第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針等

当社グループは、販売・営業・サービス分野に特化した「成果追求型営業支援」をビジネスモデルとして事業を展開しています。人と人との接点そのすべてをビジネスフィールドに、常にお客様の笑顔と満足を追求し、明るく活力ある社会の創出に貢献することを事業テーマとして取り組んでまいります。

近年、日本国内においては、少子高齢化・人口減経済の進展、ライフスタイルの多様化等を背景に、クライアント企業からは、販売実績等の成果追求だけではなく、販売効率の改善や生産性向上等を含んだ対応が求められております。さらに小売業界を中心として、実店舗とEコマースサイト等、複数の販売経路や顧客接点を有機的に連携させる「オムニチャネル」の強化に取り組む事業者が増加しています。

このような事業環境のなか、当社グループは、ヒューマン営業支援とデジタル営業支援の2つを掛け合わせた「オムニチャネル営業支援」プラットフォームを活用し、リアル(実店舗)とバーチャル(EC等無店舗)において付加価値の高いソリューションの提供に努めてまいります。

また、2020年1月にコーポレート・ベンチャー・キャピタル・ファンドを創設し、先進的なテクノロジー分野において今後の成長が見込まれるとともに、当社との事業シナジー創出を見込むことのできる有望なスタートアップ企業と出資関係を含めた連携を強化いたします。当社グループが有する営業支援プラットフォームにおけるヒト力(りょく)の活用を中心としたインキュベーション機能の発揮により、スタートアップ企業の育成・成長の拡大に寄与するとともに、シナジーの創出を通じて当社グループの価値向上を図る「Win-Win」の関係を構築することを目指します。

これらの取組みにより、「オムニチャネル営業支援」プラットフォームに進展著しいデジタルトランスフォーメーション等の要素を取り入れ、デジタル営業支援の機能を強化し、これまでにない「マーケティングの未来創造企業グループ」として事業領域の拡大と各事業会社が持つ専門性を高め、多様化する事業環境やクライアントニーズに応えていきます。

 

(2) 中長期的な会社の成長戦略

中長期的な経営戦略といたしまして当社グループは「ビジネスにおける具現化の伴走者」をテーマに、クライアントの様々なニーズに対し、当社グループの多様なサービスメニューと豊富なリソースの活用により支援することにより、お客様の成果追求に寄与してまいります。

具体的には、当社グループの事業セクターを①重点領域、②成長領域、③深化領域、④再編領域の4つに分類し、①重点領域に経営資源を集中投下することにより、強固な経営基盤を確立するとともに、②成長領域の事業も育成し持続的成長が可能な事業ポートフォリオを目指します。

 

・事業セクターの定義について

事業セクター

事業概要

エアポート

空港グランドハンドリング事業、空港の制限区域内外における各種ラウンジ運営・物販・飲食・サービス分野等の店舗運営受託

ホールセール

サブカルチャー系のIPライセンスを活用したアパレル・推し活グッズ等の企画開発・製造・卸売り及び自社販売

デジタル営業支援

フルフィルメントによるECサイト運営受託、法人向けインサイドセールス、アバター接客サービス・コンタクトセンター受託等

インバウンド・
ツーリズム

インバウンド向け免税サポート・多言語対応支援、訪日旅行者向けランドオペレーティング及び国内・海外向け旅行添乗等

パブリック

地方自治体の観光施設を中心とした施設運営、PFIなどの地方創生事業への参画、国・地方自治体等への入札案件受託

ワークス

物流業界を中心に人手不足や短時間ニーズ等が顕在化している領域での業務受託等

スポーツ・エンタメ

各種プロスポーツチーム運営支援、アリーナ運営受託、万博・各種スポーツ国際大会等大型イベント運営支援等

販売系営業支援

通信・家電等の販売支援、スポーツ関連施設・GMS・ドラッグストア等でのラウンダー業務、外訪によるプッシュ型営業支援等

 社会的要請
 (コロナ等)

新型コロナウイルス感染症対策業務等(空港水際対策、ワクチン接種会場運営支援等)

 

 

・各領域の定義について

①重点領域

 さらなる成長を見据え、経営資源を集中的に投下するセクター

 →エアポート、ホールセール、デジタル営業支援、インバウンド・ツーリズム

②成長領域

 新たなビジネスモデルや市場開拓の可能性を模索するセクター

 →パブリック、ワークス、スポーツ・エンタメ

③深化領域

 コスト効率化やオペレーション改善により、利益率の向上を目指す領域

 →販売系営業支援

④再編領域

 緊急性の高い社会的要請については、今後も柔軟に対応する領域

 →社会的要請による事業(コロナ対策事業等)

 

 

セグメント別の経営戦略につきましては、以下のとおりです。

(アウトソーシング事業・人材派遣事業)

重点領域:エアポート、デジタル営業支援、インバウンド・ツーリズム

エアポートにおいては、2030年までに6,000万人のインバウンドを受け入れる政府の方針に対応するため、全国主要空港に拠点・事業を展開しグランドハンドリングの旺盛な需要を取り込んでまいります。併せて高い専門性が要求されるランプ事業の立ち上げに注力いたします。

