文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
当社は、「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」というビジョンのもと、「世界をつなぎ、アタラシイを創る」をミッションに掲げ、世にない新しいものを提供するプロジェクト実行者(事業者)と新しいものや体験を作り手の想いや背景を知った上で応援の気持ちを込めて購入するプロジェクトサポーター(生活者)をつなぐ応援購入サービスMakuakeを運営しています。
また、付随サービスとして企業等が有する研究開発技術を活かした新事業の創出をサポートするMakuake Incubation StudioやMakuakeにおける応援購入金額の拡大をサポートする広告配信代行、プロジェクト終了後ECサイトにて継続販売するMakuake STORE、海外からの応援購入を受け付けるECサイトMakuake Global、全国各地の様々な業態のパートナー企業と連携しMakuake発の商品をリアル店舗で展示・販売するMakuake SHOP等を提供しています。
当社は、これらのサービスを通して、世の中の素晴らしい挑戦がお蔵入りせず実現及び加速していくことをサポートする社会インフラになるべく、事業を展開しています。また、当社は、「0次流通市場」という一般の流通に出回る前の流通市場に軸足を定めており、そのオンライン市場である「新商品のオンラインデビュー市場」における最大のプラットフォーマーとしての地位を確立することを通じて、当社のビジョンである「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」を目指しています。当社の成長によって同市場の顕在化が進むと同時に、新商品や新サービスの一般流通前のゲートウェイとして当社が同市場をリードする地位を確立することができると考えています。
当社は、取扱高を重要な経営指標としており、今後もその拡大に注力していく方針です。
・取扱高
Makuakeにおける応援購入金額の総額及び安心システム利用料の合計額(税込)。
当社は、プロジェクト終了後、プロジェクト実行者から売り上がった応援購入金額の一定率をサポート手数料として受領しています。また、商品(またはサービス)購入時にプロジェクトサポーターから応援購入金額の一定率を安心システム利用料として受領しています。取扱高はMakuake事業及び安心システム利用売上の成長に直接関わるため、重要な指標として認識しています。
以下の指標は収益に直接的な関連はないもののMakuakeにおけるプラットフォームとしての規模感及びユーザー流動の健全性を測定する係数としてモニタリングしています。
・掲載開始数
Makuakeに新たに掲載されたプロジェクトの件数。
プロジェクトの掲載件数の増加はアクセスUU(ユニークユーザー)維持、または増加の一つの要素であるとともに、会員数の増加につながるため、その拡大による取扱高の成長を推進しています。
・アクセスUU(ユニークユーザー)
Makuakeの訪問者数(名寄せ後)。
会員及び非会員を合わせたサイトの訪問者数。期間中にサイトを訪問した人数はサイトの認知度の尺度であり、潜在的会員の数であるため、その拡大による会員基盤の拡大を推進しています。
・会員数
Makuakeにて会員登録を行った累計人数。
会員数の増加は応援購入者及び潜在的応援購入者の増加であるため、その拡大による取扱高の成長を推進しています。
・リピート応援購入率
Makuakeにおける応援購入金額のうち、過去1年間において応援購入実績があるプロジェクトサポーターの応援購入金額の割合。
リピート応援購入率はロイヤルカスタマーの割合とも考えられるため、当社はその割合を高い水準で維持することで、堅固な会員基盤による安定的収益の確保を目指しています。
なお、2021年9月期から2024年9月期における主要管理指標の推移は以下のとおりです。
当社の主な収益は、Makuakeにおいて展開する各種サービスに対して発生する手数料であるため、取扱高を重要経営指標としその成長を図りつつ、その他付随サービスの規模拡大を目指しています。そのため、当社は2013年設立以来、プラットフォームとしての自律的な成長サイクルを確立するとともに、ブランディングの強化及び品質保証体制の強化並びにMakuake生態系の強化を進め、参入障壁を高めています。
当社は今後もこの戦略を継続しMakuakeに経営資源を投下することにより事業拡大を図るとともに、付随サービスを含む各種サービスにかかる機能の強化及び領域拡大等に取り組みMakuakeの生態系を拡大、拡充することで収益基盤強化を図っていく方針です。
基本方針
従来の日本の流通構造は、様々な障壁があり、たくさんの優れた技術がお蔵入りし、画一的な低コスト商品や売れ筋の商品しか生み出されない構造となっており、趣味嗜好が多様な昨今においても新商品や新サービスが生まれづらい環境が常態化しているものと考えています。
当社は、独自のアイデア・技術をもつプロジェクト実行者と、これまで見たことのない新しい商品やサービスを応援購入したいプロジェクトサポーターをインターネットで結びつけ、量産前の試作又は企画段階において販売(先行販売)が可能なプラットフォームを提供することにより、新しい取り組みに際して生じる様々なリスクを低減し、まだ世の中になかった新商品や新サービスを世に輩出するための新たな事業創造スキームとして、21世紀型の新たな流通構造の在り方を提示したいと考えています。
また、この仕組みは、ものづくり領域のみならず、飲食店開業における会員権や食事券の先行販売、宿泊施設の宿泊券や各種体験施設の体験チケットの先行販売、映像や映画のチケットの先行販売等、多様な領域において活用可能なものであるため、大きな広がりを見せていくと考えています。
