名称 シー・シックス・エイト株式会社
所在地 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号
(1) 普通株式
(2) 2016年8月10日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)(行使期間は2016年9月3日から2046年9月2日まで)
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2025年2月4日開催の取締役会において、下記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員である取締役を含みます。)の承認」に記載の方法により決議されております。
本「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいて記載しております。
公開買付者は、アント・キャピタル・パートナーズ株式会社(以下「アント・キャピタル・パートナーズ」といいます。)が無限責任組合員として運営を行う投資ファンドであるアント・カタライザー6号投資事業有限責任組合により議決権の全てを所有されているシー・シックス・エイト・ホールディングス株式会社(以下「公開買付者親会社」といいます。)が発行済株式の全てを直接に所有する法人であり、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全てを所有し、当社の事業活動を支配及び管理することを主たる目的として2024年12月27日に設立された株式会社とのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は、当社株式を100株所有しているとのことです。
アント・キャピタル・パートナーズは2000年に設立された投資会社であり、プライベート・エクイティ投資(バイアウト)業界の草創期から投資活動を行っており、過去24年間で製造業、小売業、サービス業、情報通信業など多種多様な業種・業態の50社超へのバイアウト投資及び投資後の経営支援を実行しているとのことです。主な投資実績としては、株式会社本間ゴルフ、株式会社麦の穂ホールディングス、バリオセキュア・ネットワークス株式会社(バリオセキュア株式会社)、株式会社Casa、株式会社ムーンスター、株式会社壮関、株式会社アロスワングループ、株式会社アントレ、株式会社アミノ、株式会社ヴイ・エス・テクノロジー、株式会社APEX、ソフトブレーン株式会社、株式会社羅針、SOMPOオークス株式会社(現オークスモビリティ株式会社)等が挙げられるとのことです。具体的な経営支援のメニューは多岐にわたるとのことですが、一般的な投資会社の提供する資本・財務的支援にとどまらず、役職員と同じ目線で投資先の経営に自ら参画することで、経営改善・成長戦略を実行し、投資先会社の企業価値の向上を実現した実績を有しているとのことです。
今般、公開買付者は、2025年2月4日、当社を完全子会社化することを目的として、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社株式の全て(ただし、譲渡制限付株式報酬として当社の従業員に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得するための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを本書提出日から開始することを決定したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの実施にあたり、2025年2月4日付で、当社の筆頭株主であるアセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド(Asset Value Investors Limited)(以下「AVI」といいます。)との間で、AVI又はAVIが運用業務を受託するAVI Japan Opportunity Trust Plc及びAVI Japanese Special Situations Fund(以下「AVI投資法人」といいます。)が所有する当社株式(所有株式:2,067,400株、所有割合(注1):10.69%)の全て(以下「応募予定株式(AVI)」といいます。)について本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(AVI)」といいます。)を、当社の第2位株主である德平正憲氏(以下「德平氏」といいます。)との間で、その所有する当社株式(所有株式:1,968,000株、所有割合:10.18%)の全て(以下「応募予定株式(德平氏)」といいます。)について本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(德平氏)」といいます。)を、当社の第3位株主である株式会社NS(以下「NS」といい、AVI及び德平氏と総称して「応募予定株主」といいます。)との間で、その所有する当社株式(所有株式:912,000株、所有割合:4.72%)の全て(以下「応募予定株式(NS)」といいます。)について本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(NS)」といいます。)を、それぞれ締結し(以下、本応募契約(AVI)、本応募契約(德平氏)及び本応募契約(NS)を総称して、「本応募契約」といいます。)、各応募予定株主が所有する当社株式の全て(合計所有株式:4,947,400株、所有割合の合計:25.58%)(以下、総称して「応募予定株式」といいます。)を本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。
本応募契約の詳細については、下記「(7) 公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
(注1) 所有割合とは、当社が2025年2月4日に公表した「2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2024年12月31日時点の発行済株式総数(20,400,000株)から、当社決算短信に記載された2024年12月31日時点の当社が所有する自己株式数(1,067,435株)を控除した株式数(19,332,565株)に、当社から2024年12月31日現在残存するものと報告を受けた本新株予約権(32個)の目的となる当社株式の数(6,400株)を加算した株式数(19,338,965株、以下「潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。以下同じです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて、当社の株主を公開買付者のみとして当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、買付予定数の下限を12,892,500株(所有割合:66.67%)としており、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、本公開買付けにおいて、当社の株主を公開買付者のみとして当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(12,892,500株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(12,892,500株)は、潜在株式勘案後株式総数(19,338,965株)に係る議決権の数(193,389個)に3分の2を乗じた数(128,926個(小数点以下を切上げ))に、当社の単元株式数である100株を乗じた株式数から公開買付者が所有する当社株式の数(100株)を減じた株式数(12,892,500株)に設定しているとのことです。このような買付予定数の下限を設定した理由は、公開買付者が、本取引において、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているとのことですが、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社に対し、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を完全子会社化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)の実施を要請する予定であるところ、本スクイーズアウト手続として株式併合(下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」に定義します。)の手続を行う場合には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件となっていることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、公開買付者が、特別決議に必要となる議決権割合に相当する、当社の総株主の議決権の3分の2以上の議決権を取得することで、当該要件を満たすことができるように設定したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、公開買付者親会社から11,101,000千円の出資を受けるとともに、株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)から合計12,602,000千円を上限として借入れを受けることを予定しており、これらの資金をもって、本公開買付けの決済資金等に充当する予定とのことです。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を公開買付者の完全子会社とするための本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
当社の企業集団は、当社及び連結子会社9社、非連結子会社1社、及び持分法適用関連会社2社で構成されており(以下「当社グループ」といいます。)、「情報システムソリューションサービス事業」を主な事業内容としております。企業向けの経営・業務領域におけるDX推進ビジネスを柱に、次の3つのソリューションサービスを日本、北米、インド、欧州のネットワークを活かしてグローバルに展開しております。
(a) ERP(Enterprise Resource Planning)
ERPは、ヒト・モノ・カネ・情報を部門横断でつなぎ、デジタルで一元管理することで、生産・購買・販売・会計といった顧客の基幹業務の効率化・高度化を実現するシステムです。当社グループで取り扱う主なERP製品は、SAP S/4 HANA・mcframeであり、当該製品が使用される場面や業種は多岐にわたるところ、当社グループが特に強みを持つ製造業においては、当該製品の使用により、在庫・会計領域を中心に業務効率化が期待できるほか、言語・通貨・商習慣の壁を越えてグローバルなビジネス展開が可能になります。当社は、当社が2024年12月に公表した「Integrated Report 2024」(以下「統合報告書」といいます。)に記載のとおり、ERPの市場は年平均成長率約10.5%程度で推移し、今後もマーケットが拡大していく領域と認識しております。
(b) CRM(Customer Relationship Management)
CRMは、導入企業が自社の顧客情報を把握し、それぞれの顧客に最適な提案を行うことで、顧客満足と顧客ロイヤルティを向上させ、売上の拡大と収益性の向上に貢献するシステムです。当社グループで取り扱う主なCRM製品はSalesforceであり、当該製品が使用される業種は多岐にわたるところ、特に営業やマーケティングの場面で使用されることが多く、導入企業が持つ顧客情報の一元化や、営業プロセスの可視化が可能になります。当社は、統合報告書に記載のとおり、CRMの市場は今後も年平均成長率約11.8%程度で推移し、こちらもERP同様有望なマーケットであると認識しております。当社は海外の連結子会社でもCRM事業を推進しており、グローバルにCRM事業を展開可能な会社として優位性があると認識しております。
(c) CBP(Connected Business Platform)
CBPは、基幹システム(ERP/CRM)を企業間でつなぎ、サプライチェーン全体での効率化を実現するための当社独自の業務プラットフォームです。顧客の基幹業務における注文から決済業務等の非競争領域を、業務運用を犠牲にすることなく統合、標準化します。具体的には、CBPを使用して発注企業と受注企業の取引業務プロセスにおける情報を一元管理することで、業務担当者によるシステム入力作業や書類の原本郵送、ファイリングといった業務が効率化されます。人口減少のトレンドや働き方改革等の社会情勢を踏まえると、今後このような業務効率化に対する企業のニーズは高くなることが見込まれると考えております。当社は統合したデータベースを保有している点において、他社製の類似サービスと比較して優位性を保持していると考えております。
当社は、企業理念として「お客さま企業のデータドリブン経営(注1)を支援し、DXで“つながる社会の未来を切り拓く”」を掲げ、「企業・人・データをつなぎ社会の発展に貢献する」をミッション、「LEAD THE CONNECTED SOCIETY TO THE FUTURE ~つながる社会の未来を切り拓く~」をビジョン、「顧客志向・グローバル志向、個性融合のチームワーク、創造、変革、改善」をバリューと設定しております。1994年4月の創業から、常に顧客ニーズの多様化に併せてビジネスを拡充し、利益を上げて参りました。特に、直近10年においてはM&Aによるグローバル展開を積極的に推進し、国内では競争が一層激化する中で様々な経営施策が奏功し、売上高、営業利益ともに10%超の成長を実現して参りました。
