当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
①当中間期の経営成績
当中間連結会計期間(以下「当中間期」という。)におけるわが国経済は、個人消費の一部に足踏みが残るものの持ち直しの動きが継続し、企業収益・雇用環境の改善のもと、景気は緩やかに回復しました。一方で、世界的な金融引締めや物価上昇等により、景気の先行きは不透明な状態が継続しました。
当中間期の経営成績については、前連結会計年度末に連結子会社であった株式会社ベネフィット・ワンの株式を売却したことから、当中間期の期首よりアウトソーシングセグメントを除外したことに加え、BPOソリューションで大型受託案件がピークアウトした影響から前年同期比で減収減益となりました。地方創生・観光ソリューションセグメントは、インバウンドや国内団体客の増加により売上高は前年同期を上回り、営業利益は減価償却費の減少もあり赤字幅は縮小しましたが、台風等の天候影響が生じたことなどから期初想定を下回って推移しました。
また当社は、創業からまもなく50年の節目を迎えるにあたり、Well-being産業等の新たな事業創造に向けたブランディング等、企業価値の向上に資する取り組みとして、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)にパビリオン「PASONA NATUREVERSE」を出展し、身体・心・社会的な健康を実現するWell-beingな社会、そして誰もが心豊かにイキイキと活躍する真に豊かな社会のあり方を、世界に向けて発信する予定であります。同パビリオンは、閉会後は兵庫県淡路島に移設することを予定しておりますが、閉会後の移設・使用が見込まれないもの等、臨時的に発生した費用について、当中間期において万博出展関連費用として2,571百万円を特別損失に計上いたしました。
これらの結果、当中間期の連結売上高は153,934百万円(前年同期比14.2%減)となり、売上総利益は33,894百万円(前年同期比20.2%減)となりました。販管費はアウトソーシングセグメントが除外されたことから33,850百万円(前年同期比12.1%減)と減少しましたが、成長領域への先行投資等が増加したことで販管費率が上昇し、営業利益は44百万円(前年同期比98.9%減)、経常利益は189百万円(前年同期比95.3%減)、親会社株主に帰属する中間純損失は3,762百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益145百万円)となりました。
■連結業績
※前中間期の業績からアウトソーシングセグメントを除いた場合
②事業別の状況(セグメント間取引消去前)
※当社グループの報告セグメントの区分は、前連結会計年度において「エキスパートサービス」「BPOサービス」「HRコンサルティング、教育・研修、その他」「グローバルソーシング」「キャリアソリューション」「アウトソーシング」「ライフソリューション」「地方創生ソリューション」としておりましたが、当中間期の期首より「BPOソリューション」「エキスパートソリューション」「キャリアソリューション」「グローバルソリューション」「ライフソリューション」「地方創生・観光ソリューション」に変更しております。また、前中間連結会計期間の数値は、変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。
HRソリューション 売上高 142,894百万円 営業利益 7,871百万円
〔BPOソリューション(委託・請負)〕 売上高 67,709百万円
当該事業では、顧客から煩雑な事務作業を集約し効率化する総務・庶務や、繁閑に応じた経費精算等に対応する経理・財務をはじめ、受付、営業事務・受発注、人事・労務・給与計算、教育・研修などの業務を当社が受託しBPOサービスを提供しています。加えて、フリーランスや上場企業の元役員などのプロフェッショナル人材によるコンサルティングや経営支援を行う顧問コンサルティング事業など、企業の経営課題に対する多様なBPOソリューション事業を展開しています。
当中間期においては、大型受託案件がピークアウトした影響に加え、新規受注獲得の遅れにより、大型受託案件のマイナスをカバーできず、前年同期比で減収となりました。一方で、戦略的に取り組んでいる「X-TECH BPO」の領域でクラウド導入などのグループシナジーを活かしたDX支援や、パブリックセクターでは、リスキリングや就労支援、子育て支援などの行政事務代行の受託が拡大しました。また、民間企業からは慢性的な人材不足による採用支援事業や女性管理職育成に向けた教育・研修事業が増加しており、企業のダイバーシティ経営支援も拡大しています。
これらの結果、売上高は67,709百万円(前年同期比8.9%減)となりました。
〔エキスパートソリューション(人材派遣)〕 売上高 68,176百万円
当該事業では、オフィスワークを中心に事務職から高度な専門スキルを備えた人材やエンジニア、営業・販売職、また若年層からシニアまで幅広い世代、職種の人材派遣事業を展開しています。
景気の回復を背景に人材不足が続く中、人材派遣の受注は金融やメーカー、商社などで増加し、全体数で前年同期を上回りました。また新規登録者は、エンゲージメントを高める各種イベントや施策によって前年同期より増加しています。しかしながら、全国で対応した新型コロナウイルス感染症に係る業務の減少分を埋めるには至らず、減少幅は縮小しているものの、前年同期からは減収となりました。当期は2025年大阪・関西万博が開催される関西地域を中心に営業活動を強化しており、下期以降の回復を計画しています。
これらの結果、売上高は68,176百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
〔キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)〕 売上高 7,008百万円 営業利益 2,403百万円
当該事業は、企業の中途採用活動を支援し、転職希望者とのマッチングを行う人材紹介事業と、企業の人事戦略にもとづいて転身を支援する再就職支援事業を提供しています。
