第一部 【証券情報】

 

第1 【募集要項】

 

1 【新規発行社債(短期社債を除く。)】

銘柄

東急株式会社第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)

記名・無記名の別

券面総額又は振替社債の総額(円)

金10,000百万円

各社債の金額(円)

金100万円

発行価額の総額(円)

金10,000百万円

発行価格(円)

額面100円につき金100円

利率(%)

年1.01%

利払日

毎年6月16日及び12月16日

利息支払の方法

1.利息支払の方法及び期限

(1) 本社債の利息は、払込期日の翌日から償還期日までこれをつけ、2025年6月16日を第1回の支払期日としてその日までの分を支払い、その後毎年6月及び12月の各16日にその日までの前半か年分を支払う。

(2) 利息を支払うべき日が銀行休業日にあたるときは、その支払は前銀行営業日にこれを繰り上げる。

(3) 半か年に満たない期間につき利息を支払うときは、その半か年の日割をもってこれを計算する。

(4) 償還期日後は利息をつけない。

2.利息の支払場所

別記((注)「15.元利金の支払」)記載のとおり。

償還期限

2029年12月14日

償還の方法

1.償還金額

額面100円につき金100円

2.償還の方法及び期限

(1) 本社債の元金は、2029年12月14日にその総額を償還する。

(2) 償還すべき日が銀行休業日にあたるときは、その支払は前銀行営業日にこれを繰り上げる。

(3) 本社債の買入消却は、払込期日の翌日以降、別記「振替機関」欄記載の振替機関が別途定める場合を除き、いつでもこれを行うことができる。

3.償還元金の支払場所

別記((注)「15.元利金の支払」)記載のとおり。

募集の方法

一般募集

申込証拠金(円)

額面100円につき金100円とし、払込期日に払込金に振替充当する。申込証拠金には利息をつけない。

申込期間

2024年12月2日から2024年12月13日まで

申込取扱場所

別項引受金融商品取引業者の本店及び国内各支店

払込期日

2024年12月16日

振替機関

株式会社証券保管振替機構

東京都中央区日本橋兜町7番1号

担保

本社債には担保及び保証は付されておらず、また本社債のために特に留保されている資産はない。

 

 

財務上の特約(担保提供制限)

1.(1) 当社は、本社債の未償還残高が存する限り、本社債発行後、当社が国内で既に発行した、または国内で今後発行する他の社債のために担保権を設定する場合には、本社債のためにも担保付社債信託法に基づき、同順位の担保権を設定する。

(2) 前号に基づき設定した担保権が本社債を担保するに十分でない場合、当社は本社債のために担保付社債信託法に基づき社債管理者が適当と認める担保権を設定する。

2.(1) 当社は、本社債の未償還残高が存する限り、本社債発行後、当社が国内で既に発行した、または国内で今後発行する他の社債のために当社の特定の資産を留保(以下留保資産提供という。)する場合には、本社債のためにも社債管理者が適当と認める留保資産提供を行う。この場合、当社は社債管理者との間に、その旨の特約を締結する。

(2) 前号の場合、当社は社債管理者との間に次の①乃至⑦についても特約する。

① 留保資産のうえに本社債の社債権者の利益を害すべき抵当権、質権その他の権利またはその設定の予約等が存在しないことを当社が保証する旨。

② 当社は社債管理者の書面による承諾なしに留保資産を他に譲渡もしくは貸与しない旨。

③ 当社は原因の如何にかかわらず留保資産の価額の総額が著しく減少したときは、直ちに書面により社債管理者に通知する旨。

④ 当社は社債管理者が必要と認め請求したときは、直ちに社債管理者の指定する資産を留保資産に追加する旨。

⑤ 当社は本社債の未償還残高の減少またはやむを得ない事情がある場合には、留保資産の一部または全部につき社債管理者が適当と認める他の資産と交換し、または、留保資産から除外することができる旨。

⑥ 当社は社債管理者が本社債権保全のために必要と認め請求したときは、本社債のために留保資産のうえに担保付社債信託法に基づき担保権を設定する旨。

⑦ 本号⑥の場合、留保資産のうえに担保権を設定できないときは、当社は本社債のために担保付社債信託法に基づき社債管理者が適当と認める担保権を設定する旨。

(3) 本項第(1)号の場合、社債管理者は、社債権者保護のために必要と認められる措置をとることを当社に請求することができる。

3.担保提供制限及び留保資産提供制限の例外

当社が、合併または会社法第2条第29号に定める吸収分割により担保権の設定されている、または留保資産提供が行われている、吸収合併消滅会社または吸収分割会社の資産を承継する場合は、本欄第1項及び第2項は適用されない。

財務上の特約(その他の条項)

1.担保付社債への切換

(1) 当社は、社債管理者と協議のうえ、いつでも本社債のために担保付社債信託法に基づき、担保権を設定することができる。

(2) 当社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項または前号により本社債のために担保権を設定する場合は、当社は、直ちに登記その他必要な手続を完了し、かつ、その旨を担保付社債信託法第41条第4項の規定に準じて公告する。

2.特定資産の留保

(1) 当社は、社債管理者と協議のうえ、いつでも本社債のために留保資産提供を行うことができる。

(2) 前号の場合、別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第2項の規定を準用する。

 

(注)

1.信用格付業者から提供され、もしくは閲覧に供された信用格付

(1) 株式会社日本格付研究所(以下JCRという。)

本社債について、当社はJCRからAA-(ダブルAマイナス)の信用格付を2024年11月29日付で取得している。

JCRの信用格付は、格付対象となる債務について約定どおり履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。

 

JCRの信用格付は、債務履行の確実性の程度に関してのJCRの現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性の程度を完全に表示しているものではない。また、JCRの信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するものではない。JCRの信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外の事項は含まれない。

JCRの信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。また、JCRの信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCRが格付対象の発行体及び正確で信頼すべき情報源から入手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。

