文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針
①社是
私たちは社業を通じ社会に貢献します
②経営の基本理念
・わが社の事業原点:パレットを通じ人々の生活を便利にすること
わが社はパレチゼーション(注)の普及を目指し、パレットの設計、開発製造、販売、レンタル、リサイクル及び物流コンサルティングを手掛けるトータルパレットマネジメントカンパニーとして、より高い品質、利便性、経済性を他社より優れたシステムと企画力で提供し効率的な物流基盤の整備に貢献する。
・わが社の目指す企業像:地球と人を尊重する会社
わが社は国際的視野で物事に取り組み、時代に対応して変化する柔軟性を備え、規模より内容を重視し、高付加価値企業の実現を目指し、環境に配慮した循環型社会の構築に貢献し、またわが社で働くすべての人達がワクワク・イキイキとし、会社を通じ自己実現できる環境を追求する。
・わが社の求める社員像:情熱あふれ真摯にチャレンジする人材
わが社の人材は常に向上を目指し、変化に対応する為に自己研鑽し、失敗を恐れず、物事に対し前向きに取り組み、責任を持って困難から逃げることなく、言うべきは言い、聴くべきは聴く事によりオープンに相互理解を図り、信頼を高めるために常に挑戦する。
上記を経営の基本理念におき、「お客様の最前線をDXとシェアリングで支えるスマートカンパニー」として事業展開を行っております。
当社グループは、地球環境保全の取組みとして、東南アジアでの植林事業へ参画しております。当社が扱う木製パレットはインドネシアやマレーシア等東南アジアから輸入されており、その土地に再び木を植えることは、木材を利用するものとしての責務だと考えています。これまでにインドネシア、マレーシア、ミャンマーベトナムで植林活動の支援を行っており、第46期連結会計年度においてはカンボジアで行っております。
また、当社発祥の地である山口県及び宇部市で様々な活動を通して地域貢献を行っております。宇部市との「ユーピーアールスタジアム」のネーミングライツ契約のほか、レノファ山口FC・山口パッツファイブへのスポンサー活動などが主な活動であります。
上記CSR活動に関しまして、第46期連結会計年度において100百万円を充てております。
(注)パレチゼーションとは、パレット(pallet)の上に商品を載せることによって、荷姿の標準化とフォークリフトによる機械荷役ができるメリットを持った物流システムのことであります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
中期経営計画2025(ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)では、「豊かな社会インフラの構築をDXで実現し、循環型社会に貢献する」という基本方針のもと、パレットというハードのレンタルにとどまらず、生産工場から消費者へとモノを運ぶうえで、物流の川上から川下までのあらゆる課題解決に取り組むソリューション提案企業を目指し、企業価値の向上を図ることとしております。
物流業界につきましては、物流の「2024年問題」となる働き方改革関連法適用後の初年度末を2025年3月末に控え、トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備に有効なパレット輸送への関心は、高い状態が続くものと想定しております。
中期経営計画2025 (ver.2)と連動させ、4つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。
① 地球にポジティブな影響を与える事業活動
② 社会のインフラをシェアする
③ 人間尊重
④ 企業基盤の強化
4つの戦略
① 環境配慮に繋がるサービスの促進
② 人を尊重し持続可能な物流を支える
③ 所有から共同利用(シェアリング)への促進
④ DX改革(先端技術)とオープンイノベーションによる新たなサービスの創出
2025年8月期の定量目標
売上高162億円、経常利益12億円、ROE9%前後
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、連結売上高及び連結経常利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、取締役会等で監視を行っております。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境は、個人消費が低迷し回復に時間を要しているものの緩やかな持ち直しの動きがみられました。先行きについては、各種政策の効果もあり緩やかな回復が続くことが期待される中で、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等が経済環境に与える影響には十分注意する必要があり、依然として不透明な状況が続くものと思われます。
物流業界においては、トラックドライバーの時間外労働を制限する働き方改革関連法の適用が2024年4月1日から開始となりました。何も対策を講じなければ2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力不足の可能性があるとも言われている「物流の2024年問題」について、政府は、従来にはない積極的な姿勢で「2024年問題」の対策を着々と進めております。また、パレット標準化に向けた取り組みの中で2030年度の目標が公表されるなど、レンタル方式によるパレット輸送については今後も継続して需要が見込まれるものと想定しております。
このような事業環境のもと、当社グループは事業ごとの課題を以下のとおり認識し、それぞれの施策を強力に推し進めております。
①パレット等物流機器のレンタル事業:
トラックドライバーの荷待ち時間、荷役時間を短縮することができるパレット輸送は、2024年問題への有効な手段です。企業の「2024年問題」への対応にはバラつきがみられますが、レンタル方式によるパレット輸送は、荷待ちや荷役時間の短縮に有効な手段であり、パレットの回収業務の負担軽減及び流失防止の仕組みもあることから高い関心を集めております。当社は、これまで手積み・手下ろしを行ってきた業界を中心に、レンタルパレットを使ったパレット輸送の仕組みを提案し、家庭紙の共同利用・共同回収など取り扱いが拡大しております。また、パレット輸送に伴うパレット管理の負担を軽減するため、一部のお客様にはアクティブRFIDタグを搭載した「スマートパレット®」や画像認識技術を使った「パレットファインダー®」をご利用いただいています。
