当社グループは、創業以来、生活の根幹となる食の分野において、皆様に愛される製品づくりに努めてまいりました。「消費者的視点に立った経営」を企業理念として、時代が求める優れた製品づくりを目指しております。日本の食文化の素晴らしさを尊び、その新しい価値の創造を提案の柱とすることを基本方針としております。
また、社是でもある「社会的存在価値ある企業」として当社グループが社会に貢献するためには、SDGsへの取り組みも重要なテーマと考えております。当社グループは事業活動を通じて、「大森屋にできることから始める」をコンセプトと位置づけし、社会貢献・環境・働きがいを中心にした取り組みを行っております。この取り組みを通じて「つくるひとが楽しい、食べるひとがうれしい」社会が実現し継続し続けられるように貢献してまいります。
(2)経営環境
当社グループは、日本古来の食材である海苔を主原料とした食品を中心に、ふりかけ製品やお茶漬け海苔、即席スープなどの加工食品を製造販売しております。主原料である海苔は、気候変動の影響や生産漁家の減少等から国内での収穫量は減少傾向にあり、仕入価格が収穫量等の要因によって変動するリスクが顕在化しております。当連結会計年度においては収穫量は前年より増加しましたが仕入価格も前年度より上昇しました。食品業界を取り巻く環境は、加速する少子高齢化時代を迎え、先行き非常に厳しい状況にあります。
当社グループを取り巻く市場環境は、賃上げによる消費者の購買意欲の上昇が見られるものの、商品価格の相次ぐ値上げの不安感から生活防衛意識が高まり、依然として節約志向、低価格志向が続いております。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
このような状況の中、当社グループといたしましては、安全・安心な製品の安定供給に努めるとともに、生産活動の効率化やコスト削減を強力に推し進め、新製品の開発に注力し、売上目標・利益目標の達成と経営効率の向上に向けての努力を続けてまいります。今後とも「消費者的視点にたった経営」を経営理念として、優れた価値ある製品を提供し、どのような環境の変化にも対応できる販売競争力のある強固な企業体質の確立と経営効率の向上を図ってまいります。
施策といたしましては、前年度に引き続き以下の5点を掲げております。
① 多様化、個性化する消費者の支持を得られる新製品の開発を強力に推進していくこと。
② 新販路、新しいマーケットの更なる開拓強化を推し進めていくこと。
③ 2000年に全工場・全製造品目で「ISO9002」の認証を取得、2003年に「ISO9001:2000年版」の認証を取得、2009年には「ISO9001:2008年版」の認証を取得いたしましたが、今後も更に製品の安全性、品質の安定性、顧客への安心感を高めていくこと。
④ 生産性の向上と全社的経費削減を継続して実行していくこと。
⑤ 中国をはじめとする海外マーケットを開拓すること。
以上を積極的に取り組み、強固な企業体質の確立と業績の向上に邁進してまいる所存であります。
(4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点から、自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標ととらえ、その向上を目指して経営に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるROEは、1.6%と前年同期比0.5ポイント減少し,当初の目標としておりました2.2%を下回る結果となりました。これは、価格改定と経費削減を行いましたが、原料海苔価格と資材価格が上昇したことにより、利益額が予想額を下回ったことによります。引き続きこの指標について改善されるよう取り組んでまいります。
なお、次期(2025年9月期)の連結業績見通しにつきましては、売上高17,250百万円、営業利益300百万円、経常利益290百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は180百万円を見込んでおります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載の「企業理念」に基づき、時代が求める優れた製品づくりを目指しております。また、社是でもある「社会的存在価値ある企業」としてSDGs活動を推進し、「大森屋からできることから始める」をコンセプトと位置づけし、社会貢献・環境・働きがいを中心とした取り組みを行っております。具体的には、国連WFPによるレッドカップキャンペーンに参加し、緑黄野菜ふりかけ45g、小魚ふりかけ45g、彩り野菜と鶏そぼろふりかけ45gをお買い上げいただくごとに国連WFP協会に売り上げの一部が寄付され、支援先の子どもたちに学校給食を届けるために使われています。次に、食品ロス削減への取り組みとして、商品パッケージの傷みなどで、通常の販売に適さない商品をフードバンクに寄贈して食品ロスの削減に取り組んでおります。この取り組みはフードバンクを通じてこども食堂などへの、ごはんのお供になる海苔、ふりかけ製品の支援にもつながっており、利用する多くのお子様に喜んでいただいております。
その他には、環境への配慮として、プラスチックごみ削減に取り組み、当社詰め替え用の味付けのり製品は、従来の卓上容器と比較して、プラスチックごみを約90%削減しています。
このような取り組みを通じて、当社のブランドメッセージである「つくる人が楽しい、食べる人がうれしい」製品づくり今後も継続し、つくるひとの楽しさや自信、食べるひとの健康と幸福感を当社の製品を通じて感じられるよう貢献してまいります。
当社の取締役会は上記のサステナビリティに関する考え方に基づき、経営会議、コンプライアンス委員会等において、サステナビリティに関する課題の把握と解決に向けた対策について、適宜取り組み状況の報告を受けるとともに必要に応じて対策案を承認しております。
当社は、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があるサステナビリティ関連項目について、「
