宝飾市場においては、資源価格の高騰、物価上昇、労働力不足、デジタル化、環境問題といった複数の課題に直面しつつも、富裕層市場やインバウンド需要、技術革新を活用したデジタル化により、一定の成長が期待されます。環境意識の高まりやエシカル消費の拡大に対応するため、持続可能な素材開発やサプライチェーンの透明性の確保が求められ、倫理的な側面がより重視されると予想されます。また、AIやデジタルツールを活用したカスタマイズサービスが急速に普及し、消費者の個性や好みに合わせたオーダーメイドジュエリーの成長が見込まれます。
こうした状況を踏まえ、当社グループは引き続き「強みの進化」と「ビジネスモデルの再構築」を中期の基本方針として掲げ、当社の強みを活かして付加価値の高い商品やサービスを継続的に創出し、どのような時代や環境においても持続的な成長が可能な経営基盤の確立を目指します。
その重点方針として、「人財力の強化」、「商品力の強化」、「CRMの高度化」、「DX戦略の推進」、「富裕層ビジネスの軌道化」、「リ・ジュエリープロジェクトの推進」、「インバウンド需要の獲得強化と海外戦略の推進」を7つの柱とし、ジュエリーブランドとしての競争優位性を高めることで、事業環境変化への対応と持続可能な成長の両立に向けた取り組みを進めてまいります。
「人財力の強化」
人財力強化への取り組みとしては、積極的な採用活動を実施するとともに、接客を科学し、接客力日本一を生み出す教育・研修プログラムの充実を図るなど、店舗を中心に採用・育成の強化を継続し、人員確保と早期戦力化による一人当たり生産性の向上を図ります。また、キャリア開発やキャリアパスの明確化、リーダーシップ開発や次世代経営者の育成を推進し、成長に向けた挑戦とやりがいのある環境作りを進めてまいります。さらに、多様な働き方や価値観を尊重し、ワークライフバランスを重視した福利厚生や賃上げを含めた制度設計を計画的に進め、従業員エンゲージメントの向上にも取り組みます。
「商品力の強化」
商品力の強化に向けては、USP(Unique Selling Proposition)商品である「Wish upon a star®」の再成長を果たすべく、デザインや価格帯の多様化による商品構成の見直しを図ります。さらに、ハイブランドを手掛ける有名デザイナーとのコラボレーションによる特別コレクションの開発やストーリーテリングを中心としたプロモーション施策に加え、あらゆる接点で優れた顧客体験を提供することにより、独自性と便益性を追求し、お客様からの信頼・共感の獲得を通じた売上の拡大を目指してまいります。
また、最強の定番商品をテーマにベーシックラインを再構築するとともに、シーズナルなコレクションに加え、台湾子会社との連携によるインバウンド対応やトレンド商品、限定アイテムを含む幅広い選択肢を揃え、適切な在庫管理により商品ラインナップと販売計画の最適化を図ります。
「CRMの高度化」
OMO戦略を支援する新CRMシステム「festaria Members Club」をオンラインサイト及び全国の店舗に導入し、会員登録を促進するとともに、幅広い顧客情報の獲得とテックタッチによる再来店の促進を目指します。さらに、従前システムとの連携開発により顧客情報の連携を可能とし、アフターフォローを含め顧客のニーズに即した最適な商品・サービスを提供することで、顧客満足度の向上によるLTV(Life Time Value)の最大化を目指します。また、様々な顧客接点の開発・拡大への取り組みと並行して、CRM戦略の高度化を推進し、「個客」最適化アプローチによる360度タッチポイントの強化を進めてまいります。
「DX戦略の推進」
DX戦略においては、攻めと守りを両輪にDX戦略を推進してまいります。
攻めのDXにおいては、ジュエリーの3Dデジタルカスタマイズシステムを活用し、オーダーメイド需要の高まりを背景としたマーケティング戦略を推進することで、ブライダル分野の売上回復を目指します。さらに、「スタッフDX」ツールを活用し、販売スタッフが自らジュエリーを着用してオンラインに投稿することでEC売上の拡大や顧客のファン化を促進し、EC化率の向上と同時に1店舗あたりの収益拡大を図ります。
守りのDXでは、戦略・方針と連動し、全体最適によるITシステムの再構築に取り組むとともに、迅速かつ的確な意思決定を支援する基幹システムの刷新に向けた対応を進めます。また、SPA企業としてベトナム生産工場との連携によるサプライチェーンDXを推進することで、柔軟な生産対応と効率的な在庫管理を実現し、顧客ニーズに迅速に応えながら、コスト削減や持続可能性の向上を目指してまいります。
「富裕層ビジネスの軌道化」
富裕層ビジネスは、今後の成長領域と位置付けており、リレーションシップ・マーケティングの強みを活かしたビジネスを展開し、顧客ごとのパーソナライズドな体験や特別なイベント・サービスの提供によって、長期的な信頼関係の構築に取り組んでまいります。さらに、高品質なアフターサービスやカスタマイズを通じた顧客ケアを行うとともに、サプライヤーとの関係強化を図ることで資産性と希少性の高い商品を確保し、富裕層顧客やパートナー企業からの信頼性を高めてまいります。また、百貨店外商やプライベートバンクとの連携強化に加え、富裕層ネットワークを活用した関係構築を推進することで、富裕層顧客の紹介ルートの開拓を進め、加速度的な成長を実現してまいります。
「リ・ジュエリープロジェクトの推進」
