第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」ことを理念に、専門的医療機器を開発から販売まで一貫して手掛け、広く世界に提供しております。更に「順法精神と独創技術を持ち将来利益を確保する」を経営基本方針に掲げて、将来利益の最大化に努めております。

 

(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 高齢化の進展及び医療技術の高度化は医療費の急増をもたらすことから、先進各国では医療費抑制政策が次々と打ち出されております。これらの医療制度改革に対応すべく、経営の効率化、経費削減やデジタル化が推し進められ、医療機関のコスト意識はより一層高まっております。一方、感染症予防意識の高まりによる市場の活性化、さらには新興市場においては、医療インフラの整備及び所得向上による需要の拡大が予想され、医療機器市場全体では引続き拡大を見込んでおります。

 

 このような環境下、当社グループは、「世界一の品質を世界のすみずみへ」という使命を掲げ、当社グループの製品を世界中に提供し、世界の人々の幸福に貢献することを目指しております。当社グループの更なる成長に向けて、2022年8月期より中期経営計画をスタートし、営業・生産・開発の各機能のグローバル化を進めることでビジネスモデルの変革を行い、企業理念実現のための取り組みを着実に進めております。中期経営計画においては、製品の開発・生産・提供及び持続可能性の4つの視点について重点目標を掲げており、それぞれの対処すべき課題を以下のとおり認識しております。

 

グローバルでの事業拡大

 当社の営業方針である「世界一の品質を世界のすみずみへ」を実現するため、グローバルな視点で地域密着型営業を推進することが必要と認識しております。中国、インド、ASEANといった成長著しいアジア市場においては、一人当たりGDP増加、症例数増加に伴う医療用消耗品需要の増加が見込まれます。新たな販売拠点としてマレーシアに設立した販売子会社MANI MEDICAL DEVICE MALAYSIA SDN. BHD.を通じて、東南アジア地域に根差したマーケティング活動を推進し、現地ユーザーニーズの把握及び販売網の拡大に努めてまいります。さらに、先進市場である欧米市場においては、2024年9月にアメリカを拠点とする新たな販売拠点、MANI MEDICAL AMERICA, INC.(注)を設立しました。医療先進国での地域密着型営業を推進してまいります。先進市場における新たなニーズをタイムリーに捕捉し、製品化に繋げるグローバルマーケティングを実現し、グローバルでの事業拡大を目指してまいります。

(注)2025年1月より活動開始を予定しております。

 

世界で戦える製品開発

 新たな独創技術の獲得、コア技術の深化及び上市スピードの向上を図るため、開発・営業部門の連携を強化することが必要と認識しております。日本のみならず、世界のKOL(キー・オピニオン・リーダー)医師の声を取入れるグローバルな新製品開発体制を強化してまいります。グローバルマーケティングによる更なる市場シェア・売上拡大を目指しながら、市場ニーズを速やかに捉える製品開発を一体的に進め、競争優位を高めてまいります。

 

高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築

 従来の人手による品質管理から先端技術やデジタル技術を活用した生産方式に変革し、より低コストで高品質なモノづくりを実現する必要があると認識しております。現在、創業の地である栃木県高根沢町に革新的なスマートファクトリーの建設を進めております。今回建設するスマートファクトリーは、新製品の量産技術及び主要既存製品の次世代の自動化生産ラインの確立とその後の海外展開を見据えた「パイロット工場」として位置付けており、製造の省人化や製品の原価低減を図りながらグローバルでの売上拡大を目指しております。また、日本国内に新たな生産拠点を設けることで、医療機器メーカーとして安定的な製品供給体制を構築してまいります。また、ベトナム生産拠点であるMANI HANOI CO.,LTD.においては、工程改善、在庫管理強化による生産効率の向上を目指すとともに、更なる増産体制を構築するため、第7期工場の建設を進めてまいります。

 

マニーサステナビリティの推進

 持続的な成長と持続可能な社会の実現の両立を目指すべく、「マニーサステナビリティ」を着実に推進することが必要と認識しております。今後の持続可能な成長を実現するための十分な体制を維持強化すべく、企業競争力の源泉となる人財への投資を増やしていき、高度な専門知識や経験を有する人財を採用・育成すると同時に、多様性を容認し「働きやすさ」と「働きがい」のある職場環境の醸成を推進してまいります。加えて、当社の事業に関わる国と地域で人権を尊重する経営を推進し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指し、2024年9月には「マニーグループ人権方針」を新たに策定しました。

 環境面については、グループ全体でのCO排出量の削減を目的に、日本・ドイツ・ベトナムの各拠点において太陽光発電の導入、さらに国内では電力購入契約(Power Purchase Agreement)を締結し、地元企業と連携してCO排出量削減に取り組んでまいります。さらに海外でのオペレーションの拡大に伴い、海外拠点におけるガバナンスや内部統制の強化も優先的な課題として認識し、積極的に取組んでまいります。

 

更なる成長に向けた取り組み

 上記課題に加え、より中長期的視点で当社グループを取り巻く事業環境の変化を考慮すると、これまでに築き上げてきた開発・生産・営業の各機能におけるプラットフォーム変革をさらに加速していく必要があると認識しております。そこで、当社は「マネージメント・プラットフォーム改革」、すなわち組織体制や事業運営の強化・変革を重要課題に掲げ、2025年8月期よりその活動を本格化いたします。全社的な組織再編を実施するほか、2024年11月25日よりこれまで社外取締役であった渡部眞也を新たな代表執行役社長として、新たなマネジメント・チームによる中期経営計画の着実な実行を目指してまいります。

 

今後も中期経営計画に基づく成長戦略により、企業価値の向上を目指してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 企業価値を増大するために、売上高及び営業利益伸び率を重要な経営指標と考えております。また、効率経営の指標として、売上高営業利益率、自己資本当期純利益率(ROE)につきましても重要視しております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)グループ全体におけるサステナビリティの考え方及び取り組み