当社のアタラシイものや体験の応援購入サービスMakuakeは、新商品や新サービスのマーケットデビュー市場である「0次流通市場」に特化したマーケットプレイスとして他社と差別化したポジショニングを確立・維持しています。
当社のプラットフォーム価値を向上させるためには、オペレーション(キュレーターによるコンサルティング力及び審査担当による審査力)、カスタマーサポート(プロジェクトサポーターが安心して応援購入することができる環境づくり)、マーケティング及びプロモーション(効率的かつ効果的な運用体制)、ユーザー定着化(プロジェクト実行者及びプロジェクトサポーターに継続して利用してもらうための体験の提供)、テクノロジー(インターネット関連技術、プラットフォームの構築技術)の各要素をそれぞれ強化することが当社の差別化戦略を形成する上で重要であると認識しており、当社では、各要素の高度化と連携に向けた施策に継続的に取り組んでいます。これらの高度化された有機的な連携により、マーケティングは得意ではないが優れたアイデアや技術を有している事業者が新しい顧客(プロジェクトサポーター)を獲得することが可能となり、他社では実現できない領域にまで活用できるようにすることで、プロジェクト実行者の裾野を広げることが可能になると考えています。
③ リピートプロジェクト実行者による掲載開始数及びプロジェクトサポーターのリピート応援購入金額の向上
Makuakeにおいてリピートプロジェクト実行者による掲載開始数の割合は55%以上、プロジェクトサポーターのリピート応援購入金額の割合は75%以上と高水準を維持しており、新商品や新サービスをローンチする際に繰り返しMakuakeを利用するプロジェクト実行者及び新商品や新サービスに高い関心又は購買意欲を示し、繰り返し応援購入をするプロジェクトサポーターは、当社事業の重要な顧客基盤であるものと考えています。
これら顧客層の拡大及びリピート利用の促進は、a)プロジェクト実行者向けのサポートを拡充/強化し、プロジェクト実行者の満足度向上を図ることでMakuakeのリピート利用の必然性を上げること、b)プロジェクト実行者のプロジェクトサポーターケアをサポートする体制を拡大し、健全性を強化することでプロジェクトサポーターの離脱を防止すること、c)プロジェクトサポーターのリピート利用を後押しする構造の拡充とCRM施策に投資し、プロジェクトサポーターのファン化を加速させること等により実現されているものと考えています。
当社は今後も継続してリピートプロジェクト実行者による掲載開始数及びプロジェクトサポーターのリピート応援購入金額を向上させるべく取り組んでいきます。
(4) 経営環境
当社事業は新商品デビューにおけるEコマース市場、新サービスにおける予約販売Eコマース市場等の影響を受けています。当該市場は2020年から2021年にかけて、新型コロナウイルス感染症拡大によって変化したライフスタイルやワークスタイルにより需要が急拡大した後、国内における経済活動の正常化が進む中で落ち着きを戻したかたちで成長を続けており、今後においても新商品及び新サービスデビューのEコマース市場は非常に高い成長ポテンシャルがあると考えています。
当社は、引き続き市場の拡大及び競合環境の変化並びに経済環境の変化等に合わせて対応していきます。
当社が対処すべき主な課題は以下のとおりと考えています。
当社が成長を維持するためには、より多くのユーザーが継続的に利用しているプラットフォームであり続けることが重要であると認識しています。プロジェクト実行者に対しては、プロジェクト掲載における満足度を高めていくとともに、プロジェクト終了後も振り返り等を通じて継続的にコミュニケーションをとり、次の新商品や新サービスの構想を支援することでプロジェクト実行者のリピート利用を促していきます。プロジェクトサポーターに対しては、質がよく、魅力あるプロジェクトの掲載を続け、応援購入のマイナス体験を可能な限りゼロにし、体験向上を図るとともに、クーポンやメールマガジンをはじめとする各種CRM施策に加え新機能開発を進め、繰り返しプラットフォームを利用したくなる仕組みを作ることでプロジェクトサポーターのリピート利用を促進していきます。
② 優秀な人材の確保と育成
当社が今後も継続的に成長するためには、優秀な人材の確保と育成が重要な課題であると認識しています。特にキュレーター人材及び審査人材は質の高いプロジェクトの掲載において非常に重要であり、キュレーター部門のプロジェクトコンサルティング体制及び審査部門のプロジェクト審査体制は他社が短期間で真似することのできない大きな参入障壁になっているため、当該部門の人材を確保し、育成することは当社の人的資本の蓄積につながると考えています。引き続き適切な採用活動を行い、優秀な人材を確保していくとともに、社内における教育体制の強化に取り組んでいきます。
③ 審査強化、モニタリング体制及び返金制度によるトラブル発生防止への対応
当社は、不適切なプロジェクトによるトラブルの発生を防止し、プロジェクトサポーターが安心して利用できるプラットフォームの体制を持続することが重要な課題であると認識しています。そのため、プロジェクト掲載前の事前の審査体制、プロジェクト掲載から送付までのモニタリング体制及び一定期間内にリターンが未着であり、かつプロジェクト実行者から返金されない場合における当社からの返金制度を構築し、トラブル発生防止に努めています。
事前の審査においては、担当キュレーターにおけるプロジェクトチェック体制に加え、プロジェクト法務局の審査専門チームによる審査を合わせて実施しています。審査においては、Makuake基本方針及びMakuake品質基準を定め、プロジェクト掲載基準を明確にするとともに、審査項目として、社内ガイドライン・マニュアル等を整備し、全プロジェクトをカテゴリー別の審査項目に基づき、実現可能性や法令遵守、プロジェクト実行者の評価、リターンにかかる実現可能性等に留意した審査・チェックを実施することにより、プロジェクトが適切に実行されないリスクの低減に努めています。
