当社グループを取り巻く環境は、非常に厳しく、先行き不安による個人消費の低迷は続くと思われます。外食産業におきましても、食に対する消費者心理の悪化が懸念されることから、引き続き厳しい状況で推移するものと予測しております。さらに食への安心・安全を意識した食材の提供、あるいは外食における見せ掛けの豊かさから真の豊かさを求めるお客様のニーズをどう受け止め、どう発想し、どう展開していくかが重要であると認識しております。
①国内レストラン事業の利益体質強化
②海外事業のビジネスモデル確立
③国内事業の第2の柱となる新事業開発
④人的資産への投資を継続
⑤食堂業の産業化の推進
以上のことにより、他社との差別化を図りながら業界における確固たる地位を築きたいと考えております。
現在、以下の項目を対処すべき課題と考えております。
①店舗組織の構築ができるストアマネジャーの育成
②積極的な店舗修繕の実施で店舗環境改善
③マーチャンダイザー新設による商品政策強化
④グローバルな視野での、生産・物流・購買の再構築
⑤コミッサリー機能による店舗作業削減
⑥作業モデル、店舗レイアウトモデル、利益モデルづくり
⑦DX推進、IT投資の継続
⑧SDGsを推進(食品ロス削減、プラスチックの削減やリサイクル、省エネ)
⑨出店戦略に向けた、人財の確保、教育制度
⑩海外新拠点や新規国も含めた出店戦略
当社グループのサステナビリティに関する考え方は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。
当社グループは、持続可能な社会の実現への貢献および企業価値の向上を目的の一つとしてリスク管理規程を定め、当社取締役、執行役員などで構成するリスク管理委員会を設置しております。
当機関により定期的に中長期的な課題や方針の検討、環境変化による事業リスク、機会の共有や対策を議論しております。
当社グループでは生産、加工、配送、販売までを一貫して行い、すべての工程で品質の向上と効率化を行う事により、ロスの削減を行っております。野菜原料については産地で捨てられる野菜を削減する、計画生産による廃棄ロスの削減、工場で加工する事により店舗で使用するエネルギーロスの削減、鉄製・アルミ製の食器類や調理器具、樹脂製グラス類を回収してリサイクルする取り組みなどを行っております。
また、人材の多様性確保および人材育成に関しては、性別や年齢、社会的身分に関係なく活躍できる場を提供する事を目的に、働き方に応じた各種多様な従業員制度を導入しております。社内環境整備についても各種休業取得の支援や、各種研修制度の整備などを推進しております。
当社グループは、リスク管理規程を定めており、リスク管理委員会主導のもと、内部統制と一体化した全社的なリスク管理体制を構築、整備しております。当機関において、リスク項目の見直し及び評価等を定期的に実施しております。
サステナビリティに関する課題については様々な取り組みを実施していますが、現時点では、基本方針や具体的な目標設定には至っておりません。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた実績は以下の通りです。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、下記の文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年8月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの基幹事業であるレストラン事業については、イタリアンレストランチェーン展開を全国規模で行っております。チェーン展開にあたっては、スクラップアンドビルド戦略をとるとともに、新店舗展開も行っております。
そのために当社グループには外食産業にかかわる一般的なリスクに加えて当社固有の戦略に起因するリスクなどがあります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を充分認識しており、リスク発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
当社グループの新規出店は、賃料、商圏人口、競合店の状況等を総合的に勘案しますので、条件に合わない物件が出た場合には当初の計画を達成できなくなり、当社グループの連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの営業収入の大半を占める外食事業は、自然災害や天候異常の影響、景気の後退や戦争テロによる社会的混乱やオリンピック等の社会的イベント開催に伴う需要の縮小、競合店の出店や価格競争、消費者の嗜好や市場の変化、外食事業の売上計画の未達成や出店の遅れや採用計画未達等により、当社グループの連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、産地の分散、複数購買等により、低価格で安定的な購入に努めておりますが、世界情勢等により食材市況が大幅に変動した場合、仕入価格の上昇、食材の不足、円安等により、当社グループの連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、海外の工場や国内工場において、食材を生産し、店舗への配送を行っていますが、自然災害、食中毒や火災等によりカミッサリーが稼動不能に陥った場合は店舗への食材供給に支障をきたす恐れがあり、その場合当社グループの連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、継続的な成長を達成するために、優秀な人材の採用と教育が重要であると考えております。
当社グループとしては、積極的な店舗展開により求職者にとって魅力的な企業となるべく努力をしてまいりますが、必要な人材の確保及び育成が計画通りに進まない場合や当社グループの予想を大幅に上回るような退職者が増える場合には、事業拡大の妨げとなり、当社グループの連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、今後の人口態様の変化により適正な労働力を確保できない可能性があるほか、各種労働法令の改正等、従業員の処遇に関連した法改正が行われた場合、人件費負担が増加する可能性があるため、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、外食事業を展開するにあたり、店舗オーナーと賃貸借契約を結び保証金の差入れを行っております。オーナーの破産等による保証金の回収不能が発生した場合、当社連結業績に悪影響を与える可能性があります。また、賃貸借契約の期限前に不採算店舗等を閉鎖することがあります。その場合、店舗の固定資産除却損に加え、差入保証金・敷金の返還請求権を放棄することによる賃貸借解約損、解約違約金等が生じることがあります。
当社グループの外食事業は、食品衛生法により規制を受けております。当社グループが飲食店を営業するためには、食品衛生管理者を置き、厚生労働省の定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければなりません。なお、食中毒を起こした場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられ、当社連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの営業店舗や工場所在地を含む地域で大規模な地震や洪水、台風等の自然災害が発生した場合、被災状況によっては正常な事業活動が困難となり、当社グループの連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいて重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、世界中の最適地から食材の輸入を行っており、また、様々な国でレストランチェーンを展開しております。それぞれの国や地域で食品の安全性が問われる重大な問題が社内外において発生した場合、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、オーストラリアで生産活動を行っており、また、世界各国から食材を外貨建てで輸入しております。したがって、為替変動は購入価格に影響し、その結果当社グループの業績、財政状態及び将来の業績に影響を与えます。さらに、海外子会社の外貨建て財務諸表を日本円に換算した際、資産及び負債、収入及び費用は変動することになります。