気候変動対策や環境保護への関心が高まる中で、素材リサイクルやリフォームビジネスを基軸とした循環型ビジネスの強化を推進してまいります。ベトナム生産工場との連携により新素材商品の開発を促進するとともに、エシカルジュエリーの拡充やトレーサビリティの強化を進め、環境負荷を軽減しながら顧客ロイヤリティの向上を実現してまいります。これらの要素を融合させることで、社会的責任と経済的成長を両立しながら、持続可能な市場の形成に寄与してまいります。
「インバウンド需要の獲得強化と海外戦略の推進」
今後、内需縮小が見込まれる中、インバウンド需要の獲得強化や海外戦略の推進を事業成長の可能性を拡げる成長戦略の柱の一つとして捉え、投資を拡大してまいります。
これら7つを柱とした重点方針を着実に実行することにより、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを推進し、持続的な成長軌道の確立を目指してまいります。
(1)サステナビリティの基本方針と取組
当社グループは、『ジュエリーに愛と夢を込めて bijou de famille(ビジュ ド ファミーユ)』という企業理念を掲げております。ジュエリーに「想い」を託し、世代を超えて受け継いでいくbijou de familleは、ヨーロッパに古く伝わる習慣です。大切な人から人へ家族から家族へ世代を超え、場所や時代が変わっても想いは永遠に輝き続けます。当社グループは、「bijou de familleという習慣が広がるほど世界が幸せになる」という信念のもと、価値観に共感・賛同してくれる人たちの輪を作り、拡大することそのものが、持続可能な社会の実現に繋がるものと考えております。社会課題に向き合い、ステークホルダーと共に社会構造を変革していくことでより良い社会を目指すことが、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上に資するものと考え、サステナビリティの実現に向けた活動に取り組んでまいります。
当社は、「監査役会設置会社」を経営統治形態としており、経営の意思決定機能と、取締役および執行役員による業務執行を管理監督する機能を持つ取締役会に対し、監査役3名のうち2名を社外監査役とすることにより、経営の監視・監督機能の充実を図っております。また、当社では、毎月1回の定例取締役会や、必要に応じて臨時取締役会を開催し、法令で定められた事項や経営に関する重要事項を決定するとともに、業務執行の状況を逐次監督しております。また、経営環境の変化に迅速な意思決定をもって対応できるように、経営会議を毎月1回開催し、取締役会に業務の執行状況を具体的且つ迅速に上程できるようにしております。
なお、サステナビリティに関する重要事項については、当社関連部門において環境や人的資本などの情報収集に加え、諸問題に関する対応策を検討し、経営会議による議論を通じて適宜取締役会に報告する体制を整備しております。また、取締役会は担当役員もしくは担当役員に委任された担当者からの報告を受け、当社グループのサステナビリティに関する対応等についての審議・監督を行うこととしております。
①人的資本に関する取組
当社グループは、持続的な成長及び社会が求める価値を持続的に創造し続けるためのカギは「人材」であると考えております。人的価値の最大化に向けた人的資本に関する方針は次のとおりであります。
a. 採用に関する方針
当社グループは、性別や国籍など属性による多様性のみならず、経験や異なる文化、専門分野などの多様性を確保するため、様々なバックグランドを持つ人材の採用を積極的に行っております。また、高い専門性やスキルを保有しているだけではなく、当社グループの企業理念やビジョンへの共感度を重視した採用を行っており、当社のカルチャーにマッチした成長ポテンシャルの高い人材の獲得を目指しております。
b. 人材育成に関する方針
当社グループは、共通価値基準である「festaria Group エンゲージメントルール」をベースとして、社員の特性や能力が最大限に発揮され、社員と企業が共に成長し続けられる人材の育成を目指しております。具体的な取り組みとしては、キャリアアップのための条件を明確にすることで、従業員一人ひとりが成長に向かってチャレンジし、やりがいを生み出す環境作りを進めるともに、階層別研修の実施により各階層において必要な知識・技能の習得に加え、マネジメントスキルや経営スキルの向上に向けた研修機会を提供しております。さらに、社員がより経営的な視点で業務改善に取り組めるような環境整備を図り、事業領域の拡大や事業構造の変化に対応しつつ、継続的な成長を牽引する次世代リーダーの育成に取り組んでおります。
c. 多様な働き方と女性の活躍推進
多様な価値観をもつ人材が尊重しあって活躍するには、共通する価値基準として行動基準の遵守を前提とした働き方や職場環境の構築が不可欠であると考えております。また、女性の活躍を実現するためには、公平な機会提供はもとより、ライフステージの変化に柔軟に対応しながら継続的にキャリア形成への支援を行うなど、安心して挑戦・活躍できるような福利厚生制度を導入しております。
② 気候変動に関する取組
当社グループは、中長期的な企業価値の向上、並びに持続可能な社会を実現していく上で、気候変動への対応を重要な経営課題の一つと認識しており、環境負荷の低減と企業価値の向上の両立を実現していきたいと考えております。
a.循環型社会の推進
