文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があるため、その達成を保証するものではありません。
当社は、「『幸せ』への挑戦~関わるすべての人と共に~」という企業理念の下、お客様はもとより、当社の従業員、株主、仕入先業者、プロデュース店、ライセンス店等関わるすべての方に幸せを届けていき、社名の由来ともなっている現状に満足せず、「チャレンジし続ける(ING)こと」を経営方針としております。
当社では、「『人』に挑戦し、『食』に挑戦し、感動と笑顔を創り続ける。」というミッションを掲げ、美味しいと思っていただけるような商品の追求、並びにお客様に喜んでいただけるようなサービスや空間作りの追求をすることにより、感動や笑顔が溢れるお店を作ってまいります。そして、直営店の展開だけでなく、当社で蓄積したノウハウをプロデュース店やライセンス店に提供し、多店舗展開することにより、より多くのお客様に当社ブランド店舗に足を運んでいただき、喜んでいただくことで事業の拡大を図り、企業価値の向上に努めてまいります。
長期的な出店戦略として、一都三県を中心(※)に、直営店において、ラーメン事業、レストラン事業ともに100店舗、計200店舗の出店、プロデュース店及びライセンス店で計300店舗、合計500店舗の達成を目指しております。
※ 直営店の都市型店舗においては、一都三県の主に乗降客数10万人以上のエリア、プロデュース店及びライセンス店においては、一都三県の主に乗降客数3万人以上のエリアへの出店を想定しております。
なお、現状における各ブランド及び展開エリアの店舗数内訳としましては以下のとおりとなっております。
(2024年8月31日時点)
※1.一都三県は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を示しております。
※2.その他(一都三県以外)の内訳は以下のとおりとなっております。
らぁ麺 はやし田、焼売のジョー直営店・・・大阪府
プロデュース店・・・青森県、宮城県、山形県、栃木県、長野県、茨城県、岐阜県、愛知県、
京都府、兵庫県、三重県、石川県、広島県、岡山県
CONA ライセンス店・・・長野県、山梨県、静岡県、三重県、熊本県、鹿児島県
焼売のジョー ライセンス店・・・山梨県
また、各事業及び両事業共通の経営戦略としましては、以下を想定しております。
ラーメン事業における直営店の店舗展開としましては、引き続き、一都三県を中心とした都市型店舗の新規出店を主として考えております。また、ブランド展開としましては、「らぁ麺 はやし田」ブランドでの出店をメインとしながらも、その他ブランドにおける展開も合わせて行っていく所存です。
ラーメン事業においては、強みである商品開発力をもとに、自社開発の8ブランドを有していることから、1地域における複数ブランドの出店、展開が可能となっております。例えば、東京都新宿区の1地域においては、「らぁ麺 はやし田」、「金目鯛らーめん 鳳仙花」、「煮干中華そば 鈴蘭」、「らぁ麺 くろ渦」及び「麺や 麦ゑ紋」とそれぞれ麺や、スープの特徴が異なった5ブランドの店舗を展開出来ております。また、2023年3月に1号店を開店しました「日本油党」につきましては、「らぁ麺 はやし田」の出店済エリアであります町田市にて、2号店を開店しております。このように、多店舗展開している「らぁ麺 はやし田」を軸にする一方で、その他のブランドにおいても合わせて出店を行うことで、店舗数を拡大してまいります。
店舗フォーマットにおいては、既存店舗における人員配置を踏まえた効率性の観点から、都市型店舗の出店を中心に考えております。一方で、2020年12月以降、郊外型・ロードサイド店舗も複数出店をしております。当該店舗フォーマットにおいては、ボックス席を設置するなど、お子様を含めたファミリー、老若男女が楽しめるお店づくりをしております。また、メニューにおいてはラーメンのみならず、餃子、から揚げ等のサイドメニューを含めた商品開発を行うことで、新たな客層の獲得及び客単価向上が図れるものと考えております。そのため、目先のところでは、都市型店舗を中心に展開しながらも、中長期では、郊外型・ロードサイド店舗も合わせた出店にて、店舗数を拡大していく方針であります。
また、商品開発においては、定期的に試食会を開き、既存商品のブラッシュアップ、新商品や季節限定のラーメンの開発、ひいてはそれらを通じた新ブランド開発を常に行うことで、新たな顧客層の獲得や、既存顧客における来店頻度の向上を図ってまいります。
マーケティングにおいては、直営店は複数ブランドの展開を行っておりますが、それら複数ブランドの更なる認知度向上を図るため、各ブランド共通のアプリ等を導入し、当社運営店舗情報等の周知を図っております。アプリを活用していくことで、来店された店舗での再来店の他、それ以外の店舗にも来店されるきっかけを生み出し、また、継続的に新店情報や、上記季節限定ラーメン等の情報を過去来店店舗の履歴等も踏まえ、プッシュ通知により認知頂くことで、更なる来店頻度の向上、直営店の複数ブランドの展開、店舗間における売上の相乗効果、集客効果の最大化を図ってまいります。
プロデュース店においては引き続き、開業時に負担となる加盟金や研修費をゼロとすることで、飲食業を営む上で、相対的に取り組みやすいビジネスモデルとして、独立開業を計画する店舗オーナー様へ開業支援に係る特設サイトや、催事などへの積極的な参加等を通じ、店舗の拡大を図ってまいります。加えて、新規開業の店舗オーナー様に限らず、既存店舗オーナー様に対する追加出店のご提案等も踏まえ、プロデュース店の更なる拡大を図ってまいります。プロデュース店の出店エリアにおいては、現在、一都三県が中心となっている一方で、広島県、京都府、岐阜県、宮城県等、地方も含め、全国的に展開も進んでいる状況となっております。今後においても、一都三県においては直営店と共存しながら、地方も含め全国に店舗を拡大していく方針であります。なお、プロデュース店においても、郊外型・ロードサイド店舗の展開を実施しており、都市型店舗及び郊外型・ロードサイド店舗双方において、当社直営店のノウハウを提供していくべく活動をしてまいります。また、その他商業施設内への出店も実施しており、その土地や物件に応じて柔軟な店舗フォーマットの選択が可能となっております。
ラーメン事業における店舗フォーマット毎の店舗数一覧(2024年8月31日時点)
② レストラン事業
レストラン事業における直営店の店舗展開としましても、引き続き一都三県を中心とした都市型店舗の新規出店を主として考えております。また、ブランド展開としましては、「CONA」及び「焼売のジョー」を中心に、その他ブランドも合わせ、展開してまいります。