デジタル営業支援においては、インサイドセールス事業において、法人営業の生産性向上ニーズの取り込みに注力いたします。

インバウンド・ツーリズムにおいては旺盛な需要が見込まれる百貨店・ホテル等における営業支援の拡大、地方創生を絡めた全国自治体との連携強化に注力いたします。

 

(EC・TC支援事業)

重点領域:デジタル営業支援

デジタル営業支援においては、スポーツ・アパレル以外のECサイトの運営受託拡大、ECモール(Amazonマーケットプレイス、楽天市場等)の出展者支援領域への拡大に注力いたします。


(ホールセール事業)

重点領域:ホールセール

ホールセールにおいては、若年層に人気のキャラクターIPライセンスを活用しアパレル以外の取扱商材の拡大、自社EC・海外向け輸出等の販路拡大、商品企画・開発力を活かしたコンサルティング領域への拡大に注力いたします。

 

(その他)

重点領域:インバウンド・ツーリズム

インバウンド・ツーリズムにおいては、インバウンド6,000万人時代に向け、ランドオペレーティングの受注エリア(出発国)の拡大、富裕層向けリムジンサービスの拡充に注力いたします。

 

 

(3)対処すべき課題

 当社グループは、前述の経営方針を踏まえ、特に以下の3点を重点課題として取り組んでまいります。

①グループ経営の高度化

当社グループは、ヒューマン営業支援とデジタル営業支援の2つを掛け合わせた「オムニチャネル営業支援」プラットフォームを展開し、事業領域や事業規模が飛躍的に拡大しております。また連結子会社も2024年8月末時点で14社となり、今後更にグループ内の事業シナジーを最大化すべくグループ経営の高度化が急務であると考えております。

そのため当社グループでは持株会社である当社を中心にグループガバナンスの強化による意思決定の迅速化及び経営の効率化を推進するとともに、更なる事業拡大に向けて、次世代経営者人材の登用並びに育成による人材面での競争優位の確立に重点的に取り組んでまいります。

 

②デジタル営業支援体制の強化

当社グループの主たるマーケットである販売・営業・サービス分野においては、人口減経済の進展、個人消費の伸び悩み、働き方改革と生産性向上、AI(人工知能)・ビッグデータの活用、実店舗(リアル)とEコマース等(バーチャル)の融合等、取り巻く事業環境が大きく変化しております。

当社グループにおいては、コーポレート・ベンチャー・キャピタル・ファンド等を活用したスタートアップ企業との資本業務提携やM&A、有望ベンチャー企業との業務提携による先端テクノロジーの活用などにより、デジタル営業支援機能を強化することで、多様化する事業環境に対して、先進的な営業ソリューションを提供してまいります。

 

③優秀な人材確保と育成の推進

優秀な人材の確保と育成は当社グループの事業推進を支える重要な要素であります。生産性の向上やテクノロジーの進展等の環境変化に対応しうる即戦力となる人材や専門性の高い人材に対するニーズはますます高まっております。

このニーズに応えるため、引き続き現場力の強化に貢献するスタッフの確保に注力するとともに、EⅭサイト運営受託業務を中心とするデジタル営業支援分野の事業領域においても、優秀な人材を新入社員・中途社員を問わず採用し、社内外の研修等の活用、グループ内での人事交流等を積極的に実施し人材育成を推進してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。なお、特に記載のない限り、文 中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティの考え方

当社グループは、人と人、あるいは、サービスや仕事と人を結び付けることで、社会の課題や悩みを解決する「絆」ビジネスを展開し、より良い社会を形成することを使命としております。より多くの「絆」をつくることは、社会課題等の解決だけでなく雇用や新たなマーケットの創造にも繋がることから、当社グループは、顧客企業の伴走者としてより多くの「絆」をつくることで、「誰ひとり取りこぼしのない持続可能な『絆』社会の創造と貢献」に取り組んでまいります。

 

① 持続可能な企業価値の向上

当社グループは、これまで販売・サービス・営業分野を中核とした「成果追求型営業支援グループ」として、  時代の変化、社会の変化、マーケットニーズの変化に的確に対応する形で「ヒューマン営業支援」と「デジタル営業支援」を有機的に融合した「オムニチャネル営業支援プラットフォーム」の基盤を確立してまいりました。

今後も様々な社会課題の解決に取り組む過程において、常に事業ポートフォリオの見直しを行い既存ビジネスやグループ会社の枠組みに捉われない新たな価値創造を行うことが、当社グループの持続的な企業価値向上に資すると考えております。今後も新たな価値創造に向けた挑戦を続けるとともに、バリューチェーンを含め、環境及び人権に配慮した事業活動を行うことが重要であると認識しております。

 