2024年5月より、レンタルパレットのサービス基盤「X-Rental®オープンプラットフォーム」(クロスレンタルオープンプラットフォーム、略称「XROP」※読み:クロップ)の本格共同運用を日本パレットレンタル株式会社とともに開始しました。今後レンタルパレットを利用しようとするお客様の導入ハードルを下げ、産業界全体にパレットが活用しやすい環境を創出します。「XROP」により、物流現場の業務負荷の軽減、コスト低減を実現し「2024年問題」の解決に貢献します。
レンタルパレットの稼働率上昇を目指し、効率的なレンタルパレットの調達及びオペレーション管理を引き続き強化すること、人件費やエネルギーコストの上昇に伴うレンタル関連費用の増加分を吸収するためにレンタル単価への転嫁を推進することにより、粗利益率の改善を図ってまいります。
②パレット等物流機器の販売事業:
これまでのネット販売の拡大に加え、2024年問題への対応策の一つとして中継輸送が注目され、その結果、物流拠点の新設が継続しています。この機会をとらえ、パレット等物流機器の販売拡大を狙うとともに、顧客との信頼関係を構築し、パレット等物流機器のレンタル需要も掘り起こします。
③アシストスーツ事業:
社会的課題である腰痛への対策としてアシストスーツの市場は大きく、今後、より拡大していくものと考えており、発売以来の累計販売台数は3万台を突破しました。物流のお客様には直販中心、非物流のお客様には販売代理店・量販店経由での販売を中心とするチャネル戦略をとり、「サポートジャケットBb+Air ワークベルト」や「サポートジャケットBb+FITⅡ」など新商品をタイムリーに投入して、販売を拡大してまいります。
④物流IoT事業:
既存の「なんつい®」や「ワールドキーパー®」などの追跡ソリューションに加え、「パレットファインダー®」「UスマホKENPIN®」などの新しいソリューションを提供することで、顧客に付加価値を提供してまいります。また、顧客への効率的で付加価値の高いサービスを提供するため、パレット等物流機器のレンタル事業及び販売事業とのシナジーを発揮できるよう追求してまいります。
⑤ICT事業:
目視不要による業務改善への貢献をキーワードに遠隔監視技術の強化を行いつつ、顧客の拡大のために社外パートナーとの連携による遠隔監視ソリューション提供も進めてまいります。また、「DXタグ®」を活用したソリューションの提案により、牛の発情・体調管理のみならず、物品管理など様々な用途や顧客ニーズに応えることで売上の拡大に取り組んでまいります。
⑥ビークルソリューション事業:
既存顧客の増車計画に対応した車載器の安定供給、自社運営事業の拡大、カーシェアリングシステムリプレイス案件の獲得、自治体、自動車販売会社、不動産会社等の新規顧客開拓、キーボックス型モビリティ無人貸渡システムの提供等を行いレンタカーや他モビリティサービスへの導入を進め、MaaS事業への参画を促進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は「地球と人を尊重する会社」を企業理念とし、パレットレンタル事業の展開を通じたシェアリングの推進や、プラスチック素材の再利用をはじめとするマテリアルリサイクル、そしてより良い職場環境づくりなど、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいりました。「豊かな社会インフラの構築をDXで実現し、循環型社会に貢献する」という基本方針のもと、パレットというハードのレンタルにとどまらず、生産工場から消費者へとモノを運ぶうえで、物流の川上から川下までのあらゆる課題解決に取り組むソリューション提案企業を目指しております。
(1)ガバナンス
当社は2023年5月に、社会や環境のサステナビリティに関する課題への取り組み強化を目的に、サステナビリティ委員会を設置しました。全社を挙げた取り組みとして推進すべく、本委員会は、代表取締役社長執行役員を委員長とし、委員は各部門の部門長で構成されます。代表取締役社長執行役員の直属組織である経営企画部が委員会の事務局を担い、計画の推進及び進捗管理を行うとともに、各部門がテーマ別活動の計画を立案・実行します。委員会は四半期に1回以上開催しており、サステナビリティ戦略の立案・実行・目標に対する進捗管理・情報開示等を行い、四半期に1回以上取締役会へ報告・提言を行い、監督される体制となっています。また、サステナビリティに関する課題への取り組みの中で重要な案件については、取締役会で審議・承認を行うこととしております。
コーポレート・ガバナンス体制図については、「
(2)戦略
当社では、マテリアリティ(重要課題)について協議会メンバーと2021年2月から検討を行い、中期経営計画2025 (ver.2)と連動させて繰り返し検討し、取締役会における審議を経て、4つのマテリアリティ(重要課題)の特定を行いました。
当社のマテリアリティ
① 地球にポジティブな影響を与える事業活動
② 社会のインフラをシェアする
③ 人間尊重
④ 企業基盤の強化
これら4つのマテリアリティ(重要課題)に対し、サステナビリティ委員会にて、それぞれのテーマに基づいた取り組み状況について定期的に報告を行っております。
●環境に配慮した事業活動と設備投資
当社はレンタル・シェアリング事業の推進により社会全体の環境負荷低減に貢献可能であると考えます。資源の再利用・再資源化に取り組むと共に、地球環境の保全と生物多様性への配慮の重要性を認識し、持続可能な循環型社会の構築に貢献してまいります。
1.パレットレンタル
物流用パレットとは、工場・倉庫・コンテナ・トラックなどの中で、荷物を載せる荷役台のことです。パレットの上に載せてフォークリフトを活用することで、一度に多くの荷物を運ぶことができ、物流現場には不可欠なアイテムです。
パレットを使うには、購入して保有する、またはレンタルで借りるという2つの方法があります。
自社でパレットを保有して利用する場合、繁忙期の業務量に合わせて必要最大限の枚数を、パレットを利用する各企業がそれぞれ用意する必要があります。また、パレットに載せた荷物を遠方の輸送先へ運んだ後、パレット回収を行う車両を用意して輸送先まで行き、自社拠点まで戻さなければなりません。
多くの業界でパレットのシェアリングを推進することで、自社保有だけでは閑散期に発生してしまう休眠パレットや、輸送後に使い捨てられるパレットを削減し、資源を効率的に活用しています。
