第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
 当社グループの経営理念は「ウエストグループに働く人は皆豊かで幸福でなければならない。そのためには常に変化に挑み、無限の可能性を信じ、顧客に満足願える仕事を通じて社員の幸福を増進し、会社の発展と繁栄を念願するものである。」であり、創業以来、不変の哲学として貫徹しております。その内容は、変化を恐れず、常にあらゆる可能性を模索し、お客様に感動を与え続けることで、実現する社員の幸福と会社の発展を、更なる挑戦意欲に連続的に繋げていくことを企図するものです。

 

(2) 経営戦略
 トータルエネルギーマネジメントの創造、日本一のファブレス再生エネルギー電力会社を目指す
① 独自のビジネスモデルを構築
 1.太陽光発電周辺事業への積極展開による再生可能エネルギーのプラットフォーマーとしての地位確立
 2.発電所販売によるフロー収益とO&M、グリーン電力電源確保によるストック収益の同時追求
 3.全国の提携地方金融機関からの情報提供をベースとした地域密着型営業の展開
 4.不断のコスト削減による圧倒的な発電効率の実現
② 再生可能エネルギー事業
 1.分散型電源としての自家消費モデル、グリーン電力供給用の非FIT対応モデルの拡充による環境貢献、地域貢献
   観点での市場形成
 2.特別高圧案件の開発及び施工の具体化
 3.蓄電所の開発及び風力発電への事業展開
③ 省エネ・ウエストエスコ事業
 1.設備を「所有」するから「利用」するへ
 2.対象商材の随時追加による省エネ効果の拡大(蓄電池、冷蔵設備制御システム等)
④ 電力販売
 1.グリーン電力事業の垂直立ち上げ
⑤ O&M事業
 1.安心・安全・感動を提供できるO&M
 2.当社グループが設置発電所以外の需要への受注拡大
 
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
 目標とする経営指標として、企業の付加価値を如何に高めることができるかを重視し、今後もROE(株主資本利益率)の上昇を目指してまいります。収益改善を図り、資本効率の向上、経営資源の有効活用等を通して、企業価値を高めてまいります。具体的な収益性については、継続的に売上高営業利益率10.0%以上を確保することとし、2025年8月期においては23.4%(2024年8月期実績21.0%)を目標とします。
 また、中長期的にわたる持続的な成長を確保するため、グリーン電力事業、自社売電事業、エスコ事業及びO&M事業を中心にストックビジネスの強化に取り組み、今後3年間は営業利益前期比15%増を目指します。成長戦略にも積極的に取り組み、自家消費用発電所の急増するニーズへ全力で対応するとともに、O&MやウエストFITの仕組みを最大限に活用し、資産を増やすことなく将来的なグリーン電力調達電源を大幅に増加させてまいります。

 

(4) 経営環境

 当連結会計年度における我が国の経済は、世界的なインフレの継続や金融・為替動向等による様々な影響が懸念されるものの、海外経済が緩やかな成長を続けるもとでの引き続き緩和的な金融環境等を背景としたマクロ的な需給ギャップの改善に伴う、賃金と物価の好循環が定着する兆しが見受けられる等、景気は徐々に持ち直しの気配を示しつつあります。

 

 一方で事業環境は、2020年10月の菅政権による、我が国が2050年までにカーボンニュートラルを目指す宣言、及び2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減する目標設定を契機とする、環境意識の高まりが一層加速しつつあり、自社消費電力の再生可能エネルギー調達へのシフトはRE100参加企業等の一部の大企業のみならず、サプライチェーンに関連する多くの企業にとっても、既に最重要課題と位置付けられております。2012年のFIT制度開始に伴い、安定投資対象として拡大してきた太陽光発電所をはじめとする再生可能エネルギー発電所は、環境問題の解決に向けた脱炭素化のための設備へと、大きくその位置づけを変え、再エネ発電所の取得ニーズ、グリーン電力の利用ニーズは日に日に膨らんでいる状況にあります。

 このような状況の中、当社グループは2023年8月期より、再生可能エネルギーを取り巻く環境変化に迅速に対応するため、事業構造の大幅な転換に舵をきりました。自家消費型産業用太陽光発電所請負事業と非FIT太陽光発電所開発事業を二本柱として経営資源を集中し、非FIT関連事業を大きく伸ばしていく内容であり、それぞれの事業の立ち上げに注力した昨年度に引き続き、今年度からは着実な施工能力拡大に取り組みつつ、本格的な成長に向けてスタートを切りました。また、将来に向けての取組みとして、大規模蓄電所の開発着手、次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」を使った施工体制の確立、陸上風力発電所案件の事業化、使用済太陽電池モジュールのリユース・リサイクル等、新規事業へも積極的に取り組み、様々なアライアンス強化にも努めてまいりました。