本社債の申込期間中に本社債に関してJCRが公表する情報へのリンク先は、JCRのホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「ニュースリリース」右端「一覧を見る」をクリックして表示される「ニュースリリース」(https://www.jcr.co.jp/release/)に掲載されている。なお、システム障害等何らかの事情により情報を入手することができない可能性がある。その場合の連絡先は以下のとおり。

JCR:電話番号03-3544-7013

(2) 株式会社格付投資情報センター(以下R&Iという。)

本社債について、当社はR&IからA+(シングルAプラス)の信用格付を2024年11月29日付で取得している。

R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定どおりに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見である。R&Iは信用格付によって、個々の債務等の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見を表明するものではない。R&Iの信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の表明ではない。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、またはその他の意見についての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、いかなる保証もしていない。

R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じているが、これらの情報の正確性等について独自に検証しているわけではない。R&Iは、必要と判断した場合には、信用格付を変更することがある。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格付を取り下げることがある。

利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付または保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがある。

一般に投資にあたって信用格付に過度に依存することが金融システムの混乱を引き起こす要因となり得ることが知られている。

本社債の申込期間中に本社債に関してR&Iが公表する情報へのリンク先は、R&Iのホームページ(https://www.r-i.co.jp/rating/index.html)の「格付アクション・コメント」及び同コーナー右下の「一覧はこちら」をクリックして表示されるリポート検索画面に掲載されている。なお、システム障害等何らかの事情により情報を入手することができない可能性がある。その場合の連絡先は以下のとおり。

R&I:電話番号03-6273-7471

2.社債等振替法の適用

本社債は、社債、株式等の振替に関する法律(以下社債等振替法という。)の規定の適用を受けるものとし、社債等振替法第67条第1項の規定に基づき本社債の社債券は発行しない。

3.期限の利益喪失に関する特約

当社は、次の各場合に該当したときは、直ちに本社債について期限の利益を喪失する。ただし、別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項または別記「財務上の特約(その他の条項)」欄第1項第(1)号により当社が本社債のために担保付社債信託法に基づき社債管理者が適当と認める担保権を設定したときには、本項第(2)号または第(3)号に該当しても期限の利益を失わない。当社は、本社債について期限の利益を喪失した場合はその旨を(注)11に定める方法により公告するものとする。

(1) 当社が別記「利息支払の方法」欄第1項または別記「償還の方法」欄第2項の規定に違背したとき。

(2) 当社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項の規定に違背したとき。

(3) 当社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第2項の規定に違背したとき。

(4) 当社が(注)6、(注)7第(2)号及び第(3)号または(注)8の規定に違背し、社債管理者の指定する期間内にその履行または補正をしないとき。

(5) 当社が本社債以外の社債について期限の利益を喪失し、または期限が到来してもその弁済をすることができないとき。

(6) 当社が社債を除く借入金債務について期限の利益を喪失したとき、もしくは当社以外の社債またはその他の借入金債務に対して当社が行った保証債務について履行義務が発生したにもかかわらず、その履行をすることができないとき。ただし、当該債務の合計額(邦貨換算後)が10億円を超えない場合は、この限りではない。

(7) 当社が、破産手続開始、民事再生手続開始もしくは会社更生手続開始の申立てをし、または取締役会において解散(合併の場合を除く。)の議案を株主総会に提出する旨の決議を行ったとき。

(8) 当社が、破産手続開始、民事再生手続開始もしくは会社更生手続開始の決定、または特別清算開始の命令を受けたとき。

(9) 当社がその事業経営に不可欠な資産に対し差押えもしくは競売(公売を含む。)の申立てを受け、または滞納処分を受ける等当社の信用を著しく害損する事実が生じ、社債管理者が本社債の存続を不適当であると認めたとき。

 

4.担保提供状況

(1) 当社が2024年3月末日に担保提供(当社の資産に担保権を設定する場合、当社の特定の資産につき担保権設定の予約をする場合及び当社の特定の資産につき特定の債務以外の債務の担保に供しない旨を約する場合をいう。以下担保提供という。)を行っている国内債務の現存額及び担保物は、(注)16記載の通りである。

(2) 当社は、2024年3月末日において前号のほかに担保提供を行っている国内債務が一切存在しないことを保証する。

(3) 当社は、社債管理者が必要があると認め請求したときは、2024年3月末日の翌日以降、本社債の払込期日の前日までに担保提供を行った国内債務の現存額及び担保物を書面により社債管理者に通知する。

5.担保提供制限に係る特約の解除

(1) 当社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項または別記「財務上の特約(その他の条項)」欄第1項第(1)号により本社債のために担保権を設定した場合で、社債管理者が承認したときには、以後、別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄、(注)4及び(注)7第(2)号は適用されない。

(2) 当社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第2項または別記「財務上の特約(その他の条項)」欄第2項により本社債のために留保資産提供を行った場合、以後、別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第2項は適用されない。

6.社債管理者に対する定期報告

(1) 当社は、随時社債管理者にその事業の概況を報告し、また、毎事業年度の決算、剰余金の配当(会社法第454条第5項に定める中間配当を含む。)については書面をもって社債管理者にこれを通知する。当社が、会社法第441条第1項の定めに従い一定の日において臨時決算を行った場合も同様とする。

(2) 当社は、金融商品取引法に基づき作成する有価証券報告書及びその添付書類の写を当該事業年度終了後3か月以内に、半期報告書の写を当該各期間経過後45日以内に社債管理者に提出する。金融商品取引法第24条の4の2に定める確認書及び金融商品取引法第24条の4の4に定める内部統制報告書についても上記各書類の取扱いに準ずる。また、当社が臨時報告書または訂正報告書を財務局長等に提出した場合には遅滞なくこれを社債管理者に提出する。

(3) 当社は、前号に定める報告書及び確認書について、金融商品取引法第27条の30の3に基づき電子開示手続を行う場合には、電子開示手続を行った旨を社債管理者へ通知することにより、前2号に規定する書面の提出を省略することができるものとする。

7.社債管理者に対する通知

(1) 当社は、本社債発行後、社債原簿に記載すべき事由が生じたとき並びに変更が生じたときは、遅滞なく社債原簿にその旨の記載を行い、書面によりこれを社債管理者に通知する。

