第1 【公開買付要項】

 

1 【対象者名】

知多鋼業株式会社

 

2 【買付け等をする株券等の種類】

普通株式

 

3 【買付け等の目的】

(1) 本公開買付けの概要

公開買付者は、本書提出日現在、株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)メイン市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)1,107,000株(所有割合(注1):11.56%)を所有する対象者の主要株主である筆頭株主です。2024年11月11日付「知多鋼業株式会社(証券コード:5993)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(以下「2024年11月11日付公開買付者プレスリリース」といいます。)にて公表しておりましたとおり、公開買付者は、同日開催の取締役会において、対象者の発行済株式の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議しておりました。本公開買付けは、日本の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)に基づく必要な手続及び対応に一定期間を要することが見込まれることから、公開買付者は、当該手続及び対応が完了すること等の前提条件(注2)(以下「本公開買付前提条件」といいます。)が充足された場合(又は公開買付者により放棄された場合)に本公開買付けを速やかに開始することを予定しており、本公開買付前提条件のうち、独占禁止法上の必要な手続及びその対応状況を考慮の上、2025年1月下旬頃を目途に本公開買付けを開始することを目指しておりました。

(注1) 「所有割合」とは、対象者が2025年1月10日に公表した「2025年2月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「対象者第3四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年11月30日現在の発行済株式総数(9,621,550株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(46,067株)を控除した株式数(9,575,483株)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、対象者株式に係る所有割合の記載について同じとします。

(注2) ①対象者取締役会が、利害関係を有しない取締役の全員一致をもって、本公開買付けに賛同し、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見(以下「本賛同意見」といいます。)を表明することを決議し、これが公表され、かつ、本賛同意見が維持されていること、②本公開買付けに関連して設置された本特別委員会(下記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ) 検討体制の構築」において定義します。以下同じとします。)が、対象者取締役会に対して、本賛同意見を表明することは相当である旨の答申を行い、当該答申を行ったことが公表され、かつ、当該答申が維持されていること、③日本における独占禁止法上のクリアランスの取得が完了していること又は本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)の末日の前日までに当該クリアランスの取得が完了していると合理的に見込まれること、④本取引のいずれかが法令等の違反を構成せず、また、司法・行政機関等(裁判所、仲裁人、仲裁機関、監督官庁その他の国内外の司法機関・行政機関及び金融商品取引所その他の国内外の自主規制機関を総称していいます。以下同じとします。)に対して、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨のいかなる申立て、訴訟又は手続も係属しておらず、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨のいかなる司法・行政機関等の判断等も存在しておらず、かつ、その具体的なおそれもないこと、⑤本公開買付けの開始日において、対象者に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項)で公表(法第166条第4項)されていないものが存在せず、また、対象者株式に関する公開買付け等の実施に関する事実(法第167条第2項)であって公表(法第167条第4項)されていないものが存在しないこと、⑥法第27条の11第1項ただし書に定める対象者又はその子会社の業務等に関する重要な変更その他の本公開買付けの目的の達成に重大な支障となる事情が生じていないこと、及び、⑦対象者グループ(下記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」において定義します。)の事業、財政状態、経営成績若しくはキャッシュ・フロー又はこれらの見通しに重大な悪影響を与える可能性のある事由、国内外の株式市況その他の市場環境、金融環境又は経済環境の重大な変化その他本取引の実行が客観的に不可能又は著しく困難となる事情が発生又は判明しておらず、また発生又は判明することが見込まれていないことの充足を前提条件としております。

 

 

その後、2025年1月31日付「(開示事項の経過)知多鋼業株式会社(証券コード:5993)に対する公開買付け実施に向けた進捗状況に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、2025年1月28日付で公正取引委員会より「排除措置命令を行わない旨の通知書」及び「禁止期間の短縮の通知書」を受領し、独占禁止法上のクリアランスの取得が完了しました。今般、公開買付者は、以下のとおり、独占禁止法上のクリアランスの取得を含む本公開買付前提条件の全てが充足されたことを確認したことから、2025年2月6日付取締役会において、本公開買付けを2025年2月7日から開始することを決議しました。なお、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)や買付予定数の下限を含め、2024年11月11日付公開買付者プレスリリースで公表した主要な買付条件に変更はありません。

① 公開買付者は、対象者より、2025年2月6日開催の対象者取締役会において、利害関係を有しない取締役の全員一致をもって、2025年2月6日現在においても、2024年11月11日時点における本賛同意見を変更する要因はないと判断し、改めて、本賛同意見を表明することを決議し、これが公表され、かつ、本賛同意見が維持されている旨の報告を受けたことから、本公開買付前提条件の①の充足を確認いたしました。

② 公開買付者は、対象者より、本特別委員会が、2025年2月4日付で、対象者取締役会に対して本賛同意見を表明することは相当である旨の2024年11月11日付の答申書(以下「2024年11月11日付答申書」といいます。)の意見に変更がない旨の答申書(以下「2025年2月4日付答申書」といいます。)を提出し、また、このことが公表され、かつ、当該答申が維持されている旨の報告を受けたことから、本公開買付前提条件の②の充足を確認いたしました。

③ 公開買付者は、独占禁止法上の必要な手続及び対応について、下記「6 株券等の取得に関する許可等」の「(2) 根拠法令」に記載のとおり、公正取引委員会から2025年1月28日付「排除措置命令を行わない旨の通知書」及び2025年1月28日付「禁止期間の短縮の通知書」を受領し、2025年1月28日の経過をもって取得禁止期間(下記「6 株券等の取得に関する許可等」の「(2) 根拠法令」にて定義します。)が終了したことをもって、本公開買付けによる対象者株式の取得(以下「本株式取得」といいます。)を実行することが可能となったため、本公開買付前提条件の③の充足を確認いたしました。

④ 公開買付者は、対象者より、2025年2月6日現在において、本取引のいずれかが法令等の違反を構成せず、また、司法・行政機関等に対して、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨のいかなる申立て、訴訟又は手続も係属しておらず、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨のいかなる司法・行政機関等の判断等も存在しておらず、かつ、その具体的なおそれもない旨の報告を受けたこと、及び、公開買付者自身においても、2025年2月6日現在において、本取引のいずれかが法令等の違反を構成せず、また、司法・行政機関等に対して、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨のいかなる申立て、訴訟又は手続も係属しておらず、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨のいかなる司法・行政機関等の判断等も存在しておらず、かつ、その具体的なおそれもないと認識していることから、本公開買付前提条件の④の充足を確認いたしました。

⑤ 公開買付者は、対象者より、2025年2月6日時点において、対象者に係る業務等に関する重要事実で対象者が公表していないものが存在せず、また、対象者株式に関する公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実であって公表されていないものが存在しない旨の報告を受け、上記の本公開買付前提条件の⑤の充足を確認いたしました。

⑥ 公開買付者は、対象者より、2025年2月6日時点において、法27条の11第1項ただし書に定める対象者又はその子会社の業務等に関する重要な変更その他の本公開買付けの目的の達成に重大な支障となる事情が生じていない旨の報告を受け、本公開買付前提条件の⑥の充足を確認いたしました。

⑦ 公開買付者は、対象者より、2025年2月6日時点において、対象者グループの事業、財政状態、経営成績若しくはキャッシュ・フロー又はこれらの見通しに重大な悪影響を与える可能性のある事由、国内外の株式市況その他の市場環境、金融環境又は経済環境の重大な変化その他本取引の実行が客観的に不可能又は著しく困難となる事情が発生又は判明しておらず、また発生又は判明することが見込まれていない旨の報告を受け、本公開買付前提条件の⑦の充足を確認いたしました。

 

 

本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の下限を5,276,700株(所有割合:55.11%)と設定しており、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行いません。一方、本公開買付けにおいて、公開買付者は、対象者の発行済株式の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限を設定しておりませんので、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(5,276,700株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。なお、買付予定数の下限(5,276,700株)は、対象者第3四半期決算短信に記載された2024年11月30日現在の発行済株式総数(9,621,550株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(46,067株)を控除した株式数(9,575,483株)の3分の2に相当する株式数の1単元(100株)未満に係る数を切り上げた株式数(6,383,700株)を基礎として、これから公開買付者が本書提出日現在所有する対象者株式の数(1,107,000株)を控除した株式数(5,276,700株)としております。かかる買付予定数の下限の設定は、本公開買付けにおいて、公開買付者は、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が対象者の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるように設定したものです。

公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、公開買付者が対象者株式の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者が対象者株式の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しております。

なお、対象者が2024年11月11日に公表した「カヤバ株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「2024年11月11日付対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、同日開催の対象者取締役会において、同日時点における対象者の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしていたとのことです。

また、本公開買付けは、本公開買付前提条件が充足された場合(又は公開買付者により放棄された場合)には、速やかに開始される予定であり、2024年11月11日現在、2025年1月下旬頃を目途に本公開買付けを開始することを目指していましたが、独占禁止法に係る公正取引委員会における手続等に要する期間を正確に予想することは困難であるため、対象者は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、対象者の本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付で対象者取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、対象者取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議していたとのことです。

さらに、対象者が2025年2月6日に公表した「カヤバ株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下、2024年11月11日付対象者プレスリリースと併せて「対象者プレスリリース」と総称します。)によれば、対象者は、改めて本公開買付けについて検討した結果、2025年2月6日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議したとのことです。

2024年11月11日及び2025年2月6日開催の各対象者取締役会の決議の詳細については、対象者プレスリリース及び下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」をご参照ください。

 

 

(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針

① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

公開買付者は、1919年11月に創業者の萱場資郎が創業した萱場発明研究所に起源を有します。1927年1月に個人経営の萱場製作所が発足し、1935年3月には株式会社萱場製作所が創立され、航空機用油圧緩衝脚やカタパルト等を製作しておりました。1945年には、同社は商号を萱場産業株式会社に変更いたしました。その後、同社は、1948年11月に企業再建整備法に基づく第二会社として萱場工業株式会社を設立し、萱場工業株式会社へ株式会社萱場製作所の資産を移行させた上で、株式会社萱場製作所については清算しております。その後、萱場工業株式会社は、1985年10月に商号をカヤバ工業株式会社に変更した後、2015年10月にはKYB株式会社に変更し、さらに、2023年10月には現在のカヤバ株式会社に変更いたしました。また、公開買付者の株式については、1959年10月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)に上場し、その後、2022年4月の東京証券取引所における市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部から東京証券取引所プライム市場に移行いたしました。

公開買付者は、本書提出日現在、公開買付者の関係会社(連結子会社29社、持分法適用関連会社4社、非連結子会社3社、持分法非適用関連会社3社。以下、公開買付者及び公開買付者の関係会社を総称して「公開買付者グループ」といいます。)とともに、「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献するカヤバグループ」を経営理念として持続的な成長と企業価値向上の実現を通してステークホルダーの期待に応えるとともに、社会に貢献するという企業の社会的責任を果たしていると考えております。公開買付者グループは、油圧緩衝器・油圧機器等の製造・販売並びに各事業の統轄及び油圧緩衝器の物流業務等の関連するサービス業務等を行っております。公開買付者は、「AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業」、「HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業」、及び「航空機器事業」の3つを報告セグメント(注1)としておりますが、特装車両事業及びその他(物流業務、海外子会社の統轄業務及び保険代理業務等)については、報告セグメントに含まれないその他に区分しており、これらの事業内容は以下のとおりです。

(注1) 「報告セグメント」とは、企業会計基準第17号のセグメント情報等の開示に関する会計基準に基づき量的基準に従って決定したセグメントです。

 

(ⅰ) AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業

AC事業では、国内においては、連結子会社の金山カヤバ株式会社等から製品・部品等の供給を受け、公開買付者が四輪車用油圧緩衝器、油圧機器等を製造の上、自動車メーカー及び市販・サービス市場等へ販売しております。また、連結子会社のカヤバモーターサイクルサスペンション株式会社から製品・部品等の供給を受け、二輪車用油圧緩衝器等を二輪車メーカー等へ販売しております。連結子会社のカヤバロジスティクス株式会社は、物流・サービス提供等に係わる事業を行っております。

海外においては、連結子会社のKYB Americas Corporation等は、四輪車用及び二輪車用油圧緩衝器、油圧機器等を製造し、各国の自動車メーカー等へ販売しております。また、関係会社間において、製品・部品等の供給も行っております。連結子会社のKYB Europe GmbH等は、欧州・米国・中国・東南アジア及びその他地域の市販市場等へ販売しております。連結子会社の凱迩必(中国)投資有限公司は、関係会社の統轄等に係わる事業を行っております。

 

(ⅱ) HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業

HC事業では、国内においては、公開買付者、連結子会社の株式会社タカコ等が産業用油圧機器等を製造の上、建設機械メーカー等へ販売しております。また、海外においては、連結子会社の凱迩必機械工業(鎮江)有限公司等が産業用油圧機器を製造し、各国の建設機械メーカー等へ販売しております。連結子会社の凱迩必(中国)投資有限公司は、関係会社の統轄等に係わる事業を行っております。