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社は、人材の多様性の確保に向け、取締役および執行役員を含む経営会議及びコンプライアンス委員会、またその他の会議体において、現状の人員配置や社会的情勢等を検討し、中核人材(管理職)の育成に向けた社内啓発を行うなど、管理職の多様性確保について積極的に取り組んでおります。人材育成にかかる方針等はありませんが、育児休業、介護休業、時短勤務、在宅勤務、時差出勤などの施策や、当社の製品の生産拠点である、福岡県、兵庫県の工場では「見やすい構内ディスプレイ」「聴き取りやすい構内音響」「手すり、滑り止め」等安全、衛生面といった作業環境に配慮して、性別や年齢にかかわりなく快適に働ける環境づくりに取り組んでおります。また全社一丸となって法令に準じた「年次有給休暇取得推進」「時間外労働削減」を進めており、ワークライフバランスによって従業員のモチベーションアップと生産性向上につなげております。今後も働きやすい環境整備に努めて、一層の充実を図ってまいります。
当社は、取締役および執行役員を含む経営会議及びコンプライアンス委員会、またその他の会議体において、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク(主要原材料である原料海苔の状況など)及び機会の識別、評価及び管理について議論を行っております。
人的資本及び多様性に関する指標と目標
当社は、人的資本の指標を管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得者、労働者の男女の賃金の差異とします。管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異については、女性管理職の育成・登用を促進すること、男性労働者の育児休業取得率については、社内環境の整備に努めることで改善を図ってまいります。具体的な数値は、今後の動向を踏まえ検討してまいります。
なお、当事業年度の実績は、「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 主要原材料の仕入について
a.仕入価格変動のリスク
当社グループの主要原材料である原料海苔は、海産物であるため生産地の天候や海況により収穫量が左右され、仕入価格が変動することがあり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、不測の事態に備え、国内各地の生産地から仕入が可能な体制をとっております。
b.資金負担のリスク
原料海苔はおおよそ11月から3月にかけて収穫され、その時期に約1年分の使用量を仕入れる必要があり、その仕入資金として一時的に多額の資金が必要となります。そのため、期中において金融機関からの借入金が発生いたします。
当社では機動的かつ安定した資金調達を可能とするため、複数の金融機関と当座貸越契約を締結しております。
c.輸入制限に係るリスク
現在海苔は輸入制限品目に指定され、海外からの輸入(現在、海外の主な生産国は韓国、中国であります。)は制限されておりますが、将来的に輸入枠が拡大あるいは撤廃されることも考えられます。その場合、国内産との競合により、仕入価格・販売価格に影響を与える可能性があります。
当社では、現在、主として国内産の原料海苔を使用しておりますが、不測の事態に備え、海外からの輸入ルートも確保しております。
d.資材の高騰のリスク
原油価格及び為替の変動により、容器類、包装資材等の資材の仕入価格が変動し、当社の業績に影響を与える可能性があります。当社グループではこうしたリスクに対して、事前の価格交渉、適切な時期での価格決定によりリスクを回避する努力を行っております。
(2) 製品の安全性について
当社では、安全・安心な製品を安定的に提供することを第一と考え、ISO9001の認証を取得するなど品質管理の強化に努めており、原材料・製品の検査体制の強化にも取り組んでおります。しかし、予見不可能な原因により製品の安全性に疑義が生じ、製品回収や製造物責任賠償が生じた場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(3) 海外事業におけるリスクについて
中国をはじめとする海外での販路開拓を目的に、2013年3月に子会社「大森屋(上海)貿易有限公司」を設立いたしましたが、現地における政情不安や国際紛争の発生、法的規制や商習慣の違い等に起因する予測不能な事態が発生した場合や為替の変動により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するために、現地法人との定期的なミーティングを通じて事業運営についての意思疎通を図っております。また、世界各地の経済、政治状況を把握し、市場分析を通して経営戦略の立案を行い、営業推進・リスク対応の両観点からの管理体制の整備を図っております。
(4) 食品業界に係る法的規制などの導入・変更
当社は食品製造販売会社であり、食品表示法、食品衛生法、製造物責任法、容器包装リサイクル法など様々な法的規制の制約を受けます。当社グループといたしましては、関連諸法規の遵守に万全の体制で臨んでおりますが、これらの法律への抵触あるいは新たに当社グループの事業に関係する法律が制定された場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するために、当社グループでは、国内外の法令の遵守、公正な取引等に取り組んでおり、社内にリスク管理委員会を設け、関連法令の遵守に努めております。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて868百万円増加し、15,706百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて755百万円増加し、12,412百万円となりました。これは、棚卸資産が1,832百万円増加した一方、現金及び預金が933百万円、受取手形及び売掛金が105百万円、その他の流動資産が37百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて113百万円増加し、3,293百万円となりました。