18,145百万円へと増加し、前期比で約31%の大幅な増益を見込んでおります。さらに、2026年6月期及び2027年6月期における出資金及びM&Aの金額の増減により、同期間においてそれぞれ、1,596百万円から▲7,106百万円、▲7,106百万円から▲350百万円へとフリー・キャッシュ・フローの大幅な減少及び増加を見込んでおります。

また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、上記算定には加味しておりません。

 

 

(4) 上場廃止となる見込み及びその事由

当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。

また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しないときでも、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続が実行された場合には、東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。当社株式の上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。

 

 

(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、本譲渡制限付株式を含み、当社が所有する自己株式及び東京海上日動火災保険所有株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、当社株式の全て(ただし、本譲渡制限付株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。なお、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、東京海上日動火災保険所有株式の対応方針次第では、東京海上日動火災保険所有株式を含む可能性がございます。)を取得することを目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

 

① 株式売渡請求

本公開買付けの成立により、公開買付者及び東京海上日動火災保険が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(ただし、公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し株式売渡請求の承認を求める予定とのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。この場合、公開買付者は、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。なお、当社の取締役会は、公開買付者より株式売渡請求がなされた場合には、かかる株式売渡請求を承認する予定です。

株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった売渡株主の皆様(ただし、公開買付者及び当社を除きます。)は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

 

② 株式併合

本公開買付けの成立後、公開買付者及び東京海上日動火災保険が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「株式併合」といいます。)及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。また、本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2025年3月頃を予定しているとのことです。

本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。

株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。

上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

 

上記の株式売渡請求及び株式併合の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。ただし、公開買付者によれば、その場合でも本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。

以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と当社との間で協議の上、決定次第、当社から速やかに公表する予定です。

なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

 

(6) 買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

本書提出日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当いたしません。もっとも、本公開買付けは当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的の一環として実施されること等を考慮し、公開買付者及び当社は、本公開買付価格の公正性を担保しつつ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性及び透明性を担保するため、以下の措置を講じております。

また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

公開買付者は、2023年9月中旬に、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して、当社の株式価値の算定、付随する財務分析及び本フェアネス・オピニオンの表明を依頼したとのことです。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、本取引に係る三菱UFJモルガン・スタンレー証券の報酬は、本公開買付けを含む本取引の公表及び本取引の完了を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、公開買付者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合にも公開買付者に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等を勘案すれば、かかる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるものではないと判断の上、上記の報酬体系により三菱UFJモルガン・スタンレー証券をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任したとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券における弊害防止措置の詳細並びに公開買付者が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から取得した公開買付者株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンの概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 公開買付者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。

 

 

② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯

当社は、2024年4月3日付の取締役会決議に基づき、当社取締役会において本公開買付けを含む本取引の是非を審議及び決議するに先立って、本公開買付けを含む本取引における当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、公開買付者からの独立性に問題がないことを確認した委員(当社の独立社外取締役である市川秀氏、日下一正氏、小泉淑子氏、及び、石田洋子氏の合計4名)によって構成される本特別委員会を設置いたしました。また、本特別委員会は、互選により、本特別委員会の委員長として、市川秀氏を選定しております。なお、本特別委員会の各委員の報酬は、答申内容にかかわらず支給される固定金額としており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社企業価値の向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の取引条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含む。)、(ⅲ)本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)その他の事項を踏まえ、当社取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する当社の意見表明を含む。)を決定することが少数株主に不利益か否かについて諮問し(以下(ⅰ)乃至(ⅳ)の事項を「本諮問事項」といいます。)、これらの点についての答申書を当社に提出することを委嘱いたしました。また、本特別委員会への諮問にあたり、当社取締役会は、本取引に関する当社取締役会の意思決定に際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引を行う旨の意思決定(本公開買付けに関する当社の賛同及び応募推奨を内容とする意見表明を含みます。)を行わないことを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社の費用負担の下、本取引に係る調査(本取引の検討に関与する当社の役員若しくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザーに対し、本諮問事項の検討に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含みます。)を行うことができる権限、(ⅱ)当社に対し、①本特別委員会としての提案その他の意見又は質問を公開買付者に伝達すること、及び②本特別委員会自ら公開買付者(本取引に係る公開買付者のアドバイザーを含みます。)と協議・交渉する機会の設定を求めることができ、また、本特別委員会が②の機会の設定を求めない場合であっても、当社は、公開買付者と協議・交渉を行った場合にはその内容を速やかに本特別委員会に報告し、本特別委員会は、当該内容を踏まえ、公開買付者との協議・交渉の方針について、当社に対して意見を述べ、また、必要な指示・要請を行うことができる権限、(ⅲ)必要と認めるときは、当社の費用負担の下、本特別委員会独自の弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを選任することができ、また、本特別委員会は、本取引に係る当社のアドバイザーを指名し、又は変更を求めることができるほか、当社のアドバイザーに対して必要な指示を行うことができる権限等を付与することを決議しております。

