(注)1.当社は、2024年12月25日付当社取締役会決議において、Cantor Fitzgerald Europe(以下「割当予定先」といいます。)との間で、新株予約権付社債発行プログラムの設定に係る契約(以下「新株予約権付社債発行プログラム設定契約」といいます。)を締結すること及び割当予定先に対して、新株予約権付社債発行プログラム設定契約により設定された新株予約権付社債発行プログラム(以下「本プログラム」といいます。)に基づく第三者割当によるシンバイオ製薬株式会社第4回新株予約権付社債(以下「第4回新株予約権付社債」といいます。)を発行すること(以下「第4回新株予約権付社債第三者割当」といいます。)を決議している。
また、当社は、同取締役会において、本プログラムに基づき、新株予約権付社債発行プログラム設定契約に定める条件が充足されることを条件として、第三者割当によるシンバイオ製薬株式会社第5回無担保転換社債型新株予約権付社債、シンバイオ製薬株式会社第6回無担保転換社債型新株予約権付社債及びシンバイオ製薬株式会社第7回無担保転換社債型新株予約権付社債(以下「第5回新株予約権付社債」、「第6回新株予約権付社債」及び「第7回新株予約権付社債」といい、第4回新株予約権付社債、第5回新株予約権付社債、第6回新株予約権付社債及び第7回新株予約権付社債を個別に又は総称して「本新株予約権付社債」といいます。)を発行すること(以下「第5回新株予約権付社債第三者割当」、「第6回新株予約権付社債第三者割当」及び「第7回新株予約権付社債第三者割当」といい、第4回新株予約権付社債第三者割当、第5回新株予約権付社債第三者割当、第6回新株予約権付社債第三者割当及び第7回新株予約権付社債第三者割当を個別に又は総称して「本第三者割当」といいます。)についても決議している。
さらに、当社は、2025年1月20日付当社取締役会決議において、本プログラムに基づく割当予定先に対する第5回新株予約権付社債第三者割当の発行条件について改めて決議している。
本プログラムの詳細については下記「募集又は売出しに関する特別記載事項[包括的新株予約権付社債発行プログラム]」を、第5回新株予約権付社債第三者割当以外の本第三者割当については当社が2024年12月25日付で提出した各有価証券届出書をそれぞれ参照されたい。
2.社債管理者の不設置
本社債は、会社法第702条但書及び会社法施行規則第169条の要件を充たすものであり、社債管理者は設置しない。
3.期限の利益喪失に関する特約
当社は、次のいずれかの事由が発生した場合には、本社債につき直ちに期限の利益を喪失する。
① 別記「償還の方法」欄の規定に違背したとき。
② 別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄の規定に違背したとき。
③ 当社が第5回新株予約権付社債権者と締結した契約(第5回新株予約権付社債の買取りに関する契約を含むが、これに限られない。)に重要な点において違背し、第5回新株予約権付社債権者から是正を求める通知を受領した後30日以内にその是正をしないとき。
④ 本社債以外の社債について期限の利益を喪失し、又は期限が到来してもその弁済をすることができないとき。
⑤ 社債を除く借入金債務について期限の利益を喪失し、若しくは期限が到来してもその弁済をすることができなかったとき、又は当社以外の社債若しくはその他の借入金債務に対して当社が行った保証債務について履行義務が発生したにもかかわらず、その履行をすることができないとき。但し、当該債務の合計額(邦貨換算後)が100,000,000円を超えない場合は、この限りでない。
⑥ 破産手続開始、民事再生手続開始若しくは会社更生手続開始の申立てをし、又は取締役会において解散(合併の場合を除く。)議案を株主総会に提出する旨の決議をしたとき。
⑦ 破産手続開始、民事再生手続開始若しくは会社更生手続開始の決定又は特別清算開始の命令を受けたとき。
4.第5回新株予約権付社債権者に対する通知の方法
第5回新株予約権付社債権者に対する通知は、当社の定款所定の公告の方法によりこれを行う。但し、法令に別段の定めがある場合を除き、公告に代えて各第5回新株予約権付社債権者に対し直接に書面により通知する方法によることができる。
5.社債権者集会
(1) 本社債の社債権者集会は、当社がこれを招集するものとし、開催日の少なくとも2週間前までに本社債の社債権者集会を招集する旨及び会社法第719条各号所定の事項を公告又は通知する。
(2) 本社債の社債権者集会は、第5回新株予約権付社債権者と当社との間で特段の合意が無い限り、東京都においてこれを行う。
(3) 本社債の種類(会社法第681条第1号に定める種類をいう。)の社債の総額(償還済みの額を除き、当社が有する当該社債の金額の合計額は算入しない。)の10分の1以上にあたる本社債を有する第5回新株予約権付社債権者は、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を当社に提出して、社債権者集会の招集を請求することができる。
6.元金支払事務取扱場所(元金支払場所)
シンバイオ製薬株式会社
東京都港区虎ノ門四丁目1番28号
7.取得格付
本社債について、当社の依頼により、信用格付業者から提供され、若しくは閲覧に供された信用格付又は信用格付業者から提供され、若しくは閲覧に供される予定の信用格付はない。
(注) 1.本社債に付された新株予約権の数
各本社債に付された本新株予約権の数は1個とし、合計12個の本新株予約権を発行する。
2.新株予約権の行使請求の方法
(1) 第5回新株予約権付社債権者は、本新株予約権を行使しようとする場合、行使請求期間中に行使請求受付場所に対して行使請求に必要な事項を通知するものとする。
(2) 行使請求受付場所において行使請求に要する手続を行った者は、その後これを撤回することができない。
(3) 本新株予約権の行使の効力は、行使請求受付場所に対する行使請求に必要な全部の事項の通知が行われた日に発生するものとする。
3.本新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする理由
本新株予約権は、転換社債型新株予約権付社債に付されたものであり、本社債からの分離譲渡はできず、かつ本新株予約権の行使に際して当該本新株予約権に係る本社債が出資され、本社債と本新株予約権が相互に密接に関係することを考慮し、また、本新株予約権の価値と、本社債の利率、繰上償還及び発行価額等のその他の発行条件により当社が得られる経済的価値とを勘案して、本新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととした。
4.本資金調達により資金調達をしようとする理由
(募集の目的及び理由)
当社は、抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発資金に充当することを目的に、下記「(資金調達の目的)」に記載の資金調達を行うために、様々な資金調達方法を検討いたしましたが、本第三者割当による資金調達方法を選択した理由につきましては、下記「募集又は売出しに関する特別記載事項[包括的新株予約権付社債発行プログラム]」に記載のとおりであり、本スキームが当社の資金調達ニーズに最も合致していると判断いたしました。
また、2022年6月に発行した第58回新株予約権で調達予定であった1,583百万円については、同新株予約権が未行使であるため、発行時における資金使途のうち、抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発資金1,187百万円は手元資金で充当、新規ライセンス導入やM&A等の投資資金396百万円は未充当です。今回、抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発資金の未調達分を含め資金調達いたします。なお、第5回新株予約権付社債(転換価額:171円)の発行に伴い、その払込期日である2025年2月5日以降、第58回新株予約権の行使価額は171円に調整されます。詳細は、2025年1月20日付で当社が開示しております「行使価額の調整に関するお知らせ」をご参照ください。
(資金調達の目的)
<当社の事業目的、経営戦略>
当社は、元米国アムジェン社(注1)本社副社長で、同社の日本法人であるアムジェン株式会社(現在は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受)の創業期から約12年間社長を務めた吉田文紀が、2005年3月に設立した医薬品企業です。
経営理念は「共創・共生」(共に創り、共に生きる)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行政、資本提供者を「共創・共生」の経営理念で結び、アンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs)(注2)に応えていくことにより、社会的責任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。
(注1) バイオ医薬品業界最大手。1980年、米国カリフォルニア州サウザンド・オークスにおいて、AMGen(Applied Molecular Genetics Inc.)として設立。日本においては、1993年5月にアムジェン株式会社として業務を開始しました。