プロジェクト掲載から送付までの状況については、カスタマーサクセス局においてモニタリングを実施し、案件に応じてプロジェクト法務局及び企業法務部に連携することにより、配送が適切に実行されないリスク低減に努めています。
加えて、2024年8月1日以降開始のプロジェクトについては、一定期間内にリターンが未着であり、かつプロジェクト実行者から返金されない場合において、当社からプロジェクトサポーターに対して応援購入額相当額が返金される返金制度を構築し、トラブル防止を図っています。
上記審査体制、モニタリング体制及び返金制度については、今後も改善に努め、トラブル発生防止に注力していく方針です。
(2024年9月期審査・モニタリング体制図)
④ 業務の効率化
当社は、不適切なプロジェクトによるトラブルの発生を防止し、ユーザーが安心して利用できるプラットフォームであり続けるために、プロジェクトの審査体制を構築し継続的な改善に努めています。そのため、常にプロジェクトの審査項目や体制を改善し続けており、審査を強化することによる審査工数の増加はプロジェクト審査を担当するプロジェクト法務局のみならず、コンサルティングを行うキュレーション局の生産性に影響を与える重要な課題であると認識しています。プロジェクト法務局は、審査項目の見直しを行う際にキュレーション局をはじめとする関連部署全体の業務フローを検討し、定型化・システム化が可能な部分についてはフォーマットの運用や開発本部との連携を行うことにより審査工数の増加を最小限に抑える調整をしています。引き続き、効率的なプロジェクト審査体制の強化に取り組んでいきます。
当社は、プロジェクト実行者が利用する各種システムや社内オペレーションシステム等の整備・強化が重要な課題であると認識しています。各種オペレーション関連システムを整備・強化し、プロジェクト実行者における利便性向上や自動化機能の拡充を図るとともに社内業務の効率向上を目的とした社内オペレーションシステムの整備・強化に投資をしていきます。
当社は、MakuakeのWEB及びアプリサービスにおける新機能開発やMakuake関連サービスのシステム開発が重要な課題であると認識しています。引き続き、Makuakeを中心とした関連サービスのシステム開発に投資を進め、Makuakeの生態系拡大を図っていきます。
⑥ 集客のための広告投資
当社の更なる成長のためには、Makuakeの認知度向上やブランド力強化が重要な課題であると認識しています。そのため、今後も適切な広告手段を活用した継続的な広告投資を推進し、プロジェクト実行者及びプロジェクトサポーターの獲得に取り組んでいきます。
新商品や新サービスに特化したマーケットプレイスであるMakuakeは、新商品や新サービスに関する情報が集まっているメディアとして多くのプロジェクトサポーターやメディア関係者に認識され、毎日訪れるメディアとしても利用されています。単純にものを買う場所としてではなく、毎日訪れ、楽しむ中で応援購入してもらうために、Makuakeのメディア力強化及びマッチング力強化が重要な課題であると認識しています。引き続き、まだ一般流通に出回る前の良質な新商品や新サービスの発掘、掲載を継続し、プロジェクトを通じてMakuakeを訪れたユーザーに良質な情報を提供することでメディア力を強化すると同時に、検索機能やレコメンド機能、サイトのUI(ユーザーインターフェイス)及びUX(ユーザーエクスペリエンス)等の機能改善、新機能開発を進め、ユーザーの趣味嗜好に合った新商品や新サービスとのマッチング精度を上げていきます。
現在、当社は東京本社以外に、大阪府、石川県、愛知県、広島県、福岡県及び韓国ソウルに拠点を構えていますが、国内外における事業者へのリーチ及びプロジェクト実行者との連携を強化するために拠点の更なる増設が重要な課題であると認識しています。今後は、国内及び海外に新たな拠点を構え、事業者へのブランド認知向上に注力するとともに掲載プロジェクトの更なる拡大に取り組んでいきます。
当社はインターネットを通じてサービスを提供しており、システムの安定的な稼働及び何らかの不具合が発生した際の適切な対応が重要であると考えています。今後も事業規模の拡大に応じ適切な開発投資を行い、システムの整備・強化を進め、システムの安定性確保に努めていきます。
当社は、個人情報を保有しており、また事業者の新商品や新技術等の機密情報を取り扱うこともあるため、情報管理が重要な課題であると認識しています。今後も引き続き、社内規程の厳格な運用、役職員に対する定期的な社内教育の実施と同時に、セキュリティシステムの整備・強化に取り組み、より強固な情報管理体制の運用徹底を図っていきます。
当社の更なる成長のためには、事業の規模やリスクに応じた内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しています。今後も事業上のリスクを適切に把握・分析した上で、社内諸規則や各種マニュアルの整備、社内教育の充実等、適正な内部管理体制の整備に取り組んでいきます。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
当社は、「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」というビジョンのもと、「世界をつなぎ、アタラシイを創る」をミッションに掲げ、新商品デビューの商流において、必要な数量だけを生産する予約販売システムの事業モデルを通じて、大量生産/大量流通から生まれる資源の無駄を削減するとともに大量のゴミの発生を軽減する、合理的かつ持続可能な消費生産ソリューションを提供することで、サステナビリティ経営を促進しています。
当社は、当社の事業モデルを健全に拡大させることこそが、環境及び社会等における貢献につながると捉えているため、サステナビリティ推進の役割を担う特定の部門を設けることなく、