当社グループは、「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」という企業理念を掲げています。この企業理念は、栃木県・高根沢町での創業時から今に至るまで、当社の全ての事業活動における判断の拠り所であり、全ての社員が共有する価値観として浸透しています。企業理念の実現を目指し、「世界一の品質を世界のすみずみへ」届けるべく、当社はこれまでに開発・生産・営業それぞれの機能を強化しながら(ベストプラクティスの追求)、やらない経営を徹底することで(トレード・オフの追求)、地方企業ながらも世界的に高い市場シェアと高収益率を維持しており、強固な経営基盤を作り上げております。このような経営基盤を背景として、当社本社やベトナム子会社の製造工場を中心に、社員が長く働くことの出来る環境を提供しており、アイレス針や白内障用の眼科ナイフ等の「世界一の品質」を持つ製品を生み出すことにつながったと考えております。

また、当社グループは環境負荷低減と事業成長の両立にも取り組んでおります。創業期には田園地帯に工場が立地していたことから、地域社会との共存を図るために環境負荷低減に向けた投資を早期から実施しておりました。当社製品はステンレスワイヤー(針金)を加工した微小なものが多く、加工に必要なエネルギー消費量を最小限に抑えることが可能なほか、製品は極めて軽量でもあるため、輸送においても環境負荷が軽微であることが特徴です。ドイツ子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbHにおいても、CO排出量の削減に向けた施策や人体への影響を考慮した歯科修復材の開発を進めるなど、グループ全体で「良い製品」による「良い治療」を世界の医療現場に普及するべく、取り組んでおります。

当社グループの経営基盤をより強固なものとし、持続的な成長と持続可能な社会の実現を両立するため、グループ全体でのサステナビリティに関する方針として、2021年4月に策定した中期経営計画において「マニーサステナビリティ」を発表いたしました。当社は企業理念を実現することこそ社会に対して最も貢献できることと考えており、「マニーサステナビリティ」の推進により更なる企業価値の向上を目指してまいります。

 

以下、TCFD提言にて推奨される「①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標と目標」の4項目の内容について、それぞれ記載しております。

 

①ガバナンス

ESG・環境グループを主管部署として、当社グループの関係部門と連携しながら、気候変動、人権、地域共生、ガバナンス等の「マニーサステナビリティ」主要項目への対応を行います。また活動内容に関する重要事項については、取締役会にて報告され、監督される体制となっております。

 

②戦略

サステナビリティに関する戦略として、「マニーサステナビリティ」では「カーボンニュートラル達成に向けた省エネルギー活動の推進」、「多様な人財が企業理念のもとに活躍できる職場づくり」及び「環境に配慮したグリーンサプライチェーン評価制度の確立」を掲げており、特に当社グループでは人的資本を重要な経営資源と認識しております。世界一の品質を追求しながら、医療機器事業の更なるグローバル展開を実現するための人財育成に積極的に取り組んでまいります。詳細については(2)人的資本に関する取り組みをご参照ください。

気候変動に関しては、以下の2つの将来シナリオを策定し、各シナリオにおける主要なリスク・機会を整理しております。

 

 

シナリオ

1.5℃~2℃シナリオ

4℃シナリオ

概要

政府による環境規制の強化がなされ、

気候変動対応が進展する

気候変動対応が進捗せず、災害が激化、

増加する

リスク

移行

リスク

温室効果ガス排出抑制政策等で調達製品コスト上昇が想定されるが、当社製品のコスト構造における材料費比率は低く、財務への影響は限定的

温室効果ガス排出抑制政策等で調達製品コスト上昇が想定されるが、当社製品のコスト構造における材料費比率は低く、財務へ の影響は限定的

物理

リスク

・台風、大雨による拠点損害、物流網の混乱等が増加し、財務への影響は大きい

・海面上昇や浸水等のリスクに対しては、メイン製造拠点であるベトナム工場は内陸部に位置し、影響は限定的

・台風、大雨による拠点損害、物流網の混乱等がさらに増加し、財務への影響は非常に大きい

・海面上昇や浸水等のリスクに対しては、メイン製造拠点である ベトナム工場は内陸部に位置し、影響は限定的

機会

市場

当社の製品分野における医療市場の変化は当面想定されない

当社の製品分野における医療市場の変化は当面想定されない

 

 

③リスク管理

「マニーサステナビリティ」推進を全社活動目標として設定し、目標達成に向けた取り組みを月次でレビューし、その進捗を取締役会にてモニタリングする運用としております。

 

④指標と目標

グループ全体で以下の指標と目標を設定し、その達成に向けて一丸となって取り組んでまいります。

 

目標1:再生可能エネルギー由来の電力の使用比率

2030年までに25%

2050年までに100%

目標2:二酸化炭素排出量(2022年比)

2030年までに25%削減

2050年までに85%削減

 

(2024年8月期における取り組みの状況)

日本、ベトナム、ドイツそれぞれの拠点において、太陽光発電等の仕組みを導入し、環境に配慮した事業活動を推進いたしました。

 

日本

当社本社清原工場において、地元企業との間で電力購入契約(Power Purchase Agreement)を締結し、2024年6月より太陽光発電システムの稼働を開始いたしました。同本社・工場での年間発電量は約153,080kWhとなり、年間約67tのCO排出量削減を見込んでおります。また、花岡工場(スマートファクトリー)においても同様の電力購入契約を2024年7月に締結し、2025年6月の稼働を目指しております。花岡工場における太陽光の年間発電量は約734,528kWhとなる予定で、年間約324tのCO排出量削減を見込んでおります。

 

ベトナム

ベトナム工場全体で省電力なLED照明機器に変更する等、CO排出量削減に取り組んでおります。

フーエン第2工場においては、2025年1月の太陽光パネル設置完了を目標に、現在工事が進行しております。

 

ドイツ

新工場に設置された太陽光発電パネルは2023年9月から稼働を開始し、昨年度は165,000kWhの電力が生成されました。また、工場敷地内に設置されたEVチャージャーステーションを活用すべく、“Electronic Vehicle Car Policy”を策定し、社用車をEV車へ段階的に切り替える取り組みを進めております。さらに、新工場敷地内の樹木への散水のため、雨水収集システムの利用を開始し、雨水の効率的な活用にも努力しております。

 

(2)人的資本に関する取り組み

人財戦略

更なる企業価値の向上を目的として、中期経営計画においては「世界で戦える製品開発」、「グローバルでの事業拡大」、「高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築」を重要課題として掲げています。中期経営計画の詳細は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。

