第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①財政状態の状況

 当中間連結会計期間末における総資産の残高は、前連結会計年度末より465億9千1百万円増の2,960億1百万円となりました。主な要因は、Francfrancのグループ入りをはじめとするM&Aによるのれんや商品の増加によるものであります。

 負債の残高は、458億6千万円増の1,598億5千9百万円となりました。主な要因は、Francfrancのグループ入りに伴う買掛金の増加や株式取得資金を金融機関より調達したことによるものであります。それに伴い、短期及び長期借入金の残高は、296億2千7百万円増となる363億2千1百万円となりました。

 純資産の残高は、7億3千万円増の1,361億4千2百万円となり、自己資本比率は8.3ポイント減少となる46.0%となりました。

②経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年5月1日~2024年10月31日)におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善とともに、緩やかな回復がみられます。一方で、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクになっていることに加え、物価上昇や金融資本市場の変動等により未だ不透明な状況が続いております。

このような経済情勢の中、当社グループはマテリアリティ「地域医療への貢献」「美しさとすこやかさの提供」を使命とし、医療・小売サービスの提供に努めております。また、ダイバーシティ&インクルージョンの推進をマテリアリティ「健全な経営基盤」における重要な取り組みのひとつとしてとらえており、女性の活躍推進に積極的に取り組む中、女性社員の意識改革及びマネジメント能力発揮のためのキャリア形成を支援する研修の実施や、ワークライフバランスの促進に向けた取り組みの強化等が評価され、2024年6月に中核事業会社である株式会社アインファーマシーズが厚生労働大臣より「プラチナえるぼし」の認定を受けました。上記を含め、人材戦略の取り組みを強化しており、当社グループが推進する人的資本経営におけるKPI等について、2024年7月に開示内容を拡充いたしました。これらの取り組みに加え、マテリアリティ「環境保護・負荷低減」の取り組みとして、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の最終報告書(TCFD提言)に基づく情報開示の充実及び省エネ・節電施策の推進等が評価され、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が採用するESG指数であるMSCI日本株ESGセレクト・リーダーズ指数の構成企業として選定されました。その他にも、FTSE Blossom Japan Sector Relative Index、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)及びMorningstar Japan ex-REIT Gender Diversity Tilt Indexの構成企業として選定されております。

これからも当社グループは、事業によるさまざまな社会課題の解決への貢献を通じて、ステークホルダーの皆さまに「この街にアインがあって良かった」と感じていただける企業を目指します。

※TCFD:「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の略。G20財務大臣及び中央銀行総裁の意向を受け、金融安定理事会(FSB)が設置。2017年6月に最終報告書「TCFD提言」を公表。

当中間連結会計期間における経営成績は、次のとおりであります。

 

前中間

連結会計期間

(百万円)

当中間

連結会計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

売上高

193,727

214,860

21,133

10.9

営業利益

8,749

5,872

△2,876

△32.9

経常利益

9,338

6,338

△2,999

△32.1

親会社株主に帰属する中間純利益

5,257

3,212

△2,044

△38.9

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

前中間

連結会計期間

(百万円)

当中間

連結会計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

ファーマシー

事業

売上高

173,234

186,439

13,205

7.6

セグメント利益

12,492

9,648

△2,843

△22.8

リテール事業

売上高

14,832

22,885

8,053

54.3

セグメント利益

1,318

1,694

376

28.5

その他の事業

売上高

5,685

5,560

△125

△2.2

セグメント損失(△)

△49

△15

33

(注)セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高を含んでおります。

(ファーマシー事業)

ファーマシー事業では、「確かな専門性で地域のかかりつけ薬局に」を目指す姿として掲げ、医療機関等との連携、お薬手帳等を活用した服薬情報の一元的・継続的な把握、在宅医療対応等により、患者さまが住み慣れた地域で安心して医療を受けることができるよう、「かかりつけ薬剤師・薬局」の機能発揮に取り組んでおります。

また、患者さまの利便性向上のためのDX推進にも積極的に取り組んでおり、「公式アプリ いつでもアイン薬局」やLINE公式アカウント等により、処方箋送信サービスをより手軽に利用いただける環境を整えております。

上記施策の他、国家戦略特別区域である大阪府大阪市において薬局DX推進コンソーシアムの一員として、2024年10月に全国初となる「異なる法人間における調剤業務の一部外部委託」の実証を行いました。本取り組みを含め、将来見込まれる規制緩和への迅速な対応や競争力のさらなる強化に向けた準備を進めてまいります。

当中間連結会計期間においては、高額医薬品の処方により処方箋単価が上昇するとともに、かかりつけ薬剤師・薬局としての機能強化や待ち時間短縮等の患者さまサービス向上により処方箋枚数についても増加しております。

同期間の出店状況は、M&Aを含め、グループ全体で合計31店舗を出店し、4店舗を閉店、10店舗を事業譲渡したことで、当社グループにおける薬局総数は1,248店舗となりました。

(リテール事業)

リテール事業では、コスメティックストア「アインズ&トルペ」を展開しており、コスメを中心とした独自性のある商品構成やアジアンコスメの独占・先行販売等の施策を行うことで他社店舗との明確な差別化を図っております。また、2024年8月にはインテリアショップ「Francfranc」がグループ入りしております。Francfrancでは家具やインテリア雑貨の企画から製造・販売まで一貫して行うことで、多彩なデザインと自由なスタイリングで心地良い毎日の提案を行っています。

当中間連結会計期間においては、グループ入りしたFrancfrancの寄与により、売上高が大きく伸長しました。また、アインズ&トルペの既存店及び前期出店店舗の客数が堅調に推移していることに加え、前期から引き続きアジアンコスメや高価格帯コスメ等の売上が伸長していることで単価が上昇しております。今後、アインズ&トルペとFrancfranc双方の強みを活かしたシナジーを発揮するとともに、購買動向を注視しながら商品力の強化や魅力的な売り場づくりを行ってまいります。

同期間の出店状況は、アインズ&トルペとして4店舗を出店し、2店舗を閉店したことにより、店舗数は83店舗となりました。また、Francfrancは161店舗がグループ入り後、1店舗閉店したことにより、店舗数は160店舗となり、リテール事業における店舗総数は243店舗となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物の残高は、前中間連結会計期間に比べ211億8千2百万円減の271億9千9百万円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益67億2千8百万円、減価償却費37億1千1百万円、のれん償却額25億7千3百万円、仕入債務の増減額59億2千万円を主な収入要因として、また、棚卸資産の増減額30億8千5百万円、未収入金の増減額19億7千9百万円、法人税等の支払額46億2千4百万円を主な支出要因として、127億2千9百万円の収入(前年同期は140億9千4百万円の収入)となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出464億7千1百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出63億3千4百万円を主な支出要因として、540億4千5百万円の支出(前年同期は57億9千3百万円の支出)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期及び長期の借入れと返済の差額が228億8百万円の調達となったことを主な収入要因として、また、配当金の支払額28億2千6百万円を主な支出要因として、201億3千5百万円の収入(前年同期は42億3千7百万円の支出)となりました。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。