(注2) アンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs)とは、未だ満たされない医療上の必要性を意味し、患者さんや医師から強く望まれているにもかかわらず有効な既存薬や治療がない状態を指します。
がん及び血液領域における希少疾病分野(注3)の研究開発の多くは、欧米を中心に、大手製薬企業よりもむしろ、多くの大学・研究所、バイオベンチャー企業により創薬研究・新薬開発が活発に行われ、海外では既に数々の有用な新薬が医療の現場に提供されています。しかし、これらの分野は開発に高度の専門性が求められることから、開発の難度も高く、また大手の製薬企業が事業効率の面、採算面で着手しにくいため日本を初めとして、世界各国において手掛けられていない空白の治療領域となっています。当社は、極めて医療上のニーズは高いものの、新薬の開発が遅れている空白の治療領域をビジネスチャンスと捉え、特に、高い専門性が求められ難度が高いために参入障壁の高いがん及び血液領域を中心とした日本初のスペシャリティ・ファーマ(注4)です。当社は、大型新薬(いわゆる売上高が1,000億円を超える「ブロックバスター」)の追求ではなく、マーケットは相対的に小規模でも医療ニーズの高い希少疾病分野を中心とした新薬開発に取り組み、これらの医薬品及び新薬候補品を数多く保有することにより、強固なパイプライン・ポートフォリオを構築し、高付加価値で高収益を達成し、持続性のある事業展開を進めることを目指しています。
当社は、このような空白の治療領域を埋めるための新薬の開発・提供を行うことを企業使命として設立されました。新薬が開発されないことで治療上の問題を抱えている患者さんに対して、短期間で開発をし、迅速に治療薬をお届けすることを最優先に考え、医療への貢献、そして医薬品業界の健全な発展に寄与することにより、企業使命の実現と企業としての持続的成長との両立の道を目指しています。
(注3) 希少疾病分野とは、患者数が少ない疾病分野のことで、この分野に対する医薬品は希少疾病用医薬品(Orphan Drug:オーファンドラッグ)と呼ばれます。厚生労働省はオーファンドラッグ制度を設定し、我が国において患者数が5万人未満の重篤な疾病であること、医療上特にその必要性が高いこと等をその指定の基準としています。当該指定を受けると、申請から承認までの期間が短縮され、再審査期間が最長10年になる等の優遇措置があります。
(注4) スペシャリティ・ファーマとは、得意分野において国際的にも一定の評価を得る研究開発力を有する新薬開発企業をいいます(2007年「新医薬品産業ビジョン」(厚生労働省)の定義による。)。
創薬系事業の特徴として、新薬の開発は長期間にわたり膨大な先行投資を強いられるものの、その研究開発の成功確率は極めて低いことが知られています。一般に、研究所において何らかの生物・生理活性(注5)が認められた化合物が新薬として承認にいたる確率は、2万分の1~2万5千分の1(出典:日本製薬工業協会「製薬産業テキストブック2020-2021」)と言われています。また、日本の薬価制度は2018年に抜本的に見直され、薬価引き下げが毎年実施されるようになったこと等もあり、承認された新薬の収益性を長期的に維持することが厳しくなっています。当社は、このような創薬系事業の難しさを踏まえた事業モデルを構築しています。
当社では、開発に係る様々なリスクと費用を軽減するとともに、開発候補品の臨床試験を迅速・確実に進め、開始から承認取得までの期間を短縮するために、主として既にヒトでPOC(Proof Of Concept)(注6)が確立され、前臨床試験データと臨床試験データがある化合物を対象としています。これらの化合物の探索は当社独自の探索ネットワークと評価ノウハウを活用して、社内の経験を有した専門スタッフによる第1次スクリーニングにより絞り込みを最初に行います。その後、科学的諮問委員会(Scientific Advisory Board:以下「SAB」といいます。)(注7)において、第一線で関連分野における治療の研究に携わる経験豊かな社外専門家の厳密な評価を受けた上で、当社において最終的な導入候補品を決定いたします。
社内外の専門家による、こうした「目利き」のプロセスを経て、当社はがん及び血液領域を中心として、製薬企業、バイオベンチャー企業等から主にヒトでPOCが確立された開発品の日本及びアジア諸国、さらには欧米を含むグローバルの開発・製造・販売権を継続的に確保することにより、持続性のある事業を展開しています。そのような、開発の成功確率が高く、事業性のある、魅力的な開発候補品を導入するためには、この「目利き」の力に加え、がん及び血液という開発の難度が高い治療領域における当社の開発力について、開発候補品の提供者であるライセンサーから高い評価を得ることも導入の成否を決める重要なポイントとなります。そのためには、①適切な治験計画の策定、②治療対象となる適切な治験患者の選定、③その領域における医学専門家と公正な関係を維持・構築できる、専門性の高い優秀な開発スタッフが必要となります。これらの総和が開発力となり、開発を着実に、かつ迅速に実行することが可能となります。抗がん剤SyB L-0501での実績として、がん及び血液分野で実績のある大手製薬企業の開発部門で経験を積んだ人材を中心に構築された当社の開発チームが、2005年のライセンス導入から2009年の承認申請までを僅か4年間という短期間で達成し、ライセンサー、パートナー企業、導入候補先企業から高い評価を得て、その後の当社の導入候補品検討数の増加及び複数パイプラインの導入に繋がりました。
なお、開発につきましては、基本的な開発戦略の中枢となる臨床試験のデザイン、海外の試験との連携、医学専門家との調整等は当社が主体となって手掛け、定型的な開発業務は、外部資源であるCRO(Contract Research Organization 受託臨床試験実施機関)(注8)へ業務委託し、製造についてはライセンス供給元又は当社が信頼する国内外の製薬企業へ業務委託を行います。
販売につきましては、2008年8月に締結した事業提携契約に基づき、エーザイ株式会社を通じて国内販売を行っていました。事業提携契約が2020年12月に満了となることから、2018年10月よりトレアキシン®(注9)の国内販売について自社による販売体制構築の準備を開始しました。具体的には、がん及び血液領域に精通した自社MR(Medical Representative)(注10)を中核とした全国営業体制の構築と流通及び物流機能の整備を推進するとともに、営業戦略・企画の策定及び市場調査を行うマーケティング体制を強化することによって、関係治療領域におけるKOL(Key Opinion Leader)(注11)との良好な関係を構築し、的確な医療ニーズの把握と市場調査を行い、各種データ及びノウハウの蓄積を図る体制を整え、2020年12月の契約満了時に予定どおり自社販売体制へ移行しました。
(注5) 生理活性とは、化学物質が生体の特定の生理的調節機能に対して作用する性質のことです。この生理活性の作用を持つ化学物質を疾病治療に応用したものが医薬品となります。
(注6) POC(Proof of Concept)とは、新薬候補物質の有効性や安全性を臨床で確認し、そのコンセプトの妥当性を検証することを意味します。
(注7) 科学的諮問委員会(SAB:Scientific Advisory Board)とは、世界中から集まる膨大な新薬候補を元に、医療ニーズの高さや収益性などリスクバランスのとれたポートフォリオを、それぞれの専門の立場から意見や提言を交え徹底的に議論した上で、パイプライン戦略を構築する、当社の重要な評価機関です。当社では、SABを年2~3回開催し、世界中から優れた実績と経験をもつ臨床医・基礎科学者の方々に、当社の創薬研究及び新薬開発のアドバイザーとして参画いただいています。
(注8) CRO(Contract Research Organization)とは、製薬企業が、自社で実施する開発業務を遅滞なく進めるために、一部の業務について委託を行う機関です。委託業務の内容としては、治験が実施計画書どおりに遂行されているかをモニタリングするモニター業務や、臨床データを管理するデータ管理業務などがあります。
(注9) トレアキシン®(開発コード:SyB L-0501、一般名:ベンダムスチン塩酸塩又はベンダムスチン塩酸塩水和物)
(注10) MR(Medical Representative)とは、自社医薬品に関する情報の専門家として医療機関を訪問し、医療関係者と面談することにより、医薬品の品質・有効性・安全性等に関する情報の提供・収集・伝達を主な業務とする医療情報担当者をいいます。
(注11) KOL(Key Opinion Leader)とは、担当領域の治療において他の医師に影響力を持つ医師のことをいいます。
当社は、上記の事業を成功させるために、主に以下の5つの事業戦略を展開しています。
(a) ポストPOC戦略による開発リスクの軽減
当社の導入候補品(注12)は、主として既にヒトでPOCが確認されていることを原則としています。したがって、臨床開発ステージが比較的後期段階にある候補品か、既に海外で上市されている製品が対象となります。これらの導入候補品は既に海外で先行して開発が行われており、新薬としてヒトでの有効性・安全性が確認されていることから、開発リスクを軽減でき、また、先行している海外の治験データを活用することにより日本を含め世界各国における開発期間を短縮するとともに開発コストを低減し、成功確率を高めることが可能となります。