本中期経営計画で掲げた重要課題の達成及び「これからの進化」を実現するため、人財戦略として以下の3つのテーマを設定しております。

 

「これからの進化」を実現する人財の確保

ビジネスモデルを変革し真のグローバル企業へ進化すべく、それを実現する人財の採用や育成に注力します。

人財の多様性の確保

多様な人財の視点や経験によりお客様のニーズを捉え、スピード感をもってイノベーションを創出できる体制を目指します。

ワークエンゲージメントの向上

経営戦略を実行するためには、社員と経営が一体となり進めていくことが不可欠です。社員一人ひとりが力を発揮できる職場環境を目指します。

 

また、これからの進化に向けて、自らの意思で価値創造や成長を目指す、お互いの違いを活かして協力し合う、などの意識の醸成も重要であると考えております。このような背景から、すべての人財に求める要素として、「価値創造・自律・成長・多様性の尊重」を設定いたしました。今後は、この4つの要素を全社に浸透させ、一人ひとりが体現できるよう、コミュニケーションの場を設けるなどの環境整備を進めてまいります。

 

「これからの進化」を実現する人財と多様性の確保を含む育成方針

1.「世界で戦える製品開発」に必要な人財の確保と育成

「『世界一の品質』の追求」をキーワードに新製品の開発を加速するため、製品領域別と開発プロセス別のそれぞれの専門人財が必要であると認識しております。このような人財を育成するため、医科や歯科の専門知識および製品開発に必要な技術・スキルを養うとともに、それぞれのキャリアを見据えた業務配分を行っております。

また、それぞれの専門性に基づく採用やKOL医師との連携強化も進めております。

 

2.「グローバルでの事業拡大」に必要な人財の確保と育成

 国や地域により市場特性やニーズが異なるため、それぞれのニーズに合わせたマーケティングの推進が必要だと考えております。世界中の顧客ニーズをいち早くキャッチし、問題・課題を解決するための製品を開発・提供していくために、より戦略的なマーケティング活動、能動的な営業スタイルへの変革、地域×製品セグメント毎のエキスパートが必要であると認識しております。このような専門人財の採用とともに、社内の専門教育やOJTの強化を図っております。

 

3.「高品質・低コストを実現するグローバル生産体制の構築」に必要な人財の確保と育成

2023年10月よりスマートファクトリーの建設を開始しました。デジタル技術を活用した生産プロセス改善のため、デジタルスキルを持ち合わせた設備保全、歩留り改善などの経験をもつ人財の採用・育成を進めております。

加えて、製品開発後の量産フェーズや、生産子会社への開発技術の速やかな移管を強化するため、「生産技術・製造技術のエキスパート」を育成しております。

 

「これからの進化」を実現する人財と多様性の確保を含む育成方針に沿った具体的な取り組み事例は、下記のとおりです。

 

取り組み事例

グローバル

での事業拡大

世界で戦える製品開発

グローバル生産体制

の構築

・コア技術/術式等勉強会

・各本部での勉強会

海外工場における現場研修

 

多様な背景を持つ経験者採用

 

なお、人財の多様性においては、経験者採用を積極的に進めることで、これまで自社になかった多様な視点を取り込んでおります。また、男女問わず活躍できる環境を目指して、女性管理職比率の向上に取り組んでまいります。さらに、「多様性受容の文化」醸成のための情報発信や研修の場を設けます。

 

人財戦略を実現する社内環境整備方針

人事制度の改訂に伴い、組織全体として社員一人ひとりの役割認識の強化を目的として全社的な教育体系を整備し、その一環として社員の階層別研修を開始しております。加えて、業務効率化や生産性向上など、事業運営の高度化に必要な専門性を高めるための教育制度の整備を進めております。具体的には、全社横断的な取り組みとして、業務のデジタル化を進めるとともに、社員のITリテラシー向上に向けた様々な施策に取り組んでまいります。

 

指標及び目標

人財戦略とそれぞれの重点領域に即した指標及び目標は下表のとおりです。目標達成のため、定期的にその実績をモニタリングしております。

 

重点領域の実現に向けた取り組み

指標(注)

2024年8月期実績

成長を支える経験者採用

採用充足率

目標超過

経験者採用(管理職)

管理職の経験者採用比率

33

女性リーダー育成

女性管理職比率15%以上(単体)

4.9

人財開発への投資

人財開発投資額

年間15万円/人

チャレンジを促す人事制度の運用

運用高度化施策の実行

計画に沿い進捗

ワークエンゲージメントの向上

コミュニケーション向上施策の実行

計画に沿い進捗

(注)当社では人財の多様性を図る取り組みとして女性管理職比率の指標は重要と捉え、女性管理職比率のみ目標(2026年8月期)を設定し、それ以外の取り組みは指標としてモニタリングしてまいります。なお、当社の連結子会社においては、各国の法規制、労働慣行、従業員構成などがそれぞれ異なり、連結ベースでの記載が困難であることから、上記指標及び目標は当社単体ベースで記載しております。

 

人権尊重に関する取り組み

「ビジネスと人権」に関する企業の対応への要請はますます強まっており、当社グループの事業活動において、適切な対応が求められています。当社は、事業活動を行う過程で、直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識し、事業活動に関わる全ての人の人権を尊重するために、2024年9月に国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り「マニーグループ人権方針」を策定いたしました。今後、人権デュー・ディリジェンスの取り組み等を通じて、人権に配慮した経営に努めてまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

(1)リスクマネジメントの基本的な枠組み

 当社グループでは、グループ全体のリスクを適切に管理するため、スリーライン・ディフェンスモデルに基づいて、現業部門(1線部署)、間接管理部門(2線部署)、内部監査部門(3線部署)がそれぞれリスクマネジメント上の役割を分担するとともに、適切な牽制関係を持たせることでグループが抱えるリスクを適切にコントロールすることを目指しています。

 執行役会の審議機関として統合リスク委員会を設置し、当社グループ全体のリスクマネジメントに係る運営方針等を審議し、執行役会・取締役会に報告し、適切なリスク評価に基づく経営の意思決定につなげています。

 

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(2)事業リスクの識別

 当社グループでは、下表のとおり、グループが抱えるリスクをカテゴリー分けしています。統合リスク委員会では、全てのリスクを俯瞰して経営への影響が大きいリスクを特定、必要な体制整備を進めています。