 

(ⅱ)検討の経緯

本特別委員会は、2024年4月3日から同年11月19日までの間に全26回、合計約56時間にわたって開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メール等を通じて報告・情報共有及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。

具体的には、本特別委員会は、まず、その独立性及び専門性を検討の上、当社及び公開買付者から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任する旨を決定し、2024年5月から助言を受けており、さらに、2024年10月に野村證券を当社及び公開買付者から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザーとして選任し、特に価格交渉について助言を受けております。

 

また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認しており、当社のリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認しております。

本特別委員会は、当社に対して質問事項を提示し、当社の事業に関する現状認識や、本取引の意義及び目的、本取引が当社に与える影響等についてインタビュー形式により質疑応答を実施しております。本特別委員会は、当社の全業務執行取締役を含む経営幹部10名に対してインタビューを実施し、本特別委員会として、当社の事業に関する現状認識を整理し、本取引の意義及び目的を十分に理解・検討することができるように努めました。

また、大和証券による当社株式の価値評価の基礎となる当社の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について、当社又は大和証券から説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの合理性を確認しております。その上で、当社株式価値算定書の内容について、大和証券から、当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件(WACCや永久成長率を含む。)について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらについて合理性を確認しております。

加えて、本特別委員会は、長島・大野・常松法律事務所及びTMI総合法律事務所から本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について説明を受け、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について審議・検討を行っております。

本特別委員会は、長島・大野・常松法律事務所及び野村證券から受けた助言を踏まえ、相互に独立した第三者間のM&Aで行われる一般的な交渉プロセスに即して十分な交渉を実施することを含む交渉方針について審議・検討し、当社の交渉方針につき、適宜必要な意見を述べました。具体的には、本特別委員会は、2024年10月16日に当社が公開買付者から最初の公開買付価格の提案を受領して以降、当社が公開買付者から公開買付価格についての提案を受領する都度、当社又は当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券から適時にその内容及び交渉経過等について報告を受け、野村證券から受けた助言及び大和証券から聴取した意見も踏まえてその内容を審議・検討するとともに、大和証券から公開買付者との交渉方針案及び公開買付者に対する回答書案について事前に説明を受け、必要に応じて意見を述べ、質疑応答を行った上で、公開買付者との交渉を担当する大和証券に対して指示・要請を行う等、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引の条件に関する協議・交渉過程において実質的に関与いたしました。

本特別委員会は、当社プレスリリース等のドラフトについて、本特別委員会のリーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所の助言等を受けつつ、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。

 

(ⅲ)判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言、並びに2024年11月18日付で提出を受けた当社株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2024年11月19日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。

(Ⅰ)答申内容

(a) 本取引の目的は当社の企業価値向上に資するものとして合理性が認められる。

(b) 本取引を前提とした本公開買付けにおける公開買付価格その他の取引条件は妥当性が認められる。

(c) 本取引の手続に公正性が確保されていると認められる。

(d) (a)乃至(c)を踏まえ、当社取締役会が本公開買付けを含む本取引の実施を決定し、本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは、当社の少数株主にとって不利益ではないと認められる。

 

 

(Ⅱ)答申理由

(a) 本取引の目的の合理性(本取引が当社企業価値の向上に資するかを含む。)