(注1) 「デ―タドリブン経営」とは、企業に蓄積された様々なデータを起点に、経営における重要な意思決定や戦略立案をスピーディーに行う経営手法のことを指します。
当社株式は、2012年12月に株式会社大阪証券取引所JASDAQ市場に上場し、2015年6月に東京証券取引所市場第二部に市場変更、2015年9月に東京証券取引所市場第一部に市場変更しました。2022年4月に東京証券取引所プライム市場に移行してからは、自己株式の取得や株主優待の導入を含めた株主還元施策を積極的に進めて参りましたが、2023年6月に当社が公表した「プライム市場上場維持に向けた適合計画の進捗状況及びスタンダード市場上場の選択申請の決定に関するお知らせ」に記載のとおり、東京証券取引所プライム市場において規定される上場維持基準のうち、流通株式時価総額は95億円と、上場維持基準である100億円を満たしておりませんでした。
一方で、当社は株主の皆様が安心して当社株式を保有、購入・売却できる環境を確保し続けることが責務だと考えておりました。僅かな差ではあるものの、基準未達となっていた流通株式時価総額については、上記の取組や業績だけでなく、グローバルな経済環境・当社の属する市場環境・投資動向をはじめとする外的な要因も影響するものと認識していたことから、基準未達による上場廃止リスクや株主の皆様の当社の経営方針や取組みに対する信頼、当社の持続的成長を総合的に勘案して、2023年10月に東京証券取引所スタンダード市場に移行いたしました。
アント・キャピタル・パートナーズは、2024年9月25日、当社より、当社のファイナンシャル・アドバイザーである株式会社三菱UFJ銀行コーポレート情報営業部財務開発室(以下「三菱UFJ銀行財務開発室」といいます。)を通じて、当社株式の全てを公開買付け等の手法により取得し、またこれに伴う当社の今後の更なる成長を実現させるためのパートナー選定のための入札手続(以下「本入札プロセス」といいます。)を行うこととし、その第一次入札プロセス(以下「本第一次入札プロセス」といいます。)を行う旨の連絡を受け、また、本第一次入札プロセスへの参加の打診を受けたとのことです。これを受けて、アント・キャピタル・パートナーズは、当社を完全子会社化することを前提に、2024年9月25日より当社株式の取得の是非について初期的な検討を実施する中で、当社事業の成長性を評価するに至り、2024年10月上旬に本第一次入札プロセスへの参加を決定したとのことです。初期的な検討を進める中で、アント・キャピタル・パートナーズは、当社のユニークなポジショニングや競争優位性を高く評価するに至り、2024年10月11日に当社株式の公開買付け及びスクイーズアウト手続を通じた当社株式の非公開化を提案する法的拘束力を持たない意向表明書を提出したとのことです。その後、当社より、アント・キャピタル・パートナーズに対して、三菱UFJ銀行財務開発室を通じて、公開買付価格の再考の申し入れを受け、2024年10月21日に意向表明書を再度提出したとのことです。
その後、アント・キャピタル・パートナーズは、三菱UFJ銀行財務開発室を通じて、当社から、2024年10月22日に、本第一次入札プロセス通過の連絡、当社経営陣へのインタビューを含むデュー・ディリジェンスの機会を提供する旨の連絡及び法的拘束力を有する公開買付価格の提案要請を受けたとのことです。また、当該通知を受け、アント・キャピタル・パートナーズは、公開買付者、応募予定株主及び当社(以下、公開買付者、応募予定株主及び当社を総称して「公開買付関連当事者」といいます。)から独立したリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザーとして大和証券株式会社を選任したとのことです。2024年10月下旬から同年12月下旬にかけて、アント・キャピタル・パートナーズは、当社の事業に関する本格的なデュー・ディリジェンス、当社の経営陣との面談等を実施し、それらの過程で取得した情報を踏まえて、本取引の意義、買収ストラクチャー、本取引の実現可能性、買収後のガバナンスや経営方針について、更なる分析及び検討を進めてきたとのことです。かかる検討の結果、アント・キャピタル・パートナーズは、当社が有する顧客基盤やプロジェクトマネジメント能力、そして特に人材(採用・育成・リテンション)といった観点で強みを有しており、業界におけるユニークなポジショニングを軸にこれまで成長を遂げてきたという実績を高く評価するに至ったとのことです。一方で、会社全体として中長期的な更なる成長を目指すという観点では、当社が強みを有する国内ERP領域やCRM領域における成長を軸に、独自のプロダクトであるCBPを含むストック売上の拡大や海外売上の拡大にも取り組みつつ、事業全体としても規模の拡大を追求する、という経営戦略が重要であると想定しているとのことです。本取引により当社を完全子会社化した後は、過去の投資実績の経験等を踏まえ当社の企業価値の最大化を実現するための施策を支援していくことを想定しているとのことです。具体的には以下のような支援が可能であると考えているとのことです。
(a) 中長期の成長に向けた人材の強化
アント・キャピタル・パートナーズは、当社の中長期的な成長に向けては人材の更なる補強が不可欠であると考えているとのことですが、アント・キャピタル・パートナーズはこれまで投資先における採用活動や人事制度設計といった人材面での支援にも実績を有しており、経営人材のみならず新規の人材採用やリテンションプランの設計を通じて現場人材の補強においても貢献が可能と考えているとのことです。
(b) グローバル経営体制の構築に向けた組織基盤の強化
アント・キャピタル・パートナーズは、当社の有する海外子会社も含むグループ全体でのガバナンスの強化及び事業シナジーの創出のために、グローバルな経営体制を構築していくことが重要であると考えているとのことです。アント・キャピタル・パートナーズはこれまでに海外に子会社や拠点を持つ多数の投資先において、管理体制の強化を通じた経営の効率化や会社間・拠点間の連携強化によるシナジーの創出等、グローバル経営体制の構築に取り組んできた経験を有しており、複数の海外子会社を有する当社においても同様の施策を通じて体制構築の支援が可能であると考えているとのことです。
(c) アント・キャピタル・パートナーズのネットワークを活用したビジネスの拡大
アント・キャピタル・パートナーズは、アント・キャピタル・パートナーズが多数の投資先や提携先、株主や投資家を含むネットワークを有しており、これまでも投資先において当該ネットワークを活用した新規顧客の開拓や事業面での連携を支援してきた実績を有することから、顧客の紹介を通じた当社の事業拡大や、新規事業の創出を通じたビジネス領域の拡大においても支援が可能であると考えているとのことです。
(d) M&A及びPMIの支援
アント・キャピタル・パートナーズは、これまでに50社超の投資実績を有しており、その中で培ったM&Aに関する実務ノウハウや投資後の事業運営・組織統合に関する知見をもとに、当社のERP事業やCRM事業における規模的な拡大やCBP事業における機能面での強化を通じて支援することが可能と考えているとのことです。
上記の分析及び検討の結果を踏まえ、アント・キャピタル・パートナーズは、2025年1月10日に、当社に対して、2025年3月期期末配当を実施せず、当社を完全子会社化することを前提として、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を1,050円、本公開買付けにおける本新株予約権1個当たりの買付価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)を1円とすることを含む提案書(以下「本提案書」といいます。)を提出したとのことです。なお、当該公開買付価格は、本提案書の提出日である2025年1月10日の前営業日である、2025年1月9日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値774円に対して35.66%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値777円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して35.14%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値728円に対して44.23%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値726円に対して44.63%のプレミアムを加えた価格とのことです。
これに対して、アント・キャピタル・パートナーズは、同月14日、当社から、当該提案価格は本公開買付けにつき賛同表明及び応募推奨を行う上で当社が想定している水準から大きく乖離しているとして、本公開買付価格を引き上げる旨の要請を受けたとのことです。
これを受けて、アント・キャピタル・パートナーズは、同月15日、本公開買付価格を1,090円とする旨の再提案(以下「第2回価格提案」といいます。)を行ったとのことです。なお、当該公開買付価格は、当該提案日の前営業日である2025年1月14日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値775円に対して40.65%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値778円に対して40.10%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値732円に対して48.91%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値726円に対して50.14%のプレミアムを加えた価格とのことです。
これに対して、アント・キャピタル・パートナーズは、同月16日、当社から、当該提案価格は本公開買付けにつき賛同表明及び応募推奨を行う上で当社が想定している水準から依然として大きく乖離しているとして、本公開買付価格を引き上げる旨の要請を再度受けたとのことです。
これを受けて、アント・キャピタル・パートナーズは、同月20日、本公開買付価格を1,125円とする旨の再提案(以下「第3回価格提案」といいます。)を行ったとのことです。なお、当該公開買付価格は、当該提案日の前営業日である2025年1月17日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値812円に対して38.55%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値783円に対して43.68%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値739円に対して52.23%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値727円に対して54.75%のプレミアムを加えた価格とのことです。
これに対して、アント・キャピタル・パートナーズは、同月22日、当社から、当該提案価格は当社の収益力を踏まえた本源的価値に照らすと、本公開買付けにつき賛同表明及び応募推奨を行う上で当社が想定している価格水準から依然として大きく乖離しているとして、本公開買付価格を引き上げる旨の要請を再度受けたとのことです。
これを受けて、アント・キャピタル・パートナーズは、同月24日、本公開買付価格を1,140円とする旨の再提案(以下「第4回価格提案」といいます。)を行ったとのことです。なお、当該公開買付価格は、当該提案日の前営業日である2025年1月23日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値811円に対して40.57%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値793円に対して43.76%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値750円に対して52.00%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値727円に対して56.81%のプレミアムを加えた価格とのことです。
これに対して、アント・キャピタル・パートナーズは、同月27日、当社から、当該提案価格は当社の一般株主(有価証券上場規程第441条の2における「少数株主」と同義です。以下同様です。)が享受すべき正当な利益を確保するという観点から、なお十分なものとは評価できないと判断したとして、本公開買付価格を引き上げる旨の要請を再度受けたとのことです。
これを受けて、アント・キャピタル・パートナーズは、同月30日、本公開買付価格を1,150円とする旨の再提案(以下「第5回価格提案」といいます。)を行ったとのことです。なお、当該公開買付価格は、当該提案日の前営業日である2025年1月29日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値826円に対して39.23%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値806円に対して42.68%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値763円に対して50.72%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値726円に対して58.40%のプレミアムを加えた価格とのことです。
これに対して、アント・キャピタル・パートナーズは、同月31日、当社から、より多くの一般株主の皆様から本件への賛同を得るためにも、今一度当該公開買付価格を検討・提示いただきたいとして、本公開買付価格を引き上げる旨の要請を再度受けたとのことです。