これは主に、建物及び構築物が101百万円、投資有価証券が22百万円、建設仮勘定が21百万円、無形固定資産が18百万円それぞれ増加した一方、機械装置及び運搬具が44百万円減少したことによるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて805百万円増加し、3,403百万円となりました。これは主に、短期借入金が1,184百万円、未払法人税等が40百万円それぞれ増加した一方、支払手形及び買掛金が376百万円、返金負債が54百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて47百万円減少し、644百万円となりました。これは主に、長期借入金が39百万円、退職給付に係る負債が7百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて110百万円増加し、11,658百万円となりました。これは主に、利益剰余金が104百万円、自己株式が31百万円、退職給付に係る調整累計額が19百万円、その他有価証券評価差額金が18百万円それぞれ増加したことによるものであります。
2)経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、経済活動の正常化が進み、インバウンド需要も増加し、景気は持ち直しの動きが見られるものの、原材料価格やエネルギー価格の高騰、物価上昇等、依然として不透明な状況が続きました。
食品業界におきましては外食需要の回復傾向に伴い業務用市場は回復傾向にあり、内食需要も賃上げによる消費者の購買意欲の上昇傾向は見られるものの商品価格の相次ぐ値上げによる消費者の堅実志向、節約志向もさらに強まりました。
当社グループを取り巻く市場環境としましては、主要原材料である原料海苔は前年より収穫量は増加となりましたが、仕入価格は高騰した前年よりも上昇し、電力料や燃料費、物流費および資材価格の高騰など製造コストも大幅な増加となり厳しい環境で推移いたしました。
このような状況のもと、当社では効率的な生産活動に努めてまいりましたが、原材料費、物流費、人件費をはじめとするコスト増による利益面への影響が深刻な状況となり、家庭用海苔、業務用海苔およびふりかけ等のうち一部製品の価格改定を実施いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、16,305百万円(前年同期比14.5%増)となり、営業利益は269百万円(前年同期比28.0%減)、経常利益は273百万円(前年同期比29.9%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は179百万円(前年同期比26.4%減)となり、ROE(自己資本利益率)は1.6%となりました。
なお、当社グループにおける報告セグメントは主として「食品製造販売事業」であり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
売上高を品目別に分類しますと、価格改定により、家庭用海苔につきましては、売上高は5,854百万円(前年同期比7.8%増)となりました。進物品につきましては、売上高は597百万円(前年同期2.0%増)となり、ふりかけ等につきましては、売上高は2,122百万円(前年同期比0.5%減)となりました。業務用海苔につきましては、価格改定が堅調に推移し、おにぎり等の需要も増加したことにより、売上高は7,585百万円(前年同期比26.9%増)となりました。その他につきましては、売上高は145百万円(前年同期比29.1%増)となりました。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び子会社)が判断したものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて933百万円減少し、1,087百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,703百万円(前連結会計年度は760百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益268百万円(前連結会計年度は391百万円)、減価償却費214百万円(前連結会計年度は208百万円)、売上債権の減少106百万円(前連結会計年度は195百万円の増加)があった一方、棚卸資産の増加1,838百万円(前連結会計年度は804百万円の増加)、仕入債務の減少376百万円(前連結会計年度は399百万円の増加)、法人税等の支払額31百万円(前連結会計年度は396百万円の支払)があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は263百万円(前連結会計年度は193百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入20百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出243百万円(前連結会計年度は177百万円の支出)、無形固定資産の取得による支出31百万円(前連結会計年度は7百万円の支出)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は1,037百万円(前連結会計年度は209百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金による収入6,400百万円(前連結会計年度は1,700百万円の収入)、短期借入金の返済による支出5,200百万円(前連結会計年度は1,700百万円の支出)、長期借入金の返済による支出55百万円(前連結会計年度は109百万円の支出)、配当金の支払額75百万円(前連結会計年度は100百万円の支出)によるものであります。
当連結会計年度における生産実績を単一セグメント内の品目別に示すと次のとおりであります。
(注) 上記金額は、製造原価によっております。また、上記金額には消費税等は含まれておりません。
