第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社は、Purpose=「不動産を安心と信頼のできる財産としてグローバルに提供し、社会に貢献する」、Vision=「21世紀を代表する不動産会社を創る」を掲げております。当社グループは、東京23区、最寄駅徒歩10分圏内を中心に1都3県にて、投資用新築マンションを企画・開発し、法人等や個人投資家への販売を行い、販売後の管理業務まで行っております。今後も、立地や仕様、アフターサポートなどにこだわり、投資用不動産としての価値を高め、それらをグローバルに提供することで、社会貢献していきたいと考えております。また、21世紀を代表する不動産会社になり、顧客や取引先、株主、従業員など全てのステークホルダーへの責任を果たすため、企業の継続的な発展と企業価値の向上を図ることを基本方針としております。

(2)経営戦略等

当社グループは、主力事業である投資用新築マンションの販売セグメントと販売後の管理セグメントで構成されております。販売セグメントについては、複数の販売チャネルの中で、経営環境に応じて、注力する販売事業を変化させ、管理セグメントについては、安定的に収益を得ることができるストックビジネスとして、販売増に伴った収益拡大が見込めます。このように、様々なチャネルによりシナジー効果を発揮し、またリスク分散することで、どのような経営環境でも安定的に業容の拡大を図るポートフォリオ経営を実施しております。

さらなる発展のためには、全セグメントの底上げに加え(特にリテールセールスの収益力強化)、新規事業の推進が必要であると考えております。特に2022年5月に、株式会社グッドコムアセット投資顧問を設立し、新規事業として、REIT事業の開始に向けた準備を進めております。同事業では、当社が物件のスポンサーとなることで、当社ブランドマンション「GENOVIA」シリーズの販売を通して培った物件の仕入ネットワークを生かすと共に、仕入エリアを1都3県に拡大し、中古物件も対象とすることで、安定的な物件供給をいたします。今後は、多くの物件ポートフォリオから安定的な分配金の確保をしてまいります。また、更なる業績拡大に向け、M&Aによる事業の多角化などを積極的に推進してまいります。

さらに、サステナビリティが経営の重要課題の一つであると認識しており、幅広い事業活動を通じて様々な社会課題の解決に貢献することで、当社グループの持続的成長を図ってまいります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、毎期業績予想として開示する営業利益の達成度合いであります。当社は、年平均成長率30%~40%の増収増益により、2030年10月期には、売上高約6,000億円、営業利益約600億円の達成を目指しております。不動産の仕入状況や、積極的なM&A等により、各期における成長率の増減が考えられますが、毎期業績予想を確実に達成し、平均30%~40%の成長を見込んでおります。また、当社の仕入は、手付金のみで仕入契約を締結する専有物件を推進しておりますが、業容の拡大により販売用不動産の取得資金の借入が増加すると見込んでおります。そのため、当該借入に係る支払利息や支払手数料等の影響を受けない本業での業績を最も重視しており、その指標は営業利益となります。

 

(4)経営環境

当社グループが物件供給している東京23区を中心とした1都3県、最寄駅徒歩10分圏内の投資用新築マンションは、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響は小さく、安定的な賃料収入が得られる投資商品として、特に法人等から1棟単位での需要が拡大しております。日本国内の個人投資家においても同様に、老後の生活資金の不安等から、投資先の選別が行われる中、安定的な賃料収入が見込め、実物資産として価値のある不動産に注目が集まっております。

このように、当社グループは複数の販売チャネルがあり、経営環境に応じて主力の販売先を選択できるため、安定的に業績拡大を続けております。

仕入につきましては、価格の高止まりによる影響や競合等により厳しい状態が続いておりますが、当社の財務能力や信用力の高さを背景に物件紹介の機会等が増加し、仕入は好調に推移しております。

しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大が主要因となり、当社グループにも悪影響を及ぼす可能性があるため、引き続き注視する必要があります。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループでは、経営環境等を見極めながら、更なる事業拡大に向けて、特に以下の6点を重要課題として取り組んでおります。

 

① 仕入物件の継続的な確保

当社グループにおいては、収益性を精査しつつ、積極的な仕入を行っております。当社グループがターゲットとする1都3県、特に東京23区では、地価上昇や建築資材の高騰等により仕入物件の確保が困難になりつつあります。