 

(5) 会社の対処すべき課題

持続可能な社会、脱炭素社会の実現に向けて世界的なCO2削減、ESG投資の流れが起きている中で、今後ますます企業や自治体における再生可能エネルギーの導入ニーズが高まってくることが想定されます。このような市場環境の中で、当社グループは引き続き太陽光発電のEPC事業を中心とした総合エネルギーマネジメント事業を、新規事業への積極的な取組みと、アライアンス強化を軸に展開してまいります。

再生可能エネルギー事業のうち、産業用太陽光発電所請負事業におきましては、引き続きウエストサステナブルスタンダードを事業の基本方針と位置付け、短期需要剥落後のベース需要を元に着実な成長を企図するとともに、お客様ニーズの多様化に最速で対応できる態勢、機能の確立を図ってまいります。その一環として「GreenBee株式会社」との資本業務提携を行い、設計・提案のIT化によりソリューション提供力の質とスピードを強化してまいります。非FIT発電所開発販売事業におきましては、今後本格展開する高圧非FIT発電所を成長ドライバーと位置付け、トップラインの引き上げを図ってまいります。軌道に乗せることができた低圧非FIT発電所は、施工の平準化、施工前工程の効率化追求により、着実な成長と品質向上を重視してまいります。さらに第3の柱として、蓄電所の開発を進めてまいります。太陽光発電所への不適格用地の再活用により候補案件を一気に拡大、「EPC&メンテナンス」事業モデルと「自社保有・運営」事業モデルの併用により、案件に応じた適切な開発をおこなってまいります。

省エネルギー事業では、LED照明、空調設備に次ぐ商材として冷凍冷蔵設備の温度制御システムを展開してまいります。

電力事業では、ウエストFITの仕組みを用いたグリーン電力供給力の拡大を進め、フロー収益とストック収益の同時強化を行ってまいります。

メンテナンス事業では、非FIT太陽光発電所を中心とした低圧発電所の保守管理契約が大幅に増加する見込みであり、効率的かつ高品質なO&Mを強力に推進してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関す
 る事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) ガバナンス

当社グループにおける、サステナビリティ関連のリスク及び機会を把握・管理するためのガバナンス体制は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポ―レート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」に記載の体制と同様であります。なお、サステナビリティに関連した重要な課題については、所轄の取締役よりグループ内への報告・共有され、対応策の検討を行っております。

 

(2) 戦略

当社グループのサステナビリティ方針は、「環境・社会・経済の三つの側面から、持続可能な社会の実現に貢献すること」を目的とした取組み、急激な社会環境の変化や少子高齢化を柔軟に受け止め、社会に必要とされる時代に即した企業環境を整えて健全な企業活動のために取り組んでいきます。

   (人材の育成方針)

当社グループは、会社は、「社員にとっての自己実現の場」と位置付けており、そのために各々が自らの意志で自己研鑽をすることに対し、積極的にサポートをしています。仕事を通して様々な業務に挑戦するOJTを基本とし、新たな業務にチャレンジできるよう社内研修や勉強会も実施しており、2020年度からは、グループ内の電気知識の共有や資格へのチャレンジを目的とし、「ウエストアカデミー」等のOff-JTも含めた受講機会の充実を図っています。

また、その他の業界研究・資格取得や専門知識の習得等の自己研鑽についても奨励しており、受験料等の補助も行っております。

① 新入社員研修

入社いただいた方に、ウエストグループの理念、行動指針、コンプライアンスの遵守、組織形態、事業内容等について、理解いただくための研修です。

② コンプライアンス研修

企業のコンプライアンスについて、常に意識できるよう年1回定期的にウエストグループに在籍する全ての方向けに実施しています。

③ ウエストアカデミー

電気知識の共有や資格へのチャレンジを目的とし、社内の技術者が講師を務めるかたちで実施されています。Webを活用し全国の拠点から受講が可能です。

④ 各種知識及び技能研修の奨励

部門毎に必要とされる専門知識の習得のため、積極的に外部研修を受講できるよう費用負担などの奨励を行っています。毎年、施工等の技術習得及び資格取得、経営・財務・経理・労務・法務・監査等の専門知識習得、営業手法の研修等様々な受講実績がみられます。

 