自社保有パレットからレンタルパレット活用に切り替えて輸送を行う場合、複数の会社がパレットをシェアすることにより、製造にかかる全体的な資源効率を向上させることができます。そして、パレットを遠方の輸送先へ運んだ場合でも、着地最寄りのuprデポへ返送すればよくなるため、パレット回収を行う車両の走行距離を削減することができます。
自社保有パレットからレンタルパレット活用に切り替えて輸送を行うと、以下の効果が期待できます。
①複数の会社がパレットをシェアすることで、製造にかかる全体的な資源効率を向上させることができます。
レンタルパレットの利用により、パレット製造時のCO2排出量が70.6%削減(注1)されます。
②パレットを遠方の輸送先へ運んでも、発地まで戻さずに着地最寄りのuprデポへ返送可能となるため、パレット回収を行う車両の走行距離の削減につながります。
自社パレット輸送からレンタルパレット輸送に切り替えた場合、74.7kg-CO2/枚年(注2)のCO2排出量削減につながります。
(注)1.株式会社運輸・物流研究室による調査。プラスチックパレット製造にかかるCO2排出量32.811kg-CO2/枚、木製1.696kg-CO2/枚にて算出。自社パレットはトラック1台分の空パレットを纏めて回収する前提。
2.株式会社運輸・物流研究室による調査。自社パレットはトラック1台分の空パレットを纏めて回収する前提。プラスチックパレット製造にかかるCO2排出量32.811kg-CO2/枚、木製1.696kg-CO2/枚にて算出。
2.再利用・再生素材レンタルパレット
出来るだけ長く使う(リデュース)、持続可能な資源を使う(リユース)、再利用する(リサイクル)、3つのRで循環型の事業に取り組んでいます。
(主な取り組み事項)
・木製パレットの修繕
・マテリアルリサイクル(破損パレットのプラスチックを再資源化)
・バイオマス由来パレットの開発
3.環境に配慮したデポ運営を目指して
当社は各地のお客様にレンタルパレットを迅速・効率的にご提供するため、全国各地にデポ(物流拠点)を設置し、持続可能な物流を推進する場所として環境負荷低減活動に取り組んでいます。
(主な取り組み事項)
・EVフォークリフトの活用
・構内全体にLED照明を導入
●サステナビリティ調達
当社は、お取引先様と長期的な信頼関係を構築することを基本方針とした「サステナビリティ調達方針」を定め、公正で健全な取引関係に努めるとともに、持続可能な循環型社会の構築に貢献してまいります。当方針のもと、当社の調達先(パレット製造者・デポなど)に対してアンケートを実施しております。
・サステナビリティ調達方針
1.法令遵守
関係する国内外での法令を遵守し社会規範を尊重します。
2.公正・公平な取引と選定
企業規模、国内外に関わらず、すべてのサプライヤーに対して、公正・公平な取引を行います。品質、納期、価格、社会的課題への配慮など総合的に評価し適正に選定します。
3.情報セキュリティの管理
調達活動を通じて取得した情報は適切に管理します。
4.持続可能な循環型社会構築への貢献
持続可能な調達活動にお取引先様と共に取り組み、環境に配慮した循環型社会の構築に貢献します。
●人的資本
当社は、人的資本強化のための主な取り組みとして、2021年8月期に人事部内に教育グループ(現:人材開発グループ)を新設し、人材育成についての各方針を制定、社員教育の仕組みを体系化(人材育成ハンドブック作成)を行いました。
1.人材育成方針
当社は求める人材像として、「情熱あふれ真摯にチャレンジする人材」を掲げています。会社がさらなる成長を遂げるためには、社員1人1人の成長が不可欠であり、社員全員が当事者意識を持ち主体的に取り組む組織を目指し、独自の教育体系を構築し、社員の成長を後押しする環境を整えています。
(育成体系図)
社内人材育成の課題に沿った研修を、計画的に実施しております。
2.社内環境整備方針
当社は一人ひとりが多様な個性・価値観を尊重し、革新性と柔軟性を持って高付加価企業の実現を目指し、わが社で働くすべての人達がワクワク・イキイキとし、会社を通じ自己実現できる環境を追求していきます。
3.健康経営の取り組み
代表取締役社長執行役員が健康推進責任者となり、人事部・社内から選ばれた健康経営推進プロジェクトチームを主体として、産業医・保険者と連携をしながら健康経営の推進を行ってまいります。
これらの取り組みから、当社は経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄2024」に選定されました。あわせて、「健康経営優良法人(大規模法人部門(ホワイト500))」にも2021年より4年連続で認定されました。
(注)人的資本に関する戦略について、当社においては具体的な取り組みは行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。従って、提出会社のものを記載しております。
(3)リスク管理
当社では、経営に支障をきたす恐れのある様々なリスクに対し適切な対応を行い、経営基盤の安定化を図るため「リスク管理委員会」を設置しており、環境への影響、自然災害、法令遵守、人的資本リスク等含め、リスク全般を対象として、重要な課題についてはリスク管理プログラムを策定し、その実施状況を年4回取締役会に報告しております。
また、サステナビリティに関しては、「
地球環境・物流クライシス・人的資本・ガバナンス等に関わるマテリアリティを設定の上、当社の活動が環境・社会に与える影響や事業への影響を踏まえた議論を外部専門家を交えて実施し、求められる取り組みを指標・目標化しております。「サステナビリティ委員会」においては、施策の実践と目標の達成状況・進捗の確認を行っております。
(4)指標及び目標
「
下記以外のマテリアリティに関しても、適切な指標の設定を行い、進捗を管理していきます。
○気候変動対応(地球環境にポジティブな影響を与える事業活動)
目指す姿:地球環境への負担低軽減となる事業活動
指標 |
目標(2030年8月期) |
実績(当連結会計年度) |
当社保有プラスチック製レンタルパレットのリサイクル率 |
100%維持 |
100%(64,963枚/64,963枚) ※汚れによるリサイクル不可品(634枚)を除く |
温室効果ガス排出量(CO2換算、Scope1および2) |
385t-CO2以下 (2023年度比30%削減) |
(2023年度)計 Scope1 Scope2 (注) |
