第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、経営ビジョンを『世界一のスポーツの伝道者となる』と定めております。

 その実現のため、独自の企業活動を通じて、あらゆるボーダーを超えたスポーツ文化の定着と発展を図ること、多様化するライフスタイルにおけるスポーツの役割を考え続けること、お客様に最適な商品・サービスを提供すること、スポーツと商品に対する知識と技術を高め続けることをミッションとしております。

 また、長期経営方針である『Sustainable Sporting Life(サステナブル・スポーティング・ライフ)』を提唱し、「既存の販売事業を進化させる」「スポーツに触る・語る環境の開発および運営」「スポーツすることを続けられるスポーツサステナビリティ事業の開発」の3つの戦略活動を通じて、その実現に努めてまいります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、2024年8月期を最終年度とする中期経営計画を策定いたしました。

 本中期経営計画期間(2022年8月期から2024年8月期)は、ウィズ/アフターコロナの環境に適合すべく、「ECおよび既存店の販売力の強化と新規出店による規模の成長」を第一優先の戦略目標といたします。加えて、長期の投資活動により盤石な経営基盤を築きつつ、新規事業開発と収益化を推進します。以上により、長期成長への道筋を作るための期間と位置付け、以下の重点戦略を遂行してまいります。

①既存事業の収益性向上にむけた戦略

 ・スタッフとデジタルを基軸としたお客様購買体験レベルの向上

 スタッフの能力開発とデジタルツールの積極的な活用により、スポーツの持つ可能性や世界観を体験し、喜びが感じられる商品構成や店舗づくりを実現させ、従来のお客様はもとより新規のお客様も積極的に獲得していきます。そのためのスタッフへの能力開発投資およびデジタル関連への投資を重点的に行います。

 ・新規出店戦略

 不採算店舗の整理の局面が終了し、今後はより多くのお客様に当社のサービスを提供するため、大都市商圏や未出店エリアへの積極的な出店を行います。

 ・カテゴリー別の専門業態の開発

 従来の総合スポーツ取扱いの店舗運営だけでなく、スポーツの奥深さをより表現するためにカテゴリーに特化した専門的な業態を開発し、出店先におけるお客様に対する役割を増やし、より多くのお客様へより幅広く深いサービスレベルを提供します。

 ・EC、フルフィルメント全体での収益化

 実店舗だけでなく、ECでの収益基盤をさらに強固なものとするために、全社的な観点からフルフィルメントを含めた改善を実行し、システム関連への投資も積極的に実行することで今後需要がより一層高まるEC市場での成長を目指します。

②持続成長可能な組織体制の構築と経営基盤の強化

 人事制度改革により、従業員の主体性と成果の向上を実現する組織風土『HIMARAYA3.0』を醸成します。次世代経営者育成を含め、全ての従業員の成長と活躍を促す「ヒトの力の熟成」を目指すとともに、従業員の業績貢献に対する還元強化に努めてまいります。

 また、サステナビリティへの取組みと、コーポレートガバナンスの強化に努めることにより、企業価値の向上を目指してまいります。

 

(3)経営環境

 当社グループは、スポーツ、レジャー用品の販売を主たる事業とする株式会社ヒマラヤと、インターネット販売におけるフルフィルメント事業を行う子会社コアブレイン株式会社で構成されております。

 当社グループが属するスポーツ用品小売市場は、新型コロナウイルスの感染対策に伴うスポーツ活動の制限による需要抑制は解消傾向にあり、市民スポーツ、学校スポーツの活動の正常化が一段と進むなど、本格的な市場回復にむけた取り組みが重要となりますが、物価上昇による消費の落込みやエネルギーコスト上昇の影響を注視する必要があります。

 競合環境については、従来の同業他社に加え、メーカーによる自社ECサイトでの直販、衣料を中心とした商品群についての異業種からの市場参入などの動きも顕著となってきております。

 販売チャネルについては、SNSなどを介した購買意思決定プロセスの多様化が進んでおります。リアル店舗、EC店舗それぞれの強みを活かし、効果的なタッチポイントを増やすことが重要となります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 国内経済は新型コロナウイルス感染症の影響の低減により、経済社会活動の正常化が進み、景気が持ち直していく事が期待されておりますが、円安や原材料価格の高騰を背景にした企業物価、消費者物価上昇により、先行きは不透明な状況にあります。また、従来からの少子高齢化による国内のオーバーストア化・DX化等の技術革新によるお客様の購買行動の変化も重要な課題であります。