 

分類

説明

リスクの顕在化例

経営に係るリスク

経営戦略、ビジネス戦略を誤ることによるリスク

戦略分野の市場拡大が不十分

過大な設備投資

カントリーリスク

気候変動リスク

子会社経営リスク

製品に係るリスク

製品の品質が十分でない、あるいは提供できる数量が十分でないことによるリスク

欠品・過剰在庫

急激な価格変動

新製品開発の遅れ

品質不十分による回収

財務に係るリスク

購買や販売による金銭的債権・債務に係るリスク

取引先破綻による回収不能

為替変動等による資産価値下落

人材に係るリスク

人材に起因するリスク

労務・労災に係るリスク

労災、労務問題・感染症

人材の質低下・採用困難

設備に係るリスク

工場建物や製造機械が棄損することによるリスク

自然災害等による施設の棄損

工場周辺の環境問題

情報システムに係るリスク

システムインフラ、情報管理に起因するリスク

システムトラブル

サイバー攻撃・情報漏洩

法令・法務に係るリスク

法令遵守できていないことによるリスク

薬機法関連の届出等の不備

法令対応の遅れ・不備

訴訟・紛争

 

 

(3)主要なリスク

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年11月26日)現在において判断したものであります。

 

項目

リスクシナリオ

対応策

人材リスク

当社グループでは、真のグローバル企業として更なる成長を実現するため、中期経営計画で掲げる重要課題の達成に必要な人財戦略を設定しています。

一方、近時、日本のみならず世界的に労働市場における雇用が流動化しており、当社グループにおいても雇用流動化の影響から無縁ではありません。現時点において、退職率の増加等、人材リスク顕在化の兆候は見られませんが、今後、人材の流出が増加する、とりわけ重要ポストにおいて人材が流出すると、組織力が一時的に低下し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの成長を実現できる人財の育成を目指し、階層別の研修体系に加え、事業運営の高度化に必要な専門性を高めるための教育制度を整備しています。

また、社員の働きやすさ向上を目指し、長期的な育児休業制度や時短勤務制度、フレックス勤務制度および時差出勤制度を導入しています。

国内外市場の動向

当社グループは、海外輸出比率が85%あり、中国を含むアジア、欧州などでの事業基盤の強化により、日本、米国、新興国市場などを含め、海外事業の一層の拡大を目指しています。当社グループは海外子会社及び日本国内から代理店を経由して世界各国に製品を供給しています。新興国では、安価な製品の台頭により、価格競争になることも多くなってきています。また経済情勢により、患者の診療離れなど、経済情勢の影響を受け、受診者の減少も影響を受けます。中長期的には、国産優遇の動きが見られる新興国において、組立生産等の対策が必要となる可能性があります。また、各国の景気後退、これに伴う需要の減少、政治的・社会的混乱や法令・規制等の変更があった場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

グローバル市場における持続的な成長を可能にするため、国内外の経済状況、市場動向を常にモニタリングし、営業部門・生産部門が連携し、最適な製品供給を行っています。

加えて、米国における販売拠点設置等、海外ネットワークを充実させることで、さらに現地の市場動向をきめ細かく捕捉して事業拡大につなげています。

薬事関連法令違反

当社は、国内において「医薬品医療機器等法」及び関連法規の規制を受けており、各事業活動の遂行に際して以下のとおり許認可を受けております。これらの許認可を受けるための関連法規及び諸条件の遵守に努めており、現時点では、当該許認可が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりその許認可が取り消された場合には、規制の対象となる製品の回収、または製造並びに販売を中止することを求められる可能性があり、これらにより当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は、「医薬品医療機器等法」及び関連法規等に基づく許可を受けて医療機器の製造・販売を行っております。今後の関連法規改正等により当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

一方、海外においても欧米諸国の法規制だけでなく、中国、東南アジア諸国の法規制も近年厳しくなっており、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

グローバルに事業を展開するため、製造及び販売先国の関連法規の遵守、規格への適合を図るとともに、品質マネジメントシステム構築と継続的改善を図っております。

また、内部監査等を通じて、関連法規制への対応及び品質管理の状況等について、定期的な確認を実施しております。

 

 

項目

リスクシナリオ

対応策

品質リスク

当社グループは、医療機器の設計、開発、製造段階で、製品の安全性の確保について全力を挙げて取り組んでおりますが、製造時に偶発的に不具合等が発生する可能性があります。

予期せぬ不具合やその疑いなどにより、万一大量に製品を回収することになった場合、回収費用等の発生や薬事規制上の対応、売上高の減少等の影響、損害賠償請求を受ける可能性のみならず、当社グループに対する信用が低下し、企業価値が棄損する可能性があります。

医療機器QMS省令、体制省令、GVP省令や品質マネジメントシステムのISO規格などに基づき、厳しい品質管理・品質保証体制を整備し、製造段階のみならず販売後も品質のモニタリングを行っています。万一、不具合等が発生した際は、迅速に対応できる体制としております。

災害の発生リスク

当社は、2011年3月に東日本大震災が発生した際、建物や製品在庫が破損するなどの被害を受けました。また、ベトナム工場では設備老朽化による火災の発生等のリスクがあります。このような災害が発生した場合には、製品供給が一時滞る可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

災害の発生を防ぎ、万が一災害が生じた場合の被害を最小限に抑えるために、地震や火災を想定した防災訓練や定期的な設備点検等を実施しております。

また、国内拠点ではBCPを作成し、被災時でも早期に事業復旧できるよう準備を行っております。ベトナム工場では専門家による漏電・火災リスクの調査や対策の実施、老朽化した施設の改修を進めております。