当社グループは、原則、入札には参加せず、事業主、仲介業者、建設会社等から相対取引で開発用地及び物件を仕入れることを基本方針としております。また、これまでの実績を踏まえ、過去の取引先から、開発用地及び物件のリピート紹介を受けております。

今後も前述の方針に基づき、マンション用地等の情報収集を強化し、既存取引先、新規取引先から多くの情報を集め、立地や価格等の諸条件を勘案しながら、仕入物件の継続的な確保に努める方針であります。

② 販路拡大・多様化による安定的な販売の実現

自社ブランドの「GENOVIA」シリーズの間取りは、単身者向けの1Kやディンクス向けの1LDK・2LDK等が中心となっております。また、供給エリアは、1都3県であり、特に東京23区で賃貸需要の高い立地としております。日本国内の人口が減少している中、コロナ禍においても「GENOVIA」シリーズの賃貸需要は高く、今後も安定的な投資商品として需要の拡大が見込まれます。

当社グループは、「GENOVIA」シリーズの販売戸数を増加し、業績の拡大を達成するために、新たな販路を確保・拡大する必要があると考えております。具体的には、ホールセールについては、1棟販売を強化するとともに、新設子会社の株式会社グッドコムアセット投資顧問にて行うREIT事業の推進など、さらなる販路の拡大を図ってまいります。リテールセールスについては、日本全国の個人投資家へ積極的にアプローチを行うため、大阪支店の設立を足掛かりに、北海道や九州地方及び沖縄県まで販路の拡大に努めております。

また、長引くコロナ禍や世界及び日本経済全体の景況悪化、税制改正や為替変動等によって、国内及び海外投資家の不動産購入意欲が一時的に減退することも考えられます。しかしながら、当社グループの特徴としては、販売チャネルであるホールセール及びリテールセールスに加え、当社マンションの賃貸管理・建物管理、入居者の家賃債務保証事業を行うストックビジネスであるリアルエステートマネジメント及び上場・IRコンサルティングやGood Com Fund事業を含めたその他という5つの事業ポートフォリオを確立しており、これらにより、業績の拡大・安定化を図る考えであります。

さらに、当社グループは、中長期目標として、年平均成長率30%~40%、2030年10月期の決算発表までに不動産会社の時価総額ランキングの上位に入るため、現行事業の拡大やM&A等による事業の多角化にも積極的に取り組んでおります。最近では、株式会社グッドコムアセット投資顧問を設立し、REIT事業の開始に向け準備を進めており、安定的な販売チャネルの1つとするとともに、M&Aの検討も随時行っております。

③ 人材の確保と育成強化

当社グループは、定期的な研修・教育制度の充実等により、人材が成長することで、業容を拡大してまいりました。今後さらに事業の発展及び業容拡大を加速するためには、既存事業及び新規事業の全ての事業組織において、採用方針に従った優秀な人材の確保・定着及び育成が重要であると認識しております。

当社グループは、業容拡大を目指して、引き続き積極的な新卒採用及び専門職等の中途採用による人員拡大により、各事業部門を底上げし、業績拡大を図る方針であります。

④ 資金調達手段の多様化と財務体質の改善

一般的な新築マンションは、用地を仕入れ、マンションを建設しますが(これを「開発物件」といいます。)、当社グループにおいては、マンション建築事業主からマンションを1棟単位で仕入れる(これを「専有物件」といいます。)場合が主となっております。専有物件の場合、当社グループは初期段階で手付金等の自己負担のみで、用地仕入資金やその後の建築資金はマンション建築事業主が負担するため、当社グループとしては、多額の先行資金をかけずに物件の仕入ができることになります。

なお、販売物件の採算を考慮し、当初想定された販売期間を延長する場合は、資金調達が必要となります。

当社グループは、運転資金の確保を含め、資金調達手段の多様化、財務体質の改善及び財務基盤の充実を実施しておりますが、さらなる強化に努める方針であります。具体的な施策につきましては、随時機動的に検討しております。