 

 

(ⅲ) 航空機器事業

航空機器事業では、公開買付者が航空機用離着陸装置、操舵装置、制御装置及び緊急装置等を製造し、販売しております。なお、航空機器事業につきましては、経営資源の選択と集中による企業競争力強化を図るべく、2029年までに撤退することを基本方針として決定しております。

 

(ⅳ) 特装車両事業及びその他

特装車両事業及びその他の製品では、国内においては公開買付者が製造した特装車両等を、特約販売会社等へ販売しております。

 

一方、対象者は、1946年11月に愛知県知多郡大野町(現・常滑市)において創業された知多鋼業所を継承し、1956年3月に現商号である知多鋼業株式会社として設立され、線ばね、薄板ばね、ボルト、ナット、自動車用金具の製造・販売を開始したとのことです。

また、対象者株式については、1979年8月に社団法人日本証券業協会(以下「日本証券業協会」といいます。)名古屋地区協会に店頭登録、1981年10月に日本証券業協会への店頭登録を取消し、名古屋証券取引所の市場第二部に上場したとのことです。その後、2022年4月の名古屋証券取引所における市場区分の見直しにより、名古屋証券取引所市場第二部から名古屋証券取引所メイン市場に移行しているとのことです。

対象者は、本書提出日現在、対象者、国内連結子会社2社、国内非連結子会社1社及び海外連結子会社3社、海外関連会社2社からなる企業グループ(以下「対象者グループ」といいます。)により構成されており、自動車関連を中心とする各種ばねの製造・販売を主として営んでいるとのことです。対象者グループは、「QCD(注2)いずれにおいても競争力No.1」という「知多ブランド」を確立し、世界のお客様に選び続けられる会社を目指しているとのことです。

(注2) 「QCD」とは、「Quality(品質)」、「Cost(コスト)」、「Delivery(納期)」のことをいいます。

 

連結子会社の知多鋼材株式会社は、対象者が二・四輪車業界、産業機械業界等へ製造・販売している各種線ばね、薄板ばね及びパイプ成形加工品等の原材料の供給・販売を行っており、また、連結子会社の知多ゴム工業株式会社は、独立して工業用ゴム製品の製造・販売を行っており、対象者の緩衝用金具を仕入れ、ゴム付け加工をし、主として二・四輪車業界向けに販売しているとのことです。

海外連結子会社のUS CHITA CO.,LTD.は、米国において主として各種線ばね及び薄板ばねを製造・販売しており、海外連結子会社のPT. Chita Indonesiaはインドネシア共和国において主として各種線ばねを製造・販売しているとのことです。また、海外連結子会社の知多弾簧工業(鎮江)有限公司は、中華人民共和国において主として薄板ばねを製造・販売しているとのことです。

また、海外関連会社のSIAM CHITA CO.,LTD.は、タイ王国において主として二・四輪車業界向け、各種線ばね及び薄板ばねを製造・販売しており、海外関連会社のKYB CHITA Manufacturing Europe s.r.o(公開買付者の連結子会社)はチェコ共和国において四輪車業界向け、各種線ばね及び薄板ばねを製造・販売しているとのことです。

公開買付者と対象者の資本関係としては、2006年12月に、自己資本の充実により財務体質の強化を目的として対象者が公開買付者(当時の保有株式数:467,683株、当時の発行済株式数の5.42%)、高周波熱錬株式会社(当時の保有株式数:583,800株、当時の発行済株式数の6.77%)及び東京窯業株式会社(当時の保有株式数:0株、当時の発行済株式数の0.00%)の3社を引受先として、対象者株式計1,000,000株を割り当てる第三者割当増資を実施し、公開買付者は、普通株式640,000株の割り当てを受けました。その後、公開買付者が、2011年に、当時の単元未満部分である683株を処分した結果、従前より保有していた467,000株と併せ、公開買付者は本書提出日現在において対象者株式1,107,000株(所有割合:11.56%)を所有するに至っております。

 

公開買付者グループは、上記第三者割当増資の引受以後もサプライチェーンにおける重要かつ不可欠なパートナーとして、安定供給・コスト低減・市場拡大を目的に、対象者との共同出資による海外における合弁会社の設立等を通じて、対象者とグローバルでの協業体制を構築してきております。具体的には2008年8月にインドネシア共和国に各種線ばねを製造・販売するPT. Chita Indonesia(出資及び議決権比率:公開買付者30.0%、対象者70.0%)を、2013年1月にチェコ共和国に各種線ばね・薄板ばねを製造・販売するKYB CHITA Manufacturing Europe s.r.o.(出資及び議決権比率:公開買付者70.0(間接)%、対象者30.0%)を、2015年4月に中華人民共和国に薄板ばねを製造・販売する知多弾簧工業(鎮江)有限公司(出資及び議決権比率:公開買付者30.0%、対象者70.0%)をそれぞれ共同出資して設立しております。

公開買付者グループを取り巻く足元の経営環境としては、米中貿易摩擦やロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢の緊迫化等、地政学リスクの高まりの中で、継続してサプライチェーンの分断・混乱が大きな課題となっており、製品の安定的な生産・供給に向けては調達先との最適なサプライチェーンの構築と強靭化が重要であると公開買付者では認識しております。

公開買付者グループは、2023年5月に2025年3月期を最終年度とする「2023中期経営計画」を策定し、目指す姿として「品質経営を極める」ことを掲げ、企業価値向上に努めております。同経営計画の成長戦略として、「新市場への進出・新製品の早期投入により売上・利益率向上を図る」、「新たなビジネスモデルによる利益貢献を実現する」といった方針を打ち出しており、具体的には四輪車や建設機械における電動化対応製品の投入や新顧客・新市場への参入等を掲げ、アフターマーケット(注3)領域の強化も重要な施策となっております。また、公開買付者グループは従前より、競争力を維持するために、環境変化に対応したグローバルな最適地生産を軸に、絶え間ない原価低減活動が重要と認識し、「2023中期経営計画」においても重要なテーマの一つとして実践しております。更なる競争力強化のために、革新的モノづくりとしてShip‘30(Self handling innovation plant 2030:自己完結革新工場を2030年に具現化する活動)を推進し、生産・搬送・検査の自働化や、AI/IoTを活用したモノづくり現場の情報見える化にも注力しております。

(注3) 「アフターマーケット」とは、購入後のアフターサービス市場を意味し、消耗品や補修パーツの供給、保守・修理サービス、周辺機器の販売等、製品の販売に付随して生まれるアフターサービスに関連した取引が行われる市場のことをいいます。

 

対象者グループは、二輪・四輪用線ばね・薄板ばね製品を中心に高い技術力とグローバル体制を構築しており、公開買付者グループとも強固な取引関係を有していると考えております。直近5事業年度において、対象者による公開買付者及び公開買付者の連結子会社であるカヤバモーターサイクルサスペンション株式会社向けの割合は対象者の一事業年度における売上のうち約3割を占めている他、海外において公開買付者と対象者にて合弁会社3社を線ばねや薄板ばねの製造・販売拠点として有する等、双方にとって、サプライチェーン上極めて重要かつ不可欠なパートナーであると認識しております。対象者グループの製品である薄板ばねは、公開買付者グループが製造する四輪車用及び二輪車用油圧緩衝器の品質・性能を決める重要部品のひとつであり、線ばねは、公開買付者の四輪車用緩衝器のアフターマーケット領域における付加価値向上に資すると考えております。

 

一方で、対象者グループを取り巻く経営環境については、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢緊迫化をはじめとする地政学的リスクの高まりやインフレ抑制に向けた各国の金融引き締めにより景気の減速が懸念される状況であり、特に自動車産業においては、自動車の製造における資材価格やエネルギー価格の高止まり、物流費の上昇、為替相場の動向等の様々なコストアップを受けて、各社においてグローバルな最適調達の強化を進めている状況にあると、公開買付者は認識しております。このような状況下においては、サプライチェーン強靭化やコスト低減が対象者グループの喫緊の課題になっており、公開買付者は、公開買付者グループ及び対象者グループとの取引関係を一層深化させることにより、サプライチェーンの強靱化を図ることが必要であると考えております。特に、コスト低減により価格競争力を向上させるには、対象者グループにおいて、生産設備のデジタル化による効率的な生産体制を構築する必要があると考えております。公開買付者は、既に対象者グループがかかる課題への対応を進めていることは認識しているものの、昨今の技術革新の状況を踏まえれば、よりスピーディーに対応することが不可欠であると考えており、そのためには、公開買付者グループにおけるデータ及びデジタル技術を活用するノウハウ・知見の活用が有効であると考えております。さらに、公開買付者は、対象者グループが自動車の製造に関連する顧客への販売を通じて事業を拡大してきた一方で、他の事業セグメントにおける新規顧客の開拓や新製品の企画及び開発を通じた新規領域の拡大を実現できていない状況にあると認識しております。対象者の主要な顧客である公開買付者グループにおいては、対象者の既存顧客及び潜在的顧客のニーズを詳細に把握できており、経営資源・ノウハウの共有や情報交換等を通じて、新規製品の企画から製造及び販売までを相互連携して行うことにより、そのようなニーズを満たす製品の開発・製造・販売を行うことができると考えております。

また、対象者の前々代表取締役社長である三輪容功氏が2024年5月24日に病気療養のため退任しました。2017年5月に社長を退任していた対象者の前代表取締役会長の吉田修氏は、2024年5月から再度対象者の社長に就任し、会長と社長を兼務する体制となっておりました。なお、その後、2024年12月9日に、対象者の常務取締役である太田晴之氏も代表取締役常務へ就任され、代表取締役は吉田修氏及び太田晴之氏による2名体制へ変更されたものの、同月11日に、吉田修氏が逝去されたことにより、同日をもって代表取締役を退任されたため、代表取締役は太田晴之氏の1名体制へ移行しており、2025年1月10日に、太田晴之氏が吉田修氏の後任として代表取締役社長へ就任されております。対象者においては引き続き経営人材の確保・育成が喫緊の課題となっているものと公開買付者は認識しており、かかる課題の解消にあたっては、マネジメント人材を含めた公開買付者グループの人材リソースの活用が有効であると考えております。

もっとも、公開買付者は対象者株式を一定程度所有することに留まっており、公開買付者と対象者がそれぞれ、上場企業として独立した経営を行っている現状においては、公開買付者グループ及び対象者グループが相互に経営資源・ノウハウを活用したり、情報を交換したりする場合、その有用性や取引としての客観的な公正性について、対象者の一般株主の皆様を含む各ステークホルダーの利益を考慮する必要があり、パートナーシップの強化にあたって一定の制約が生じうる状況にあります。具体的には、公開買付者が対象者に対して企業価値の向上に資する経営資源やノウハウの提供を行っても、利益の一部が対象者の一般株主へ流出してしまい、公開買付者としてそのような経営資源やノウハウの提供に経済合理性を認めにくい状況が生じる可能性があります。また、公開買付者と対象者との取引関係においても、対象者の一般株主の利益が害されないよう配慮する必要があるところ、現時点で具体的な不都合が生じているわけではないものの、今後の競争環境や市場環境の変化によっては、公開買付者及び対象者の置かれた状況が複雑化し、このような対象者の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある等、公開買付者と対象者の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は両社の取引関係の観点からも一定の制約になり得ます。このように、構造的に公開買付者と対象者の一般株主の皆様との間で利益相反関係が生じうるため、経営資源・ノウハウの共有や情報交換には慎重にならざるを得ず、構造的に公開買付者と対象者の一般株主の皆様との間で利益相反関係を生じ得る事項に関しては、迅速かつ機動的な意思決定を行うことも困難です。そのため、公開買付者は、対象者を完全子会社化することで構造的な利益相反の解消を図り、双方の経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが必要と考えております。

 

かかる認識に基づき、公開買付者は、公開買付者グループ及び対象者グループの一層の事業拡大及びサプライチェーンの安定化を図っていくためには、公開買付者として、対象者との資本関係を更に強化し、これまで以上の一体化した経営を行うことにより、協業体制の構築や事業成長への経営資源の集中、人材を含めた経営資源・ノウハウの共有化、意思決定の迅速化・簡素化を図ることが重要であるとの認識に至りました。他方で、資本関係の更なる強化による公開買付者グループと対象者グループの一体的な経営は、対象者グループの中長期的な企業価値の向上の観点からは必要と考えられるものの、その有用性や客観的公正性の観点から、部分的に対象者の一般株主の皆様の利益を損なう可能性も否定できないため、一体的な経営の実現のためには、対象者を公開買付者の完全子会社とすることが最適であると、公開買付者は2024年8月8日に判断いたしました。

なお、公開買付者が、本取引において想定している具体的なシナジー効果としては以下のとおりです。

 