新製品開発リスク

当社グループは、縫合針等の医科・歯科医療機器の製品化研究を行うとともに、それら全域にわたる研究開発を行っております。当社グループの研究開発は応用研究が中心となりますが、医療機器として、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に基づく製造販売に係る許認可が必要となります。これらの過程で、有効性や安全性に関して予測されなかった問題が判明あるいは発生し、期待する時期に新製品を発売できない場合や、当社グループの実施した臨床試験で良い結果が得られ、承認等申請した場合であっても、安全性、製造設備の適格性等の様々な理由による承認の遅れや、承認が得られない、又は自主的に申請を取り下げる等の場合があります。さらに、海外においても当社製品の販売の前提として各国固有の品質基準や検査基準を個々に満たす必要があり、その対応には予想を上回る長期間を費やす場合があります。これらの場合に、当初想定した経営成績の達成時期が遅れる可能性、また、当社グループの研究開発費が、売上高の増加に比べ継続的に不相応な増加をすれば、収益性に影響を及ぼす可能性があります。

積極的な研究開発活動のもと、新製品及び新技術の開発を進めるとともに、設計開発部門にも専任の薬事業務担当者を設置し、薬事及び品質管理体制の拡充を図っております。

また、開発マーケティングを強化し、開発テーマの選択と集中を図ることで、開発リソースの有効活用に努めております。

 

 

項目

リスクシナリオ

対応策

サイバー攻

撃によるリ

スク

サイバー攻撃、具体的には、マルウェア(不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意あるソフトウエア)の感染、DDos攻撃(分散型サービス妨害攻撃)及びビジネスメール詐欺等は、国内でも増加が見られ、金融業界全体でますます大きな脅威となっております。外部からの不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により事業活動に影響が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、サイバー攻撃により、当社グループのサービスの停止や情報漏洩(顧客情報、当社グループの経営・業務運営上の情報等)、データの破壊・改ざん等が発生し、当社グループの業務運営及び業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

情報セキュリティリスク管理に関する規則・ルールの制定に加え、不審なプログラムの挙動を判定し実行防止すEDR(Endpoint Detection and Response)システムを導入しております。並行して従業員のリテラシー向上に向けた対策として情報セキュリティ教育等を定期的に実施してまいります。

カントリー

リスク

当社グループは、ベトナム、ミャンマー、ラオス、中国、ドイツ、インド、マレーシア、アメリカに子会社を保有しており、医療機器またはその部品の生産及び販売等を行っております。当社売上原価に占める各生産子会社への外注費の割合は3社合計で8割程度となっております。

また、それらの国において、予期しない法律又は規制の変更や、政情不安・戦争・テロ・暴動及び天変地異などの不可抗力等による事故などが発生した場合は、製品供給が一時滞るといった可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、中国では景気減速、国産優遇政策及び反腐敗キャンペーン等が発生しており、現時点で当社の製品販売に影響を及ぼしておりませんが、中長期的には影響を及ぼす可能性があります。

各国の法律又は規制の変更や政情等を定常的に確認し、有事の際には人命の安全確保を最優先し、適切な対策の実行に努めております。

また、製品の安定供給を実現するため、日本にスマートファクトリーを建設する計画を推進しております。

気候変動関

連リスク

当社製品は微細なものが多く、それらを加工する加工機自体も小さいことから、電力消費及び輸送等において環境負荷は軽微となりますが、中長期的気候変動や異常気象による社会インフラ、気候変動関連政策変更、気候変動に対する金融市場の嗜好や社会通念の変化、技術革新等による低炭素社会への急速な移行等への対応を失敗することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

想定されるリスクについて、取締役会及び執行役会等に定期的に状況を報告するとともに、対応方針について意思決定を行い、リスク顕在化の影響の極小化を図っております。

 

 

項目

リスクシナリオ

対応策

医療政策の

見直しによ

る販売価格

の下落

当社グループの属する医療機器事業は、診療報酬、薬価基準及び特定保険医療材料の公定価格見直し(引き下げとなるケースが大半となっています。)が、概ね2年に1度実施されております。また、わが国にとどまらず、医療費抑制政策は世界的な傾向となっております。これに伴い、販売価格が想定を超えて下落し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

主力であるベトナム工場において、工程の自動化推進による継続的な製造コストの低減に加え、当社の微細加工技術を活かした高付加価値製品の販売により、これらの影響を最小化するよう努めております。

為替相場

変動

世界的な景気減速に加え、当社グループが為替リスクを負っている一部の外貨建て取引における影響のほか、円建て取引においても価格引き下げ要求等、間接的な影響を受ける可能性があります。また、海外子会社への生産移管により、外貨建てによる製品仕入等を行っているため、予想外の為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、海外子会社の現地通貨建て財務諸表を連結財務諸表作成等のために円換算しております。従って、為替レートの変動により換算に適用するレートが変動し、円換算後の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの海外売上比率は高く、また、売上の多通貨化を推進する意図から外貨取引を増加させておりますが、海外取引においても一部円建てで販売することで為替変動の影響を回避しております。さらに為替感応度分析を行うことで業績に与える影響を把握するとともに、リスクヘッジの基本方針及び手続等を定めることで、リスクが顕在化した際に迅速に意思決定できる体制を整えております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 昨今の世界情勢は、ウクライナや中東の地政学問題の長期化を背景に、依然として先行き不透明な状況が続きました。金融環境の面では、インフレの鎮静化や景気後退懸念を理由として欧米諸国での金利引き下げが行われたほか、日本ではマイナス金利政策の解除など金融正常化の動きが株式市場や外国為替相場に影響を及ぼしました。実体経済では特に中国景気の減速が懸念されている一方で、インドやASEAN地域の経済成長には引き続き高い期待が寄せられております。当社グループが所属するヘルスケア・医療機器産業は、これら外部環境の影響を受けている一方、社会の高齢化やIT技術の発展に伴い、高品質な医療への期待が世界的に高まっており、中長期では事業機会の増加と競争環境の激化が予想されております。

 このような環境下、当社グループは、「世界一の品質を世界のすみずみへ」という使命を掲げ、当社グループの製品を世界中に提供し、世界の人々の幸福に貢献することを目指しております。当社グループの更なる成長に向けて、2022年8月期より中期経営計画をスタートし、営業・生産・開発の各機能におけるプラットフォームを劇的に進化・変革させることで「ビジネスモデルの変革」を行い、企業理念実現及び「真のグローバル企業」への進化のための取り組みを進めております。

 中期経営計画に沿った重要施策とその取組みについて、特筆すべき内容は下記の通りです。

 

