文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更及び追加があった事項は以下のとおりであり、変更箇所は下線で示しております。
なお、以下の見出し及び本文中に付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
Ⅰ.当社経営陣が特に重視する当社グループの事業等のリスク
1.郵便・物流事業に関するリスク
物流業界においては、激しい競争が継続する中、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇に加え、2024年4月から施行されたドライバーの労働時間の改善等への対応を迫られる等、業界を取り巻く環境は極めて厳しい状況となっております。このような状況を踏まえ、競合他社においても、宅配運賃等の値上げを実施する動きがみられ、日本郵便においても、2023年10月にゆうパック運賃の改定を実施しております。郵便事業においては、2024年6月に施行された郵便法施行規則の一部を改正する省令(令和6年総務省令第63号)を受け、2024年10月から、郵便料金の改定を実施しておりますが、デジタル化の進展に伴う郵便物数の減少に加え、物流業界同様に、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇等、郵便事業を取り巻く環境は引き続き厳しい状況であり、業務効率化の努力を続けるとしても更なる料金改定が必要となる可能性もあります。また、EC市場やフリマ市場は成長を続けており、これらを取り込むことは日本郵便にとって急務となっています。
このような状況に対応するため、日本郵便は、ラストワンマイルにおける自動二輪車の機動力を活かせる小型荷 物を中心とした戦略による荷物収益の拡大を目指してまいります。商品・サービスの改善及び営業体制・営業力の 強化並びに他企業連携等を通じた収益力の向上、お客さまの利便性と業務の効率化が両立する生産性の高いオペレーションの実現、機械化の推進や輸配送手段の見直し等により事業を取り巻く環境変化に対応できる強靭な輸配送ネットワークの実現を目指し、郵便・物流事業改革に着実に取り組んでまいります。
しかしながら、これらの施策が計画どおり進まない場合や、デジタル化の進展に伴う郵便物数等の減少が想定よりも著しく進行することにより、各種料金を改定したとしても補いきれないほどの減収が日本郵便に生じた場合、他社との競争激化の中で荷物等収益の低迷が継続した場合、ヤマトホールディングス株式会社及びその子会社(以下「ヤマトグループ」といいます。)をはじめとする他社との協業が奏功しない場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2.ユニバーサルサービス提供に係るリスク
当社及び日本郵便は、郵政民営化法等に基づき、ユニバーサルサービス確保の責務を負っております。
当責務については、2015年9月「郵政事業のユニバーサルサービス確保と郵便・信書便市場の活性化方策の在り方」に関する情報通信審議会の答申において、短期的には、「日本郵政及び日本郵便は自らの経営努力により現在のサービスの範囲・水準の維持が求められる」、中長期的には、「郵政事業を取り巻く環境の変化やこれに応じた国民・利用者が郵政事業に期待するサービスの範囲・水準の変化も踏まえて、ユニバーサルサービスの確保の方策やコスト負担の在り方について継続的に検討していくことが必要」とされました。こうした中、同審議会による2019年9月「郵便サービスのあり方に関する検討」に関する答申においては、郵便サービスを「あまねく、公平に」安定的に提供し続けるため、そのあり方について検討結果が取りまとめられ、郵便法改正を経て、日本郵便において土曜日配達の休止、お届け日数の繰り下げなどの見直しを行いました。
上記見直し後も、ユニバーサルサービスの維持に当たっては、全国各地の郵便局及び配送拠点等に係る設備費、車両費、社員の人件費等が発生しております。また、最低賃金の引き上げに伴う人件費の増加や物価高騰に伴う調達コストの上昇により、ユニバーサルサービス維持のためのこれらの費用負担は増大しつつあります。
今後、電子メールやウェブサイト等インターネットを通じた通信手段、金融サービスの普及等を背景に、郵便、貯金、保険といった郵便局で提供するサービスのご利用が減少した場合であっても、ユニバーサルサービスを維持する法的義務があることから 、収益性の低い事業又は拠点を縮小する等の対応が制限される可能性があります。
一方、ユニバーサルサービスを維持し、全国あまねく有人店舗展開を行うことは、他社にない当社グループの強みでもあります。お客さまが対面で相談したいというニーズに今後もお応えするため、当社グループの中期経営計画のもと、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現に向けて他社や地方公共団体と連携を図りながら、物販サービス、地方公共団体事務、終活紹介サービス等、日常生活をサポートするためのサービスを充実させ、郵便局らしい温かみのあるサービスの提供を行い、郵便局の価値・魅力及び収益力の向上に取り組むとともに、業務運営のデジタル化等により業務効率化を図ってまいります。その上で、郵便サービスの安定的な提供及びお客さまへのサービス向上の実現のため、2024年6月に施行された郵便法施行規則の一部を改正する省令(令和6年総務省令第63号)を受け、2024年10月から、郵便料金の改定を実施しました。
しかしながら、このような取組が奏功せずに公共性と収益性を両立できなかった場合、郵便局ネットワークに対するステークホルダーの支持を失う可能性や、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、ユニバーサルサービス維持のための費用負担の増大から当社グループの損益が大幅に悪化した結果、事業運営コストを賄うために収益性を過度に追求した営業や過度のリスクを伴う資金運用を行った場合、コンダクト・リスクや運用リスクが顕在化する可能性もあります。