(ア) 公開買付者グループ及び対象者グループとの相互連携によるサプライチェーン強靭化

公開買付者は、社会情勢を踏まえ、サプライチェーンの安定化は極めて重要と考えております。本取引により対象者を完全子会社化することにより、経営資源及びノウハウの共有や情報の交換について存在していた一定の制約を受けずに、より迅速かつ詳細に、サプライチェーンに関する課題の共有や顧客ニーズの伝達を行うことができることから、公開買付者グループにとってばねをはじめとする製品群の調達安定化に繋がるものと認識しております。また、対象者グループにとっても、上記のような制約が解消されることにより、公開買付者グループとの調達・購買・配送体制の共同化や、製造・販売の一体化を進めることができるため、サプライチェーン強靭化やコスト低減に繋がるものと考えております。

 

(イ) ノウハウの共有化によるコスト低減・品質向上

公開買付者グループは、長年にわたる絶え間ないモノづくり活動・コスト低減活動の実践を通して蓄積してきたノウハウ・知見を有しております。対象者グループに対して公開買付者グループのモノづくりの仕組みや品質管理システムを共有することにより、対象者製品の製造コスト低減・品質向上・収益拡大に繋げていくことが可能と考えております。また、生産・搬送・検査の自働化・無人化や、AI/IoTを活用したモノづくり現場の情報見える化等の革新的モノづくりの考え方を対象者と共有することにより、対象者グループの製造現場における生産性向上や品質均一化を推進することが可能であると考えております。これまでは、対象者グループにおけるノウハウのみによって、これらの取り組みを行っていたものの、対象者の完全子会社化後には、公開買付者及び公開買付者グループにおけるノウハウも制約なく共有できるようになることから、対象者グループにおけるコスト低減や品質向上を推し進めることができると考えております。

 

(ウ) 公開買付者グループ及び対象者グループとの相互連携による製品企画・開発

公開買付者グループは対象者製品の線ばねや薄板ばねを調達することによって、四輪車用及び二輪車用油圧緩衝器等の製品を製造・販売しております。対象者の完全子会社化後には、制約なく経営資源及びノウハウの共有や情報の交換ができるようになることから、公開買付者グループ及び対象者グループによる企画・設計段階からの共同開発やノウハウ・情報の共有化、必要リソースの共通化を通じ、より効率的にコスト競争力があり、お客様ニーズを充足可能な製品を開発・販売することが実現できると考えております。アフターマーケット領域においては、ばねと油圧緩衝器のモジュール販売の要求も高く、ばね及び油圧緩衝器の一体的な製品企画・開発が重要であると考えております。また、対象者グループは緩衝用金具を仕入れ、ゴム付け加工をした防振ゴムを二・四輪車業界向けに販売しており、アフターマーケット領域における防振ゴムを開発・拡大することによって、公開買付者のコスト競争力向上に資すると考えております。公開買付者グループ及び対象者グループとの開発・製造・販売体制の連携により、新規領域や新技術のニーズ把握を効果的に推進するとともに、ニーズを価値ある製品の実現、早期収益化に繋げていきたいと考えております。

 

 

(エ) 人材やガバナンスの観点からの対象者グループにおける体制強化

グローバルに事業展開を行う製造業においては、製造業の根幹でもある「生産・技術・品質保証・研究開発人材」に加えて、「経営企画人材」、「購買・営業人材」、「海外事業人材」、「経営管理人材(財務・経理・法務等)」、「IT人材」等、多種多様な人材リソースを確保することが重要であると考えております。対象者が公開買付者の完全子会社となれば、公開買付者グループの人材リソースを購買実務や営業活動、IT投資、経営管理等の様々な分野に対して効果的に活用することが可能となり、マネジメント人材も含めた、対象者における人材不足等の問題も解決可能と考えております。加えて、公開買付者グループ及び対象者グループの双方にとって、人材交流や人材配置を通じた人材育成・組織活性化が期待できるものとも考えております。

 

(オ) 公開買付者及び対象者の意思決定の迅速化・簡素化

対象者は公開買付者の子会社又は関連会社には該当しない独立した上場会社であり、公開買付者グループに属さないため、経営資源・ノウハウの共有や情報交換には一定の制限があります。また、公開買付者は、対象者の主要株主かつ筆頭株主であり、対象者の取締役7名のうち公開買付者の従業員を兼務している者が1名存在することから、公開買付者と対象者の一般株主の皆様との間には利益相反の関係があると考えられるため、公開買付者と対象者との間では、対象者の一般株主の皆様の利益にも配慮した慎重な判断をする必要があります。その結果として、公開買付者と対象者においては、相応の協議、プロセスを経なければ、共通の施策を機動的に推し進めることが困難であるところ、本取引を通じて対象者を公開買付者の完全子会社とすることにより、上記の利益相反関係を解消することで、公開買付者と対象者との間の意思決定プロセスの迅速化・簡素化を実現し、サプライチェーンにおける安定供給と品質確保や、環境変化への迅速な対応が可能になると考えております。

 

本取引は、上記(ア)から(オ)にて記載している各種シナジー創出策の実行及び効果最大化にあたって懸念される利益相反構造の解消、ガバナンス体制の強化・明確化に資すると考えられることから、公開買付者ではその実施が必要不可欠であると考えております。

 

このような認識や考えのもと、公開買付者は2024年7月下旬に本取引の本格的な検討を開始いたしました。公開買付者は、2024年7月31日、対象者に対して、公開買付者の社内で本取引の検討を開始した旨及び本取引について具体的に協議を開始したい旨を伝達し、2024年7月31日、対象者から協議に応じる旨の回答を得ました。これを受け、公開買付者は、2024年8月8日、本取引の背景及び目的、想定されるシナジー及びスケジュールを記載した意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を対象者に対して提出いたしました。2024年8月中旬、公開買付者は、公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業を、財務・税務アドバイザーとしてPwCアドバイザリー合同会社・PwC税理士法人を、環境アドバイザーとしてイー・アンド・イーソリューションズ株式会社をそれぞれ選任いたしました。公開買付者は、2024年8月9日に、対象者よりデュー・ディリジェンスに合理的な範囲で協力する旨の通知を受け、対象者に対するデュー・ディリジェンスを2024年9月初旬から同年10月下旬まで実施いたしました。

 

その後、公開買付者は、2024年10月7日、対象者が開示している決算短信や有価証券報告書といった客観的な資料、2024年9月上旬から同日まで実施した対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果並びに提案日の前営業日における対象者株式の終値、同日までの過去1ヶ月間、過去3ヶ月間及び過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム率等を勘案し、対象者に対し、本公開買付価格を1,400円(1,400円は、当該提案がなされた2024年10月7日の前営業日である2024年10月4日の名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式の終値917円に対して52.67%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算について同じとします。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値909円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値の単純平均値の計算について同じとします。)に対して54.02%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値939円に対して49.09%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値971円に対して44.18%のプレミアムを加えた金額です。)として対象者に提示いたしました。これに対し、2024年10月10日、対象者から、対象者の第三者算定機関による対象者株式価値の試算結果等を踏まえ、当該提案価格は対象者の企業価値を十分に反映したものとは評価できないものと考えており、提案価格を評価する際の指標の1つとして重視しているPBRの水準に鑑みても、当該提案価格は対象者の一般株主にとって到底満足し得る水準には達していないとして、本公開買付価格の引上げを行うよう要請を受けました。公開買付者は、対象者からの上記の回答を真摯に検討し、2024年10月15日に、対象者に対し、本公開買付価格を1,650円(1,650円は、当該提案がなされた2024年10月15日の前営業日である2024年10月11日の名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式の終値900円に対して83.33%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値909円に対して81.52%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値932円に対して77.04%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値968円に対して70.45%のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の再提案を行いました。これに対し、2024年10月16日、対象者から、対象者の第三者算定機関による対象者株式価値の試算結果等を踏まえ、当該提案価格は対象者の企業価値を十分に反映したものとは評価できないものと考えており、PBRの水準という観点でも当該提案価格は引き続き対象者の一般株主にとって到底満足し得る水準には達していないことから、本公開買付価格の引上げを行うよう再度要請を受けました。公開買付者は、対象者からの上記の回答を真摯に検討し、2024年10月23日に、対象者に対し、本公開買付価格を1,850円(1,850円は、当該提案がなされた2024年10月23日の前営業日である2024年10月22日の名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式の終値890円に対して107.87%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値908円に対して103.74%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値921円に対して100.87%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値962円に対して92.31%のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の再提案を行いました。これに対し、2024年10月30日、対象者から、対象者の第三者算定機関による対象者株式価値の試算結果等を踏まえ、当該提案価格は対象者の一般株主の利益に十分に配慮された価格とはいえないものと考えており、対象者の本源的価値及び対象者が保有する現預金、投資有価証券等の規模感を勘案し、本公開買付価格を2,250円まで引上げを行うよう再度要請を受けました。公開買付者は、対象者からの上記の回答を真摯に検討し、2024年11月1日に、対象者に対し、本公開買付価格を2,000円(2,000円は、当該提案がなされた2024年11月1日の前営業日である2024年10月31日の名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式の終値855円に対して133.92%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値889円に対して124.97%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値905円に対して120.99%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値955円に対して109.42%のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の再提案を行いました。これに対し、2024年11月5日、対象者から、対象者の第三者算定機関による対象者株式価値の試算結果等を踏まえ、当該提案価格は一般株主保護の観点から一定程度評価できる水準にあると認識しているものの、対象者の一般株主の利益に十分に配慮された価格とはいえないものと考えており、本公開買付価格を2,100円まで引上げを行うよう再度要請を受けました。公開買付者は、対象者からの上記の回答を真摯に検討し、2024年11月8日に、対象者に対し、本公開買付価格を2,010円(2,010円は、当該提案がなされた2024年11月8日の前営業日である2024年11月7日の名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式の終値848円に対して137.03%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値875円に対して129.71%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値904円に対して122.35%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値950円に対して111.58%のプレミアムを加えた金額です。)とする旨の再提案を行いました。これに対し、同日に対象者から、本特別委員会の意見も踏まえた検討の結果、最終的な意思決定は2024年11月11日開催の対象者取締役会での決議によることを前提に、本公開買付価格を2,010円とする公開買付者の提案に応諾する旨の回答を受領いたしました。

 

 

以上の検討、協議及び判断を踏まえ、対象者の2025年2月期の期末配当が無配であることを前提にして、公開買付者は、2024年11月11日開催の取締役会において、本取引の一環として、本公開買付けを実施すること、及び本公開買付価格を2,010円とすることを決議いたしました。

その後、公開買付者は、2024年12月24日、対象者に対して、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を行い、そして、2025年1月28日、対象者に対して、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、本公開買付前提条件が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日より開始することを予定している旨の連絡を行いました。

また、公開買付者は、対象者より、2025年2月6日、同日時点において、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応以外の本公開買付前提条件の全てについても充足された旨の報告を受けました。

公開買付者は、対象者からの連絡を踏まえ、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付前提条件の全てが充足されたことを確認したことから、2025年2月6日付の取締役会において、本公開買付けを2025年2月7日から開始することを決議いたしました。

 

② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ) 検討体制の構築

対象者プレスリリースによれば、対象者は、上記「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年8月8日、公開買付者から、対象者株式の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の取得に係る提案を含む提案書を受領したとのことです。

公開買付者は対象者の支配株主には該当しないものの、公開買付者が対象者の主要株主かつ筆頭株主であるとともに対象者の主要な取引先でもあることを踏まえ、本取引に関する対象者の意思決定に慎重を期し、本取引の是非や取引条件の妥当性等についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、速やかに、公開買付者から独立した立場で本取引について検討・交渉等を行うことができる体制を構築したとのことです。具体的には、対象者は、2024年8月下旬、本取引と同種の取引に関する公表内容等を踏まえ、専門性及び実績等を検討の上、公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を、2024年9月上旬、第三者算定機関として東京共同会計事務所を、それぞれ選任したとのことです。また、対象者は、2024年9月3日開催の臨時取締役会(以下「本臨時取締役会」といいます。)における決議により、対象者の社外取締役(監査等委員)である辻巻真氏及び平山勝觀氏、並びに外部有識者である川城瑛氏(弁護士・サウスゲイト法律事務所・外国法共同事業)の3名によって構成される、公開買付者及び対象者から独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本特別委員会に対し、本取引における手続の公正性、取引条件の妥当性等について諮問したとのことです(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容については、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)。

また、対象者は、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、対象者のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券、リーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所、及び第三者算定機関である東京共同会計事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けているとのことです。さらに、対象者は、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本公開買付けに係る検討、交渉及び判断を行う体制(本公開買付けの検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を対象者の社内に構築すると共に、かかる検討体制につき独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けているとのことです。

 

 