⑤ 顧客本位のサービスの充実と収益の最大化

当社グループでは、顧客との信頼関係構築のため、顧客のニーズに応える投資プランの提案をしております。具体的には、顧客の生命保険の代替案や年金運用、相続税対策等も考慮したうえで、豊富な物件ラインナップの中から最適な資産運用プランに基づく、物件の紹介・販売に努めております。

また、顧客における賃料収入の減少リスクを低減するため、顧客と当社グループとの間で空室保証契約又はサブリース契約を締結する等、顧客本位のサービスを徹底しております。

今後も、顧客との信頼関係継続のため、社員の提案・営業能力の育成に加え、コンプライアンス意識の醸成、サービスの充実を常に図る方針であります。

⑥ サステナビリティへの積極的な取り組み

当社グループは、サステナビリティが経営の重要課題の一つであると認識しており、当社グループの事業活動を通じて、様々な社会課題に貢献することで、当社グループも持続的に成長すると考えております。

持続的な成長に向け、自社ブランドマンション「GENOVIA」の壁面・屋上緑化の推進や社内外資料のペーパーレス化、働きやすい職場環境として人事・休暇制度等の拡充、各種ガバナンスの強化等を行っております。引き続き社会課題や経営課題への取り組みをサステナビリティ委員会にて検討し、実施することで、長期的な企業価値の向上に努めてまいります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)仕入に関するリスク

① 仕入物件の立地及び価格について

当社グループでは、創業以来東京23区、最寄駅から徒歩10分圏内を中心に新築マンションの用地又は建物の仕入れに努めており、新規事業推進や事業規模拡大のため、1都3県に仕入エリアを拡大しております。

しかしながら、他社との競合や地価上昇により計画どおりの仕入が行えない場合又は仕入を行ったとしても仕入価格に見合った価格で販売できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② マンション建築事業主からの仕入リスク

一般的な新築マンションの仕入は、用地を取得し、マンションを建築しますが、当社グループではマンション建築事業主(以下「事業主」といいます。)からマンションを1棟単位で仕入れることを主としております。具体的には、自社仕様のブランドマンションとするため、当社グループとしては、初期段階で手付金等の自己負担のみで、先行的な用地取得資金やその後の建築資金を負担せずに、仕入物件の確保ができることになります。

しかしながら、事業主の都合等で当該物件の建築中の事故等予期せぬ事態が発生し、建築工期が遅延した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)不動産引渡時期等による業績の変動及び偏重リスク

当社グループのホールセール及びリテールセールスの売上計上基準は、顧客へ物件を引渡した(所有権の移転)時点で売上高を計上する引渡基準としております。

したがって、外注先との調整不足や近隣住民の反対運動や天災等の不測の事態により物件の竣工・引渡しが遅延した場合や法人等による複数棟の一括引渡の際には、特定の通期及び四半期に売上高及び利益が大きく偏重する可能性があり、当社グループの業績を判断する際には留意する必要があります。

 

(3)販売に関するリスク

① ホールセールに関するリスク

当社グループのホールセールにおいては、法人等に1部屋から1棟まで幅広い単位で販売しております。

しかしながら、経済環境や金利動向、法人等の投資方針等が著しく変化した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② リテールセールスに関するリスク

当社グループのリテールセールスにおいては、将来の年金対策や生命保険の代替商品、相続税対策として、個人投資家の方々に物件を購入いただいております。

しかしながら、経済環境の変化等により、不動産投資に対する意欲が減退した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ REIT事業に関するリスク

現在、当社子会社の株式会社グッドコムアセット投資顧問において、新たな事業としてREIT事業を立ち上げるために、国土交通省及び金融庁の許認可を取得している段階であります。

したがって、想定以上に当該取得時期が延びた場合、当該事業の収益機会を失い、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)賃貸に関するリスク

① 販売前の管理物件の空室時のリスク

当社グループは、物件の竣工後に法人等と賃貸借契約もしくは当社子会社の株式会社グッドコム及び孫会社の株式会社グッドコムナビにて入居募集を行い、顧客への引渡時点においては、入居者がいる状態で販売できるよう努めております。物件の購入を検討される方は、入居者が既にいることから、安定的に賃料収入が得られる安心感もあり、購入意欲が促進される場合があります。