(注)温室効果ガスの排出量について、当連結会計年度における実績は算出中です。2025年5月以降に当社ウェブページにて確定値の開示を予定しております。
○人的資本・多様性(人間尊重)
目指す姿:従業員1人1人が活躍し、豊かな生活を過ごせる環境を整える
指標 |
目標( |
実績(当連結会計年度) |
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(注)人的資本・多様性に関して、当社においては具体的な取り組みや関連指標のデータ管理は行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難であります。従って、上記に関する指標、目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
○事業活動を通したサステナビリティの価値提供(社会のインフラをシェアする)
目指す姿:持続可能な社会を実現するための製品・サービス・仕組みを提供することにより、社会課題の解決に貢献する
指標 |
目標(2030年8月期) |
実績(当連結会計年度) |
自社ブランドに関わる一次サプライヤーへのアンケートカバー率 |
100% |
96.8%(31件実施、30件回答) |
○企業基盤の強化
目指す姿:企業基盤強化と社会的責任の両立による、長期的な企業価値向上
指標 |
目標(2030年8月期) |
実績(当連結会計年度) |
重大な法令違反の件数 |
0件継続 |
0件 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。当社グループが認識していない、予見しがたい又は重要ではないと考えるリスク及び不確定要因も当社グループの事業及び業績に重要な影響を与える可能性があります。
(1)経済情勢について
当社グループの主たる事業である物流事業は、パレット等物流機器レンタル収益に依存する割合が高く、経済情勢により取引先がパレット等物流機器をレンタルから自社保有へ転換する傾向が強まると、返却等によりレンタル売上は減少します。返却により一時的な保管スペースを要するため保管料は増加します。また、レンタル用パレット等物流機器の需給バランスが崩れることで売上に対する減価償却費の割合が増加します。さらに木製・プラスチック製パレットや金属製の物流機器など多品種の物流機器を定期的に購入しているため、原油価格や原材料価格の高騰が続く局面では仕入価格が増加します。以上の要因により、売上原価が上昇することで、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、取引先のレンタル需要に合わせたパレットの仕入コントロールを行うとともに、保有レンタルパレット在庫の最適化を実施しております。
また、仕入価格が上昇する局面において、他社競合等の理由でレンタル価格や販売価格に転嫁が困難な場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業環境について
① 物流事業
パレット等物流機器レンタル事業で安定した収益を上げるためには、レンタル資産の調達やデポ(物流機器の貸出、返却を行うサービス拠点)への対応等、相当の設備投資が必要になるため、新規の参入は容易ではありません。当社グループはレンタルパレットを約510万枚保有しており、パレットプールシステムの提案等を通して顧客の輸送効率向上に貢献し、単なる価格競争に巻き込まれることなく、当該環境下でのシェア拡大を図ってまいります。しかしながら、今後当社グループの優位性が相対的に低下した場合や、さらなる競争激化による価格下落が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、スマートパレット®については、高性能のアクティブRFIDタグとリーダーにより、高い読取率を低コストで提供することで顧客のパレット等物流機器管理に貢献しておりますが、より小型で廉価なタグの開発や電池寿命の飛躍的な延びなど、技術の進歩により当社グループの商品が陳腐化した場合は、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
アシストスーツ事業においては、各社が試行錯誤し様々なアシストスーツを開発しております。黎明期のアシストスーツ市場でのシェア獲得のために、当社グループも軽量化とコストダウンを目的としたアシストスーツの開発に取り組んでおります。しかしながら、商品化のタイミングやさらなる技術の進歩により当社グループの商品が陳腐化した場合は、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
物流IoT事業については、追跡ソリューションが主な収益の柱となっておりますが、参入障壁が低く競合他社も相当数に上るため、当社グループの提供するソリューションが新しい技術やサービスの台頭により陳腐化した場合は、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
そのため、取引先基盤の拡大によるリスクの分散化を図ると共に、研究開発等により取引先ニーズへの対応を進め、コスト削減と提供サービスの拡大を図ります。
② コネクティッド事業
ICT事業については、遠隔監視ソリューションが主な収益の柱となっておりますが、参入障壁が低く競合他社も相当数に上るため、当社グループの提供するソリューションが新しい技術やサービスの台頭により陳腐化した場合は、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
ビークルソリューションについては、カーシェアリングで提供する車載器等の端末が、新しい技術やサービスの台頭により陳腐化した場合は、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
そのため、取引先基盤の拡大によるリスクの分散化を図ると共に、研究開発等により取引先ニーズへの対応を進め、コスト削減と提供サービスの拡大を図ります。
(3)仕入先への依存について
当社グループが扱っているレンタル商品のうち、当連結会計年度に仕入れたプラスチックパレットについては三甲株式会社(子会社含む)及び岐阜プラスチック工業株式会社が製造した商品に99%以上依存しております。そのような特定の仕入先とは取引開始以来、良好な関係を継続しており、今後も仕入取引を継続していく方針でありますが、何らかの要因により、取引が継続できなくなった場合には、当社グループの商品供給体制に重大な支障が発生し、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)海外展開について
