文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社の社名は、世界最深地点で生存が確認された深海魚の名前(ヨミノアシロ)を拝借しており、「関わる人を誰よりも深く幸せにすることで、よりよい社会の実現に貢献する」という企業理念の下、表層的なサービスではなく、日常生活の基盤やインフラと成り得るサービスの創出を目指しております。
上記の企業理念の下、当社グループは、「メディア事業」を中心に事業を展開しており、当該事業においては主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや、弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営しており、引き続き当該事業の拡大を図るとともに、「HR事業」「保険事業」等の当社経営資源を活かした新規事業の積極的な展開を通じて、更なる成長を図って参ります。
(2)経営目標を達成するための主要な経営指標
当社グループは、経営目標を達成するため、各事業で以下の通り経営指標を位置づけております。
メディア事業において、リーガルメディアでは有料広告の掲載枠数を主要な経営指標と位置づけております。なお、掲載枠数は、顧客である弁護士がサイト内で出稿している有料広告の枠の数であり、掲載枠数に掲載枠単価を乗じた金額を顧客である弁護士から得ております。また、掲載枠数増加のためには顧客満足度の維持向上が必須であり、解約率についても主要な経営指標と位置づけております。
また、派生メディアでは運営するメディア経由の問合せ数に応じた成果報酬をいただく事業であることから、問合せ数を主要な経営指標と位置づけております。
HR事業では、特に主要事業である人材紹介事業において重要となる転職希望者の新規登録者数を主要な経営指標と位置づけております。
(3)経営戦略、経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国における2023年の総広告費7兆3,167億円のうち、当社グループの事業領域であるインターネット広告費は3兆3,330億円となり全体の45.5%を占め、広告市場全体の成長を後押ししています(出所:株式会社電通「2023年日本の広告費」)。また、当社グループの主要顧客である弁護士市場に関しては、2023年の弁護士数は約4.5万人となり、増加を続けております(出所:日本弁護士連合会「弁護士白書 2023年版」)。
このような事業環境のもと、当社グループは、今後、中長期的な企業の成長のための経営戦略を実行し、企業理念を実現するため、以下の事項を重要な課題と認識し、解決に向けて取り組んでおります。
① リーガルメディアの掲載枠数の拡大
当社グループがサービス提供しているリーガルメディアでは、法律問題の中で特定の事件分野に特化したメディアサイトを展開しており、今後の成長のために更なる掲載枠数の拡大が課題であると認識しております。
この課題に対応するため、営業活動や契約後の顧客サポートを行うカスタマーサクセス活動の強化により、新規契約数を増加させるとともに解約率の引き下げを図ることで掲載枠数の増加を図っております。
また、顧客満足度の維持向上にあたっては良質な問合せを獲得することが必要であり、問合せの数だけではなく質についても重視したウェブマーケティングを展開しております。一方で、ウェブマーケティングにおける自然検索経由の流入については、Googleの検索順位アルゴリズムの変動リスクが存在していることから、自然検索経由以外の流入経路を確保することが望ましいものとなります。
この課題に対応するため、当社では従来から広告経由の流入経路の確保に努めております。加えて、第8期連結会計年度において各サービスサイトの名称を「ベンナビ」に統一し、ブランド認知に向けてTVCMやYouTube広告といったマス広告のテストマーケティングも実施し、ユーザーに「ベンナビ」を認知いただくことでの指名検索経由での流入の増加に取り組んでおります。
また、当連結会計年度においては従来よりも高価格となる新商品の販売を開始し、掲載枠数の拡大並びに売上成長率の向上に寄与しております。
② 新規事業領域の拡大による新たな収益源の確保
当社グループ収益の拡大に向けては、リーガルメディアに依存せず新たな事業を成長させ、より強固な収益基盤を築くことが、重要であると考えております。
この課題に対応するため、派生メディアでは主力の転職メディア「キャリズム」において、取扱い職種の拡大を進めることで売上成長とともに特定職種での市況悪化リスクの分散を図っております。また、派生メディアの定義を「リーガルメディアからの派生分野」から、「既存ノウハウを生かした派生分野」に広げ、新規メディアの創出に注力しております。
HR事業については弁護士の人材紹介サービスからスタートし、現在は公認会計士・税理士等の他士業や、人事・総務、経理等の管理部門人材の人材紹介サービスや事務人材の人材派遣サービスも展開し、サービスラインを拡充しております。人員体制や教育体制を更に強化することで売上成長に繋げてまいります。
保険事業は2022年4月28日に連結子会社化した株式会社アシロ少額短期保険が営む少額短期保険業で構成されている事業セグメントであり、従前は個人向けの弁護士費用保険の販売に注力しておりましたが、現在は同保険の販促投資は取り止め、より高い収益性が見込める法人向けの弁護士費用保険の開発に注力しております。
③ 組織体制の強化
当社グループは、今後の更なる成長のため、人員確保と組織体制の整備が重要な課題であると認識しております。営業担当者やカスタマーサクセス担当者の採用に加えて、メディアサイトの集客力向上を図る為のウェブマーケティング人材、開発を迅速に進める為のエンジニア、UI/UXの改善を図る為のデザイナーの採用も適時に進めていく必要があります。
これらの人材確保にあたっては、中途採用に加えて新卒採用も積極的に行っております。また、従業員からの紹介制度の充実やソーシャルメディアの活用等、採用方法の多様化も図ることで、着実に組織体制の整備を進めております。
④ 運営サイトの安定的な稼働
当社グループは、メディア事業等においてウェブサイトの運営を行っており、運営サイトの安定的な稼働が重要な課題と認識しております。
このため、システム保守体制の構築、運営サイトのユーザー数の増加に対応できるシステム環境の整備、及び情報システムセキュリティの維持により、運営サイトの安定的な稼働に努めてまいります。
当社は、創業者である中山博登が、運営元より委託を受けて相続に関するメディアサイトの代理販売を行っている中で弁護士業界と接点を持ったことがきっかけで、法律相談分野別に特化した法律メディアサイト「ベンナビ」の運営に至っております。当時、類似サービスは存在したものの、非常に高額な料金を徴収する業者も散見されたことから、費用対効果に見合った誠実なサービスを提供することで2割司法と呼ばれる司法アクセスの状況を改善出来れば、弁護士と消費者の双方に良い結果をもたらすことが出来るのではないかと考えたことがきっかけです。これはひとえに、当社グループの企業理念である「関わる人を誰よりも深く幸せにすることで、よりよい社会の実現に貢献する。」から繋がるものであり、創業者が大切にしている考えです。
現在、当社グループは上記「ベンナビ」を中心としたメディア事業からサービスの幅を広げ、長年培ってきたWEBマーケティング技術を横展開し、HR事業や保険事業などの事業も営んでおります。各事業の領域は異なっておりますが、「誠実なサービスを提供」することを大切にしていることから、費用をいただくお客様への「効果」や「満足度」を重視した事業運営を行っております。
当社グループは社会の一員である認識のもと、主にWEBを中心としたフィールドにおいて、社会課題や問題を解決するサービスを提供することで、社会に貢献してまいります。
(1)ガバナンス
持続的な企業価値の向上、中期経営計画の達成、ひいては当社グループの企業理念の実現にむけて、迅速な意思決定に資する経営システムの構築を目指します。また、2024年10月期より監査等委員会設置会社に移行して社外取締役が過半数を占める体制となり、経営への監督機能をさらに強化してまいります。
(2)戦略
当社グループにおいては「人材」が最も重要な資本と捉え、人に帰属する経営課題の解消をミッションとする人材開発の専任部署を2023年10月期より設立しました。当該部署では以下のような各種施策を検討、実行することでサステナビリティの実現や人的資本の向上に積極的に取り組んでおります。