当社グループは、ジュエリーに「想い」を託し、大切な人から人へ家族から家族へ世代を超え、受け継いでいくヨーロッパの習慣であるbijou de familleの浸透を企業理念に掲げております。サステナブルな社会の実現に向け、限りある資源を大切に利用することや可能な限り再利用することは、価値あるジュエリーが何世代にも渡って受け継がれていく文化形成を目指す当社グループの使命であると認識しております。当社グループは、修理加工分野を今後の注力領域として位置付けており、リフォーム、リサイクルを中心とした循環型ビジネスを通じてサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
b.オーダーメイドの推進
お客様一人一人の希望にった商品を生産する「オーダーメイド」は、在庫を持たず必要なものを必要な数だけ作るムダの少ない仕組みです。大切なジュエリーを末永くご愛用いただき、さらには大切な人や家族へ世代を超え受け継いでいただけるような、お客様にも環境にも配慮したブランドの確立を目指しております。
当社グループでは、「リスク管理規定」を作成し、リスク管理を行っております。全社的なリスクの把握と対応のため、人事総務部長をリスク管理の統括責任者に指名し、各担当取締役及び各部門長と連携しつつ、リスクの最小化に向けた取り組みを行っております。
なお、サステナビリティ等に関するリスクに関しては、コーポレートガバナンス推進事務局において把握・分析・評価を行い、事業活動に重大な影響を及ぼすリスクについては、速やかに取締役会に報告するとともに、取締役会及び経営会議で審議し、対応策を講じてまいります。
当社グループでは、人材の多様性が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に繋がるものと考え、性別、年齢、国籍等の属性によることなく、共通価値基準である「festaria Group エンゲージメントルール」をベースとして、社員の特性や能力が最大限に発揮され、社員と企業が共に成長し続けられる人材の育成を目指しております。したがいまして、性別、年齢、国籍等の属性ごとの目標値を定めておりません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(ⅰ)季節構成と催事の構成が売上高に及ぼす影響
① 都市型店舗における12月売上高は、年間売上高に対して非常に高い割合となっております。
またジュエリー業界にとりまして12月商戦は、年間最大の販売チャンスであります。当社グループにおきましては、12月商戦に対する強化はもとより、年間を通じて商品開発に努めております。一方、平月の安定的な売上高確保に向けて、販売力強化のため販売員研修を適時実施しております。しかしながら、12月の業績が当初の計画を著しく下回った場合、年間の業績予測に影響を及ぼす恐れがあります。
② 当社グループにおきましては、新規顧客の創造及び既存顧客への感謝を目的とした大型催事を適時実施しております。しかしながら、実施時期に自然災害や感染症の流行等不慮の事由により集客が困難となった場合、年間の業績予測に影響を及ぼす恐れがあります。
(ⅱ)店舗展開について
当社グループは百貨店に代表される複合型商業施設に多数出店しておりますが、以下の事項が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
① 複合型商業施設の出店政策に影響を受ける場合があります。
② 出店候補先における出店基本条件、賃貸借条件等の内容が当社グループの考えております条件と大きな乖離があり、希望物件を確保出来ない場合には、出店計画を変更しなければならなくなる可能性があります。
③ 複合型商業施設が、経営環境の変化によって店舗を閉鎖する場合があります。この場合、同時に当社グループ店舗も閉鎖しなければならない可能性があります。
④ 出店している複合型商業施設及びその運営会社が破綻した場合、売上債権及び営業保証・敷金の返還が受けられない可能性があります。
(ⅲ)人材確保について
当社グループは、人材の確保・教育を最重要課題としておりますが、優秀な社員の育成には時間がかかるため、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(ⅳ)個人情報の管理について
当社は、個人情報の取扱いに対しては、管理体制を見直し整備しておりますが、何らかの要因により情報が流出した場合は、社会的責任を負うこととなり、結果として当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、政府による各種政策の効果もあり、緩やかながら回復基調で推移しております。しかしながら、世界的なインフレ圧力や原材料価格の高騰、そして円安による輸入コストの上昇が続き、企業活動には依然として多くの課題が残っております。
当社グループが属する宝飾業界は、インバウンドや高額品需要が引き続き堅調であった一方で、消費の二極化や物価上昇に伴う節約志向の高まりに加え、原材料費の高騰や人材不足等への対応により全般的にコスト負担が増加傾向となるなど、総じて厳しい事業環境となりました。
このような環境のもと、当社グループは、「強みの進化」と「ビジネスモデルの再構築」を中期の基本方針に掲げ、持続的な成長を可能とする経営基盤の確立を目指しております。