② 気候変動対応

当社グループでは、気候変動は地球環境問題の中でも最も緊急性が高いものの一つとして認識しており、気候変動による事業環境の変化への対応を進めるとともに、「成果追求型営業支援」という顧客企業の根幹となる収益獲得を支援する事業上の特性を生かし、更なる成長機会と捉えております。また、2030年・2050年までの温室効果ガス(GHG)排出量削減目標と、具体的な対応を検討・策定・実行することで企業価値向上に繋げたいと考えております。

 

③  人的資本経営・多様性

当社グループは、これまでのビジネスモデルである「成果追求型営業支援」を進化・発展させる形で、「社会課題解決プラットフォーム」として社会に必要不可欠な存在となることを目指しております。その実現には、人材の確保・育成が重要であると考えております。また、人種、性、宗教、国籍、年齢等にかかわらず、従業員やスタッフ等一人ひとりの能力を最大限に発揮するための人材戦略の立案・実行ならびに環境の整備が不可欠であり、当社グループ内での事例共有等を通じて、グループ各社のビジネス特性に合わせた人材戦略を展開することで、当社グループが一体となって企業価値の向上に努めております。

 

(2)サステナビリティの取組

① ガバナンス

a.取締役会による監督

当社グループでは、TCFDを含むサステナビリティに関する取組みについて、定期的に取締役会に報告し、討議を行っております。また、社外取締役を含む取締役会における討議を通じて、社会の視点や第三者の視点から、当社グループのサステナビリティに対して実効的な監督が行われる構造としております。

なお、取締役会における討議内容については、業務執行に対して共有・フィードバックされ、取組みの改善に活用しています。

 

 

b.執行機能としてのサステナビリティ委員会

当社グループとしてサステナビリティ経営を推進するにあたり、当社社長直属の機関としてサステナビリティ委員会が設置されております。サステナビリティ委員会は、当社社長を委員長とし、主要な事業子会社のサステナビリティ担当者などがメンバーとして参画し、気候変動やSDGs課題への対応を含む様々なサステナビリティに関するアジェンダについて定期的に討議や意見交換を行います。サステナビリティ委員会において、当社グループ全体のサステナビリティに関する方向性の検討と提示、事業子会社の関連する取組みの取りまとめ、新規事業開発等の事業子会社の取組みに対する支援を行っております。

 

② 戦略

当社グループは、サステナビリティ委員会にて討議されるサステナビリティ経営の方向性を基礎として、中期経営計画の方針に基づき実行する各種事業活動を通じて、課題解決に繋げていきたいと考えております。

 

  ③ リスク管理

  a.サステナビリティ関連のリスクと機会の識別と評価

当社グループでは、環境・社会に関する対策・法制化等の社会情勢や事業環境の変化が事業に与えるリスクを常に監視しております。グループ各社における経営や事業活動における環境・社会等のサステナビリティ関連を含むビジネスのリスクと機会については、原則毎月開催されるグループ社長会議にて適宜報告が行われ、サステナビリティの観点から総合的に分析・審議が行われております。

 

  b.サステナビリティ関連のリスクと機会の管理

当社グループでは、迅速な意思決定を実現するため各事業子会社に権限を委譲し、事業運営に伴うサステナビリティ関連のリスクと機会の管理を行っております。各事業子会社において、経営方針および経営に影響を及ぼす投融資、保証、事業等が審議され、必要に応じてグループ社長会議にて重要事項の協議・情報共有等を行った後にそれらを決定しております。なお、当該決定事項については、各事業子会社にて管理しております。

 

  ④ 指標と目標

重点課題である「持続可能な企業価値の向上」「気候変動対応」「人的資本経営・多様性」において、当社グループにおける今後のあるべき姿、指標及び目標の設定が必要であると考えております。中でも「気候変動対応」と「人的資本経営・多様性」については、本章「(3)気候変動対応 ④指標及び目標」に指標及び目標を記載しております。また、「人的資本経営・多様性」については、本章「(4)人的資本経営・多様性 ➁人的資本に関する指標及び目標」に指標を記載しております。尚、目標については当社グループ各社の事業実態を勘案した上で策定したいと考えております。

 

(3)気候変動対応

 当社は、気候関連財務情報開示の重要性を認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に基づく情報開示に努めております。

 

  ① ガバナンス

 気候変動に係るリスクと機会への対応方針やGHG排出量の削減目標・取組、気候変動リスクと機会を考慮した年度予算・事業計画等の重要事項につき、サステナビリティ関連のリスクと機会の一つとして前述のサステナビリティ全般のガバナンスにおいて総合的に管理・監督しております。

 

  ② 戦略

   a.気候変動シナリオ分析

 当社グループでは、TCFDの気候変動についてのシナリオ分析の検討プロセスに基づき、下記の4つのステップに分けて年次で分析・評価を実施しております。

 

 

   (a)重要性評価

 気候変動により中長期的に影響を及ぼす重要な事象について移行シナリオと物理シナリオに分類し、気候変動への積極的な対応によって当社グループの便益につながる事象を「機会」として分類。

 