(注12) 導入候補品とは、当社の開発候補品として他社より開発権等の権利取得を検討している化合物を指します。
(b) 高度な探索及び評価能力による、優れたパイプラインの構築
当社の新薬サーチエンジンは、製薬企業及びバイオベンチャー企業等との多様なネットワークによって構築され、膨大な化合物の中から、社内の専門家による厳正な評価を経て、有望な導入候補品が抽出されます。これらの導入候補品はさらに、第一線で研究に携わる経験豊かな専門家により構成されるSABに諮られ、そのアドバイスと評価を受けた上で導入候補品を決定しています。この開発品導入決定までの高度なスクリーニングプロセスは、既に海外において有効性・安全性が確認された開発品を導入するポストPOC戦略と相まって開発リスクの軽減と開発期間の短縮につながることになり、また、候補品が医療の現場において求められるものかどうかの医療ニーズの充足度に対する理解、及び上市後の収益予測の精度向上に貢献しています。
(c) ラボレス・ファブレス戦略(注13)による固定費抑制
当社は、一切の研究設備や生産設備を保有していません。研究設備・生産設備はともに固定費発生源の代表格ですが、当社はこれらを一切保有せずに、開発候補品の探索及び導入後は、開発品の開発戦略策定と実行等の付加価値の高い業務に専念し、そのほかに必要とされる定型的な開発業務は外注しています。これにより低コストの医薬品開発を実現するとともに、財務戦略の機動性を確保しています。
(注13) ラボレス・ファブレス戦略とは、ラボラトリー(laboratoryless:実験室や研究所)とファブ(fabrication facility:工場)をレス(less:持たない)することを意味し、研究設備・生産設備や人員を調達・保有するリスクを回避し、限られた経営資源を企画・開発、デザイン・マーケティングなど高付加価値分野に特化・集中する戦略です。
(d) ブルーオーシャン戦略(注14)による高い事業効率の実現
海外で標準治療薬として使用されている製品が日本では使用できない、又は海外で新薬として承認された製品が5年近くも遅れて日本で承認される、いわゆるドラッグ・ラグの問題が深刻化しており、がん患者の難民という言葉も生まれています。このドラッグ・ラグは、当社の戦略的開発領域である難治性のがん及び血液疾患領域で特に目立っています。特に抗がん剤の市場自体は大きく、また高齢化に伴い現在も拡大傾向にあるものの、抗がん剤の対象疾患は多岐にわたり、がん腫により細分化されているため、各々のがん腫でみると対象患者数が多くはない治療領域が数多く存在します。これらの領域での新薬の開発には、極めて高い専門性が求められ、開発の難度が高い半面、大手の製薬企業では採算性などの問題から開発に着手しにくいことがその理由の一つといわれています。しかし、ひとたび、そうした領域において新薬の承認を取得し上市できれば、競合が少ないため、これらの領域で適応拡大・新製品上市を着実に積み上げていくことで、高成長・高収益を実現できるものと考えています。
(注14) ブルーオーシャン戦略とは、競合との熾烈な競争により限られたパイを奪い合う市場(レッドオーシャン)を避け、市場を再定義し、競合のいない未開拓な市場(ブルーオーシャン)を創造することで、顧客に高付加価値を与えつつ利潤の最大化を目指す戦略です。
(e) アジアからグローバル展開へ
当社はこれまで日本を中心としたアジア各国を対象に事業を展開してまいりました。しかしながら、日本の医療を取り巻く環境が大きく変わっていく中、アジアに留まっていては大きな発展は望めません。そのため、グローバルな展開を視野に入れた開発候補品の探索及び評価を実施しています。2019年9月にはキメリックス・インク社(Chimerix, Inc. 本社:米国ノースカロライナ州)との間で抗ウイルス薬ブリンシドフォビルに関しての独占的グローバルライセンス契約を締結し、当社は天然痘疾患を除く全ての疾患を対象とした世界全域における開発・販売に加えて製造を含む独占的権利を取得しております。なお、2022年9月、キメリックス・インク社はエマージェント・バイオソリューションズ社(本社:米国メリーランド州)へのBCVに関する権利の譲渡手続の完了を発表しました。
抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの事業展開については、dsDNAウイルス(注15)に対するその広範な活性を有することから、国内及び海外の専門領域の有力な研究施設と共同研究を進めており、研究成果である科学的知見を基にグローバルの臨床試験を検討、実施してまいります。
(注15) dsDNAウイルス:CMV(サイトメガロウイルス)、EBV(エプスタイン・バーウイルス)等のヘルペスウイルスや、AdV(アデノウイルス)、BKV(BK ウイルス)、HPV(パピローマウイルス)及び天然痘ウイルスやエムポックスウイルス等。
<当社グループのパイプラインの進捗状況>
当社グループは現在開発中のパイプラインとして、SyB V-1901、SyB L-1701、SyB L-1702、SyB L-1101及びSyB C-1101を有しています。今後も開発候補品を継続的に導入することにより、パイプラインのより一層の拡充及びリスク・リターンのバランスのとれたパイプライン・ポートフォリオを構築してまいります。
① 抗ウイルス薬SyB V-1901(一般名:brincidofovir<ブリンシドフォビル>「BCV」)
移植後感染症領域
グローバル展開を見据えキメリックス・インク社(Chimerix Inc.、本社:米国ノースカロライナ州、以下「キメリックス社」)から導入した抗ウイルス薬BCVの注射剤及び経口剤(SyB V-1901、以下各々「IV BCV」及び「Oral BCV」)の事業展開については、二本鎖DNAウイルス(dsDNAウイルス)に対し広範な活性を有することから、国内及び海外の専門領域の有力な研究施設と共同研究を進めており、研究成果である科学的知見を基にグローバルの臨床試験を検討、実施してまいります。
IV BCVについては、造血幹細胞移植後や臓器移植後などの免疫不全状態にある患者のアデノウイルス(AdV)感染及び感染症の治療を対象に、IV BCVのグローバル開発を優先的に進めることを決定し、2021年3月に、主に小児対象(成人も含む)のアデノウイルス感染及び感染症を対象とする第Ⅱ相臨床試験を開始するため、米国食品医薬品局(FDA)に治験許可申請(Investigational New Drug(IND)Application)を行いました。本開発プログラムについては、2021年4月に、FDAからファストトラック指定を受けています。2023年5月、本試験において、IV BCVの抗アデノウイルス活性を認め、ヒトPOC(Proof of Concept)を確立しました。2023年12月には、第65回米国血液学会年次総会(The 65th American Society of Hematology (ASH) Annual Meeting and Exposition)において当試験の有効性を示すポジティブ・データが口頭発表され、その後も2024年2月の米国 2024 Tandem Meetingsや2024年4月の第50回欧州血液骨髄移植学会年次総会(50th Annual Meeting of the EBMT)、米国感染症学会週間(IDWeek2024)等の主要学会において口頭発表されました。また、本試験の結果に基づき出願したアデノウイルス感染及び感染症の治療に関するBCVの用途特許が2024年1月に日本において成立し登録されました。
造血幹細胞移植後のサイトメガロウイルス感染症患者を対象とした米国における第Ⅱ相臨床試験は、2024年5月に開始し、同年6月に第1例目の登録が行われ、現在試験が進行中です。
腎移植後のBKウイルス(BKV)感染症については、現在プロトコルの修正の検討を行っております。
ポリオーマウイルス、特にJCウイルス(JCV)は、dsDNAウイルスの中でも、その感染によって脳に重篤な疾患を引き起こすことが知られており、既存の抗ウイルス薬ではほとんど効果が見られないため、有効な治療薬の開発が待ち望まれています。2022年11月に米国ペンシルベニア州立大学医学部との間で試料提供契約(MTA:Material Transfer Agreement)を締結し、ポリオーマウイルス感染マウスモデルにおけるBCVの抗ウイルス活性を検証する非臨床試験を実施しています。また、2024年7月には、その研究成果の第一報として、新たな知見がmBio誌に公表されました。
血液腫瘍領域
BCVは高い抗ウイルス作用に加え、抗腫瘍効果も確認されており、シンガポール国立がんセンター(NCCS: National Cancer Centre Singapore)やカリフォルニア大学サンフランシスコ校脳神経外科脳腫瘍センターとの共同研究等を通じて、EBウイルス陽性リンパ腫、難治性脳腫瘍等、がん領域における新規適応症の探索も行っています。また、現在有効な治療方法が確立していない進行の早いNK/T細胞リンパ腫に対するBCVの治療効果に関するNCCSとの共同研究成果については、2022年12月、米国ニューオリンズで開催された第64回米国血液学会年次総会(The 64th American Society of Hematology (ASH) Annual Meeting)において口頭発表されました。さらに、2023年6月にはスイス・ルガーノで開催された第17回国際悪性リンパ腫会議(17th International Conference on Malignant Lymphoma: ICML)でBCVの抗腫瘍効果を予測するバイオマーカーに関する研究成果が発表、2024年4月には、B細胞リンパ腫に対するBCVの抗腫瘍効果について、米国サンディエゴで開催された、米国がん学会(AACR Annual Meeting 2024)でポスター発表、さらに2024年6月スペイン・マドリードで開催された欧州血液学会(EHA2024 Hybrid Congress)において、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)に対するBCVの抗腫瘍効果についてポスター発表されました。