① 採用に関する取り組み
激化する採用環境において人材を確保するために、リファーラル採用での紹介手当制度や、アルムナイ採用を促進する為の制度等を設けております。また、当社グループは新卒を積極的に採用しており、採用力の強化に向けて奨学金返還支援制度を設けております。
加えて、採用サイトを通じた情報発信に努めており、当社グループの魅力や働き方のイメージをより一層強く持ってもらえるコンテンツを定期的に投稿し、求職者にとって有益な情報の発信を積極的に行うことで採用力の強化を図っています。
② 人材育成に関する取り組み
生産性やスキルの向上を目的として、新入社員のオンボーディング支援やマネジメント層の育成といった研修制度の拡充等に取り組んでおります。
また、社内異動制度や書籍購入費用・資格取得費用を支援する制度を通じて、主体的なキャリア形成やリスキリングを支援しています。
③ 女性が働きやすい環境を整える取り組み
女性特有の体調不良の際に取得できる休暇制度や、低用量ピルの服薬支援制度、女性向けの社内備品の設置、女性の定期健康診断にあたっては女性専用の医療機関を手配すること等を通じて、女性が働きやすい環境整備に努めております。
④ 各々の生活に合わせたフレキシブルな労働環境の提供に向けた取り組み
子育て世代や通院が必要な従業員など、個別の事情に合わせた環境を提供するべく、ハイブリッド勤務制度やフレックスタイム制、時差出勤の活用により従業員の生活と仕事の両立を支援しております。
また、リモートワークに必要となる備品の購入費用の支援も行うことで、生産性を落とさないようリモートワーク環境の整備を図っております。
⑤ 従業員の挑戦と会社の成長を支援する取り組み
上記の社内異動制度に加えて、全従業員が「新規事業案」や「会社改善案」を提案することが出来、社長を含めた役員からのフィードバックが得られる新規事業創出制度等を設けることで、従業員の挑戦とともに会社の成長の後押しを図っております。
⑥ コミュニケーション活性化のための取り組み
社員同士の連携強化に向けて、異なる部署のメンバーとのコミュニケーション機会を提供するシャッフルランチ制度、先輩社員から仕事のノウハウや他部署のスキルを学ぶ機会を提供する弟子入りランチ制度等を設けております。
同様に、事業部やチーム単位で目標達成したときの達成会等の費用を補助しております。
⑦ ワーク・ライフ・バランスの向上や資産形成を支援する取り組み
当社グループは主に新宿にオフィスを構えており、近隣に住む場合の賃料は郊外と比較して高くなることから、ワーク・ライフ・バランスの向上を支援する目的で近接住宅手当制度を設けております。また、従業員の資産形成を支援する目的で確定拠出年金制度や従業員持株会の奨励金制度、借上げ社宅制度等を設けております。
⑧ 健康を支援する取り組み
産業医面談や定期健康診断に加えて、従業員の健康を支援する目的で置き型社食サービスを導入しております。同様に、社内の自販機は健康の為に原則として無糖飲料のみとし、通常よりも安価での購入が可能となっております。
また、風邪薬や頭痛薬などの置き薬を社内に設置しており、自由に利用することが可能となっております。
⑨ メンタルケアやエンゲージメント調査への取り組み
産業医面談だけでなく、入社半年間は先輩社員がメンターとしてサポートするとともに人事開発グループによる面談も定期的に実施しており、従業員の心理的安全性の確保に努めております。
また、定期的な従業員満足度調査等を通じて、従業員の状況把握に努めております。
当社グループはこれらの多様な施策を通して従業員がパフォーマンスを発揮しやすい環境を整えておりますが、今後も継続して働く環境や制度・設備等を見直し、人材資本の最大化に努めてまいります。
(3)リスク管理
当社グループは、不測の事態または危機の発生に備え、「リスク管理規程」を定めております。また、リスク管理委員会やコンプライアンス委員会を設けており、当社を取りまくリスクやコンプライアンスを定期的に把握・管理する体制を構築しております。
(4)指標及び目標
当社グループは、現時点ではサステナビリティ関連の具体的な指標や目標等は定めておりません。前述の通り当社グループにおいては「人材」が最も重要な資本と捉え、当社ビジョンに共感いただける方であれば、性別は問わず能力や実績に応じた採用・登用を進めるというスタンスであります。
一方、当社グループ全体の足元の従業員構成比では男性59%、女性41%の割合となっております。また、女性管理職比率は、33.3%となっており、引き続き性別を問わず能力や実績に応じた採用・登用を進めるとともに女性が活躍しやすい環境を整備すること等を通じて、自然体で女性管理職比率が向上するように取り組んでまいります。
以下において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスク要因に該当しないものにつきましても、投資者の投資判断上、あるいは当社グループの事業をご理解いただく上で重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
また、以下の記載事項は、当社株式への投資に関連するリスクを網羅するものではありませんのでご留意下さい。
なお、以下の記載事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)事業環境に関するリスクについて
① インターネットの利用環境及びインターネット関連市場について
当社グループは、メディア事業を主たる事業領域としていることから、インターネットの利用環境の向上及びインターネット関連市場の拡大が当社グループの事業の成長にとって重要であります。当社グループは、高速通信技術の発展、スマートデバイスの普及、中高齢者層のITリテラシーの向上等により、インターネットの利用環境の向上及びインターネット関連市場の拡大は、今後も続いていくものと想定しております。しかし、インターネットの急激な普及に伴う弊害の発生、利用に関する新たな法的規制の導入、その他予期せぬ要因により、インターネットの利用環境の向上及びインターネット関連市場の拡大が阻害される場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 技術革新や顧客ニーズへの対応について
インターネット業界においては、技術革新や顧客ニーズの変化が極めて激しく、当社グループもこれらの変化に対応していく必要があります。当社グループでは、技術革新に対応すべく人的・資本的投資を継続するとともに顧客ニーズの変化に対応すべく営業機能の内製化やカスタマーサクセス機能の強化を行っておりますが、当社グループが予期しない技術革新や顧客ニーズの急激な変化への対応が遅れた場合には、当社グループのサービスの競争力の低下を引き起こし、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について
当社グループの主要事業としては、リーガルメディアの運営があり、優良かつ信頼性の高い情報提供によりユーザーを運営サイトに誘引することで、顧客である弁護士等の掲載枠数を確保しております。しかし、今後何らかの理由により、ユーザーが当社グループの運営サイトから競合他社が運営するサイトへ利用を切替える場合には、弁護士等の掲載枠数の確保が行えず、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 検索アルゴリズムについて
当社グループの主要事業の中のリーガルメディアは、大手検索サイトでの自然検索経由によるものがユーザー流入の主たる経路であります。当社グループでは、人的・資本的投資を継続するとともに、リスティング広告等を出稿することによる広告経由の集客にも注力しております。また、2023年5月には、リーガルメディアのサービス名称を「ベンナビ」に統一し、ブランド認知施策を実施して指名検索経由の集客を増やすことにより更にリスク分散に努めております。しかし、今後大手検索サイトの検索アルゴリズムの変更がなされた場合には、自然検索経由のユーザー流入数の減少を引き起こし、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 自然災害、事故等による影響に関するリスク