オペレーションにおいては、既存商品のレシピに使用する食材の仕入れ元や、商品、分量を定期的に見直し、原価の確認と改善を継続的に行ってまいります。また、既存商品、新商品共に提供時のスピード向上と人員削減のため、仕込み工程と調理工程、盛り付け工程まで効率化のための見直しを行ってまいります。他に今後は、各ブランドの主要商品を中心に、商品の味、原価を保ちながら、商品のPB(プライベートブランド)化を進めてまいります。
商品開発においては、季節に応じたメニューや、ディナーメニューのブラッシュアップはさることながら、ランチ向けのブランド開発や、メニュー開発による追加需要の獲得にも取り組んでまいります。また、テイクアウトや、デリバリー向け商品においても、商品開発を行ってまいります。なお、「焼売のジョー」においては、上記テイクアウト需要に対応すべく、テイクアウトブースを設けた店舗開発及び商品展開にも取り組んでおります。
顧客ターゲットにおいては、「CONA」は年代として20代~40代、属性としては男女の学生、カップル、会社員をターゲットとし、「焼売のジョー」においては、年代としては20代~50代、属性としては男女の学生、会社員をターゲットとしております。なお、「焼売のジョー」においては、地域のニーズに合わせ、一部店舗でファミリー特典を充実させることでファミリー層の獲得も図っております。
マーケティングにおいては、「CONA」及び「焼売のジョー」ともに、今後はPR活動を強化してまいります。
具体的には、新規出店や、新商品、新サービスのリリース時に、各ブランドのオリジナルアプリでの配信、Instagram公式アカウントや、店舗アカウントでの投稿に加え、インフルエンサーとの連携や、TikTok等、その他手段も活用することにより、露出を強めてまいります。また、今後は、より一層、新サービスや、キャンペーンの実施、新商品販売等を行うことで、それらの機会をより多く創出してまいります。
ライセンス店においては、引き続き、SNS媒体やオーナー募集広告の活用、飲料取引業者と連携を図り、加盟への加入を促し、ライセンス展開の拡大を図ってまいります。また、ライセンス展開に際しては、新規開業を計画する店舗オーナー様に対するオンラインを含めた説明会の実施、既存店舗オーナー様に対する追加出店のご提案を行ってまいります。なお、「焼売のジョー」においては、2022年9月に直営店である大阪駅前第3ビル店を、関西1号店として出店を行ったことから、関西エリアでの商談数増加等も見据え、ライセンス展開の更なる拡大を図ってまいります。
なお、ライセンス店の出店エリアにおいても、現在、一都三県が中心となっている一方で、山梨県、三重県、熊本県、鹿児島県等、地方も含め、全国的に展開も進んでいる状況となっております。今後においても、一都三県においては直営店と共存しながら、また、地方も含め全国に店舗を拡大していく方針となります。都心部に加え、郊外を含めた全国規模で出店を展開することで、日本全国の繁華街や住宅街等に、様々な方々の行きつけとなるような店舗展開をすることを目標としており、その観点での新規オーナー及び新規物件の開拓強化も図ってまいります。ライセンスによる多店舗展開においては、店名は「CONA」として統一となりますが、それぞれの街にあった内外装・空間・商品で個性を活かし、地域の特性に合わせた客層の集客を強化してまいります。また、「焼売のジョー」では、直営店と同様の内外装・空間・レシピ、運営マニュアルを厳守することで、全店での統一感を活かしてまいります。
継続的な新規出店に際しては、離職率の低減が重要な要素と考えております。そのような中、当社は、経営理念による社員の意思統一、四半期単位での人事評価・上長との面談の制度を導入し現場におけるモチベーションの向上を図っております。また、エリアマネージャーを3~4店舗に1名配置することで各店舗を無理なく十分管理出来る水準とし、各店舗従業員と定期的な面談を実施していること、年2回のES調査(注1)や、入社後3ヵ月の中途社員を対象に実施する中途社員入社後アンケートを実施し、フィードバックを行っております。加えて、エゴグラム診断という性格診断を導入し、管理者(店長・エリアマネージャー)には理解を深める研修を実施するなど、個々の内面的な要素を網羅しながらクリティカルな面談や人材配置をすることにより、人材によるミスマッチ防止を図っております。その他、社内SNS(THANKS GIFT)を用いて店舗の出来事や、プライベート等を共有しながら、既存従業員がより楽しく、やりがいを持って働ける環境づくりに努めております。
人材の確保については、参加型のインターンシップを含む新卒採用に係る活動なども接点を増やし、大学卒に限らず専門卒や高卒の人材に採用の幅を拡大していきます。また、中途採用では、採用担当者を増員し教育、採用窓口も拡大し、日本人人材だけでなく、特定技能外国人人材の採用を促進し計画的に出店に合わせた採用を行い、更なる人材獲得を目指してまいります。なお、外国籍の採用担当者も社内に確保しており、外国人人材の採用を内製化することで一部、外部業者を介すことなく、候補者と直接的にコミュニケーションを図り、競争力強化に繋げてまいります。また、社内若手アルバイト従業員や、過去の退職者や内定辞退者等に関し、データベース上に登録し、それらを将来の候補者(タレントプール)として、情報発信することで、正社員登用や出戻り採用にも繋げてまいります。
人材強化戦略においては、新入社員においては月1回の定例研修の実施や、中途入社社員を対象にした理念研修、全社員対象の社内研修制度の制度化と浸透、サービス業に特化した社外の研修機関における研修受講の義務化、携帯学習システムの導入等により人材強化を図っております。
社員だけでなく、アルバイト従業員にもパートナーキャリアパス制度「ILUO評価」(注2)という評価制度を導入しており社員と同じく四半期単位での人事評価・面談の制度を導入し現場におけるモチベーションの向上、教育項目の明確化、昇格テストの導入等により、お店を支えるアルバイト従業員に対しての人材強化も並行して行っております。
注1.「ES調査」とは従業員満足度調査のことであり、自社の社員に対して会社の指針や各種制度(福利厚生、人事制度など)上役に対する満足度などを調査することであります。
2.「ILUO評価」とは評価対象者の力量基準に合わせた評価方法のことであります。