したがって、不動産賃貸会社等に賃貸借契約に応じてもらえない場合や支払能力に支障が生じた場合、もしくは入居募集の効果が得られなかった場合は、販売に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 販売後の賃貸管理物件の空室時のリスク

当社グループでは、当社マンションを購入した個人投資家等との契約にて、当該マンションの空室時に家賃保証をしております。また、当社子会社の株式会社グッドコム及び孫会社の株式会社グッドコムナビにおいては、入居者募集施策を積極的に行うとともに、社宅契約を推進することで、入居者が途絶えないようにしております。

しかしながら、施策の効果が得られずに入居率が低下した場合には、空室保証費用が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 代位弁済時の信用リスク

当社子会社の株式会社ルームバンクインシュアにおいて、不動産賃貸契約時に借主の保証人となる賃貸保証業務を行っており、保証委託契約を締結した賃借人の家賃不払い等の債務不履行が発生した際に賃貸人に対して代位弁済をしております。代位弁済額を抑制するため、保証委託契約前に行う審査の実施においては、自社の審査システムに基づき審査の適性の確保に努めております。

しかしながら、経営環境や雇用環境が著しく悪化した場合には、代位弁済の増加や回収率の低下に伴う実際の貸し倒れや貸倒引当金の増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)資金繰りに関するリスク

当社グループでは、主に事業主や金融機関に対する不動産仕入資金の支払期限を物件引渡し後数ヵ月に設定しており、戸別に支払いをしておりますが、採算を考慮して借換えを行い、販売期間を延長する場合があります。これらは、財務体質の充実や堅調な不動産市況及びそれに基づく金融機関の積極的な融資姿勢も背景にあります。

しかしながら、不動産市況が悪化し、金融機関の融資姿勢が消極的になった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)有利子負債の依存と金利変動のリスク

当社グループでは、不動産仕入資金を手付金等の自己負担のみとする等、金融機関からの借入を少なくし、有利子負債依存度の低減に努めておりますが、販売期間延長等により、一定の借入が必要となると認識しており、資金調達手段の多様化を推進しております。

しかしながら、有利子負債は一定の水準で推移すると想定され、金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当連結会計年度末及び前連結会計年度末の有利子負債依存度は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

(2021年10月31日)

当連結会計年度末

(2022年10月31日)

有利子負債残高(a)

9,001

10,072

総資産額(b)

20,446

24,452

有利子負債依存度(a/b)

44.0%

41.2%

(注)有利子負債残高は、短期及び長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)、リース債務(1年内返済予定のリース債務を含む。)、社債(1年内償還予定の社債を含む。)の合計であります。

(7)在庫に関するリスク

当社グループは、マンション市況を考慮し、金融機関からの借入によりマンションの販売期間を延長する場合があります。販売期間の延長中に自然災害等の事故により、時価が取得原価を下回る等の場合は、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 2006年7月5日)が適用され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)事業の多角化に関するリスク

① 新規事業に関するリスク

当社グループは、事業拡大や収益の多様化を図るため、新規事業に積極的に取り組む方針であります。

しかしながら、新規事業に着手したものの、想定通りに進捗しない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② M&Aに関するリスク

当社グループは、今後の業容拡大等の施策として、既存事業の拡大や新規事業への参入を目的としたM&Aを選択肢の一つとしております。

M&Aの実施にあたりましては、対象企業の財務、法務、ビジネス面等について、外部専門家の助言を含めた詳細なデューデリジェンスに加え、当社グループとのシナジー効果等を考慮した将来価値の測定について十分な検討を実施することにより、各種リスクの低減に努めております。

しかしながら、当初想定したシナジー効果や事業拡大の効果が得られない場合やM&A対象会社の業績不振によりのれんにかかる減損損失が発生する等の場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)人材に関するリスク

当社グループの企業成長及び業容拡大のためには、人的資本の充実が必要であります。そのため、新卒採用や経験者の中途採用などによる人員拡大や研修による社員教育等を積極的に行い、人的資本の充実を図っております。

しかしながら、人員が十分に確保できない場合や退職者が著しく増加した場合のサービス提供力の低下、また、人員拡大が収益に貢献しない場合のコスト増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法的規制等に関するリスク