当社は現状の拠点数は1ヵ所であり、グループ含めたほぼ全ての機能を集約しております。当社グループでは柔軟に事業を継続できる体制の整備に努めておりますが、大規模な災害や新型感染症などが蔓延、深刻化や長期化した場合、当社グループの事業活動等に支障をきたす恐れがあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容に関するリスクについて
① 新規事業について
当社グループは、新規事業の開発と成長により企業価値の更なる向上を目指して参ります。新規事業の開始にあたっては予算を作成し、予実比較を適切に実施するとともに予算から乖離する場合は予算修正や方針の見直しを行うことで、予算からの大幅な乖離の発生を防止しております。しかし、当初の予測とは異なる状況が発生し、新規事業の展開が計画通りに進まない場合は減損損失の計上が必要になる等、投資を回収できなくなる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② サイト運営の健全性について
当社グループが運営するサイトでは、法律に関する悩みを抱えた一般ユーザーが、会員登録のうえ、「無料法律相談Q&A」を通じて弁護士に匿名の法律相談をすることが可能です。当社グループはサイト運営に関して利用規約をサイト上に明示し、一般ユーザーの適切な利用を促すよう努めており、「無料法律相談Q&A」では、投稿内容の公開可否について全件監視体制を構築していることから、利用規約で禁止されている、第三者のプライバシー権・肖像権・知的財産権・その他権利を侵害する内容、特定の第三者に対する誹謗中傷、政治活動・宗教活動等、及び公序良俗に反する内容等の不適切な投稿があった場合には当該相談を公開しないなど、健全なサイト運営を維持しております。このような体制を構築しているにもかかわらず、不適切な投稿に対して当社グループが十分な対応ができない場合には、当社グループがサイト運営者として信頼を失う可能性があり、当社グループの事業展開に支障が生じ、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業の許認可について
当社グループが行うHR事業は、職業安定法第32条の4に基づく有料職業紹介事業許可を受けて展開をしています。職業安定法では、有料職業紹介事業を行う者(法人である場合には、その役員を含む。)が有料職業紹介事業者としての欠格事由(職業安定法 第32条)及び当該許可の取消事由(同 第32条の9)に該当した場合には、それぞれ、事業の許可を取り消し、または、期間を定めて当該事業の全部若しくは一部の停止を命じることができる旨を定めています。また、同じくHR事業に含まれる人材派遣業を営む子会社の株式会社ヒトタスでは、労働者派遣法第5条の2に基づく労働者派遣事業許可を受けて展開をしています。労働者派遣法では、労働者派遣事業を行う者(法人である場合には、その役員を含む。)が労働者派遣事業者としての欠格事由(労働者派遣法 第6条)及び当該許可の取消事由(同 第14条)に該当した場合には、それぞれ、事業の許可を取り消し、または、期間を定めて当該事業の全部若しくは一部の停止を命じることができる旨を定めています。
現時点において、上記に抵触する事実はないと認識していますが、今後何らかの理由により上記に抵触した場合、許可が取り消され、または、業務の全部若しくは一部の停止が命ぜられることにより、事業活動に支障をきたすとともに、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの許認可の状況
当社グループ会社 |
許認可の名称 許可番号 |
監督官庁 |
取得年月日 |
有効期限 |
株式会社アシロ |
有料職業紹介 13-ユ-313782 |
厚生労働省 |
2021年12月1日 |
2029年11月30日 |
株式会社ヒトタス |
労働者派遣事業 派13-316952 |
厚生労働省 |
2023年11月1日 |
2026年10月31日 |
(3)事業運営体制に関するリスクについて
① 小規模組織であることについて
当社グループは、小規模組織であり会社の規模に応じた内部管理体制及び業務執行体制となっております。事業拡大に応じた人員の拡充、内部管理体制及び業務執行体制の整備強化を行っておりますが、役員及び従業員の業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは、役員及び従業員が社外流出した場合には、内部管理体制及び業務執行体制が有効に機能せず、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の確保、定着、及び育成について
当社グループは、事業拡大に応じて、優秀な人材の確保、定着、及び育成が重要であると考えております。採用手法の多様化や採用力の強化、福利厚生制度の充実や人事評価制度の運用等の施策を行っておりますが、優秀な人材の確保、定着、及び育成が計画通りに進まない場合には、事業拡大の制約要因になる可能性があり、当社グループの事業拡大及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定の人物への依存について
当社の代表取締役社長である中山博登は、当社の実質的な存続会社である旧 株式会社アシロの創業者であり、創業以来、代表取締役社長として経営方針の決定及び新規事業開発において重要な役割を担っております。当社グループでは、適切な権限委譲を進めるとともに人材の確保により、経営体制及び事業運営体制の強化に努めておりますが、現状では同氏が何らかの理由により当社グループの業務を遂行することが困難となった場合、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 事業継続リスクについて
当社グループは、運営サイトの安定性確保のため、外部攻撃対策や冗長化等の適切なセキュリティ対策を図るとともに、大規模災害に備えて行動計画等の準備や防災備品の備蓄等を行っております。しかし、何らかの理由により、当社の管理するシステムに問題が発生した場合や従業員の勤務が困難となった場合、安定的なサービス提供ができなくなる可能性があり、そのような場合には、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制に関するリスクについて
① メディア事業における法的規制について
当社グループの主たる事業領域であるメディア事業においては、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」「電気通信事業法」等といった各種法的規制を受けております。当社グループでは、記事制作マニュアルや広告掲載基準等を整備し、当該基準に沿って適切な運用を行うなど法令遵守体制を整備・強化するとともに、定期的な社員教育を行うなど、細心の注意を払った事業運営を行っております。加えて、インターネット広告の自主規制団体である一般社団法人日本インタラクティブ広告協会に正会員として加入しており、情報収集に努めております。しかし、各種法的規制の内容や解釈の変更、新たな法的規制の制定により、当社グループの業務の一部が制約を受ける場合、または新たな対応を余儀なくされる場合、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 弁護士法及び同法の関連規制について
当社グループは弁護士へのマーケティング支援サービスを提供しており、弁護士法、同法の関連法規、及び各単位弁護士会の規程・指針等といった弁護士法関連規制を遵守する必要があります。例えば、弁護士法第72条において報酬を得る目的での弁護士に対する法律事件の周旋は禁止されております。当社グループでは、上記を含む弁護士法関連規制に関して、法令遵守体制の整備・強化、社員教育を行うなど、細心の注意を払った事業運営を行っております。しかし、弁護士法関連規制の内容や解釈の変更、新たな法的規制の制定により、当社グループの業務の一部が制約を受ける場合、または新たな対応を余儀なくされる場合、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの顧客である弁護士についても弁護士法関連規制に服しております。万一、これらに違反した場合、各単位弁護士会の綱紀委員会及び懲戒委員会等における審査を経て、懲戒処分が下される場合があり、その懲戒処分の内容が業務停止以上の重大なものである場合は当社の掲載基準に合致しないと判断し掲載を停止する可能性があるため、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 個人情報管理について
