当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、本半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当社グループは、2024年4月期第3四半期連結会計期間より四半期連結財務諸表を作成しているため、前年中間連結会計期間との比較分析は行っておりません。
(1) 業績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の回復を背景とした個人消費の改善や、旺盛なインバウンド需要、円安による輸出型企業の業績拡大などにより、緩やかに持ち直しております。一方で、ウクライナや中東での情勢不安や長引く物価高による消費マインドの停滞など、依然として先行きの見通しは不透明な状態が続いております。
このような環境の中、当社グループは、景気動向に左右されにくい葬祭市場に対し、遺影写真等画像映像のデジタル加工や通信出力サービスを主に提供するフューネラル事業、1冊から本格的写真集という新しい写真のアウトプット手法を提案するフォトブック事業、空中結像という今までにないユニークな技術で、新しい市場を創造し、夢の実現を目指す空中ディスプレイ事業、それぞれに位置づけや特色が異なる三つの事業を展開してまいりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。各セグメントの業績数値にはセグメント間の内部売上を含んでおります。
(フューネラル事業)
当事業におきましては、自社営業による新規顧客獲得を確実に推し進め、主力である画像処理収入は堅調に伸長いたしました。また、遺影写真出力用システムやサイネージ機器などハードウェアの売上も好調に推移いたしました。展示会などを利用し、「ロングコラージュ」やASKA3Dプレートを活用した製品など新しい提案をしてまいりました。
葬儀市場にITテクノロジーを活用した「葬テック」としてリリースしております「tsunagoo」は新規契約獲得は想定より遅れておりますものの、契約先においては「tsunagoo」を利用して供物や弔電などの注文が進んでおり手応えを感じております。
利益面につきましては、クラウド利用料や各種ソフトウェアの利用料が増加するなか、商品売上の適正な粗利の確保や画像処理オペレーションの生産性向上に努めた結果、セグメント利益は想定を上回りました。
以上の結果、売上高は1,576,417千円、セグメント利益は304,893千円となりました。
(フォトブック事業)
当事業におきましては、プロフェッショナル写真家向け市場は「アスカブック」、一般消費者向け市場は「マイブック」ブランドで展開しております。また、スマートフォンで撮影された写真からフォトブックや写真プリントをOEM供給しております。
プロフェッショナル写真家向け市場では、主力であるウェディング向け写真集は、コロナ禍回復による挙式増からの反動減に加え、特に6月度の全般的な売上の伸び悩みにより、売上は想定を下回る結果となりました。取組みとしましては、データ納品システムの機能増強、リアルセミナーの開催などを進めてまいりました。AI画像処理レタッチソフトの取扱いは開始しましたが、多くの顧客の要望に応えるための機能改善を待ちつつ、潜在顧客の掘り起こしを進めているところです。
一般消費者向け市場についても、依然として厳しい環境が継続しており苦戦はしておりますが、一定の底打ち感は見られております。マイブックでは各種キャンペーンの実施に加え、年賀状、カレンダー、卒業アルバムなど季節商品の受注に向けた準備を進めてまいりました。バーチャルビジネス分野では、連結子会社である株式会社BETへのサポートを継続し、ファングッズ売上拡大などの成果をあげております。2024年8月には広島で「おりづるVTuberフェス」を開催し、また銀座の拠点xLab(クロスラボ)を活用した体験型ファンミーティングの開催など各種企画を実行してまいりました。
利益面につきましては、原材料価格高騰や人件費上昇の影響を受けるとともに、主にウェディング向け写真集の売上が想定を下回ったことによる稼働率の低下が大きく影響し、セグメント利益は苦戦いたしました。
以上の結果、売上高は1,739,324千円、セグメント利益は191,766千円となりました。
(空中ディスプレイ事業)
当事業におきましては、空中結像技術を用いた新しい画像・映像表現により市場を創造することを目指しており、独自技術により空中結像を可能にする「ASKA3Dプレート」について、ガラス製、樹脂製それぞれを開発、製造、販売しております。
営業面につきましては、国内は自社営業を主として、海外は代理店を主として販売を推進しております。国内におきましては、第1四半期に出展した展示会のフォローに努めました。また、東京のデパートにおいて迫力ある5連空中壁面サイネージを設置いただきました。営業体制の強化も奏功し国内向け売上は一定の成果を上げました。一方、海外におきましては、代理店網の再編、拡充を進めており、シンガポール、韓国、タイにおいて代理店を設置いたしました。自社営業と海外代理店の協力によるアジア向けの大型プレートの売上が寄与いたしましたが、全般的に海外代理店経由の案件獲得が遅れており、売上は想定を下回るものとなりました。
製造・開発面につきましては、環境性能に優れた素材での製造開発を進めており、また自社技術開発センターでは中型サイズの品質向上、製造安定化を進め、一定の成果を得ました。また、量産案件を前提とした品質管理体制の強化に継続的に取り組んでまいりました。
損益面につきましては、海外代理店拡充や品質管理体制強化のための専門人員の人件費が増加したものの、案件ごとの粗利率の向上に努め、広告宣伝費や研究開発費を適切にコントロールしてまいりました。
以上の結果、売上高は89,183千円、セグメント損失は151,865千円となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は3,402,169千円となり、利益面につきましては、フォトブック事業のセグメント利益が厳しかったことや、全社的にクラウドサービスやソフトウエアの利用料が増加したことなどにより、経常利益は19,291千円、親会社株主に帰属する中間純利益は2,249千円となりました。
(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末に比べ394,338千円減少し、6,696,105千円となりました。これは主に、自己株式の取得等により現金及び預金が277,506千円減少したことによるものであります。
当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ92,975千円減少し、840,653千円となりました。これは主に、未払金が54,263千円、未払法人税等が55,028千円それぞれ減少したことによるものであります。
当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ301,363千円減少し、5,855,451千円となりました。これは主に、自己株式の増加185,809千円及び配当金の支払い115,198千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ277,506千円減少し、1,382,508千円となりました。なお、当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動の結果獲得した資金は、240,881千円となりました。これは主に、減価償却費180,627千円、棚卸資産の減少34,398千円、売上債権の減少32,113千円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動の結果使用した資金は、201,918千円となりました。これは主に、生産設備購入など有形固定資産の取得による支出124,283千円、無形固定資産の取得による支出60,521千円を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動の結果使用した資金は、316,469千円となりました。これは主に、配当金の支払額114,893千円、自己株式の取得による支出200,857千円によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題に重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は106,645千円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。