当社グループが属する不動産業界は、国土利用計画法、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法、借地借家法、建物の区分所有等に関する法律、消防法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、マンションの管理の適正化の推進に関する法律及び賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律等により、法的規制を受けております。

当社グループの事業活動の継続にあたっては、下表に掲げる免許の保有が前提となります。

宅地建物取引業者免許につきましては、宅地建物取引士について一定人数を確保すること等の要件が、法律上要求されております。また、台湾における許認可については、不動産經紀業管理条例第6条に該当する場合、不動産特定共同事業の許認可については、不動産特定共同事業法第36条に該当する場合に取り消されることがあります。

なお、現状において、これらの当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。

しかしながら、関連法令等の規制が遵守できず、今後これらの許認可が取り消された場合又はこれらの法的規制の大幅な変更があった場合には、当社グループの経営及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

取得・登録者名

取得年月・許認可等の名称及び所管官庁等

許認可等の内容及び有効期限

主な許認可等の取消事由

株式会社グッドコムアセット

(当社)

 

2021年7月9日

宅地建物取引業者免許

国土交通省

宅地建物取引業に関する許可

国土交通大臣

(1)第9957号

2021年7月10日から

2026年7月9日まで

以後5年ごとに更新

宅地建物取引業法

第5条、第66条及び第67条

2019年7月11日

不動産特定共同事業許可

東京都

不動産特定共同事業に関する許可

東京都知事

第124号

不動産特定共同事業法

第36条

 

株式会社グッドコム

(連結子会社)

2009年7月24日

宅地建物取引業者免許

東京都

宅地建物取引業に関する許可

東京都知事

(3)第90768号

2019年7月25日から

2024年7月24日まで

以後5年ごとに更新

宅地建物取引業法

第5条、第66条及び第67条

 

2011年7月11日

マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づくマンション管理業者登録

国土交通省

マンション管理業者に関する許可

国土交通大臣

(3)第033780号

2021年7月12日から

2026年7月11日まで

以後5年ごとに更新

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

第83条

2021年9月2日

賃貸住宅管理業者登録

国土交通省

賃貸住宅管理業者に関する登録

国土交通大臣

(01)第000911号

2021年9月3日から

2026年9月2日まで

以後5年ごとに更新

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律

第23条及び第24条

臺灣家得可睦股份有限公司

(連結子会社)

中華民国104年6月1日

(2015年6月1日)

不動産經紀業

臺北市政府地政局

不動産經紀業に関する許可

 

不動産經紀業管理条例

第6条

 

 

(11)訴訟のリスク

当社グループは、投資を目的とした新築マンションを販売しており、入居率の悪化や家賃相場の低下による賃貸収入の下落、金融機関の貸出金利の上昇による借入金返済負担の増加等、収支の悪化につながる様々な投資リスクが存在します。当社グループは、顧客に対し、これらの投資リスクについて十分説明を行い、理解していただいた上で売買契約を締結することにより、訴訟リスクの軽減を図っております。また、当社グループでは、経営におけるコンプライアンスの重要性について強く認識しており、役員及び従業員に対するコンプライアンス教育を徹底する等、コンプライアンス経営を推進することで、訴訟リスクの軽減に努めております。

しかしながら、顧客からのクレームや訴訟等が発生した場合、その結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)瑕疵担保責任に関するリスク

当社グループは、販売物件について瑕疵担保責任を負っており、瑕疵に備え住宅瑕疵担保責任保険に加入しております。

しかしながら、建設会社等の破綻により保険で賄いきれない補修工事費用等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)個人情報の漏えいリスク

当社グループは、多くの顧客(潜在顧客を含む。)や入居者の個人情報を保有しております。個人情報の管理については、関連する社内規程を制定し、社内入退室管理やPC等の持ち出し・持ち込みの管理等を徹底の上、社内情報管理システムのセキュリティー強化に取り組むとともに、役員及び従業員に対する個人情報保護に関する教育・研修を実施すること等により、個人情報の保護に関する法律に準拠したプライバシーマークを取得し、情報管理の徹底に努めております。

しかしながら、昨今、サイバー攻撃は高度化かつ巧妙化していること等から、これらの対策にもかかわらず、当該情報が外部に漏えいした場合には、当社グループの社会的信用に影響を与え、当社グループの経営及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)経済状況等の変動リスク