   (b)シナリオ特性

    移行リスク:IPCC(気候変動に関する政府パネル)の2℃/1.5℃シナリオを選択。

    物理リスク:IPCCの4℃シナリオを選択。

 

   (c)インパクト評価

 移行リスク、物理リスク及び事業に大きな影響を与えるインパクト要素について評価し、当社グループの新たな事業機会につながる事象の洗い出しを実施しております。

 

   (d)対応策の検討と実行

 特退されたリスクと機会に適切に対応するために実施が可能で現実的な選択肢を検討し、サステナビリティ委員会を中心としたワークショップによる継続的な検討と見直しを実施しております。

 

   b.リスクと財務影響

 シナリオ分析の手法によりリスク事象を抽出し、財務影響と緊急度の2つの軸で評価を実施しており、財務影響は、「大・中・小」、緊急度はリスク顕在化の可能性がある時期として、「高・中・低」の3段階で評価をしております。移行リスク(2℃/1.5℃シナリオ)では、非製造業である当社グループは炭素税などの製作・規制強化による費用増加の影響は限定的であるものの、エネルギーコスト上昇によるオペレーションコストの増加が見込まれるとともに、GHG排出量削減のための省エネルギー化、再生エネルギー活用に向けた投資が財務面に影響を与えるものと評価いたしました。

 また、顧客・ステークホルダーへの対応として、現在、我が国でも若年層を中心に地球温暖化をはじめとしたSDGsやサステナビリティ課題に対する感度が上がってきており、気候変動問題への対応に積極的でない企業とのイメージを持たれることは、当該企業のサービスが顧客・消費者から選択されず、収益に直接的に影響を与えるレピュテーションリスクとなり得ることから、市場のサステナビリティ意識が今後、急速に変化することを予想して財務影響、緊急度とも重く評価いたしました。

 さらに、物理リスク(4℃シナリオ)では、長期的な影響として、自然災害リスクが当社グループにとって大きな事業インパクトをもたらす課題になると評価いたしました。

 

   c.気候変動に対する機会の認識

 当社グループにとって気候変動は事業リスクのみならず、当社グループが提供する各種サービス並びにソリューションの提供価値および企業価値を高める機会になると認識しております。「社会課題解決プラットフォーム」として、当社グループの事業領域の拡大と専門性の追求を推進することで、気候変動というグローバルな重要課題に対応していきたいと考えております。

 当該機会に対する戦略としては、クライアントニーズに成果で応える「成果追求型営業支援」を基本コンセプトとして、「ヒューマン営業支援」と「デジタル営業支援」を有機的に融合した「オムニチャネル営業支援」を目指す基本戦略の推進を通じてGHG排出量削減の取組みを強化してまいります。また、当社グループの強みであるIT・テクノロジーを活用した「デジタル営業支援」を強化することで、当社グループのみならず、顧客企業のGHG排出量削減に貢献するサービス・ソリューションの提供を拡充してまいります。

 

 

  ③ リスク管理

気候変動に係るリスクは、サステナビリティ関連のリスクと機会の一つとして前述のサステナビリティ全般のリスク管理において総合的に管理・監督しております。

 

  ④ 指標及び目標

 当社グループでは、気候変動リスクと機会への対応の一環として、GHG排出量と再生エネルギー比率に関し、以下の指標と目標を設定しており、2030年にバリューチェーン全体のGHG排出量を実質ゼロ、さらに再生エネルギー供給やGHG削減に貢献する新規事業への進出等を通じて2050年にカーボンネガティブ※1を目指してまいります。

項目

2030年度目標

2050年度目標

自社排出(Scope1)及び

間接排出(Scope2)

Scope1、2及び

Scope3を含めた

バリューチェーン全体の

GHG排出「実質ゼロ」

 

カーボンネガティブに

よる貢献

サプライチェーン排出

(Scope3)※2

再生可能エネルギー比率

100%

100%

 

※1 企業が排出するGHGよりも吸収するGHGの量が多い状態をさします。

※2 Scope3は従業員の通勤(カテゴリー7)、出張(カテゴリー6)、物流(カテゴリー4)を含みます。

 

(ご参考)

・2024年度のGHG排出量については、当社WEBサイトでの公開を予定しております。

 公開時期:2025年2月

 公開場所:当社WEBサイト

(http://www.hitocom-hd.com/ja/ir.html )

  公開内容:Scope1、2、3排出量

 

(4)人的資本経営・多様性

  ① 戦略

   当社グループの人材育成方針及び社内環境整備方針は次のとおりです。

 

(人材育成方針)

優秀な人材の確保と育成は、当社グループの事業推進を支える重要な要素であります。生産性の向上やテクノロジーの進展等の環境変化に対応しうる即戦力となる人材や専門性の高い人材に対するニーズの高まりに応えるため、現場力の強化に貢献するスタッフの確保に注力します。また、デジタル営業支援分野の事業領域においても対応できる、優秀な人材を新卒・既卒を問わず採用し、社内外の研修等の活用、グループ内での人事交流等を積極的に実施し、人材育成を推進してまいります。

 

(社内環境整備方針)