グローバルでの事業拡大

 新たな拠点としてマレーシアに設立した販売子会社 MANI MEDICAL DEVICE MALAYSIA SDN. BHD.は2023年11月より本格的にマーケティング活動を開始しました。今後東南アジア地域の新興国をターゲットにデンタル関連製品やサージカル関連製品の積極的なマーケティング活動を展開してまいります。また、2024年9月にアメリカに新たな販売子会社MANI MEDICAL AMERICA, INC.を設立し、本格的な営業活動開始に向けて準備を進めております。医療先進国での地域密着型営業を推進し、北米市場での事業拡大を進めてまいります。そのほか、ドイツの連結子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbH(以下、ドイツMMG)では2023年9月に新本社・工場へ移転し、生産活動を開始しました。ドイツMMGは今後、歯科用修復材の生産能力の増強を図り、欧米及びアジアにおける販売拡大を推進してまいります。

 

世界で戦える製品開発

 世界のKOL(キー・オピニオン・リーダー)医師との製品開発については、開発重点製品として掲げた歯科根管治療用NiTiロータリーファイル「JIZAI」、歯科用修復材「MANI EG Composite」、眼科手術用硝子体鑷子(しょうしたいせっし)「マニーマイクロ鑷子(せっし)」の上市を前期までに完了いたしました。2024年8月期には、歯科根管治療の質や治療の幅を広げたいというKOLニーズに応え、「JIZAI」の製品ラインナップを拡充する等の取組みを行いました。他方、既存製品や既存技術を応用する方向性での製品開発も進めており、当社独自のステンレス材料である「MANIハードファイバーステンレススチール」を用いたアイレス針をロボット手術に適した形で開発する等の取組みを進めました。

 

スマートファクトリーによるグローバル生産体制の強化

 グローバル生産体制の構築を目的として、国内では2023年10月よりスマートファクトリーの建設を開始いたしました。今回建設するスマートファクトリーは、新製品の量産技術及び主要既存製品の次世代の自動化生産ラインの確立とその後の海外展開を見据えた最初の「パイロット工場」として位置付けており、製造の省人化や製品の原価低減を図りながらグローバルでの売上拡大を目指しております。特に、開発重点製品である歯科根管治療に用いられるNiTiロータリーファイル「JIZAI」や白内障手術等に用いられる眼科ナイフの量産体制構築に向けた準備を進めております。さらに、既存のベトナム工場を増設し、生産能力増強とBCP強化を図ります。

 

更なる成長に向けた取組み

 上記施策の進捗に加え、より中長期的視点で当社グループを取り巻く事業環境の変化を考慮すると、これまでに築き上げてきた開発・生産・営業の各機能におけるプラットフォーム変革をさらに加速していく必要があると認識しております。そこで、当社は「マネージメント・プラットフォーム改革」、すなわち組織体制や事業運営の強化・変革を重要課題に掲げ、2025年8月期よりその活動を本格化いたします。全社的な組織再編を実施するほか、2024年11月よりこれまで社外取締役であった渡部眞也を新たな代表執行役社長として、新たなマネジメント・チームによる中期経営計画の着実な実行を目指します。詳細については2024年7月11日付の適時開示資料「代表執行役社長の異動に関するお知らせ」をご参照ください。

 今後も中期経営計画に基づく成長戦略により、企業価値の向上を目指してまいります。

 

(脚注)

歯の欠損した部分を人工物で埋めることにより歯の形態を回復し、機能性及び審美性を高める治療(歯冠修復治療、審美歯科治療)に使用される樹脂材料

歯の歯髄と呼ばれる神経の治療法の1つである根管治療において、根管内の感染源除去に用いられる柔軟性の高いニッケルチタン製の歯科治療機器

網膜剥離や糖尿病増殖性網膜症などの眼球疾患に対する治療法の1つである硝子体手術において、眼底の処置をするための眼科治療機器

スマートファクトリーへの総投資額は105億円を予定(内訳:工場建設費用84億円、「JIZAI」量産ラインへの投資額11億円、眼科ナイフ量産ラインへの投資額10億円)

 

当連結会計年度における経営成績

 主にアジア、北米を中心とした地域で販売が増加した他、円安による海外売上高の押し上げも加わったことを背景に、売上高は28,513百万円(前期比16.4%増)と好調に推移しました。一方、海外子会社における製造原価の上昇等により売上原価は10,616百万円(同17.1%増)、マーケティング活動の強化に伴う販促費の増加、及び本社における人件費の増加により販売費及び一般管理費は9,505百万円(同16.2%増)となりましたが、売上高の拡大が費用増を吸収し、営業利益は8,392百万円(同15.8%増)となりました。営業利益の増益及び為替差益(総額)の計上に伴い、経常利益は8,464百万円(同5.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,286百万円(同5.6%増)となりました。

 

セグメント別の業績概況は、次のとおりです。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を

記載しております。

 

 

売上高

セグメント利益(営業利益)

百万円

前期比

百万円

前期比

サージカル関連製品

8,152

20.2%

2,640

24.5%

アイレス針関連製品

10,222

19.2%

3,872

35.2%

デンタル関連製品

10,139

11.1%

1,878

△16.8%

連結

28,513

16.4%

8,392

15.8%

 

(サージカル関連製品)

 サージカル関連製品の売上高は8,152百万円(前期比20.2%増)、セグメント利益は2,640百万円(同24.5%増)となりました。白内障手術等で使用される眼科ナイフの売上が中国を中心としたアジア、欧州、北米等の地域で好調に推移したことにより、前年同期から増収増益となりました。

 

(アイレス針関連製品)

 アイレス針関連製品の売上高は10,222百万円(前期比19.2%増)、セグメント利益は3,872百万円(同35.2%増)となりました。製品需要の拡大を背景として、アイレス針の受注が中国を中心としたアジア、北米等の地域で引き続き増加したことにより、前年同期から増収増益となりました。なお、2024年8月期よりセグメント別の販売費及び一般管理費の配分方法を変更しており、当該変更により販売費及び一般管理費は325百万円減少しております。詳細は後述の「補足:セグメント利益の算出方法の変更」をご参照ください。

 

(デンタル関連製品)