これを受けて、アント・キャピタル・パートナーズは、同年2月3日、本公開買付価格を1,155円とする旨の再提案(以下「第6回価格提案」といいます。)を行ったとのことです。なお、当該公開買付価格は、当該提案日の前営業日である2025年1月31日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値833円に対して38.66%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値809円に対して42.77%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値770円に対して50.00%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値725円に対して59.31%のプレミアムを加えた価格とのことです。
その結果、アント・キャピタル・パートナーズは、同日、当社から、当該提案価格について応諾する旨の回答を受領したとのことです。
以上の協議及び交渉を経て、公開買付者は、2025年2月4日、本公開買付価格を1,155円、本新株予約権買付価格を1円とし、本取引の一環として本公開買付けを開始することを決定したとのことです。
公開買付者は、本取引終了後の当社の執行体制については、当社の現体制の維持を前提としつつ、当社の意向を踏まえ今後協議する想定とのことです。公開買付者からは一部社外取締役及び実務担当職員を派遣し、戦略の策定・実行を進めていくことを企図しているとのことです。派遣する役職員の具体的な担当職務等については、公開買付者においても現時点で決定している事項はなく、当社と協議の上決定する予定とのことです。
また、公開買付者は、アント・キャピタル・パートナーズが有するグローバルネットワークやこれまで蓄積してきた投資先に対するバリューアップノウハウを当社の経営支援に活用することで、当社の成長の加速及び企業価値最大化を実現するべく、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の(a)中長期の成長に向けた人材の強化、(b)グローバル経営体制の構築に向けた組織基盤の強化、(c)アント・キャピタル・パートナーズのネットワークを活用したビジネスの拡大、(d)M&A及びPMIの支援といった施策を推進していく予定とのことです。その上で、公開買付者は、本取引を通じて当社の事業成長及び企業価値の向上が実現した後は再上場を目指す意向を有しているとのことですが、現時点においてその実施に関する具体的な方針や実施することになった場合の時期は決まっていないとのことです。
なお、本公開買付け後の当社の従業員の雇用に関しては、現時点では、現状どおりの雇用を維持していくことを予定しており、更なる処遇改善を目指していくとのことです。
当社は、2020年2月の東京証券取引所による新市場区分の概要等の公表以降、当社の上場維持基準の適合性に関する課題認識や、当社創業メンバーが所有する当社株式の承継をはじめとした資本戦略について、取引金融機関とマネジメント・バイアウト(MBO)(注2)や他社とのアライアンス(完全子会社化やマイノリティ出資の受入を含みます。)等の様々な選択肢を議論して参りました。2023年5月には「中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)」を公表し、「『ERP×CRM×CBP』のトータルソリューションによるDX」を掲げて各ソリューションの相乗効果によりフロー収益、ストック収益の両面で連続的な成長を目指していたものの、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、日々加速度的に変化する市場環境において、東京証券取引所プライム市場が求める流通株式時価総額の基準に、僅かながら未達の状況でした。東京証券取引所スタンダード市場に移行したことで、上場維持基準未達による上場廃止リスクの観点では、株主の皆様に一時的に安心感を与えることができたと考えているものの、当社の企業価値向上・持続的成長の観点においては、M&A等の非連続的成長も含めた抜本的な成長戦略が必要だと考えておりました。一方で、それらの施策は短期的な業績や株価にも影響を与える可能性があり、株主の皆様にとって不利益となる可能性も否定できないことも認識しておりました。
このような検討の結果、当社が長期的な視点を持って企業価値向上を実現し、ビジョンを達成するためには、一度当社株式を非公開化し、機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする経営体制を構築し、企業規模を拡大した上で再上場を目指すことが必要と考えるに至り、2024年7月中旬、当社の企業価値向上及び株主共同の利益の確保の観点から戦略的パートナー候補(以下「買付候補者」といいます。)の比較検討を行う本入札プロセスを実施することが妥当であると判断しました。
(注2) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が当社の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって当社の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。
そこで、当社は、買付候補者による公開買付け等を通じた当社の非公開化を含む取引の公正性を担保するとともに本入札プロセスの対応を行うべく、2024年9月上旬に公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)を選任し、2024年9月中旬に公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として三菱UFJ銀行財務開発室を選任しました。
また、当社は、上記買付候補者の連結子会社ではなく、買付候補者による公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しないものの、西村あさひの助言を踏まえ、上記取引の取引条件の公正性を担保するとともに、上記取引に関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、2024年9月24日開催の取締役会決議に基づき、公開買付関連当事者から独立した委員によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置いたしました。本特別委員会の委員としては、三好林太郎氏(当社社外取締役、監査等委員)、太田知子氏(当社社外取締役、中村合同特許法律事務所 弁理士)、岡浩治氏(当社社外取締役)及び大嶋義孝氏(当社社外取締役、監査等委員)の4名を選定しております(本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。
そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の取引条件の公正性・妥当性、(ⅲ)本取引の手続の公正性、(ⅳ)本取引が当社の一般株主にとって不利益なものではないと考えられるか、並びに(ⅴ)当社取締役会が本公開買付けに対して賛同する意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下、(ⅰ)乃至(ⅴ)を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問しております。
また、当社は、上記取締役会において、当社取締役会が本取引に関する意思決定を行うに際しては、本特別委員会の意見を最大限尊重するものとし、本特別委員会が本取引の実施が妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないこととする旨を決議しております。併せて、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)取引条件の公正性が確保されるよう、取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限、(b)本特別委員会が本諮問事項の検討等にあたり必要と判断した場合には、本取引に関して適切な判断を確保するために、当社による合理的費用負担の下、独自にアドバイザーを選任する権限、及び当社のアドバイザーが高い専門性を有しており、独立性にも問題がない等、本特別委員会として当社のアドバイザーを信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求める権限、並びに(c)答申を行うに当たって必要となる一切の情報の収集を当社又は当社のアドバイザー等に対して求める権限をそれぞれ付与しております。
当社は、上記「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、2024年7月中旬に本入札プロセスの実施を決定し、2024年9月下旬に三菱UFJ銀行財務開発室との協議を通じて、本取引を実行した場合に想定されるシナジーやディスシナジーを慎重に検討の上、アント・キャピタル・パートナーズを含む5社に対して、本入札プロセスを開始し、本第一次入札プロセスを実施する旨の案内を行いました。その結果、2024年10月11日に、打診した全ての買付候補者から法的拘束力を有しない意向表明書(以下「初期的意向表明書」といいます。)を受領しました。その後、当社は、2024年10月中旬に、初期的意向表明書を提出した全ての買付候補者に対してプレゼンテーションの機会を与えた上で、当該プレゼンテーションの内容を踏まえた質疑応答を行いました。当社及び本特別委員会は、受領した初期的意向表明書や買付候補者からのプレゼンテーションの内容を踏まえ、本取引後の当社の経営方針や事業戦略の方向性、当社の公開情報を基に提示された公開買付価格(価格の算出方法や蓋然性を含みます。)について慎重に検討及び協議の上、当社の中長期的な企業価値向上の観点から成長性、実現性ともに最も優れた提案を行ったアント・キャピタル・パートナーズに、公開買付価格の再考を申し入れました。当社及び本特別委員会は、2024年10月21日にアント・キャピタル・パートナーズより再提出された初期的意向表明書とその他の4社の買付候補者の初期的意向表明書の内容について、公開買付価格の実現可能性等の観点も踏まえて再度慎重に検討及び協議した結果、提案された公開買付価格が最も高いと評価できると判断したアント・キャピタル・パートナーズ1社に対してデュー・ディリジェンスの機会を提供し、その結果を踏まえて公開買付価格を再度提案することを求めることを決定しました。
その後、当社経営陣へのインタビューを含む当社に対するデュー・ディリジェンスを経て、2025年1月10日、当社は、アント・キャピタル・パートナーズから本提案書を受領しました。
これに対して、当社は、同月14日に、アント・キャピタル・パートナーズに対して、本公開買付価格1,050円は本公開買付けにつき賛同表明及び応募推奨を行う上で当社が想定している水準から大きく乖離しているとして、本公開買付価格の引上げを要請しました。その後、当社は、同月15日に、アント・キャピタル・パートナーズから第2回価格提案を受領しました。
これに対して、当社は、同月16日に、アント・キャピタル・パートナーズに対して、本公開買付価格1,090円は本公開買付けにつき賛同表明及び応募推奨を行う上で当社が想定している水準から依然として大きく乖離しているとして、本公開買付価格の引上げを要請しました。その後、当社は、同月20日に、アント・キャピタル・パートナーズから第3回価格提案を受領しました。
これに対して、当社は、同月22日に、アント・キャピタル・パートナーズに対して、本公開買付価格1,125円は本公開買付けにつき賛同表明及び応募推奨を行う上で当社が想定している水準から依然として大きく乖離しているとして、本公開買付価格の引上げを要請しました。その後、当社は、同月24日に、アント・キャピタル・パートナーズから第4回価格提案を受領しました。
これに対して、当社は、同月27日に、アント・キャピタル・パートナーズに対して、本公開買付価格1,140円は当社の一般株主の皆様が享受すべき正当な利益を確保するという観点から、なお十分なものとは評価できないとして、本公開買付価格の引上げを要請しました。その後、当社は、同月30日に、アント・キャピタル・パートナーズから第5回価格提案を受領しました。
これに対して、当社は、同月31日に、アント・キャピタル・パートナーズに対して、本公開買付価格1,150円は当社の一般株主の皆様が享受すべき正当な利益の確保という観点を考慮したものとなっているものの、より多くの一般株主の皆様から本取引への賛同を得るという観点から、本公開買付価格の引上げを要請しました。その後、当社は、同年2月3日に、アント・キャピタル・パートナーズから第6回価格提案を受領しました。
これに対して、当社は、本公開買付価格1,155円という価格は当社の一般株主が享受すべき正当な利益が確保された価格であると判断したため、同日、アント・キャピタル・パートナーズに対して、本公開買付価格を1,155円とすることを応諾しました。
以上の経緯のもとで、当社は、2025年2月4日開催の当社取締役会において、西村あさひから受けた法的助言、三菱UFJ銀行財務開発室から受けた助言及び三菱UFJ銀行財務開発室より2025年2月3日付で取得した当社株式の株式価値に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から2025年2月3日付で取得した答申書(以下「本答申書」といいます。)において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に検討・協議を行いました。
その結果、当社は、本取引は当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