(2)戦略
当社は、ビジョン及びミッションに基づく継続的な企業価値の向上のためには、人材が最も重要な経営資本であると捉えています。そのため、ビジョンの実現に向けて、採用の際における「Makuake Recruitment Policy」、採用後の各従業員のふるまいに対する「Makuake Standard」、そして、会社が従業員個人に機会提供をする上でのポリシーである「Makuake HR Policy」を定めています。特に、「Makuake HR Policy」では、ビジョン実現に向けた成果創出を正しく評価すること、ビジョン実現の延長線上で個人のビジョン実現ができるような就業環境・キャリアの機会を提供すること、多様な価値観やバックグラウンドをもつタレントが活きる環境を作ることを推進しています。
具体的には、性別や国籍、価値観にとらわれず、一人ひとりの個性を生かし、多様性を重視する方針のもと、社内ナレッジシェアや従業員の育成に注力しており、また時短勤務、リモートワークや、産育休を積極的に利用しやすいようサポートするための環境づくり等、働きやすい環境整備に努めています。
また、従業員が会社に愛着をもち、やりがいをもって働く環境を実現するために、エンゲージメントに関する調査を毎月1回(簡易版)、及び半年に1回(詳細版)実施し、チーム及び従業員個々の状態を可視化して、よりよい組織づくりに取り組んでいます。
当社は、事業を推進していく上で発生し得るリスクについてその内容を把握し、分析/評価した上でその対策を講じ、リスクコントロールをしています。
リスク管理については、常勤取締役、内部監査担当者及び法務担当者からなるコンプライアンス委員会において、各役員及び各部門責任者に対して半期ごとに注力すべきリスクのヒアリングを実施し、リスクに対する対応状況について評価・管理すると同時に、注力すべきリスクについて審議検討をしています。また、当社はプロジェクト実行者における新商品や新サービスに関する重要な情報を保有しているため、リスクの中でも特に、情報セキュリティリスクを重視しており、定期的な分析・評価及びモニタリングを行うことでリスクの低減を図っています。
当社では、上記(2)戦略において記載した、人材の育成、人材の多様性の確保及び社内整備環境における方針に関する指標として次の指標を用いています。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
当社事業は、新商品デビューにおけるEコマース市場、新サービスにおける予約販売Eコマース市場等の複数の市場と密接に関連する新商品や新サービスの先行販売にかかる領域を主たる事業対象領域として認識しており、これら市場の動向に影響を受けています。
当社は、これら事業領域において、応援購入サービスにかかる認知度の高まり、話題性・共感性の高いプロジェクトの増加や成立件数の増加、プロジェクトの大型化、国内外他社の参入等に加え、Eコマース市場の多様化等を背景とした市場の拡大傾向を受け、潜在的に大きな成長可能性があると考えています。
また、当該事業領域については、比較的新しい市場であることや市場自体が成長途上にあることから、現時点において、当該市場の定義が確立されたものではなく、今後も定義や規模を変えながら進化していくものと考えています。当社は、当該市場の変化に応じた事業展開を推進していく方針ですが、今後において、規制導入やその強化、業界におけるトラブル等による信頼性の毀損、その他の要因により当該市場の成長に支障が生じた場合、当社事業にも影響が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
新商品や新サービス分野における消費動向は、経済環境や社会情勢等に強く影響を受けるものであるため、景気動向や雇用情勢、税制、災害その他により個人消費等に著しい影響を及ぼす事象が生じた場合、当社事業にも影響を及ぼす可能性があります。
当社事業は、主としてインターネットを通じてサービスを提供しています。近年におけるスマートフォンやタブレット型端末機器の普及等を背景として、一般ユーザーのインターネット利用環境は継続的に整備が図られ、インターネット上で提供されるサービス及びその利用は拡大傾向にあります。
しかしながら、将来において、インターネット利用にかかる規制強化、利用料改定等を含む通信事業者の動向の変化、急速な技術革新が生じた場合、一般ユーザーのインターネット利用動向やその在り方に重大な変化が生じた場合、また、当社においてこれらの外部環境変化への対応に支障が生じた場合は、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社が事業対象とする領域のユニークさから同市場において同じビジネスモデルを展開している事業者は現在存在しておらず、一部の事業者が展開するサービスにおいて市場が重複する部分があると認識しています。自社のECを通じて新商品や新サービスを提供する事業者や一部の既存Eコマース事業者がその対象となります。
当社は、事業展開を通じて新商品や新サービスのデビューにおけるコンサルティング及び審査、マーケティング、PR等にかかるノウハウ等を蓄積するほか、当社サービスの認知度及び信頼性向上を推進しており、今後も各種施策による当社の強みを強固にし、参入障壁を高めていく方針です。
しかしながら、今後において国内外の新たな事業者参入等により競争が激化した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業は、「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」及び「電気通信事業法」並びに関連法令等の法規制を受けています。また、Makuakeで取り扱うプロジェクトにおいては、各案件にかかる事業領域において法規制を受ける場合があります。なお、当社事業は、現時点において当該事業領域に対する明確な法規制はありません。