上記の人材強化戦略で基礎能力を身に付けるとともに、月1回の臨店(社内基準の店舗のQSC調査)と直営店及びライセンス店においてはミステリーショッパーの活用(お客様目線の店舗のQSC調査)等をしつつ、その調査結果に対するフィードバックを徹底しております。また、エリアマネージャー1人あたりの担当店が3、4店舗のため、1店舗1店舗集中し担当させることにより充分なQSC面の指導が可能となり、全店舗月1回の店舗ミーティングを必ず実施することにより、社内目線・お客様目線の両面からオペレーションの改善、QSCの向上に努めております。
上述の①ラーメン事業にて、東京都新宿区の1地域において、ラーメン事業につき、5ブランドの店舗を展開出来ている点記載しておりますが、レストラン事業においても、「CONA」で3店舗(内ライセンス店2店舗)、「焼売のジョー」で1店舗を出店しており、2事業有することで、同地域で9店舗の当社ブランドを出店することが出来ております。このようなラーメン事業及びレストラン事業という異なる2事業を展開し、それぞれ複数ブランドを有することでの店舗展開力は引き続き活用してまいります。また、新規出店の検討において、1事業での出店であれば、店舗面積として過大であり、出店不可となる物件においても、2事業同時出店することで出店が可能となる事例もあり、そのような出店方法も組み合わせながら、物件の機会損失を最小化し、店舗展開を図ってまいります。加えて、プロデュース店・ライセンス店においても、1名のオーナー様に対し、1事業のみならず、2事業のブランドをご提案することで、更なる店舗拡大に繋げてまいります。
消費者のライフスタイルの変化も踏まえ、店内販売に限らず、テイクアウトによる販売や、ECサイトにおける販売、「Uber Eats」や「出前館」等、デリバリーサービスの拡大による新たな売上機会の創出も引き続き追求をしてまいります。また、自社商材に限らず、「ゴーストレストラン」(注)のメニューを活用することでの空き時間の効率化、売上の上乗せも図ってまいります。
注.「ゴーストレストラン」とは、客席を持たずに、デリバリーのみで顧客に料理を提供する飲食店のことであります。
既存店の収益性等を勘案し、ブランド変更による収益力の向上、もしくは、不採算店舗の戦略的撤退による収益性の改善、経営資源の効率的投下に努めることで、利益の最大化を図ってまいります。
わが国の経済は、長期間にわたった新型コロナウイルス感染症に関連した行動制限が収束したこと、また、感染症法上の位置づけが2023年5月より従来の2類から5類に引き下げられたこと、海外からの入国制限緩和等から人流が増加する中で、経済活動が徐々に活発になり、国内経済は正常化へと向かっております。一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や、円安の影響によるエネルギーコスト及び原材料価格の高騰、それに伴う物価の上昇など、景気の動向は依然として不透明な状況が続いております。
当社が属する外食業界におきましては、行動制限が収束したこと等から、店内飲食への抵抗感が薄れ、客数も順調に回復に向かっている一方で、上述の原材料及びエネルギー価格の上昇や労働力不足に伴う人件費や採用コストの上昇、円安の進行等、引き続き厳しい経済環境が継続している状況となっております。
ラーメン業界におきましては、新型コロナウイルス感染拡大により、2020年は前年比20.0%減少となるも、2022年3月のまん延防止等重点措置解除、上述の5類移行踏まえ人流が回復、2023年は市場規模4,600億円、前年比12.5%増となっております。また、当市場は、参入障壁が低く、市場占有率の高いチェーン店企業においても、出退店が繰り返されてきた非寡占の市場であり、市場占有状況は、店舗数シェア1位の企業で全体の2.6%、2位で2.3%、3位で1.8%、それ以外で93.3%を占める形となっている中、十分に当社シェアの拡大余地があるものと考えております。(出典:富士経済「外食産業マーケティング便覧2024 No.1」 「ラーメン」)
居酒屋業界におきましては、居酒屋業界の新型コロナウイルス感染拡大前の市場規模(2019年)は1兆6,058億円であったものの、コロナ感染拡大に伴い、2021年には5,050億円まで縮小しましたが、2023年5月に新型コロナウイルスに係る感染症法上の位置付けが5類に移行したことによる消費者マインドの変化も受け、市場規模(2023年)は1兆185億円まで回復しております。また、当市場についても、参入障壁が低く、市場占有率の高いチェーン店において、出退店が繰り返されてきた非寡占の市場であり、市場占有状況は、店舗数シェア1位の企業で全体の1.5%、2位で0.8%、3位で0.6%、それ以外で97.1%を占める形となっている中、十分に当社シェアの拡大余地があるものと考えております。(出典:富士経済「外食産業マーケティング便覧2024 No.2」 「居酒屋・炉端焼」)
当社ではコロナ禍において、ラーメン事業では、従来の都市型店舗に限らず、郊外型・ロードサイド店舗の開発を行い、レストラン事業では、従来の「CONA」に加え、「焼売のジョー」ブランドの展開を開始し、新規出店を継続してまいりました。引き続き、新業態等の開発も行いながら、新規出店による規模拡大、シェア拡大を図ってまいります。
当社では、新規出店による規模拡大と合わせ、既存店の成長を図ることなどにより、安定的かつ持続的な企業価値の向上を目指しております。また、これらを実現するために「売上高成長率」、「新規出店数(直営店及びプロデュース・ライセンス店)」、及び「事業部毎の既存店売上高(前年比)」を重要な経営指標としております。
外食機会の減少、類似業態の出現、食の安全に対する消費者意識の高まり等、外食産業を取り巻く環境は日々目まぐるしく変化しています。当社では持続的な成長の実現と収益基盤強化のため、以下の課題に重点的に取り組んでまいります。
当社のブランドイメージ、商品の評価、収益性を維持するため、日々品質の向上と、お客様を飽きさせない仕組みの構築は重要な課題だと考えております。そのような中、当社は仕入れ業者及び商品の精査と交渉、並びにオペレーションの改善見直しを常に行っております。また、定期的な新商品の入れ替えや、季節と行事ごとの限定商品の開発にも力を入れ、それらをアプリやSNS等を通じてお客様に効果的に周知させることにより、お客様が常に満足のいく商品提供や、機会提供に努めてまいります。