当社が本取引によって実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりです。
(a) デジタルトランスフォーメーション(DX)推進事業への取組強化
アント・キャピタル・パートナーズからは、過去の投資実績においてフロー型ビジネス中心のビジネスモデルからSaaSプロダクトへの移行によるストック型ビジネスモデル(注3)の確立を支援した実績があるほか、これまでも投資先においてアント・キャピタル・パートナーズが有するネットワークを活用して新規顧客の開拓や事業面での連携を支援してきた実績を有することから、顧客の紹介を通じて当社グループの既存ビジネスを加速度的に成長させることが可能と伺っております。また、アント・キャピタル・パートナーズの実績やノウハウに基づき、ERP事業やCRM事業の規模の拡大やCBP事業における機能面での強化を企図したM&Aによる非連続的な成長も検討しているとのことで、業界の変化を先取りしたスピード感のある成長が期待できます。
(注3) 「フロー型ビジネス」とは、商品の販売や業務コンサルティングの受注等を中心とした、売上や収益の計上が一度限りであるビジネスを指し、「ストック型ビジネス」とは、仕組みやインフラを作り、定額のサービスを提供することで、継続的に売上や収益が入るビジネスを指します。「SaaS」とは「Software as a Service」の略称で、インターネット経由でソフトウェアを提供する形態を指し、こうしたサービス形態は一般的にストック型ビジネスに分類されます。
当社が大切にしている人財面においては、アント・キャピタル・パートナーズから、DX分野に知見の豊富で幅広い人財ネットワークを持つメンバーも複数抱えているほか、過去の投資実績において従業員の待遇改善や採用力強化の実績も豊富であると伺っており、人財の獲得競争が激化している業界環境の中でも、競争力のある処遇を実現でき、当社の成長戦略の実現を確固たるものにできるものと確信しております。
(b) グローバル事業の拡大
アント・キャピタル・パートナーズからは、アント・キャピタル・パートナーズのM&A実績に裏打ちされたPMI(注4)の知見や施策を近年当社が買収した海外子会社にも活用することで、当社が課題として認識していた海外子会社のガバナンス面を強化することに加え、海外子会社間の事業シナジーも創出することにより更なるグローバルでの連携が期待できると伺っております。加えて、アント・キャピタル・パートナーズはグローバルにおいても管理体制の強化を通じた経営の効率化や会社間・拠点間の連携強化によるシナジーの創出等、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報・時間)の有効活用に関して実績や知見を有していると伺っており、投資のプロとして当社の有効な成長投資へのアドバイスを期待しております。
(注4) 「PMI」とは、「Post Merger Integration」の略称であり、M&A成立後の統合プロセスのことを指します。
(c) 上場維持コスト及び上場維持のための業務負担軽減
当社株式の上場を維持するための体制については、株主還元施策等の検討やコーポレートガバナンス・コードの改訂等年々強化することが求められており、これらに対応するための上場維持コストは年々増大しております。本取引により公開買付者のみが当社の株主となり、非公開化することによって、こうした上場維持コストや上場維持のための業務負担を軽減できるものと考えております。本取引後は、当該コストや業務負荷が削減されることにより生み出される経営資源を、当社が必要としている人財に対する投資、CBP事業への研究開発投資、今後積極的に推進するM&Aに対しての機動的な投資等に投入することが可能になると考えております。また、公開買付者からは、中長期的な企業価値向上に資する投資であれば短期的な業績に捉われず積極的に実行する想定であると伺っていることから、当社の更なる成長が期待できると考えております。
一方で、当社は、本取引を実施することによるデメリットについても検討いたしました。人財採用面では、一定の知名度低下は否定できないものの、上記「(a) デジタルトランスフォーメーション(DX)推進事業への取組強化」に記載のとおり、DX分野に知見の豊富で幅広い人財ネットワークを持つメンバーを通じて採用面における訴求力は高まるものと考えております。資金調達面では、資本市場からの直接調達ができなくなるものの、間接調達の観点では、当社は取引金融機関と良好な関係を築いており、アント・キャピタル・パートナーズにおいても取引金融機関とのネットワークは強固であるとのことであるため、特段の問題は生じないと考えております。ガバナンス面では、市場からの牽制機能が働かなくなるものの、上記「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社は再上場を目指しており、管理部門においてもアント・キャピタル・パートナーズのノウハウを用いて更なる強化を目指す方針であることから、特段の問題は生じないと考えております。したがって、本取引による当社株式の非公開化に伴うデメリットは限定的であると考えております。なお、アント・キャピタル・パートナーズの傘下に入ることで生じうる固有のデメリットは特段ないと考えております。
また、当社は、本公開買付価格について、(ⅰ)下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている三菱UFJ銀行財務開発室による本株式価値算定書における当社株式の株式価値算定結果によれば、市場株価分析及び類似会社比較分析に基づく算定結果の上限を上回っており、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下「DCF分析」といいます。)に基づく算定結果の範囲内であること、(ⅱ)本公開買付価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年2月3日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の終値831円に対して38.99%、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値810円に対して42.59%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値772円に対して49.61%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値725円に対して59.31%のプレミアムが加算されたものであり、経済産業省により「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)が公表された2019年6月28日以降、2024年9月30日までに公表された日本国内における公開買付け案件のうち、取引前の買付者及び特別関係者の議決権が5%未満の非公開化案件(ただし、公開買付けが不成立となった事例、マネジメント・バイアウト(MBO)の事例、敵対的公開買付けの事例、公開買付価格のプレミアムが公表日前営業日の終値に対してマイナスとなる公開買付け(いわゆるディスカウントTOB)の事例、及び公開買付けの公表前に事前報道のあった事例を除きます。)におけるプレミアムの実例34件(プレミアムの中央値は公表日前営業日が50.33%、直近1ヶ月間が52.56%、直近3ヶ月間が47.69%、直近6ヶ月間が53.48%)と比較して、相応のプレミアムが付されていると考えられること、(ⅲ)下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られた上で決定された価格であること等を踏まえ、本公開買付価格は妥当性を有し、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
なお、本新株予約権については、本新株予約権買付価格が1円とされていることから、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格は当社の株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年2月4日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。
当該取締役会における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員である取締役を含みます。)の承認」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJ銀行財務開発室に対して当社株式の価値算定を依頼し、2025年2月3日付で、本株式価値算定書を取得いたしました。
なお、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられており、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えられることから、三菱UFJ銀行財務開発室から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、三菱UFJ銀行財務開発室は、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
なお、法人としての三菱UFJ銀行は、公開買付者に対して融資を行うことが予定されておりますが、三菱UFJ銀行は、銀行法(昭和56年法律第59号。その後の改正を含みます。以下同様です。)第13条の3の2第1項及び銀行法施行規則(昭和57年大蔵省令第10号。その後の改正を含みます。以下同様です。)第14条の11の3の3等の適用法令に従った法的義務として、行内における情報隔壁措置等、適切な利益相反管理体制を構築し、かつ、実施しており、ファイナンシャル・アドバイザーとしての三菱UFJ銀行財務開発室は、出資及び貸付を行う三菱UFJ銀行の別部署とは独立した立場から、当社株式の株式価値の分析を行うことができる体制を構築しているものと考えられるので、当社は、当社株式の株式価値の分析に当たっては、ファイナンシャル・アドバイザーとしての三菱UFJ銀行財務開発室において適切な弊害防止措置が講じられているものと判断しております。また、本取引に係る三菱UFJ銀行財務開発室に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行や本取引が不成立となった場合にも当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系も含まれていること等を踏まえ、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により三菱UFJ銀行財務開発室を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会は、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJ銀行財務開発室の独立性及び専門性に問題ないこと、並びに、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
(注) 三菱UFJ銀行財務開発室は、本株式価値算定書の作成にあたり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につき当社において一切認識されていないことを前提としております。三菱UFJ銀行財務開発室は、本株式価値算定書の作成にあたり使用する情報の中に含まれる財務予測等の予測値は当社による最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたものであるとの前提に立ち、使用情報をそのまま採用しています。三菱UFJ銀行財務開発室は、かかる財務予測等の正確性・妥当性及び実現可能性等について責任を負うものではなく、当該財務予測等及びその前提について意見を述べるものでもありません。三菱UFJ銀行財務開発室は、当社及びその関係会社の資産又は負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません(これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。)。本株式価値算定書で使用している事業計画等は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、当社により合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。本株式価値算定書において、三菱UFJ銀行財務開発室が提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。三菱UFJ銀行財務開発室は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。本株式価値算定書の作成にあたり使用する情報の真実性・正確性等、あるいは今後入手し得る追加情報の内容次第では評価の前提条件が異なるため、本株式価値算定書の内容も大きく変わる可能性があります。本株式価値算定書は、当社及びその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本株式価値算定書に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。本株式価値算定書は、本取引が適法かつ有効に実施されること、及び本取引の実行に必要な全ての政府、監督官庁その他による同意又は許認可が、本取引によってもたらされると期待される利益を何ら損なうことなく取得されることを前提としており、三菱UFJ銀行財務開発室はこれらについて独自の検証を行う義務を負うものではありません。