 これらの対処すべき課題に対して、当社グループは中期経営計画における戦略目標等に基づく、以下の取り組みを行ってまいります。

①本質的な競争力の強化

 「新しい生活様式」と親和性が高いゴルフやアウトドア、およびEC事業は好調に推移していることから、かかる好調カテゴリーや事業を推進力としながら、新規出店とEC事業の成長を軸に収益の拡大と安定化を図ってまいります。同時に、主力である一般スポーツの強化と新規事業の開発および収益化を図り、人材の育成を中心に据えた経営基盤の強化に努めることにより、長期成長に向けた体制整備を推進してまいります。

②店舗販売力の強化

 サービスの高付加価値化を目指し、人材、デジタルインフラ、店舗改修のための積極的な投資を行ってまいります。人による店舗運営力と商品知識力の強化、デジタルインフラ整備による店舗オペレーションの改革を図ります。スタッフの総合的な接客力向上を図り、顧客のファン化を促進するとともに、スポーツを通じた「ヒトの力の熟成」を目指します。あわせて、メンバーシッププログラムの開発とロイヤリティ化を促進し、ヒマラヤファンであることの価値を高めてまいります。2023年春には、店舗とECのシームレス化を推進し、お客様の購買体験の向上を図るために「ヒマラヤメンバーズアプリ(仮称)」のリリースを予定しております。

 新規出店についても、大都市圏の大型店舗や専門業態を中心に積極的に展開してまいります。

③商品力の強化

 担当者の専門性を高め、仕入先企業との密なコミュニケーションを通して、その世界観を尊重し、最適な表現方法を追求します。並行して、自社商品も含めた全体的な商品構成を最適化します。現在好調なアウトドアブランドである「VISION PEAKS」を始めとするPB(プライベートブランド)については、専任部署の設置と生産管理体制の強化を行い、ブランド価値を高めながら規模の拡大を図ってまいります。

④EC販売力の強化

 拡大するEC事業については、将来の成長ステージに応じた人材の育成、マーケティング戦略、物流機能の拡張計画を設定し、子会社であるコアブレイン株式会社と連携を行いながら、適切なタイミングでの段階的な投資により、ECの規模の拡大と収益性の向上の両立を図ってまいります。

⑤人材の強化

 当社の強みである専門知識の高い社員による接客力の向上を図りながら、加速していく事業環境の変化に対応し、持続的な成長を果たしていくためには、人の育成が重要な課題と認識しています。この課題に対応するために、全ての従業員をスキルとマインドの両面から公正に評価し、各人の能力発揮の機会の提供と、教育・研修制度の充実によって人の育成を図ることを基本方針としております。また、多分野での専門人材の拡充のため早急な対応が必要と考えております。

 こうした中、当社は現在、社内の人材を3つの階層にグルーピングし、「①部長職以上の管理職を次世代経営者層と位置付けた中核人材の育成プログラムの実施」「②管理職に対しては、『過去のやり方にこだわらずに自分で考えること』を意識したマネジメント能力の強化」「③若手人材における積極的な活躍機会の提供、および権限の付与による早期の育成」をテーマに取り組んでおります。さらに今後、これらを支える制度の整備やキャリアパスの多様化への対応に加えて、様々な視点での多様性の実現に向けて、女性活躍推進法等の法改正対応にとどまらず、各人の個性を尊重した社風の醸成に取り組んでまいります。

⑥新規事業の開発及び収益化

 サステナブル・スポーティング・ライフ事業では、より多くの人々がスポーツすることを通じて健やかな心と体を手に入れ、同時に、地球の未来を築くライフスタイル『Sustainable Sporting Life(サステナブル・スポーティング・ライフ)』を楽しめるための事業開発を行い、新たなノウハウの獲得とビジネスチャンスの拡大を図ってまいります。

⑦気候変動問題に対する取組み(カーボンニュートラル宣言)

 当社グループは、全世界で加速する温室効果ガス削減等の社会課題解決に向け、以下のとおりカーボンニュートラルを目指した取組みを実施して、自社グループの温室効果ガス排出量を、2050年までにネットゼロにすることを宣言いたしました。