下記の事実を前提とすれば、本特別委員会が当社グループにおける今後の課題と認識している点に関して、本取引はこれらの課題のいずれにも資することが認められる。一方、公開買付者にとって、当社が蓄積した知見やノウハウを活用することは、公開買付者の事業や商品の差別化に資するものであって、公開買付者にも多大なシナジーをもたらすことは明らかである。また、他の手法よりも、本取引が、目的実現のための手段として、迅速かつ最も効率的であると認められる。一方、本取引によるデメリットについて、今後の当社の努力によって解決可能であって、深刻なものは見当たらない。

したがって、取引の目的は当社の企業価値向上に資するものとして合理性があると認められる。

・当社グループは、コンサルティング事業、都市空間事業及びエネルギー事業を主な事業としており、これらの事業を通じて、安全・安心な生活を支える社会資本づくり及び豊かで快適な環境づくりに寄与し、国内のみならず、世界各地、特に発展途上国での国づくりに貢献してきている。また、当社グループ各社は高い志とともに専門性と技術力を蓄積し、国・地方公共団体、外国政府などから厚い信頼を得ている。昨今は、国内外において地震や豪雨等による自然災害が増加しており、国内外における被災地の復興支援事業や防災事業にも広く貢献している。

・当社が成長機会を拡大していくには、公共事業において一層誠実に業務を遂行することに加えて、公共事業で得た知見・経験に基づいて、民間市場へ進出することが必要となる。しかしながら、単体で民間事業に参入し、効率的に市場開拓を行うことは困難が伴う。また、今後の持続的な成長には、M&Aの実行は必須であり、戦略的投資に関わる資金余力を確保する必要があると考えられる。そのため、本取引を通じて、以下のようなシナジーを創出することは、当社における今後の課題についての改善が期待できると考えられる。

① コンサルティング事業に関して、本取引後における当社と公開買付者との間の協業事業として、新たなビジネスモデルである民間防災事業を取り進める。

② 顧客基盤及びネットワークを有する公開買付者へ傘下入りすることにより、当社の都市空間事業及びエネルギー事業についても、民間事業に係るビジネスチャンスが提供され、事業拡大に資する。

③ 公開買付者の財務基盤を活用することで、都市空間事業の領域拡大が見込まれ、また、エネルギー事業をはじめとする戦略的投資が可能・容易となる。

④ 公開買付者は、国内外の顧客基盤及びネットワークを有しており、これらのネットワーク及び上記③の財務基盤を利用し、当社の海外事業の拡大に寄与することが考えられる。

・公開買付者が当社の異業種であり、企業風土、企業文化が異なり得ることが一体的な事業運営の障害になる可能性はあるが、一定程度当社の自主運営が確保されることが望ましい面もあり、公開買付者と当社において最適な関係を模索することは可能であると思われる。また、当社が特定の企業グループに属する企業と取引先その他の関係者から見られることになり、当社における事業に係る中立性について、一部で懸念が指摘される可能性があるが、「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する」との当社の経営理念に基づき事業を遂行することによって、かような懸念は払拭できると考えられる。

・本取引後における当社の経営方針等に係る公開買付者との協議状況等についても、当社のステークホルダーへの配慮のもと、本取引後においても当社経営の自立性が一定の範囲で確保されることが企図されていることが確認できた。

・今後の成長領域である民間防災事業には経営資源の大量投入が求められる。それと同時に迅速な対応も求められることから、一挙に非公開化し、短期的な業績や株主還元にとらわれることなく、当初から公開買付者の完全子会社としての誠実な対応・体制を構築することが好ましいと考えられる。したがって本取引は、企業価値向上の観点から、他のあり得る手段と比較しても優位性を有する取引であり、本取引のスキームに十分な合理性が認められる。

・なお、当社は、指名委員会等設置会社として持株会社体制に移行したばかりであり、このような体制の変更を行って間もない段階で本取引を行うため、従業員の理解を得ることは特に重要である。

 

 

(b) 本取引の取引条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含む。)

下記のとおり、本公開買付価格は、当社の本源的価値を反映し、かつ、本取引によるシナジーを当社の株主にも適切に配分したものであり、妥当であると評価でき、本公開買付価格を含めた本取引全体について、当社の少数株主からみて、条件の妥当性が確保されていると認められる。