 デンタル関連製品の売上高は10,139百万円(前期比11.1%増)、セグメント利益は1,878百万円(同16.8%減)となりました。円安の進行により海外売上高が押し上げられたことに加え、製品別の観点では中国、インドを中心としたアジア地域において歯科用回転切削機器(ダイヤバー)及び歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル)等の販売が好調に推移した一方、歯科用修復材を中心とするドイツMMG製品の販売は低調に推移しました。他方、インドや東南アジアにおける積極的なマーケティング活動に伴う販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益は減益となりました。なお、2024年8月期よりセグメント別の販売費及び一般管理費の配分方法を変更しており、当該変更により販売費及び一般管理費は297百万円増加しております。詳細は後述の「補足:セグメント利益の算出方法の変更」をご参照ください。

 

※ご参考:為替レート

 

前連結会計年度(2023年8月期)

当連結会計年度(2024年8月期)

第1

四半期

連結累計

期間

第2

四半期

連結累計

期間

第3

四半期

連結累計

期間

第4

四半期

連結累計

期間

第1

四半期

連結累計

期間

第2

四半期

連結累計

期間

第3

四半期

連結累計

期間

第4

四半期

連結累計

期間

米ドル/円

(USD/JPY)

144.26

138.50

137.31

138.60

149.10

147.92

149.66

150.78

ユーロ/円

(EUR/JPY)

143.93

142.94

144.04

146.95

159.30

159.38

161.40

162.94

人民元/円

(CNY/JPY)

20.22

19.77

19.67

19.69

20.47

20.45

20.68

20.84

インドルピー/円

(INR/JPY)

1.78

1.70

1.68

1.69

1.79

1.78

1.80

1.81

マレーシアリンギット/円

(MYR/JPY)

-

-

-

-

31.95

31.35

31.78

32.28

 

 

補足:セグメント利益の算出方法の変更

 当社グループは、第1四半期連結会計期間の期首よりセグメント利益の算出方法を変更しております。変更の理由及び影響額については下記のとおりです。

 

変更の理由

 デンタル関連製品の更なる市場シェア及び売上拡大を2024年8月期の重点施策として掲げており、2023年9月に新たな組織として「デンタル事業本部」を設置し活動を開始しました。これに伴い、デンタル関連製品セグメントで多くの販売費及び一般管理費の負担が発生する実態をより適切に各セグメントの業績に反映する必要が生じたため、セグメント利益の算出方法(セグメント別の販売費及び一般管理費の計算方法)を新たに変更するものです。

 

セグメント利益への影響額

(単位:百万円)

 

A

B

C

C-A

 

B-A

 

前連結会計

年度

(変更前)

前連結会計

年度

(変更後)

当連結会計

年度

(変更後)

増減額

 

うち、

影響額

サージカル関連製品

セグメント利益

(販売費及び一般管理費)

2,121

(2,322)

2,093

(2,350)

2,640

(2,789)

518

(467)

 

△28

(28)

アイレス針関連製品

セグメント利益

(販売費及び一般管理費)

2,865

(2,484)

3,191

(2,158)

3,872

(2,622)

1,007

(137)

 

325

(△325)

デンタル関連製品

セグメント利益

(販売費及び一般管理費)

2,256

(3,371)

1,959

(3,668)

1,878

(4,093)

△378

(722)

 

△297

(297)

セグメント利益合計

(販売費及び一般管理費合計)

7,243

(8,177)

7,243

(8,177)

8,392

(9,505)

1,148

(1,327)

 

-

(-)

 

② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況

a.財政状態の状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

(2023年8月31日)

当連結会計年度末

(2024年8月31日)

増減額

総資産

54,977

57,177

2,200

 流動資産

34,994

31,942

△3,052

 固定資産

19,982

25,235

5,252

負債

5,149

4,846

△302

純資産

49,827

52,330

2,503

 

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,200百万円増加し、57,177百万円となりました。これは、固定資産5,252百万円の増加(主にスマートファクトリー関連投資5,592百万円による増加)、流動資産3,052百万円の減少(主にスマートファクトリー関連の設備投資や配当に伴い現金及び預金が3,783百万円減少した一方、売掛金が636百万円増加)によるものです。

 負債は、前連結会計年度末に比べ302百万円減少し、4,846百万円となりました。これは主に、賞与引当金及び未払法人税等の減少によるものです。

 純資産は、前連結会計年度末に比2,503百万円増加し、52,330百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したこと等によるものです。

 

b. キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前年同期比

営業活動によるキャッシュ・フロー

8,026

7,810

△2.7%

投資活動によるキャッシュ・フロー

△4,016

△6,642

65.4%

財務活動によるキャッシュ・フロー

△3,251

△3,703

13.9%

現金及び現金同等物に係る換算差額

955

△245

△125.7%

現金及び現金同等物の期首残高

22,084

23,798

7.8%

現金及び現金同等物の期末残高

23,798

21,017

△11.7%

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、7,810百万円(前期比2.7%減)のキャッシュ・イン・フローとなりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加に伴い営業キャッシュ・イン・フローが増加した一方で、売上債権の増加に伴い営業キャッシュ・アウト・フローが増加したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、6,642百万円(前期比65.4%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、スマートファクトリーに関連する有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、3,703百万円(前期比13.9%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、配当金の支払額が増加したこと等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年9月1日

至 2024年8月31日)

前年同期比(%)

サージカル関連製品(百万円)

8,142

126.9%

アイレス針関連製品(百万円),

10,560

122.8%

デンタル関連製品(百万円)

10,053

101.0%

合計(百万円)

28,756

115.1%

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年9月1日

至 2024年8月31日)

前年同期比(%)

サージカル関連製品(百万円)

8,152

120.2

アイレス針関連製品(百万円)

10,222

119.2

デンタル関連製品(百万円)

10,139

111.1

合計(百万円)

28,513

116.4

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2022年9月1日

   至 2023年8月31日)