当社グループは、ユーザー及び顧客の個人情報を保有しております。これらの個人情報については、「個人情報保護方針」に基づき適切に管理するとともに、社内規程として「個人情報取扱規程」を定め、社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。
当社グループは、個人情報の保護に最大限の注意を払っており、不正アクセス、改竄等のリスクに対して必要かつ適切な安全管理対策を講じるとともに、個人情報保護の必要性及び重要性への意識の徹底を図るべく社員教育を実施しております。しかし、外部侵入者や当社グループの関係者の故意または過失による個人情報の流出等の問題が発生した場合には、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 訴訟について
当社グループは、本書提出日現在、当社として関与している当社の事業および業績に影響を及ぼす訴訟手続きはありません。また、法令違反となるような行為を防止するための内部管理体制の構築を図っております。しかし、事業活動にあたっては、法令等の違反の有無に係わらず訴訟を提起される可能性があり、当社グループが適切に対応できなかった場合には、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスクについて
① のれんの減損について
当社は、2016年5月に旧 株式会社アシロの株式の86.9%を取得したことでメディア事業におけるのれんを、2022年4月に株式会社アシロ少額短期保険の株式を取得して子会社化したことで保険事業におけるのれんを、2023年3月に株式会社ビッコレの株式を取得して子会社化したことでビッコレ関連事業におけるのれんをそれぞれ計上しました。
保険事業におけるのれんについては、買収時に想定していた当初の計画よりも保有契約件数の積み上げの進捗が鈍い状況を踏まえ、前連結会計年度末にのれんの一部である98,335千円を減損損失として計上しました。当連結会計年度においてはウェブマーケティングに加えて代理店経由の販売にも取り組んでおりましたが、投資対効果の目立った改善には至っておらず、また既存商品の販促に向けた投資を抑制するとともに、新規商品の開発を推進する事業運営方針の変更を決定したことから、のれんの残額64,930千円を減損損失として計上しました。
ビッコレ関連事業におけるのれんについては、当初は利益面において買収時の事業計画を上回って推移をしておりましたが、当連結会計年度において従来の主要送客先にて広告費の大幅な絞り込みがあり、送客先の変更を余儀なくされ、代替の送客先においては送客条件が大幅に悪化し、成長路線への回帰には追加的なコストと時間が必要となると判断したことから、経営資源を最適化すべく同事業は非注力とする方針に転換しました。その結果、当初想定していた収益性が見込めなくなったことにより、のれん136,549千円の全額を減損損失として計上しました。
メディア事業におけるのれんについては、2016年5月に旧 株式会社アシロの株式の86.9%を取得したことで計上しましたが、当連結会計年度末において当社グループの資産合計の28.0%となっており、資産合計に占める割合が特に高くなっております。
当該のれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、当社グループの将来の収益性が低下した場合には、当該のれんについて減損損失を計上するため、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、日本基準に準拠した財務諸表においては、のれんの償却についてはその効果の及ぶ期間(10年)を見積り、その期間で償却しております。
IFRSに準拠した前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財務諸表において、メディア事業におけるのれん1,138,725千円を計上しており、IFRS移行日である2018年11月1日以降はのれんの償却をしておりません。なお、IFRS上はのれんは非償却資産であるため、当該のれんについて減損損失を計上した場合には、日本基準に比べて当社グループの経営成績により大きな影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度末における回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。使用価値は取締役会が承認した今後3年間の事業計画のうちメディア事業に係る計数を基礎としてその後の永久成長率は0%と仮定して計算した将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算出しており、のれんが含まれる資金生成単位グループの資産の帳簿価額を14,456百万円上回っております。減損テストに用いた主要な感応度を示す仮定は将来キャッシュ・フローの見積額及び割引率であり、仮に各期の将来キャッシュ・フローの見積額が87.3%減少した場合、又は割引率が99.3%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなり、減損損失が発生する可能性があります。
当社グループでは、のれんの減損リスクを低減するため、ストック収益源であるリーガルメディアの掲載枠数の積み上げにより、安定的な収益基盤の構築に努めております。具体的には、営業活動や契約後の顧客サポートを行うカスタマーサクセス活動の強化により、新規契約数を増加させるとともに解約率を引き下げることで掲載枠数の増加を図っております。
② 多額の借入金と金利変動リスク及び財務制限条項について
当社グループは、金融機関から借入を行っているため、金融機関の融資情勢や市場金利の上昇による調達金利が変動した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの借入金の一部については、財務制限条項が付されております。当社グループでは、金融機関との間で金利条件や財務制限条項について継続的な交渉を行っており、借入当初に定められた財務制限条項からの条件緩和を実現いたしました。現時点における財務制限条項の内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 17.社債及び借入金」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (貸借対照表関係) ※3 財務制限条項」に記載のとおりでありますが、これらに抵触した場合、借入先の請求により、借入先に預け入れされた定期預金(当該請求時点において預け入れされていない場合には新たに作成する、元金は100百万円(借入金の元本部分の合計が100百万円未満の場合は当該元本合計を上限とする))に第一順位の質権を設定し、その預金証書もしくは通帳を借入先に差し入れることや期限の利益を失うこととなっており、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在において、当社グループは当該財務制限条項に抵触しておりません。
③ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、役員及び従業員に対して、ストック・オプションとして新株予約権を付与しております。また、当社グループでは今後もストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、これらの新株予約権が権利行使された場合、当社の株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は178,000株であり、発行済株式総数7,380,568株の2.4%に相当します。新株予約権の詳細については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前期末に比べ643,329千円増加し2,425,724千円となりました。これは主に現金及び現金同等物が370,518千円、売上債権及びその他の債権が318,904千円それぞれ増加した一方、その他の流動資産が46,093千円減少したことによります。