三菱UFJ銀行財務開発室は、複数の株式価値分析手法の中から当社株式の株式価値の分析に当たって採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業との前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価分析を、当社と比較的類似する事業を手掛ける上場会社の市場株価と収益等を示す財務指標の比較を通じて当社の株式価値が算定可能であることから類似会社比較分析を、当社の将来の事業活動の状況を評価に適切に反映するためにディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下「DCF分析」といいます。)をそれぞれ用いて、当社株式の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、2025年2月3日付で三菱UFJ銀行財務開発室より本株式価値算定書を取得しました。
本株式価値算定書において、上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価分析では、2025年2月3日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の直近取引成立日である2025年2月3日の終値831円、基準日までの直近1ヶ月間の取引成立日の終値単純平均値810円、同直近3ヶ月間の取引成立日の終値単純平均値772円、同直近6ヶ月間の取引成立日の終値単純平均値725円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を725円から831円までと分析しております。
類似会社比較分析では、当社と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を700円から961円までと算定しております。
DCF分析では、当社が作成した2025年3月期から2028年3月期までの事業計画、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社の将来の収益予想に基づき、当社が2024年10月以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、当社の企業価値や株式価値を計算し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を702円から1,457円までと算定しております。
なお、当社の事業計画は、2023年5月に公表した中期経営計画をベースに足元業績を踏まえて更新を行ったものであり、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年3月期下半期(6ヶ月)は人財に対する投資及びCBP事業への研究開発投資を織り込んでいるため、フリー・キャッシュ・フローは332百万円(6ヶ月)となる見込みであるものの、2026年3月期は、市場拡大に伴う増収・増益に伴い、フリー・キャッシュ・フローは1,183百万円(6ヶ月換算で592百万円となり、260百万円の増加)と見込んでおります。
また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、財務予測には加味しておりません。
本新株予約権は、本新株予約権買付価格が1円と決定されていることから、当社は、本新株予約権の買付価格について第三者算定機関からの算定書又は意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
公開買付者は、本公開買付価格を決定するに際し、当社が開示している財務情報等の資料、当社に対して2024年10月下旬から12月下旬にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果等に基づき、当社の事業及び財務状況を多面的・総合的に分析したとのことです。
また、公開買付者は、当社による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けの成立の見通しを総合的に勘案し、当社との協議及び交渉を踏まえて、2025年2月3日、取引の対価について公開買付者が当社との間で最終提案の内容にて合意に至り、その他の本取引の諸条件についても合意に至ったことから、本公開買付価格を1,155円に決定したとのことです。公開買付者は、上記の要素を総合的に考慮し、かつ、当社との協議及び交渉を経て本公開買付価格を決定しており、第三者算定機関からの株式価値算定書は取得していないとのことです。
本公開買付価格(当社株式1株当たり1,155円)は、本公開買付け実施についての公表日の前営業日である2025年2月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値831円に対して38.99%、同年2月3日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値810円に対して42.59%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値772円に対して49.61%、同6ヶ月間の終値の単純平均値725円に対して59.31%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっているとのことです。また、本公開買付価格(当社株式1株当たり1,155円)は、本書提出日の前営業日である2025年2月4日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値833円に対して38.66%のプレミアムを加えた金額となっているとのことです。
本新株予約権は、行使期間内において、当社の取締役、執行役員又は従業員の地位を喪失した日の翌日から10日を経過する日までの間に限り権利行使することができるとされており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないこと等を考慮し、公開買付者は、2025年2月4日に本新株予約権買付価格をいずれも1円とすることを決定したとのことです。
なお、公開買付者は、上記のとおり、本新株予約権買付価格を決定していることから、第三者算定機関からの算定書や意見書(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けにあたり当社の株主名簿の閲覧請求等の当社の株主としての権利行使の可能性を確保する観点から、2025年1月29日を取得日として、吉岡隆氏から相対取引により、当社株式100株を1株当たり834円(2025年1月24日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値)で取得しているとのことです。
公開買付者は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社を最終的に公開買付者の完全子会社とする方針であり、本公開買付けにおいて、公開買付者が当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主の皆様(ただし、公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し株式売渡請求の承認を求める予定しているとのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。この場合、公開買付者は、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。なお、当社の取締役会は、公開買付者より株式売渡請求がなされた場合には、かかる株式売渡請求を承認する予定です。
株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者及び当社を除きます。)は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「株式併合」といいます。)及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。また、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。また、本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2025年6月下旬を予定しているとのことです。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者が当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。
上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定とのことです。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
上記の株式売渡請求及び株式併合の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
なお、本譲渡制限付株式については、①2022年11月7日の当社取締役会決議に基づき、2022年12月23日に付与されたもの(以下「2022年12月23日付本譲渡制限付株式」といいます。)については、その割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、株式併合に関する事項が当社の株主総会で承認された場合又は会社法第179条第2項に規定する株式売渡請求に関する事項が当社取締役会で承認された場合(ただし、株式併合の効力発生日又は会社法第179条の2第1項第5号に規定する取得日(以下「スクイーズアウト効力発生日」といいます。)が譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限ります。)は、当社取締役会の決議により、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時をもって、2022年12月23日付本譲渡制限付株式の割当日から上記承認日までの期間に応じて割当てを受ける者ごとに個別に決定される譲渡制限を解除する株式の数の2022年12月23日付本譲渡制限付株式について、譲渡制限を解除するとされ、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって、同日において譲渡制限が解除されていない2022年12月23日付本譲渡制限付株式の全部を当然に無償で取得するとされており、また、②2022年12月23日付本譲渡制限付株式以外の本譲渡制限付株式については、譲渡制限期間中に、株式併合に関する事項が当社の株主総会で承認された場合又は会社法第179条第2項に規定する株式売渡請求に関する事項が当社取締役会で承認された場合(ただし、スクイーズアウト効力発生日が譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限ります。)は、当社取締役会の決議により、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時をもって、その全部について譲渡制限を解除するとされております。本スクイーズアウト手続においては、本譲渡制限付株式のうち、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)末日までにその譲渡制限期間の終期が到来し、譲渡制限が解除されるものを除き、上記割当契約書の①(a)又は②の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時において譲渡制限が解除されたものについては、株式売渡請求又は株式併合の対象とし、上記割当契約書の①(b)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時をもって譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、当社において無償取得する予定とのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されずに残存した場合には、本新株予約権の取得及び消却、又は本新株予約権者による本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実施することを当社に要請し、又は実施することを予定しているとのことです。なお、当社は、当該要請を受けた場合には、これに協力する意向です。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と当社が協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実行された場合には、東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