(2) 当社は、本社債発行後、当社が国内で既に発行した、または国内で今後発行する他の社債のために担保提供を行う場合には、あらかじめ書面によりその旨並びにその事由、社債の内容及び担保物その他必要な事項を社債管理者に通知する。

(3) 当社は、次の各場合には、あらかじめ書面により社債管理者に通知する。

① 事業経営に不可欠な資産を譲渡または貸与しようとするとき。

② 事業の全部もしくは重要な一部を休止もしくは廃止しようとするとき。

③ 資本金または準備金の額の減少、組織変更、合併、会社分割、株式交換もしくは株式移転(いずれも会社法において定義され、または定められるものをいう。)をしようとするとき。

8.社債管理者の調査権限

(1) 社債管理者は、管理委託契約証書の定めに従い社債管理者の権限を行使し、または義務を履行するために必要であると認めたときは、当社並びに当社の連結子会社及び持分法適用会社の事業、経理、帳簿書類等に関する報告書の提出を請求し、または自らこれらにつき調査することができる。

(2) 前号の場合で、社債管理者が当社並びに当社の連結子会社及び持分法適用会社の調査を行うときは、当社は、社債権者の利益保護に必要かつ合理的な範囲内でこれに協力する。

9.社債権者の異議手続における社債管理者の権限

社債管理者は、会社法第740条第2項本文の規定にかかわらず、同条第1項に定める異議の申立てに関し、社債権者集会の決議によらずに社債権者のために異議を述べることは行わない。

10.社債管理者の辞任

社債管理者は、社債権者と社債管理者との間で利益が相反する場合(利益が相反するおそれがある場合を含む。)その他正当な事由があるときは、社債管理者の事務を承継する者を定めて辞任することができる。

11.社債権者に通知する場合の公告の方法

本社債に関し社債権者に対し公告を行う場合は、法令または管理委託契約証書に別段の定めがあるときを除き、当社定款所定の電子公告によりこれを行う。ただし、電子公告によることができない事故その他のやむを得ない事由が生じた場合は、当社定款所定の新聞紙並びに東京都及び大阪市において発行される各1種以上の新聞紙によりこれを行う。また、社債管理者が公告を行う場合は、法令所定の方法によるほか、社債管理者の定款所定の公告または社債管理者が社債権者のために必要と認める場合には東京都及び大阪市において発行される各1種以上の新聞紙に掲載する方法によりこれを行う。ただし、重複するものがあるときは、これを省略することができる。

12.社債要項の公示

当社は、その本店に本要項及び本社債に係る管理委託契約証書の謄本を据え置き、その営業時間中、一般の閲覧に供するものとする。

 

13.社債権者集会に関する事項

(1) 本社債の社債権者集会は、当社または社債管理者がこれを招集するものとし、社債権者集会の日の3週間前までに社債権者集会を招集する旨及び会社法第719条各号所定の事項を(注)11に定める方法により公告する。

(2) 本社債の社債権者集会は、東京都においてこれを行う。

(3) 本社債の総額(償還済みの額を除く。また、当社が有する本社債の金額の合計額は算入しない。)の10分の1以上にあたる本社債を有する社債権者は、本社債に関する社債等振替法第86条第3項に定める書面を社債管理者に提示したうえ、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を当社または社債管理者に提出して社債権者集会の招集を請求することができる。

(4) 本社債及び本社債と同一の種類(会社法の定めるところによる。)の社債の社債権者集会は、一つの集会として開催される。前3号の規定は、本号の社債権者集会について準用する。

14.発行代理人及び支払代理人

株式会社三井住友銀行

15.元利金の支払

本社債に係る元利金は、社債等振替法及び別記「振替機関」欄記載の振替機関の業務規程その他の規則に従って支払われる。

16.担保提供状況(2024年3月末日現在)

(1) 担保に供している資産

 

(単位)百万円

種類

金額

投資有価証券

12,479

関係会社株式

466

合計

12,946

 

(2) 担保設定状況

 

(単位)百万円

種類

金額

短期借入金

200

長期借入金

334,814

合計

335,014

 

 

 

2 【社債の引受け及び社債管理の委託】

(1) 【社債の引受け】

引受人の氏名又は名称

住所

引受金額

(百万円)

引受けの条件

みずほ証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目5番1号

2,400

1.引受人は、本社債の全額につき、共同して買取引受を行う。

2.本社債の引受手数料は額面100円につき金47.5銭とする。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目9番2号

1,900

大和証券株式会社

東京都千代田区丸の内一丁目9番1号

1,500

SMBC日興証券株式会社

東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

1,500

野村證券株式会社

東京都中央区日本橋一丁目13番1号

1,500

東海東京証券株式会社

名古屋市中村区名駅四丁目7番1号

400

岡三証券株式会社

東京都中央区日本橋室町二丁目2番1号

400

株式会社SBI証券

東京都港区六本木一丁目6番1号

400

10,000

 

 

(2) 【社債管理の委託】

社債管理者の名称

住所

委託の条件

株式会社三井住友銀行

東京都千代田区丸の内一丁目1番2号

1.社債管理者は、本社債の管理を受託する。

2.本社債の管理手数料については、社債管理者に、期中において年間額面100円につき金1銭を支払うこととしている。

 

 

3 【新規発行による手取金の使途】

(1) 【新規発行による手取金の額】

払込金額の総額(百万円)

発行諸費用の概算額(百万円)

差引手取概算額(百万円)

10,000

55

9,945

 

 

(2) 【手取金の使途】

上記差引手取概算額9,945百万円は、2027年12月末までに、全額を「クリーンな輸送(新型車両の導入等)」及び「気候変動対応(鉄道事業に関する自然災害対策)」に要した新規支出または既存支出のリファイナンスに充当する予定であります。

 

第2 【売出要項】

 

該当事項はありません。

 

 

【募集又は売出しに関する特別記載事項】

 