当連結会計年度末の非流動資産は、前期末に比べ302,872千円減少し1,635,812千円となりました。これは主にビッコレ取得に係るのれんの減損損失の計上、保険事業におけるのれん及び使用権資産の減損損失の計上や使用権資産の償却に伴い、のれんが201,478千円、使用権資産が113,708千円それぞれ減少したことによります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は、4,061,536千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前期末に比べ524,956千円増加し1,289,498千円となりました。これは主に未払法人所得税が177,338千円、仕入債務及びその他の債務が253,748千円、その他の流動負債(主に前受金や未払消費税等)が118,655千円それぞれ増加したことによります。
当連結会計年度末の非流動負債は、前期末に比べ253,101千円減少し475,986千円となりました。これは主に社債及び借入金が149,172千円、リース負債が103,801千円それぞれ減少したことによります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、1,765,484千円となりました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前期末に比べ68,601千円増加し2,296,051千円となりました。これは主に当期利益の計上により利益剰余金が142,160千円増加した一方、期末配当の実施等により資本剰余金が93,416千円、自己株式の処分により自己株式が11,006千円それぞれ減少したことによります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、大企業を中心とした賃金の上昇やインバウンド需要の拡大など一部では景気回復の兆しも見られるものの、世界的には欧米における高金利の継続や中東情勢等、引き続き先行き不透明な状況となっております。
当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、2023年の広告費は3兆3,330億円(前年比7.8%増加)となり、一貫して成長を続けている結果、2022年に続きマスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算)を上回りました。(出所:株式会社電通「2023年日本の広告費」)
このような事業環境のもと、当社グループはメディア事業を中心に事業を展開しており、当該事業においては主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや、弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営しております。また、メディア事業に加えて、弁護士・公認会計士といった士業人材や管理部門人材を対象とする人材紹介サービス及び事務人材の人材派遣サービスを提供するHR事業や、弁護士に依頼する際の費用の一部を補償対象とする弁護士費用保険を販売する保険事業を展開しております。
主要事業であるメディア事業において、リーガルメディアでは、新規顧客開拓を推し進めるとともに、解約率の引き下げ並びに既存顧客からの追加受注に注力するなどした結果、2024年10月における掲載枠数(注1)は3,146枠(前年同月比30.3%増加)、掲載顧客数(注2)は1,153件(前年同月比17.3%増加)となり、順調に伸長しております。
(注1)掲載枠数とは、掲載延べ数であり、同一顧客が複数の広告枠掲載を行う場合は複数カウントを行って
おります。
(注2)掲載顧客数とは、広告枠の掲載を行っている顧客の実数であります。
また、派生メディアにおいては、企業の採用意欲の高まりが継続していることや、積極的な広告出稿等から転職メディア「キャリズム」の案件数が増加し、当連結会計年度における問合せ数は90,607件(前期比77.1%増加)となり、大幅に増加いたしました。
なお、保険事業については、これまで取り扱ってきた個人向け保険に加え、より成長性が期待できる法人向け保険にも注力する方針であり、現在保険事業のリソースを法人保険の商品開発に投下して個人向け保険の販促投資は取り止めていることから、保険事業の顧客数は横ばいで推移しております。
以上の結果、国際会計基準(IFRS)に準拠した当連結会計年度の業績は、売上収益は4,798,254千円(前期比50.0%増)、営業利益は328,712千円(同517.1%増)、税引前利益は318,572千円(同636.8%増)、当期利益は127,996千円(前期は38,469千円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は142,160千円(前期は12,397千円の損失)となりました。当社は2025年10月期に売上収益55億円、営業利益11億円の達成を主な目標とする中期経営計画を策定しており、そのための施策として当連結会計年度を中長期的な成長のための投資を積極化させる「成長投資期間」と位置付けていることから、各段階利益に関しては低水準で推移しておりましたが、想定以上に各事業が好調であったことに加え、第4四半期は来期に利益を創出するための準備として投資を段階的に抑制し始めたことから、各段階利益は前期から大幅に増益となっております。また、当連結会計年度において、ビッコレ取得に係るのれんの減損損失並びに株式会社アシロ少額短期保険取得に係るのれん及び使用権資産の減損損失として合計203,460千円の減損損失を計上しておりますが、当社はIFRSを採用していることから減損損失はその他の費用として営業損益に含まれ、営業利益以下の各段階利益に影響しております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
なお、当社は2024年4月18日開催の取締役会において、リーガルメディア事業部と派生メディア事業部を束ねる「メディア事業本部」を新設することを決議しており、当連結会計年度より従来「リーガルメディア関連事業」としていた報告セグメント名称を「メディア事業」に変更しております。当該セグメントの名称変更によりセグメント情報に与える影響はありません。
[メディア事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加に加えて、新たなユーザーの獲得に向けた施策検討を行うとともに、高価格商品の販売が好調に推移いたしました。また、派生メディアにおいては、企業の採用意欲の高まりが継続していることや積極的な広告出稿といった背景に加えて、送客の質や量が評価されていることも起因し、転職メディア「キャリズム」の案件数が大幅に増加いたしました。派生メディアは主に転職メディア「キャリズム」が同事業の大半の収益を占めておりますが、第3四半期から好調であった浮気調査のための探偵事務所を検索する「浮気調査ナビ」も引き続き好調に推移しております。一方、ビッコレ取得に係るのれん136,549千円を減損損失として計上しております。以上の結果、売上収益は4,427,134千円(前年同期比47.7%増)、セグメント利益は1,092,602千円(同27.2%増)となりました。
なお、リーガルメディアの売上収益は2,460,690千円(同33.9%増)、営業利益は767,012千円(同31.7%増)となりました。また、派生メディアの売上収益は1,966,444千円(同69.6%増)、営業利益は325,590千円(同17.9%増)となりました。
[HR事業]
人材紹介に関しては、業務フローの改善や業務効率化等を推し進め、体制の最適化を図ってまいりました。また、今期より連結子会社である株式会社ヒトタスにて人材派遣の許認可を取得して人材派遣事業を開始しております。以上の結果、売上収益は295,167千円(前年同期比117.5%増)、セグメント損益は182,000千円の損失(前年同期は161,931千円の損失)となりました。
[保険事業]