景気動向、経済情勢、金利動向、販売価格動向、住宅税制等の各種税制及び建設業者の不正等の影響を受け、販売価格の変動や個人消費の低迷、顧客購買意欲の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)災害発生のリスク

東京で地震等の自然災害が発生した場合、不動産投資マインドの低下による販売機会の損失、空室の長期化による空室保証費用の増加、開発物件の被災に伴う補修等による工事費上昇や完成遅延等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、昨今の新型コロナウイルスに関して、最新情報の収集や社員の健康を重視した社内環境を整えることを重視し、職場の衛生管理及び外部とはオンライン等の非対面での対応を行うなど、感染防止対策等を実施することで事業への影響を最小限に抑えられるように努めております。

しかしながら、感染が再拡大した場合、金融機関の融資引き延ばしによる引渡時期の遅延や建築工事の遅延等が発生する可能性があります。さらに、緊急事態宣言発令により、販売活動が制限された場合、契約手続き等が遅延し、当社グループの事業に影響を及ぼすとともに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は以下のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、ワクチン接種の進展や感染対策の定着により、経済活動は徐々に正常化に向かう動きが見られました。先行きについては、ウクライナ情勢をめぐる資源価格の高騰や、世界的な金融政策の引き締め等の影響により、物価の上昇、急激な円安の進行等を背景として、インフレ懸念が高まるなど、依然として不透明な状況が続いております。

当社グループが属する不動産業界におきましては、都心部の土地及び建築費が高騰しているものの、国内の金融緩和政策等により、安定した収益が見込める日本の不動産に対する海外機関投資家の投資意欲は旺盛な状況が継続いたしました。

当社グループにおきましては、このような経営環境のもと、東京23区を中心に「GENOVIA(ジェノヴィア)」シリーズの新築マンションとして、「GENOVIA green veil(ジェノヴィア グリーンヴェール)」、「GENOVIA skygarden(ジェノヴィア スカイガーデン)」及び「GENOVIA skyrun(ジェノヴィア スカイラン)」の企画・開発及び販売の拡大、顧客サポート体制の充実、ブランド力の強化等に取り組んでまいりました。新型コロナウイルス感染症の拡大によりホテルやオフィスの稼働率が低下している中、投資用マンションについては、特にホールセールにおいて、安定的な投資商品として評価され、1棟単位での販売が大きく増加している状況を背景に、売上高及び利益は過去最高を更新いたしました。また、2022年5月より、新規事業として、株式会社グッドコムアセット投資顧問を設立し、REIT事業の開始に向け準備を進めております。同事業の開始に向け、当社グループは、創業以来、東京23区を中心に新築マンションを取扱っておりましたが、仕入エリアを1都3県に拡大し、中古物件も対象とすることで、更なる業績拡大を目指し、今後は、多くの物件ポートフォリオから利益の最大化ならびに安定的な分配金の確保を目指してまいります。

これらにより、当連結会計年度においては41棟、全1,369戸を販売し、仕入につきましても、22棟、全1,304戸の仕入を行いました。

以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は40,048百万円(前期は34,216百万円の売上高)、営業利益は4,612百万円(前期比34.2%増)、経常利益は4,342百万円(同37.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,858百万円(同45.7%増)となりました。

なお、当連結会計年度末における当社グループの財政状態は、総資産24,452百万円(前期比19.6%増)、負債12,980百万円(同15.5%増)、純資産11,471百万円(同24.6%増)となり、自己資本比率は46.9%となりました。

また、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これに伴い、当連結会計年度における売上高は、363百万円減少しております。そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明においては、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前期比(%)を記載せず説明しております。詳細は、「第5 経理の状況1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の「会計方針の変更」に記載のとおりであります。

 

セグメント別の業績は、以下のとおりであります。

なお、当連結会計年度の期首より、従来の報告セグメントの「Good Com Fund」は、新規上場及び上場後IR・資本政策のコンサルティングを行う株式会社キャピタルサポートコンサルティングを連結子会社化したことにより、同社事業を当該報告セグメントに含めるとともに、名称を「その他」に変更しております。