本社債の発行について

当社は、社会課題と環境課題の解決を通して皆さまと共に「美しい生活環境の創造」を実現させていくことを目的に本社債「個人向けグリーンボンド」を発行いたします。

 

サステナビリティファイナンスとしての適格性について

当社は、「グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2021」(注1)、「ソーシャルボンド原則(Social Bond Principles)2023」(注2)、「サステナビリティボンドガイドライン(Sustainability Bond Guidelines)2021」(注3)、「グリーンボンドガイドライン2022年版」(注4)、「ソーシャルボンドガイドライン2021年版」(注5)、「グリーンローン原則(Green Loan Principles)2023」(注6)、「ソーシャルローン原則(Social Loan Principles)2023」(注7)及び「グリーンローンガイドライン2022年版」(注8)に則したサステナビリティファイナンス・フレームワークを策定し、それらへの適合性について、JCRより「JCRサステナビリティファイナンス・フレームワーク評価」(注9)の最上位評価である「SU1(F)」の評価を取得しております。サステナビリティファイナンス・フレームワークに基づき、本社債を含むサステナビリティファイナンスによる資金調達を行います。

(注) 1.グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2021とは、国際資本市場協会(以下「ICMA」という。)が事務局機能を担う民間団体であるグリーンボンド・ソーシャルボンド原則執行委員会(Green Bond Principles and Social Bond Principles Executive Committee)により策定されているグリーンボンドの発行に係るガイドラインをいい、以下「グリーンボンド原則」といいます。

2.ソーシャルボンド原則(Social Bond Principles)2023とは、ICMAが事務局機能を担う民間団体であるグリーンボンド・ソーシャルボンド原則執行委員会(Green Bond Principles and Social Bond Principles Executive Committee)により策定されているソーシャルボンドの発行に係るガイドラインをいい、以下「ソーシャルボンド原則」といいます。

3.サステナビリティボンドガイドライン(Sustainability Bond Guidelines)2021とは、ICMAにより策定されているサステナビリティボンドの発行に係るガイドラインをいい、以下「サステナビリティボンド・ガイドライン」といいます。

4.グリーンボンドガイドライン2022年版とは、グリーンボンド原則との整合性に配慮しつつ、市場関係者の実務担当者がグリーンボンドに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的対応の例や我が国の特性に即した解釈を示すことで、グリーンボンドを国内でさらに普及させることを目的に、環境省が2017年3月に策定・公表し、2022年7月に最終改訂したガイドラインをいいます。

5.ソーシャルボンドガイドライン2021年版とは、ソーシャルボンド原則との整合性に配慮しつつ、市場関係者の実務担当者がソーシャルボンドに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的対応の例や我が国の特性に即した解釈を示すことで、ソーシャルボンドを国内でさらに普及させることを目的に、金融庁が2021年10月に策定・公表したガイドラインをいいます。

6.グリーンローン原則(Green Loan Principles)2023とは、ローン市場協会(LMA)、アジア太平洋地域ローン市場協会(APLMA)及びローンシンジケーション・トレーディング協会(LSTA)(以下「LMA等」という。)により策定された環境分野に使途を限定する融資のガイドラインをいい、以下「グリーンローン原則」といいます。

7.ソーシャルローン原則(Social Loan Principles)2023とは、LMA等により策定された社会的分野に使途を限定する融資のガイドラインをいいます。

8.グリーンローンガイドライン2022年版とは、グリーンローン原則との整合性に配慮しつつ、借り手、貸し手その他の関係機関の実務担当者がグリーンローンに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的対応の例や我が国の特性に即した解釈を示すことで、グリーンローンを国内でさらに普及させることを目的に、環境省が2020年3月に策定・公表し、2022年7月に改訂したガイドラインをいいます。

9.JCRサステナビリティファイナンス・フレームワーク評価とは、サステナビリティファイナンスにより調達される資金がJCRの定義するサステナビリティプロジェクトに充当される程度並びに当該サステナビリティファイナンスの資金使途等にかかる管理、運営及び透明性確保の取り組みの程度を評価したものです。なお、「JCRサステナビリティファイナンス・フレームワーク評価」は、個別の債券または借入に関する評価と区別するため、評価記号の末尾に(F)をつけて表示されます。

 

サステナビリティファイナンス・フレームワークについて

当社は、グリーンボンド原則、ソーシャルボンド原則及びサステナビリティボンドガイドライン等が定める4つの要件(調達資金の使途、プロジェクトの評価と選定のプロセス、調達資金の管理、レポーティング)に適合するサステナビリティファイナンス・フレームワークを策定しました。その概要は以下のとおりです。

 

 

1.調達資金の使途

当社により実行されるサステナビリティファイナンスの調達総額と同額が新規ファイナンスまたはリファイナンスとして、新規または既存の適格プロジェクトへ充当されます。なお、既存プロジェクトへの充当の場合は、グリーンビルディングに充当される場合を除き、サステナビリティファイナンスの実行から過去2年以内に開始または環境性能が確認されたプロジェクトとします。

 

適格プロジェクト

適格プロジェクトを以下の2つのカテゴリーに特定しています。これらの事業は、当社グループのコアかつ戦略的な事業であり、環境及び社会的責任の観点で価値を提供するものと考えます。

 

Ⅰ.鉄道事業

事業カテゴリー

GBP/SBPカテゴリー

適格クライテリア

適格プロジェクト

期待される効果

1.クリーンな輸送

 

GBP:クリーン輸送

電気を動力とする車両の新造・改造・更新

輸送定員増及び旧型車両と比較し約50%の使用電力の削減を実現した新型車両の導入

・「2020系」(田園都市線)

・「6020系」(大井町線、6020系をベースに新造する大井町線車両を含む)

・「3020系」(目黒線)

・省エネと温室効果ガス排出削減

鉄道事業の維持・改修・更新

・駅施設、土木施設、線路、電気設備

・ホームドア、センサー付固定式ホーム柵、転落検知支援システム

・踏切障害物検知装置

の維持・改修・更新

・公共交通機関としての利便性と質の向上による低炭素輸送機関へのモーダルシフト

・省エネと温室効果ガス排出削減

2.気候変動対応

 