株式会社アシロ少額短期保険が営む保険事業は、これまで既存商品の拡販に注力しておりましたが、当連結会計年度より主に新商品の開発に注力しており、商品開発等今後の成長に向けた準備を行っております。一方、株式会社アシロ少額短期保険取得に係るのれん及び使用権資産66,911千円を減損損失として計上しております。以上の結果、売上収益は75,954千円(前年同期比17.8%増)、セグメント損益は130,470千円の損失(前年同期は217,499千円の損失)となりました。
[その他]
現時点では重要性の乏しい新規事業等を報告セグメントに含まれない事業セグメントとして区分し、「その他」として開示しております。当連結会計年度は、当該セグメントの実績計上はありません(前期は、売上収益は259千円、セグメント損益は2,464千円の損失)。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,596,471千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは729,894千円の資金流入(前期は103,212千円の資金流出)となりました。これは主に、増加要因として税引前利益の計上318,572千円、ビッコレ取得に係るのれんの減損損失並びに保険事業におけるのれん及び使用権資産の減損損失の計上203,460千円、減価償却費及び償却費158,979千円、仕入債務及びその他の債務の増加240,201千円、その他の流動負債の増加118,244千円、減少要因として売上債権及びその他の債権の増加318,904千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは10,769千円の資金流出(同168,425千円の資金流出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出9,335千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは348,607千円の資金流出(同377,944千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因として配当金の支払による支出98,013千円、長期借入金の返済による支出105,576千円、社債の償還による支出70,000千円、リース負債の返済による支出101,491千円によるものであります。
(参考情報)
当社グループは、投資家が会計基準の差異にとらわれることなく、当社グループの業績評価を行い、当社グループの企業価値についての純粋な成長を把握するうえで有用な情報を提供することを目的として、EBITDA及び調整後EBITDAを経営成績に関する参考指標として公表することとしました。EBITDAは、営業利益から非資金費用項目(減価償却費及び償却費)等の影響を除外しております。また、調整後EBITDAは、EBITDAからIFRS適用に伴う非資金費用項目(株式報酬費用、使用権資産の償却費等)の影響を除外しております。
EBITDA及び調整後EBITDAの計算式及び算出方法は次のとおりであります。
・EBITDA =営業利益+減価償却費及び償却費-その他の収益 +その他の費用
・調整後EBITDA =EBITDA ±IFRS適用に伴う非資金費用項目
(単位:千円) |
|
前連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
財務諸表における営業利益 |
53,271 |
328,712 |
+減価償却費及び償却費 |
136,644 |
158,979 |
-その他の収益 |
△5,620 |
△31,634 |
+その他の費用 |
114,555 |
204,460 |
小計 |
245,579 |
331,805 |
EBITDA |
298,850 |
660,517 |
+有給休暇引当金繰入額 |
6,186 |
10,544 |
+株式報酬費用 |
10,470 |
11,880 |
+敷金の計上額の調整 |
179 |
267 |
-使用権資産償却費の調整 |
△91,045 |
△111,726 |
-資本取引直接増分費用の調整 |
△1,991 |
- |
小計 |
△76,202 |
△89,035 |
調整後EBITDA |
222,648 |
571,482 |
(注)千円未満は四捨五入して記載しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当社グループは、生産活動を行っていませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
(受注実績)
当社グループは、受注生産を行っていませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
前年同期比(%) |
メディア事業 (千円) |
4,427,134 |
147.7 |
うち、リーガルメディア (千円) |
2,460,690 |
133.9 |
派生メディア (千円) |
1,966,444 |
169.6 |
HR事業 (千円) |
295,167 |
217.5 |
保険事業 (千円) |
75,954 |
117.8 |
合計(千円) |
4,798,254 |
150.0 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りを行うに当たり過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって特に重要と認識しているものは以下のとおりであります。
・のれんの減損テスト
当社グループは、のれんについて、毎期又は減損の兆候が存在する場合には都度、減損テストを実施しております。減損テスト時に見積る資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。なお、この公正価値は、用いられる評価技法へのインプットに基づき、レベル3に区分されます。
重要なのれんの資金生成単位の状況は以下のとおりであります。
メディア事業におけるのれん
メディア事業におけるのれん1,138,725千円は、株式会社ASIROが旧 株式会社アシロ(実質的な存続会社)の株式を取得して子会社化し、旧 株式会社アシロを吸収合併したことで生じたものであります。
当該使用価値は、取締役会が承認した3年以内の事業計画のうちメディア事業に係る計数を基礎とし(今後の3年間の売上収益の成長率は前連結会計年度においては平均24.2%、当連結会計年度においては平均16.1%と仮定して算出)、その後の永久成長率は0%と仮定して計算した将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。この事業計画は、運営するメディアサイトの掲載枠数等を計画に基づいて見積り、過去の実績及び外部環境とも整合性を取ったうえで策定しております。また、この事業計画は、主としてリーガルメディアにおいては掲載枠数、派生メディアにおいては問合せ数の影響を受けます。
使用価値の測定で使用した割引率は、前連結会計年度においては12.3%、当連結会計年度においては12.1%であり、これは、税引前加重平均資本コストを基礎に、外部情報及び内部情報を用いて事業に係るリスク等が適切に反映されるよう算定しております。
資金生成単位の使用価値を算定して実施した減損テストにおいて主要な感応度を示す仮定は将来キャッシュ・フローの見積額及び割引率です。
前連結会計年度末において回収可能価額は、のれんが含まれる資金生成単位グループの資産の帳簿価額を9,182百万円上回っておりますが、仮に各期の将来キャッシュ・フローの見積額が82.2%減少した場合、又は割引率が56.5%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。
当連結会計年度末において回収可能価額は、のれんが含まれる資金生成単位グループの資産の帳簿価額を14,456百万円上回っておりますが、仮に各期の将来キャッシュ・フローの見積額が87.3%減少した場合、又は割引率が99.3%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。