(ⅱ) 交渉の経緯

対象者は、上記体制を整備した後、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、SMBC日興証券、森・濱田松本法律事務所及び東京共同会計事務所の助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性等に関して慎重に検討を行い、公開買付者との間で複数回にわたる協議・交渉を行ったとのことです。

具体的には、対象者は、2024年10月7日、公開買付者から、本公開買付価格を1,400円(提案日の前営業日である2024年10月4日の対象者株式の終値917円に対して52.67%のプレミアムを加えた価格です。以下「第1回提案価格」といいます。)とする提案を受けたとのことです。2024年10月10日、対象者は公開買付者に対し、対象者の第三者算定機関による対象者株式価値の試算結果等を踏まえ、第1回提案価格は対象者の企業価値を十分に反映したものとは評価できないものと考えており、提案価格を評価する際の指標の1つとして重視しているPBRの水準に鑑みても、当該提案価格は対象者株主にとって到底満足し得る水準には達していないため、大幅な引上げの要請をしたとのことです。

2024年10月15日、対象者は公開買付者から、本公開買付価格を1,650円(提案日の前営業日である2024年10月11日の対象者株式の終値900円に対して83.33%のプレミアムを加えた価格です。以下「第2回提案価格」といいます。)とする提案を受けたとのことです。2024年10月16日、対象者は公開買付者に対し、対象者の第三者算定機関による対象者株式価値の試算結果等を踏まえ、第2回提案価格は対象者の企業価値を十分に反映したものとは評価できないものと考えており、提案価格を評価する際の指標の1つとして重視しているPBRの水準に鑑みても、当該提案価格は対象者株主にとって到底満足し得る水準には引き続き達していないため、大幅な引上げの要請をしたとのことです。

2024年10月23日、対象者は公開買付者から、本公開買付価格を1,850円(提案日の前営業日である2024年10月22日の対象者株式の終値890円に対して107.87%のプレミアムを加えた価格です。以下「第3回提案価格」といいます。)とする提案を受けたとのことです。2024年10月30日、対象者は公開買付者に対し、対象者の第三者算定機関による対象者株式価値の試算結果等を踏まえ、第3回提案価格は名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式に対して、対象者株式の上場来高値を超過するプレミアム水準であるものの、引き続き対象者株主にとって配慮された価格ではないため、本公開買付価格を2,250円とする旨の提案を行ったとのことです。

2024年11月1日、対象者は、公開買付者から、本公開買付価格を2,000円(提案日の前営業日である2024年10月31日の対象者株式の終値855円に対して133.92%のプレミアムを加えた価格です。以下「第4回提案価格」といいます。)とする提案を受けたとのことです。2024年11月5日、対象者は公開買付者に対し、対象者の第三者算定機関による対象者株式価値の試算結果等を踏まえ、第4回提案価格は名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式に対して、対象者株式の上場来高値を超過するプレミアム水準であり、一定程度評価できる水準であるものと認識しているものの、引き続き対象者株主にとって配慮された価格ではないため、本公開買付価格を2,100円とする旨の提案を行ったとのことです。

2024年11月8日、対象者は、公開買付者から、本公開買付価格を2,010円(提案日の前営業日である2024年11月7日の対象者株式の終値848円に対して137.03%のプレミアムを加えた価格です。)とする提案を受けたとのことです。同日、対象者は公開買付者に対し、本特別委員会の意見も踏まえた検討の結果、最終的な意思決定は2024年11月11日に開催される対象者取締役会での決議によることを前提に、本公開買付価格を2,010円とする公開買付者の提案に応諾する旨の回答を行ったとのことです。

その後、2024年12月24日、対象者は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を受領し、そして、2025年1月28日、対象者は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、本公開買付前提条件が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日に開始することを予定している旨の連絡を受領したとのことです。

 

 

(ⅲ) 対象者の意思決定の内容

対象者グループは、自動車関連を中心とする各種ばねの製造・販売を主として営んできましたが、創業以来、多品種・少量生産で取引先との関係強化を図り、堅調に売上高を進展させてきたとのことです。近時においては、自動車業界が急激な変革期にあると考えており、カーボンニュートラル等脱炭素社会の実現に向けた対応とあいまって、電動化、自動運転の技術開発が進展しているとのことです。対象者グループにおいても、部品の軽量化への対応が必要となっている状況にある中で、取引先からの要求仕様に的確に応える製品を製造・販売することにより信頼を獲得し、営業基盤を築いてきたとのことです。

もっとも、近年では、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢緊迫化をはじめとする地政学的リスクの高まりやインフレ抑制に向けた各国の金融引き締めにより景気の減速が懸念される状況であり、特に自動車産業においては、自動車の製造における資材価格やエネルギー価格の高止まり、コロナ感染症による受注減及び工場稼働率の低下、電気・消耗品経費、機械修繕費、物流費及び人件費の高騰や為替相場の動向等の様々なコストアップにより、対象者グループの収益性の低下が続いていると認識しているとのことです。また、対象者グループの製造する各種ばねについては自動車製造に関連する顧客への販売が中心となっているところ、他の事業セグメントを営む顧客を新規に開拓することが対象者グループの事業拡大につながる可能性があることを認識しつつも、対象者が独自に新規開拓するための経営資源、生産技術力やノウハウには限界があり、実現できていない状況と認識しているとのことです。加えて、対象者グループにおいては、経営層・管理職層の人材不足が進んでいるとのことです。対象者グループは、組織統制を課題と捉え、組織力強化のために外部人材を採用して機能の補完、人材の育成を図ってきたものの、必ずしも十分な状況にないと認識しているとのことです。

また、対象者は、公開買付者をサプライチェーン上極めて重要かつ不可欠なパートナーとして認識しており、資本関係の維持を続けながら、友好な関係を築いてきたとのことです。具体的には、公開買付者は、対象者株式1,107,000株(所有割合:11.56%)を所有する対象者の筆頭株主であるとともに、対象者売上に占める公開買付者グループ向けの割合は3割超となっており、海外においては、公開買付者と対象者にて合弁会社3社を線ばねや薄板ばねの製造・販売拠点として有しているとのことです。

一方で、対象者は公開買付者の子会社ではないことにより、公開買付者グループ及び対象者グループ間の経営資源・ノウハウの共有や情報交換には慎重にならざるを得ないという限界があるものと認識しているとのことです。具体的には、公開買付者が対象者に対して企業価値の向上に資する経営資源やノウハウの提供を行っても、利益の一部が対象者の一般株主へ流出してしまい、公開買付者としてそのような経営資源やノウハウの提供に経済合理性を認めにくい状況が生じる可能性があるとのことです。また、公開買付者と対象者との取引関係においても、対象者の一般株主の利益が害されないよう配慮する必要があるところ、現時点で具体的な不都合が生じているわけではないものの、今後の競争環境や市場環境の変化によっては、公開買付者及び対象者の置かれた状況が複雑化し、このような対象者の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある等、公開買付者と対象者の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は両社の取引関係の観点からも一定の制約になり得るとのことです。このように、対象者に一般株主が存在する状況では、公開買付者と対象者の一般株主との間に利益相反関係が存在することになり、公開買付者の経営資源を活用した取引を行うにあたっても、対象者の一般株主の利益を考慮する必要があるため、迅速かつ機動的な意思決定が難しい状況にあると認識しているとのことです。

 

かかる状況の中、対象者は、本取引が実行され、対象者が公開買付者の完全子会社となることで、対象者グループの企業価値向上を実現できると考えているとのことです。具体的には、以下のようなシナジーが実現可能であると考えており、これにより対象者が取り組むべき課題や問題意識の解決につながることから、対象者グループの企業価値向上に資すると判断しているとのことです。

 

 

(ア) 公開買付者グループとの連携の深化

本取引により対象者が公開買付者の完全子会社となることにより、対象者グループと公開買付者グループの連携の強化が図られるものと考えているとのことです。具体的には、公開買付者グループの幅広い業務領域において対象者グループと協働・連携することによって、対象者の顧客の既存業務領域を拡大して業績増強に繋げられるととともに、製造技術の向上を図ることができると考えているとのことです。また、対象者は、本取引を通じて、対象者が公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者と対象者の一般株主の間の利益相反の懸念が無くなるとのことです。これにより、製品の企画・設計段階からの共同開発やノウハウ・情報の共有化及び公開買付者との相互連携によるサプライチェーン強化やそれに伴うコスト軽減が可能となるとともに、公開買付者の経営資源を活用した取引についてより迅速かつ機動的な意思決定が可能となり、対象者グループの企業価値の向上に資すると判断したとのことです。

 

(イ) 公開買付者グループとの人材交流

本取引後は、公開買付者との人材交流を通じて、公開買付者が有する人材リソースを活用し、対象者のコーポレート機能の強化が可能になると考えているとのことです。また、対象者は、経営人材の確保・育成が喫緊の課題となっておりますが、かかる課題の解消にあたっても、マネジメント人材を含めた公開買付者グループの人材リソースの活用が有効であると判断しているとのことです。なお、下記「③ 本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、本取引後の対象者の経営体制については、本公開買付けの成立後、対象者の現在の経営体制を尊重しつつ、双方の企業価値を更に向上させる観点から公開買付者及び対象者との間で協議を行い決定していく予定であり、現時点で具体的に決定又は合意している事項はなく、また、公開買付者及び対象者との間で対象者の経営体制に関して交渉は行っていないとのことです。

 

(ウ) 上場維持コスト及び関連する業務負担の軽減

本取引後は、有価証券報告書等の継続的な情報開示等の一般株主をはじめとする投資家に対するIR活動等が不要となり、対象者株式の上場を維持するために必要な人的・金銭的なコストが軽減され、この結果、対象者が上場維持のために用いてきた経営資源を、対象者の事業部門へ振り替えることで、対象者の事業の成長の加速に繋げることができるものと考えているとのことです。

なお、対象者株式が非公開化されることのデメリットとして、独自の資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが一般的に挙げられますが、対象者においては、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれていないこと、また、本取引を通じて公開買付者の子会社となることで、公開買付者の子会社として引き続き社会的な信用力が維持されることを勘案すると、対象者株式の非公開化に伴うデメリットは限定的であると考えており、対象者株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断したとのことです。

 

また、本公開買付価格について、(a)本公開買付価格である2,010円は、公表日の前営業日である2024年11月8日の名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式の終値855円に対して135.09%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値872円に対して130.50%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値903円に対して122.59%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値949円に対して111.80%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、かつ、これは、1989年10月に記録した、対象者株式の上場来最高値である1,420円に41.55%のプレミアムを加えた価格であり、対象者の全ての株主が、当該プレミアム以上の経済利益を享受できる十分な水準のプレミアムが付されていること、(b)近時の同様の事案(2019年7月から2024年10月までの期間に公表された日本国内の上場企業の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例(ただし、公開買付けが不成立となった事例、マネジメント・バイアウト(MBO)の事例、同意なき買収の事例、公開買付価格のプレミアムが公表日前営業日の終値に対してマイナスとなる公開買付け(いわゆるディスカウントTOB)の事例、及び公開買付けの公表前に事前報道のあった事例を除く。)172件におけるプレミアムの水準の中央値は、公表日前営業日の終値に対して42.23%、公表日前1ヶ月間の終値単純平均値に対して43.02%、公表日前3ヶ月間の終値単純平均値に対して42.36%、公表日前6ヶ月間の終値単純平均値に対して43.56%)と比較して高い水準のプレミアムが付された価格であること、(c)本公開買付価格は、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている東京共同会計事務所による対象者株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回っており、かつ、類似上場会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの範囲内の水準となっていること、(d)本公開買付価格は、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した2024年11月11日付答申書において、妥当であると認められると判断されていること、(e)下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための各措置が講じられており、少数株主の利益への配慮等がなされていると認められること等を踏まえ、本公開買付けは、対象者の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。

なお、本公開買付価格は、対象者の2024年8月31日時点の簿価純資産額である24,555,974千円を自己株式控除後の発行済株式数(9,575,483株)で割ることにより算出した1株当たり純資産である2,564円(本公開買付価格は当該金額との比較で21.61%のディスカウント)を下回っているものの、仮に対象者が清算する場合にも、簿価純資産価額がそのまま換価されるわけではなく、対象者が所有する資産のうち、工場や本社においては、建築後相当程度の年月が経過し老朽化しており、また工場においては、汎用性が乏しく即時一括での売却が困難であることを踏まえると、簿価により売却することは困難であり、また、更地での売却が必要であることが見込まれるものの、その場合には不動産鑑定費用に加えて建物の解体費用及び土壌汚染調査費用等が必要になると考えられること、子会社を含めた対象者グループの清算を行う場合、企業の清算に伴い、従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の専門家費用その他相当程度の追加コストが発生することが見込まれること等に鑑みると、対象者の清算価値は、現実的には簿価純資産額から相当程度毀損された金額となることが想定されるとのことです。なお、対象者においては、実際に清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得までは行っておらず、本公開買付価格が具体的な検討を経て概算された想定清算コスト等を勘案して算出される、想定の清算価値を上回っていることの確認までは行っていないとのことです。また、純資産価額は会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である対象者の企業価値算定において重視することは合理的ではないと考えているとのことです。