・本特別委員会は、当社と公開買付者との間の公開買付価格等の本取引の条件に関する協議・交渉過程において当社に対して意見を述べており、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況、すなわち独立当事者間取引における真摯な交渉が実施されたものと認められる。

・当社株式価値算定書におけるDCF法による算定の前提とされている当社の事業計画は、その作成経緯に関して、公開買付者の恣意的な圧力が介在した事実等は認められず、合理的に作成されたものと認められる。

・当社株式価値算定書における算定の方法及び内容に特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断されるところ、本公開買付価格は、大和証券による市場株価法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内にあり、かつその中央値を超える価格であると認められる。

・本公開買付価格は、類似案件(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2024年10月31日までに公開買付けが成立した、日本国内における完全子会社化を目的とした非公開化案件のうち本件と類似する案件(マネジメント・バイアウト(MBO)案件を除き、特別関係者を含む公開買付者が公開買付け実施前に所有する対象会社の株式に係る議決権数が対象会社の総株主の議決権数の20%未満の案件)46件におけるプレミアムの平均値と比較しても、相応なプレミアムが付された価格であると評価できる。

・本公開買付価格は、①当社の過去10年間における株価の終値ベースでの最高値を大幅に上回るものであり、また、②2024年6月期末の簿価純資産ベースの1株当たり価格及び不動産含み益等考慮後の時価純資産ベースの1株当たり価格を上回るものである。

・本特別委員会は本取引による民間防災事業に係るシナジーについても当社経営陣が検討している計画を踏まえ野村證券の助言も受けてその価値を検討し、ひいては当社の株主への当該シナジーの分配のあり方を検討したが、かかる検討と上記の点を総合的に判断すると、本公開買付価格は当社の株主にも本取引によるシナジーを適切に分配したものと考えられる。

・本取引の買収の方法について、一段階目として本公開買付けを行い、二段階目として株式売渡請求又は株式併合によるスクイーズアウトを行う方法は、本取引のような非公開化の取引においては一般的に採用されている方法の一つである。また、本公開買付価格に不満のある株主は、裁判所に対する株式買取請求後の価格決定の申立てが可能である。

(c) 本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)

下記のとおり、本取引においては、少数株主を含む当社株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されており、公正な手続を通じた当社株主の利益への十分な配慮がなされているものと認められる。

・当社においては、当社及び公開買付者から独立した本特別委員会が設置されている。

・本特別委員会は、その独立性及び専門性を確認した上で選任した本特別委員会独自のリーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所及び本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券から専門的助言を受けている。

・当社は、本特別委員会が独立性及び専門性を確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとすることを承認したTMI総合法律事務所及び当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関とすることを承認した大和証券から専門的助言を受けている。

・当社は、当社の第三者算定機関である大和証券から、当社株式価値算定書を取得している。

・本取引に係る当社の意思決定は、利害関係を有しない当社取締役8名全員の一致をもって行われている。

・本取引においては、本公開買付けにおける公開買付期間は法令に定める下限より長期である35営業日が予定されており、また、当社は、公開買付者との間で、対抗的買収提案者(以下に定義します。)が当社と接触等を行うことを制限するような内容の合意等を行っていないため、他の買収者による買収提案の機会が確保されている。

 

・本取引においては、本スクイーズアウト手続に際して、本公開買付けに応募しない株主に株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されないスキームは採用されていない。本取引は、本公開買付け成立後確実に本スクイーズアウト手続を実施できるスキームであり、また、本スクイーズアウト手続において本公開買付けに応募しなかった株主に対して交付される金銭の額は、本公開買付価格と同額を基準として決定することを想定しているとのことであり、その旨が開示される予定であることから、強圧性を排除するために望ましいとされる実務上の対応がなされており、強圧性が生じないように配慮されていると認められる。

・本公開買付けにおいては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる。

 

(d) 上記(a)乃至(c)その他の事項を踏まえ、当社取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する当社の意見表明を含む。)を決定することが少数株主に不利益か否か

上記(a)のとおり、本取引は当社の企業価値向上に資するものとして合理性があると認められること、上記(b)及び(c)のとおり、本公開買付けを含む本取引全体について、当社の一般株主からみて、本公開買付価格その他の取引条件の妥当性が確保されており、かつ、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がされていると認められる。