当連結会計年度

(自 2023年9月1日

   至 2024年8月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

国科恒遠(北京)医療科技有限公司

3,250

13.3

3,939

13.8

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(以下「前期」という。)比4,025百万円増加の28,513百万円(前期比16.4%増)となりました。サージカル関連製品の売上高は、白内障手術等で使用される眼科ナイフの需要が中国を中心としたアジア、欧州、北米等の地域で拡大したことにより、8,152百万円(同20.2%増)となりました。アイレス針関連製品の売上高は、製品需要の拡大を背景として、アイレス針の受注が中国を中心としたアジア、欧州、北米等の地域で引き続き増加したことにより、10,222百万円(同19.2%増)となりました。デンタル関連製品の売上高は、円安の進行により海外売上高が押し上げられたことに加え、中国、インドを中心としたアジア地域において歯科用回転切削機器(ダイヤバー)及び歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル)等の販売が好調に推移したことから、10,139百万円(同11.1%増)となりました。一方、歯科用修復材を中心とするドイツMMG製品の販売は低調に推移しました。

 損益面においては、海外子会社における製造原価の上昇により売上原価が10,616百万円(同17.1%増)となり、売上原価率が前期比0.2ポイント悪化しました。しかし、売上高が好調に推移したことにより、売上総利益は前期比2,475百万円増加の17,897百万円(同16.1%増)となりました。

 営業利益は、前期比1,148百万円増加の8,392百万円(同15.8%増)となりました。マーケティング活動の強化及び人件費の増加に伴い販売費及び一般管理費が1,327百万円増加(同16.2%増)したものの、売上高の増収が販管費の増加を吸収しました。営業利益率は29.4%となり、前期より悪化しました。

 経常利益は、営業利益の増益及び為替差益(総額)の計上に伴い、前期比469百万円増加の8,464百万円(同5.9%増)となりました。税金等調整前当期純利益は、経常利益が増加したことにより、前期比406百万円増加の8,424百万円(同5.1%増)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比332百万円増加の6,286百万円(同5.6%増)となりました。また、自己資本当期純利益率(ROE)は前期より悪化し、12.3%となりました。

 

 なお、セグメント別の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に、当社グループの課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性の分析

 下表に記載のとおり、堅調な営業収益を背景として、継続的に営業キャッシュ・イン・フローを確保しております。また、営業キャッシュ・フローに加え潤沢な手元資金も活用しながら、設備投資(投資キャッシュ・フロー)や配当(財務キャッシュ・フロー)へ資金配分を行っており、高水準の自己資本比率の維持を可能とする財務運営を実現しております。

 運転資金及び設備資金については自己資金により賄っておりますが、資金調達の機動性及び安定性の確保を図るため、取引金融機関と総額800百万円の当座貸越契約を締結しております。

 

 

 

(参考)キャッシュ・フロー指標のトレンド

 

2020年

8月期

2021年

8月期

2022年

8月期

2023年

8月期

2024年

8月期

営業キャッシュ・フロー

(百万円)

1,941

6,384

6,559

8,026

7,810

投資キャッシュ・フロー

(百万円)

△38

△3,438

△2,173

△4,016

△6,642

フリー・キャッシュ

・フロー(百万円)

1,903

2,945

4,385

4,010

1,168

財務キャッシュ・フロー

(百万円)

△2,133

△2,232

△2,444

△3,251

△3,703

自己資本比率(%)

93.1

91.8

90.6

90.6

91.5

時価ベースの自己資本比率(%)

673.4

501.9

344.9

340.0

338.9

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

インタレスト・カバレッジ

・レシオ(倍)

919.4

3,583.1

2,921.3

2,947.1

1,143.2

フリー・キャッシュ・フロー:営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

 経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、医療の変化と技術の進歩に対応していくために、営業との連携を強化し、世界のKOL(キー・オピニオン・リーダー:影響力の高い医師の方々)の協力を得ながら、医科手術分野及び歯科治療分野における今後の事業の核となるような製品の研究開発と、その基礎技術の研究開発を進めております。同時に従来製品の改良技術、生産技術及び管理技術等の研究開発を行っております。

 現在の研究開発は、当社グループがそれぞれの分野の新製品開発と従来製品改良技術の研究開発を行っております。また、その他共通的研究テーマとして、特許等の知的財産管理、自動生産ラインの研究及び検証を手がけております。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は2,396百万円(売上高比8.4%)であります。なお、研究開発費には、特定のセグメントに関連付けられない費用790百万円が含まれております。

 

 当連結会計年度の研究開発の概要と主な成果は次のとおりであります。

 

サージカル関連製品

 手術用機器全般の製品と眼科手術機器、具体的には皮膚縫合器、眼科ナイフなど、その関連機器の開発を続けております。また、硝子体手術に使われる機器・器具の開発をはじめ、眼科ナイフでは極小切開白内障手術に対応した製品について、長期的視野に立った製品の研究開発を進めております。

 当連結会計年度の進捗としましては、眼科ナイフの品質改良、スマートファクトリー向けの眼科ナイフ自動化量産ラインの開発、硝子体鑷子(しょうしたいせっし)の改良及びラインナップ拡充等を行いました。

 サージカル関連製品に係る研究開発費は、523百万円であります。

 

アイレス針関連製品

 アイレス縫合針、アイド縫合針の開発を主に、特に連続縫合での切れ味の持続性向上、安全性を保ちつつ更に曲げ強度向上、持針器とのマッチング等把持特性向上、その他使い易さ等を追求しております。さらに、縫合針に取り付ける糸との関係についても研究を行っております。

 当連結会計年度の進捗としましては、アイレス縫合針の新たな品番開発、ロボット手術用のアイレス縫合針の開発及び生産、手術用針付縫合糸のパッケージ改良等を行いました。

 アイレス針関連製品に係る研究開発費は、271百万円であります。

 

デンタル関連製品

 歯科保存・歯科補綴機器を中心にした歯科治療製品を開発しております。具体的には歯科用根管治療機器、歯科用回転治療機器、歯科用修復材を開発しております。さらに、従来の関連治療機器並びに精緻治療のための開発も長期的な視野に立ち継続しております。

 当連結会計年度の進捗としましては、歯科用根管治療用NiTiロータリーファイル「JIZAI」の改良及び製品ラインナップ拡充、歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル)及び歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の改良等を行いました。

 デンタル関連製品に係る研究開発費は、810百万円であります。

 

共通的研究開発

 研究開発部門の支援開発業務を含む共通的研究開発、基礎的研究開発を行っております。主に知的所有権関連技術、IT、海外生産技術、品質管理技術、自動生産ラインの開発です。

 当該研究開発費は、790百万円であります。