Ⅱ.当社グループ全般に関するリスク
2.法的規制・法令遵守等に関するリスク
(2) 法令等違反に関するリスク
当社グループでは、貯金払戻金窃取や郵便物等の放棄・隠匿事案等が複数件発生しており、発生原因の分析、再発防止策の検討等を行い、法令等違反の撲滅に向けて、コンプライアンスの徹底・強化、並びにグループガバナンス及び内部統制の強化に取り組んでおります。
また、当社グループは、2019年12月にかんぽ生命保険商品の募集品質に係る諸問題に関し、監督当局からの行政処分を受け、2020年1月に策定した業務改善計画に基づき各種施策に取り組み、外部専門家で構成されたJP改革実行委員会のモニタリングを受けながら、お客さまからの信頼回復を図ってまいりました。
当社グループは、2023年12月26日付で、業務改善計画に基づく監督官庁への定期報告を以後不要とする旨の通知を総務省及び金融庁から受けましたが、引き続き、適切な業務運営への取組に努めてまいります。
さらに、当社グループは、お客さまの声や内部通報制度等を通じた社員の声の収集・分析を行い、潜在的なリスクを検知して防止策を講じ、法令等遵守を徹底してまいりました。
一方で、2024年9月、郵便局において、事前にお客さまからの非公開金融情報の利用にかかる同意をいただかないまま、お客さまの貯金の非公開金融情報を用いて、保険募集を目的とした来局のご案内を行った、法令に違反する事例が確認されました。これを受け、当社グループでは実態把握のための調査を実施し、その結果も踏まえ再発を防止するための対策を策定したところであり、今後、策定した再発防止策を徹底するとともに、お客さま本位のサービス提供に努めてまいります。
しかしながら、かかる態勢・予防策・再発防止策が十分な効果を発揮せず、法令等違反が発生した場合には、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3.事業運営に関するリスク
(5) 不動産投資に伴うリスク
当社グループは、オフィスビル・商業施設・住宅等の開発による賃貸事業及び分譲事業を行っております。グループ保有不動産の開発を中心に、用途やエリアごとのマーケットを見極めた開発に取り組んでおり、日本郵政不動産設立以降は、同社においてグループ外の収益物件の取得や共同事業への参画にも取り組んでおります。
不動産投資においては、昨今の建設費の異常な高騰傾向や、市場金利の上昇による外部資金調達コストの増加などによって、個別のプロジェクトで事業計画の見直しなどの影響が顕在化しています。
さらに、法的規制の変更、大規模災害の発生、消費者動向の変化、ライフスタイルの変容により、既存の施設においても需要の変化等の影響を受ける可能性があります。
また、不動産事業の推進におけるノウハウの蓄積、必要な人員の採用、定着等が想定通りに進捗する保証がないこと、共同事業者との間で意見の不一致が生じること等により、事業の進捗に影響が生じる可能性があります。
これらの事象が当社グループの不動産事業の収益や費用に影響を及ぼしたり、保有不動産等に評価損・減損損失や売却損が発生する場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4.財務に関するリスク
(1) 保有株式及び固定資産の減損損失に関するリスク
当社が保有する金融2社の株式の時価が帳簿価額、又は特定投資株式の時価が取得原価に比べて著しく下落し、回復する可能性が認められない場合には、減損損失を計上することになり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これにより当社の分配可能額が減少し、会社法の規定により当社株主への配当の支払いが困難となる可能性があります。
なお、当社が特定投資株式として保有する楽天グループ株式会社株式について、時価の低迷が継続しており、今後の時価の状況によっては、減損処理を行う可能性があります。
また、当社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業及び不動産事業を中心に、多額の固定資産を所有しております。経営環境の変化や収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間末の資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりであります。
資産の部合計は、前連結会計年度末比4,633,515百万円増の303,322,665百万円となりました。
主な要因は、銀行業等における現金預け金7,815,169百万円の増、銀行業等における有価証券1,657,088百万円の増の一方、銀行業等における貸出金3,135,914百万円の減、銀行業等におけるその他資産748,520百万円の減、銀行業等における買現先勘定596,184百万円の減によるものです。
負債の部合計は、前連結会計年度末比4,955,790百万円増の287,906,409百万円となりました。
主な要因は、銀行業等における売現先勘定6,703,782百万円の増、銀行業等における借用金333,459百万円の増、生命保険業等における社債124,300百万円の増の一方、銀行業における貯金960,400百万円の減、銀行業等におけるその他負債723,300百万円の減によるものです。
純資産の部合計は、前連結会計年度末比322,274百万円減の15,416,255百万円となりました。
主な要因は、自己株式140,699百万円の減(純資産は増)、繰延ヘッジ損益122,838百万円の増の一方、その他有価証券評価差額金326,145百万円の減、利益剰余金240,945百万円の減、非支配株主持分102,763百万円の減によるものです。
各事業セグメント別の資産の状況は以下のとおりです。
当中間連結会計期間末のセグメント資産は、前連結会計年度末比136,329百万円減※の1,791,370百万円となりました。
主な要因は、その他資産が72,056百万円増加※した一方、現金預け金が191,442百万円、有形固定資産が14,435百万円減少※したことによるものです。