(3) リスク管理

当社グループでは、全社的なリスク管理体制として、リスク・コンプライアンス管理委員会を設置するとともに、「リスク管理規程」を制定し、その適正な運用を行っております。事業活動上の重大な事態が発生した場合には、コンプライアンス・リスク管理委員会に対してその報告を行い、必要に応じてその対策について協議を行う体制となっており、また必要に応じて、弁護士、税理士等の外部専門家等から助言を受ける体制を構築しており、リスクの早期発見及び未然防止に努めております。

 

(4) 指標及び目標

当社グループは、2025年8月期から3か年の中期経営計画を策定し、持続的な企業価値の向上に向け、取り組んでおります。その一環として、今後、人材育成方針及び社内環境整備方針を含めた人的資本に関する指標及び目標について、具体的な内容を検討してまいります。なお、現在の取組みは下記のとおりであります。

① 女性活躍推進及び次世代育成

当社グループでは、女性活躍推進法、次世代育成支援対策推進法施行に基づき、女性が活躍できる職場環境づくりと、社員の仕事と子育ての両立を目的に、雇用環境の整備を推進しております。

a.女性役職者の登用

当連結会計年度末現在、グループ会社において女性取締役を3名選任しております。現在女性役職者比率は5%未満ですが、女性の経営参画を促進するため、本人の希望やワークライフバランスを考慮しつつ、比率向上や改善に向け、取り組んでまいります。また、女性従業員の平均勤続年数は、男性従業員とほぼ同等であり、男女ともに安定して推移しております。

 

b.仕事と育児の両立

子どもを持つ社員が男女ともに安心して仕事と育児を両立できるよう両立支援制度の充実及び施策に取り組んでおります。妊娠中や出産後の女性従業員向けの相談窓口の設置、3歳以上の子を養育する従業員に対して所定労働の免除を行うなど、個々の事情に応じた多様な働き方をサポートしております。

引き続き、従業員の仕事と育児の両立のため、産前産後休暇、育児休業制度及び給付金等に関する制度の見直しと社内周知を行い、希望者が安心して制度を活用できるよう取り組んでまいります。

 

② 人権尊重の取組に関する声明

当社グループは、再生可能エネルギーを核としたグローバルビジネスを展開していく中で、関係する全ての利害関係者の利益のために、透明性を持った事業運営を行っています。さらに「ウエストグループ倫理規程」に基づいた法令遵守の企業活動のみならず、国や地域、文化によっての捉え方の違いを尊重し、プライバシーや差別などの人権課題に配慮した企業活動に努めています。

また、ビジネスパートナー(再生可能エネルギー関連機器のサプライヤーなど)にも「ウエストグループ倫理規程」に基づいた人権擁護・尊重、強制労働の排除、児童労働の廃止など、責任ある企業行動、人権を尊重した企業活動を要請しています。

当社グループは、将来の世代のためにグリーンエネルギーを提供し、ビジネスパートナーとともにビジネス倫理の原則を遵守し、持続可能な社会の実現に全力で取り組んでいます。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

(1) 法的規制について

当社グループの主要な事業内容は、太陽光発電システム販売・施工・メンテナンス・電力事業・省エネ事業であり、「建設業法」、「建築基準法」、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」、「電気事業法」、「電気工事士法」、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」、「宅地建物取引業法」、「住宅品質確保促進法」、「建築士法」、「消費者契約法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引法」、「割賦販売法」、「個人情報保護法」等の法的規制を受けております。当社グループでは、取扱商品、設計、工事、また、販売先となる一般顧客が多岐にわたるため、社内管理体制の整備や各種講習会等に参加して法律知識を習得する等により法令を遵守し販売、施工する努力を行っております。

将来これらの法令の改正や新たな法令規制が制定され当社グループの事業に適用された場合、当社グループの事業はその制約を受けることとなり、業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 許認可の取得及び地域関係者等の承諾について

当社グループにおける非FIT太陽光発電所開発事業は、地方自治体が管轄する農地転用、林地開発などの許認可取得が必要な場合があります。また、その許認可取得には地権者及び周辺地域住民の理解と協力が必要となります。開発土地については、事前調査を行い各種許認可取得に必要な措置を講じ、地域住民向け説明会を通じて地域住民の皆様の理解を得ながら事業化を進める方針としていますが、許認可取得や地域住民との合意に想定した以上の時間を要し、プロジェクト計画に遅れが生じる場合には、業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 出力抑制について

当社グループにおける電力事業で保有する太陽光発電所及び風力発電所は、発電出力が気候の影響を受ける自然変動電源であり、出力抑制ルール(規定の条件下で電力会社が発電事業者に対し、発電設備からの出力を停止又は抑制を要請する制度)にて、出力抑制が実施されることにより想定した売電収入を得られなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 輸入取引について