多様性を尊重し、当社社員やその関係者にとってより良い職場環境や働き方の実現に向け、継続的な職場環境の改善に取り組むことで、社員一人一人が生き生きと働くことができる環境を実現します。

 

② 人的資本に関する指標及び目標

当連結会計年度末における、当社グループの管理職に占める女性比率は、24.4%でありますが、管理職手前のリーダー的な存在・役職・ポジションでは、女性比率は50%を上回っております 。また、外国籍従業員につきましても積極的な登用を進めていることから、既に正社員で10%を超えており、営業支援への貢献度も向上しております。引き続き、外国人人材の雇用と育成に積極的に取り組み、外国人労働者の就労とキャリアアップを支援し、労働力不足の社会問題の解消に取り組んでまいります。現在は具体的な目標を設定しておりませんが、今後、サステナビリティ委員会を中心に議論を重ね、持続的な企業価値の向上にむけて取り組むとともに、人的資本に関する開示情報の充実を進めてまいります。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業活動その他に関する主要なリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績及び財政状態は、かかるリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年8月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)特定の業務分野への依存について

当社グループの2024年8月期において、全売上に対しアウトソーシング事業の売上構成比率は39.6%と高くなっており、また通信分野のクライアントに取引が集中している傾向にあります。過度に依存することがないよう他の事業セグメントの取組み強化に加え、物流、観光、ストアサービス及びインバウンド等今後拡大が期待される分野への事業展開にも注力し、事業基盤の盤石化を図ってまいりますが、現在のアウトソーシング事業の需要が大幅に縮小した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)スタッフの確保について

当社グループの事業における重要な要素の一つは優秀なスタッフの確保であります。現在、友人紹介キャンペーンなどのインセンティブ支払による人材の確保など各種施策を実施しておりますが、今後雇用情勢の変化などによりクライアントニーズに適合した優秀な人材が確保できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)事業の許認可について

当社グループは、厚生労働大臣の許可を受け、一般労働者派遣事業及び有料職業紹介事業を行っております。また株式会社FMGが行う整備事業・ランプ事業については、各業務実施に必要な資格を保有した従業員が事業を行っております。

一般労働者派遣事業は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下、「労働者派遣法」と記載します。)において、派遣元事業主が欠格事由への該当や、法令違反に該当した場合には、事業許可の取り消しもしくは業務停止を命じられる旨が規定されております。また、有料職業紹介事業についても職業安定法に基づき、同様に処分がなされる旨が規定されております。

当社グループは、社員教育や内部監査室によるモニタリングにより、法令違反の未然防止に努めておりますが、当社グループもしくは従業員による重大な法令違反が発生し、事業許可の取り消しや業務停止が命じられた場合や、整備事業・ランプ事業において十分な有資格者が確保できなくなった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)法的規制について

(a)アウトソーシング事業、人材派遣事業

当社グループの行うアウトソーシング事業及び人材派遣事業に適用される労働基準法、労働者派遣法、職業安定法、労働者災害補償保険法、健康保険法及び厚生年金保険法その他関連法令は、労働市場を取り巻く社会情勢の変化に応じて改正または解釈の変更が行われる可能性があります。当社グループといたしましては、かかる法改正の動向を注視し、適宜適切に対応しております。しかしながら、労働者派遣法の法改正等の内容に適切に対応できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、法改正または解釈の変更への対応のため、当社グループ管理システムに対して大規模な改修が必要となり、予期し得ないコスト支出等が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(b)EC・TC支援事業

当社グループの行うEC・TC支援事業においては、特定商取引に関する法律、消費者契約法、知的財産法、電気通信事業法等による法的規制を受けております。当社グループといたしましては、社内管理体制の構築等によりこれらの法令を遵守する体制を整備しておりますが、これらの法令の改正または新たな法令の制定に適切に対応できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(c)ホールセール事業

当社グループの行うホールセール事業においては、製造物責任法及び家庭用品品質表示法等による法的規制を受けております。当社グループといたしましては、社内管理体制の構築等によりこれらの法令を遵守する体制を整備しておりますが、これらの法令の改正または新たな法令の制定に適切に対応できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)システム障害について

 当社グループが行うEC・TC支援事業においては、常に安定したサービスを提供し続けられるシステムの構築に努めており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間での復旧が可能な体制を整えております。

また、ランサムウエアや標的型攻撃等の情報セキュリティ脅威への防御のための技術的な対策、対応ルールの策定及び社員に対する教育等を実施しております。

しかしながら、大規模な自然災害等による通信ネットワーク障害や、コンピュータウィルス等によるシステム設備への重大な被害、その他何らかの理由によりシステム障害等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)個人情報の管理について

(a)アウトソーシング事業、人材派遣事業

当社グループの事業においては、スタッフ情報や消費者情報などの個人情報に接する機会が生じるため、その取り扱いについては、「個人情報の保護に関する法律」を踏まえ、十分な管理体制を構築するよう取り組んでおります。具体的には、当社グループ各社による一般財団法人日本情報経済社会推進協会が認定するプライバシーマークの取得に加え、社内勉強会や全社会議での啓蒙、内部監査によるモニタリングにより情報管理の強化を推進しております。

しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に漏洩するような事態が発生した場合には、当社グループに対する社会的信用の失墜による売上の減少や、個人情報の漏洩による損害に対する賠償を請求されることも考えられ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(b)EC・TC支援事業、ホールセール事業

当社グループが行うEC・TC支援事業及びホールセール事業においては、各種サービスの提供過程において、それぞれのサービス提供に必要となる個人情報を取得しております。個人情報の管理については、運用、管理体制に万全を期しておりますが、万一、当社グループが管理・保有する個人情報の漏洩が発生した場合には、当社グループに対する損害賠償の請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)競合について

(a)アウトソーシング事業、人材派遣事業

当社グループが行うアウトソーシング事業及び人材派遣事業については、既に上場している会社を含めて競合会社が多数存在しております。当社グループといたしましては、単に人材を提供するのではなく、販売促進やマーケティングなどでクライアント企業の戦略的パートナーとなるべく「成果追求型営業支援企業」として事業を展開し、競合会社との差別化を図ってまいりますが、競争がさらに激化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(b)EC・TC支援事業

当社グループが行うEC・TC支援事業においては、EC市場において多くの企業が事業展開していることもあり、機能競争、価格競争が活発化しております。今後につきましては、引き続き創業以来培ってきたノウハウを生かし、サービスの機能強化等に取り組んでまいりますが、当社グループと同様のサービスを提供する事業者の参入の増加や、資本力、ブランド力、技術力を持つ大手企業の参入、競合他社との価格競争、又は全く新しいビジネスモデルや技術によるサービスを提供する事業者の参入などにより、当社グループのサービス内容や価格等に優位性が失われた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(8)世界的な気候変動等の影響に伴う環境変化、大規模な自然災害及び感染症等の発生について

当社グループは、全国に事業拠点を有し、クライアント企業からの業務請負や国内外の旅行添乗派遣など多様な人材サービスを提供しております。特定の事業に過度に依存することがないよう、多様な事業ポートフォリオを組み合わせた「オムニチャネル営業支援」体制構築の取組みを強化してまいりますが、世界的な気候変動等の影響に伴う環境変化、大規模な自然災害や新型の感染症等が発生することにより、全国規模でのクライアント店舗の休業や外出の自粛等、人材サービスを活用した営業支援活動が長期にわたり制限される場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9)減損について

当社グループは、M&Aを活用した事業領域の拡大を経営戦略の一つとしており、のれんを含む無形固定資産を連結貸借対照表に計上しており、今後も増える可能性があります。

しかしながら、グループ各社の収益性が著しく低下した場合には、グループ各社の保有するソフトウエア、のれん等についてその帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することが必要となります。

当連結会計年度の連結貸借対照表に計上されているのれん(6,841百万円)及びソフトウエア(989百万円)には、当社の連結子会社である株式会社ビービーエフ、SALES ROBOTICS株式会社、株式会社FMG及び株式会社fmgの発行済株式を取得したことに伴い生じたのれん及びソフトウエアがそれぞれ含まれています。将来的に当該のれんを含む無形固定資産について減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(10)海外事業の展開について

当社グループは、中国上海市に上海布藍綺国際貿易有限公司を設立して事業を展開しており、ホールセール事業における海外事業の展開については、当社グループのさらなる中長期的な成長の機会として位置付けております。

海外事業の展開においては、戦争やテロといった国際政治に関わるリスク、地域特性によるビジネスリスク、予期できない法律または規制の変更のリスク、知的財産権によるリスク、為替によるリスク、社会的なインフラの未整備によるリスクなど多岐にわたるリスクがあり、このようなリスクに適切な対応が行えない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 1.経営成績等の状況の概要

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度(2023年9月1日から2024年8月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって緩やかな回復が継続することが見込まれます。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国経済の先行き懸念、エネルギーコストや原材料価格の高騰による物価上昇が継続し、家計・企業を取り巻く環境は改善傾向にあるものの予断を許さない状況が継続しております。

 このような環境のもと、当社グループは「マーケティングの未来創造企業グループ」をテーマに、「ヒューマン営業支援」と「デジタル営業支援」を有機的に融合した「オムニチャネル営業支援企業」としての更なる事業リソースの充実に向けた取り組みを継続しております。具体的には、当社グループ各社が持つ専門性を継続的に高めるとともに、必要に応じて外部リソースを柔軟に活用することで、グループ全体の総合力を高めるとともに事業シナジーの最大化に取り組みます。これにより、雇用機会や新規事業を創出し、社会課題の解決を通じた持続可能なより良い社会の実現に向けて貢献してまいります。