 

以上より、対象者は、2024年11月11日開催の取締役会において、下記「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」に記載のとおり、現に公開買付者の職員を兼務している田坂康浩氏を除く審議及び決議に参加した対象者の取締役7名の全員一致で、同日時点における対象者の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしたとのことです。

 

対象者は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、対象者の本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付で対象者取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、対象者取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議していたとのことです。

その後、2024年12月24日、対象者は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を受領したとのことです。これを踏まえ、2025年1月16日、対象者は、上記決議に基づき、本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、対象者取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう要請したとのことです。そして、2025年1月28日、対象者は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、本公開買付前提条件が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日に開始することを予定している旨の連絡を受領したとのことです。

本特別委員会は、上記諮問がなされたことを受け、改めて、対象者に対して、2024年11月11日以降に(a)本取引の目的及び本取引により見込まれる対象者の企業価値向上の具体的内容、(b)本取引の取引条件の妥当性に重要な影響を与える事情、(c)手続の公正性に重要な影響を与える事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2024年11月11日以後、2025年2月3日までの事情を勘案しても2024年11月11日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年2月4日に、対象者取締役会に対して、2025年2月4日付答申書を提出したとのことです。

その上で、対象者は、本特別委員会から提出された2025年2月4日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、2024年11月11日以降の対象者の業況や本取引を取り巻く環境に重要な影響を与える事情が発生していないことを踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年2月6日現在においても、2024年11月11日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断したとのことです。

以上より、現に公開買付者の職員を兼務している田坂康浩氏を除く、審議及び決議に参加した対象者の取締役6名の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議したとのことです。

 

 

③ 本公開買付け後の経営方針

公開買付者は、上記「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、本取引を通じて対象者を公開買付者の完全子会社とすることにより、協業体制の構築や経営資源・ノウハウの最大化、意思決定の迅速化・簡素化、事業成長への経営資源の集中の実現に向けた最適な経営体制の構築に取り組んでいく方針です。

なお、本書提出日現在において、対象者の取締役7名のうち公開買付者の従業員を兼務している者として、田坂康浩氏1名がおります。本取引後の対象者の経営体制については、本公開買付けの成立後、対象者の現在の経営体制を尊重しつつ、双方の企業価値を更に向上させる観点から公開買付者及び対象者との間で協議を行い決定していく予定であり、現時点で具体的に決定又は合意している事項はなく、また、公開買付者及び対象者との間で対象者の経営体制に関して交渉は行っておりません。

 

(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

本書提出日現在において、対象者は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。もっとも、公開買付者は、対象者株式を1,107,000株(所有割合:11.56%)所有する対象者の主要株主である筆頭株主であり、対象者の取締役7名のうち公開買付者の従業員を兼務している者が1名存在すること、本公開買付けが対象者の完全子会社化を目的とする本取引の一環として行われること等を踏まえ、対象者の一般株主の皆様への影響を配慮し、本取引の公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避すべく、公開買付者及び対象者は以下の措置を講じております。

また、以下の記載のうち、対象者において実施した措置に関する記載については、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼いたしました。なお、みずほ証券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して公開買付者及び対象者との利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。また、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は、公開買付者及び対象者に対して、また、みずほ証券のグループ企業であるみずほ信託銀行株式会社(以下「みずほ信託銀行」といいます。)は、公開買付者に対して、通常の銀行取引の一環としての融資取引等を実施しており、みずほ銀行及びみずほ信託銀行は公開買付者の株主たる地位を有しておりますが、本取引に関して公開買付者及び対象者との利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。なお、みずほ証券によれば、みずほ証券は法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)第70条の4の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行及びみずほ信託銀行との間の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行及びみずほ信託銀行の貸付人及び株主の地位とは独立した立場で、対象者の株式価値の算定を行っているとのことです。公開買付者は、対象者の株式価値算定にあたり、みずほ証券が過去に上場会社の完全子会社化の事案での第三者算定機関としての実績を有していることに加え、みずほ証券において適切な利益相反管理体制が構築され、かつ実施されていること等に鑑み、第三者算定機関として職務を行うにあたり十分な独立性が確保されていると判断し、みずほ証券を第三者算定機関に選定いたしました。なお、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、本「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

公開買付者がみずほ証券から取得した対象者の株式価値に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の概要については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の基礎」及び「算定の経緯」をご参照ください。

 

② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ) 算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係

対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するため、公開買付者及び対象者のいずれからも独立した第三者算定機関として、東京共同会計事務所に対して、対象者株式の株式価値の算定を依頼し、2024年11月11日付で株式価値算定書(以下「対象者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、東京共同会計事務所は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、本特別委員会は、東京共同会計事務所の独立性に問題がないことを確認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認した上で、東京共同会計事務所を対象者の第三者算定機関として承認しているとのことです。本取引に係る東京共同会計事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

なお、対象者は、対象者及び公開買付者において、本「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置を実施し、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、東京共同会計事務所から本公開買付けの価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

 

(ⅱ) 算定の概要

東京共同会計事務所は、対象者の株式価値の算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、対象者の経営陣から事業の現状及び将来の見通し等の情報を取得して説明を受け、それらの情報を踏まえて、対象者の株式価値の算定を行ったとのことです。東京共同会計事務所は、複数の株式価値算定手法の中から対象者の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者が名古屋証券取引所メイン市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、比較可能な類似上場会社が複数存在し、類似上場会社の市場価値との比較において株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を採用して、対象者の株式価値を算定したとのことです。東京共同会計事務所が上記各手法に基づき算定した対象者株式の1株当たりの価値はそれぞれ以下のとおりであるとのことです。

 

市場株価法     : 872円から949円

類似上場会社比較法 : 1,818円から2,029円

DCF法       : 1,904円から2,592円

 

市場株価法では、2024年11月8日を算定基準日として、名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式の直近1ヶ月間の終値の単純平均値872円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値903円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値949円を基に、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を872円から949円までと算定しているとのことです。

類似上場会社比較法では、対象者類似上場会社3社の直近決算期を基準とした、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行い、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,818円から2,029円までと算定しているとのことです。

 

DCF法では、対象者が作成した2025年2月期から2027年2月期までの3期分の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)に基づく収益予測や投資計画、2025年2月期から2027年2月期までの対象者の将来の収益予想に基づき、対象者が2025年2月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,904円から2,592円までと算定しているとのことです。なお、東京共同会計事務所がDCF法による分析に用いた本事業計画には大幅な増減益を見込んでいる事業年度はないものの、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2026年2月期において、システム構築に関する設備投資を予定しておりますが、2027年2月期において、前年度における設備投資額の影響が剥落することにより、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加が見込まれているとのことです。また、当該事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではないため、本公開買付けにより実現することが期待されるシナジー効果については、当該事業計画には加味していないとのことです。

 

③ 対象者における独立した法律事務所からの助言

対象者プレスリリースによれば、対象者は、対象者取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、公開買付者及び対象者のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、森・濱田松本法律事務所を選任し、本公開買付けに関する対象者取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けに関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けているとのことです。なお、森・濱田松本法律事務所は、公開買付者及び対象者のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、森・濱田松本法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

 

④ 対象者における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得

対象者プレスリリースによれば、対象者は、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本臨時取締役会において、本特別委員会を設置しましたが、対象者は、これに先立つ2024年8月8日に、公開買付者から本意向表明書を受領したとのことです。対象者は、公開買付者は対象者の支配株主には該当しないものの、公開買付者が対象者の主要株主かつ筆頭株主であるとともに対象者の主要な取引先でもあることを踏まえ、本取引に関する対象者の意思決定に慎重を期し、本取引の是非や取引条件の妥当性等についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、2024年8月下旬、本取引と同種の取引に関する公表内容等を踏まえ、専門性及び実績等を検討の上、公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券を、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を、また、2024年9月上旬、第三者算定機関として東京共同会計事務所を、それぞれ選任し、速やかに、公開買付者から独立した立場で、本取引について検討・交渉等を行うことができる体制を構築したとのことです。具体的には、特別委員会の委員の候補となる対象者の社外取締役及び社外有識者について、公開買付者からの独立性を有すること、及び本取引の成否に関して利害関係を有していないことを確認した上で、対象者の独立社外取締役(監査等委員)である辻巻真氏及び平山勝觀氏、並びに社外有識者である川城瑛氏(弁護士・サウスゲイト法律事務所・外国法共同事業)の3名によって構成される本特別委員会を設置したとのことです。なお、対象者は、当初から上記3名を本特別委員会の委員として選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はないとのことです。また、本特別委員会の委員の互選により、川城瑛氏が本特別委員会の委員長に就任しているとのことです。なお、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれていないとのことです。また、川城瑛氏は対象者の取締役ではありませんが、対象者は、川城瑛氏が、弁護士として多数のM&A案件に関与した経験を有することを理由として、社外有識者として特別委員に就任することを依頼したとのことです。

 

そして、対象者は、本臨時取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(ⅰ)本公開買付けについて対象者取締役会が賛同するべきか否か、及び、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かについて検討し、対象者取締役会に勧告を行うこと、(ⅱ)対象者取締役会における本取引についての決定が、対象者の一般株主(少数株主)にとって不利益なものでないかについて検討し、対象者取締役会に意見を述べること(なお、(ⅰ)の検討に際しては、①対象者の企業価値の向上に資するか否かの観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、②対象者の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性(本取引のために講じられた公正性担保措置の内容を含む。)について検討・判断するものとする。)(以下(ⅰ)及び(ⅱ)を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問したとのことです。

また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、対象者取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うものとすること、及び本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、対象者取締役会は本取引の実施を承認しない(本公開買付けに賛同しないことを含む。)ものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、公開買付者との間で取引条件等について自ら交渉を行うこと(対象者役職員やファイナンシャル・アドバイザー若しくは第三者算定機関及びリーガル・アドバイザーを通じた間接的な交渉を含みます。)、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、自らの財務若しくは法務等に関するアドバイザー等を選任し(この場合の費用は対象者が負担します。)、又は、対象者の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含みます。)すること(なお、本特別委員会は、対象者のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、対象者のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができます。)、本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めること、事業計画の内容及び作成の前提に係る情報を含め、対象者の役職員から本取引に関する検討及び判断に必要な情報を受領すること、その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項について権限を付与することを決議したとのことです。

本特別委員会は、2024年9月5日から2024年11月8日までに、会合を合計10回、約13時間開催したほか、会合外においても必要に応じて都度電子メール等を通じて、意見表明や情報交換、情報収集等を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行ったとのことです。

具体的には、まず、2024年9月5日に開催された第1回の会合において、対象者が選任したファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券、リーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所、及び第三者算定機関である東京共同会計事務所について、いずれも独立性に問題がないことを確認した上で、その選任を承認したとのことです。

また、本特別委員会は、第1回会合において、対象者が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしたとのことです。また、本特別委員会は独立性・公正性の観点から問題がないことを確認の上、対象者取締役である佐藤宰氏を、本特別委員会事務局の構成員とすることを承認したとのことです。

その上で、本特別委員会は、対象者から、事業内容、経営環境、経営課題やそれに対して現状想定している経営戦略、事業計画の内容及び前提、対象者における本取引の検討体制及び検討経緯並びに本取引の背景、目的及び効果等について説明を受け、これらの点に関する検討及び協議を行ったとのことです。その中でも、東京共同会計事務所が対象者株式の株式価値の算定において基礎とする事業計画に関しては、本特別委員会は、当該事業計画の作成過程において、現に公開買付者の役職員を兼任する対象者の役職員のみならず、過去に公開買付者の職員であった対象者の職員は関与させていないことについて確認するとともに、その作成過程においても、作成中の事業計画案の内容、重要な前提条件等について説明を受け、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認の上、承認したとのことです。また、公開買付者と直接面談を行うこと等を通じて、対象者の経営環境、経営課題、本取引の目的及び背景(本取引に係る提案を上記の時期に行うに至った背景を含みます。)、経緯、非公開化の必要性、目的及び効果等、本取引後の経営方針、本取引のスキーム、本取引における諸条件等について、確認を行ったとのことです。

 