主な取り組みとしては、採用活動の強化や教育・研修プログラムの充実のほか、既存社員の待遇改善など人財力強化に向けた取り組みを進めました。また、進行する消費の二極化を踏まえ、低価格帯と高価格帯商品のラインナップ充実による差別化を図るとともに、富裕層をターゲットとしたプロモーションイベントやポップアップストアの開催、百貨店外商やプライベートバンクとの連携など、新たな客層へのアプローチを強化しました。
成長投資の一環であるDX(Digital Transformation)推進については、ジュエリーの3Dデジタルカスタマイズシステムを本格展開したほか、CRM(Customer Relationship Management)システム「festaria Members Club」を全国の店舗に導入し、会員登録の促進を実施しました。
海外事業については、海外小売事業部門の台湾子会社の台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松㈱)は、引き続きアジア市場の重要拠点として、フェスタリアグループの強みに立脚したビジネス展開を進め、収益基盤の強化を図りました。
グループ生産工場の中核であるベトナム子会社D&Q JEWELLRY Co.,Ltd(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)については、製造体制の強化による品質向上に努めるとともに、3Dデジタルカスタマイズシステムの活用に伴うオーダーメイド受注商品の製造リードタイム短縮を図るなど、SPA企業としてSCM(Supply Chain Management)の最適化、生産合理化による製造コストの低減を進めました。さらに、OEM生産等を検討し営業機能を強化した結果、自社ブランドのみならず大手ジュエリーメーカーを含む数社からの製造受注が実現しました。
その他では、2024年8月22日に東京ドームシティで開催された三井不動産商業マネジメント主催 第15回『 接客ロールプレイングコンテスト』 全国大会において、当社のスタッフが接客No1の栄冠を勝ち取りました。全国の各施設での予選会を勝ち抜いたファッション・物販部門、食品・飲料・サービス部門の代表40名が接客技術を競い合う中での総合優勝であり、提案接客力を強みとする当社の優位性が対外的に示され、大きな評価を得る結果となりました。
さらに、2024年8月29日にジャパンジュエリーフェア2024(東京ビックサイト)で開催された第8回ジュエリーコーディネーター接客コンテストにおいて、上記とは異なる当社のスタッフが日本一の栄冠に輝きました。これにより、当社は初参加となった第5回大会以降、第6回、第7回、そして今回の第8回大会と、4大会連続で約3万人の頂点に立つ快挙を、いずれも異なるスタッフによって達成しました。この結果は、当社が注力してきた教育・研修プログラムの成果であり、また提案力の優位性を再確認するものであります。今後も付加価値のある提案接客を軸に人財力強化に努め、さらなる業績拡大に繋げてまいります。
これらの取り組みにより、売上高につきましては、店舗人材の採用・育成が下期に入って進展したことに加え、インバウンド需要や富裕層ビジネスの拡大もあり、高価格帯のファッションジュエリーが堅調に推移したため、前期に比べ645百万円(7.5%増)の増加となりました。
売上総利益は、金価格が期間平均で前期比26.5%増となるなど、原材料価格の高騰が売上原価を圧迫し、売上総利益率は0.5pt低下したものの、売上が大きく伸長したことから、前期比367百万円(6.7%増)増加しました。
費用面に関しては、人材の確保、定着に向けた対応を強化したことから人件費が大きく増加したことに加え、DX推進に伴う外注費や店舗維持費用の拡大により、販売費及び一般管理費は前期比290百万円(5.5%増)増加しました。
以上の結果、当期における連結業績は、売上高9,305百万円(前期比7.5%増)、営業利益270百万円(前期比39.9%増)、経常利益226百万円(前期比41.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益139百万円(前期比140.5%増)となりました。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは487百万円の収入となりました。これは主に、売上債権の増加が182百万円、棚卸資産の増加が211百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が214百万円、減価償却費が189百万円、仕入債務の増加が144百万円、賞与引当金の増加が67百万円、その他の負債の増加が190百万円あったことによるものであります。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは177百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が140百万円、無形固定資産の取得による支出が22百万円、差入保証金の差入による支出が14百万円あったことによるものであります。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは89百万円の支出となりました。これは主に、短期借入金の純増減額の増加が300百万円あったものの、長期借入の返済による支出が319百万円、リース債務の返済による支出が26百万円、社債の償還による支出が20百万円、配当金の支払額が23百万円があったことによるものであります。