当社の直営店では、ラーメン事業、レストラン事業ともに、一都三県を中心に主として都市型店舗を展開し、プロデュース及びライセンス店においては、一都三県においては直営店と共存しながら、地方も含め全国に店舗を拡大していく方針であります。その中で、今後長期的な出店計画の実現にあたっては、好立地、好条件な物件を見つけることが重要な課題だと考えております。そのため、当社では店舗開発に係る交流会の参加や、不動産業者に止まらず、より広範な業者や関係者と接点を築くことで、より多くの物件情報の獲得を図っております。また、街の特色に合わせてラーメン事業またはレストラン事業のどちらかを選択することによる、同じ街での当社が運営する複数ブランドの共存、並びに店舗規模の大小にも対応することによる新規出店、出店エリアの拡大に取り組んでまいります。
当社では、お客様に安心してご利用いただき、食中毒が発生しにくい安全な環境で安全な商品を提供するために、衛生マニュアルの運用・遵守、定期的な外部検査機関による衛生検査と検便検査、マネージャーによる臨店検査及び覆面調査により、衛生・品質管理の強化に努めてまいります。また、プロデュース店及びライセンス店においても新規開店前に当社基準の衛生マニュアルの運用の指導を行っており、ライセンス店は、当社同様に定期的な外部検査機関による衛生検査実施しており、衛生・品質管理の強化に努めてまいります。
お客様満足度の維持向上、及び再来店の動機づけとして、接客レベルの維持向上は重要な課題だと考えております。そのため、当社では、同業他社、類似店舗の競争が激化する中において持続的に愛される店舗であるために、お客様目線の接客に重きを置いております。質が良く安定した接客を提供するため、それぞれの業態個別に接客マニュアルの冊子を作成し、統一したオペレーションを確立しております。また、自社内における評価として、マネージャー臨店検査を実施、外部からの評価として、一般消費者の覆面調査を実施し、それぞれの視点から、高品質な接客の維持向上に努めてまいります。
今後の成長には優秀な人材の確保が重要であると考えております。中途採用だけではなく新卒採用にも積極的に取り組み、また、アルバイト従業員から正社員への登用やリファーラル採用(注1)にも力を入れております。離職率の低減にも重きを置き、新入社員研修、新卒研修、階層別研修や店長会議、副店長会議の中にも学びの機会を増やし、「従業員が企業のために何をしてもらうか」ではなく「企業が従業員にどのような価値を与えられるか」という観点で従業員満足度の維持向上に努めてまいります。全従業員の意見を収集し実態を確認するために、正社員・アルバイト従業員共に、毎年3月・9月の年2回社内ES調査を実施し、毎年10月には「GPTW」(働きがいのある会社認定)(注2)に挑戦し、その各結果を基に労働環境改善や福利厚生の充実を図っております。
注1.リファーラル採用とは、紹介・推薦などの意味を持つ「リファラル」を由来としており、社員の人的ネットワークを通じて人材を採用する手法のことであります。
2.GPTW=Great Place to Work®は、「働きがい」に関する調査・分析を行い、一定の水準に達していると認められた会社や組織を各国の有力なメディアで発表する活動を世界約100ヶ国で実施している専門機関のことであります。
お客様に安定してサービスを提供し、業容の拡大を図るためには、経営管理体制の強化は重要な課題だと考えております。そのため当社では、多様化するリスクを的確に把握し、事業規模に合わせ、管理部門の体制強化を図る等、コーポレート・ガバナンスを充実させていくことで経営基盤を強化してまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は、「『幸せ』への挑戦~関わるすべての人と共に~」という企業理念の下、お客様はもとより、当社の株主、従業員、仕入先業者、プロデュース店、ライセンス店等関わるすべての方に幸せを届けていくことを経営方針としております。そこから健全な社会、経済発展、環境保全を追求することで、企業価値の向上と持続的な社会貢献ができると考えております。
当社は、外食を通じて、社会課題に対峙し、ステークホルダーと共に挑戦することで、より良い社会の実現と自社の持続的な成長、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。そのためにサステナビリティへの対応は重要な経営課題とし、当社としてサステナビリティを推進するガバナンス体制を整備し、基本方針の策定を検討する予定です。
当社では、リスク・コンプライアンス委員会にてリスク及び機会の監視、分析及び対応策の検討しており、それを取締役会へ報告を行っております。今後は、サステナビリティに関するリスク及び機会についても当社の経営に与える影響について分析及び対策案をリスク・コンプライアンス委員会にて検討し、取締役会に報告し管理する体制を構築する予定であります。
当社の持続的な成長、中長期的な企業価値の向上のためには、人材が重要であり、「『幸せ』への挑戦~関わるすべての人と共に~」を実現するために、多様な従業員の確保、成長とその実力を発揮し継続的に活躍できる社内環境を整備することが重要であると考えております。
当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
(採用)
人材確保においては、中途及び新卒採用と積極的に実施しております。また、海外人材採用にも力を入れており、外国籍の採用担当を社内に確保し、海外人材採用業務を内製化することで、直接候補者にアプローチを行っております。そのため、外部業者を介すことなく、候補者と直接的なコミュニケーションが図れることで、海外人材採用における競争力強化に繋げてまいります。
また、アルバイト従業員やアルムナイ(過去の退職者や内定辞退者等)をデータベース上に登録し、情報発信することで正社員登用や出戻り採用に繋げており、アルバイトから正社員への転換も積極的に取り組んでまいります。
(教育)
入社後において、アルバイト従業員を含めた階層別の研修制度「INGS ACADEMY」や、サービス業に特化した社外研修受講の義務化等により、人材強化を図っております。
また、店舗従業員は四半期単位、本社従業員は半年単位での人事評価・面談制度の導入、年2回のES調査、社内SNS活用により、モチベーションの維持・向上、社員定着率向上、社内コミュニケーションの活性化を図っております
また、海外人材の活躍・スキルアップ支援のために、外国籍の採用担当による個別相談及び特定技能資格取得のための講習会を開催しております。
年2回ES調査の実施及び女性従業員を中心とした交流会を開催しており、各従業員の意見を受け入れを行い、その中の意見から社内環境の整備、新たな福利厚生制度等の検討を行っております。
また、内部通報窓口以外にも従業員の職場内における人間関係の中心とした悩み相談窓口及び保健師相談窓口を設置しており、労働環境の整備を図っております。