 

A.ホールセール

当連結会計年度では、法人等に対し、自社ブランド「GENOVIA」シリーズのワンルーム及びファミリータイプを22棟、全1,150戸販売いたしました。特に1棟単位での販売が増加しております。

以上の結果、売上高は31,380百万円(前期は26,185百万円の売上高)、セグメント利益は4,654百万円(前期比49.4%増)となりました。

B.リテールセールス

当連結会計年度では、国内外の個人投資家に対し、自社ブランド「GENOVIA」シリーズのワンルーム及びファミリータイプを22棟、全219戸販売いたしました。

以上の結果、売上高は7,240百万円(前期は6,534百万円の売上高)、セグメント損失は358百万円(前期は141百万円のセグメント損失)となりました。

 

C.リアルエステートマネジメント

当連結会計年度では、月末入居率は毎月9割超を達成したものの、順調な販売実績の反動により、未販売住戸が減少したことから、賃料収入が減少いたしました。

以上の結果、売上高は1,442百万円(前期は1,545百万円の売上高)、セグメント利益は346百万円(前期比32.9%減)となりました。

D.その他

その他の区分は、新規上場及び上場後IR・資本政策に関するコンサルティング、不動産小口化商品販売事業Good Com Fundで構成されており、売上高は35百万円(前期は計上なし)、セグメント損失は58百万円(前期は77百万円のセグメント損失)となりました。

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前年度末に比べ3,703百万円増加し、11,656百万円(前年度末比46.6%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、3,482百万円の資金増加(前年度は9,700百万円の資金増加)となりました。主な要因は、法人税等の支払額が1,163百万円あった一方で、税金等調整前当期純利益が4,247百万円あったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、255百万円の資金減少(前年度は90百万円の資金減少)となりました。主な要因は、関係会社株式の取得による支出が240百万円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、455百万円の資金増加(前年度は8,234百万円の資金減少)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出が7,100百万円あった一方で、長期借入れによる収入が7,993百万円あったことによるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績

A.生産実績

該当事項はありません。

B.受注実績

該当事項はありません。

C.販売実績

販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年11月1日

至 2022年10月31日)

販売戸数(戸)

金額(千円)

 

前年同期比(%)

ホールセール

1,150

31,380,478

119.8

リテールセールス

219

7,240,979

110.8

リアルエステートマネジメント

1,442,689

93.3

その他

35,880

合計

1,369

40,100,026

117.0

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が10/100未満であるため記載しておりません。

 

2.当連結会計年度より、報告セグメントを変更しており、前年同期比は前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で算出しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき合理的と考えられる要因を考慮した上で行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、結果としてこれらの見積りと実績が異なる場合があります。また、特に以下の重要な会計方針及び見積りの適用が、その作成において用いられる見積り及び予測により、当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

(販売用不動産の評価)

当社グループが保有する棚卸資産のうち、主なものは販売用不動産であり、販売用不動産の評価は、個別法による原価法を採用しており、事業計画上の販売見込額から販売経費見込額を控除した正味売却価額が取得原価を下回るものについては、その差額を費用処理しております。なお、当連結会計年度において、簿価の切り下げは行っておりません。

当該販売見込額の見積りにおいて、過去の販売実績や、市場動向を反映した賃料収益を割引計算する収益還元法を基礎に算定した価格を参考にしているため、想定賃料、還元利回りを主要な仮定としております。

なお、将来の市況悪化や大規模な自然災害による販売用不動産の被災等により、市場価格の著しい下落が発生し、事業計画が修正される等、主要な仮定に変動が生じた場合、翌連結会計年度の連結財務諸表に影響を与える可能性があります。

販売用不動産の評価の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の「重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

(のれんの評価)

当社グループは、のれんにつき減損の兆候があると認められる場合には、のれんが帰属する事業から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することにより、減損損失の認識の要否を判定しております。判定の結果、減損損失の認識が必要と判定された場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として計上しております。なお、当連結会計年度において、81,603千円の減損損失を計上しております。

減損損失の認識の要否の判定及び回収可能価額の算定は、事業計画の基礎となる株式会社ルームバンクインシュアの将来キャッシュ・フロー、割引率から算定されるため、将来売上予測及び営業損益予測を主要な仮定としております。