当社は、各種法的規制を遵守するため、社内規程及び業務マニュアルの整備や役職員に対する教育等をはじめとしたコンプライアンス体制及び管理体制の強化に取り組んでいます。
しかしながら、今後において、当社事業を対象とした新たな法規制の導入、その他法令等の改正や法解釈の変更等が生じた場合、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社事業又はプロジェクトにおいて、何らかの要因により法規制に抵触する状況が生じた場合には、当社及び事業サービスの信頼性低下や適正な業務運営への支障が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業成長において、魅力的なプロジェクトを継続的に提供していくことが重要な要素であると考えています。当社は、過年度において多くのプロジェクトを実施してきた実績等によるユーザー評価及び知名度の向上等に加え、メディア媒体等を通じたPR活動及び金融機関等との提携(ビジネスマッチング)に基づく紹介等により、良質なプロジェクトの獲得を図っています。また、引き続き地方の拠点展開にかかる体制を強化し、プロジェクト獲得の強化を図っていく方針です。
しかしながら、将来において、競合となりうる新規事業者の参入、その他の要因により良質なプロジェクトの継続的な獲得及び提供が困難となる状況が生じた場合、プロジェクトサポーターの集客や取扱高に影響が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
Makuakeにおいては、新しいアイデアや技術等を具現化する新商品や新サービスを中心として、多種多様なプロジェクトが掲載されています。また、各プロジェクトは、プロジェクト実行者のプロジェクトサポーター募集期間後に、リターンとして当初予定していた新商品や新サービスの提供が困難となるリスクを含んでいます。プロジェクトにかかるリターン不履行その他のトラブルが発生又はそれが増加した場合には、当社においてプラットフォーム運営者としての責任を問われる可能性があります。
当社は、プロジェクト推進にかかる社内ガイドライン・マニュアル等を整備し、個々のプロジェクトにおける実現可能性や法令遵守、プロジェクト実行者の評価等に留意した審査・チェックを実施することにより、プロジェクトの実行が頓挫するリスクの低減に努めています。
また、当社サイトにおけるリスク説明や注意喚起、各プロジェクトにおけるリスク事項の掲載等の充実を図り、プロジェクトサポーターに対して応援購入サービスにかかるリスクの周知・啓蒙を行っています。
なお、当社規約においては、プロジェクト実行に際して、実行の頓挫、不備又は瑕疵が生じた場合には、プロジェクト実行者がプロジェクトサポーターに対する責任を負うものと定めており、当該状況が発生した場合には、プロジェクト実行者よりプロジェクトサポーターに対する債務を履行するよう要請しています。しかしながら、プロジェクト実行者による債務の履行が困難となる場合においては、プロジェクトサポーターの一方的な不利益発生等を回避するため、当社からプロジェクトサポーターに対して返金を行う仕組みも構築しています。具体的には、2024年8月1日以降開始のプロジェクトについては、一定期間内にリターンが未着であり、かつプロジェクト実行者から返金されない場合において、当社からプロジェクトサポーターに対して応援購入額相当額が返金される返金制度を構築し、トラブル防止を図っています。
これらの取組みにもかかわらず、プロジェクトにおけるトラブル発生等は、当社事業に対する信頼性を低下させ、プロジェクト実行者及びプロジェクトサポーターの集客や応援購入に悪影響を及ぼす可能性があるほか、返金費用負担等により、当社事業の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、プロジェクトサポーターに各プロジェクトの魅力や商品の特徴等について正確に伝えるべく、当社掲載基準を策定し、虚偽記載、法令等に反する記載、公序良俗に反する記載、その他誤認を生じさせる記載等の排除に努めるよう、Makuakeに掲載される各プロジェクトにかかる情報を事前に確認、チェックする体制を構築しています。
しかしながら、これらの当社の対応にもかかわらず、不適切な記載や誤った情報が掲載され、これらの情報に基づきプロジェクトサポーターの購入が行われた場合、クレームや事後的なトラブル等が生じ、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、WEB広告、アプリ広告、クーポン配布を含む各種CRM等への先行投資及びメディア媒体等を活用したPR活動の推進によりプロジェクトサポーターの獲得に注力していますが、今後、集客にかかるコスト上昇や個人情報保護にかかるWEB及びアプリ広告の規制変更、当社事業における集客力の低下等が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社がユーザーに支持されるサービス提供を継続し、事業成長を実現していくためには、優秀な人材の確保及び育成は重要な経営課題であり、採用活動及び人材育成活動に継続的に取り組んでいます。
しかしながら、今後において、人材獲得競争の激化や人材市場の環境変化等により、当社が計画する人材を適時に確保できない場合や人材の育成が計画どおりに進捗しない場合、また、当社人員の社外流出等が生じた場合、当社の事業成長に影響が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2024年9月末現在において、監査等委員でない取締役7名、監査等委員である取締役3名、従業員165名と小規模な組織となっており、内部管理体制もこれに応じたものとしています。