2024年8月には、がん領域におけるIV BCVのFIH(First in Human)試験として、悪性リンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅰb相臨床試験を開始しました。本試験はBCVのがん領域におけるヒトPOCを確立することを目的としています。2024年12月には第66回米国血液学会年次総会でIV BCVの抗腫瘍効果と免疫チェックポイント阻害薬との併用療法の可能性についてポスター発表されました。
その他の領域
EBウイルス(EBV)の関連疾患であることが近年証明された難病の多発性硬化症(MS:Multiple Sclerosis)について、2022年8月に、米国国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)に所属する国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS:National Institute of Neurological Disorders and Stroke)との間で、共同研究試料提供契約(Collaboration Agreement for The Transfer of Human Materials)を締結しました。2023年3月には、多発性硬化症の治療におけるBCVのEBウイルスに対する効果を検証し、今後の臨床試験の実施に向けて必要とされる情報を得ることを目的として共同研究開発契約(CRADA:Cooperative Research and Development Agreement)を締結し、2023年10月にはその研究成果が、イタリア・ミラノで開催された第9回 ECTRIMS-ACTRIMS 合同学会(The 9th Joint ECTRIMS-ACTRIMS Meeting)において発表されました。また、2023年4月には、米国国立衛生研究所に所属する国立アレルギー・感染症研究所(NIAID:National Institute of Allergy and Infectious Diseases)との間でEBウイルス関連リンパ増殖性疾患に対するBCVの有効性を評価する共同研究開発契約(CRADA)を締結しました。
dsDNAウイルスの中には単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)をはじめ水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)など、脳神経組織への指向性を有するものがあり、アルツハイマー型認知症を含めた様々な脳神経領域の重篤性疾患に、それらが潜伏しているウイルスの再活性化が関与している可能性についての研究がこの数年進み、知見が増えています。2022年12月に米国タフツ大学により確立されたヒト神経幹細胞を培養した脳組織を3次元に模倣したHSV感染・再活性化モデルを用いて、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染に対するBCVの効果を検証するための委託研究契約(Sponsored Research Agreement)を締結し、共同研究を実施しています。
2022年9月、キメリックス・インク社はエマージェント・バイオソリューションズ社(本社:米国メリーランド州)へのBCVに関する権利の譲渡手続の完了を発表しましたが、当社の取得したBCVに関する、天然痘・サル痘を含むオルソポックスウイルスの疾患を除いた全ての適応症を対象とした、全世界での独占的開発・製造・販売権に対する影響はありません。
2024年3月には、当社の子会社であるシンバイオ ファーマ アイルランド(SymBio Pharma Ireland Limited、アイルランド ダブリン)の設立に伴い、エマージェント・バイオソリューションズ社から、EU(欧州連合)における免疫不全患者におけるアデノウイルス感染症とサイトメガロウイルス感染症予防に対するオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定が移管されました。
② 抗がん剤 SyB L-1701(RTD製剤)/ SyB L-1702(RI投与)(注16)(一般名:ベンダムスチン塩酸塩水和物、製品名:トレアキシン®)
東京大学や京都大学との共同研究等に積極的に取り組み、新たな開発の可能性を探索しております。
(注16) RTD製剤及びRI投与は、従来のFD製剤(凍結乾燥注射剤)とは異なり既に液化された製剤です。RTD製剤(Ready To Dilute)は調剤作業を大幅に低減し、さらに急速静注であるRI投与(Rapid Infusion)により点滴時間を従来の1時間から大幅に短縮することにより、FD製剤に比べ患者さんの負担を大幅に軽減し、さらには医療従事者に大きな付加価値を提供することが可能になります。
③ 抗がん剤SyB L-1101(注射剤) / SyB C-1101(経口剤)(一般名:リゴセルチブナトリウム)
オンコノバ・セラピューティクス社(Onconova Therapeutics, Inc.、本社:米国ペンシルベニア州、以下「オンコノバ社」)から導入したリゴセルチブ注射剤については、導入元であるオンコノバ社が、国際共同第III相臨床試験(INSPIRE試験)を実施しましたが、2020年8月に主要評価項目を達成しなかったことを発表しました。リゴセルチブとトレアキシン®に関して、東京大学との共同研究及び社会連携講座の設置などを通じて、両化合物あるいは他の既存薬との併用により新たな有用性を見出すとともに新規適応症の探索を行っております。なお、2024年4月オンコノバ社はトラウスファーマ社(Traws Pharma Inc.、本社:米国ペンシルベニア州)に社名を変更いたしました。
<当社グループの第二の創業期と今後の経営戦略>
当社は、2021年度及び2022年度において経営の重要課題であった黒字化を達成いたしましたが、2022年からは第二の創業期と位置づけ、中長期の経営目標である真のグローバル・スペシャリティファーマの実現に向けて、①ブリンシドフォビル(BCV)の開発推進によるトレアキシン®の次の製品の上市、②シンバイオファーマ・USA(SPU)の本格稼働による事業のグローバル化、③事業企画部の設置により、トランスレーショナル・リサーチ部及び開発本部と連携した製品ポートフォリオの拡充、④国内外のアカデミアとの共同研究の推進による新治療法の開発を重要な経営戦略としています。
① ブリンシドフォビルの開発推進によるトレアキシン®の次の製品の上市に向けては、下記の適応症や治療領域で治験を開始又は治験の準備等を進めています。一つは、造血幹細胞移植後を含む小児対象(成人も含みます。)のアデノウイルス(AdV)感染症を対象とする第Ⅱ相臨床試験が、米国において2021年8月には第1例目(FPI: First Patient In)の投与を開始しました。本開発プログラムについては、2021年4月に、FDAからファストトラック指定を受けています。2023年5月、本試験において、IV BCVの抗アデノウイルス活性を認め、ヒトPOC(Proof of Concept)を確立しました。
また、造血幹細胞移植後のサイトメガロウイルス感染症患者を対象とした米国における第Ⅱ相臨床試験は、2024年5月に開始し、同年6月に第1例目の登録が行われ、現在試験が進行中です。他方、EBウイルス関連疾患である難病の多発性硬化症などについても開発を視野に入れて取り組んでいます。
さらに、ブリンシドフォビルは高い抗ウイルス作用に加え、抗腫瘍効果も期待されています。シンガポール国立がんセンターやカリフォルニア大学サンフランシスコ校脳神経外科脳腫瘍センターとの共同研究等を通じて、難治性脳腫瘍、EBウイルス陽性リンパ腫等、がん領域における新規適応症の探索も行っています。
2024年8月には、がん領域におけるIV BCVのFIH(First in Human)試験として、悪性リンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅰb相臨床試験を開始しました。本試験はBCVのがん領域におけるヒトPOCを確立することを目的としています。
② シンバイオファーマ・USA(SPU)の本格稼働による事業のグローバル化に向けては、2024年11月当社の副社長執行役員兼Global CMO及び米国子会社SPUのSVPとして、Dr. Jay Feingold(ジェイ・ファインゴールド氏)が入社し、今後グローバル開発体制の整備・拡充を行い、SPUを国際臨床試験の推進役として、BCVのグローバル開発計画を進めてまいります。