その実践として、「ホールセール」において、有力コンテンツやインフルエンサーを活用した高付加価値商品の企画及び秋冬物商品の販売が好調に推移し前年同期比で増収となりました。また「インバウンド・ツーリズム」においても、エアポート分野において株式会社FMG及び株式会社fmgのグループ化に伴い空港における各種業務が増収となったほか、インバウンド分野において株式会社トライアングルが行う訪日外国人に対する宿泊先や交通機関等の手配を行うランドオペレーティング業務が前年同期比で増収となりました。一方で、「販売系営業支援」において通信セクターを中心に減収が継続したほか、パブリックセクターにおいて地方公共団体からの公共案件の受注が減少し減収となりました。また政府や地方公共団体が推進するワクチン接種受付コールセンターや接種会場の運営支援等、新型コロナウイルス感染拡大対策関連業務の受託が一巡し、前年同期比で大幅に減収となりました。

以上の結果により、当連結会計年度の売上高は58,547百万円(前年同期比8.5%減)、営業利益は1,568百万円(前年同期比62.6%減)、経常利益は1,536百万円(前年同期比64.3%減)、減損損失、投資有価証券評価損等を計上したことなどにより親会社株主に帰属する当期純損失は43百万円(前年同期は1,885百万円の当期純利益)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産の残高は、現金及び預金の減少等により前連結会計年度末に比較して2,451百万円減少して、40,103百万円(前連結会計年度末比5.8%減)となりました。

負債の残高は、長期借入金の減少、未払法人税等の減少等により前連結会計年度末に比較して1,979百万円減少して、21,488百万円(前連結会計年度末比8.4%減)となりました。

純資産の残高は、剰余金の配当等により前連結会計年度末に比較して471百万円減少して、18,614百万円(前連結会計年度末比2.5%減)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

 当連結会計年度

対前年増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,525

980

△1,544

投資活動によるキャッシュ・フロー

△5,263

△1,233

4,029

財務活動によるキャッシュ・フロー

5,703

△2,024

△7,728

現金及び現金同等物の期末残高

16,121

13,859

△2,261

 

 

当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前年度末比2,261百万円減少し、13,859百万円となりました。

 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの主な増減事由については、以下のとおりです。

 

①営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において営業活動による収入は980百万円(前連結会計年度は2,525百万円の収入)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益の減少等によるものであります。

 

②投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度において投資活動による支出は1,233百万円(前連結会計年度は5,263百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得によるものであります。

 

③財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度において財務活動による支出は2,024百万円(前連結会計年度は5,703百万円の収入)となりました。これは、主に長期借入金の返済によるものであります。

 

 

 

 (4) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当社グループの行う事業は、販売業務受託を中心としたアウトソーシング事業、人材派遣事業、EC・TC支援事業、ホールセール事業、その他であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

② 受注状況

生産実績の記載と同様に、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2023年9月1日

至  2024年8月31日)

前年同期比(%)

アウトソーシング事業

23,205

75.2

人材派遣事業

8,870

93.0

EC・TC支援事業

10,776

108.1

ホールセール事業

12,772

117.0

55,625

90.7

その他

2,921

109.1

合計

58,547

91.5

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 その他には、社会福祉サービス、富裕層向けリムジンサービス、教育研修、システム開発関連サービス及びオンライン接客サービス等が含まれます。

 

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)  経営成績の分析

① セグメント別の売上高 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

アウトソーシング事業

23,205

75.2

39.6

人材派遣事業

8,870

93.0

15.2

EC・TC支援事業

10,776

108.1

18.4

ホールセール事業

12,772

117.0

21.8

55,625

90.7

95.0

その他

2,921

109.1

5.0

合計

58,547

91.5

100.0

 

セグメント別の業績は、次の通りであります。

(アウトソーシング事業)

当連結会計年度においては、株式会社FMG及び株式会社fmgのグループ化に伴い、「インバウンド・ツーリズム」において、空港における各種業務が増加した一方、「その他」において、政府や地方公共団体が推進するワクチン接種受付コールセンターや接種会場の運営支援等、新型コロナウイルス感染拡大対策関連業務の受託が一巡し大幅に減収となりました。また、「販売系営業支援」において、通信分野を中心に減収が継続いたしました。

その結果、売上高は23,205百万円(前年同期比24.8%減)、営業損失は258百万円前年同期は1,370百万円の営業利益)となりました。

(人材派遣事業)

当連結会計年度においては、需要の拡大が見込まれる空港、ホテル等インバウンド領域、新規領域として物流分野における人材サービスの営業に注力いたしました。しかしながら、政府や地方公共団体が推進する接種会場の運営支援等、新型コロナウイルス感染拡大対策関連業務の受託が一巡し大幅に減収となりました。

その結果、売上高は8,870百万円(前年同期比7.0%減)、営業利益は373百万円(前年同期比67.7%減)となりました。

(EC・TC支援事業)

当連結会計年度においては、特にファッションやスポーツ分野でのEC需要の拡大を背景に、蓄積したノウハウを活用して既存クライアントの業績向上や新規運営サイトの拡大に取り組みました。

その結果、売上高は10,776百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は898百万円(前年同期比4.5%増)となりました。

(ホールセール事業)