また、リスク・コンプライアンス委員会・衛生委員会において、勤務時間や労働環境等を確認し勤務時間や労働環境等を確認し、環境整備に取り組んでおります。
当社では、仕事と家庭を両立し働きやすい職場環境を整備することに継続的に取り組んでまいります。その指標と目標は以下のとおりです。
(注) 1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
2.「―」は、女性の育児休業取得の対象となる従業員がいないことを示しております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 事業環境について(発生可能性:中、発生する可能性の時期:特定時期なし、影響度:中)
外食産業は、人口の減少や高齢化による食需要自体の縮小に、デリバリー、お弁当等の中食需要の成長も伴い、外食を含めた食習慣が変化することにより、厳しい競争環境となることが考えられます。その結果、市場環境が悪化した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社ではそれに対して、ラーメン事業及びレストラン事業ともに、アプリのアンケート結果等を活用しながら、お客様のニーズや流行に適用した商品開発及びQSCを強化し、お客様満足度を上げることにより、当社にご来店いただける様に努めております。また、Uber eatsや出前館などを利用したデリバリー及びお持ち帰りに適しているテイクアウト商品の開発を行い、中食市場などへの参入強化を図っております。
当社は、新規出店をする際には、立地条件や集客性、店舗の採算性等を綿密に調査し、積極的に出店を行っていく方針としております。しかしながら、当社の出店後に競合他社等の新規参入が発生した場合、当初の計画どおりに店舗収益が確保できず、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社ではそれに対して、商品開発及びQSCを強化し、お客様満足度を上げることによるブランドの確立を図っております。
当社は、新規出店計画に基づき新規出店を行い、事業を拡大しております。新規出店にあたっては立地条件、賃貸条件、収益、投資回収期間等を総合的に検討して決定しております。しかしながら、条件に合致する物件が見つからない場合や、工事工程の遅れなどにより、必ずしも計画通りのスケジュールで新規出店ができるとは限らないため、実際の新規出店の進捗と、新規出店計画の間に乖離が生じた場合には、当社の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社が提供する商品には、「大山鶏」や「煮干」、「小麦粉」等の製造上必要不可欠である原材料があります。これらの原材料は、異常気象による収穫量の減少、鳥インフルエンザ等の伝染病の蔓延や、物流上の障害、政府による輸入制限措置の発動、国際的な漁獲制限、円相場の変動、国際紛争等を起因とした国際情勢の悪化により、食材価格の高騰や食材仕入れに支障が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社ではそれに対して、複数の取引先を設け食材確保と適宜価格比較を行うとともに、原材料の生産業者と直接交渉を行い原材料の価格と出荷量を担保する取り組みを図ってまいります。また原価高騰などの状況に応じて商品、レシピまたは販売価格の変更を行い、利益率を保ちつつ価格変更以上の付加価値を付けて新商品を提供し、お客様を飽きさせない取り組みを行っております。
当社では、飲食店の運営を事業の中心としておりますが、食品の提供に関しては食品衛生法や食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)の規制、酒類の提供に関しては未成年飲酒禁止法、道路交通法の規制、テナントの消防設備管理及び防火管理に関する消防法の規制、深夜0時以降も営業する店舗に関しては風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の規制、ライセンス店との関係では中小小売商業振興法や独占禁止法の規制、従業員の労務管理及び労働環境については労働基準法や労働安全衛生法の規制、また、顧客及び従業員の個人情報の取り扱いに関しては個人情報保護法の規制がそれぞれ適用されます。
仮に重大な法令違反が生じた場合や、法改正に対応するための費用が生じる場合には、当社の経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。当社では、各種法的規制について随時顧問弁護士に適法性を確認し、内部監査及びリスク・コンプライアンス委員会において法令違反が無い事の確認を取り、また最新の法改正についても各省庁のホームぺージサイトから随時確認する体制を取り法令遵守を図っております。なお、当社に関わる法令・規制等のうち重要なものは以下のとおりです。
当社では、新規出店の際に店舗店長を食品衛生責任者とし、所管保健所より飲食店営業の営業許可を取得しております。店舗では食品衛生責任者を中心に「HACCP」に基づく衛生管理の徹底を図っております。また、社外の検査機関における衛生検査も定期的に行い、店舗の食品安全衛生に取り組んでおります。しかしながら、これらの施策にもかかわらず、食中毒等の事故が発生した場合、当該店舗の営業停止処分、営業許可証の取消のほか、当社における信用の失墜により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社の店舗では、アルコールの提供を行っているため、未成年者飲酒禁止法及び道路交通法による規制を受けております。当社の店舗では、啓蒙ポスターの掲示や誤提供防止のための社内マニュアルの徹底とともに、アルコールの注文をされたお客様には、年齢の確認及び運転の有無の確認を行うなどの対策を十分に行っております。しかしながら、これらの施策にもかかわらず、未成年者の飲酒や飲酒運転が発生し、当社及び従業員が法令違反等による罪に問われ、店舗の営業が制限された場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」
当社の店舗のうち、深夜0時以降も営業及びアルコールの提供を行う店舗については、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」により深夜営業について規制を受けております。当社では、該当店舗の新規出店時等に所管の公安委員会へ「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書」の届出を行い規制の遵守に取り組んでおります。しかしながら、法令違反等が発生した場合、営業停止処分等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