上記の減損計上の余裕度に関する推定は、各期の将来の見積キャッシュ・フローの減少及び割引率の上昇がそれぞれ単独で発生するとの仮定に基づき記載しております。
減損テストの結果、算定された回収可能価額は帳簿価額を上回っているため、減損損失は計上しておりません。主要な仮定は不確実な要素の変動によって影響を受けるため、これらの仮定の見直しが必要となった場合には、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態
(単位:千円)
|
前連結会計年度 (2023年10月31日) |
当連結会計年度 (2024年10月31日) |
前年同期比 |
||
増減額 |
増減率(%) |
||||
|
流動資産 |
1,782,395 |
2,425,724 |
643,329 |
36.1 |
|
非流動資産 |
1,938,684 |
1,635,812 |
△302,872 |
△15.6 |
資産合計 |
3,721,079 |
4,061,536 |
340,456 |
9.1 |
|
|
流動負債 |
764,542 |
1,289,498 |
524,956 |
68.7 |
|
非流動負債 |
729,087 |
475,986 |
△253,101 |
△34.7 |
負債合計 |
1,493,629 |
1,765,484 |
271,856 |
18.2 |
|
資本合計 |
2,227,450 |
2,296,051 |
68,601 |
3.1 |
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて340,456千円増加し、4,061,536千円となりました。この主な要因は、現金及び現金同等物が370,518千円、営業活動に伴う売上債権及びその他の債権が318,904千円増加した一方、ビッコレ関連事業に係るのれんの減損損失の計上、保険事業に係るのれん及び使用権資産の減損損失の計上や使用権資産の償却に伴い、のれんが201,478千円、使用権資産が113,708千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて271,856千円増加し、1,765,484千円となりました。この主な要因は、返済により社債及び借入金が172,348千円減少した一方、利益の計上等により未払法人所得税が177,338千円、営業活動に伴う仕入債務及びその他の債務が253,748千円増加したことによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて68,601千円増加し、2,296,051千円となりました。この主な要因は、当期利益の計上等により利益剰余金が142,160千円増加した一方、期末配当の実施等により資本剰余金が93,416千円、自己株式の処分により自己株式が11,006千円減少したことによるものであります。
ⅱ.経営成績
(単位:千円)
|
前連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
前年同期比 |
|
増減額 |
増減率 (%) |
|||
売上収益 |
3,197,782 |
4,798,254 |
1,600,472 |
50.0 |
メディア事業 |
2,997,316 |
4,427,134 |
1,429,818 |
47.7 |
うち、リーガルメディア |
1,838,036 |
2,460,690 |
622,654 |
33.9 |
派生メディア |
1,159,279 |
1,966,444 |
807,164 |
69.6 |
HR事業 |
135,739 |
295,167 |
159,428 |
117.5 |
保険事業 |
64,469 |
75,954 |
11,485 |
17.8 |
その他 |
259 |
- |
△259 |
- |
売上原価 |
1,941,274 |
3,036,536 |
1,095,262 |
56.4 |
売上総利益 |
1,256,508 |
1,761,717 |
505,209 |
40.2 |
販売費及び一般管理費 |
1,094,302 |
1,260,179 |
165,877 |
15.2 |
その他の収益 |
5,620 |
31,634 |
26,014 |
462.9 |
その他の費用 |
114,555 |
204,460 |
89,905 |
78.5 |
営業利益 |
53,271 |
328,712 |
275,441 |
517.1 |
税引前利益 |
43,235 |
318,572 |
275,337 |
636.8 |
当期利益(△損失) |
△38,469 |
127,996 |
166,465 |
- |
親会社の所有者に帰属する当期利益 (△損失) |
△12,397 |
142,160 |
154,557 |
- |
当連結会計年度における経営成績は、売上収益は4,798,254千円(前期比50.0%増)となりました。
[メディア事業]
リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加に加えて、新たなユーザーの獲得に向けた施策検討を行うとともに、高価格商品の販売が好調に推移いたしました。また、派生メディアにおいては、企業の採用意欲の高まりが継続していることや積極的な広告出稿といった背景に加えて、送客の質や量が評価されていることも起因し、転職メディア「キャリズム」の案件数が大幅に増加いたしました。派生メディアは主に転職メディア「キャリズム」が同事業の大半の収益を占めておりますが、第3四半期から好調であった浮気調査のための探偵事務所を検索する「浮気調査ナビ」も引き続き好調に推移しております。一方、ビッコレ取得に係るのれん136,549千円を減損損失として計上しております。以上の結果、売上収益は4,427,134千円(前年同期比47.7%増)、セグメント利益は1,092,602千円(同27.2%増)となりました。
なお、リーガルメディアの売上収益は2,460,690千円(同33.9%増)、営業利益は767,012千円(同31.7%増)となりました。また、派生メディアの売上収益は1,966,444千円(同69.6%増)、営業利益は325,590千円(同17.9%増)となりました。
[HR事業]
人材紹介に関しては、業務フローの改善や業務効率化等を推し進め、体制の最適化を図ってまいりました。また、今期より連結子会社である株式会社ヒトタスにて人材派遣の許認可を取得して人材派遣事業を開始しております。以上の結果、売上収益は295,167千円(前年同期比117.5%増)、セグメント損益は182,000千円の損失(前年同期は161,931千円の損失)となりました。
[保険事業]
株式会社アシロ少額短期保険が営む保険事業は、これまで既存商品の拡販に注力しておりましたが、当連結会計年度より主に新商品の開発に注力しており、商品開発等今後の成長に向けた準備を行っております。一方、株式会社アシロ少額短期保険取得に係るのれん及び使用権資産66,911千円を減損損失として計上しております。以上の結果、売上収益は75,954千円(前年同期比17.8%増)、セグメント損益は130,470千円の損失(前年同期は217,499千円の損失)となりました。
[その他]
現時点では重要性の乏しい新規事業等を報告セグメントに含まれない事業セグメントとして区分し、「その他」として開示しております。当連結会計年度は、当該セグメントの実績計上はありません(前期は、売上収益は259千円、セグメント損益は2,464千円の損失)。
売上原価は、1,095,262千円増加して3,036,536千円(同56.4%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は、165,877千円増加して1,260,179千円(同15.2%増)となりました。当社は2025年10月期に売上収益55億円、営業利益11億円の達成を主な目標とする中期経営計画を策定しており、そのための施策として当連結会計年度を中長期的な成長のための投資を積極化させる「成長投資期間」と位置付けていることから、売上原価や販売費及び一般管理費が増加いたしました。具体的には、売上原価の大半を占める広告媒体費が売上収益の増加に伴って増加した他、社員数の増加に伴って人件費や採用費、オフィス増床に伴う家賃等の各種費用が増加いたしました。