当社グループは、主にアセアン地域へ海外展開しており、アセアン地域内及び日本とアセアン地域での物流機器レンタル・販売を強化する計画であります。
このため、今後アセアン地域及び当社グループの現地法人が所在する地域での経済情勢・事業環境の悪化、予期せぬ法律・規則等の変更、治安の悪化やテロ活動の活発化、商習慣の相違、自然災害や感染症の発生等のリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、現地法人との連携を密にして現地情報を収集しております。
(5)新規事業について
当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため物流と親和性のある新規事業に取り組んでいく考えであります。しかしながら新規事業は不確定要素が多く、計画が想定どおり進捗しない可能性があり、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、新規事業の将来性を見極めながら、経営資源の追加的な投入を検討してまいります。
(6)製品欠陥について
当社グループにおいては、全ての製品について欠陥がなく、将来において顧客からの製品の欠陥に起因する損害賠償請求等が発生しないという保証はありません。万が一損害賠償請求等があった場合は、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、信頼のおけるメーカーの製品を仕入れ、また製品についてメーカーと十分な精査を行うようにしております。
(7)委託先について
当社グループの物流事業では、当社グループが保有するレンタル資産をデポで管理しており、運営は第三者へ委託しております。委託先の事情によりデポの管理運営が不可能になった場合や、契約更新により管理料の交渉が想定どおりに行われない場合は、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、委託先との良好な関係を維持すると同時に、情報を収集することにより代替先の検討を行うようにしております。
(8)資金調達について
当社グループにおいては金融機関からの借入金により運転資金及び設備投資資金を調達しております。借入金の一部については固定金利での調達により金利変動リスク軽減の施策を講じておりますが、金融市況及び景気動向の急激な変動等により、当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(9)固定資産の減損に関するリスク
当社グループが保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。同会計基準では、減損の兆候が認められる資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に、帳簿価額を回収可能価額(当該資産又は資産グループから得られる割引後将来キャッシュ・フローの総額もしくは当該資産又は資産グループの正味売却価額のいずれか高い方の金額)まで減額し、減額した当該金額を減損損失として計上することとなります。
また当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す資産又は資産グループの最小単位として、主として事業単位を基本単位としてグルーピングを行っております。
このため、当該資産又は資産グループが属する事業の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、事業別に状況を把握することにより、早期の把握と対応を検討できる体制としております。
(10)自然災害等について
当社グループは、国内外において営業所、デポなどの設備を利用し事業を行っております。これらの設備が、地震、津波、洪水、台風、火災等の自然災害又は暴動等の偶発的事故によって毀損し、事業が中断する可能性があります。また、利用している設備が被害を受けた場合、事業再開の遅れにより、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループが展開する全ての地域において、役員及び従業員の死亡や負傷による欠員があった場合、一部又は全部の業務が中断し、事業活動が継続できなくなる可能性があります。
その他、災害等により当社グループの主要な取引先に重大な被害が発生した場合には、取引先の営業・生産活動の停滞が当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
そのため、デポとの良好な関係を維持し、情報の提供及び収集を行っております。また、安否確認システムを導入し、災害発生時には社員や社員の家族の安否ができる体制をとっております。
(11)情報セキュリティについて
当社グループは、事業全般においてコンピュータシステムを活用し情報資産の管理を行うとともに業務の効率化を図っております。情報セキュリティ管理規程及びシステム管理要領を定め、情報セキュリティ対策の強化、バックアップ体制の構築等の危機管理を講じておりますが、予期せぬ不正アクセス、コンピュータウイルス侵入等による情報漏えいや、自然災害、事故等によりシステムが機能しなくなった場合、提供するサービスの低下を招くことにより、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
これらの影響を極小化するために、当社グループは、東日本と西日本の2拠点のデータセンターにサーバーを配置することにより分散化を図り、定期的にサーバーデータのバックアップを取得すると共に、現状のシステムの稼働状況について適時確認することで、システムの復旧が早期になされる体制を構築しております。
(12)人材の確保・育成
当社グループは、今後の業容の拡大に伴い、継続的な人材の確保が必要となるため、新卒採用活動のほか、中途採用活動も積極的に行い、優秀な人材を適切に確保するとともに、人材の育成に努めてまいります。しかしながら、人材の確保、育成が計画どおり進まなかった場合には、収益の減少や費用の増加等により、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため積極的な採用活動を行っていくとともに、人事部人材開発グループにおいて、社員教育の仕組みを体系化することで、社員の質の向上を図ります。