なお、将来の事業環境の変化等により、事業計画が修正される等、主要な仮定に変動が生じた場合、翌連結会計年度の連結財務諸表に影響を与える可能性があります。

のれんの評価の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の「重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の「追加情報」に記載のとおりであります。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

A.経営成績の分析

当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、当連結会計年度の売上高は363百万円減少し、販売費及び一般管理費は363百万円減少しております。そのため、売上高、売上総利益、販売費及び一般管理費については、前連結会計年度と比較しての増減額及び増減率を記載しておりません。

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、40,048百万円(前期は34,216百万円)となりました。

ホールセールの売上高は、1,150戸を販売し、31,380百万円(前期は26,185百万円)となりました。これは、投資用マンションが安定的な商品として法人等より評価され、1棟単位での販売が増加したためであります。

リテールセールスの売上高は、219戸を販売し、7,240百万円(前期は6,534百万円)となりました。これは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言によって販売活動が制限され、想定よりも販売戸数は減少いたしましたが、前連結会計年度の販売戸数185戸に比べ、34戸増加したことによるものであります。

 

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は、7,605百万円(前期は6,109百万円)となりました。

これは主に、売上高の増加によるものであります。

なお、ホールセールにおいて、旺盛な需要により好条件での販売ができたため、売上総利益率は、前連結会計年度の17.9%に比べ1.1ポイント上昇し、19.0%となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、2,993百万円(前期は2,672百万円)となりました。これは主に、当社の知名度向上を図ることを目的としたテレビコマーシャルの実施等により広告宣伝費が増加したことによるものであります。

一方、ホールセールにおける1棟販売の増加に伴い販売効率が向上したことから、売上高販管費率は、前連結会計年度の7.8%に比べ0.3ポイント低下し、7.5%となりました。

 

(営業外損益)

当連結会計年度の営業外収益は、59百万円となり、前連結会計年度の54百万円に比べ8.9%増加いたしました。

また、営業外費用は、328百万円となり、前連結会計年度の326百万円に比べて0.8%増加し、それぞれ前期比が増加いたしましたが、前連結会計年度と比べて大きな変動は特にありませんでした。

 

(特別損失)

当連結会計年度の特別損失は、94百万円(前期は182百万円)となりました。これは、株式会社ルームバンクインシュアの連結子会社化の際に発生したのれんについて、当連結会計年度において81百万円の減損損失を計上したこと、また、不動産小口化商品販売事業Good Com Fundにおけるソフトウェアについて12百万円の減損損失を計上したことによるものであります。

 

B.財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は23,633百万円となり、前年度末に比べ3,981百万円増加いたしました。主な要因は、仕掛販売用不動産が1,477百万円減少した一方で、現金及び預金が3,703百万円、販売用不動産が1,609百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は818百万円となり、前年度末に比べ24百万円増加いたしました。主な要因は、のれんが144百万円減少した一方で、関係会社株式が220百万円増加したことによるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は8,045百万円となり、前年度末に比べ808百万円増加いたしました。主な要因は、工事未払金が1,157百万円増加したことによるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は4,935百万円となり、前年度末に比べ934百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金が1,023百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は11,471百万円となり、前年度末に比べ2,262百万円増加いたしました。主な要因は、配当の支払により利益剰余金が616百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,858百万円増加したことによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は1.9ポイント上昇し、46.9%となりました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容、経済状況、法的規制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。当社グループは、これらのリスク要因について注視するとともに、リスクを低減できるよう適切な対応を行ってまいります。

④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況については、「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

当社グループの資金需要の主なものは、販売用不動産の取得資金であります。資金調達については、物件ごとに借入条件を勘案し、金融機関から借入れております。また、当社グループが成長を続けるためには、仕入物件の確保及び財務能力の健全性の維持が重要であると認識しておりますので、金融機関からの借入れや社債の発行、新株式発行による増資等、手許資金とのバランスを考慮し、成長原資である物件の確保、自己資本比率の上昇及び有利子負債依存度の低減により、財務能力の健全性を確保いたします。

なお、当連結会計年度末及び前連結会計年度末の有利子負債依存度については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。