本書提出日現在において、公開買付者が保有している当社株式は100株のみであり、当社の親会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することは予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当いたしません。もっとも、本公開買付けが当社を非公開化することを前提として行われる本取引の一環として行われること、及び、公開買付者は、応募予定株主との間において、その所有する当社株式について、本応募契約を締結していることから、応募予定株主と当社の一般株主の利害が必ずしも一致しない可能性があることを考慮して、公開買付者及び当社は、本公開買付価格を含む本取引の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反を回避する観点から、以下の措置を講じております。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、当社は、2024年7月中旬に本入札プロセスの実施を決定し、2024年9月下旬に三菱UFJ銀行財務開発室との協議を通じて、本取引を実行した場合に想定されるシナジーやディスシナジーを慎重に検討の上、アント・キャピタル・パートナーズを含む5社に対して、本入札プロセスを開始し、本第一次入札プロセスを実施する旨の案内を行いました。その結果、2024年10月11日に、打診した全ての買付候補者から初期的意向表明書を受領しました。その後、当社は、2024年10月中旬に、初期的意向表明書を提出した全ての買付候補者に対してプレゼンテーションの機会を与えた上で、当該プレゼンテーションの内容を踏まえた質疑応答を行いました。当社及び本特別委員会は、受領した初期的意向表明書や買付候補者からのプレゼンテーションの内容を踏まえ、本取引後の当社の経営方針や事業戦略の方向性、当社の公開情報を基に提示された公開買付価格(価格の算出方法や蓋然性を含みます。)について慎重に検討及び協議の上、当社の中長期的な企業価値向上の観点から成長性、実現性ともに最も優れた提案を行ったアント・キャピタル・パートナーズに、公開買付価格の再考を申し入れました。当社及び本特別委員会は、2024年10月21日にアント・キャピタル・パートナーズより再提出された初期的意向表明書とその他の4社の買付候補者の初期的意向表明書の内容について、公開買付価格の実現可能性等の観点も踏まえて再度慎重に検討及び協議した結果、提案された公開買付価格が最も高いと評価できると判断したアント・キャピタル・パートナーズ1社に対してデュー・ディリジェンスの機会を提供し、その結果を踏まえて公開買付価格を再度提案することを求めることを決定しました。
その後、当社経営陣へのインタビューを含む当社に対するデュー・ディリジェンスを経て、2025年1月10日、当社は、アント・キャピタル・パートナーズから本提案書を受領しました。
当社は、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJ銀行財務開発室に対して当社株式の価値算定を依頼し、2025年2月3日付で、本株式価値算定書を取得いたしました。
三菱UFJ銀行財務開発室は公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は、本「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられており、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えられることから、三菱UFJ銀行財務開発室から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
なお、法人としての三菱UFJ銀行は、公開買付者に対して融資を行うことが予定されておりますが、三菱UFJ銀行は、銀行法第13条の3の2第1項及び銀行法施行規則第14条の11の3の3等の適用法令に従った法的義務として、行内における情報隔壁措置等、適切な利益相反管理体制を構築し、かつ、実施しており、ファイナンシャル・アドバイザーとしての三菱UFJ銀行財務開発室は、出資及び貸付を行う三菱UFJ銀行の別部署とは独立した立場から、当社株式の株式価値の分析を行うことができる体制を構築しているものと考えられるので、当社は、当社株式の株式価値の分析に当たっては、ファイナンシャル・アドバイザーとしての三菱UFJ銀行財務開発室において適切な弊害防止措置が講じられているものと判断しております。また、本取引に係る三菱UFJ銀行財務開発室に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行や本取引が不成立となった場合にも当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系も含まれていること等を踏まえ、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により三菱UFJ銀行財務開発室を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会は、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJ銀行財務開発室の独立性及び専門性に問題ないこと、並びに、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
当社は、買付候補者による公開買付け等を通じた当社の非公開化を含む取引に係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を担保するために、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひを選任し、西村あさひから、上記取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、西村あさひは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
西村あさひの報酬は、本取引の成否にかかわらず時間単位の報酬のみとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、当社が選任したリーガル・アドバイザーである西村あさひの独立性及び専門性に問題ないこと、並びに、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
当社は、買付候補者による公開買付け等を通じた当社の非公開化を含む取引の取引条件の公正性を担保するとともに、当該取引に関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、2024年9月24日開催の取締役会決議に基づき、公開買付関連当事者から独立した委員によって構成される本特別委員会を設置いたしました。本特別委員会の委員としては、三好林太郎氏(当社社外取締役、監査等委員)、太田知子氏(当社社外取締役、中村合同特許法律事務所 弁理士)、岡浩治氏(当社社外取締役)及び大嶋義孝氏(当社社外取締役、監査等委員)の4名を選定しております(本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされ、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問しております。
また、当社は、上記取締役会において、当社取締役会が本取引に関する意思決定を行うに際しては、本特別委員会の意見を最大限尊重するものとし、本特別委員会が本取引の実施が妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないこととする旨を決議しております。併せて、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)取引条件の公正性が確保されるよう、取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限、(b)本特別委員会が本諮問事項の検討等にあたり必要と判断した場合には、本取引に関して適切な判断を確保するために、当社による合理的費用負担の下、独自にアドバイザーを選任する権限、及び当社のアドバイザーが高い専門性を有しており、独立性にも問題がない等、本特別委員会として当社のアドバイザーを信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求める権限、並びに(c)答申を行うに当たって必要となる一切の情報の収集を当社又は当社のアドバイザー等に対して求める権限をそれぞれ付与しております。
本特別委員会は、2024年10月1日より2025年2月3日までの間に合計13回開催されたほか、各回間においても報告・情報共有等を行う等して、本諮問事項についての協議及び検討を慎重に行いました。
具体的には、まず、本特別委員会は、2024年10月1日、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJ銀行財務開発室並びにリーガル・アドバイザーである西村あさひについて、いずれも公開買付関連当事者からの独立性及び専門性に問題がないことを確認しております。また、本特別委員会は、同日、必要に応じ当社のアドバイザー等から専門的助言を得ることとし、本特別委員会として独自にアドバイザー等を選任しないことを確認しております。
その上で、本特別委員会は、三菱UFJ銀行財務開発室及び西村あさひから受けた説明を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。
本特別委員会は、当社から、当社の事業の内容、外部環境、現在の経営課題、三菱UFJ銀行財務開発室による株式価値算定の前提とした事業計画の内容、公開買付者が本取引を検討するに至った経緯、公開買付者の提案内容等に関する事項等について説明を受け、質疑応答を実施しております。また、本特別委員会は、公開買付者から、本取引の背景・意義・目的、本取引により想定される影響、本取引のストラクチャー・条件、本取引後の当社の経営体制・経営方針について説明を受け、質疑応答を実施しております。
本特別委員会は、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議・交渉について、当社からその経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、当社をして、本特別委員会が承認した本公開買付価格の公開買付者における再検討の要請等に関する交渉方針に従って交渉を行わせる等して、公開買付者との交渉過程に実質的に関与しております。また、三菱UFJ銀行財務開発室から当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関する説明を受け、当該算定方法の前提、内容及び結果等について財務的見地から質疑応答を行い、その合理性を検証したほか、西村あさひから本取引において利益相反を軽減又は防止するために採られている措置及び本取引に関する説明を受け、公正性担保措置の一般的意義・概念及び本取引における当該措置の十分性等に関して質疑応答を行うとともに、当社から本取引の諸条件の交渉経緯及び決定過程等に関する説明を受け、公開買付者から提案された本公開買付価格が、当社が実現し得る本源的価値が適切に反映されているか等についての質疑応答を実施しております。これらの内容を踏まえ、本特別委員会は本諮問事項について慎重に協議・検討を行っております。また、本特別委員会は、当社が公表又は提出予定の本公開買付けに係るプレスリリース及び意見表明報告書の各ドラフト、公開買付者が提出予定の本公開買付けに係る公開買付届出書のドラフトの内容について、三菱UFJ銀行財務開発室及び西村あさひの説明を受け、公開買付者及び当社が、それぞれのファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーの助言を得て充実した情報開示を行う予定であることを確認しております。
本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2025年2月3日に、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。
(a) 答申内容
ⅰ 本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)
ⅱ 本取引の取引条件の公正性・妥当性
ⅲ 本取引の手続の公正性
ⅳ 本取引が当社の一般株主にとって不利益なものではないと考えられるか
ⅴ 本取引に際して公開買付けが実施される場合、当社取締役会が当該公開買付けに対して賛同する意見を表明すること及び当社の株主に対して当該公開買付けへの応募を推奨することの是非
(b) 答申理由
ⅰ 「本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)」について
以下の点より、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、その目的は正当かつ合理的であると考えられる。
・ 本取引における目的は、当社を非公開化することにより、現在の資本構成や短期的な業績に左右されることなく、新しいパートナーであるアント・キャピタル・パートナーズとともに、これまで以上の意思決定のスピードアップや人材面の拡充、ノウハウの導入、積極的な投資等を行うことで、当社の成長戦略を実現して企業価値の向上を目指すことにあると考えられる。かかる本取引の目的及び当社が想定する本取引のシナジーは、当社の経営陣等がその地位を利用して一般株主の犠牲のもとに自己又は第三者の利益を図るものとは認められず、また、意思決定のスピードアップや人材面の拡充、ノウハウの導入、積極的な投資等は、当社グループを持続的に発展させ収益を改善させることに繋がり、当社グループの企業価値を向上させるものといえることから合理性が認められる。
・ 上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の公開買付者が想定する経営支援は、いずれも実現可能性を疑わせる不合理な点はなく、上記の本取引における目的の実現に資すると考えられることから、合理性が認められる。
・ 上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③本公開買付け後の経営方針」に記載の公開買付者が想定する経営方針についても不合理な点は認められない。