(13)感染症等に関するリスクについて
新たな感染症の拡大等により、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。具体的には、景気減速による既存取引先の保有在庫の減少によるレンタル事業への影響、対面営業が制限されることで新規顧客の獲得が鈍化するなど、売上が減少する可能性があること、当社従業員が感染することで長期の職場離脱を余儀なくされることなどが挙げられます。そのため、当社グループでは従業員の安全を最優先とし、厚生労働省や各都道府県及び各自治体等の指針に準ずるとともに、出社時の検温や消毒の実施、時差出勤及び在宅勤務を推奨するなどの対策を講ずることで感染防止に努め、感染リスクの極小化を図ってまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末において、資産合計は、現金及び預金、レンタル資産、及び無形固定資産の増加やその他流動資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ571百万円増加し、21,470百万円となりました。
負債合計は、長期借入金及び役員退職慰労引当金の増加や契約負債及び未払法人税等の減少等により、前連結会計年度末に比べ52百万円増加し、12,444百万円となりました。
純資産合計は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ519百万円増加し、9,025百万円となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、個人消費が低迷し回復に時間を要しているものの緩やかな持ち直しの動きがみられました。先行きについては、各種政策の効果もあり緩やかな回復が続くことが期待される中で、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等が経済環境に与える影響には十分注意する必要があり、依然として不透明な状況が続くものと思われます。
当社グループの当連結会計年度が2年目となる中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)では、「豊かな社会インフラの構築をDXで実現し、循環型社会に貢献する」という基本方針のもと、パレットというハードのレンタルにとどまらず、生産工場から消費者へとモノを運ぶうえで、物流の川上から川下までのあらゆる課題解決に取り組むソリューション提案企業を目指し、企業価値の向上を図ることとしております。
物流業界においては、トラックドライバーの時間外労働を制限する働き方改革関連法の適用が2024年4月1日から開始となりました。何も対策を講じなければ2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力不足の可能性があるとも言われている「物流の2024年問題」の対応策として、政府は2023年6月に「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」より商慣行の見直し、物流の効率化、荷主・消費者の行動変容について抜本的・総合的な対策をまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」を閣議決定いたしました。その後、10月に2030年度の輸送力不足の解消に向け可能な施策の前倒しを図るため「物流革新緊急パッケージ」を策定し、トラックGメンによる荷主・元請事業者の監視体制の強化を行い、2024年1月に初の勧告2件の実施、2月には2030年度に向けた政府の中長期計画を発表、5月には物流の持続的成長を図るため「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」が公布されるなど、従来にはない積極的な姿勢で「2024年問題」の対策を着々と進めております。企業の「2024年問題」への対応にはバラつきがみられますが、レンタル方式によるパレット輸送は、荷待ちや荷役時間の短縮に有効な手段であり、パレットの回収業務の負担軽減及び流失防止の仕組みもあることから高い関心を集めており、輸送用レンタルパレットの需要は順調に推移しました。保管用レンタルパレットについては、円安の影響による輸入価格の上昇や物価上昇による消費者の節約志向などの理由により貸出先倉庫の荷動きが停滞し、在庫量の減少傾向が続くなど需要は低迷しました。また、パレット保有枚数の増加に伴い、減価償却費に加え保管費用も増加しました。さらに、人件費やエネルギーコストの上昇に伴い、デポ運営費用や運送費用が増加したため、これらの費用の増加分を吸収するためにレンタル単価への転嫁を開始しました。販管費については、2023年9月よりベースアップを実施し、人件費が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は15,463百万円(前連結会計年度比4.2%増)、営業利益は578百万円(同30.3%減)、経常利益は878百万円(同26.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は597百万円(同19.7%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(物流事業)
輸送力不足により運べなくなるリスクを回避するためにパレット輸送は有効な手段であり、パレットの回収業務の負担軽減及び流出防止の仕組みが充実しているレンタル方式によるパレット輸送への関心は高まっています。企業の「2024年問題」に対する取り組みにはバラつきがみられますが、輸送用レンタルパレットにおいて、当社のレンタルパレットを活用した家庭紙の共同利用・共同回収は、取り扱いが増加し順調に推移しました。また、パレット輸送が進んでいない業界へのアプローチも進捗しております。5月には日本パレットレンタル株式会社との共通のサービス基盤である「X-Rental®オープンプラットフォーム」(クロスレンタルオープンプラットフォーム、略称「XROP」※読み:クロップ)の本格的な共同運用を開始し、パレット輸送化の拡大推進を図っております。保管用レンタルパレットについては、港湾地区の冷蔵・冷凍倉庫向けを中心に円安の影響による輸入価格の上昇を主要因として輸入量が減少したこともあり、在庫水準が前年同期を下回るようになり、需要は低迷しました。販売は企業の物流拠点投資も継続しており好調に推移しました。また、海外事業も好調に推移しました。物流IoT事業は、医薬品等の高付加価値商品輸送(GDP)が貢献しました。アシストスーツは、代理店オリジナル品の大口受注をはじめサポートジャケットシリーズ新商品が大手量販店で販売が開始されました。