 1.「Sustainable Sporting Life」の浸透

地球環境の改善と保全を意識した生活とスポーツを融合させた豊かなライフスタイルの発信を行い、社会課題に対する取組みに一人一人が真摯に向き合い、実践して行く環境の醸成に貢献します。

 2.当社グループからの温室効果ガス排出量(Scope1、2)

当社グループが事業活動を行うことで、使用する電力等により間接的に排出している温室効果ガスの排出量を、2030年までにネットゼロにします。

 3.当社グループを取り巻く事業環境からの温室効果ガス排出量(Scope3)

当社グループが事業活動を行うことで、取り巻く事業環境から間接的に排出される温室効果ガスの排出量について、2050年までにネットゼロを目指します。

⑧目標とする経営指標

 当社グループは、中長期経営戦略目標である売上高1,000億円、経常利益50億円の達成に向けて、本中期経営計画期間の最終年度である2024年8月期の連結業績目標を売上高750億円、経常利益30億円、当期純利益17.5億円、ROE9.5%と定めております。

 また、翌連結会計年度の目標値として、売上高595億円、経常利益24億円、当期純利益14.8億円、ROE9.1%を見込んでおります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)気象状況による売上変動リスク

  当社グループが取り扱うスポーツ用品の販売は、気象状況による影響を受けます。特にスキー・スノーボードなどのウインター用品の販売は、降雪量の多寡等によって変動いたします。当社グループでは、ウインター用品以外の売上構成比を上昇させ、これらの影響の軽減に取り組んでおりますが、気象状況の変動が、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(2)出店に関するリスク

  当社グループは、多店舗展開を行っておりますが、売場面積が1,000平方メートルを超える新規出店および増床については、大規模小売店舗立地法の規制を受けます。このため、これらの調整過程の中で、計画どおりの出店あるいは増床が出来ない場合があり、事業計画の達成にマイナス要因となるリスクがあります。

(3)敷金、保証金の未返還リスク

  当社グループは、店舗賃借による出店時には、店舗の賃借先に相当額の敷金および保証金を支出します。契約時には賃借先の信用状態を十分勘案したうえで出店の意思決定をしますが、出店後の賃借先の信用状態の悪化または中途解約による退店により、敷金および保証金の未返還リスクがあります。

(4)金利の変動リスク

  当社グループの金融機関からの借入れには変動金利によるものが含まれており、これに係る支払利息は金利変動により影響を受けます。

(5)輸入取引に係る為替リスク

  当社グループは、商品仕入の一部を直接貿易による輸入仕入により行っております。その輸入仕入の一部について為替リスクをヘッジする目的として為替予約取引を行っておりますが、為替相場の急激な変動により想定以上に仕入原価が増大して売上総利益が減少することも考えられ、為替リスクを完全に回避できる保証はありません。

(6)個人情報の取り扱いに関するリスク

  当社グループにおいて、インターネット販売、ポイントカード等で個人情報を保有しております。これらの個人情報については、当社グループで管理するほか、一部は社外の管理会社に管理を委託しております。
 これらの個人情報の管理につきましては、個人情報保護管理体制を整え、各部門の個人情報保護管理者が自部署の従業員教育を徹底し、これを定期的に内部監査室が監査し、その結果を踏まえて継続的改善に努め、漏洩の防止に取り組んでおります。しかし、万一、個人情報が流出した場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7)営業施設等の減損リスク

  収益性の低い店舗等や実質的価値が著しく下落した当社グループの保有資産について、減損処理が必要となった場合、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(8)製造物賠償責任に係るリスク

  当社グループは生産拠点において厳格な品質管理を行い、各種製品を製造していることに加えて、万一の場合に備えて製造物賠償責任に係る保険に加入しております。

  ただし、大規模なリコ-ル等につながる製品の欠陥が生じた場合には、多額なコストの発生、および信用力の低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)労務費増大のリスク

  当社グループは多くの短時間労働者をアルバイト従業員として雇用しております。均等均衡待遇の確保の明確化など、アルバイト雇用に関する法規制への対応は人件費の増加を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)新型コロナウイルス感染症の感染拡大リスク

  新型コロナウイルス感染症の感染拡大の推移によっては、休校や外出自粛の措置によるスポーツ用品需要の減少、店舗の営業休止または営業時間短縮に起因した来店客数の減少が継続することが考えられます。この場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお業績に影響を与える要因は、これらに限定されるものではありません。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 これに伴い、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と基準の異なる算定方法で集計しております。

 そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額および前年同期比(%)を記載せず通期計画進捗率を記載して説明しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

イ.経営成績

 当連結会計年度(2021年9月1日~2022年8月31日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス変異株による感染拡大の影響が全般に続いたものの、行動制限の緩和が進んだことにより、社会活動に一定の改善の兆しが見られました。しかし一方、ウクライナ情勢の長期化や中国のゼロコロナ政策に加えて、世界的な金融引き締めに伴う急激な為替の変動などにより、物品・サービスの値上げの傾向が顕著となり、今後の国内経済の回復は不透明感を増している状況にあります。

 当社グループが属しておりますスポーツ用品販売業界におきましては、感染対策に伴うスポーツ活動の制限による需要の抑制が続く中、冬商戦は降雪と気温低下により恵まれた環境となりました。足元では需要抑制も解消傾向にありますが、物価上昇による消費の落込みやコスト上昇の影響が顕在化しております。

 このような状況のもと、当社グループでは、約6年ぶりとなる大型店舗の出店、主力の既存店舗のリニューアル等、中長期的な視点に立ったリアル店舗の販売基盤の強化に向けた取り組みと、不確実性の高い環境に対応するためにデジタル領域強化やEC事業拡大のための施策を優先して実行してまいりました。中期経営計画の基本方針である『最重要指標である利益目標の達成と積極的な投資による成長性の確保の両立』に努めることにより、売上高は当初計画をやや下回る進捗となったものの、利益面では、営業利益、経常利益は前年を上回り、当期純利益につきましては、前年に引き続き過去最高を更新いたしました。

 既存店の売上は、断続的な緊急事態宣言等の影響下、競争環境も厳しさを増してきた中で、粗利率の確保と適正な在庫水準の維持を重視したことにより、前期を下回る水準となりましたが、EC事業では、当面の不透明な状況の継続を想定し、販売力強化に注力したことにより、当初計画を上回る結果となりました。

 商品別の売上動向としては、一般スポーツ用品は、通期では低調な結果となりましたが、部活動をはじめとする様々なスポーツ活動への制限が段階的な解除により回復傾向にあります。一方で、アウトドア用品は前期に引き続きキャンプ需要が高い水準を維持していること、ゴルフ用品は初心者層の参入による活況な市場環境が継続していること、スキー・スノーボード用品は降雪に恵まれたシーズンとなったことから、それぞれ好調に推移いたしました。

 販売費及び一般管理費については、将来のコスト上昇等の市場動向の変動を見据え、予算行使の優先順位を適宜見直しながらも、新規出店の販促活動のほか、既存店の改修やEC強化をはじめとする、成長に向けた投資の一部については、当初計画よりも前倒しで実施いたしました。

 出退店の状況については2店舗を出店し、5店舗を退店いたしました。2022年8月末時点で当社グループの店舗数は全国で95店舗、売場面積は206,958㎡であり、前期比で店舗数は3店舗減、売場面積は4,124㎡減となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における連結業績は売上高58,914百万円(通期計画比99.9%)、営業利益2,041百万円(前期比0.8%増)、経常利益2,366百万円(前期比6.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,431百万円(前期比1.4%増)となりました。

 

ロ.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は27,206百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,203百万円減少いたしました。これは主に商品が1,405百万円増加したものの、現金及び預金が4,077百万円減少したことによるものであります。固定資産は11,053百万円となり、前連結会計年度末に比べ415百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が584百万円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は38,260百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,788百万円減少いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は15,353百万円となり、前連結会計年度末に比べ206百万円減少いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が622百万円減少したことによるものであります。固定負債は6,728百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,640百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が2,696百万円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は22,082百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,846百万円減少いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は16,177百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,058百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。

 この結果、自己資本比率は42.3%(前連結会計年度末は37.8%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」とする)の残高は、前連結会計年度末に比べ4,077百万円減少し、9,676百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は838百万円(前期は6,894百万円の増加)となりました。これは主に棚卸資産の増加による資金の減少額1,395百万円である一方で、税金等調整前当期純利益2,046百万円の計上により資金が増加したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は1,188百万円(前期は148百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得992百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は3,726百万円(前期は2,908百万円の減少)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出3,318百万円によるものであります。

 