・ なお、当社グループが、上記のような中長期的な成長を遂げるための施策を機動的かつ柔軟に実施する上では、当社株式を非公開化する必要性が高いと考えられる一方で、人財採用面では、一定の知名度低下は否定できない。もっとも、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、DX分野に知見の豊富で幅広い人財ネットワークを持つメンバーを通じて採用面における訴求力は高まるものと考えられる。また、資金調達面では、資本市場からの直接調達ができなくなるものの、間接調達の観点では、当社は取引金融機関と良好な関係を築いているとのことであり、アント・キャピタル・パートナーズにおいても取引金融機関とのネットワークは強固であるとのことであるため、特段の問題は生じないと考えられる。さらに、ガバナンス面では、市場からの牽制機能が働かなくなるものの、当社は再上場を目指しており、管理部門においてもアント・キャピタル・パートナーズのノウハウを用いて更なる強化を目指す方針であるとのことであるため、特段の問題は生じないと考えられる。したがって、本取引による当社株式の非公開化に伴うデメリットは限定的であると考えられる。
ⅱ 「本取引の取引条件の公正性・妥当性」について
以下の点より、本公開買付価格は公正かつ妥当なものであるといえる。その他の取引条件についても当社の一般株主に不利益となる事情は認められないことから、本取引の条件は公正かつ妥当なものであると考えられる。
(ア)本入札プロセスの過程、取引条件に係る協議・交渉過程
・ 本入札プロセスは、当社及び本特別委員会が当社の企業価値向上の観点から慎重な検討及び協議を行った上で進められているところ、これらの当社及び本特別委員会による本入札プロセスにおける検討及び協議に不合理な点は認められない。
・ 本公開買付価格は、当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本特別委員会の関与のもと、当社と公開買付者との間の真摯な価格交渉の結果決定されており、また、当社からは5回にわたる価格の引上げの要請が行われ、当該要請の結果、本公開買付価格は、公開買付者が当初提案した1,050円から1,155円にまで引き上げられており、公開買付者から優位な譲歩を引き出している。これらの当社と公開買付者との本公開買付価格の交渉に係る経緯には不合理な点は認められない。したがって、公開買付者との取引条件に関する協議・交渉過程は、独立した当事者間の交渉と認められる公正なものであると認められる。
・ 以上を踏まえると、本入札プロセス及び公開買付者との取引条件に関する協議・交渉過程については、当社の企業価値を高めつつ一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指した合理的な努力が行われる状況が確保されていたものと認められる。
(イ)株式価値算定結果
・ 当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うに当たり、公開買付関連当事者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJ銀行財務開発室に対して、当社株式の価値算定を依頼し、2025年2月3日付で本株式価値算定書を取得した上で、本特別委員会は、本株式価値算定書の内容を検討するとともに、三菱UFJ銀行財務開発室から、本株式価値算定書の内容について説明を受けた。
・ 本公開買付価格は、本株式価値算定書による当社株式価値の算定結果のうち、市場株価分析及び類似会社比較分析に基づく算定結果の上限を上回っており、かつ、DCF分析に基づく算定結果の範囲内である。
・ 本特別委員会は、事業計画について、当社及び三菱UFJ銀行財務開発室からの説明を踏まえ、三菱UFJ銀行財務開発室による株式価値算定の前提とした事業計画の作成経緯及び当社の現状を把握した上で検討したが、その内容に不合理な点は認められなかった。
・ 本特別委員会としては、本株式価値算定書の内容を検討するとともに、三菱UFJ銀行財務開発室から、本株式価値算定書の内容について説明を受けた結果、上記の各手法は、いずれも現在の実務に照らして一般的かつ合理的な手法であり、その算定の内容についても現在の実務に照らして一般的かつ合理的なものであると考える。
(ウ)プレミアムの水準
・ 本公開買付価格は、本答申書作成日である2025年2月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値831円に対して38.99%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値810円に対して42.59%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値772円に対して49.61%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値725円に対して59.31%のプレミアムが加算されたものであり、経済産業省がM&A指針を公表した2019年6月28日以降、2024年9月30日までに公表された日本国内における公開買付け案件のうち、本取引前の買付者及び特別関係者の議決権が5%未満の非公開化案件(ただし、公開買付けが不成立となった事例、マネジメント・バイアウト(MBO)の事例、敵対的公開買付けの事例、公開買付価格のプレミアムが公表日前営業日の終値に対してマイナスとなる公開買付け(いわゆるディスカウントTOB)の事例、及び公開買付けの公表前に事前報道のあった事例を除く。)におけるプレミアムの実例34件(プレミアムの中央値は公表日前営業日が50.33%、直近1ヶ月間が52.56%、直近3ヶ月間が47.69%、直近6ヶ月間が53.48%)と比較して、相応のプレミアムが付されていると認められる。
(エ)本新株予約権の買付価格
・ 本新株予約権買付価格は1円とされているところ、これは、本新株予約権が、行使期間内において、当社の取締役、執行役員又は従業員の地位を喪失した日の翌日から10日を経過する日までの間に限り権利行使することができるとされており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないこと等を考慮して、当社が本新株予約権者からその経済的価値に応じた金額(具体的には、本公開買付価格である1,155円と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価格1円との差額である1,154円に本新株予約権1個の目的となる株式の数を乗じた金額)で買い取ることが想定されているからである。上記取扱いを前提とすると、本新株予約権買付価格を1円とすることは不合理なものではないと考えられる。
(オ)本取引の方法及び対価の種類
・ 本スクイーズアウト手続に係る方法は、本取引のような非公開化取引において一般的に採用されている方法であり、本取引の方法として妥当であると考えられる。
・ 本スクイーズアウト手続の条件は、本公開買付価格と同一の価格を基準として算定・決定される予定であるところ、本スクイーズアウト手続は、本公開買付けに続く手続として予定されているものであり、時間的に近接した両手続において交付される対価が同一のものとなるようにすることは合理的であると考えられる。
ⅲ 「本取引の手続の公正性」について
以下の点より、本取引においてはM&A指針で提示されている各公正性担保措置に則った適切な対応が行われており、その内容に不合理な点は見当たらないため、本取引の手続の公正性は確保されていると考えられる。
・ 以下の点より、本取引の検討に際しては、本特別委員会の実効性を高める工夫に関するM&A指針の指摘事項に配慮した上で、独立性を有する本特別委員会が設置されており、これが有効に機能していることが認められる。
① 本取引においては、本入札プロセスにおける買付候補者の初期的な取引条件提示や本入札プロセスを通過させる買付候補者の選定等の段階から本特別委員会が本取引への関与を開始しており、本取引の取引条件の形成過程の初期段階から、本特別委員会が関与していたと認められること
② 本特別委員会の委員は、それぞれ独立性を有することが確認されており、本取引を検討するに当たって必要な経験・識見を有していることを踏まえて選定されたものであることが認められること
③ 本特別委員会は、(ⅰ)本入札プロセスにおいては、当社とともに初期的意向表明書や買付候補者からのプレゼンテーションの内容を踏まえ、本取引後の当社の経営方針や事業戦略の方向性、当社の公開情報を基に提示された公開買付価格(価格の算出方法や蓋然性を含む。)について検討及び協議を行っており、(ⅱ)本取引に係る取引条件に関するアント・キャピタル・パートナーズとの間の協議・交渉においては、当社、三菱UFJ銀行財務開発室及び西村あさひから適時に状況の報告を受けた上で協議・交渉の方針等を検討し、最終的な本取引の取引条件の提案を受けるに至るまで、複数回にわたり当社に意見等を述べており、当社も本特別委員会からのこうした意見等を踏まえてアント・キャピタル・パートナーズとの交渉を行っているため、本特別委員会がアント・キャピタル・パートナーズとの間の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与してきたことが認められること
④ 本特別委員会においては、本取引に関する検討過程において適時に上記の各アドバイザーの専門的な助言・意見等を取得し、本取引の是非、本公開買付価格をはじめとする本取引の取引条件の妥当性、本取引の手続の公正性等について慎重に検討及び協議を行う体制が確保されていたと認められること
⑤ 本特別委員会が非公開情報も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて検討・判断を行っていたと認められること
⑥ 本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うこととなっており、報酬という観点からは、特別委員が時間的・労力的なコミットメントを行いやすく、かつ、本取引の成否から独立した立場から判断を行うための環境が整えられていることが認められること
⑦ 本取引については取締役会が本特別委員会の意見を最大限尊重して意思決定を行うことができる体制が確保されていることが認められること
⑧ 当社の取締役のうち、本取引について一般株主との間で利益相反を疑わせる取締役はおらず、全ての取締役が本取引に係る当社取締役会の審議及び決議、並びに本取引に関する当社における検討・交渉過程に参加したとしても本取引の公正性は担保されていると考えられることから、本取引の検討・交渉に際しては、公開買付者から独立した社内検討体制が整備されていたと評価できること
・ 当社は、公開買付関連当事者から独立し、本取引と類似のM&A案件について豊富な経験を有する国内最大の法律事務所であり、高い専門性を有している西村あさひから本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けていたことが認められる。
・ 当社は、公開買付関連当事者から独立し、専門知識と豊富な経験・ノウハウを駆使して会社の実態に即した株式価値評価を行い、公開買付者との価格交渉等に寄与するサービスについて豊富な経験があり、高い専門性を有している三菱UFJ銀行財務開発室から取得した本株式価値算定書に基づき判断を行い、また、公開買付者との間の価格交渉等においては、適時に三菱UFJ銀行財務開発室の助言及び補助を得ている。
・ 本入札プロセスは、当社及び本特別委員会が当社の企業価値向上の観点から慎重な検討及び協議を行った上で進められており、そのような慎重な検討及び協議の結果、アント・キャピタル・パートナーズが本入札プロセスを通過している。これらの当社及び本特別委員会による本入札プロセスにおける検討及び協議、並びに本入札プロセスの通過手続等に不合理な点は認められない。そのため、本入札プロセスは、適切な配慮がなされた上で、マーケット・チェックが実施されたものと評価することができる。また、公開買付期間が30営業日と比較的長期に設定されているところ、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)にも対抗的な買付け等を行う機会を確保していること、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っていないことからすれば、本取引においては間接的なマーケット・チェックも実施されていることが認められることから、他の買収者による買収提案の機会は確保されていると評価できると考えられる。
・ 本公開買付けにおける買付予定数の下限は12,892,500株であり、公開買付者と重要な利害関係を有しない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数(いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件に相当する数)を上回るように設定されているところ、本公開買付けの成立に本公開買付けと重要な利害関係を有しない一般株主の過半数の賛同(応募)を要するような買付予定数の下限が設定されていることは、一般株主による判断機会の確保をより重視することにつながり、かつ、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることに資するものと認められる。
・ 当社の開示資料において、M&A指針が開示を求める特別委員会に関する情報、株式価値算定書に関する情報その他の情報は、十分に開示されると認められる。
・ 本取引においては、一般株主に対する強圧性を生じさせないような配慮がなされているといえ、本取引の手続の公正性の確保に資する対応が採られていると考えられる。
ⅳ 「本取引が当社の一般株主にとって不利益なものではないと考えられるか」について
上記ⅰ乃至ⅲの検討のとおり、本取引の目的は正当かつ合理的と考えられること、本取引の取引条件が公正かつ妥当なものであると考えられること、及び本取引の手続は公正なものであると考えられることからすると、本取引は、当社の一般株主にとって不利益なものではないと考えられる。