以上の結果、物流事業では売上高14,361百万円(前連結会計年度比5.0%増)、セグメント利益2,075百万円(同12.9%減)となりました。
(コネクティッド事業)
ICTにおいては、駐車場遠隔監視ソリューションが順調に推移しました。DXタグ®は商用運用を開始し、牛の発情・体調管理で実証実験を進めるなか徐々に受注も増加しているものの、当連結会計年度においては当初の計画を大幅に下回りました。ビークルソリューションは、レンタカーやカーシェアリングの需要が高まっており、車載器販売を中心に好調に推移しました。また、つくば市での自主事業についても、会員の増加傾向が続いております。
以上の結果、コネクティッド事業では売上高1,101百万円(前連結会計年度比4.2%減)、セグメント損失179百万円(前連結会計年度はセグメント損失165百万円)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ296百万円増加し、当連結会計年度末には3,470百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,549百万円(前連結会計年度は3,386百万円の収入)となりました。収入の主な要因としては減価償却費2,838百万円、税金等調整前当期純利益786百万円、及び未払又は未収消費税等の増加107百万円等、支出の主な要因としては法人税等の支払額386百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,522百万円(前連結会計年度は3,630百万円の支出)となりました。支出の主な要因としては有形固定資産の取得による支出3,094百万円及び無形固定資産の取得による支出404百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は266百万円(前連結会計年度は252百万円の収入)となりました。支出の主な要因としては長期借入金の返済による支出1,625百万円等、収入の主な要因としては長期借入れによる収入2,000百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.仕入実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当連結会計年度の仕入実績を記載いたします。セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日) |
|
金額(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
物流事業 |
6,818,347 |
101.0 |
コネクティッド事業 |
905,988 |
92.8 |
合計 |
7,724,335 |
100.0 |
(注)レンタル資産(固定資産計上)及び販売用器具の購入を記載し、売上原価に計上されている運送費等は除いて記載しているため、財務会計上の売上原価とは一致いたしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日) |
|
金額(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
物流事業 |
14,361,299 |
105.0 |
コネクティッド事業 |
1,101,806 |
95.8 |
合計 |
15,463,106 |
104.2 |
(注)1.セグメント間の内部売上高については相殺消去しております。
2.主たる販売先に関しましては、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの経営成績等
1)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して629百万円増加し15,463百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。これは中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)の2024年8月期売上高目標15,500百万円に対し0.2%減となります。
主な要因は、パレットレンタル事業において、輸送用レンタルパレットの需要は、家庭紙メーカーでの共同利用・共同回収の取り扱いが拡大したこと等により、堅調に推移したものの、港湾地区の冷蔵・冷凍倉庫向けを中心に円安の影響による輸入価格の上昇を主要因として輸入量が減少したこともあり、在庫水準が前年同期を下回るようになり、保管用レンタルパレットの需要が想定を下回ったことによるものであります。
(売上原価・売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して602百万円増加し10,635百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。主な要因は商品仕入、サービス仕入、レンタルパレットの減価償却費用、及び運送原価等が増加したことによるものであります。
その結果、売上総利益は、前連結会計年度と比較して27百万円増加し4,827百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して278百万円増加し4,249百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。これは人件費及びDX化推進に伴う経費増加等によるものであります。
その結果、営業利益は、前連結会計年度と比較して251百万円減少し578百万円(前連結会計年度比30.3%減)となりました。
(営業外損益・経常利益)
当連結会計年度における営業外損益は、受取補償金が減少したこと等により前連結会計年度と比べて62百万円減少しました。
その結果、経常利益は、前連結会計年度と比較して313百万円減少し878百万円(前連結会計年度比26.3%減)となりました。これは中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)の2024年8月期経常利益目標1,250百万円に対し29.7%減となります。また、売上高経常利益率は5.7%となりました。