全ての為替リスクをヘッジすることは不可能ですが、当社グループは、為替変動によるキャッシュ・フローや財政状況への実質影響を軽減するために、為替予約および通貨スワップ契約などのヘッジ契約を締結することを検討しております。当社グループが締結してきた、また、これからも締結するであろうヘッジ契約には、あらゆるヘッジ契約と同様に別のリスクが伴います。例えば、このようなヘッジ契約の利用は、為替変動によるリスクをある程度軽減する一方、為替がヘッジ契約で想定した範囲を超えた変動により、機会損失の可能性があります。また、このようなヘッジ契約を締結した取引相手の債務不履行が発生するリスクにさらされています。当社グループは、契約相手を既定の信用基準に該当する国際的な有力銀行や金融機関に限定することにより、取引相手の信用リスクにさらされるリスクを最小限に抑えるよう努めていますが、このような取引相手の債務不履行があれば、当社グループに悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業を世界各地域に拡張しておりますが、新型インフルエンザウイルス等の伝染病が世界的に大流行し、感染者の拡大により当社従業員の欠勤者増加、食材の供給停止およびエネルギー等の確保が困難になった場合は、工場の稼働や店舗営業が、縮小または停止する可能性があります。このような人的および営業活動等に大きな被害が発生した場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、従業員等の個人情報を取り扱っております。個人情報の取扱いにつきましては、適正管理に努めておりますが、予期せぬ事情によって、個人情報の漏洩や不正使用などの事態が発生した場合には、社会的信用の毀損による企業イメージの低下、損害賠償の支払い等により、当社グループの連結業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の拡大やインバウンド需要の増加等により経済活動の緩やかな持ち直しの動きが見られましたが、引き続き、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化、歴史的な円安による物価の上昇等により、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
外食産業におきましては、個人消費の拡大やインバウンド消費の拡大等により回復の基調を見せつつありますが、慢性的な人手不足、賃金上昇、資源価格の高騰、円安による食材価格やエネルギー価格の上昇の影響により、引き続き厳しい経営環境となっております。
このような状況のもと当社グループといたしましては、世界中の人々においしくて健康的なイタリアの家庭料理を店舗で便利に楽しく食べていただく事を目指し、さまざまな施策に取り組みました。2023年9月には、店舗マネジメントレベル向上のため店舗運営部組織にゾーンマネジャーを設置いたしました。お客様の利便性向上と店舗作業の改革を目的として、2024年8月にセルフレジを全店導入完了しました。QRコードと顧客の携帯端末を使った注文方式の導入については、2024年8月末現在で400店舗に導入し、2025年8月までに全店導入を予定しております。今後もこのような取り組みを進め、収益力の底上げを行ってまいります。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度の売上高は、2,245億42百万円(前期比22.5%増)、営業利益は148億63百万円(前期比105.8%増)、経常利益は155億85百万円(前期比96.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は81億49百万円(前期比58.1%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
「日本」は、店舗従業員充足率の向上や店舗組織の改善、メニュー施策やDX活用の効果などにより既存店の客数、客単価は引き続き、増加傾向にあります。しかしながら、資源価格の高騰と円安による食材価格やエネルギー価格の上昇の影響を受けており、売上高は1,464億55百万円(前期比21.6%増)、営業利益は27億37百万円(前期は14億91百万円の営業損失)となりました。
「豪州」は、当社で使用する食材の製造等を行っており、売上高は108億35百万円(前期比45.5%増)、営業利益は4億73百万円(前期比90.6%増)となりました。
「アジア」は、新規出店を継続的に進め、店舗数が増加したことなどにより、売上高は793億78百万円(前期比26.5%増)、営業利益116億19百万円(前期比37.5%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、719億49百万円(前期比40億93百万円の増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、241億24百万円(前期比33億25百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益140億28百万円、減価償却費134億71百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、88億70百万円(前期比29億63百万円の増加)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出83億95百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、148億40百万円(前期比66億76百万円の増加)となりました。これは、主に自己株式の取得による支出10億1百万円、リース債務の返済による支出72億65百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は製造原価によっております。
b 受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c 仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
d 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
下記の文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年8月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っております。実際の結果は、将来事象の結果に特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
当社グループといたしましては、世界中の人々においしくて健康的なイタリアの家庭料理を、店舗で便利に楽しく食べられるようにすることを目指しております。チェーンストアとして世界中に店舗を増やすために店舗マネジメントレベルの向上、メニュー開発などに取り組んでまいります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
特に記載すべき事項はありません。