当社グループは見込生産方式を採っておりますので、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績を単一セグメント内の品目別に示すと次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(退職給付費用及び退職給付債務)
当社グループは、退職給付費用及び債務について、割引率、昇給率等の数理計算上の前提条件に基づき算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合には、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合には、減損損失が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
1)経営成績等
a. 財政状態
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 1)財政状態」に記載のとおりであります。
b. 経営成績
当連結会計年度における売上高は16,305百万円となりました。品目別の状況につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 2)経営成績」に記載しております。
イ. 売上原価及び売上総利益
売上原価は、前連結会計年度と比較して2,116百万円増加(前連結会計年度比17.6%増)し、14,133百万円となりました。これは主に、原料海苔価格が高騰したことによります。
この結果、売上総利益は2,171百万円となりました。
ウ. 販売費及び一般管理費および営業利益
販売費及び一般管理費は1,902百万円となり、前連結会計年度と比較して54百万円増加(前連結会計年度比3.0%増)いたしました。販売費及び一般管理費の主な内訳は、給料手当576百万円、運賃440百万円、広告宣伝費95百万円であります。
この結果、営業利益は269百万円となり、前連結会計年度と比較して105百万円減少(前連結会計年度比28.0%減)いたしました。
エ. 営業外損益及び経常利益
営業外収益は前連結会計年度と比較して6百万円減少(前連結会計年度比33.1%減)し12百万円となりました。営業外費用は前連結会計年度と比較して5百万円増加し、8百万円(前連結会計年度比199.5%増)となりました。
この結果、経常利益は273百万円となり、前連結会計年度と比較して117百万円の減少(前連結会計年度比29.9%減)となりました。
オ. 特別損益及び税金等調整前当期純利益
特別利益は投資有価証券売却益を8百万円計上しました。
特別損失は減損損失を12百万円、固定資産除却損を0百万円計上しました。
この結果、税金等調整前当期純利益は268百万円となり、前連結会計年度と比較して122百万円の減少(前連結会計年度比31.3%減)となりました。
カ. 法人税等及び親会社株主に帰属する当期純損益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は、前連結会計年度と比較して57百万円減少し、88百万円(前連結会計年度比39.6%減)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して64百万円減少し、179百万円(前連結会計年度比26.4%減)となりました。
c. キャッシュ・フロー
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、指標のトレンドを示しますと以下のとおりであります。
(注)
1.各指標はいずれも以下の算式により算出しております。
自己資本比率 自己資本÷総資産
時価ベースの株主資本比率 株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ 営業キャッシュ・フロー÷利払い
2.株式時価総額は期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。
2)資本の財源および資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。
当社は、2024年9月9日開催の取締役会において、福岡工場(福岡県柳川市大和町)の敷地内に新工場を建設することを決議し、2024年9月13日付で請負契約を締結いたしました
(1)契約の理由
生産効率の向上および生産能力の強化を図るとともに、従業員がより働きやすい環境を整備することを目的とした新工場を建設することといたしました。
(2)新工場の建設概要
当社グループは、「消費者的視点に立った製品づくり」という企業理念のもとに、「消費者の健康を考えた製品」の開発を基本方針として、新製品開発に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度は、海苔製品のラインアップの充実とふりかけ製品やスープ製品のリニューアルに取り組んでまいりました。
当連結会計年度における新製品といたしましては、2024年2月には、海苔市場で売上げ拡大中の「バリバリ職人」のシリーズ品として塩が効いたごま油風味の「バリバリ職人 韓国うま塩味」を発売いたしました。
また、ノーベル製菓とのコラボレーション製品「男梅ふりかけ」に梅の風味が詰まった香り弾ける粒々梅を配合し、梅干し感をさらにアップさせ、リニューアルいたしました。
そして、オフィスやテレワークなどでホッと一息つけ、だしを楽しむことができる「だしスープ(和風)」、「だしスープ(洋風)」を大人の女性に人気のムーミンデザインのパッケージにリニューアルいたしました。
2024年8月には、海苔市場でご好評いただいている「バリバリ職人」をバリッとした食感はそのままに、おつまみやおやつ向けに長さを約2倍にした「バリバリ職人 LONG旨口しょうゆ味」、「バリバリ職人 LONGやみつき昆布味」と、たっぷりの海苔と4種類の海藻(わかめ、めかぶ、昆布、あおさ)の食感が楽しめる「バリッザクッ 海苔わかめ」を発売いたしました。
また、「男梅ふりかけ」「かねふく明太子ふりかけ」「漁師めしの素ふりかけ」「味付のりふりかけ」の4品を大森屋特製の味付海苔をたっぷり配合した「秘伝味付海苔たっぷりシリーズ」にリニューアルし、パッケージデザインを一新いたしました。
なお、当連結会計年度に支出いたしました研究開発費は、