③ 事業企画部の設置による製品ポートフォリオの拡充に向けては、ブリンシドフォビルのグローバル開発を進展に伴い事業化・商業化に向けたグローバルパートナリングを推進するとともに、従来からの取り組みである複数のライセンス案件の検討を進め、新規開発候補品のライセンス権利取得に向けた探索評価の実施を通じて、収益性と成長性を兼ね備えたバイオ製薬企業として中長期的な事業価値の創造を目指しています。
④ 国内外のアカデミアとの共同研究の推進による新治療法の開発においては、前述のブリンシドフォビルの共同研究に加えて、トレアキシン®に関しては、京都大学や東京大学などとの共同研究を通じて、新たな開発の可能性を探索しております。
⑤ これらの戦略を実現するために、トレアキシン®の収益で、販売費や人件費など一般管理費を賄う一方で、長期的に多額な費用が必要となる研究開発投資には、戦略的なパートナーシップの構築や長期資金の調達などの手段を適時適切に選択することが必要となりますが、直近の外部環境は新型コロナウイルスの度重なる感染拡大や世界的な物価上昇に端を発する米国始め主要各国の利上げに加えて、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う安全保障環境の激変により金融マーケットの不透明さが大きく増していること等勘案し、必要な資金調達の実施が計画どおりとならない可能性を鑑み、今般資金調達を行うことが、財務基盤を強固で安定的なものとし、経営戦略で目指す真のグローバル・スペシャリティファーマ実現の蓋然性を高め、企業価値向上に資するものと考えています。なお調達した資金は、上記に記載したとおり、抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発資金に充当いたします。前回の包括的株式発行プログラム(“STEP”)で調達した資金は予定通り2023年10月~2024年6月の抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発資金に充当しており、今回は2025年10月までの開発資金を調達いたします。
5.企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第9項に規定する場合に該当する場合にあっては、同項に規定するデリバティブ取引その他の取引として予定する取引の内容
該当事項はありません。
6.当該新株予約権付社債券等に表示された権利の行使に関する事項について割当予定先との間で締結する予定の取決めの内容
(1) 譲渡制限
割当予定先が本新株予約権付社債を譲渡する場合には当社の事前の書面による承認を要するものとします。
(2) 転換停止
当社は、割当予定先に対して、本新株予約権付社債の一部又は全部の転換を停止するよう要請することができます(以下で定義します。)。但し、転換停止は1ヶ月を超えて継続してはなりません。また、転換停止の効力発生日までに、割当予定先が特定の買受人に対して本新株予約権付社債を売却することに合意し、かつ、その旨を当社に通知している場合には、当該買受人に対して売り渡すことを合意している数量の本新株予約権付社債は、転換停止の対象となりません。転換停止を行うためには、当社は、転換停止の効力発生日の少なくとも1週間前までに、割当予定先に通知を行う必要があります。また、当社は割当予定先に対して通知することにより、いつでも転換停止を解除することができます。
(3) 優先交渉権
当社は、本新株予約権付社債の全部が転換又は償還される日までの間、当社が企図する一定の資金調達取引について割当予定先に対して通知することとします。また、当社は、かかる通知がなされた日から15営業日の間、当該資金調達取引において割当先/買取先又は資金提供者となりうる割当予定先以外の者に対し、当該資金調達取引に係る通知を行うことができません。
7.当社の株券の売買について割当予定先との間で締結する予定の取決めの内容
該当事項はありません。
8.当社の株券の貸借に関する事項について割当予定先と当社の特別利害関係者等との間で締結される予定の取決めの内容
該当事項はありません。
9.その他投資者の保護を図るために必要な事項
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1.上記の金額は、第5回新株予約権付社債に係る払込金額に加え、第4回新株予約権付社債に係る払込金額並びに第6回新株予約権付社債及び第7回新株予約権付社債の発行に伴い見込まれる払込金額の上限額を加味したものです。上記払込金額の総額に関して、割当ごとの内訳は以下のとおりとなります。なお、第6回新株予約権付社債及び第7回新株予約権付社債の発行額が減少される場合又はその発行自体が行われない場合には、上記差引手取概算額は減少します。
2.発行諸費用の概算額の内訳は、弁護士費用・届出書データ作成料、アレンジャー(キャンターフィッツジェラルド証券株式会社)に対するアレンジメントフィー、法務局登記費用、その他諸費用(司法書士費用・信用調査費用等)です。
3.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。
本第三者割当により調達される手取金の使途につきましては、次のとおりの具体的な使途を予定しております。なお、下記の資金使途に充当するまでの間、当該資金は銀行預金で保管する予定です。
(注) 上記で記載しております本第三者割当で調達される手取金については、本第三者割当における払込金額の総額の上限額2,400,000,000円から、本第三者割当に要する発行諸費用の概算額100,000,000円を差し引いた金額である2,300,000,000円として記載しております。但し、本プログラムにおいては、発行される本新株予約権付社債の全てがそれぞれの転換価額で転換されることにより交付される当社株式の総数が11,300,000株を上回る場合には、後続の第6回新株予約権付社債及び第7回新株予約権付社債の発行額が減少され、又はその発行自体が行われない設計になっています。したがって、今後、当社普通株式の株価が低迷し、本新株予約権付社債が低い水準の転換価額で発行される場合には、本プログラムによる当社の資金調達額の総額が減少する可能性があります。
調達資金の使途の詳細は以下のとおりです。
抗ウイルス薬の開発資金の内訳は、2019年9月に新規導入した注射剤ブリンシドフォビル(IV BCV)の開発資金のうち、直接経費として、主に、米国において進めている造血幹細胞移植後のアデノウイルス感染症を適応症とする開発の第Ⅲ相臨床試験に係る経費、造血幹細胞移植後サイトメガロウイルス感染症については第Ⅱ相臨床試験の実施に係る経費、2024年8月に開始したNK/T細胞リンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅰb相臨床試験実施に対する開発の支出を見込んでおります。臨床試験は米国のグローバルな医薬品開発業務受託機関に委託しております。このうち、2025年1月から2025年10月までの支出1,300百万円は本新株予約権付社債の発行により調達する資金を充当いたします。
注射剤ブリンシドフォビル(IV BCV)の開発が複数の適応症で進展することに伴う人件費、及び米国子会社SPUに本社副社長執行役員兼 Global Chief Medical Officerを新たに配置し機能強化しており、今後も開発組織強化のため間接経費としての支出を見込んでおります。このうち、2025年1月から2025年10月までの支出1,000百万円は本新株予約権付社債の発行により調達する資金を充当いたします。
資金使途及びその内訳の変更や別途の資金調達の実施、事業計画の見直しを行った場合、その都度、速やかに開示を行います。
該当事項はありません。
[包括的新株予約権付社債発行プログラム]
1.本プログラムの内容
本プログラムは、当社が割当予定先との間で2024年12月25日付で締結した新株予約権付社債発行プログラム設定契約に基づき、割当予定先に対して、最大で払込金額総額2,400,000,000円の本新株予約権付社債を、第三者割当により発行することを可能とするものです。
本プログラムに基づき発行される本新株予約権付社債の払込金額総額は最大2,400,000,000円であり、第4回新株予約権付社債第三者割当、第5回新株予約権付社債第三者割当、第6回新株予約権付社債第三者割当及び第7回新株予約権付社債第三者割当の合計4回の割当により発行されます。各回の割当については、以下の表に記載の割当決議日における当社取締役会決議によって、当該割当の発行条件を決定し、当該割当に係る有価証券届出書による届出の効力発生後に、当社と割当予定先との間で当該割当に係る総数引受契約を締結する予定です。各回の転換価額は、各割当に係る割当決議日の直前取引日において株式会社東京証券取引所が発表する当社普通株式の普通取引の終値に0.9を乗じた金額(小数第1位未満切上げ)となります。なお、本プログラムに基づき発行される各本新株予約権付社債の割当予定先による引受けは、当該各割当に関して、割当予定先及び/又はその関連会社の内部承認が得られること等が条件とされています。
但し、新株予約権付社債発行プログラム設定契約において、第5回新株予約権付社債、第6回新株予約権付社債及び第7回新株予約権付社債については、それぞれ600,000,000円を払込金額総額の上限とし、合計4回の割当により発行される本新株予約権付社債の全てがそれぞれの転換価額で転換されることにより交付される当社株式の総数が11,300,000株を上回らないように払込金額を減少させ、又は本新株予約権付社債の発行を行わない旨を定めております。これらの条件により、本プログラムによって生じる希薄化の影響を限定するとともに、当社の株価が上昇傾向にあるときは、本第三者割当による希薄化を抑制して最大2,400,000,000円の資金調達を実現して当社の資金需要を充足することができます。