ⅴ 「本取引に際して公開買付けが実施される場合、当社取締役会が当該公開買付けに対して賛同する意見を表明すること及び当社の株主に対して当該公開買付けへの応募を推奨することの是非」について
上記ⅰ乃至ⅳの検討を踏まえると、当社取締役が本公開買付けに対して賛同意見を表明すること、及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは妥当であると考えられる。また、本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募するか否かについては本新株予約権者の判断に委ねることも、妥当であると考えられる。
当社は、本株式価値算定書の内容、三菱UFJ銀行財務開発室から受けた財務的見地からの助言、及び西村あさひから受けた法的助言、公開買付者との間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容及びその他の関連資料を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限尊重しながら、本取引に関する諸条件について当社の企業価値向上等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年2月4日開催の当社取締役会において、当社の取締役8名の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。
当社は、公開買付者及び応募予定株主から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、2024年7月中旬に本入札プロセスの実施を決定した時点以降、本取引の検討並びに本取引に係る協議及び交渉を行う社内検討体制を設置し、そのメンバーは、取締役4名(吉岡隆氏、石田実氏、小林希与志氏、窪田茂氏)、執行役員1名及び従業員1名の6名のみから構成されるものとし、かかる取扱いを継続しております。
なお、上記取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の確認を経ております。
公開買付者は、当社との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的買収提案者による買収提案の機会を妨げないこととし、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
また、公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定することにより、当社の一般の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な検討期間を提供しつつ、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。
公開買付者は、応募予定株主との間で、それぞれ、以下の概要の本応募契約を締結しているとのことです。なお、公開買付者は、本取引に関して、応募予定株主に対して、本公開買付けの応募の対価のほかに、何らかの利益を供与又は提供する旨の合意はしていないとのことです。
本公開買付けに際して、公開買付者は、2025年2月4日付で、AVIとの間で、AVI及びAVI投資法人が保有する応募予定株式(AVI)を本公開買付けに応募する旨の本応募契約(AVI)を締結しているとのことです。本応募契約(AVI)においては、AVIによる応募の前提条件は定められていないとのことです。
本応募契約(AVI)においては、(ⅰ)第三者より本公開買付価格を一定程度上回る金額に相当する買付価格により当社の普通株式を取得する旨の法的拘束力ある具体的な書面による公開買付けの提案(以下「対抗提案」といいます。)を当社が受けた場合、又は、(ⅱ)当社株式の市場価格が本公開買付価格を上回る場合においてAVIが株式市場での売却を希望する場合には、AVIは、公開買付者に対して本公開買付価格の変更について協議を申し入れ、当該協議を申し入れた日から起算して7営業日を経過する日又は本公開買付けにおける公開買付期間の末日の前営業日のうちいずれか早い方の日までに、公開買付者が本公開買付価格を対抗提案に係る買付価格又は市場価格を上回る金額に変更しない場合、AVIは、本公開買付けへの応募を行わず又は本公開買付けへの応募を撤回し、応募予定株式(AVI)を、(ⅰ)対抗提案に応じて売却することができ、又は(ⅱ)株式市場において本公開買付価格を上回る価格で売却することができるとされているとのことです。
本応募契約(AVI)において、AVIは、本応募契約(AVI)の締結日後、本公開買付けの決済の開始日までの間、応募予定株式(AVI)の譲渡、担保設定その他の処分又は本公開買付けと実質的に抵触し若しくは本公開買付けの実行を困難にする取引及びそれらに関する合意を行わず、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わず、また、AVI投資法人をしてこれらを行わせないものとされているとのことです。
なお、AVIは、応募契約締結日から本公開買付けの決済の開始日までの間、公開買付者の事前の書面による承諾なく、当社の株主総会の招集請求権(会社法第297条)、株主提案権(会社法第303条乃至第305条)その他の株主権を行使せず、また、AVI投資法人をして、これらを行使させないものとされ、本契約応募契約(AVI)の締結日までの間にこれらを行使していた場合には、公開買付者の指示に従い、当該株主権の行使を撤回し、また、AVI投資法人をして、これを撤回させるものとされているとのことです。また、本公開買付けが開始された場合において、本公開買付けの決済の開始日までの日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催される場合、AVIは、その所有する応募予定株式(AVI)に係る当該株主総会における議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の指示に従って権利を行使するものとするとされ、また、公開買付者が要請した場合には、公開買付者に対し、当該議決権に係る委任状を交付し、また、AVI投資法人をしてこれを交付させるものとされているとのことです。
(注1) 本応募契約(AVI)では、公開買付者の表明保証事項として、①設立及び存続、②本応募契約(AVI)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③強制執行可能性、④許認可等の取得、⑤法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、並びに、⑦反社会的勢力との取引・関与の不存在が規定されております。AVIの表明保証事項として、①設立及び存続、②本応募契約(AVI)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③強制執行可能性、④許認可等の取得、⑤法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦反社会的勢力との取引・関与の不存在、並びに⑧当社株式の保有が規定されております。
本公開買付けに際して、公開買付者は、2025年2月4日付で、德平氏との間で、德平氏が所有する応募予定株式(德平氏)を本公開買付けに応募する旨の本応募契約(德平氏)を締結しているとのことです。本応募契約(德平氏)においては、德平氏による応募の前提条件は定められていないとのことです。
本応募契約(德平氏)において、德平氏は、本応募契約(德平氏)の締結日後、本公開買付けの決済の開始日までの間、応募予定株式(德平氏)の譲渡、担保設定その他の処分又は本公開買付けと実質的に抵触し若しくは本公開買付けの実行を困難にする取引及びそれらに関する合意を行わず、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わないものとし、第三者からかかる取引に関する情報提供、提案、勧誘、協議その他の申出を受けた場合には、速やかに、公開買付者に対して、かかる事実及び内容を通知するものとされているとのことです。
なお、德平氏は、応募契約締結日から本公開買付けの決済の開始日までの間、公開買付者の事前の書面による承諾なく、当社の株主総会の招集請求権(会社法第297条)、株主提案権(会社法第303条乃至第305条)その他の株主権を行使してはならないものとされているとのことです。また、本公開買付けが開始された場合において、本公開買付けの決済の開始日までの日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催される場合、德平氏は、その所有する応募予定株式(德平氏)に係る当該株主総会における議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の指示に従って権利を行使するものとするとされ、また、公開買付者が要請した場合には、公開買付者に対し、当該議決権に係る委任状を交付するものとされているとのことです。
(注2) 本応募契約(德平氏)では、公開買付者の表明保証事項として、①設立及び存続、②本応募契約(德平氏)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③強制執行可能性、④許認可等の取得、⑤法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、並びに、⑦反社会的勢力との取引・関与の不存在が規定されているとのことです。德平氏の表明保証事項として、①本応募契約(德平氏)の締結及び履行に必要な権利能力等の保有、②強制執行可能性、③許認可等の取得、④法令等との抵触の不存在、⑤倒産手続等の不存在、⑥反社会的勢力との取引・関与の不存在、並びに⑦当社株式の保有が規定されているとのことです。
本公開買付けに際して、公開買付者は、2025年2月4日付で、NSとの間で、NSが所有する応募予定株式(NS)を応募する旨の本応募契約(NS)を締結しているとのことです。本応募契約(NS)においては、NSによる応募の前提条件は定められていないとのことです。
本応募契約(NS)において、NSは、本応募契約(NS)の締結日後、本公開買付けの決済の開始日までの間、応募予定株式(NS)の譲渡、担保設定その他の処分又は本公開買付けと実質的に抵触し若しくは本公開買付けの実行を困難にする取引及びそれらに関する合意を行わず、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わないものとし、第三者からかかる取引に関する情報提供、提案、勧誘、協議その他の申出を受けた場合には、速やかに、公開買付者に対して、かかる事実及び内容を通知するものとされているとのことです。
なお、NSは、応募契約締結日から本公開買付けの決済の開始日までの間、公開買付者の事前の書面による承諾なく、当社の株主総会の招集請求権(会社法第297条)、株主提案権(会社法第303条乃至第305条)その他の株主権を行使してはならないものとされているとのことです。また、本公開買付けが開始された場合において、本公開買付けの決済の開始日までの日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催される場合、NSは、その所有する応募予定株式(NS)に係る当該株主総会における議決権その他の一切の権利行使について、公開買付者の指示に従って権利を行使するものとするとされ、また、公開買付者が要請した場合には、公開買付者に対し、当該議決権に係る委任状を交付するものとされているとのことです。
(注3) 本応募契約(NS)では、公開買付者の表明保証事項として、①設立及び存続、②本応募契約(NS)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③強制執行可能性、④許認可等の取得、⑤法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、並びに、⑦反社会的勢力との取引・関与の不存在が規定されているとのことです。NSの表明保証事項として、①設立及び存続、②本応募契約(NS)の締結及び履行に必要な権限及び権能の保有、③強制執行可能性、④許認可等の取得、⑤法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦反社会的勢力との取引・関与の不存在、並びに⑧当社株式の保有が規定されているとのことです。
当社は、2025年2月4日付で当社決算短信を公表しております。詳細については、当社の当該公表内容をご参照ください。
当社は、2025年2月4日付で公表した「2025年3月期配当予想の修正(無配)及び株主優待制度の廃止に関するお知らせ」に記載のとおり、2025年2月4日開催の取締役会において、本公開買付けが成立することを条件に、2024年11月13日に公表した2025年3月期の配当予想を修正し、2025年3月期の期末配当を行わないこと、及び2025年3月期より株主優待制度を廃止することを決議いたしました。詳細については、当社の当該公表内容をご参照ください。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 太田知子、岡浩治、大嶋義孝及び三好林太郎は、社外取締役であります。
(注3) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社の役員持株会における持分に相当する株式の数(小数点以下を切り捨て)及びこれに係る議決権の数を含めた数を記載しております。
(注) 役職名、所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権の数は、本書提出日現在のものです。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】