GBP:気候適応

気候変動により多発する傾向にある大雨・土砂災害等に備えた鉄道事業に関する自然災害対策

・鉄道施設及び沿線の法面補強による土砂災害対策

・地下区間の浸水対策

・集中豪雨被害の防止・抑制

・沿線住民や東急線利用者等の自然災害時の安全性確保

3.安全・安心のための鉄道関連インフラ

 

SBP:手頃な価格の基本的インフラ(輸送機関)

全ての利用者に安全、安心を提供するために必要な鉄道関連インフラの整備・維持・改修・更新

 

対象となる人々:視聴覚障碍者、身体障碍者や外国人を含む全ての鉄道サービス利用者

・駅施設のバリアフリー設備、多機能トイレ

・車内の多言語化による案内や子育て世代や高齢者に対応した情報サービス

の整備・維持・改修・更新

・全ての人が手頃な価格で利用できる安全な移動手段の提供

・乗客への安心の提供

 

 

 

Ⅱ.まちづくり事業

事業カテゴリー

GBP/SBP

カテゴリー

適格クライテリア

適格プロジェクト

期待される効果

1.サステナビリティ・ビルディング

以下①~③の適格クライテリアを全て満たすプロジェクト

歌舞伎町一丁目地区開発計画(東急歌舞伎町タワー)

 

① グリーンビルディング

 

GBP:グリーンビルディング

サステナビリティファイナンス実行時点において有効な以下のいずれかの建物認証を取得もしくは更新した建物、または将来取得もしくは更新予定の建物の、建設または取得

・LEED ND、LEED-BD+C(v4以降)またはLEED-O+M認証におけるGold以上

・CASBEE建築(新築、既存、改修)またはCASBEE不動産におけるAランク以上

・BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)(2016年度基準)における4つ星以上

・BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)(2024年度基準以降)における

非住宅:レベル4以上

再エネ設備がない住宅:レベル3以上

再エネ設備がある住宅:レベル3以上

・ZEBにおけるOriented以上

・DBJ Green Building認証における4つ星以上

・東京都建築物環境計画書制度(2020年度基準以降)における評価段階2以上

東急歌舞伎町タワーの建設:BELS(2016年度基準)4つ星

・建物から排出するCO2の削減

・省エネ化

・生態系の一部保全

② 防災対策

 

SBP:手ごろな価格の基本的インフラ設備(防災対策)

防災対策を施した施設の建設または設備の導入

 

対象となる人々:自然災害時の罹災者を含むその他の弱者グループ

東急歌舞伎町タワーの建設:災害時の帰宅困難者の受け入れ施設としての機能及び災害時の熱源及び電力の確保

・沿線住民や施設利用者等の自然災害時の安全性確保

③ 感染症対策

 

SBP:必要不可欠なサービスへのアクセス(健康、健康管理)、雇用創出

感染症対策と経済活動の両立を図るための先導的な感染症対策を施した施設の建設または設備の導入

 

対象となる人々:

感染症拡大により行動制限を受けていた人々、

感染症の拡大等を受け事業継続に悪影響を受ける人々

東急歌舞伎町タワーの建設:複数の感染症対策を施設全体で実施し、2021年10月に、国土交通省より、新宿駅周辺地域の新しい地域整備方針に基づく民間都市再生事業計画として初の認定

・先導的な感染症対策等を実施する集客施設による感染リスクの低減を通じた、経済活動と感染症対策の両立

 

 

事業カテゴリー

GBP/SBP

カテゴリー

適格クライテリア

適格プロジェクト

期待される効果

2.グリーンビルディング

 

GBP:グリーンビルディング

サステナビリティファイナンス実行時点において有効な以下のいずれかの建物認証を取得もしくは更新した建物、または将来取得もしくは更新予定の建物の、建設または取得

・LEED ND、LEED-BD+C(v4以降)またはLEED-O+M認証におけるGold以上

・CASBEE建築(新築、既存、改修)またはCASBEE不動産におけるAランク以上

・BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)(2016年度基準)における4つ星以上

・BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)(2024年度基準以降)における

非住宅:レベル4以上

再エネ設備がない住宅:レベル3以上

再エネ設備がある住宅:レベル3以上

・ZEBにおけるOriented以上

・DBJ Green Building認証における4つ星以上

・東京都建築物環境計画書制度(2020年度基準以降)における評価段階2以上

東急歌舞伎町タワーの建設:BELS(2016年度基準)4つ星

・建物から排出するCO2の削減

・省エネ化

・生態系の一部保全

3.気候変動対応

 

GBP:気候適応

気候変動により多発する傾向にある大雨等に備えたまちづくり事業に関する自然災害対策

・雨水調整池

・雨水貯留槽

・防災水槽

の建設・維持・改修・更新

・都市型豪雨被害の防止・抑制

・沿線住民や施設利用者等の自然災害時の安全性確保

4.nexus構想

(東急沿線地域における生活者起点でのまちづくりとして、社会課題解決・地域活性化に資する右記適格クライテリアのいずれかまたは全てを満たすプロジェクト)

 

SBP:社会経済的向上とエンパワーメント、必要不可欠なサービスへのアクセス(子育て支援、高齢者・障碍者支援)

子育て支援につながる施設の整備、サービス・仕組み構築

 

対象となる人々:子育て世代

nexusチャレンジパークを含むその他nexus構想に基づくコモンズの構築:

nexus構想の取り組みの一つ。高齢化・人口減少に伴う低密度化が懸念される地域における、コミュニティ形成、まちの機能、共助力の向上を通じて社会課題解決・地域活性化を目指す、地域住民の交流拠点及び生活者起点の実験場

・世代間交流等を通じて、まち全体で子育てを行う仕組みの構築

高齢者支援につながる施設の整備、サービス・仕組み構築

 

対象となる人々:高齢者

・世代間交流等のコミュニティ形成を通じた、独居高齢者を含めた高齢者が包摂される地域社会の実現

イノベーションや地域産業の創出につながる施設の整備、サービス・仕組み構築

 

