独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

 

 

 

2024年12月12日

株式会社マクアケ

取締役会 御中

 

有限責任監査法人トーマツ

 

 

東京事務所

 

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

朽  木  利  宏

 

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

鈴  木     覚

 

 

 

<財務諸表監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社マクアケの2023年10月1日から2024年9月30日までの第12期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。

当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社マクアケの2024年9月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

 

「Makuake」プラットフォームにおけるシステムの有効性評価 (収益認識)

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

会社が提供するプラットフォーム「Makuake」による売上(応援購入者から受領する「安心システム利用料」を除く。以下「Makuake売上」という。)は2,905,261千円であり、損益計算書の売上高の79.5%を占める中核的な収益である。

Makuake売上において、会社は応援購入総額の一定料率をプロジェクト実行者から手数料として受領しており、プロジェクトサポーターがプロジェクト実行者へ応援購入金を提供することが決定(プロジェクト成立)した時点で売上計上を行っている。プロジェクトに対する応援購入は、不特定多数のプロジェクトサポーターにより行われることが通常であり、プロジェクトサポーターの数や応援購入口数は多くなることから、「Makuake」プラットフォームにおけるシステムで処理される取引量も多くなる。

また、「Makuake」プラットフォームにより集計されるプロジェクトごとの応援購入額は、当該システムにより自動集計され、集計結果に一定料率を乗じて会計システムに起票される。したがって、このシステムに不備や障害が発生した場合や想定どおりに処理が行われなかった場合には、その影響が財務報告に重要な影響を及ぼす可能性がある。

このため当監査法人は、「Makuake売上」の金額的重要性が高く、正確な売上を計上するためには少額かつ多数の取引量を自動集計している「Makuake」プラットフォームにおけるシステムの有効性の評価が重要であるため、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

当監査法人は、「Makuake」プラットフォームにおけるシステムの有効性の評価を検討するにあたり、IT専門家と連携し、主として以下の監査手続を実施した。

■内部統制の評価

・「Makuake」プラットフォームを含めたITシステムのプログラム変更時における責任者の承認証跡を閲覧するとともに、重要データ及びファイルへのアクセス権限付与・変更における責任者の承認やアクセス権限の定期的な点検証跡を閲覧する等により、IT全般統制の有効性を評価した。

・Makuake売上に関連する業務フロー、業務処理手順及び統制行為について、経営者に対する質問と文書の閲覧により理解した。

■応援購入額及び売上計上額の検討

・「Makuake」プラットフォームにおいて作成された応援購入額のデータと決済代行会社等からの決済データとの照合を実施し、ITシステムによる応援購入額の処理の正確性を検討した。

・応援購入総額に適用される一定料率の検証を行い、応援購入総額と一定料率を利用した再計算を実施し、売上計上額の正確性を検討した。

 

 

 

応援購入サービス事業における固定資産の評価(減損)

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

2024年9月期の財務諸表には有形及び無形固定資産が合計で803,944千円計上されている。

注記事項(重要な会計上の見積り)固定資産の減損に記載のとおり、会社は事業用資産については、管理会計上の区分を基準に、全社資産としてグルーピングを行っている。

会社は、当会計年度において営業損益が継続してマイナスであることにより、減損の兆候があると判断したが、減損損失の認識の判定において当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を上回っていたことから、減損損失を認識していない。

この判断にあたり使用された全社資産グループの将来キャッシュ・フローは、取締役会が承認した来期予算及び中期経営計画をもとに見積られており、その将来キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定は注記事項(重要な会計上の見積り)固定資産の減損に記載されている。その仮定は以下の通りであり、不確実性が高いと考えられる。

●売上高

・今後においても新商品及び新サービスにおける予約販売Eコマース市場の消費動向は堅調であり、自社のデータベースを活用した新たなサービスの提供による売上高の成長を織り込んだ事業計画に基づき将来キャッシュ・フローを見積もっている。その上で、過去実績を勘案して、経済環境の仮定等の不確実性が高いと判断した場合には保守的に評価している。

●人件費

・適切な採用活動は行いつつも人員数を大きく変動させずに売上高を成長させていき、開発部門については、Makuakeサービスの新機能の追加等のソフトウエア開発投資を織り込む見積りを採用している。

当監査法人は、上記の将来キャッシュ・フローの見積りに使用された仮定は不確実性が高く、経営者による固定資産の減損損失の認識の判定及び測定に重要な影響を及ぼすと考えられることから、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。

  当監査法人は、会社の応援購入サービス事業における固定資産の減損を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。

■内部統制の評価

・固定資産の減損兆候の有無、減損損失の認識の要否に係る判断及び減損損失の測定に関する内部統制の整備状況の理解及び評価、運用の有効性を評価した。

・予算の策定及び承認過程において、不合理な仮定が採用されることを防止又は発見するための統制の整備状況の理解及び評価を実施した。

■減損の兆候の把握及び認識の検討

・固定資産のグルーピングについて、キャッシュ・フローを生み出す最小単位としているか検討した。

・取締役会で承認された来期予算及び中期経営計画を基礎として、経営意思決定機関により承認等が行われた事業計画について、経営者への質問を行うとともに、主に以下の手続を実施し、その合理性を検討した。

●売上高

・割引前将来キャッシュ・フローの算定において会社が用いた仮定である売上成長について、経営者に質問を行うとともに、新たなサービス提供による売上高を含む過去実績からの趨勢分析等により、その合理性を検討した。

●人件費

・過去実績からの趨勢分析、ソフトウエアに係る投資計画や人員計画等との比較等によりその合理性を検討した。

・割引前キャッシュ・フローが、将来の事業計画に基づき正確に算定された結果、応援購入サービス事業の固定資産(全社資産)の帳簿価額を超えることとなることを検討した。

・将来キャッシュ・フローの見積りに一定の不確実性を織り込んだ場合の監査人による独自の見積りを行い、減損損失の認識の判定に与える影響を検討した。

 

 

その他の記載内容

その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

 

財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<内部統制監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社マクアケの2024年9月30日現在の内部統制報告書について監査を行った。

当監査法人は、株式会社マクアケが2024年9月30日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任

経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

 

内部統制監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。

監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

 

<報酬関連情報>

当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】に記載されている。

 

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以 上

 

 

(注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しています。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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