(特別損益・親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損益は、減損損失による損失等により前連結会計年度と比較して24百万円減少しましたが、また法人税等も減少しました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、597百万円(前連結会計年度比19.7%減)となりました。
2)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は6,149百万円となり、前連結会計年度末に比べて117百万円増加しました。これは現金及び預金が296百万円増加したこと、及び売掛金が108百万円増加した一方で、その他流動資産が276百万円減少したことによるものであります。固定資産は15,320百万円となり、前連結会計年度末に比べて454百万円増加いたしました。これはレンタル資産が361百万円増加したこと、及び無形固定資産が127百万円増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は21,470百万円となり、前連結会計年度末に比べ571百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は4,203百万円となり、前連結会計年度末に比べて469百万円減少しました。これは契約負債が247百万円減少したこと、未払法人税等が132百万円減少したこと、及び買掛金が124百万円減少したことによるものであります。固定負債は8,241百万円となり、前連結会計年度末に比べて521百万円増加しました。これは長期借入金が397百万円増加したこと、退職給付に係る負債が76百万円増加したこと、及び役員退職慰労引当金が45百万円増加したことによるものであります。
この結果負債合計は12,444百万円となり、前連結会計年度末に比べて52百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は9,025百万円となり、前連結会計年度末に比べて519百万円増加しました。これは利益剰余金が490百万円増加したことによるものであります。
3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
c.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、物流事業におけるレンタル資産(パレット等物流機器)の取得に係る設備投資の資金であります。資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入による資金調達等にて対応しております。
d.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
我が国の経済は、景気は緩やかに回復していくことが見込まれます。一方で、物価上昇や金利上昇等、外部環境については、不透明な状況が続くものと思われます。
また、当社グループは、「中期経営計画2025 (ver.2)」(2023年8月期から2025年8月期)の最終年度を迎え、引き続き2024年問題への対応を追い風にパレット輸送の仕組みを提案してまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、次のとおりであります。
(物流事業)
物流業界につきましては、物流の「2024年問題」となる働き方改革関連法適用後の初年度末を2025年3月末に控え、トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備に有効なパレット輸送への関心は、高い状態が続くものと想定しております。
このような事業環境のもと物流事業においては、荷物の手積み手下ろしをしている業界を中心に、引き続きレンタル方式によるパレット輸送の提案を通じて輸送用レンタルパレットの拡大に向けて取り組んでまいります。一方で保管用レンタルパレットについては、物価上昇等により個人消費の回復に時間がかかっていることなどから、引き続き港湾地区の冷蔵・冷凍倉庫向けを中心に在庫水準が前年を下回る傾向は続き、需要は横ばいに推移するものとみております。レンタルパレットの稼働率上昇を目指し、効率的なレンタルパレットの調達及びオペレーション管理を引き続き強化すること、人件費やエネルギーコストの上昇に伴うレンタル関連費用の増加分を吸収するためにレンタル単価への転嫁を推進することにより、粗利益率の改善を図ってまいります。 その他、アクティブRFIDタグを搭載した「スマートパレット®」をはじめ、スマートフォンのカメラを活用した「パレットファインダー®」「UスマホKENPIN®」等の付加価値の高い物流IoTソリューションの提供を進めてまいります。アシストスーツについては、新商品の「サポートジャケットBb+Airワークベルト」「サポートジャケットBb+FITⅡ」をはじめとする新商品をタイムリーに市場へ投入することで商品の認知度を上げると共に販売代理店との協業など販売チャネルの拡大を図ってまいります。
(コネクティッド事業)
コネクティッド事業においては、ICTは工場設備や駐車場等の遠隔監視ソリューションの拡販を図ると共に、DXタグ®では牛の発情・体調管理の新アプリ提供開始により、実証実験中の案件の受注に加え、新規案件の受注にも繋げてまいります。また、物品管理案件の営業を強化し売上の拡大に取り組んでまいります。ビークルソリューションは需要が高まるカーシェアリング事業者への機器販売をはじめとするソリューション提供及び自主事業の拡大に取り組んでまいります。
該当事項はありません。
当社グループは、様々な顧客ニーズに迅速に応えるため先端開発部を設置しております。先端開発部は、自社開発及び研究開発受託企業及び製造受託企業を積極的に活用することで、効率的な研究開発体制を構築しております。主な研究開発活動は、物流事業では、スマートフォンのカメラ機能を活用した新ソリューションの導入に向けた各種開発、アシストスーツの開発等、コネクティッド事業では新型車載器の開発、新サービスの導入に向けた各種開発等を行っております。
なお、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当連結会計年度の研究開発費の総額は