対象となる人々:小規模事業者、スタートアップ企業

・小規模事業者やスタートアップ企業向けに新規事業創設のための実証の場を提供し、新規事業を通じた地域活性化を促進

地域資源の活用につながる施設の整備、サービス・仕組み構築

 

対象となる人々:地域事業者、小規模な生産者・サプライヤー(地域農家等)

・みんなで育て、みんなで食べる、農や食が身近にあるライフスタイルの実現

・地域農家の販売機会を設け地産地消を促進

・地域におけるエネルギーの地産地消や、余剰と不足の最適化

・地域と生活者に根ざした循環型社会(資源利用、ゼロ・ウェイスト、自然共生等)

 

 

事業カテゴリー

GBP/SBP

カテゴリー

適格クライテリア

適格プロジェクト

期待される効果

 

地域のまちづくりへの貢献につながる施設の整備、サービス・仕組み構築

 

対象となる人々:地域住民

 

・地域のウォーカビリティを促進し、地域活性化を実現

・未利用地や団地の空き室等を活用し、子育て支援や高齢者支援等の仕組みを構築

地域交流の形成・促進につながる施設の整備、サービス・仕組み構築

 

対象となる人々:社会的なつながりが希薄な住民

・コミュニティスペースの設置や交流機会を提供するイベントや仕組みを通じた、社会的なつながりが希薄な人の居場所づくりと地域活性化の実現

・世代間交流の促進を実現するミクストコミュニティの創設

教育環境の整備につながる施設の整備、サービス・仕組み構築

 

対象となる人々:教育を受ける機会を求めている人々、学生

・「地域とともにある学校」など、まちを学び場と捉えた生活者同士のつながりの実現

・教育機関との連携による教育支援、学生の地域社会への参入、貢献機会の創出

交通(生活)利便性の向上につながる施設の整備、サービス・仕組み構築

 

対象となる人々:高齢者、障碍者、子育て世代

・多様なライフステージ・ライフスタイルに応じた、新たなモビリティの提供による生活者の活力最大化

5.サテライトシェアオフィス

 

SBP:社会経済的向上とエンパワーメント

以下のいずれかまたは複数の目的のためのサテライトシェアオフィスの開発、改装や内部設備の整備

・多様な働き方を支援する施設であること

・移動や物理的、身体的、時間的な制約がある人々に使用可能な施設であること

・ソーシャル・ディスタンス確保を支援する施設であること

 

対象となる人々:時間的制約などにより多様な働き方を必要としている人々

会員制サテライトシェアオフィス事業「NewWork」の当社直営店の開発・整備

・移動や時間に制約のある環境下、条件下での多様な働き方の実現

・ソーシャル・ディスタンスの確保、移動の最小化による感染症リスクの低減

 

 

2.プロジェクトの評価と選定のプロセス

サステナビリティファイナンスの調達資金が充当される事業は、当社財務戦略室が上記「1.調達資金の使途」にて定める適格クライテリアへの適合状況に基づいて、対象候補を特定します。特定された対象候補事業について、当社グループのサステナブル経営方針への整合性の観点から当社の財務担当取締役が最終承認を行います。その結果については、社長執行役員を議長とするサステナビリティ推進会議にて報告されます。

なお、全ての適格プロジェクトについて、環境・社会的リスク低減のための以下について対応していることを確認します。

・事業実施の所在地の国・地方自治体にて求められる環境関連法令等の遵守と、必要に応じた環境への影響調査の実施

・事業実施にあたり地域住民への十分な説明の実施

・サステナブル調達ポリシーに沿った資材調達、環境負荷物質への対応、廃棄物管理、人権への配慮の実施

 

 

3.調達資金の管理

当社財務戦略室がサステナビリティファイナンスにより調達した資金について、適格プロジェクトへの充当及び管理を行います。財務戦略室は、サステナビリティファイナンス・フレームワークに基づき実行されたサステナビリティファイナンスの調達額と同額が適格プロジェクトのいずれかに充当されるよう四半期ごとに内部会計システムを用いて、追跡、管理します。なお、内部会計システムでは、各適格プロジェクトレベルにて充当状況を把握し管理します。

サステナビリティファイナンスによる調達資金が適格プロジェクトに充当されるまでの間、または十分な適格プロジェクトがない場合の未充当資金については、現金または現金同等物にて運用し、サステナビリティファイナンス実行から3年程度の間に充当を完了する予定です。

 

4.レポーティング

当社グループは適格プロジェクトへの充当状況並びに環境への効果及び社会的インパクトを、年次にて当社ウェブサイトにて報告します。

 

第3 【第三者割当の場合の特記事項】

 

該当事項はありません。

 

第4 【その他の記載事項】

 

特に目論見書に記載しようとする事項は、以下のとおりであります。

記載箇所

記載内容

表紙

第15回無担保社債

(社債間限定同順位特約付)

グリーンボンド

「ロゴマーク」

 


 

 

 

第二部 【公開買付け又は株式交付に関する情報】

 

該当事項はありません。

 

 

第三部 【参照情報】

 

第1 【参照書類】

 

会社の概況及び事業の概況等金融商品取引法第5条第1項第2号に掲げる事項については、以下に掲げる書類を参照すること。

 

1 【有価証券報告書及びその添付書類】

事業年度 第155期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) 2024年6月27日関東財務局長に提出

 

2 【半期報告書】

事業年度 第156期中(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) 2024年11月8日関東財務局長に提出

 

3 【臨時報告書】

1の有価証券報告書提出後、本発行登録追補書類提出日(2024年11月29日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書を2024年7月4日に関東財務局長に提出

 

第2 【参照書類の補完情報】

 

参照書類としての有価証券報告書及び半期報告書(以下有価証券報告書等という。)に記載された「事業等のリスク」について、当該有価証券報告書等の提出日以後、本発行登録追補書類提出日(2024年11月29日)までの間において生じた変更その他の事由はありません。以下の内容は、当該有価証券報告書等に記載された「事業等のリスク」を一括して記載したものであります。