その結果、現金及び現金同等物の期末残高は1,192百万円(前期は966百万円)となりました。
当社グループの事業は、宝飾の製造及び販売の単一セグメントであるため、品目別に仕入実績を記載しております。
当連結会計年度の商品仕入実績を品目別に示すと次のとおりであります。
当社グループの事業は、宝飾の製造及び販売の単一セグメントであるため、店舗形態別に販売実績を記載しております。なお、当社グループは、主に店舗において一般消費者に販売いたしております。また、顧客催事及び仕入先主催の展示会において販売をしております。
当連結会計年度の販売実績を店舗形態別に示すと次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たりまして、重要な見積りや仮定を行う必要があります。重要な会計方針において、それら重要な仮定により業績に影響を受ける項目は次のとおりです。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますので、あわせてご参照下さい。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
① 棚卸資産
商品及び製品は個別法、原材料は移動平均法、貯蔵品は最終仕入原価法による原価法により算定しており、貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。収益性の低下の判断においては、直近の販売実績に照らして販売可能と判断される棚卸資産を除外した上で、仕入年度から一定の期間を超える棚卸資産の帳簿価額を切り下げております。直近の販売実績及び今後の需要予測に照らした販売可能性の判定に用いた一定の期間を主要な仮定としていますが、当該仮定は将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際の販売実績が見積りと異なった場合、帳簿価額の切り下げに伴い翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、将来年度の当社の収益力に基づく課税所得による回収可能性を検討した上で、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性が見込めないと判断した場合は、回収不能と見積もられる金額を見積り、評価性引当金が計上されることになり、損益にマイナスの影響を与える可能性があります。
③ 固定資産の減損処理
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、店舗の営業活動から生じる損益が継続してマイナスである資産グループについては、減損の兆候があると判断し、減損処理を実施しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 営業収益
営業収益の概況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 業績」をご参照ください。
② 営業損益
営業損益は、前連結会計年度に比べ売上総利益が367,678千円増加、販売費及び一般管理費が290,547千円増加したことにより、営業利益は270,418千円(前期比39.9%増)となりました。
③ 営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度に比べ収益が7,100千円減少し、費用が3,653千円増加しました。これは、為替差益が8,526千円、支払手数料が391千円減少し、支払利息が6,564千円、受取利息が1,130千円増加したためであります。この結果、経常利益は226,317千円(前期比41.5%増)となりました。
④ 特別損益
特別損益は、固定資産除却損4,473千円、減損損失7,424千円を計上した結果、税金等調整前当期純利益は214,419千円(前期比58.0%増)となりました。
⑤ 財政状態
当連結会計年度の総資産は、7,349,042千円と前連結会計年度に比べ630,742千円の増加となりました。これは、現金及び預金が226,355千円、売掛金が181,692千円、原材料及び貯蔵品が226,520千円増加したことが主な要因です。
また、当連結会計年度の負債は、5,812,332千円と前連結会計年度に比べ502,570千円の増加となりました。これは、支払手形及び買掛金が144,904千円、未払金及び未払費用が70,423千円、前受金が58,152千円、未払法人税等が65,762千円、賞与引当金が67,646千円増加したことが主な要因です。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資本の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資金の需要
当社グループにおける資金使途としましては、運転資金、新店舗出店に伴う固定資産の取得、借入金の返済及び利息の支払並びに保証金の支払いであります。
③ 財務政策
当社グループは、経営環境の変化に対応し、また当社の財務比率等を勘案し、財務ないし資本政策を行ってまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。