当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は、以下のとおりであります。変更箇所は下線で示しており、変更箇所の前後について記載を一部省略しております。また、以下の見出し及び本文中に付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(前略)
(5) 募集品質・コンプライアンスに関するリスク
① 保険募集プロセスにおける品質確保に関するリスク
当社グループは、募集品質問題の発生を受け、お客さまからの信頼の早期回復、並びに保険募集プロセスにお ける法令遵守及びお客さま本位の意識の徹底による募集品質の確保・向上を図ることを最優先かつ着実に取り組んでまいりました。
しかし、一時払終身保険の販売に加え、高齢者向け募集の再開等により、高齢者を含むお客さまと接する機会が 増加する中で、お客さまのご意向に沿わず不利益となる事例や法令違反・社内ルール違反となる事例、違反には至らなくともお客さまに適合する契約ではない事例やお客さまの契約に対するご理解が十分とはいえない事例、保険契約に対する苦情・無効申請が行われる事例が発生する場合には、当社グループの社会的信用、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このように、今後、当社グループにおいて遵守すべき法令等の義務に反する行為が発生する場合、当該違反行為の規模や程度又は当社の取り組み状況によっては、監督当局から再度業務停止命令等の行政処分を受けるなど、当社グループの経営や事業の存続に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、2024年9月27日付で公表いたしましたとおり、郵便局において、事前にお客さまのクロスセル同意をいただかないまま、お客さまの貯金の非公開金融情報を用いて、保険募集を目的とした来局ご案内を行った事例が確認されました。今後、日本郵政グループは、策定した再発防止策を徹底するとともに、グループ総力を結集し、お客さま本位のサービス提供に努めてまいります。
(後略)
当中間連結会計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
営業面においては、当中間連結会計期間における新契約年換算保険料は、2024年1月に販売を開始しました一時払終身保険の影響等により、個人保険が前年同期と比べ677億円増加と大幅に増加し、1,130億円(前年同期比149.6%増)となった一方で、第三分野が11億円減少し41億円(同22.1%減)となりました。保有契約年換算保険料については、個人保険が451億円減少し2兆9,422億円(前連結会計年度末比1.5%減)(受再している簡易生命保険契約(保険)を含む)、第三分野が130億円減少し5,515億円(同2.3%減)(受再している簡易生命保険契約を含む)といずれも減少となりました。なお、受再している簡易生命保険契約(保険)を含まない保有契約年換算保険料(個人保険)は、2兆1,900億円(前連結会計年度末比0.5%減)となっており、概ね横ばいに推移しております。
資産運用面においては、円金利資産と円金利負債のマッチングを図るALMの観点から、公社債を中心に運用しております。株式、外国証券等の収益追求資産については、オープン外債の償還・売却や国内株式の時価下落、一時払終身保険見合いでの公社債への投資を積極的に実施したことを主な要因として、前連結会計年度末比で残高は減少し、収益追求資産の占率は17.9%となりました。平均予定利率は再保険の活用や一時払終身保険の販売等により前年同期比で0.04ポイント下落し1.62%、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は収益追求資産の収益貢献等により前年同期比で0.05ポイント増加し1.90%となり、順ざやは前年同期と比べ178億円増加し680億円となりました。キャピタル損益は、投資信託の解約益の増加等により、450億円のキャピタル益となりました。
当中間連結会計期間における経常利益は、順ざやが改善した一方、一時払終身保険販売を主とした、新契約の増加に伴う短期的な費用である、初年度に係る標準責任準備金の積増負担の増加の影響等により、基礎利益は減少しましたが、2021年3月期より実施していた危険準備金の超過繰入の終了等に伴う臨時損益の改善及びキャピタル損益の大幅な改善により、前年同期と比べ675億円増加し、1,668億円(前年同期比68.0%増)となりました。上記のキャピタル損益等については価格変動準備金により中立化されたものの、順ざやの改善や臨時損益の改善により、親会社株主に帰属する中間純利益は、628億円と前年同期と比べ124億円の増益(前年同期比24.7%増)となりました。
(1) 財政状態の状況及び分析・検討
当中間連結会計期間末の総資産額は、保有契約は減少しているものの一時払終身保険の販売好調の影響等により保険契約準備金が前連結会計年度末と比べ横ばいとなったこと等から、前連結会計年度末に比べ横ばいの60兆7,741億円(前連結会計年度末比0.1%減)となりました。
① 資産の部
資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ817億円減少し、60兆7,741億円(前連結会計年度末比0.1%減)となりました。主な資産構成は、有価証券47兆7,746億円(同0.2%増)、金銭の信託6兆2,022億円(同1.1%減)及び貸付金2兆7,937億円(同14.9%減)となっております。
② 負債の部
負債の部合計は、前連結会計年度末に比べ108億円増加し、57兆4,710億円(前連結会計年度末比0.0%増)となりました。その大部分を占める保険契約準備金は、保有契約は減少しているものの一時払終身保険の販売好調の影響等により前連結会計年度末と比べ横ばいの51兆5,778億円(同0.8%減)となりました。
③ 純資産の部
純資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ926億円減少し、3兆3,031億円(前連結会計年度末比2.7%減)となりました。純資産の部のうち、その他有価証券評価差額金は、前連結会計年度末に比べ1,349億円減少し、1兆6,407億円(同7.6%減)となりました。
なお、当中間連結会計期間末における連結ソルベンシー・マージン比率(大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つ)は、1,024.8%と高い健全性を維持しております。
(2) 経営成績の状況及び分析・検討
① 経常収益
経常収益は、前年同期と比べ1,705億円減少し、2兆9,434億円(前年同期比5.5%減)となりました。経常収益の内訳は、保険料等収入1兆8,879億円(同72.1%増)、資産運用収益6,412億円(同3.5%増)、その他経常収益4,142億円(同70.4%減)となっております。