③生産、受注および販売の実績

イ.仕入実績

 当社グループは、一般小売事業以外の重要なセグメントはありませんが、商品区分別に示すと次のとおりであります。

商品区分

前連結会計年度

(自 2020年9月1日

至 2021年8月31日)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

至 2022年8月31日)

仕入高(百万円)

構成比(%)

仕入高(百万円)

構成比(%)

スキー・スノーボード

1,128

2.9

1,687

4.4

ゴルフ

6,339

16.1

6,884

17.8

アウトドア

8,465

21.5

7,450

19.2

一般スポーツ

23,424

59.5

22,594

58.4

その他

13

0.0

71

0.2

合計

39,372

100.0

38,687

100.0

(注)仕入数量については、取扱商品が多品種にわたり、表示が困難であるため記載を省略しております。

 

ロ.販売実績

(商品区分別売上高)

 当社グループは、一般小売事業以外の重要なセグメントはありませんが、商品区分別に示すと次のとおりであります。

商品区分

前連結会計年度

(自 2020年9月1日

至 2021年8月31日)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

至 2022年8月31日)

売上高(百万円)

構成比(%)

売上高(百万円)

構成比(%)

スキー・スノーボード

2,754

4.4

3,116

5.3

ゴルフ

10,103

16.3

10,550

17.9

アウトドア

12,658

20.4

10,774

18.3

一般スポーツ

36,188

58.2

34,343

58.3

その他

427

0.7

129

0.2

合計

62,133

100.0

58,914

100.0

(注)販売数量については、取扱商品が多品種にわたり、表示が困難であるため記載を省略しております。

 

(店舗形態別売上高)

 当社グループは、一般小売事業以外の重要なセグメントはありませんが、店舗形態別に示すと次のとおりであります。

 

店舗形態

前連結会計年度

(自 2020年9月1日

 至 2021年8月31日)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

 至 2022年8月31日)

店舗数

(店舗)

売上高(百万円)

構成比

(%)

店舗数

(店舗)

売上高(百万円)

構成比

(%)

 総合レジャースポーツ用品店

94

45,976

74.0

90

43,229

73.4

 専門スポーツ用品店

ゴルフ用品専門店

7

2,569

4.1

7

2,615

4.4

 その他

3

13,587

21.9

3

13,069

22.2

合計

104

62,133

100.0

100

58,914

100.0

(注)上記の店舗数および売上高には、退店店舗を含んでおります。

 

(単位当たりの売上高)

 当社グループは、一般小売事業以外の重要なセグメントはありませんが、単位当たりの項目別に示すと次のとおりであります。

 項目

前連結会計年度

(自 2020年9月1日

至 2021年8月31日)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

至 2022年8月31日)

売上高(百万円)

48,808

46,087

1㎡当たり売上高

売場面積(平均)(㎡)

215,284

210,614

期間売上高(千円)

226

218

1人当たり売上高

従業員数(平均)(人)

2,197

2,214

期間売上高(千円)

22,215

20,816

(注)1.上記の売上高は、インターネット販売および手数料収入を除く売上高であります。

2.売場面積(平均)は、店舗の稼動日数を基礎として算出しております。

3.従業員数(平均)は、パートタイマー(1日8時間勤務換算)を含めております。

 

(地域別売上高)

 当社グループは、一般小売事業以外の重要なセグメントはありませんが、都道府県別に示すと次のとおりであります。

都道府県別

前連結会計年度

(自 2020年9月1日

至 2021年8月31日)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

至 2022年8月31日)

店舗数

(店舗)

売上高(百万円)

構成比

(%)

店舗数

(店舗)

売上高(百万円)

構成比

(%)