※当中間連結会計期間より報告セグメントとして「不動産事業」を新設しており、前連結会計年度末比は、区分方法の変更に伴う組替後の数値により記載しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」のとおりであります。
当中間連結会計期間末のセグメント資産は、前連結会計年度末比15,079百万円減※の1,770,927百万円となりました。
主な要因は、その他資産が20,087百万円増加※した一方、現金預け金が33,729百万円減少※したことによるものです。
※当中間連結会計期間より報告セグメントとして「不動産事業」を新設しており、前連結会計年度末比は、区分方法の変更に伴う組替後の数値により記載しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」のとおりであります。
当中間連結会計期間末のセグメント資産は、前連結会計年度末比3,490百万円増の378,429百万円となりました。
主な要因は、有価証券が11,844百万円減少した一方、その他資産が13,597百万円増加したことによるものです。
当中間連結会計期間末のセグメント資産は、前連結会計年度末比31,620百万円増※の1,125,596百万円となりました。
主な要因は、その他資産が33,883百万円減少※した一方、現金預け金が65,383百万円増加※したことによるものです。
※当中間連結会計期間より報告セグメントとして「不動産事業」を新設しており、前連結会計年度末比は、区分方法の変更に伴う組替後の数値により記載しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」のとおりであります。
当中間連結会計期間末のセグメント資産は、前連結会計年度末比4,425,918百万円増の238,332,182百万円となりました。
主な要因は、貸出金が2,648,313百万円、その他資産が1,113,361百万円減少した一方、現金預け金が7,366,010百万円、有価証券が1,143,029百万円増加したことによるものです。
当中間連結会計期間末のセグメント資産は、前連結会計年度末比81,774百万円減の60,774,125百万円となりました。
主な要因は、現金預け金が494,039百万円増加した一方、貸出金が487,601百万円、その他資産が156,157百万円減少したことによるものです。
当中間連結会計期間の国内経済は、雇用・所得環境が改善する下で緩やかな回復が続きました。
しかしながら、欧米での高い金利水準や中国における不動産市場停滞の影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクや、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
金融資本市場では、米国10年債利回りは、FRB(米連邦準備制度理事会)が2024年9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.5%の大幅利下げを実施したことを受けて低下しました。
我が国の10年国債利回りは、利上げの観測が高まったこと等により 一時1%を超える水準に上昇しましたが、 米国の長期金利が低下したことや、追加利上げ観測が後退したことから2024年9月に0.8%台に低下しました。
日経平均株価は、一時は1ドル=160円台の水準となった円安・ドル高の揺り戻しや米国における景気不安等により、2024年4月から同年9月までの半年間で6%ほど下落しました。この期間では、2024年7月には過去最高値を連日で更新し、同年8月には過去最大の下げ幅と過去最大の上昇幅を記録する等、大きな値動きがありました。
このように、当社グループを取り巻く経済情勢は、緩やかに持ち直しているものの、 注視が必要な環境が継続しています。
そうした状況下にあって、当中間連結会計期間における連結経常収益は5,511,971百万円(前年同期比106,212百万円減)、連結経常利益は463,397百万円(前年同期比128,142百万円増)、連結経常利益に、特別損益、契約者配当準備金繰入額、法人税等及び非支配株主に帰属する中間純利益を加減した親会社株主に帰属する中間純利益は、139,496百万円(前年同期比19,256百万円増)となりました。
各事業セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
当中間連結会計期間の郵便・物流事業におきましては、収益について、郵便物数の減少等により減収となりました。費用については、引き続きコストコントロールの取組等を進めているものの、人件費の増加や集配運送委託費の増加等により増加となりました。この結果、経常収益は941,394百万円(前年同期比1,741百万円減※)、経常損失は93,298百万円(前年同期は50,078百万円の経常損失※)となりました。また、日本郵便の当中間連結会計期間における郵便・物流事業の営業収益は939,217百万円(前年同期比2,372百万円減※)、営業損失は94,789百万円(前年同期は50,870百万円の営業損失※)となりました。
※当中間連結会計期間より報告セグメントとして「不動産事業」を新設しており、前年同期比は、区分方法の変更に伴う組替後の数値により記載しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」のとおりであります。
(注) 1.第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物及び第四種郵便物の概要/特徴は、以下のとおりであります。
2.年賀はがきは除いております。
3.選挙は、公職選挙法に基づき、公職の候補者又は候補者届出政党から選挙運動のために差し出された通常はがきの物数であります。別掲で示しております。
4.特殊は、速達、書留、特定記録、本人限定受取等の特殊取扱(オプションサービス)を行った郵便物の物数の合計であります。交付記録郵便物用特定封筒(レターパックプラス)及び電子郵便(レタックス、Webゆうびん、e内容証明)を含んでおります。