今後の事業規模拡大に応じて、内部管理体制の一層の強化・充実を図っていく方針ですが、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築に支障が生じた場合、適切かつ円滑な業務運営が困難となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社事業は、主としてインターネットを通じてサービス提供をしており、システムトラブルの発生可能性を低減し、安定的なサービス提供を行うため、サーバー設備増強やセキュリティ強化等の取り組みを継続的に実施しています。
しかしながら、通信回線等の不具合、アクセスの急増、コンピューターウイルスの侵入、外部からの不正アクセス、当社における人為的なミス、停電又は地震や火災等の自然災害等によって、予期せぬシステムトラブルが発生した場合、当社サービスの中断による影響及び当社サービスへの信頼性低下や損害賠償請求等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、急速なアクセス拡大や緊急なセキュリティ強化等のシステム対応の必要が生じた場合には、追加投資等が必要となる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、応援購入サービス事業において、プロジェクト実行者及びプロジェクトサポーター等の個人情報を取得しています。提供サービスの信頼性を確保すべく、個人情報の外部への漏洩や、不適切な利用等防止のため、個人情報管理を事業運営上の最重要事項と捉えており、個人情報の取得・利用・管理・廃棄等に関して管理者を定め、システムセキュリティを強化する等、情報管理に万全を期しています。
しかし、不測の事態により、万一情報漏洩等の事故が発生した場合には、当社の社会的信用が失われ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、第三者の特許権や商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士等を通じて調査する等、その権利を侵害しないように留意するとともに、必要に応じて商標権等について知的財産権を登録することにより、当社権利の保護にも留意しています。
しかしながら、当社の認識していない第三者の知的財産権が既に成立している又は今後成立する可能性があり、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者により損害賠償請求、使用差止請求又はロイヤルティ支払要求等が発生する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、MakuakeのWEB及びアプリサービスにおける新機能開発やMakuake関連サービスのシステム開発、案件管理等を目的としたオペレーションシステムの継続的な開発を進めています。また、今後においても、当社の事業成長に必要と考えられる各種システムの強化を実施していく方針であり、当社サービス及びサイトにおける機能強化並びに利便性向上、プロジェクトとのマッチング力向上、検索性向上、トラフィック拡大等への対応強化、プロジェクト推進等にかかる業務オペレーションの効率化等にかかる開発投資を継続していく予定です。
今後におけるシステム開発投資(設備投資)は、外注事業者の活用等を含めて対応を計画していますが、当社の今後のシステム開発投資について、十分な開発人員が確保できない場合や開発コストが著しく上昇した場合、各種要因から開発プロジェクトの中断や失敗が生じた場合、開発後において想定どおりの効果を発揮できない場合等においては、償却及びその他の費用負担の増加や減損計上等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、システム開発投資の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
配当政策について
当社は、設立以来配当を行っていませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しています。また、当社は現在成長過程にあり、内部留保を確保し、事業規模の拡大や収益力の強化に向けた投資を優先的にすることが、将来における企業価値の最大化と、継続的な利益還元につながると考えています。
今後の剰余金の配当については、内部留保の確保とのバランスを考慮した上で実施していくことを基本方針としていますが、当面は内部留保を優先させる方針であり、現時点において配当実施の時期については未定です。
当社の親会社は株式会社サイバーエージェントであり、同社は本書提出日現在において東京証券取引所に上場しており、2024年9月末現在における当社発行済株式総数の50.96%(6,485,000株)を保有しています。同社グループは、2024年9月末現在、連結子会社89社(うち6組合)及び関連会社9社によって構成され、メディア事業、インターネット広告事業、ゲーム事業、投資育成事業、その他事業を運営しています。同社は当社の親会社であり、同社とは下記②のとおり直接取引が発生しています。当該取引条件の設定によっては、同社の利益が当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。
当社は、親会社グループにおいて、その他事業に区分されていますが、同社グループにおいて、当社と同様事業領域において事業を展開しているグループ企業はなく、グループ内における競合は生じていません。