なお、当該有価証券報告書等には、将来に関する事項が記載されていますが、そのうち有価証券報告書の「第一部 企業情報」の「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「同 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」並びに「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載された2024年度から2026年度に係る数値目標については、本発行登録追補書類提出日現在の業績予想に基づく数値とは異なっております。

当該事項を除き、有価証券報告書等に記載されている将来に関する事項は、本発行登録追補書類提出日現在においてもその判断に変更はなく、新たに記載する将来に関する事項もありません。なお、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。

「事業等のリスク」

当社グループでは、定期的にリスク認識の再評価、及びリスク軽減に対する取り組み状況の評価を行い、発生の回避及び発生した場合の影響最小化に向けての対応に努めております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある連結経営上の最重要リスクとして、「経営環境変化への対応に関するリスク」、「安全管理への対応に関するリスク」、「コンプライアンスに関するリスク」、「働き方・人材確保に関するリスク」、「長期・広範な人流阻害に伴うリスク」の5つを設定しております。リスクの内容およびリスクコントロールの取り組みは次のとおりであります。

なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。また、以下の記載は、当社グループの事業等のリスクをすべて網羅することを意図したものではないことにご留意下さい。

 

 

(1) 経営環境変化への対応に関するリスク

① 金融市場混乱・金利環境悪化・格下げ・信用不安等により、財務状況が悪化するリスク

当社グループは、これまで鉄軌道業をはじめとする各事業の必要資金の多くを、社債や金融機関からの借入により調達しているため、市場金利が上昇した場合や、格付機関が当社の格付けを引き下げた場合、ESG関連評価機関の評価が低下した場合には、相対的に金利負担が重くなったり、資金調達の条件が悪化したりすることにより、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このため、引き続き、資金調達の多様化を進め、金利の長期固定化や返済期限の平準化等により再調達リスクを抑制しつつ、コマーシャル・ペーパーの活用等、短期金融市場活用による機動的資金調達力の向上に取り組んでおります。

 

② 需要・事業性の予測見誤りにより、収益確保、事業継続が困難となるリスク

当社グループは鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、少子高齢化や人口減少による既存事業の需要減少、生活スタイルの変化による既存の交通やオフィス・商業施設の利用減少、新たな産業やビジネスモデルの登場による既存事業の競争力低下等が起こった場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、「中期3か年経営計画」を策定し、各種施策を実施しておりますが、需要の予測値との乖離や経済情勢の変化等によって、これらの計画が予定通り進捗しない場合や、想定した収益や期待した効果を生まない場合があり、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このため、経営陣が各事業の業績動向、業績変化の兆候について早期に把握するとともに、対策を議論し意思決定及びモニタリングを行う等、迅速かつ適切な対応に取り組んでおります。

 

③ 各種市況の悪化により、工事費等、調達コストの高騰が発生し、収益性が低下するリスク

当社グループは、原材料・労務費等の市場価格動向を踏まえコスト削減を行っていますが、工事費等の調達コストが高騰した場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このため、バリューエンジニアリングやコストダウン、調達チャネルの多様化、継続的な工事内容の精査等、市場動向を踏まえた市況変化への対応力強化に取り組んでおります。

 

④ 事業展開エリアでの政権交代・税制等行政施策の変更等に伴う市況激変リスク

景気低迷の長期化による世帯年収の減少や増税等による個人消費の低迷継続、各事業における法制度の変更等が生じた場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、市況および政治・経済・法制度の変化を見据えた中長期的な運営方針を構築し、修繕・設備投資を含む適切な事業計画の策定、利便性向上や魅力的なテナントミックス、話題性の提供による施設集客力の維持向上等、各種対策に取り組んでおります。

 

⑤ SDGsへの対応やESG投資方針に沿った取り組みが進まないことにより、ステークホルダーからの評価・信頼が低下するリスク

当社グループは、SDGsへの対応やESG投資方針に沿った取り組みを積極的に行っていますが、この取り組みが進まない場合、ステークホルダーの皆さまからの評価・信頼が低下する可能性があります。このため、2022年3月に策定した「環境ビジョン2030」で掲げる脱炭素、循環型社会の実現に向け、TNFD対応やカーボンニュートラルに向けた移行計画の検討等、ESG評価改善の取り組みを継続するほか、ESG関連方針の取引先(サプライチェーン)へ浸透させるための取り組みを推進しております。

 

 

(2) 安全管理への対応に関するリスク

① 気候変動の影響も含む自然災害等への備えが不十分で、施設損壊等によりサービスの提供ができなくなるリスク

大規模な自然災害等が発生し、人的被害や事業の中断等が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループは、自然災害や感染症蔓延等において連結各社の協力体制構築などの対応力強化、気候変動に伴う営業損失・社会的影響評価を実施し、評価結果を踏まえた対策(予防・被害最小化の両面から)を図っております。

 

② 人為的事故の発生により、損害補償とともにサービス・施設への信頼を損なうリスク

重大な人為的事故等が発生し、人的被害や事業の中断等が生じた場合には、当社グループのブランドイメージの低下やお客さまからの信頼・信用を失い、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループは、安全基本方針に沿った事故、設備や情報システムの故障、食品、建設工事等の品質問題、その他の理由によるトラブルの発生を想定したさまざまな施策を講じており、東急線全駅(※)へのホームドア・センサー付固定式ホーム柵の設置、事故等発生状況の情報収集・展開による再発防止策策定等に取り組んでおります。

 

※ 世田谷線・こどもの国線を除く

 

③ テロ、政情不安に伴う治安悪化により、施設損壊・お客さまの死傷等によりサービスの提供停止とともに、社会的信頼が損なわれるリスク

テロ等の外的要因による重大な事故等が発生し、人的被害や事業の中断等が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループは、テロ等の不法行為による災害、その他の理由によるトラブルの発生を想定したさまざまな施策を講じており、東急電鉄㈱所属の全車両(※)への車両内防犯カメラの設置、駅施設や商業施設等への警備員の効果的配置、サイバー攻撃を想定した対応訓練の実施、サイバー保険への加入促進等、安全の取り組みを進めております。