人材紹介事業では、当社グループが戦略的に注力するハイキャリア領域で安定した需要が継続し、全成約数に占める割合が高まったことで紹介手数料の平均単価が上昇しました。また第1四半期連結会計期間では、転職希望者の退職慰留の増加等により成約数が前年同期と比べ減少しましたが、第2四半期連結会計期間は新メンバーの立ち上がりや社内研修等による施策により成約数が増加しました。足もとでは、女性管理職の中途採用ニーズも依然として高い状態が続いていることから、グループの実績とコーポレートブランドを活かしたサービス内容の拡充や営業体制強化を継続して行っております。
再就職支援事業では、2023年(1-12月)の企業の早期・希望退職者の募集人数は過去十数年間で最小規模でしたが、2024年(1-12月)は1万人に迫る規模と報道されており、当社においても前年同期・期初想定ともに上回る売上高となりました。また人的資本経営への意識の高まりから、従業員の自律的なキャリア形成を支援する「セーフプレースメント・トータルサービス」の利用企業数も拡大しており、カウンセリングやリスキリングサービスの引き合いも堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は7,008百万円(前年同期比2.9%増)、営業利益は2,403百万円(前年同期比13.0%増)と増収増益、また売上高及び営業利益ともに期初想定を上回るペースで推移しました。
以上の事業から構成されるセグメントの売上高は142,894百万円(前年同期比5.4%減)となりました。利益面では、BPOソリューション・エキスパートソリューションセグメントの第2四半期連結会計期間において、粗利率の改善及び販管費の削減が進みましたが、減収影響を埋めるまでには至らず、結果、キャリアソリューションセグメントは増益であったものの、HRソリューションセグメント全体の営業利益は7,871百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
グローバルソリューション(海外人材サービス) 売上高 5,463百万円 営業利益 131百万円
当該事業では、海外において、人材紹介、人材派遣・請負、給与計算、教育・研修などのフルラインの人材関連サービスを提供しています。
アジア地域では、台湾において半導体等の電子部品や情報通信機器などの製造業で人材需要が好調に推移したほか、インドにおいても主に人材紹介が回復基調となりました。北米地域では、人材派遣が減収となったものの、事業ポートフォリオの見直しを進めており、経理処理・給与計算などを行うBPOサービスや人事制度設計等のHRコンサルティングサービスが拡大しました。一方、費用面では、米国、台湾など多くの拠点で収益拡大を目指して社員の採用や処遇の改善を進めてきたため、販管費が増加しました。HRコンサルティングサービスはアジア地域でも需要が高まっており、対応できる人材の強化を進めております。
これらの結果、円安進行による為替影響もあり、売上高は5,463百万円(前年同期比4.4%増)、営業利益は131百万円(前年同期比2.5%減)となりました。
ライフソリューション(子育て支援、介護等) 売上高 4,160百万円 営業利益 74百万円
当該事業では、認可・認証保育所、企業内保育施設、学童保育施設の運営、児童教育などの子育て支援事業、デイサービス、訪問介護などを行う介護事業、家事代行などのライフサポート事業を行っています。
子育て支援事業では、前年同期と比べて学童クラブの運営施設数が増えたことや、保育施設の運営補助金の増加及び預かり児童数の回復などにより増収となりました。費用面では、施設数の増加に伴う人件費の増加、システム投資や品質管理強化に係る費用が発生しました。一方、購買費用の最適化、新システム導入によるペーパーレス化や郵送料削減の施策により、営業利益は改善しました。
ライフサポート事業では、新型コロナウイルス感染症に係る除菌消毒サービスや感染者療養施設への介護人材派遣が減少したほか、介護事業では運営介護施設数の減少による減収影響があったものの、子育て家庭を対象にした家事代行サービスや介護事業者向け・家族介護者向けの介護研修など、自治体からの受託事業が順調に拡大しました。
これらの結果、売上高は4,160百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は74百万円(前年同期比214.3%増)と増収増益となりました。
地方創生・観光ソリューション 売上高 3,494百万円 営業利益 △915百万円
当該事業では、地域住民や地域企業、地方自治体と協力・連携しながら、地方に新たな産業と雇用を創出する地方創生事業に取り組んでいます。
兵庫県立淡路島公園アニメパーク「ニジゲンノモリ」では、インバウンドが増加し、特に海外でも人気が高い「NARUTO」のアトラクション「NARUTO&BORUTO 忍里」やゴジラのアトラクション「ゴジラ迎撃作戦」で来場者が増加しました。また2024年7月に開始した期間限定アトラクション「モンスターハンター・ザ・フィールド inニジゲンノモリ」では、2024年11月から新たな大型モンスター雷狼竜「ジンオウガ」が実装され、全長約10mの「ジンオウガ巨大バルーン」が登場するなどし、好評につき開催期間延長が決定しました。
また、「ハローキティスマイル」や「海神人の食卓」などのレストラン等についても、旅行会社からの団体客や女性客など幅広い層の観光客が増加し、禅リトリート施設「禅坊靖寧」も数多くのメディアに取り上げられるなど、各施設の来客数も拡大しました。
これらの結果、台風等による天候不良の影響が生じたものの、売上高は3,494百万円(前年同期比6.7%増)となり、営業利益は減価償却費の減少などもあり△915百万円(前年同期は△1,282百万円)と赤字幅が縮小しています。
消去又は全社 売上高 △2,077百万円 営業利益 △7,117百万円
グループ間取引消去とグループシナジーの最大化のためのコストや新規事業のインキュベーションコスト、持株会社としての管理コストが含まれています。