しかしながら、将来において同社グループの事業戦略や当社の位置付け等に著しい変更が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、日本の製造業の新商品創出力における課題解決ニーズ、地域創生における課題解決ニーズ、ベンチャー創出における課題解決ニーズが日に日に高まっており、ソリューションになりうる我々の事業の一日も早い拡大加速が求められていると考え、上場により知名度や社会的信用度が向上し、プロジェクト実行者とプロジェクトサポーターの裾野を広げることにより、当該課題解決ニーズを果たすことができると判断し、上場を選択しています。
2024年9月期において、当社と親会社グループとの主要な取引は以下のとおりです。
「立替経費の精算」については、主にサーバー利用料等の立替にかかるものです。「データ分析ツールの運用業務」については、データ分析ツール費用の支払いです。「広告・プロモーション業務」は、Makuakeにおける応援購入金額の拡大を目的とした広告配信代行サービスの業務を委託しています。
上記取引のうち継続する取引については、適正な取引条件の確保に努めています。
2024年9月末現在
当社監査等委員でない取締役5名のうち、取締役(非常勤)である中山豪氏は、親会社である株式会社サイバーエージェントの取締役専務執行役員を兼ねています。当該兼任は、同氏が株式会社サイバーエージェントにおいて培ってきた豊富な経営経験から、当社事業に関する助言を得ることを目的として当社が招聘したものです。
当社は、自らの経営責任を負って独立した事業経営を行っていますが、当社の親会社である株式会社サイバーエージェントは2024年9月末現在における当社発行済株式総数の50.96%(6,485,000株)を保有しており、当社は同社の連結子会社となっています。
当社の経営において、親会社の承認を必要とする事項は存在していませんが、親会社は当社株主総会における取締役の任命等を通じて当社の経営判断に影響を及ぼし得る立場にあることから、議決権の行使にあたり、親会社の利益は、当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。
(7) その他
当社は、当社の監査等委員でない取締役に対して、株主との価値共有により、当社の企業価値の持続的な向上及び信用維持へのインセンティブを付与することを目的として譲渡制限付株式報酬制度を導入していますが、当該制度に基づいて新株式が発行された場合、既存の株主が有する株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。また、当社役職員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権(ストック・オプション)を付与しています。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
なお、2024年9月末現在における新株予約権による潜在株式数は66,781株(発行済株式総数12,726,700株の0.5%)であり、当社は今後もストック・オプション制度を活用していく方針です。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当事業年度(2023年10月1日~2024年9月30日)におけるわが国経済は、雇用や所得環境に対する各種政策効果もあり、個人消費の緩やかな回復が続いていました。しかしながら、円安や国際情勢による原材料価格の上昇、供給面での制約等に起因する物価上昇が続いていることが影響し、個人消費に足踏みがみられています。また、日米金利差の拡大や世界的なインフレの継続及び日銀の金融政策による金利上昇等によって経済の回復ペースが鈍化していることから中小企業にとっては厳しい状況が続いており、依然として先行きは不透明な状況となっています。なお、2024年1月の能登半島地震が経済に与える影響についても十分留意が必要です。
当社を取り巻く市場環境としては、新型コロナウイルス感染症に関する各種制限が解除されてからはじまったオフラインを中心とするリ・オープニング(経済再開)が体験への消費、中でも旅行、イベント参加、飲食等に強くみられ、この流れは当事業年度において継続していました。
このような状況のもと、当事業年度は第2四半期累計期間までリピート実行者及びリピートサポーター向けの各種施策を、第3四半期から優良な新規及びリピート実行者の獲得を中心とした各施策を展開し、プロジェクト掲載開始数の拡大よりも1プロジェクト当たりの単価の向上に注力してきました。
プロジェクト実行者向けには、良質なプロジェクトの創出を促すため、優良新規顧客の獲得及び優良リピート実行者との継続的な接点づくりを進めるとともに、目標の応援購入金額が大きいプロジェクトを中心に広告配信を通じた応援購入金額の拡大やクーポンを活用した応援購入の促進のような各種付随サービスを活用した単価向上のサポートを強化しました。また、全てのプロジェクトにおいて応援購入金額を伸ばす上で非常に重要な初日の応援購入金額を最大化するためにキュレーターサポートの精度向上に注力しました。
他方、プロジェクトサポーター向けには、当社が定める基準に基づき認定した推奨実行者に付与する独自のマークやプロジェクトサポーターによる実行者評価をプロジェクトページに表示することでプロジェクトサポーターがより安心して応援購入を楽しめる環境を強化したことに加え、いち早く応援購入したいプロジェクトの開始通知を受け取れる機能をはじめ、Makuakeサイトのトップページのリニューアルやランキング専用ページの作成、プロジェクトサポーターの動きを分析し、おすすめのプロジェクトを表示する等、応援購入体験をより豊かにする新機能のリリースを継続しています。更に、プロジェクトサポーターのニーズに合わせたクーポンの配布やメールマガジンの配信等各種CRM施策を進めることでリピート応援購入を促しました。