a.保険料等収入
保険料等収入は、保有契約は減少した一方で、2024年1月から一時払終身保険の販売を開始したこと等により、前年同期に比べ7,910億円増加し、1兆8,879億円(前年同期比72.1%増)となりました。
b.資産運用収益
資産運用収益は、利息及び配当金等収入、金銭の信託運用益及び有価証券売却益等が増加したことから、前年同期に比べ217億円増加し、6,412億円(前年同期比3.5%増)となりました。
c.その他経常収益
その他経常収益は、一時払終身保険の販売好調の影響等に伴う責任準備金戻入額の減少等により、前年同期に比べ9,833億円減少し、4,142億円(前年同期比70.4%減)となりました。
② 経常費用
経常費用は、前年同期と比べ2,380億円減少し、2兆7,765億円(前年同期比7.9%減)となりました。経常費用の内訳は、保険金等支払金が2兆3,862億円(同8.9%減)、資産運用費用が1,351億円(同5.0%減)、事業費が2,116億円(同1.1%減)、その他経常費用が432億円(同7.7%増)等となっております。
a.保険金等支払金
保険金等支払金は、保有契約の減少等により、前年同期に比べ2,320億円減少し、2兆3,862億円(前年同期比8.9%減)となりました。
b.資産運用費用
資産運用費用は、金融派生商品費用の減少等により、前年同期に比べ70億円減少し、1,351億円(前年同期比5.0%減)となりました。
c.事業費
事業費は、業務委託手数料の減少等により、前年同期に比べ22億円減少し、2,116億円(前年同期比1.1%減)となりました。
d.その他経常費用
その他経常費用は、税金の増加等により、前年同期に比べ30億円増加し、432億円(前年同期比7.7%増)となりました。
③ 経常利益
経常利益は、順ざやが改善した一方、一時払終身保険販売を主とした、新契約の増加に伴う初年度に係る短期的な費用である、標準責任準備金の積増負担の増加の影響等により、基礎利益は減少しましたが、2021年3月期より実施していた危険準備金の超過繰入の終了等に伴う臨時損益の改善及びキャピタル損益の大幅な改善により、前年同期に比べ675億円増加し、1,668億円(前年同期比68.0%増)となりました。
④ 特別損益
特別損益は、前年同期に戻し入れとなっていた価格変動準備金について、当中間連結会計期間において繰り入れたこと等により、前年同期に比べ276億円減少し、205億円の損失となりました。
⑤ 契約者配当準備金繰入額
契約者配当準備金繰入額は、前年同期に比べ229億円増加し、573億円(前年同期比66.7%増)となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する中間純利益
経常利益に特別損益を加減し、契約者配当準備金繰入額及び法人税等合計を差し引いた親会社株主に帰属する中間純利益は、キャピタル損益等が価格変動準備金により中立化されたものの、順ざやの改善や臨時損益の改善により、前年同期に比べ124億円増加し、628億円(前年同期比24.7%増)となりました。
なお、当社の当中間連結会計期間における基礎利益は、1,162億円(前年同期比11.8%減)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況及び分析・検討
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、2024年1月から一時払終身保険の販売を開始したこと等により保険料等収入が増加したことや保有契約の減少等により保険金支払が減少したこと等により、前年同期に比べ1兆529億円支出減となり、2,725億円の支出となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、貸付金の回収による収入が増加したものの、一時払終身保険の販売好調に伴う運用額の増加等により有価証券の取得による支出が増加したこと及び有価証券の売却・償還による収入が減少したこと等から、前年同期に比べ5,033億円収入減となり、6,859億円の収入となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額の増加等により、前年同期に比べ3億円収入減となり、806億円の収入となりました。
④ 現金及び現金同等物の中間期末残高
上記①~③の結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は、期首から4,940億円増加し、1兆6,513億円となりました。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(参考1) 当社の保険引受の状況
(個人保険及び個人年金保険は、当社が独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(1) 保有契約高明細表
(単位:千件、百万円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
(2) 新契約高明細表
(単位:千件、百万円)
(注) 1.件数は、新契約件数に転換後契約件数を加えた数値であります。なお、転換後契約とは、既契約の転換によって成立した契約であります。
2.個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
(3) 保有契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(4) 新契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
3.新契約年換算保険料は、新契約に係る年換算保険料に、既契約の転換による転換前後の年換算保険料の純増加分を加えた数値であります。
(参考2) 当社が独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況
(1) 保有契約高
(単位:千件、百万円)
(注) 計数は、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構における公表基準によるものであります。
(2) 保有契約年換算保険料
(単位:百万円)
(注) 当社が独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構から受再している簡易生命保険契約について、上記「(参考1) 当社の保険引受の状況 (3) 保有契約年換算保険料明細表」に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、当社が算出した金額であります。
(参考3) 連結ソルベンシー・マージン比率
(単位:百万円)
(注) 保険業法施行規則第86条の2、第88条及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。