なお、上記のとおり、本プログラムにおいては、発行される本新株予約権付社債の全てがそれぞれの転換価額で転換されることにより交付される当社株式の総数が11,300,000株を上回る場合には、後続の第6回新株予約権付社債及び第7回新株予約権付社債の発行額が減少され、又はその発行自体が行われない設計になっています。したがって、今後、当社普通株式の株価が低迷し、本新株予約権付社債が低い水準の転換価額で発行される場合には、本プログラムによる当社の資金調達額の総額が減少する可能性があります。
当社は、2024年12月25日及び2025年1月20日付の取締役会により、本プログラムの導入及び本第三者割当の発行条件を以下の表に記載のとおりとすることを決議しております。本第三者割当の発行条件の詳細については、別記「第1 募集要項 1 新規発行新株予約権付社債(第5回無担保転換社債型新株予約権付社債)」及び当社が2024年12月25日付で提出した各有価証券届出書をご参照ください。
2.本プログラムによる資金調達を選択した理由
本プログラムは、当社が4回に分割して割当予定先に本新株予約権付社債を割り当て、それらの転換が行われることによって当社の資本が増加する仕組みとなっております。
当社は、当社の資金需要を踏まえ、様々な資金調達のための手法について比較検討を行っていたところ、複数の証券会社及び投資家から資金調達の提案を受けました。その中で、キャンターフィッツジェラルド証券株式会社(住所:東京都港区赤坂五丁目3番1号 赤坂Bizタワー38階 日本における代表者:村田光央)(以下「キャンターフィッツジェラルド証券」といいます。)が斡旋を行った割当予定先による本プログラムの提案は、本新株予約権付社債の発行により最大24億円の資金を無担保で調達することが可能となり、本新株予約権付社債が転換することによって当社の財務基盤が強化されるため、当社のニーズに合致する最良の資金調達方法であると考えております。但し、本プログラムにおいては、発行される本新株予約権付社債の全てがそれぞれの転換価額で転換されることにより交付される当社株式の総数が11,300,000株を上回る場合には、後続の第6回新株予約権付社債及び第7回新株予約権付社債の発行額が減少され、又はその発行自体が行われない設計になっています。したがって、今後、当社普通株式の株価が低迷し、本新株予約権付社債が低い水準の転換価額で発行される場合には、本プログラムによる当社の資金調達額の総額が減少する可能性があります。
プログラム設定時点において、一連の複数回の発行条件の算式を決定しており、割当予定先は当該発行条件を踏まえて、新株予約権付社債発行プログラム設定契約の締結に至っていることを踏まえると、割当予定先及び/又はその関連会社の内部承認を得られること等が引受けの条件とはされているものの、個別の新株予約権付社債の発行を複数回行う場合と比較して、必要となる資金を相当程度高い蓋然性をもって調達することが可能となると考えられます。
本新株予約権付社債を発行する本第三者割当は、同額の資金を全て株式発行により調達する場合と異なり、即時の希薄化が回避される設計となっております。本新株予約権付社債の発行により纏まった金額の資金を短期間で調達することができる一方で、当社の株価変動に応じて段階的に株式への転換が行われることが期待されるため、大規模な希薄化が一時に生じることを回避可能であり、市場に与える影響を一定程度抑制することができると考えております。また、本プログラムに基づき発行される本新株予約権付社債の潜在株式数は原則として11,300,000株を上回らない設計になっているため、希薄化の規模自体も限定的です。さらに、新株予約権付社債を4回に分けて発行することにより、1回で同じ金額の新株予約権付社債を発行する場合に比して、希薄化による市場への影響を更に限定することができると考えられるうえ、転換価額が平準化され、転換の蓋然性も高まると考えております。なお、4回に分けて発行することに関しましては、割当予定先の要請によるものでありますが、これにより、割当予定先としては投資リスクを時間分散することができるため、新株予約権付社債を1回で割り当てる場合に比して、割当予定先のリスク許容度に応じたファイナンスの金額を最大化することが可能となると考えられます。
本新株予約権付社債の転換価額は固定されており、株価が転換価額を下回って推移した場合には原則株式への転換が行われないため、転換価額修正型の新株予約権付社債に比して市場に与える影響は限定的であると考えられます。
新株予約権付社債発行プログラム設定契約において、転換停止条項が定められており、当社は、割当予定先に対して1週間前までに通知することにより、当社の裁量により、1ヶ月を上限として本新株予約権付社債の転換を行えない任意の期間を定めること(以下「転換停止」といいます。)が可能になっています(但し、転換停止の効力発生日までに、割当予定先が特定の買受人に対して本新株予約権付社債を売却することに合意し、かつ、その旨を当社に通知している場合には、当該買受人に対して売り渡すことを合意している数量の本新株予約権付社債は、転換停止の対象となりません。)。また、転換停止を行った場合であっても、当社は、その後、当社の裁量により、本新株予約権付社債の転換の再開を許可することが可能です。したがって、当社が希望しないタイミングでの転換を一定程度制限することが可能であり、転換による株式発行による需給悪化懸念に一定の配慮をした設計となっております。なお、本新株予約権付社債の転換停止又はその再開を決定した場合には速やかに開示を行います。さらに、同契約において、割当予定先は、割当予定先が本新株予約権付社債の転換を通じて取得した当社株式について、当社の事前の書面による承諾を受けることなく市場内で売却することが原則禁止されているほか、割当予定先又はその関係会社が、投資に係る意思決定機関が日本国外にある機関投資家(以下「海外機関投資家」といいます。)であると合理的に認識している海外機関投資家に対して、市場外で売却していく意向である旨を表明しています。なお、新株予約権付社債発行プログラム設定契約において、当該海外機関投資家が割当予定先又はその関係会社を通じて取得した当社株式の市場内での売却は特段禁止されていません。
将来的に本新株予約権付社債の転換による資本増強の必要性がなくなった場合、又はより有利な条件での資金調達方法が確保できた場合等には、当社は、一定の条件に基づき、割当予定先による書面による同意を得た上で、当社の裁量により、残存する本新株予約権付社債を額面金額と同額で取得することができます。
新株予約権付社債発行プログラム設定契約では、割当予定先の選択による本新株予約権付社債の強制償還条項は定められておらず、したがって本新株予約権付社債が転換されない場合においても、当社は本新株予約権付社債の満期まで期限の利益を享受できる設計となっております。
本新株予約権付社債においては、1年目が年率3.5%、2年目が年率6.0%という、ステップアップ型の金利設計がなされております。利率については割当予定先が当社のクレジットリスクを社内で評価した結果です。当社としては1年未満の短期リスクプレミアム3.5%、1年超の長期リスクプレミアム6.0%は許容できる評価と考えました。かかる金利設計を採用することにより、当社にとっては、年率を一定にした場合に比して、初年度の金利負担を軽減することが可能となります。次年度以降は金利負担が上昇しますが、転換により金利の対象となる残存する本社債が減少していくことで、実質的な金利負担を低減できることを期待しております。また、仮に本新株予約権付社債の転換が進まない場合においても、当社の金利負担能力は事業の進捗とともに向上し、実質的な金利負担は軽減するものと考えております。
一方割当予定先にとっては、もし当社普通株式の株価が低迷し本新株予約権付社債が転換できない場合に生じる機会損失をステップアップ型の金利設計によって一定程度補填できることが期待できることから、かかる金利設計とすることで合意に至りました。
① 本プログラムにおいては合計4回の割当により最大2,400,000,000円の資金調達を実現することが可能とされていますが、新株予約権付社債発行プログラム設定契約において、発行される本新株予約権付社債の全てがそれぞれの転換価額で転換されることにより交付される当社株式の総数が11,300,000株を上回る場合には、後続の第6回新株予約権付社債及び第7回新株予約権付社債の発行額が減少され、又はその発行自体が行われない設計になっています。したがって、今後、当社普通株式の株価が低迷し、本新株予約権付社債が低い水準の転換価額で発行される場合には、本プログラムによる当社の資金調達額の総額が減少する可能性があります。
② 本新株予約権付社債は、発行時点においては会計上の負債であり資本には算入されず、一時的に負債比率が上昇します。
③ 本新株予約権付社債は、満期までに転換がなされなかった場合には償還を行う必要があり、その場合当該償還に係る資金が必要となります。
④ 第三者割当方式という当社と割当予定先のみの契約であるため、不特定多数の新投資家から資金調達を募ることによるメリットは享受できません。