外食産業では、食品の産地偽装や消費期限の改ざん等の消費者の信用を失墜させる事件が発生しており、食材の安全性に対する社会的な要請が強くなっております。当社は、レシピ考案時に食材の原産地を確認し、特定の商品のみ発注できる仕組みを取り、店舗において納品物と注文の一致及び消費期限を確認するなどの社内体制を整備、強化し、適正な商品表示に努めております。しかしながら、表示内容に重大な誤りが発生した場合、当社の社会的信用が低下し、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社では、「らぁ麺 はやし田」「CONA」「焼売のジョー」等の主要ブランドをはじめとして、複数ブランドの運営を行っております。各ブランドにおいては、商標権を取得し管理することで保護する方針でありますが、第三者が商標権を侵害する等の行いによって当社のブランドの価値が毀損された場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、ライセンス店にはライセンス契約に基づき、当社所有の商標等の使用許諾を行っております。
当社では、直営店の出店については賃貸によることを前提としており、賃貸人に対し状況に応じて保証金等を差し入れております。そのため賃貸人の財政状態が悪化した場合、差入保証金の一部または全部が回収不能となり、賃借物件の継続的使用が困難となることも考えられます。当社では、賃貸借契約締結前に不動産会社等と連携して賃貸人の調査を行う対策を行っているものの、前述のリスクが発生した場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社のラーメン事業では、直営店による出店拡大とともに、プロデュース店の店舗展開を行っております。当社では、プロデュース店が麺、タレ、スープ等の食材を当社より継続購入することを条件に、プロデュース店に店舗運営指導を提供しております。なお、昨今の物価上昇に伴い原材料が高騰した場合、それに応じて当社はプロデュース店に対して、契約に基づき食材の販売価格を値上げして提供する方針です。一方で、それら原材料の高騰やプロデュース店の販売不振などその他事由によりプロデュース店が閉店し、プロデュース店の店舗数が減少した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社ではそれに対して、新規のプロデュース店の増店と併せて、プロデュース店の閉店を減少させるため、プロデュース店における売上状況を毎月確認し、業績悪化要因を検討し、新商品、商品販売価格の見直し、トッピング構成の変更や新サービスの提案またはQSC面での助言を行いプロデュース店の業績支援を図っております。
当社のレストラン事業では、直営店による出店拡大とともに、ライセンス店との間にライセンス契約を締結し店舗展開を行っております。当社はライセンス契約に基づきライセンス店に該当ブランドの商標等の使用許諾をするとともに、店舗運営指導を提供しております。なお、昨今の物価上昇に伴う原材料の高騰した場合、それに応じて当社はライセンス店に対して、契約に基づき食材の販売価格を値上げして提供する方針です。一方で、それら原材料の高騰や、ライセンス店において該当ブランドに悪影響を及ぼすような事態、ライセンス店の販売不振などその他事由によりライセンス店が閉店し、ライセンス店の店舗数が減少した場合、売上高が減少し、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社ではそれに対して、ライセンス店における売上状況を毎月確認し、業績悪化要因を検討し、新商品、レシピの変更や新サービスの提案、イベント企画の立案またはQSC面での指導を行いライセンス店の業績改善を図っております。
当社は、直営店による出店拡大を事業の柱としており、継続的な出店拡大を行っていくためには、優秀な人材の採用及び育成が不可欠となります。しかしながら、労働人口の減少や給与水準の高騰が進んでいる昨今の日本市場において、安定した人材の採用ができない場合や、採用した人材の教育が店舗運営において必要な水準に達せず、管理職候補者が育成できない場合、直営店の出店計画に支障をきたすこととなり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社ではそれらに対して、採用手法の多様化に取り組み安定した人材採用を行うとともに技能・知識を身につけられる研修カリキュラムによって管理職候補者の育成を行っております。
(12) 労働関連法規制の変化について(発生可能性:小、発生する可能性の時期:特定時期なし、影響度:中)
政府が推進する働き方改革に伴う労働基準法の改正により、2019年4月より施行された時間外労働の上限規制や年次有給休暇取得義務、2020年4月より施行された同一労働同一賃金制度における雇用区分別の均等・均衡待遇の明確化と説明義務の遂行など、従業員を取り巻く各種法的規制や労働環境に大きな変化が起こりつつあります。また、当社の直営店運営においては、短時間労働者であるパートタイム・アルバイトの有期契約社員が業務に多数従事しておりますが、2016年10月の健康保険法施行規則及び厚生年金保険法施行規則の改正により、短時間労働者に対する健康保険及び厚生年金の適用が拡大されるなど、有期契約社員を取り巻く各種法的規制や労働環境についても大きな変化が起こりつつあります。こうした各種法的規制への対応や労働環境の変化により、優秀な人材の雇用が出来なくなる可能性や店舗における人件費が高騰する可能性があります。また、当社において各種法的規制の違反が発生した場合は、規制当局からの行政指導や従業員からの請求等により、当社の社会的信用の失墜やブランドの毀損に繋がり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社では、人材の雇用に対しては、時短勤務を可能とした募集を行い、各種手当などの福利厚生の充実化による応募数の増加を図りつつ、従業員シフトのクラウド化及び注文システムのDX化を行うことにより、効率的な人員配置を行い人件費の抑制を図っております。また、内部通報窓口を設け、ハラスメント・コンプライアンス研修を行い法令違反の抑制を図っております。