当中間期においては、人件費やDXを推進するIT関連費用が前年同期から増加したほか、大阪・梅田へのオフィス移転に伴う二重家賃が一部発生しました。
これらの結果、グループ間取引消去の売上高は△2,077百万円(前年同期は△2,707百万円)、営業利益は△7,117百万円(前年同期は△6,543百万円)となりました。
■セグメント別業績
※前連結会計年度末に連結子会社であった株式会社ベネフィット・ワンの株式を売却したことから、当中間期の期首よりアウトソーシングセグメントを除外しておりますので、参考情報としてアウトソーシングを除く合計を記載しております。
資産、負債及び純資産の状況
当中間連結会計期間末の資産及び負債には、当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」が49,322百万円(前連結会計年度末54,975百万円)計上されております。
当中間連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末に比べて15,175百万円減少(5.0%減)し、285,915百万円となりました。受取手形、売掛金及び契約資産が4,080百万円増加、資金運用により有価証券が8,500百万円増加、地方創生事業等の有形固定資産が8,871百万円増加、Well-being領域等においてシナジーが見込まれるベンチャー企業への投資や資金運用等により投資その他資産が3,620百万円増加した一方で、上記の「預り金」の減少や、固定資産の取得及び借入金の返済などにより現金及び預金が40,282百万円減少したことなどによるものです。
当中間連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べて7,917百万円減少(5.4%減)し、138,495百万円となりました。上記の受託案件等により預り金が4,138百万円減少、借入金の返済により長期借入金が2,853百万円減少したことなどによるものです。
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて7,257百万円減少(4.7%減)し、147,420百万円となりました。親会社株主に帰属する中間純損失が3,762百万円、配当金の支払いが3,018百万円あったことにより利益剰余金が6,781百万円減少したことなどによるものです。
以上の結果、当中間連結会計期間末の自己資本比率は、49.4%(前連結会計年度末49.3%)となりました。なお、受託案件に係る「預り金」に伴う「現金及び預金」を控除した総資産は、236,592百万円(同246,115百万円)であり、自己資本比率は59.8%(同60.3%)となります。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比して42,104百万円減少し、94,942百万円となりました。なお、「資金」には、受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」に見合う「現金及び預金」は含まれておりません。詳細は「注記事項(中間連結キャッシュ・フロー計算書関係)」に記載のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果使用した資金は1,845百万円(前中間連結会計期間3,870百万円の減少)となりました。
資金増加の主な内訳は、減価償却費1,317百万円(同2,584百万円)、預り金等によるその他の増加3,355百万円(同999百万円の減少)等によるものです。
資金減少の主な内訳は、税金等調整前中間純損失2,355百万円(同純利益3,820百万円)、売上債権及び契約資産の増加3,993百万円(同5,496百万円の増加)等によるものです。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は31,567百万円(前中間連結会計期間8,506百万円の減少)となりました。
資金減少の主な内訳は、有価証券の取得による支出8,500百万円(前中間連結会計期間は発生なし)、地方創生事業等の有形固定資産の取得による支出10,483百万円(同5,511百万円)、投資有価証券の取得による支出3,738百万円(同166百万円)、定期預金の預入による支出7,482百万円(同7百万円の減少)等によるものです。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は8,592百万円(前中間連結会計期間8,548百万円の減少)となりました。
資金減少の主な内訳は、長期借入金の返済による支出4,518百万円(同5,395百万円)、配当金の支払3,414百万円(同4,566百万円)等によるものです。
当中間連結会計期間において、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定についての重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間において、特記すべき重要な事項はありません。
前連結会計年度末に連結子会社であった株式会社ベネフィット・ワンの株式を売却したことから、当中間連結会計期間の期首よりアウトソーシングセグメントを除外したことで、従業員数が変動したため記載しております。
2024年11月30日現在
(注) 1 従業員数は全連結会社の就業人員の合計であり、臨時従業員数は年間の平均人員を括弧内に外数で記載しております。
2 前連結会計年度末に比べ従業員数が1,248名減少しております。これは主に前連結会計年度末においてアウトソーシングを担っていた株式会社ベネフィット・ワン及び同社の子会社等を連結の範囲から除外したためであります。
当中間連結会計期間末において、建設中の主要な設備は以下のとおりであります。
(注) 1 上記金額には消費税等は含まれておりません。
2 上記の投資予定額は一部、資産計上されず費用処理される可能性のある部分を含んでおります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。