さらに、本特別委員会は、東京共同会計事務所から、対象者株式の株式価値の算定に関する説明を受け、質疑応答を行った上で、当該算定結果の合理性について検討したとのことです(なお、東京共同会計事務所は、DCF法の算定の基礎とした対象者の事業計画について、複数回にわたって対象者と質疑応答を行い、その内容を分析及び検討しており、また、本特別委員会は、その内容及び作成経緯等について、対象者の一般株主の利益に照らして不合理な点がないことを確認したとのことです。)。また、森・濱田松本法律事務所から、本特別委員会の意義・役割等を含む本取引の手続面における公正性を担保するための措置、並びに本取引に係る対象者取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容について助言を受けたとのことです。そして、本特別委員会は、対象者から、対象者と公開買付者との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、本公開買付価格につき、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり交渉が行われ、公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,010円とする旨の提案を受けるに至るまで、公開買付者に対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を対象者に複数回意見する等して、公開買付者との交渉過程に実質的に関与したとのことです。その結果、対象者は、2024年11月8日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり2,010円とすることを含む提案を受け、結果として合計5回の提案を受け、本公開買付価格を引き上げたとのことです。

以上の経緯で、本特別委員会は、本諮問事項について慎重に審議及び検討を重ねた結果、2024年11月11日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2024年11月11日付答申書を提出したとのことです。

 

(ⅰ) 答申内容

(a) 本取引は、対象者の企業価値の向上に資すると考えられ、本公開買付けについて対象者取締役会は賛同するべきと考える。また、対象者の一般株主の利益を図る観点から検討した結果、本取引の取引条件は、妥当と認められ、本取引のために講じられた公正性担保措置の内容を含めて本取引の手続全体が公正に行われたものと認められる。したがって、対象者は、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきと考える。

(b) その他本特別委員会において、本公開買付けを含む本取引が対象者の一般株主にとって不利益なものであると考える事情として指摘すべき問題点や懸念は特に見当たらない。結論として、本取引は対象者の一般株主にとって不利益なものではないと判断する。

 

(ⅱ) 答申理由

ⅰ.対象者は本公開買付けについて賛同の意見表明をすべきか否か

本特別委員会は、本取引の目的及び本取引により見込まれる対象者の企業価値向上の具体的内容について、公開買付者及び対象者に対して、それぞれヒアリングを実施し、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ) 対象者の意思決定の内容」に記載の内容の説明を受け、その具体的内容を確認し検討した。ヒアリングによれば、公開買付者グループは、対象者売上高の3割超を占める最大取引先であり、公開買付者及び対象者は海外合弁会社3社を有すること等、2024年11月11日時点における対象者と公開買付者の事業上の関係性を踏まえると、本取引を実施することにより、公開買付者グループとの連携の深化による調達安定化、コスト低減、製品企画・開発の強化は具体的に見込まれ、また、対象者における経営人材の確保・育成という対象者の経営課題を踏まえると、公開買付者グループとの人材交流は有効な対応策と考えているとのことである。加えて、本取引に伴う非公開化により上場維持コスト及び関連する業務負担の軽減も見込むことができるとのことである。本特別委員会において、公表情報の調査並びに公開買付者及び対象者それぞれとの質疑応答を行った限りにおいて、上記のシナジーに関する説明に不合理な点は見当たらず、いずれも具体的かつ現実的であり、本取引は対象者の企業価値の向上に資すると判断するに至った。

 

なお、本取引に伴い、対象者が非公開化されることのデメリットとして懸念され得る事項として、①資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、②対象者自体が上場会社であることに伴う知名度や社会的信用の喪失による人材採用や顧客との取引関係への悪影響、③公開買付者グループと競合する可能性のある取引先との取引への影響も考えられるものの、対象者においてエクイティ・ファイナンスは当面見込まれないこと、東京証券取引所プライム市場に上場する公開買付者のグループ企業となることが、かえってブランドとしての信用力向上につながると考えられること、公開買付者グループが、対象者の取引先との競合関係の有無にかかわらず対象者の現行の取引関係を維持する方針であることを踏まえ、対象者株式の非公開化に伴うデメリットは限定的であると判断した。

したがって、2024年11月11日時点においては、本取引は対象者の企業価値向上に資するものと考えられるため、本公開買付けに対しては賛同の意見表明をすべきである。

 

ⅱ.対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すべきか

(a) 本取引の取引条件の妥当性

以下の各理由から、本特別委員会としては、2024年11月11日時点における判断として、対象者の一般株主の利益を図る観点から、本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断した。

 

ア.東京共同会計事務所による株式価値算定書

対象者が、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関である東京共同会計事務所から取得した株式価値算定書によれば、対象者株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると872円から949円、類似上場会社比較法によると1,818円から2,029円、DCF法によると1,904円から2,592円とされている。

本特別委員会は、東京共同会計事務所から株式価値評価に用いられた算定方法について詳細な説明を受けるとともに、評価手法の選択、割引率の算定根拠、継続価値の算定方法の選択、余剰現預金や投資有価証券を含む非事業用資産の取扱い等に関する質疑応答を行った上で検討したが、不合理な点は認められなかった。また、算定との基礎となる事業計画については、その作成過程、内容及び重要な前提条件について、対象者に対する質疑応答を行い、同事業計画の作成過程に公開買付者からの関与は一切なく、事業計画の作成経緯に不合理な点はないことを確認した。

そして、本公開買付価格は、東京共同会計事務所の株式価値算定書における市場株価法における算定結果のレンジの上限の2倍を超過するとともに、類似上場会社比較法における算定結果のレンジの上限に近い価格となっている。また、DCF法による算定結果のレンジの範囲内となっている。

加えて、本公開買付価格は、2024年11月8日の名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式の終値855円に対し135.09%、2024年11月8日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値872円に対して130.50%、直近3ヶ月間の終値単純平均値903円に対して122.59%、直近6ヶ月間の終値単純平均値949円に対して111.80%のプレミアムをそれぞれ加えた価格である。これは近時の公開買付けを用いた非公開化事例におけるプレミアム水準に照らしても非常に高い水準である。また、本公開買付価格は、対象者株式の上場来高値である1,420円を大幅に上回っていることをも考え合わせるならば、本公開買付価格は、対象者の株主に対して合理的な売却機会を付与するものと評価できる。

 

 

イ.PBRとの関係

本公開買付価格は、2025年2月期第2四半期末(2024年8月31日)時点における1株当たり連結簿価純資産額を下回っている。しかし、仮に対象者が清算する場合であっても、工場施設その他の事業用資産に関しては一括処分を想定した場合の減額や清算に伴う追加コストの発生等による毀損が見込まれるため、簿価純資産額がそのまま換価される訳ではない。加えて、純資産額は対象者の将来の収益性を反映するものでないため、継続企業である対象者の株式価値の算定において、過度に重視しすぎることも相当ではない。本特別委員会は、公開買付者からの公開買付価格に関する提案を評価するための指標の一つとして、PBRを重視した交渉を実施したが、上記の理由から、本特別委員会としても、1株当たり簿価純資産額が対象者株式の公正価値の最低価格となるという考え方は採用していない。したがって、本公開買付価格が、対象者1株当たり連結簿価純資産額を下回ることの一事をもって本取引の取引条件の妥当性が否定されるものではない。

 

ウ.交渉過程の公正性

下記「(b) 手続の公正性」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に係る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本公開買付価格は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであると認められる。

 

エ.本公開買付け後のスクイーズアウト手続の条件

本公開買付けに応募しなかった少数株主には、本公開買付けの後に実施される予定のスクイーズアウト手続において、最終的に金銭が交付されるが、当該手続において交付される金銭の額は、本公開買付価格に株主が所有していた株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定である。

 

(b) 手続の公正性

以下の各要素を踏まえ、本特別委員会としては、2024年11月11日時点における判断として、対象者の一般株主の利益を図る観点から、本取引においては、十分な公正性担保措置が講じられており、意思決定過程の公正性は担保されていると判断した。

 

ア.本特別委員会の設置

対象者は、本臨時取締役会において、本取引に係る対象者の意思決定に慎重を期し、本取引の検討プロセスに関する対象者の意思決定の恣意性を排除し、本取引の是非や取引条件の妥当性等についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、本特別委員会の設置を決定し、公開買付者及び対象者と利害関係を有しない、対象者の独立社外取締役(監査等委員)である辻巻真氏(辻巻総合法律事務所代表弁護士)及び対象者の独立社外取締役(監査等委員)である平山勝觀氏(税理士、平山勝觀税理士事務所代表)並びに川城瑛氏(弁護士、サウスゲイト法律事務所・外国法共同事業パートナー)の3名を委員として選任した。また、本臨時取締役会において、本特別委員会による答申内容を最大限尊重した意思決定を行うこと及び本特別委員会が本取引の実施または取引条件が妥当でないと判断した場合には、その実施を承認しないことを決議している。なお、本特別委員会の委員の報酬については固定額となっており、本公開買付けを含む本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれていない。

 

 

イ.対象者による協議・交渉

上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ) 交渉の経緯」に記載のとおり、対象者は、2024年10月7日に公開買付者から初回の公開買付価格(1株当たり1,400円)の提案を受けて以来、本公開買付価格について、実質的協議・交渉を公開買付者との間で複数回にわたって行っている。具体的には、SMBC日興証券を窓口として、本特別委員会が承認した回答書の提示を含む価格交渉を実施し、最終的に1株当たり2,010円という本公開買付価格の決定に至るまでには、本特別委員会の指示に基づき計4回の価格引き上げ要請を行い、総額610円の価格引き上げを引き出している。

 

ウ.外部専門家からの専門的助言の取得

対象者は、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、東京共同会計事務所に対象者株式の株式価値算定を依頼するとともに、独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を、ファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券を選任し、本公開買付けに関する対象者取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けに関する意思決定にあたって専門的助言を受けている。

 

エ.本取引の交渉過程における特別利害関係人の不関与

対象者は、2024年7月31日、公開買付者から、公開買付者の社内で本取引の検討を開始した旨及び本取引について具体的に協議を開始したい旨の伝達を受けた時点以降、現に公開買付者の役職員を兼任する対象者の役職員のみならず、過去に公開買付者の職員であった対象者の職員について、対象者株式の価値評価の基礎となる本事業計画の作成過程や、対象者と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程に関与させていない。その他、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程で、本取引に特別な利害関係を有する者が対象者側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められない。

なお、対象者取締役のうち、現に公開買付者の従業員を兼務している田坂康浩氏は、本取引に係る対象者取締役会の審議及び決議には参加しておらず、また対象者の立場において、本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉に参加していない。

 

オ.マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定

公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の下限を、公開買付者と重要な利害関係を有さない対象者の株主が所有する対象者株式の数の過半数、すなわち、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」に相当する数を上回る数に設定する予定である。かかる条件の設定は、一般株主の過半数による応募が得られない場合には、本公開買付けを実施しないこととなるため、一般株主の意思に配慮するものと評価できる。

 

カ.取引保護条項の不存在

公開買付者と対象者は、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が対象者との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っていない。

 

 

キ.本公開買付けに対する応募について適切な判断機会の確保

本公開買付けに応募しなかった少数株主は、本公開買付けの後に実施される予定のスクイーズアウト手続において、最終的に金銭が交付されることになるところ、当該手続において交付される金銭の額については、本公開買付価格に株主が所有していた株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定されるとのことであり、強圧性が生じないよう公正性の担保に配慮されているといえる。

また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日に設定する予定とのことである。公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして比較的長期に設定することにより、上記取引保護条項の不存在とあわせ、対抗的な買付けの機会が確保され、公正性の担保に配慮されているといえる。

 

(c) 応募推奨の当否

上記ⅰ.及びⅱ.の検討によれば、本取引の取引条件は妥当と認められ、その意思決定過程の手続も公正性が担保されていたと評価できる。したがって、本公開買付けは、対象者の一般株主の利益が図られており、対象者取締役会としては、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することが相当であると判断するに至った。

 

ⅲ.本取引についての決定が、対象者の一般株主(少数株主)にとって不利益なものでないか

本取引においては、本公開買付けにより、対象者株式の全てを取得できなかった場合には、株式等売渡請求又は株式併合によるスクイーズアウト手続により、公開買付者が対象者を完全子会社化することが予定されている。上記「ⅱ.(b) キ.本公開買付けに対する応募について適切な判断機会の確保」に記載のとおり、本公開買付けに応募しなかった少数株主に対して、スクイーズアウト手続で交付される金銭の額は、本公開買付価格に株主が所有していた株式の数を乗じた金額と同一となるよう算定されるとのことであり、仮に対象者株主が本公開買付けに応募しなかったとしても不利に取り扱われることが予想される状況には陥らないよう、強圧性を排除する配慮がなされていると認められる。

その他上記ⅰ.及びⅱ.において検討した諸事項以外の点に関して、本特別委員会において、本公開買付けを含む本取引が対象者の一般株主にとって不利益なものであると考える事情として指摘すべき問題点や懸念は特に見当たらない。結論として、本取引は対象者の一般株主にとって不利益なものではないと考える。

 

その後、2024年12月24日、対象者は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を受領したとのことです。これを踏まえ、2025年1月16日、対象者は、上記決議に基づき、本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、対象者取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう要請したとのことです。そして、2025年1月28日、対象者は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、本公開買付前提条件が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日に開始することを予定している旨の連絡を受領したとのことです。

