当社は、「水まわりサービス事業」において業務提携先からの入電減少や新型コロナウイルス感染症の拡大による入電減少、新人サービススタッフ増加に伴う生産性・効率性の低下等により、前事業年度まで2期連続して、営業損失、経常損失及び当期純損失を計上しており、また、前事業年度の損失額に重要性が認められることから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しているものと認識しておりました。
当事業年度においても、「水まわりサービス事業」において前事業年度から続く新人サービススタッフ増加に伴う生産性・効率性の低下について改善途上であることに加え、行政処分を受けた影響により事業を中断し「水まわりサービス支援事業」へビジネスモデルを移行したものの入電数が大きく落ち込み、引き続き営業損失、経常損失及び当期純損失を計上しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。
財務諸表提出会社である当社は、当該状況を解消すべく、以下の対応を図ってまいります。
1.事業収支の改善
「水まわりサービス支援事業」として、当社正社員スタッフが修理等のサービスを提供することなく加盟店スタッフが通信販売形式によりサービスを提供し、当社はコールセンター業務等加盟店支援業務を行う加盟店ビジネスモデルに移行いたしました。当社は創業27年のノウハウを活かし加盟店支援業務及び加盟店従業員に対する技術・マナー支援等に注力し、加盟店営業部の設置やコンプライアンス・法務セクションを創設する等コンプライアンス体制を構築いたします。合わせて、当社の収益力を向上させるため、コールセンター業務等の効率的な運営を行い、経費の見直しや固定費の削減に努め事業収支の改善を図ってまいります。
なお、現在業務を中断しております「水まわりサービス事業」につきましても、従前の訪問販売とは異なる通信販売方式のもと、コンプライアンス体制が十分整った事が確認できた場合には再開予定であり、コールセンター業務等加盟店支援業務を行う「水まわりサービス支援事業」とともに、入電数及び工事施工件数の増加に努めてまいります。
2.資金繰りの安定化
当事業年度末において現金及び預金残高は225,978千円であり、2021年8月に金融機関からの借り入れ実行が200,000千円、2022年2月に第三者割当増資による新株の発行が70,980千円及び第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行が180,000千円あったものの前事業年度末に比べ431,122千円減少しております。このような状況の中、メインバンクを中心とした取引金融機関などに対して、資金支援の要請をしてまいります。また、自社保有資産の売却も進める予定です。
上記施策を推進し、事業収支の改善と資金繰りの安定化を図り、当該状況の解消、改善に努めてまいります。しかしながら、これらの対応策は実施途上であり、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表に反映しておりません。
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
① 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
② その他有価証券
時価のあるもの
決算期末日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は、全部純資産直入法により処理し、売却原価は、移動平均法により算定)
時価のないもの
移動平均法による原価法
(2) たな卸資産の評価基準及び評価方法
① 商品、製品、原材料
総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
② 貯蔵品
最終仕入原価法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定率法によっております。ただし、建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備については定額法によっております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
建物 8~18年
車両運搬具 2~6年
工具、器具及び備品 3~20年
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づいております。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 工事補償引当金
修理済給排水・衛生設備に係る一定期間の無償補修費用の支出に備えるため、過去の実績率に基づく補償見込額を計上しております。
4.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
消費税等の会計処理
消費税及び地方消費税の会計処理は、税抜方式によっております。
(重要な会計上の見積り)
(関係会社株式の評価)
1.当事業年度に係る財務諸表に計上した額 598,464千円
うち、EPARKくらしのレスキューにかかるもの 597,464千円
2.(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出方法
「重要な会計方針 1.資産の評価基準及び評価方法 (1)有価証券の評価基準及び評価方法 ①子会社株式及び関連会社株式」に記載のとおり。
(2)当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
関係会社株式の減損処理の要否を検討するにあたり、超過収益力を実質価額の評価に反映しているため、超過収益力の減少に基づく実質価額の著しい低下の有無の検討が株式評価の重要な要素となります。将来見込まれる超過収益力は、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)を整合的に修正し見積もっております。
3.翌事業年度の財務諸表に与える影響
業績の将来予測には主観的な判断や立証が困難な不確実性を伴う重要な会計上の見積りが含まれることになり、将来の業績が予測を下回った場合、翌事業年度において関係会社株式評価損の計上が必要となる可能性があります。
(新型コロナウイルス感染拡大の影響による会計上の見積り)
当社は、新型コロナウイルス感染症の拡大状況が現状以上に悪化せず、消費動向は徐々に回復に進みながらも、翌事業年度中は影響が残ることを仮定し、固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性に関する会計上の見積りを行っております。
(不適切な会計処理について)
当社は、外部機関による調査(資料の提出、ヒアリング)の過程において、当社が保有する投資有価証券(暗号資産転換可能社債)及び暗号資産関連の取引及び水まわりサービス支援事業における取引に関して、過年度より不正確な会計処理が行われていた可能性を指摘されたことから、当社は、本事案の実態解明を行い、当社と利害関係を有しない外部の専門家からなる特別調査委員会を設置して本事案の調査を行ってまいりました。
当社は、2024年9月18日に特別調査委員会から調査報告書を受領した結果、当社と特定の加盟店との間での水まわりサービス支援事業に関する債権債務の決済取引に関して、当社代表取締役社長の主導によって、その一部に当社代表取締役の自己資金を原資とする取引が含まれており、また、その他に当社が管理する他の加盟店の銀行口座等を通過させる取引等も含まれているという報告を受け、その経済的実態は資金移動取引であることが判明いたしました。加えて、特定の加盟店に対する水まわりサービス支援事業の売上高の取引価格の算定に誤りがあることが判明いたしました。また、これらに関連して、貸倒引当金の算定に誤りがあることが判明いたしました。さらに、当社が保有する投資有価証券(暗号資産転換可能社債)の評価及び暗号資産の処分見込価額の見積りについて、保有区分の見直し等に伴う評価方法の見直しを提言されました。
当社は、報告内容の検討の結果、過年度における決算の訂正を行うことといたしました。なお、訂正に際しては、当社内の自主点検により判明した事項及びその他重要性の観点から過年度において修正を行わなかった事項も併せて訂正を行っております。
上記訂正による、各事業年度における財務数値への影響は、下記のとおりです。
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示したものを除く)
※2 担保に供している資産及び担保に係る債務
(1) 担保に供している資産
(2) 担保に係る債務
3 当座貸借契約及びコミットメントライン契約
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しております。
事業年度末における当座貸越契約及び貸出コミットメントに係る借入未実行残高等は次のとおりであります。
なお、2022年3月に一部契約を更新しており、2022年3月末の借入未実行残高等は、当座貸越極度額200,000千円、借入実行残高―千円、差引額200,000千円であります。
※1 関係会社との取引高
※2 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度63.4%、当事業年度61.7%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度36.6%、当事業年度38.3%であります。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。
※3 特別調査費用等
前事業年度(自 2020年3月1日 至 2021年2月28日)
該当ありません。
当事業年度(自 2021年3月1日 至 2022年2月28日)
当社において、特定商取引法を中心としたコンプライアンスに関する取引状況の分析、検討をするための外部弁護士等による調査及び調査に関連する費用等を特別調査費用等として計上しております。
子会社株式及び関連会社株式は、市場価格がなく時価を把握することが極めて困難と認められるため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載しておりません。
なお、時価を把握することが極めて困難と認められる子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりです。
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
該当事項はありません。