5.ゆうパックは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。
6.ゆうパケットは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。小型の荷物をお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。
7.ゆうメールは、一般貨物法制の規制を受けて行っている1kgまでの荷物の愛称であります。主に冊子とした印刷物やCD・DVDなどをお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。
当中間連結会計期間の郵便局窓口事業におきましては、収益について、銀行手数料や保険手数料の減少が続き、減収となりました。費用については、人件費が減少したものの、機器類の更改等の増加により、全体では増加しました。この結果、経常収益は509,172百万円(前年同期比5,478百万円減※)、経常利益は22,231百万円(前年同期比9,298百万円減※)となりました。また、日本郵便の当中間連結会計期間における郵便局窓口事業の営業収益は508,423百万円(前年同期比5,571百万円減※)、営業利益は21,747百万円(前年同期比9,337百万円減※)となりました。
※当中間連結会計期間より報告セグメントとして「不動産事業」を新設しており、前年同期比は、区分方法の変更に伴う組替後の数値により記載しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」のとおりであります。
当中間連結会計期間の国際物流事業におきましては、収益について、ロジスティクス事業が減少したものの、フォワーディング事業の増加により、増収となりました。費用については、フォワーディング事業の増収見合いの費用増により増加しました。この結果、経常収益は265,562百万円(前年同期比51,936百万円増)、経常利益は457百万円(前年同期は546百万円の経常損失)となりました。また、日本郵便の当中間連結会計期間における国際物流事業の営業収益は264,956百万円(前年同期比51,955百万円増)、営業利益は4,594百万円(前年同期比1,119百万円増)となりました。
当中間連結会計期間の不動産事業におきましては、JPタワー(商業施設名:KITTE)をはじめとするオフィスビル、商業施設、賃貸・分譲住宅、高齢者施設等のグループ保有不動産の開発を中心に推進しており、新たに、2024年7月に「JPタワー大阪」内の商業施設「KITTE大阪」がグランドオープンし、賃貸住宅及び高齢者施設が竣工するなど、事業の強化・拡充に取り組みました。
グループ外収益物件については、2026年3月竣工に向けて開発中の建物名称を「ザ・ランドマーク名古屋栄」に決定したほか、用途やエリアごとのマーケットを見極めて賃貸住宅の取得を行いました。
この結果、賃貸物件の稼働率向上や分譲収益の計上等により、経常収益は46,334百万円(前年同期比23,691百万円増※)、経常費用は販売原価の計上等により増加し、経常利益は9,389百万円(前年同期は1,983百万円の経常損失※)となり、営業収益は46,307百万円(前年同期比23,903百万円増※)、営業利益は10,106百万円(前年同期は1,745百万円の営業損失※)となりました。
※当中間連結会計期間より報告セグメントとして「不動産事業」を新設しており、前年同期比は、区分方法の変更に伴う組替後の数値により記載しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」のとおりであります。
不動産事業における主なプロジェクト(賃貸事業)の概要は以下のとおりであります。
(注) 1. 2024年9月30日時点
2.JPタワー
延床面積は、持分換算面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積を表示しております。
3.JPタワー名古屋及びJPタワー大阪
土地面積は、持分面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積(借地を含む)を表示しております。
延床面積は、持分換算面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積を表示しております。
4. 麻布台ヒルズ森JPタワー
土地面積及び延床面積は、持分換算面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積を表示しております。
当中間連結会計期間の銀行業におきましては、外債投資信託からの収益や国債利息の増加等により資金運用収益が増加した一方、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益の減少を主因にその他経常収益が減少しました。この結果、経常収益は1,255,083百万円(前年同期比44,377百万円減)となったものの、経常利益はその他経常費用の減少により321,363百万円(前年同期比67,606百万円増)となりました。
(a) 損益の概要
当中間会計期間の業務粗利益は、前年同期比1,517億円増加の5,278億円となりました。このうち、資金利益は、外債投資信託からの収益増加や国債利息の増加等により、前年同期比1,150億円の増加となりました。役務取引等利益は、前年同期比12億円の増加となりました。その他業務利益は、外国為替売買損益及び国債等債券損益の増加を主因に、前年同期比354億円の増加となりました。
経費は、前年同期比32億円減少の4,630億円となりました。
業務純益は、前年同期比1,550億円増加の648億円となりました。
臨時損益は、プライベートエクイティファンド等からの収益が増加した一方、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益の減少を主因に、前年同期比916億円減少の2,530億円となりました。