当社グループにおける再生可能エネルギー事業は、取り扱う商品の多くを中国、台湾、韓国メーカーから仕入れておりますが、為替の変動及び決済方法によっては、仕入価格が上昇し、業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 個人情報等の漏洩リスクについて

当社グループでは、多くの個人情報を取り扱っております。2005年4月1日に施行された個人情報保護法への対応として「個人情報保護規程」に基づき個人情報保護の適切な取扱いに関し、個人情報管理責任者を選任し、体制整備を図っておりますが、個人情報が漏洩した場合には、当社グループの社会的信用が低下し、またその対応のための費用負担が発生し、業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 役員退職慰労金の支給について

当社グループでは、取締役及び監査役に対する退職慰労金については、内規を定めておりません。これは、役員の在職中の功労に対する報酬は、役員報酬として毎期の当社グループ業績に応じて支払うのが合理的であるとの経営判断に基づくものであります。

当社グループは、上記の経営判断を継続する方針でありますが、役員退職慰労金が支給されることとなった場合、業績に影響を与える可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績

当連結会計年度において、当社グループは2023年8月期より、再生可能エネルギーをとりまく環境変化に迅速に対応するため、事業構造の大幅な転換に舵をきりました。自家消費型産業用太陽光発電所請負事業と非FIT太陽光発電所開発事業を二本柱として経営資源を集中し、非FIT関連事業を大きく伸ばしていく内容であり、それぞれの事業の立ち上げに注力した昨年度に引き続き、今年度からは着実な施工能力拡大に取り組みつつ、本格的な成長に向けてスタートを切りました。また、将来に向けての取組みとして、大規模蓄電所の開発着手、次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」を使った施工体制の確立、陸上風力発電所案件の事業化、使用済太陽電池モジュールのリユース・リサイクル等、新規事業へも積極的に取り組み、様々なアライアンス強化にも努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度においては、売上高50,390百万円(前期比15.2%増)、営業利益10,597百万円(前期比24.7%増)、経常利益9,956百万円(前期比24.9%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益6,757百万円(前期比12.3%増)を計上いたしました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、セグメント別の金額については、売上高はセグメント間の取引を含んでおり、営業利益は全社費用等調整前の金額であります。

① 再生可能エネルギー事業

 産業用太陽光発電所請負事業におきましては、環境意識の大幅な高まりを背景に引き続きベース需要は高水準であるものの、約2年前からの世界的エネルギー価格の高騰を契機とする短期的需要の剥落と、蓄電池・余剰売電等お客様ニーズの多様化に伴う契約リードタイムの長期化により、売上高はピークであった前年度を下回りました。

 非FIT太陽光発電所開発事業におきましては、開発にかかる各種許認可取得、法令上の義務への対応、登記手続き等、膨大かつ煩雑な事務対応に追われ立ち上げに苦労してまいりましたが、社内体制整備と外部関係者との地道な関係構築等が奏功し、事業として軌道に乗せることができました。売上高実績の推移は第1四半期約19億円、第2四半期約50億円、第3四半期約47億円、第4四半期約140億円と着実に増加、高圧非FIT発電所も複数案件が完成いたしました。

 以上の結果、売上高は41,966百万円(前期比17.8%増)、営業利益8,284百万円(前期比55.8%増)となりました。

② 省エネルギー事業

 提携金融機関とのアライアンスによる情報を活用し、商業施設や工場・病院等のエネルギーを大量に消費する施設に対し省エネのトータルサービスを提供、特にお客様に初期費用の負担が生じないウエストエスコ事業の受注拡大に努めてまいりました。このウエストエスコ事業については、施工実績が増加することにより、LED照明は5年から7年、空調設備は10年から12年にわたり、将来の安定収入に繋がるストック事業であります。足元では、うちLED照明の契約が軒並み満期を迎える時期となっており、一方で新規商材である冷凍冷蔵設備の温度制御システムの立ち上げに今しばらく時間を要することから、収益資産・売上ともに減少傾向にありますが、今後とも重要事業の位置づけは変わらず、太陽光発電所関連のお客様に対するソリューション提案の一環として注力してまいります。

 以上の結果、売上高は1,622百万円(前期比11.4%減)、営業利益385百万円(前期比27.7%減)となりました。

③ 電力事業

 グリーン電力卸売事業は立ち上げ期にあたりますが、今後グリーン電力調達源の非FIT発電所の開発件数が増加するに従い、取扱高も増加していく見込みです。自社売電事業におきましては、上半期において銅価格の高騰、国内建設用電線不足を要因とするメガソーラーケーブルの盗難が相次ぎ、復旧期間中の売電機会の喪失に見舞われましたが、下半期は概ね計画通りに推移し、利益面に与える影響は軽微でした。また、当社グループ保有最大規模のメガソーラーである穴水発電所につきましては、2024年1月の能登半島地震により自営線の電柱が一部傾く等の影響を受けましたが、約2週間で復旧再稼働しております。