これらの施策により1プロジェクト当たりの単価は予想を上振れて伸びましたが、円安、物価高等の外部要因及びプロジェクト獲得体制に関する課題が続いた内部要因によりプロジェクト掲載開始数が予想より伸びず、応援購入総額は前年同期比5.8%減少の16,588,533千円となりました。また、応援購入総額に8月から適用している安心システム利用料を合算した取扱高は16,637,373千円となりました。
販管費については、広告宣伝費を中心に社内ROI基準に基づくコントロールを徹底し、不要なコストを積極的に精査すると同時に、費用対効果の向上を図ってきました。
その結果、当社の当事業年度における売上高は3,652,808千円(前年同期比4.1%減)、営業損失は62,640千円(前事業年度は営業損失489,032千円)、経常損失は60,223千円(前事業年度は経常損失482,471千円)、当期純損失は103,603千円(前事業年度は当期純損失491,076千円)となりました。
なお、当社は応援購入サービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしていません。
当事業年度末の総資産は、前事業年度末と比べ1,309,335千円減少し、6,645,875千円となりました。
流動資産は1,415,774千円減少し、5,645,513千円となりました。主たる要因は、プロジェクト預り用預金が1,162,223千円減少したことによるものです。
固定資産は108,363千円増加し、1,000,362千円となりました。主たる要因は、ソフトウエアが297,795千円増加したことによるものです。
当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ1,218,038千円減少し、1,631,356千円となりました。
流動負債は1,208,992千円減少し、1,581,841千円となりました。主たる要因は、預り金が1,190,593千円減少したことによるものです。
固定負債は9,045千円減少し、49,515千円となりました。主たる要因は、勤続インセンティブ引当金が9,600千円減少したことによるものです。
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ91,297千円減少し、5,014,519千円となりました。主たる要因は、当期純損失の計上に伴い利益剰余金が103,603千円減少したことによるものです。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は5,061,552千円となり、前期と比べ1,352,917千円の減少となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は1,094,710千円(前年同期は減少した資金339,218千円)となりました。これは主に、税引前当期純損失132,152千円、預り金の減少額1,190,593千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は276,713千円(前年同期は減少した資金582,118千円)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出383,834千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は18,506千円(前年同期は増加した資金14,008千円)となりました。これは主に、株式の発行による収入18,540千円によるものです。
生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしていません。
提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
当社は、応援購入サービス事業の単一セグメントのため、当事業年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりです。
(注) 主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しています。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しています。
(売上高・営業利益)
当事業年度における売上高及び営業利益は、プロジェクト開始初日における応援購入金額の最大化を含むプロジェクト単価の向上施策が功を奏したことやMakuakeの手数料改定や安心システム利用制度の導入による収益構造の変化が売上高の成長に寄与したものの、優良な新規及びリピート実行者獲得に関する課題により掲載開始数が伸びず、売上高は3,652,808千円(前年同期比4.1%減)となりました。
一方、広告宣伝費を中心に販管費のマネジメントを徹底したことでコスト向上の最適化が実現し、営業損失は62,640千円(前年同期は営業損失489,032千円)となりました。
(経常利益)
当事業年度における経常損失は60,223千円(前年同期は経常損失482,471千円)となりました。
(当期純利益)
当事業年度における当期純損失は103,603千円(前年同期は当期純損失491,076千円)となりました。
当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。運転資金は自己資金のほか、金融機関からの借入、新株の発行等により、最適な方法による資金調達にて対応する予定です。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、5,061,552千円となっています。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当社の経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
該当事項はありません。