当連結会計年度においては、有力コンテンツやインフルエンサーを活用した高付加価値商品の企画や販売等の各種業務が好調に推移いたしました。しかしながら、円安の影響による海外生産における製造原価の高騰により収益性が低下いたしました。

その結果、売上高は12,772百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益は540百万円(前年同期比1.6%減)となりました。

 

また、当連結会計年度の売上総利益につきましては、政府や地方公共団体が推進するワクチン接種受付コールセンターや接種会場の運営支援等の新型コロナウイルス感染拡大対策関連業務の受託が一巡したこと、通信セクターにおける販売支援業務が縮小したこと等により、売上総利益額が減少し12,097百万円(前年同期比15.0%減)となりました。

 

 

   ②  販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、10,528百万円(前年同期比4.9%増)となりました。主な要因は、人件費及びのれん償却費を中心とした増加であります。

この結果、営業利益については1,568百万円(前年同期比62.6%減)となりました。

 

 ③  営業外収益及び営業外費用、経常利益

営業外収益は42百万円(前年同期比81.3%減)となりました。主な要因は、違約金収入及び受取補償金の減少によるものであります。 

また、営業外費用は75百万円(前年同期比41.0%減)となりました。主な要因は、支払補償費が減少したことによるものであります。

この結果、経常利益については1,536百万円(前年同期比64.3%減)となりました。

 

 ④  特別利益及び特別損失、税金等調整前当期純利益

特別利益は6百万円(前年同期比62.2%増)となりました。要因は、投資有価証券売却益の計上によるものであります。 
 また、特別損失は255百万円(前年同期比52.6%減)となりました。主な要因は、減損損失の計上及び投資有価証券評価損の計上によるものであります。

この結果、税金等調整前当期純利益については1,287百万円(前年同期比65.8%減)となりました。

 

 ➄  親会社株主に帰属する当期純損失

上記の諸要因により親会社株主に帰属する当期純損失は、43百万円(前年同期は1,885百万円の当期純利益)となりました。

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因や、当該要因への対応について

 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(3) 財政状態の分析

 「1.経営成績等の状況の概要 (2)財政状態の状況」に記載のとおりであります。 

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 基本方針・資金需要の主な内容

当社グループは、「マーケティングの未来創造企業」を展望し、中長期的な高収益体制の確立・企業価値向上を図るべく、事業構造の構築を推進しております。これまでのBtoBtoCマーケティング支援を中心としたビジネスモデルの進化に加え、IT・AIを活用したBtoBマーケティング支援機能を拡充すべく、新規事業の開発およびM&Aの検討を継続的に行っております。当連結会計年度においては株式会社FMG及び株式会社fmgのグループ化により、新たに空港グランドハンドリング事業に参入しております。

 

② 資金調達

当社グループの所要運転資金は、キャッシュ・コンバージョン・サイクルが0.5か月程度で推移していることから、手元現預金にて十分に賄うことが可能です。また、設備投資につきましてはソフトウェア開発や空港グランドハンドリング事業に係るGSE機材(空港地上支援車両)取得等がありますが、営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金の範囲内で対応しております。

比較的大型のM&A実行に際しては、必要に応じ外部資金を活用しておりますが、現状は金融環境等勘案のうえ銀行借入による資金調達を中心としております。主要取引金融機関とは良好な取引関係を維持しており、また健全な財務体質を維持しておりますことから、必要な資金に関しては問題なく調達可能と認識しております。

なお、当社グループの2024年8月末時点における有利子負債が9,531百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は13,859百万円と有利子負債を上回る水準となっております。

 

③ 経営資源の配分・株主還元に関する考え方

手元現預金水準については厳密な目標水準は定めておりませんが、安定した運転資金の確保、及び十分なイベントリスクに対応するために、売上高の1か月から2か月分が適正な手元現預金水準と考えております。それを超える分については、企業価値向上に資する適切な経営資源の配分に努めます。

株主還元については、連結業績・財務状況、M&A等の戦略的投資に備える内部留保などを勘案したうえで、業績拡大に応じた配当の増額を図りたいと考えております。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年8月

2021年8月

2022年8月

2023年8月

2024年8月

自己資本比率

(%)

42.4

45.2

49.4

42.0

43.0

時価ベースの自己資本比率

(%)

71.4

105.0

90.5

58.5

38.7

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率

(%)

147.1

156.4

77.9

431.4

972.0

インタレスト・

カバレッジ・レシオ

(倍)

222.3

250.4

498.3

242.7

31.5

 

(注)1 各指標の算出基準は以下のとおりであります。

自己資本比率

(自己資本)÷(総資産)

時価ベースの自己資本比率

(株式時価総額)÷(総資産)

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

(有利子負債)÷(キャッシュ・フロー)

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(キャッシュ・フロー)÷(利払い)

 

2 株式時価総額は(期末株価終値)×(期末発行済株式総数(自己株式控除後))により計算しております。

3 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている有利子負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象にしております。

4 キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

5 利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

(5) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。