群馬県

2

1,947

3.1

2

1,815

3.1

埼玉県

3

2,041

3.3

3

1,987

3.4

千葉県

2

873

1.4

2

903

1.5

東京都

3

1,343

2.2

2

1,292

2.2

神奈川県

2

789

1.3

3

931

1.6

新潟県

2

782

1.3

2

771

1.3

富山県

1

360

0.6

1

357

0.6

福井県

2

794

1.3

2

761

1.3

岐阜県

10

5,727

9.2

10

5,677

9.6

静岡県

3

655

1.1

2

318

0.5

愛知県

11

3,861

6.2

10

3,536

6.0

三重県

2

665

1.1

2

627

1.1

滋賀県

3

1,198

1.9

3

1,142

1.9

京都府

3

1,690

2.7

3

1,581

2.7

大阪府

4

2,048

3.3

4

2,023

3.4

兵庫県

3

941

1.5

3

931

1.6

和歌山県

1

517

0.8

1

487

0.8

鳥取県

1

366

0.6

1

344

0.6

島根県

1

299

0.5

1

270

0.5

岡山県

3

2,247

3.6

3

2,062

3.5

広島県

7

2,866

4.6

6

2,546

4.3

山口県

9

3,934

6.3

9

3,599

6.1

香川県

1

266

0.4

1

228

0.4

愛媛県

4

1,624

2.6

4

1,554

2.6

高知県

 

1

198

0.3

1

181

0.3

福岡県

6

3,582

5.8

6

3,578

6.1

長崎県

4

1,985

3.2

4

1,771

3.0

大分県

2

941

1.5

2

877

1.5

宮崎県

2

1,171

1.9

2

1,115

1.9

 

都道府県別

前連結会計年度

(自 2020年9月1日

至 2021年8月31日)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

至 2022年8月31日)

店舗数

(店舗)

売上高(百万円)

構成比

(%)

店舗数

(店舗)

売上高(百万円)

構成比

(%)

鹿児島県

4

2,492

4.0

4

2,347

4.0

沖縄県

2

539

0.9

1

384

0.7

小計

104

48,756

78.5

100

46,010

78.1

本部

13,376

21.5

12,904

21.9

合計

104

62,133

100.0

100

58,914

100.0

(注)上記の店舗数および売上高には、退店店舗を含んでおります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

イ.当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)

 スキー・スノーボードは気温の低下や降雪に恵まれたこと、ゴルフは初心者層の参入による活況な市場環境が継続したこと、アウトドアは引き続きキャンプ需要が高く推移したことから好調に推移しました。一方、一般スポーツは様々なスポーツ活動の抑制の影響が残り低調に推移いたしました。これらの結果により当連結会計年度の売上高は58,914百万円となりました。

(売上総利益)

 期を通して過度な価格競争を回避しつつ、適切な在庫コントロールを行ったことにより、大きな在庫消化負担が生じなかったことなどから、当連結会計年度の売上総利益は21,631百万円となりました。

(販売費及び一般管理費)

 将来のコスト上昇等の市場動向の変動を見据え、予算行使の優先順位を適宜見直しながらも、新規出店の販促活動のほか、既存店の改修やEC強化をはじめとする、成長に向けた投資の一部については、当初計画よりも前倒しで実施したことにより、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は19,590百万円となりました。

(営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)

 売上総利益の推移に合わせて、販売費及び一般管理費のコントロールを適切に実施した結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ0.8%増加し2,041百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ6.8%増加し2,366百万円となりました。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1.4%増加し1,431百万円となりました。

 

ロ.当連結会計年度の財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は27,206百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,203百万円減少いたしました。これは主に休業要請等による急激な収入減少に備えるために資金調達を実施しており、その借入金返済などによる現金及び預金が4,077百万円減少したことによるものであります。

 固定資産は11,053百万円となり、前連結会計年度末に比べ415百万円増加いたしました。これは主に店舗の出店に伴う建設仮勘定の増加によるものであります。

 この結果、総資産は38,260百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,788百万円減少いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は15,353百万円となり、前連結会計年度末に比べ206百万円減少いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が622百万円減少したことによるものであります。固定負債は6,728百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,640百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が2,696百万円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は22,082百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,846百万円減少いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は16,177百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,058百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

(資金需要)

 当社グループの運転資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費の費用となります。投資資金としての資金需要は、新規出店、既存店舗の改装やEC強化、デジタル化への投資が主たる内容になります。

(財務政策)

 当社グループは、経常利益率の向上および棚卸資産の回転率を高めることに注力し、内部資金を生み出すことにより資金効率の一層の改善を図っていく方針であります。

 内部資金で賄えない必要な資金需要が発生する場合、資金用途の内容に応じて調達方法を検討しております。短期的な性格を有する用途の場合、各行で設定している当座貸越枠内での調達を中心としております。長期資金需要の場合、事業資金計画に基づき、金額や金利動向、返済計画などを考慮したうえで、長期借入金での調達を適宜判断して実施しております。

 

③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

5【研究開発活動】

  特記すべき事項はありません。