以上の結果、営業利益は328,712千円(同517.1%増)、税引前利益は318,572千円(同636.8%増)、当期利益は127,996千円(前期は38,469千円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は142,160千円(前期は12,397千円の損失)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
(単位:千円)
|
前連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
|||
金額 |
構成比(注) (%) |
金額 |
構成比(注) (%) |
||
メディア事業 |
売上収益 |
2,997,316 |
93.7 |
4,427,134 |
92.3 |
セグメント利益 |
858,786 |
1,612.1 |
1,092,602 |
332.4 |
|
HR事業 |
売上収益 |
135,739 |
4.3 |
295,167 |
6.2 |
セグメント利益 |
△161,931 |
△304.0 |
△182,000 |
△55.4 |
|
保険事業 |
売上収益 |
64,469 |
2.0 |
75,954 |
1.6 |
セグメント利益 |
△217,499 |
△408.3 |
△130,470 |
△39.7 |
|
その他 |
売上収益 |
259 |
0.0 |
- |
- |
セグメント利益 |
△2,464 |
△4.6 |
- |
- |
|
調整額 |
売上収益 |
- |
- |
- |
- |
セグメント利益 |
△423,621 |
△795.2 |
△451,420 |
△137.3 |
|
合計 |
売上収益 |
3,197,782 |
100.0 |
4,798,254 |
100.0 |
セグメント利益 |
53,271 |
100.0 |
328,712 |
100.0 |
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体のセグメント利益に占める比率を記載しております。
メディア事業における売上収益及び営業利益について、リーガルメディアと派生メディアの内訳及びリーガルメディアにおけるストック収益とフロー収益の内訳(注)は次のとおりであります。
(注)リカーリングで発生する月額定額の掲載料収入をストック収益として集計し、ストック収益以外の収益をフロー収益として集計しております。なお、フロー収益は主に初期手数料やアフィリエイト収入、当社が保険代理店となっている保険商品の代理店手数料で構成されております。
(単位:千円)
|
前連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
|||
金額 |
構成比(注) (%) |
金額 |
構成比(注) (%) |
||
リーガルメディア |
売上収益 |
1,838,036 |
57.5 |
2,460,690 |
51.3 |
うち、ストック収益 |
1,635,879 |
51.2 |
2,227,423 |
46.4 |
|
うち、フロー収益 |
202,157 |
6.3 |
233,267 |
4.9 |
|
営業利益 |
582,522 |
1,093.5 |
767,012 |
233.3 |
|
派生メディア |
売上収益 |
1,159,279 |
36.3 |
1,966,444 |
41.0 |
営業利益 |
276,264 |
518.6 |
325,590 |
99.1 |
|
合計 |
売上収益 |
2,997,316 |
93.7 |
4,427,134 |
92.3 |
営業利益 |
858,786 |
1,612.1 |
1,092,602 |
332.4 |
(注)それぞれ対連結全体の売上収益、対連結全体の営業利益に占める比率を記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
(単位:千円)
|
前連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年11月1日 至 2024年10月31日) |
前年同期比 |
|
増減額 |
||||
営業活動によるキャッシュ・フロー |
△103,212 |
729,894 |
833,105 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△168,425 |
△10,769 |
157,656 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△377,944 |
△348,607 |
29,336 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
1,225,953 |
1,596,471 |
370,518 |
|
有利子負債(リース負債を除く) |
665,181 |
492,833 |
△172,348 |
|
|
短期 |
172,538 |
149,362 |
△23,176 |
|
長期 |
492,643 |
343,471 |
△149,171 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,596,471千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは729,894千円の資金流入(前期は103,212千円の資金流出)となりました。これは主に、増加要因として税引前利益の計上318,572千円、ビッコレ取得に係るのれんの減損損失並びに保険事業におけるのれん及び使用権資産の減損損失の計上203,460千円、減価償却費及び償却費158,979千円、仕入債務及びその他の債務の増加240,201千円、その他の流動負債の増加118,244千円、減少要因として売上債権及びその他の債権の増加318,904千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは10,769千円の資金流出(同168,425千円の資金流出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出9,335千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは348,607千円の資金流出(同377,944千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因として配当金の支払による支出98,013千円、長期借入金の返済による支出105,576千円、社債の償還による支出70,000千円、リース負債の返済による支出101,491千円によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社が運営する各種メディアサイトに関する広告費用等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより大部分の運転資金の確保が可能であり、必要に応じて金融機関からの借入等を行う方針であります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の課題について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益の継続的かつ累積的な増加を実現するため、リーガルメディアの有料広告の掲載枠数を主要な経営指標と位置づけております。下表のとおり掲載枠数は継続的に増加しており、当連結会計年度(2024年10月期)末時点における掲載枠数は、営業活動及びフォロー活動の強化により前年同月期比30.3%増となっており、売上収益の継続的かつ累積的な増加に向けた事業展開も順調に推移しているものと認識しております。
リーガルメディアの掲載枠数
(単位:件)
|
2020年10月期 |
2021年10月期 |
2022年10月期 |
2023年10月期 |
2024年10月期 |
掲載枠数(期末時点) |
1,276 |
1,478 |
1,925 |
2,415 |
3,146 |
該当事項はありません。
該当事項はありません。