即時に資金調達を実現する他の方法としては、株主割当や株式第三者割当、公募増資、金融機関からの借入が一般的ですが、株主割当については、割当先である既存株主の参加率が不明瞭であることから、十分な資金を確実に確保する方法として適当でないと判断いたしました。株式第三者割当については、一定金額を確実に調達することが可能となる一方で、同時に将来の1株当たり利益の希薄化を一度に引き起こすため、株価に対する直接的な影響が大きいと考えられます。公募増資については、将来の1株当たり利益の希薄化を一度に引き起こすうえ、調達に要する時間やコストが第三者割当と比較して大きく、さらに多数の投資家が同時に新株式を保有することによる需給の悪化により株価へ与える影響が大きいと考えられることから、現時点では合理的ではないと判断いたしました。本第三者割当による本新株予約権付社債の発行は、纏まった金額の資金を短期間で調達できるとともに、当社の事業成長に伴って株価が上昇した場合に本新株予約権付社債が徐々に株式に転換されることによる段階的な財務体質強化の実現が期待できます。金融機関からの借入れについては、当社は製薬ベンチャー企業として研究開発費用を先行投資している段階であり、借入の場合、調達資金額が全額負債となることに鑑みると、財務の健全性維持の観点から、今回の資金調達方法として適当でないと判断しました。
本新株予約権付社債の転換による株式の発行によって希薄化が生じますが、本第三者割当により調達した資金により、抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発を推進し、いち早く上市することは、当社の企業価値向上及び株主の株式価値向上に大きく貢献するものと考えられ、希薄化の影響を考慮しても、既存株主にとってメリットの方が大きいものと考えています。
以上の結果、当社グループの事業の成長と株主価値の向上を図るため、最適な資金調達手段として本第三者割当を選択いたしました。
(注) 1.割当予定先の概要欄及び提出者と割当予定先との間の関係の欄は、特記している場合を除き、本有価証券届出書の訂正届出書提出日現在におけるものです。
2.金額は便宜上、2024年12月24日現在の外国為替相場の仲値である1米ドル=157.45円(株式会社三菱UFJ銀行公示仲値)に換算の上、小数第1位を四捨五入しております。
当社は本第三者割当による資金調達において、複数の投資家候補の中から割当予定先を選定するに当たり、当社の経営方針・経営戦略、資金需要、資金調達の時期及び当社の状況を理解していただける割当予定先であるかどうかを重視し、早期に割当予定先を選定すべく模索を続けてまいりました。
割当予定先を選定に関する経緯及び理由については以下のとおりです。
当社は、従前よりキャンターフィッツジェラルド証券と、当社の事業の状況をふまえた資金調達手法に関する議論を行ってまいりました。その後、キャンターフィッツジェラルド証券より、2024年10月下旬頃に、キャンターフィッツジェラルド証券が斡旋を行ったCantor Fitzgerald Europeを割当予定先とする本新株予約権付社債発行による本第三者割当による資金調達に関する具体的な提案がありました。
本新株予約権付社債の割当予定先であるCantor Fitzgerald Europe及びキャンターフィッツジェラルド証券の属するCantor Fitzgeraldグループは、世界30カ国に約200の拠点を有する金融サービスグループであり、バイオヘルスケアを注力領域としてバイオヘルスケアに特化したプロフェッショナルチームを有し、同時に株式調査部門において多種多様なバイオヘルスケア企業を担当する専門性が高いアナリストを多数擁しています。さらに、毎年米国ニューヨークでグローバル・ヘルスケア・カンファレンスを開催していることを確認しており、バイオヘルスケア分野の高い専門性及び7,000社を超える広範な機関投資家網を背景に投資銀行業務を米国内外で提供していることの証左であると認識しております。また、Cantor Fitzgeraldグループの中核会社であるCantor Fitzgerald & Co.は、連邦準備銀行から直接米国債を引き受ける取引を行うことが可能となる特別な資格を米国政府より付与されたプライマリー・ディーラーであることから、信用リスクに対する深い知見とリスク許容力を有していることが認められます。Cantor Fitzgerald Europeは、当社と締結した新株予約権付社債発行プログラム設定契約において、本新株予約権付社債の転換により交付される当社普通株式について、割当予定先又はその関係会社が海外機関投資家であると合理的に認識している者に対して市場外で売却していく意向を表明しています。当社としては、Cantor Fitzgerald Europeを割当予定先として選定することで、グローバル市場における当社のプレゼンス向上が期待され、今後株主価値向上のために投資家層の多様性拡大を目指す上でメリットがあると考えております。
その上で、割当予定先との面談の過程で設計されたスキームや諸条件等が、当社の幅広いニーズを満たすものであると判断し、協議交渉等を踏まえ、最終的に割当予定先を選定するに至りました。
なお、本新株予約権付社債に係る割当ては、日本証券業協会会員であるキャンターフィッツジェラルド証券の斡旋を受けて行われるものであり、日本証券業協会の定める「第三者割当増資等の取扱いに関する規則」の適用を受けて募集が行われるものです。
第5回新株予約権付社債に付された新株予約権の目的である株式の総数は、3,508,771株(第5回新株予約権付社債が全て当初転換価額で転換された場合における交付株式数の見込み)です。
本新株予約権付社債及び本新株予約権の行使により取得した当社普通株式について、Cantor Fitzgerald Europeの保有方針は、純投資であり、本新株予約権付社債及び本新株予約権の行使により取得する当社普通株式を原則として長期間保有する意思を有していないとの説明を受けています。Cantor Fitzgerald Europeは、当社との間で締結した新株予約権付社債発行プログラム設定契約の規定により、本新株予約権付社債を第三者に譲渡する場合は事前に当社の書面による承諾を得る必要である旨が定められています。
本新株予約権付社債の割当予定先であるCantor Fitzgerald Europeについて、当社は、Cantor Fitzgerald Europeの2023年12月31日を基準日とするErnst & Young LLPによる監査済財務書類を受領しており、2023年12月31日現在における同社の現預金及びその他の流動資産等の財産の状況を確認し、割当予定先が本新株予約権付社債の払込みに要する財産を確保しているものと判断しております。また、2025年1月20日現在においても、割当予定先が本新株予約権付社債の払込みに足りる十分な財産を保有している旨の口頭での報告をキャンターフィッツジェラルド証券を通じて受けております。
当社は、割当予定先の役員及び主要株主が、暴力団、暴力団員又はこれに準ずる者(以下「暴力団等」といいます。)である事実、暴力団等が割当予定先の経営に関与している事実、割当予定先が資金提供その他の行為を行うことを通じて暴力団等の維持、運営に協力若しくは関与している事実及び意図して暴力団等と交流を持っている事実を有していないことを第三者機関である株式会社セキュリティー&リサーチ(住所:東京都港区赤坂二丁目16番6号、代表取締役:羽田寿次)から受領した報告書にて確認しております。当該報告書においては、調査方法から調査結果に至るまでの過程についても記載してあり、当社は、当該報告書が信頼に足るものと判断しております。また、当社は、割当予定先との間で締結した新株予約権付社債発行プログラム設定契約において、割当予定先から、反社会的勢力ではなく、又は反社会的勢力と何らかの関係を有していない旨の表明を受けております。なお、当社は、当該報告・結果内容は妥当であり、割当予定先及びその関係者が反社会的勢力とは一切関係を有していないと判断し、その旨の確認書を提出しております。
本新株予約権付社債に付された新株予約権の譲渡については、新株予約権付社債発行プログラム設定契約において、本新株予約権付社債の譲渡の際に当社取締役会の承認が必要である旨が定められています。
当社は、第5回新株予約権付社債の発行条件の決定に当たっては、公正性を期すため当社及び割当予定先から独立した第三者機関である株式会社赤坂国際会計(住所:東京都港区元赤坂1丁目1番8号、代表者:山本顕三)(以下「赤坂国際」といいます。)に第5回新株予約権付社債の価値算定を依頼した上で、2025年1月17日付で第5回新株予約権付社債の評価報告書を受領いたしました。赤坂国際は、第5回新株予約権付社債の発行要項等に定められた諸条件を相対的に適切に算定結果に反映できる価格算定モデルとして、ブラック・ショールズモデルや二項モデル等の他の価格算定モデルとの比較及び検討を実施した上でモンテカルロ・シミュレーションを用いて第5回新株予約権付社債の評価を実施しています。また、赤坂国際は、第5回新株予約権付社債の発行要項等に定められた諸条件及び評価基準日(2025年1月17日)の市場環境等を考慮し、当社の株価(190円)、ボラティリティ(56.4%)、予定配当額(0円/株)、無リスク利子率(0.7%)等について一定の前提を置き、かつ、割当予定先の権利行使行動について一定の前提を仮定した上で、株式市場での売買出来高(流動性)を反映して、第5回新株予約権付社債の公正価値を算定しております。