(13) 特定の人物への依存について(発生可能性:小、発生する可能性の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の経営は、創業者であり、代表取締役社長である青柳誠希に依存する部分が一定程度あります。主に経営の根幹になる経営方針、事業運営の根幹となる出店や業態開発といった部分について重要な役割を果たしております。そのため創業者が何らかの理由により業務執行できない事態が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社ではそれに対して、組織の体系化、人材の育成及び重要権限の委譲等を行い、創業者に依存しない組織的な事業運営体制の構築を進めております。
ソーシャルネットワークサービスが社会的に普及している現在において、当社では、インターネット上の当社及び当社ブランドに関する書き込みに対して検索を行い、風評被害の発生及び拡散を予防する体制を構築しており、当該書き込みのリスクを常に留意しております。しかしながら、インターネット上の書き込みや、それを起因としたマスコミ報道等により風評被害が発生した場合、当社のブランドの毀損に繋がり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は、会計処理や支払業務、給与計算等の事業運営の根幹にかかるシステムから、勤怠管理、売上管理、食材の受注及び発注業務等の店舗運営管理にかかるシステムまで、専門の外部業者を利用し、データや処理のセキュリティを確保しております。しかしながら、自然災害等の不測の事態等によってシステム障害が発生した場合、業務に支障をきたすことにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社ではそれに対して、システム外部業者の管理体制を確認するとともにデータのバックアップ体制を図っており、リスクの低減に努めております。
当社は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県といった一都三県に集中した店舗展開を行っており、首都圏における大規模な地震や台風等による自然災害が発生した場合、売上低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルスなどの感染症の拡大に伴い、今後も行政から臨時休業、営業時間や提供商品の制限による売上減少や販売機会の損失等が発生した場合、当社は行政からの要請内容を遵守し、社会的責任を果たした事業活動を優先致しますが、営業活動の制限等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
さらに、地政学的リスクの高まりやテロ・暴動・紛争等の政治的混乱等により、物流の停滞等による流通価格等の高騰によって食材等の仕入に支障が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社ではそれらに対して、事業継続計画(BCP)を策定し、周知を行い対応し、新型コロナウイルス感染症の拡大局面においても流通する食材等を有効活用し、中食などの業態開発を図ってまいります。
当社は、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として、各店舗を基本単位として、グルーピングしております。今後、新規ブランドを含めた直営店等の保有資産から得られるキャッシュ・フローが悪化し、将来キャッシュ・フローが見込めない等の事象が生じる場合に減損損失が発生し、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社ではそれらに対して、店舗における食材原価、人件費、その他経費、市場ニーズの分析及び見直し並びに、商品開発及びQSCを強化し、お客様満足度を上げることによる売上向上を行いキャッシュ・フローの正常化を図っております。
当社は、主に金融機関から店舗造作費用及び差入保証金等の出店にかかる資金を借入により調達を行っております。借入においては、複数の金融機関と対話を継続することで、牽制を図りながら、適時適切な資金調達を実施し、調達コストの低減に努めておりますが、今後の金融情勢の急速な変化等、何らかの理由により十分な資金調達が困難となった場合や、金利が大幅に上昇した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。引き続き利益の蓄積及び多様な資金調達方法を確保する中で、有利子負債比率の適正化を図ってまいります。
当社の代表取締役社長である青柳誠希は、当社の大株主であり、自身の資産管理会社である株式会社MAcompanyの所有株式数を含めると本書提出日現在で発行済株式総数の59.38%を所有しております。青柳誠希は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、青柳誠希は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である青柳誠希の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
新型コロナウイルス感染症に関連した行動制限が収束し、感染症法上の位置づけが2023年5月より従来の2類から5類に引き下げられたこと、海外からの入国制限緩和等から、インバウンド消費もコロナ禍前を超えるような状況となっており、正常な経済活動に戻ってきている状況となっております。一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や、円安の影響によるエネルギーコスト及び原材料価格の高騰、それに伴う物価の上昇など、景気の動向は依然として不透明な状況が続いております。
当社が属する外食業界におきましては、経済正常化に伴う人流回復により、客数は引き続き回復傾向にある一方で、上述の原材料及びエネルギー価格の上昇や労働力不足に伴う人件費の上昇、円安の進行等、引き続き厳しい経済環境が継続している状況となっております。
このような状況の下、当社は、原材料高等を踏まえましたメニューの変更や、価格の見直し、店舗運営におけるオペレーションの見直し等を行いながら、対応を図っております。
ラーメン事業におきましては、直営店では、「らぁ麺 はやし田」町田店、新秋津店、浅草店及び「日本油党」町田支部、八王子支部の5店舗をオープンしており、合計31店舗となりました。油そばブランドの「日本油党」については、八王子支部の出店で3店舗目の出店となります。
