第2 【事業の状況】

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和され、持ち直しの動きが見られました。しかしながら、感染力の強い変異株の発生等、感染の再拡大が深刻化しており、ワクチン接種も進んではいるものの依然として先行きが不透明な状況となっております。

当社グループを取り巻く経営環境につきましては、少子高齢化という人口構造の変化により、新設住宅着工戸数の減少が予測されており、既存住宅の平均築年数は上昇しております。そのため、住宅の老朽化と共に、水まわりのトラブルを含む住宅の不具合は増える傾向にあります。

このような環境のもとで、当社グループは、単なる労働集約型の水道屋ではなく「Re:ブランディング」された水道屋へなるべくサービスやマネタイズの強化に注力いたしました。従来の「水まわりサービス事業」におきましては、2021年8月に消費者庁からの行政処分を受けたことに伴い業務を中断し、当社正社員スタッフが修理等のサービスを提供することなく加盟店スタッフが通信販売形式によりサービスを提供し、当社はコールセンター業務等加盟店支援業務を行う加盟店ビジネスモデルである「水まわりサービス支援事業」に移行しております。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,588,784千円(前期比12.4%減)となりました。営業損失は225,357千円(前期は544,484千円の営業損失)、経常損失は207,969千円(前期は561,294千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は319,396千円(前期は594,732千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

各事業部門の状況は次のとおりであります。

・水まわりサービス支援事業

加盟店支援の体制強化に注力いたしました。また、現場サービススタッフ数の減少、半導体不足による水まわり商品の納品遅延の影響もあったため業績は低調に推移しました。なお、現在は仕入商品の再選定を行い納品遅延の影響は軽微となっております。

以上の結果、当事業の売上高は3,024,697千円(前期比97.1%増)、営業損失は326,062千円(前期は429,523千円の営業損失)となりました。

なお、当該事業については、2024年9月18日に受領した特別調査委員会の調査報告書における調査結果を踏まえ、売上高の修正を行っております。

・広告メディア事業

生活救急サービスを検索できるポータルサイト「EPARKくらしのレスキュー」のユニークユーザー数増加や加盟店募集に注力いたしました。なお、2022年7月に当社の連結子会社であった株式会社EPARKくらしのレスキューは、株式を譲渡したことに伴い連結の範囲から除外しております。また、当連結会計年度において、株式会社生活救急車(旧・駆けつけ事業準備株式会社)の株式を新たに取得し、現場サービススタッフ数の増員を進めております。

以上の結果、当事業の売上高は248,274千円(前期比35.1%減)、営業損失は592千円(前期は82,747千円の営業損失)となりました。

・ミネラルウォーター事業

新型コロナウイルス感染症に伴う活動制限の緩和もありホテルを納品先としたプライベートブランド商品の販売が回復しました。また、保存期間の長い備蓄用保存水需要の高まりを受け7年保存可能な保存水の販売や、SDGsへ取り組む企業からの需要の高まりからアルミ缶ミネラルウォーターの販売が好調に推移しました。
 以上の結果、当事業の売上高は1,264,528千円(前期比45.2%増)、営業利益は102,661千円(前期比89.0%増)となりました。

 

・フィットネス事業

健康志向の高まりを背景に水まわりサービス事業で培った「サービス力」を活かしてパーソナルトレーニングジムを2店舗運営しております。
 以上の結果、当事業の売上高は51,283千円(前期比1.4%減)、営業損失は1,379千円(前期は3,158千円の営業損失)となりました。

 

当連結会計年度末における資産の額は、前連結会計年度末に比べ203,618千円減少し1,882,658千円となりました。これは主に、売掛金が293,205千円、前払費用が126,174千円、未収入金が309,883千円増加したものの、現金及び預金が421,853千円、のれんが546,262千円減少したことによるものであります。

当連結会計年度末における負債の額は、前連結会計年度末に比べ252,801千円増加し1,928,405千円となりました。これは主に、未払金が197,688千円増加したものであります。

当連結会計年度末における純資産の額は、前連結会計年度末に比べ456,419千円減少し45,747千円の債務超過となりました。これは主に、第三者割当による新株式発行により資本金が99,992千円、資本準備金が99,992千円増加したものの、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が減少したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ321,851千円減少し119,341千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローは以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は4,530千円となりました。これは主に、減価償却費を66,727千円計上、のれん償却額を45,505千円計上、投資有価証券評価損益を55,517千円計上、暗号資産評価損を67,918千円計上、未払金の増加235,468千円、預り金の増加146,604千円、その他流動負債の増加49,325千円、偶発損失引当金の増加46,563千円、棚卸資産の減少46,525千円が生じたものの、税金等調整前当期純損失を327,630千円計上、売上債権の増加330,327千円、未収入金の増加86,262千円が生じたことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は318,463千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出32,180千円、投資有価証券の取得による支出100,000千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出100,000千円、長期貸付けによる支出100,000千円が生じたことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は7,917千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出186,792千円、リース債務の返済による支出81,109千円が生じたものの、株式の発行による収入199,984千円、短期借入金の増加額60,000千円が生じたことによるものであります。

 

当社グループの主な資金需要は、運転資金と設備投資等に資金を充当しております。当社グループは事業運営上の必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等により資金調達を行っております。

 

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

ロ.受注実績

当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注実績と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

金額(千円)

前年同期比(%)

水まわりサービス支援事業

3,024,697

197.1

広告メディア事業

248,274

64.9

ミネラルウォーター事業

1,264,528

145.2

フィットネス事業

51,283

98.6

合計

4,588,784

87.6

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ROY株式会社

1,516,724

28.9

2,137,443

46.6

株式会社JUNコーポレーション

541,057

11.8

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。

重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ650,427千円減少し、4,588,784千円となりました。これは主に、2021年8月に消費者庁からの行政処分による業務停止命令を受けたことによるものです。

しかしながら当該業務停止命令は2022年5月30日で満了しており当該業務停止命令解除後の業績は回復基調となっており、8月では単月で営業利益、純利益ともに黒字に転じ、9月から2月の6ケ月間の業績は前年同期に比べ改善しております。

また、2022年7月に当社の連結子会社であった株式会社EPARKくらしのレスキューは、株式を譲渡したことに伴い連結の範囲から除外しております。2022年11月に株式会社生活救急車(旧・駆けつけ事業準備株式会社)の株式を取得し新たに連結の範囲に含めております。

 

当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ392,249千円減少し、2,511,330千円となりました。

この結果、売上総利益は2,077,453千円となりました。

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ577,306千円減少し、2,302,810千円となりました。これは主に、販売手数料が155,126千円減少、支払手数料が63,873千円減少、のれん償却額が136,516千円減少、給与手当が78,424千円減少したことによるものであります。

この結果、営業損失は225,357千円となりました。

当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ25,752千円減少し、30,065千円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ8,444千円減少し、12,677千円となりました。

この結果、経常損失は207,969千円となりました。

当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ13,238千円減少し、50,339千円となりました。これは、暗号資産売却益を29,504千円、保険解約益を11,396千円計上したことによるものであります。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ32,381千円増加し、170,000千円となりました。これは、投資有価証券評価損を55,517千円、暗号資産評価損を67,918千円、偶発損失引当金繰入額を46,563千円計上したことによるものであります。

この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は319,396千円となりました。