なお、第5回新株予約権付社債の転換価額につきましては、当社の財政状態及び経営状態に鑑み、割当予定先と協議の結果、第5回新株予約権付社債の発行に係る取締役会決議日の直前取引日である2025年1月17日の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値である190円の90%に相当する金額である171円といたしました。
その上で、当社は、第5回新株予約権付社債の発行価格(各本社債の金額100円につき金100円)を赤坂国際による価値算定評価額(各本社債の金額100円につき金95.6円~金97.2円)を上回る価格で決定しております。また、本社債に本新株予約権を付すことにより当社が得ることのできる経済的利益と、本新株予約権自体の金融工学に基づく公正な価値とを比較し、本新株予約権の実質的な対価が本新株予約権の公正な価値に概ね見合っていること、及びその算定手続について著しく不合理な点が認められないこと等から、第5回新株予約権付社債の発行条件は、特に有利なものには該当せず、適正かつ妥当な価額であると判断いたしました。
なお、当社監査等委員会からは、会社法上の職責に基づいて監査を行った結果、以下の各点を確認し、第5回新株予約権付社債の発行条件が有利発行に該当しない旨の取締役の判断について、法令に違反する重大な事実は認められないという趣旨の意見を得ております。
(ⅰ)第5回新株予約権付社債の払込金額の算定に際しては、独立した第三者算定機関が、第5回新株予約権付社債の転換価額、当社株式の市場売買高及び株価、権利行使期間、株価変動性、金利等の第5回新株予約権付社債の公正価値に影響を及ぼす可能性のある事象を前提とし、かつ、新株予約権付社債の評価額の算定手法として一般的に用いられているモンテカルロ・シミュレーションを用いて公正価値を算定しており、かかる第三者算定機関による公正価値の評価額は適正かつ妥当な価額と解されること
(ⅱ)独立した第三者算定機関によって算出された第5回新株予約権付社債の評価額を踏まえて第5回新株予約権付社債の払込金額が決定されていること
上記「募集又は売出しに関する特別記載事項[包括的新株予約権付社債発行プログラム]」に記載のとおり、本プログラムに基づく本新株予約権付社債が全て転換した場合に交付される株式数は最大11,300,000株(議決権数113,000個)であり、2024年9月30日現在の当社の発行済株式総数45,915,906株(議決権数454,609個)に対して最大24.61%(議決権24.86%)の希薄化が生じます。
しかしながら、本第三者割当により調達した資金を、「第1 募集要項 3 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載の使途に充当することで、抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの開発を推進し、いち早く上市することを企図しており、その結果、当社の企業価値及び株式価値の向上に繋がるものと考えております。
また、当社普通株式の過去6ヶ月における1日当たり平均出来高は2,229,798株であることから、本新株予約権付社債が全て転換した場合に交付される株式を円滑に市場で売却できるだけの十分な流動性を有していると考えております。
以上より、本第三者割当における発行数量及び株式の希薄化の規模は、合理的であると判断いたしました。
該当事項はありません。
上記「募集又は売出しに関する特別記載事項[包括的新株予約権付社債発行プログラム]」に記載のとおり、本プログラムに基づく本新株予約権付社債が全て転換した場合に交付される株式数は最大11,300,000株(議決権数113,000個)です。これらが全て同時に発行されたと仮定した場合の第三者割当後の大株主の状況は以下のとおりです。但し、上記「募集又は売出しに関する特別記載事項[包括的新株予約権付社債発行プログラム]」に記載のとおり、本プログラムにおいて、本新株予約権付社債は最大4回に分けて発行されるものであり、それらが同時に発行されることはありません。
(注) 1.割当前の「所有株式数」及び「総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、2024年6月30日現在の株主名簿上の株式数及び単元株式数(100株)によって算出しております。
2.割当前の「総議決権数に対する所有議決権数の割合」及び「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、小数第3位を四捨五入しております。
3.「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、「割当後の所有株式数」に基づき、割当前の「総議決権数に対する所有議決権数の割合」の算出に用いた総議決権数に、本新株予約権付社債が全て転換された場合に交付される株式に係る議決権の数の最大値(113,000個)を加えた数で除して算出しております。
4.割当予定先であるCantor Fitzgerald Europeの割当後の総議決権数に対する所有議決権数は、本新株予約権付社債が全て転換された場合に取得しうる上限の数の当該株式を全て保有したと仮定した場合の数となります。本新株予約権付社債に付された新株予約権の行使により交付される当社普通株式に関する割当予定先の保有方針は、純投資であり、長期間保有する意思を表明しておりません。
なお、第5回新株予約権付社債第三者割当により発行される第5回新株予約権付社債の目的である株式の数は3,508,771株(議決権数35,087個)であり、それに基づく第三者割当後の大株主の状況は以下のとおりです。
(注) 1.割当前の「所有株式数」及び「総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、2024年6月30日現在の株主名簿上の株式数及び単元株式数(100株)によって算出しております。
2.割当前の「総議決権数に対する所有議決権数の割合」及び「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、小数第3位を四捨五入しております。
3.「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、「割当後の所有株式数」に基づき、割当前の「総議決権数に対する所有議決権数の割合」の算出に用いた総議決権数に、第5回新株予約権付社債が全て当初転換価額で転換された場合に交付される株式に係る議決権の数を加えた数で除して算出しております。
4.割当予定先であるCantor Fitzgerald Europeの割当後の総議決権数に対する所有議決権数は、第5回新株予約権付社債が全て当初転換価額で転換された場合に取得する当該株式を全て保有したと仮定した場合の数となります。本新株予約権の行使により交付される当社普通株式に関する割当予定先の保有方針は、純投資であり、長期間保有する意思を表明しておりません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
会社の概況及び事業の概況等金融商品取引法第5条第1項第2号に掲げる事項については、以下に掲げる書類を参照してください。
事業年度 第19期(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)2024年3月22日関東財務局長に提出
事業年度 第20期中(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)2024年8月2日関東財務局長に提出
1の有価証券報告書提出後、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2025年1月20日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2の規定に基づく臨時報告書を2024年3月22日に関東財務局長に提出
4 【臨時報告書】
1の有価証券報告書提出後、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2025年1月20日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書を2024年3月25日に関東財務局長に提出
訂正報告書(上記3の臨時報告書の訂正報告書)を2024年4月19日関東財務局長に提出
上記に掲げた参照書類としての有価証券報告書及び半期報告書(以下「有価証券報告書等」という。)に記載された「事業等のリスク」について、当該有価証券報告書等の提出日以後本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2025年1月20日)までの間において生じた変更その他の事由はありません。
また、当該有価証券報告書等には将来に関する事項が記載されておりますが、当該事項は本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2025年1月20日)現在において変更の必要はなく、また新たに記載すべき将来に関する事項もないと判断しております。
シンバイオ製薬株式会社 本店
(東京都港区虎ノ門四丁目1番28号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
該当事項はありません。
該当事項はありません。