 以上の結果、売上高は5,200百万円(前期比9.7%増)、営業利益1,668百万円(前期比16.8%減)となりました。

④ メンテナンス事業

 当社グループにて企画・設計・施工を行ったメガソーラー発電所を中心に、安定した売電収入を得られることを目的として施設の継続的なメンテナンスを行い、太陽光発電所のオーナー様へ安全・安心・感動を提供し、受注実績を積み上げてまいりました。契約総容量は前期末1,076.4MWより当期末1,281.6MWと、着実に増加しております。当社グループの施工件数の増加に伴い、契約件数の一層の拡大が期待できます。

 以上の結果、売上高は1,981百万円(前期比6.5%増)、営業利益633百万円(前期比34.1%増)となりました。

⑤ その他

 その他の売上高は1百万円(前期比65.2%増)、営業利益1百万円(前期比65.2%増)となりました。

 

生産実績、受注実績及び販売実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

再生可能エネルギー事業

40,162

178.0

省エネルギー事業

16

1.6

電力事業

5,199

109.7

メンテナンス事業

1,616

103.8

その他

1

132.9

合計

46,996

157.2

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

再生可能エネルギー事業

42,414

125.0

5,574

62.0

省エネルギー事業

56

5.7

40

42.2

電力事業

5,200

109.7

メンテナンス事業

1,981

127.3

その他

1

165.2

合計

49,655

120.5

5,615

61.8

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

再生可能エネルギー事業

41,949

117.8

省エネルギー事業

1,622

88.6

電力事業

5,199

109.7

メンテナンス事業

1,616

103.8

その他

1

165.2

合計

50,390

115.2

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

JERAソーラーマネジメント合同会社

11,993

23.8

SMFLみらいパートナーズ株式会社

6,101

14.0

11,280

22.4

 

3 前連結会計年度のJERAソーラーマネジメント合同会社については、当該割合が100分の10未満のため、

   記載を省略しております。

 

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比2,095百万円増加125,897百万円となりました。また、負債につきましては、前連結会計年度末比98百万円増加92,497百万円、純資産につきましては、前連結会計年度末比1,996百万円増加33,399百万円となりました。主な内容は以下のとおりであります。

 資産の増加の主な要因は、完成工事未収入金が11,058百万円及び土地が9,527百万円それぞれ増加した一方、現金及び預金が18,474百万円減少したことによるものであります。

 負債の増加の主な要因は、未払法人税等が2,423百万円、工事未払金が849百万円及び短期借入金が745百万円それぞれ増加した一方、長期借入金が3,525百万円減少したことによるものであります。

 純資産の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益を6,757百万円計上した一方、配当金の支払いを2,236百万円及び自己株式の取得を2,791百万円したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ18,444百万円減少し、27,818百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況並びに、それらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、495百万円(前期は7,345百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益9,866百万円及び減価償却費2,342百万円の計上、仕入債務の増加591百万円、売上債権の増加10,584百万円及び未払消費税等の減少893百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、10,420百万円(前期は5,384百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出7,027百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は、8,563百万円(前期は16,555百万円の増加)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入14,695百万円、長期借入金の返済による支出18,079百万円、自己株式の取得による支出2,791百万円及び配当金の支払額2,234百万円によるものであります。

 

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年8月

2021年8月

2022年8月

2023年8月

2024年8月

自己資本比率(%)

24.7

26.0

27.2

25.4

26.4

時価ベースの自己資本比率(%)

110.3

205.0

177.8

93.0

85.4

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

36.5

10.5

10.7

150.8

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

2.8

12.2

11.6

0.7

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

※2022年8月期は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」がマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオの記載を省略しております。

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績等)

当社グループの当連結会計年度における経営成績等の分析については「(1) 経営成績、(2) 財政状態」に記載のとおりであります。

(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(経営戦略の現状と見通し)

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討)

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については「(3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資金の源泉は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「金融機関からの借入」であり、十分な手元流動性を確保しております。資金需要の主なものは、「工事原価の支払」、「販売用物件の仕入」、「販売用資材の仕入」、「販売費及び一般管理費等の営業費用の支払」、「金融機関への借入返済」及び「法人税等の支払」であります。

これらの資金需要に対応しつつ、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的な確保に努めております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積り等の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

記載すべき重要な研究開発活動はありません。