経常利益は、前年同期比633億円増加の3,179億円となりました。
この結果、中間純利益は、2,238億円、前年同期比419億円の増益となりました。
(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
6.金額が損失又は費用には△を付しております。
(b) 国内・国際別の資金利益等
国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。
当中間会計期間は、国内業務部門においては、資金利益は1,604億円、役務取引等利益は785億円、その他業務利益は△2億円となりました。
国際業務部門においては、資金利益は2,922億円、役務取引等利益は△4億円、その他業務利益は△26億円となりました。
この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は4,526億円、役務取引等利益は780億円、その他業務利益は△29億円となりました。
イ.国内業務部門
ロ.国際業務部門
ハ.合計
(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前中間会計期間8,409百万円、当中間会計期間9,372百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借に係る利息)は下表のとおりであります。
(c) 役務取引等利益の状況
当中間会計期間の役務取引等利益は、前年同期比12億円増加の780億円となりました。
(参考) 投資信託・ゆうちょファンドラップの取扱状況
(d) 預金残高の状況
当中間会計期間末の貯金残高は前事業年度末比1兆4,167億円減少の191兆3,861億円となりました。
○ 預金の種類別残高(末残・構成比)
(注) 1.通常貯金等=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)
2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。
3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」といいます。)からの預り金のうち、郵政管理・支援機構が日本郵政公社(以下「公社」といいます。)から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。
(e) 資産運用の状況(末残・構成比)
当中間会計期間末の運用資産のうち、国債は44.7兆円、その他の証券は86.8兆円となりました。
(注) 「預け金等」は日銀預け金、買入金銭債権であります。
(f) 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)
(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末118,384百万円、当中間会計期間末57,487百万円であります。
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、ゆうちょ銀行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、ゆうちょ銀行の中間貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに中間貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
(a) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
(b) 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
(c) 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
(d) 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記(a)から(c)までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
当中間連結会計期間の生命保険業におきましては、2024年1月から一時払終身保険の販売を開始したこと等により、保険料等収入は増加したものの、責任準備金戻入額が減少したこと等により、経常収益は2,943,451百万円(前年同期比170,510百万円減)となりました。一方で、保有契約が減少したこと等に伴い保険金等支払金が減少したこと等により、経常利益は166,866百万円(前年同期比67,579百万円増)となりました。
(参考1)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の保険引受の状況
(個人保険及び個人年金保険は、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(a) 保有契約高明細表
(単位:千件、百万円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
(b) 新契約高明細表
(注) 1.件数は、新契約件数に転換後契約件数を加えた数値であります。なお、転換後契約とは、既契約の転換によって成立した契約であります。
2.個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
(c) 保有契約年換算保険料明細表
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(d) 新契約年換算保険料明細表
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
3.新契約年換算保険料は、新契約に係る年換算保険料に、既契約の転換による転換前後の年換算保険料の純増加分を加えた数値であります。