 

※ こどもの国線を除く

 

④ 保険料率の高騰や保険会社による引受制限等により、事故対応において保険対応ができなくなるリスク

自然災害の増加など、社会情勢の変化を踏まえた保険料率の高騰や保険会社による引受制限等により、事故対応において保険対応ができなくなる可能性があります。このため、当社グループでは、保険の補償範囲の見直し、自家保険化に関する検討に加え、事故時の保険金額請求是非の検証についても進めております。

 

(3) コンプライアンスに関するリスク

① 経理統制体制の脆弱さにより、会計等処理に重大なミス・不正が生じ不適正な財務諸表を公表する等、社会的信用力が低下するリスク

当社グループは、関係法令を遵守し、各国の会計基準に基づき、連結経理体制の最適化、ガバナンス強化に向け、各種施策を講じておりますが、これらに反する行為が発生し、社会的信頼を損なった場合には、お客さまや取引先の離反等により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、連結経理体制の最適化、国内連結各社の会計システム共通化による業務標準化等に取り組んでおります。

 

 

② コンプライアンス違反により、その損失処理とともに企業としての社会的信頼を損なうリスク

当社グループは、鉄軌道業、不動産事業をはじめとする各種事業において、関係法令を遵守し、企業倫理に従って事業を行っておりますが、これらに反する行為が発生し、社会的信頼を損なった場合には、お客さまや取引先の離反等により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

このため、コンプライアンス全般および法改正対応に関する啓発や研修の実施、内部通報の対応精度向上に継続的に取り組むとともに、2024年4月に新たにコンプライアンス・リスクマネジメント委員会を設置し、コンプライアンス・リスクマネジメント体制の強化に取り組んでおります。

 

③ ITセキュリティを含む情報管理上の不備により、機密情報、個人情報の漏洩・紛失が発生し、その処理とともに社会的信頼を損なうリスク

当社グループは、社会的なインフラを担うシステムやサービスを提供しており、サービス提供に支障をきたすような運用中の障害、個人情報を含む機密情報の大規模な漏えい・紛失等が生じた場合には、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、設備や情報システムの故障、その他の理由によるトラブルの発生を想定したさまざまな施策を講じており、交通・決済・通信等重要なインフラを担う連結各社において外部によるセキュリティアセスメントの実施および改善計画策定等、各種対策に取り組んでおります。

 

(4) 働き方・人材確保に関するリスク

① 生産年齢人口減少傾向の中、適切な人材資源が不足・安定的な確保ができず、サービスを持続的に提供できなくなるリスク

少子高齢化や人口減少ならびに就労・雇用環境の変化による人材流動性の高まりにより、社員流出や採用難が今後深刻化し、人員不足を起因としたサービスの低下や風評等につながる場合には、お客さまや取引先の離反等により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、会社価値の持続的向上と社員への還元とを両立する賃金・処遇改善の取り組みを進めるほか、人事制度や福利厚生制度の見直しを図ることで正社員・フルタイム勤務者に依存しない多様で柔軟な働き方を提供する等、各種対策に取り組んでおります。

 

② 人材資源の質的な確保・育成ができず、人材力・技術力の低下がブランド価値の低下につながるリスク

人材資源の質的な確保・育成が叶わなかった場合、事業機会の逸失、サービス品質の低下、事業運営が困難となり、ステークホルダーからの信頼を損ない、ブランド価値を毀損するリスクがあります。このため、事業独自の人材育成プログラムの構築や戦略的人事ローテーションによる持続的な専門人材育成を図るほか、不動産事業を始めとして、人材流出に伴い発生しうる当社独自の事業ノウハウ流出を防止する取り組みを進めてまいります。

 

(5) 長期・広範な人流阻害に伴うリスク

① 地震・風水害等の自然災害により長期・広範な人流阻害が発生し、採算性が低下するリスク

当社グループの事業エリアにおいて、地震・風水害等の自然災害により、長期・広範な人流阻害が発生した場合、休業等による事業活動停止が発生し、採算性の低下につながる可能性があります。このため、TCFD提言に沿った対応を継続し、長期的な強靭化によって回避できる気候変動影響に関する営業損失や社会的影響の評価、物理的損害の事前対策と被害復旧の費用を比較、検討するほか、BCMの深度化と早期復旧に向けた継続的な取り組みを進めてまいります。

 

② 感染症等の外的要因により長期・広範な人流阻害が発生し、採算性が低下するリスク

感染症等の外的要因によって、長期・広範な人流阻害が発生した場合、営業制限等による事業活動停止が発生し、採算性の低下につながる可能性があります。このため、新型感染症等発生への継続的な体制整備を図るほか、リテール事業におけるECの強化など、感染症等の影響期間中にも人流に左右されない取り組みを進めてまいります。

 

 

③ 国際間紛争、為替や金利変動、インフレ等により市況が急激に変化することによりインバウンド需要が消滅し、事業収支に莫大な影響が発生するリスク

国際間紛争、為替や金利変動、インフレ等により市況が急激に変化することにより、インバウンド需要が消滅した場合、事業収支に莫大な影響が発生する可能性があります。このため、ホテル事業における消滅需要の影響を受けない新たな需要の開拓のほか、需要消滅によって発生する余剰従業員の離反防止方の検討を行ってまいります。

 

④ 事業エリアにおける人口減少に伴う人流阻害が発生するリスク

当社グループの事業エリアにおける居住人口が減少することにより、人流阻害が発生する可能性があります。このため、沿線の魅力づけによる居住人口の確保に取り組むほか、東急電鉄による移動創出に向けたマーケティング等、新たな移動喚起に向けた取り組みを進めてまいります。

 

第3 【参照書類を縦覧に供している場所】

 

東急株式会社本店

(東京都渋谷区南平台町5番6号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 

第四部 【保証会社等の情報】

 

該当事項はありません。