第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 我が国経済の状況

 当中間会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調をたどっています。一方で、円安に伴う原材料費の高止まりや物価上昇により、個人消費は一部に足踏みが残っており、長期化するウクライナ情勢や中東情勢による地政学的リスクの高まり、各国の金利政策等により、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。

 

② 当社業績と関連性が高い市場の状況

アプリケーションサービス事業と関連性がある宿泊旅行業界においては、旺盛なインバウンド需要を背景として、宿泊需要が堅調に推移しました。

観光庁の調査によると、2024年7月から2024年11月までの日本国内における延べ宿泊者数は前年同期比約3.6%増、外国人延べ宿泊者数は約25.8%増となり、宿泊需要が堅調に推移しております。なお、2024年7月から2024年11月における日本国内の延べ宿泊者数に占める外国人延べ宿泊者数の割合は約24.2%となり、前年同期比約4.3%増となりインバウンド需要が堅調に推移しております。また、日本政府観光局の発表によると、2024年7月から2024年12月の訪日外客の総数は約1,908万人で、前年同期比約32.9%増と前年を上回る数字となりました。なお、同期間の訪日外客の総数は、2019年と比較し約25%増となっており、過去最高を更新しております。

このような事業環境の中、当社においては、引き続き宿泊需要が堅調に推移すると捉えており、宿泊施設の業務効率化や利便性向上を目的としたシステム連携や、宿泊施設の販路拡大を目的とした国内外の宿泊予約サイト等との連携、そして『TEMAIRAZU』シリーズの機能拡充や営業活動の強化など、積極的に進めてまいります。

 

 

③ 業績の概況

 アプリケーションサービス事業において、宿泊需要が堅調に推移したことから、当中間会計期間の売上高は1,068,453千円(前年同期比9.2%増)となり、営業利益は783,680千円(前年同期比8.8%増)、経常利益は786,876千円(前年同期比9.2%増)、中間純利益は513,195千円(前年同期比8.3%増)となりました。

 

 各セグメントの状況は以下のとおりです。

 

(アプリケーションサービス事業)

 宿泊予約サイトコントローラー『TEMAIRAZU』シリーズにおいて、宿泊業界での人手不足の課題に対して、業務効率化・利便性向上を図ることを目的に、新サービスの投入、機能改善、国内外のオンライン予約サイト(OTA)をはじめとする各種システムとの連携拡充、システム強化に取り組んでおります。

『TEMAIRAZU』シリーズでは、継続的な機能改善、『手間いらず 自動』の機能強化および新たな関連サービスの開発を行っております。『手間いらず 自動』は、季節や曜日、予約状況等に応じた適切な販売価格を設定する業務(レベニューマネジメント)や日々の報告業務等を自動化し、より一層の業務効率化とコスト削減によって宿泊施設の利益を最大化するソリューションとなっております。当中間会計期間においては、『手間いらず 自動』の特長である販売価格の自動調整機能『ターゲットプライス』の機能強化、マーケット情報に基づいたアラート機能の追加などの機能拡充を行いました。また、『TEMAIRAZU』シリーズと予約データを連携し活用が可能なマーケティングツール『手間なしマーケティング』の提供を開始しております。その他、顧客要望に応じた複数の機能改善を実施し、業務効率化による人材不足への対応と、宿泊施設の価値向上のための新たな施策に取り組むことが可能となっております。

 また、宿泊施設の販路拡大を図ることを目的に、株式会社Unitoが運営するオンラインで契約が完結でき最短即日で入居可能なサービスアパートメント・ホテルを探すことができるプラットフォーム『unito』とのシステム連携を開始しました。宿泊施設にとってはリピーターの集客と中長期滞在プランの販売機会の拡大につながります。加えて、イオンコンパス株式会社が運営するイオングループの会員特典やWAON POINTとの連携、宿泊、レンタカーやパッケージツアー等が充実した旅行予約サイト『イオンコンパストラベルモール』とのシステム連携を開始しました。さらに、インバウンド需要の獲得につながるOTAとのシステム接続では、韓国大手旅行会社であるTIDESQUARE社の『ツアービス』、『PRIVIA』とのシステム連携に加え、世界180か国、月間7,000万人が利用するKlook Travel Technology Limited(本社:香港)が運営する旅行・レジャー予約サイト『Klook』とのシステム連携を開始しました。訪日外客数が過去最多を更新する中、宿泊施設においてはこれらの販路を活用することによる稼働率の向上と売上高の増加が期待できます。

 『TEMAIRAZU』シリーズの実績を生かした新たな取り組みとして、当社と全日本空輸株式会社(ANA)による『Universal MaaS』の共同プロジェクトを開始しました。今後、ANAの「一括サポート手配」サービスと連携して宿泊施設の予約が一括で可能となる予定です。また、宿泊施設のバリアフリー調査をはじめ『Universal MaaS~誰もが移動をあきらめない世界へ~』のコンセプト実現に向けた実証実験を進めてまいります。

 営業活動においては、パートナー企業との共同ウェビナー開催等のプロモーション活動を実施するとともに、『ホテル・レストラン・ ショー&FOODEX JAPAN in 関西 2024』に出展し、当社ブースにも沢山の方々にお越しいただきました。

 宿泊業界では、宿泊需要が堅調に推移しており、当社は、このような事業環境の中、『TEMAIRAZU』シリーズのサービス価値向上に努めてまいりました。

 この結果、アプリケーションサービス事業の当中間会計期間における経営成績は、売上高が1,061,970千円(前年同期比9.9%増)となり、セグメント利益は861,489千円(前年同期比9.4%増)となりました。

 

(インターネットメディア事業)

 比較サイト『比較.com』においては、検索エンジンの最適化、ユーザーインターフェイスの改善、モバイルユーザビリティの向上等の対策を継続的に行いましたが、検索エンジンのアルゴリズムの影響を受け、サイトのトラフィックが減少しました。

 この結果、インターネットメディア事業の当中間会計期間の売上高は6,483千円(前年同期比45.0%減)となり、セグメント利益は1,818千円(前年同期比72.7%減)となりました。

 

 

④ 資産、負債及び純資産の状況

 当中間会計期間における資産合計は、前事業年度末に比べ372,991千円増加し、7,350,495千円となりました。流動資産は379,864千円増加し、7,279,284千円となりました。主な要因は現金及び預金の増加373,059千円であります。固定資産は6,872千円減少し、71,211千円となりました。主な要因は投資その他の資産のその他に含まれる長期前払費用の減少4,158千円であります。

 当中間会計期間における負債合計は、前事業年度末に比べ12,482千円減少し、407,350千円となりました。流動負債は12,482千円減少し、407,350千円となりました。主な要因は未払法人税等の減少7,878千円であります。なお、当社に固定負債はありません。

 当中間会計期間における純資産合計は、前事業年度末に比べ385,473千円増加し、6,943,145千円となりました。主な要因は中間純利益513,195千円の計上による増加と配当金の支払いによる減少129,597千円であります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において営業活動の結果獲得した資金は502,362千円(前年同期累計期間は413,138千円の獲得)となりました。これは主に、税引前中間純利益786,876千円の計上と法人税等の支払279,128千円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローはありません。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において財務活動の結果使用した資金は129,303千円(前年同期累計期間は113,272千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払い129,303千円によるものです。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当中間会計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。