本特別委員会は、上記諮問がなされたことを受け、2025年2月4日に第11回特別委員会を約15分開催し、改めて、対象者に対して、2024年11月11日以降に(a)本取引の目的及び本取引により見込まれる対象者の企業価値向上の具体的内容、(b)本取引の取引条件の妥当性に重要な影響を与える事情、(c)手続の公正性に重要な影響を与える事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2024年11月11日以後、2025年2月3日までの事情を勘案しても2024年11月11日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年2月4日に、対象者取締役会に対して、2025年2月4日付答申書を提出したとのことです。

 

 

⑤ 対象者における独立した検討体制の構築

対象者プレスリリースによれば、対象者は、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ) 検討体制の構築」に記載のとおり、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を社内に構築したとのことです。

具体的には、対象者は、2024年7月31日、公開買付者から、公開買付者の社内で本取引の検討を開始した旨及び本取引について具体的に協議を開始したい旨の伝達を受けた時点以降、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、現に公開買付者の役職員を兼任する対象者の役職員のみならず、過去に公開買付者の職員であった対象者の職員について、対象者株式の価値評価の基礎となる本事業計画の作成過程や、対象者と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程に関与させないこととしており、かかる取り扱いを継続しているとのことです。

また、かかる取り扱いを含めて、対象者の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性の観点から問題がないことについては本特別委員会の確認を経ているとのことです。

 

⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認

対象者プレスリリースによれば、対象者は、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、東京共同会計事務所から取得した対象者株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた2024年11月11日付答申書の内容を最大限尊重しながら、本取引に関する諸条件について企業価値の向上ひいては株主利益の最大化の観点から慎重に検討を行ったとのことです。

その結果、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ) 対象者の意思決定の内容」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引は対象者の企業価値の向上に資するとともに、本公開買付価格(2,010円)は対象者の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、対象者の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2024年11月11日開催の取締役会において、田坂康浩氏を除く審議及び決議に参加した対象者の取締役7名の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしたとのことです。

その後、2024年12月24日、対象者は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を受領したとのことです。これを踏まえ、2025年1月16日、対象者は、上記決議に基づき、本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、対象者取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう要請したとのことです。そして、2025年1月28日、対象者は、公開買付者から、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、本公開買付前提条件が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日に開始することを予定している旨の連絡を受領したとのことです。

本特別委員会は、上記諮問がなされたことを受け、改めて、対象者に対して、2024年11月11日以降に(a)本取引の目的及び本取引により見込まれる対象者の企業価値向上の具体的内容、(b)本取引の取引条件の妥当性に重要な影響を与える事情、(c)手続の公正性に重要な影響を与える事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2024年11月11日以後、2025年2月3日までの事情を勘案しても2024年11月11日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年2月4日に、対象者取締役会に対して、2025年2月4日付答申書を提出したとのことです。

 

その上で、対象者は、本特別委員会から提出された2025年2月4日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、2024年11月11日以降の対象者の業況や本取引を取り巻く環境に重要な影響を与える事情が発生していないことを踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年2月6日現在においても、2024年11月11日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断したとのことです。

以上より、現に公開買付者の職員を兼務している田坂康浩氏を除く、審議及び決議に参加した対象者の取締役6名の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしたとのことです。

なお、取締役の田坂康浩氏は、現に公開買付者の職員を兼務していることから、利益相反のおそれを回避する観点より、上記取締役会の審議及び決議には参加しておらず、また対象者の立場において、本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉に参加していないとのことです。

 

⑦ マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)を上回る買付予定数の下限の設定

公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を5,276,700株(所有割合:55.11%)と設定しており、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(5,276,700株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行いません。なお、買付予定数の下限である5,276,700株(所有割合:55.11%)は、公開買付者と重要な利害関係を有さない対象者の株主(注1)が所有する対象者株式の数に係る議決権の数の過半数に相当する株式数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」(対象者第3四半期決算短信に記載された2024年11月30日現在の発行済株式総数(9,621,550株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(46,067株)及び公開買付者が本書提出日現在所有する対象者株式の数(1,107,000株)を控除した株式数(8,468,483株)に係る議決権の数(84,684個)の過半数に相当する数(42,343個)に相当する対象者株式数(4,234,300株))を上回る株式数となります。

これにより、対象者の一般株主の皆様の意思を重視して、公開買付者の利害関係者以外の株主の皆様の過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを含む本取引を行わないことになります。

(注1) 本公開買付けにおいては、公開買付者と応募契約を締結した株主が存在しないことから、公開買付者を除いて、公開買付者と重要な利害関係を有する対象者の株主は存在しません。

 

⑧ 取引保護条項の不存在

公開買付者と対象者は、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が対象者との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。

 

⑨ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

公開買付者は、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、対象者株式の全ての株式売渡請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を対象者に要請することを予定しており、対象者の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、対象者の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることを明らかにしていることから、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しております。

また、公開買付者は、2024年11月11日付で本公開買付けの開始予定に関する公表を行い、当該公表より本公開買付けの開始までに約3ヶ月弱の期間が経過しているため、公開買付者以外の者による対象者株式に対する買付け等の機会は確保されているものと考えております。さらに、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日に設定しております。このように、公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして比較的長期に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しております。

 

 

(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、公開買付者が対象者株式の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、対象者株式の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的として、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しております。

 

① 株式売渡請求

公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する対象者株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定です。株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対し株式売渡請求の承認を求める予定です。対象者がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、対象者の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する対象者株式の全部を取得いたします。この場合、売渡株主がそれぞれ所有していた対象者株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。

なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、対象者取締役会において株式売渡請求を承認する予定であるとのことです。

株式売渡請求に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(公開買付者及び対象者を除きます。)は、裁判所に対して、その所有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、上記申立てがなされた場合の対象者株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

② 株式併合

本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、対象者株式の併合を行うこと(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに対象者に対して要請する予定です。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。

 

本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた対象者の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に対して要請する予定です。また、対象者株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者が対象者の発行済株式の全て(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定するように要請する予定です。対象者プレスリリースによれば、対象者は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定とのことです。本臨時株主総会を開催する場合、2025年5月下旬頃を目途に開催される予定ですが、その具体的な手続及び実施時期等については、対象者と協議の上、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。

株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(公開買付者及び対象者を除きます。)は、対象者に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。

なお、上記申立てがなされた場合の対象者株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

 

上記の株式売渡請求及び株式併合の各手続については、関係法令の改正、施行、当局の解釈等の状況、本公開買付け後の公開買付者の株券等所有割合並びに公開買付者以外の対象者株式を所有する対象者の株主の株券等所有割合及び所有の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった対象者の各株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定です。

以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議の上、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。

また、公開買付者は、対象者に対して、本スクイーズアウト手続の完了を条件として、本公開買付け成立後最初に招集される対象者の定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)で権利を行使することができる株主を公開買付者のみとするため、本定時株主総会の議決権の基準日の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを要請する予定です。そのため、対象者の2025年2月28日の株主名簿に記載又は記録された株主であっても、本定時株主総会において権利を行使できない可能性があります。

なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

 

(5) 上場廃止となる見込み及びその理由

対象者株式は、本書提出日現在、名古屋証券取引所メイン市場に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、対象者株式は名古屋証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者は、対象者株式の全て(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することを予定していますので、その場合、対象者株式は名古屋証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、対象者株式を名古屋証券取引所メイン市場において取引することはできません。

 

(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項

該当事項はありません。

 

 

4 【買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数】

(1) 【買付け等の期間】

① 【届出当初の期間】

 

買付け等の期間

2025年2月7日(金曜日)から2025年3月25日(火曜日)まで(30営業日)

公告日

2025年2月7日(金曜日)

公告掲載新聞名

電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。

(電子公告アドレス https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/)

 

 

② 【対象者の請求に基づく延長の可能性の有無】

該当事項はありません。

 

③ 【期間延長の確認連絡先】

該当事項はありません。

 

(2) 【買付け等の価格】

 

株券

普通株式1株につき 金2,010円

新株予約権証券

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券

(    )

株券等預託証券

(    )

算定の基礎

公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼いたしました。なお、みずほ証券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して公開買付者及び対象者との利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。また、みずほ証券のグループ企業であるみずほ銀行は、公開買付者及び対象者に対して、また、みずほ証券のグループ企業であるみずほ信託銀行は公開買付者に対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等を実施しており、みずほ銀行及びみずほ信託銀行は公開買付者の株主たる地位を有しておりますが、本取引に関して公開買付者及び対象者との利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。なお、みずほ証券によれば、みずほ証券は法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令第70条の4の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行及びみずほ信託銀行との間の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行及びみずほ信託銀行の貸付人及び株主の地位とは独立した立場で、対象者の株式価値の算定を行っているとのことです。公開買付者は、対象者の株式価値算定にあたり、みずほ証券が過去に上場会社の完全子会社化の事案での第三者算定機関としての実績を有していることに加え、みずほ証券において適切な利益相反管理体制が構築され、かつ実施されていること等に鑑み、第三者算定機関として職務を行うにあたり十分な独立性が確保されていると判断し、みずほ証券を第三者算定機関に選定いたしました。

みずほ証券は、対象者の財務状況、対象者株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法を用いて、対象者の株式価値の算定を行い、公開買付者は、みずほ証券から2024年11月8日付で本株式価値算定書を取得して参考にしました。なお、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、上記「3 買付け等の目的」の「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

 

 

本株式価値算定書において採用した手法及び当該手法に基づいて算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。

 

市場株価基準法: 855円から949円

類似企業比較法: 1,987円から2,309円

DCF法      : 1,317円から2,709円

 

市場株価基準法では、基準日を2024年11月8日として、名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式の基準日終値855円、同日までの直近1ヶ月間の終値の単純平均値872円、同日までの直近3ヶ月間の終値の単純平均値903円及び同日までの直近6ヶ月間の終値の単純平均値949円を基に、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を855円から949円と算定しております。

類似企業比較法では、対象者と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、対象者の株式価値を算定し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,987円から2,309円と算定しております。

DCF法では、対象者から提供を受けた事業計画(2025年2月期から2027年2月期までの3期分。フリー・キャッシュ・フローは含まれておりません。)を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が2024年9月初旬から同年10月下旬まで対象者に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において一定の調整を行った対象者の将来の収益予想に基づき、2025年2月期第3四半期以降において対象者が将来創出すると見込まれるキャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割引くことにより対象者の株式価値を算定し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,317円から2,709円と算定しております。なお、上記DCF法の算定の基礎とした対象者の事業計画については、対前期比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりません。また、本取引の実行により実現されることが期待されるシナジー効果については、算定時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映しておりません。

公開買付者は、本公開買付価格がみずほ証券から取得した本株式価値算定書の市場株価基準法に基づく算定結果のレンジを上回るとともに、類似企業比較法及びDCF法による算定結果のレンジの価格であることに加え、2024年9月初旬から同年10月下旬まで対象者に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、対象者株式の市場株価の動向、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日から2024年10月31日までの期間に公表された国内案件における完全子会社化を前提とした公開買付けの事例(ただし、公開買付けが不成立となった事例、マネジメント・バイアウト(MBO)の事例、同意なき買収の事例、公開買付価格のプレミアムが公表日前営業日の終値に対してマイナスとなる公開買付け(いわゆるディスカウントTOB)の事例、及び公開買付けの公表前に事前報道のあった事例を除きます。)の際に付与されたプレミアムの実例172件(プレミアムの中央値は公表日前営業日が42.23%、直近1ヶ月間が43.02%、直近3ヶ月間が42.36%、直近6ヶ月間が43.56%)、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者との協議・交渉の結果を踏まえ、対象者の2025年2月期の期末配当が無配であることを前提として、最終的に2024年11月11日開催の取締役会において本公開買付価格を2,010円とすることを決定いたしました。

なお、本公開買付価格である2,010円は、本公開買付けの開始予定についての公表日の前営業日である2024年11月8日の名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式の終値855円に対して135.09%、2024年11月8日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値872円に対して130.50%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値903円に対して122.59%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値949円に対して111.80%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。

また、本公開買付価格である2,010円は、本公開買付けの開始についての公表日の前営業日である2025年2月5日の対象者株式の名古屋証券取引所メイン市場における終値1,999円に対して0.55%、本書提出日の前営業日である2025年2月6日の名古屋証券取引所メイン市場における対象者株式の終値2,000円に対して0.50%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。

 

 

算定の経緯

公開買付者及び対象者との間の本公開買付価格に関する交渉内容及び過程については、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。

 

① 算定の際に意見を聴取した第三者の名称

公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼し、本株式価値算定書を取得いたしました。また、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、上記「3 買付け等の目的」の「(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、みずほ証券から、本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

なお、みずほ証券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。

 

② 当該意見の概要

みずほ証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法を用いて、対象者の株式価値の算定を行っております。採用した手法及び当該手法に基づいて算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。