その他取り組みとしましては、2023年9月の値上げに加え、売上高対策として、一部店舗の営業時間を延ばしたこと、また、サイドメニューのコスト削減等を取組みとして行っております。そのような中、既存店売上高は前年同期比で104.2%の結果となりました。
プロデュース店では、新規で16店舗がオープンしておりますが、6店舗閉店もあり、合計69店舗となりました。なお、出店エリアにつき、兵庫県、石川県、愛知県で初出店となっており、引き続き、地方での展開が広がっている状況となっております。
この結果、ラーメン事業の売上高は3,290,437千円(前年同期比23.1%増)、セグメント利益は332,571千円(前年同期比47.6%増)となりました。
レストラン事業におきましては、直営店では、「CONA」津田沼店及び「焼売のジョー」八王子店、千葉店、町田2号店の4店舗をオープンしており、合計31店舗となりました。なお、「CONA」では合計18店舗、「焼売のジョー」では合計13店舗、その他ブランドでは合計1店舗となりました。
なお、ライセンス店では、「CONA」で三重県、東京都と2店舗オープンしておりますが、1店舗閉店もあり、合計28店舗、「焼売のジョー」は増減なく、合計3店舗となっております。
その他取り組みとしましては、「CONA」では2024年2月末の値上げに加え、CONA恵比寿店の昼時間帯で営業をしている「YAMADA PASTA」においても2024年3月に値上げを行っております。また、「焼売のジョー」では、一部店舗において、ハッピーアワーにおける商品価格の調整を行いながら、売上の向上及び原価のコントロールを図っております。そのような中、既存店売上高は前年同期比で110.3%の結果となりました。
なお、レストラン事業においては、2018年10月に株式会社キャンディーBOXの全株式を取得した結果、同社は連結子会社となりました。また、2021年8月に同社を吸収合併したことに伴い、当社の販売費及び一般管理費としてのれん償却費及び無形資産償却費108,481千円を計上しております。この結果、レストラン事業の売上高は3,128,144千円(前年同期比20.8%増)、セグメント利益は118,021千円(前年同期比104.4%増)となりました。
上記のとおり、全社としての新規出店数は直営店で合計9店舗、プロデュース・ライセンス店で合計18店舗の出店となり、その結果、当事業年度の業績は、売上高6,418,581千円(前年同期比22.0%増)、営業利益450,592千円(前年同期比59.2%増)、経常利益425,890千円(前年同期比60.2%増)、当期純利益285,899千円(前年同期比319.1%増)となりました。
当事業年度末における総資産は、現金及び預金が339,311千円、新規出店に伴い建物(純額)が194,200千円、敷金及び保証金が72,229千円増加した一方で、償却によりのれんが90,299千円減少したことなどにより、3,451,074千円(前事業年度末比558,481千円の増加)となりました。
当事業年度末における負債は、1年内返済予定の長期借入金が106,312千円、未払法人税等が91,890千円、長期借入金が241,102千円増加した一方で、未払金が29,001千円、社債が98,000千円、長期未払金が123,257千円減少したことなどにより、2,680,820千円(前事業年度末比272,582千円の増加)となりました。
当事業年度末における純資産は、当期純利益285,899千円を計上したことにより770,254千円(前事業年度末比285,899千円の増加)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比べて344,311千円増加し、1,005,752千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは665,665千円の収入となりました(前事業年度は397,928千円の収入)。
主な増加要因は、税引前当期純利益442,055千円、減価償却費125,410千円、のれん償却額90,299千円、仕入債務の増加額36,585千円、未払費用の増加額54,284千円などであり、主な減少要因は、法人税等の支払額67,983千円などであります。
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは434,958千円の支出となりました(前事業年度は394,496千円の支出)。
主な増加要因は、敷金及び保証金の回収による収入13,608千円などであり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出344,931千円、敷金及び保証金の差入による支出82,137千円などであります。
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは113,604千円の収入となりました(前事業年度は68,863千円の収入)。
主な増加要因は、長期借入れによる収入836,120千円などであり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出488,705千円、社債の償還による支出121,000千円、長期未払金の返済による支出100,000千円などであります。
当社の事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度における販売実績をセグメントごと及びその内訳として事業部門ごとに括弧書きで示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に含めて記載しております。
財政状態の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に含めて記載しております。
キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
当社の資金需要の主な内容は、運転資金及び店舗に関する設備投資資金であります。これらの事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、事業収益から得られる資金のほか、金融機関からの借入により調達することを基本方針としております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社では、「売上高成長率」、「新規出店数(直営店及びプロデュース・ライセンス店)」、及び「事業部毎の既存店売上高(前年比)」を重要な経営指標としております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。