以上から、本公開買付けを含む本取引は、当社の少数株主にとって不利益でないと認められる。また、本公開買付けについて、当社が賛同意見を表明し応募を推奨する旨の決定を行うこと、及び本公開買付けが成立した場合に、上場廃止が見込まれる本スクイーズアウト手続を決定することは、当社の少数株主にとって不利益でないと認められる。

 

③ 当社における独立した法律事務所からの助言

当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、公開買付者及び当社のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、本公開買付け及びその後の一連の手続に対する当社取締役会の意思決定方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、TMI総合法律事務所は、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るTMI総合法律事務所に対する報酬はタイムチャージ方式によるもののみであり、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておらず、本取引の成否からの独立性が認められます。

また、本特別委員会は、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年5月9日、独自のリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本特別委員会における本諮問事項に関する検討及び審議に関する法的助言を受けております。なお、長島・大野・常松法律事務所は、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、長島・大野・常松法律事務所の報酬はタイムチャージ方式によるもののみであり、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておらず、本取引の成否からの独立性が認められます。

 

④ 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

上記「(3) 算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、公開買付者及び当社のいずれからも独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、当社株式価値算定書を取得いたしました。なお、大和証券は、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。

 

 

⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認

当社の取締役会は、当社株式価値算定書の内容及びTMI総合法律事務所から受けた法的助言、本特別委員会から提出された本答申書の内容を総合的に勘案しつつ、本取引について、当社の企業価値の向上、少数株主の皆様の利益保護を含む本取引に関する諸条件の妥当性等の観点から、慎重に協議及び検討を行いました。

その結果、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社取締役会における意思決定に至る過程」に記載のとおり、本公開買付価格その他の取引条件は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保されたものであり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な売却機会を提供するものであると判断し、2024年11月19日開催の取締役会において、取締役8名全員の一致により、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議いたしました。

また、上記の取締役会に参加した取締役のうち、公開買付者の役員との兼職関係にある等利害関係を有する役員は存在しておりません。

 

⑥ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保

公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、35営業日に設定しております。

また、公開買付者及び当社は、当社が公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っておりません。このように、公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付け等の機会等が確保されていることを確認しており、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。

 

⑦ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

公開買付者は、上記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式、当社が所有する自己株式を除きます。)の株式売渡請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を当社に要請をすることを予定しており、当社の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該当社の株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。

 

(7) 公開買付者と当社の株主との間における応募に係る重要な合意に関する事項

該当事項はありません。

 

(8) その他

① 「2025年6月期第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」の公表

当社は、2024年11月13日付で「2025年6月期第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」を公表しております。詳細については、当該公表の内容をご参照ください。

 

② 「2025年6月期配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」の公表

当社は、2024年11月19日開催の取締役会において、2024 年11月13日に公表した2025年6月期の配当予想を修正し、本公開買付けが成立することを条件に、同期の期末配当を行わないことを決議いたしました。詳細については、当社が2024年11月19日に公表した「2025年6月期配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」をご参照ください。

 

 

4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

 

氏名

役職名

所有株式数(株)

議決権の数(個)

有元 龍一

取締役

32,983

329

新屋 浩明

取締役 代表執行役社長

19,909

199

露崎 高康

取締役

16,469

164

蛭崎 泰

取締役 代表執行役

12,965

129

市川 秀

取締役

3,900

39

日下 一正

取締役

7,400

74

小泉 淑子

取締役

0

0

石田 洋子

取締役

2,200

22

金井 晴彦

代表執行役

15,028

150

吉田 典明

執行役

10,697

106

福岡 知久

執行役

6,724

67

横田 裕史

執行役

13,596

135

西野 謙

執行役

10,425

104

後藤 佳三

執行役

10,825

108

Nicholas Fairham

執行役

0

0

163,121

1,626

 

(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。

(注2) 取締役の市川秀氏、日下一正氏、小泉淑子氏、石田洋子氏は、社外取締役であります。

 

5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

該当事項はありません。

 

6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

該当事項はありません。

 

7 【公開買付者に対する質問】

該当事項はありません。

 

8 【公開買付期間の延長請求】

該当事項はありません。