(参考2)かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況
(a) 保有契約高
(単位:千件、百万円)
(注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。
(b) 保有契約年換算保険料
(注) かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、(参考1)(c)に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、かんぽ生命保険が算出した金額であります。
(参考3)かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率
当中間連結会計期間末におけるかんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率(大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つ)は、1,024.8%と高い健全性を維持しております。
(単位:百万円)
(注) 保険業法施行規則第86条の2、第88条及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
各報告セグメントにおける事業のほか、グループシェアード事業については、業務集約による効率化効果が大きいと考えられる業務をグループ横断的に集約し、一括してBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)やDXを行い、効率化・生産性向上を図る取組を進めております。昨年度に引き続きグループ横断的にシェアードを進めており、2024年8月には当社の子会社である日本郵政コーポレートサービス株式会社がかんぽ生命保険の支店の旅費精算業務を受託したほか、2024年10月にはこれまで日本郵便から一部受託していた共通事務集約センターの業務を全業務受託するなど対象業務を順次拡大しているところです。
病院事業については、地域医療機関との連携や救急患者の受入の強化等による増収対策、業務の効率化等による経費削減等、病院の経営改善を進めているところであります。今後も引き続き上記増収対策や経費削減等の経営改善に取り組みます。
投資事業については、当社の子会社である日本郵政キャピタル株式会社において、中長期的なグループ収益の拡大を念頭に、将来の事業資源や新規事業の獲得、グループ事業に対するシナジーの創出といった戦略リターンの獲得に向け、同社が運営する「日本郵政キャピタル1号投資事業有限責任組合」を介して、国内外のスタートアップ企業へ出資し、出資先企業と当社グループとの連携を進めました。今後も引き続き、日本郵政グループの事業アセットを活用したスタートアップ企業の成長支援に取り組みます。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は当期首から8,084,001百万円増加し、67,588,013百万円となりました。
営業活動においては、銀行業における資金の運用や調達、生命保険業における保険料の収入や保険金の支払等の結果、9,631,973百万円の収入(前年同期は2,563,099百万円の支出)となりました。
主な要因として、コールマネー等の純増6,377,689百万円や貸出金の純減2,647,755百万円があげられます。
投資活動においては、銀行業及び生命保険業における有価証券の売却、償還による収入等及び有価証券の取得による支出等の結果、1,338,246百万円の支出(前年同期比771,281百万円の支出減)となりました。
主な要因として、有価証券の取得による支出16,799,695百万円や有価証券の償還による収入11,945,144百万円があげられます。
財務活動においては、自己株式の取得等の結果、209,228百万円の支出(前年同期比180,824百万円の支出減)となりました。
主な要因として、自己株式の取得による支出159,305百万円、配当金の支払80,203百万円があげられます。
銀行持株会社としての当社の連結自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
当中間連結会計期間開始日以降、本書提出日までの間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「対処すべき課題」について変更があった事項は以下のとおりであり、変更箇所は下線で示しており、変更箇所の前後について記載を一部省略しております。
なお、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)対処すべき課題」の項目番号に対応したものです。
① 郵便・物流事業
日本郵便の郵便・物流事業において、郵便物数の減少や荷物需要の増加に対応するため、以下の取組を行います。
(a) 郵便料金の改定
人口の減少やデジタル化の進展等により今後も郵便物数の減少が予想される中、ユニバーサルサービスである郵便サービスの安定的な提供及びお客さまへのサービス向上を実現するため、2024年10月から、郵便料金の改定を実施しております。
なお、過去5事業年度の郵便、ゆうメール、ゆうパック及びゆうパケットの取扱物数の推移は以下のとおりとなります。
(後略)
当中間連結会計期間より報告セグメントとして「不動産事業」を新設したことに伴い、日本郵便株式会社の営む事業の区分を従来の「郵便・物流事業」「郵便局窓口事業」から、「郵便・物流事業」「郵便局窓口事業」「不動産事業」に変更するとともに、日本郵政不動産株式会社、JPビルマネジメント株式会社及びJPプロパティーズ株式会社の営む事業の区分を「その他」から「不動産事業」に変更しております。これにより、不動産事業の従業員数は、2024年9月30日現在では331人となっております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。