 

市場株価基準法: 855円から949円

類似企業比較法: 1,987円から2,309円

DCF法     : 1,317円から2,709円

 

③ 当該意見を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った理由

公開買付者は、本公開買付価格が上記「② 当該意見の概要」に記載の本株式価値算定書の市場株価基準法に基づく算定結果のレンジを上回るとともに、類似企業比較法及びDCF法による算定結果のレンジの価格であることに加え、2024年9月初旬から同年10月下旬まで対象者に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、対象者株式の市場株価の動向、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日から2024年10月31日までの期間に公表された国内案件における完全子会社化を前提とした公開買付けの事例(ただし、公開買付けが不成立となった事例、マネジメント・バイアウト(MBO)の事例、同意なき買収の事例、公開買付価格のプレミアムが公表日前営業日の終値に対してマイナスとなる公開買付け(いわゆるディスカウントTOB)の事例、及び公開買付けの公表前に事前報道のあった事例を除きます。)の際に付与されたプレミアムの実例172件(プレミアムの中央値は公表日前営業日が42.23%、直近1ヶ月間が43.02%、直近3ヶ月間が42.36%、直近6ヶ月間が43.56%)、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者との協議・交渉の結果を踏まえ、対象者の2025年2月期の期末配当が無配であることを前提として、最終的に2024年11月11日開催の取締役会において本公開買付価格を2,010円とすることを決定いたしました。

 

(注) みずほ証券は、対象者の株式価値の算定に際し、対象者から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報が、全て正確かつ完全なものであること、また本公開買付価格の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみずほ証券に対して未開示の事実はないこと等を前提としてこれに依拠しており、独自にそれらの正確性の検証を行っておりません。加えて、対象者の財務予測に関する情報については、対象者の経営陣による算定時点での得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成され、公開買付者の経営陣がその内容を精査した上でみずほ証券による価値算定において使用することを了承したことを前提としております。また、対象者及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。みずほ証券の算定は、2024年11月8日までの上記情報を反映したものです。

 

 

(3) 【買付予定の株券等の数】

 

株券等の種類

買付予定数

買付予定数の下限

買付予定数の上限

普通株式

8,468,483(株)

5,276,700(株)

―(株)

合計

8,468,483(株)

5,276,700(株)

―(株)

 

(注1) 応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(5,276,700株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(5,276,700株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

(注2) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は本公開買付けにおいて公開買付者が買付け等を行う対象者株式の最大数(8,468,483株)を記載しております。当該最大数は、対象者第3四半期決算短信に記載された2024年11月30日現在の発行済株式総数(9,621,550株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(46,067株)及び公開買付者が本書提出日現在所有する対象者株式の数(1,107,000株)を控除した株式数(8,468,483株)です。

(注3) 単元未満株式についても、本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。

(注4) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。

 

 

5 【買付け等を行った後における株券等所有割合】

 

区分

議決権の数

買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)

84,684

aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)

bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数

(個)(c)

公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2025年2月7日現在)(個)(d)

11,070

dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)

eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数

(個)(f)

特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2025年2月7日現在)(個)(g)

399

gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)

hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数

(個)(i)

対象者の総株主等の議決権の数(2024年8月31日現在)(個)(j)

95,674

買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合

(a/j)(%)

88.44

買付け等を行った後における株券等所有割合

((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)

100.00

 

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数(8,468,483株)に係る議決権の数を記載しております。

(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2025年2月7日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(ただし、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。ただし、特別関係者が所有する株券等についても本公開買付けの対象としていることから、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2025年2月7日現在)(個)(g)」は分子に加算しておりません。なお、公開買付者は、本書提出後に特別関係者が所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2024年8月31日現在)(個)(j)」は、対象者が2024年10月11日に提出した第69期半期報告書に記載された2024年8月31日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。ただし、本公開買付けにおいては単元未満株式(ただし、対象者が所有する単元未満の自己株式を除きます。)についても本公開買付けの対象としているため、「買付け等前における株券等所有割合」及び「買付け等後における株券等所有割合」の計算においては、対象者第3四半期決算短信に記載された2024年11月30日現在の対象者の発行済株式総数(9,621,550株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(46,067株)を控除した株式数(9,575,483株)に係る議決権の数(95,754個)を分母として計算しております。

(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」は、小数点以下第三位を四捨五入しております。

 

 

6 【株券等の取得に関する許可等】

(1) 【株券等の種類】

普通株式

 

(2) 【根拠法令】

公開買付者は、独占禁止法第10条第2項に基づき、公正取引委員会に対して、本株式取得に関する計画をあらかじめ届け出なければならず(以下、当該届出を「事前届出」といいます。)、同条第8項により、事前届出が受理された日から原則として30日(短縮される場合もあります。)を経過するまでは本株式取得を行うことができません(以下、本株式取得が禁止される当該期間を「取得禁止期間」といいます。)。

また、独占禁止法第10条第1項は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる他の会社の株式の取得行為を禁止しており、公正取引委員会はこれに違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができます(同法第17条の2第1項。以下「排除措置命令」といいます。)。上記の事前届出が行われた場合で、公正取引委員会が排除措置命令を発令しようとするときは、公正取引委員会は、当該排除措置命令の名宛人となるべき者について意見聴取を行わなければならず(同法第49条)、その意見聴取を行うにあたっては、予定する排除措置命令の内容等を名宛人に通知しなければなりませんが(同法第50条第1項。以下「排除措置命令の事前通知」といいます。)、株式取得に関する排除措置命令の事前通知は、一定の期間(上記の事前届出が受理された日から原則30日間ですが、延長又は短縮される場合もあります。)内に行うこととされております(同法第10条第9項)。なお、公正取引委員会は、排除措置命令の事前通知をしないこととした場合、その旨の通知(以下「排除措置命令を行わない旨の通知」といいます。)をするものとされております(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第9条から第16条までの規定による認可の申請、報告及び届出等に関する規則(昭和28年公正取引委員会規則第1号)第9条)。

公開買付者は、本株式取得に関して、2025年1月6日付で公正取引委員会に対して事前届出を行い、当該事前届出は同日付で受理されております。その後、公開買付者は、本株式取得に関して、公正取引委員会から、2025年1月28日付「排除措置命令を行わない旨の通知書」及び取得禁止期間を30日間から22日間に短縮する旨の2025年1月28日付「禁止期間の短縮の通知書」を受領したため、2025年1月28日の経過をもって取得禁止期間は終了しております。

 

(3) 【許可等の日付及び番号】

許可等の日付   2025年1月28日(排除措置命令を行わない旨の通知及び取得禁止期間の短縮の通知を受けたことによる)

許可等の番号   公経企第75号(排除措置命令を行わない旨の通知書の番号)

公経企第76号(取得禁止期間の短縮の通知書の番号)

 

 

7 【応募及び契約の解除の方法】

(1) 【応募の方法】

① 公開買付代理人

みずほ証券株式会社    東京都千代田区大手町一丁目5番1号

 

② 本公開買付けに応募する際には、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載し、公開買付期間の末日の15時までに、公開買付代理人の本店又は全国各支店において応募してください。なお、オンライントレードである「みずほ証券ネット倶楽部」においては応募の受付けは行いません。

 

③ 本公開買付けに係る応募の受付けにあたっては、本公開買付けに応募する株主(以下「応募株主等」といいます。)が、公開買付代理人に証券取引口座を開設した上、応募する予定の株券等を当該証券取引口座に記録管理している必要があります。本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等を経由した応募の受付けは行われません。また、本公開買付けにおいては、対象者指定の特別口座の口座管理機関である三井住友信託銀行株式会社に設定された特別口座に記録されている株券等をもって本公開買付けに応募することはできません。応募する予定の株券等が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された証券取引口座又は特別口座の口座管理機関に設定された特別口座に記載又は記録されている場合は、応募に先立ち、公開買付代理人に開設した証券取引口座への振替手続を完了していただく必要があります。(注1)

 

④ 公開買付代理人に証券取引口座を開設しておられない応募株主等は、新規に証券取引口座を開設していただく必要があります。証券取引口座を開設される場合には、個人番号(マイナンバー)又は法人番号及び本人確認書類(注2)が必要になるほか、ご印鑑が必要になる場合があります。

 

⑤ 上記③の応募株券等の振替手続及び上記④の口座の新規開設には一定の日数を要する場合がありますのでご注意ください。

 

⑥ 外国の居住者である株主(法人株主を含みます。以下「外国人株主」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください。

 

⑦ 日本の居住者である個人株主の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費等との差額は、一般的に株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります。(注3)

 

⑧ 応募の受付けに際し、公開買付代理人より応募株主等に対して、公開買付応募申込みの受付票が交付されます。

(注1) 対象者指定の特別口座の口座管理機関に設定された特別口座から公開買付代理人の証券取引口座に株券等の記録を振り替える手続について

対象者指定の特別口座の口座管理機関に設定された特別口座から公開買付代理人の証券取引口座に株券等の記録を振り替える手続を公開買付代理人経由又は特別口座の口座管理機関にて行う場合は、特別口座の口座管理機関に届け出ている個人情報と同一の情報が記載された「口座振替申請書」による申請が必要となります。詳細については、公開買付代理人又は特別口座の口座管理機関にお問合せくださいますようお願い申し上げます。

(注2) 個人番号(マイナンバー)又は法人番号及び本人確認書類の提出について

公開買付代理人において新規に証券取引口座を開設される場合、又は日本国内の常任代理人を通じて応募する外国人株主の場合には、次の本人確認書類等が必要になります。番号確認書類及び本人確認書類の詳細につきましては、公開買付代理人へお問合せください。

 

 

個人株主の場合   次の表の①から③のいずれかの個人番号確認書類及び本人確認書類が必要になります。なお、個人番号(マイナンバー)をご提供いただけない方は、公開買付代理人であるみずほ証券株式会社にて口座開設を行うことはできません。また、公開買付代理人において既に証券取引口座を開設している方であっても、氏名、住所、個人番号(マイナンバー)を変更する場合には個人番号確認書類及び本人確認書類が必要になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個人番号カード

(両面)

顔写真付き

 

通知カード

 

個人番号が記載された住民票の写し

又は

住民票記載事項証明書

(※当該書類は本人確認書類の1つになります。)

 

 

 

 

 

a.以下のいずれかの書類1つ(顔写真付き確認書類)

 

a.以下のいずれかの書類1つ(顔写真付き確認書類)

 

 

・運転免許証

・運転経歴証明書

・旅券(パスポート)

・在留カード

・療育手帳

・身体障害者手帳等

 

・運転免許証

・運転経歴証明書

・旅券(パスポート)

・在留カード

・療育手帳

・身体障害者手帳等

 

 

又は

 

又は

 

 

b.以下のいずれかの書類2つ(a.の提出が困難な場合)

 

b.以下のいずれかの書類1つ(a.の提出が困難な場合)

 

 

・住民票の写し

・住民票の記載事項証明書

・国民健康保険被保険者証等の各種健康保険証

・印鑑登録証明書

・国民年金手帳等

 

・国民健康保険被保険者証等の各種健康保険証

・印鑑登録証明書

・国民年金手帳等

 

・個人番号カード(両面)をご提出いただく場合、別途本人確認書類のご提出は不要です。

・通知カードは、通知カードに記載された氏名、住所等が住民票に記載されている事項と一致している場合に限り、個人番号確認書類としてご利用になれます。

・氏名、住所、生年月日の記載のあるものをご提出ください。

・本人確認書類は有効期限内のもの、期限の記載がない場合は6ヶ月以内に作成されたものをご提出ください。

 

法人株主の場合   「法人番号指定通知書」の写し、又は、国税庁法人番号公表サイトから印刷した法人番号が印刷された書面及び本人確認書類(登記事項証明書(6ヶ月以内に作成されたもので名称及び本店又は主たる事務所の所在地並びに事業内容を確認できるもの))が必要になります。なお、法人自体の本人確認書類に加え、取引担当者(当該法人の代表者が取引する場合はその代表者)個人の本人確認書類が必要となります。また、公開買付代理人において既に証券取引口座を開設している法人であっても、法人名称及び所在地を変更する場合には法人番号確認書類及び本人確認書類が必要になります。

 

 

外国人株主の場合  日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の上記本人確認書類に準じるもの等(本人確認書類は、自然人の場合は、氏名、住所、生年月日の記載のあるもの(※1)、法人の場合は、名称及び本店又は主たる事務所の所在地並びに事業内容の記載のあるもの(※2)が必要です。また、当該本人確認書類は、自然人及び法人ともに6ヶ月以内に作成されたもの、又は有効期間若しくは期限のある書類は有効なものに限ります。)及び常任代理人との間の委任契約に係る委任状又は契約書の写し(※3)が必要となります。

(※1) 外国に居住される日本国籍を有する株主の方は、原則として旅券(パスポート)の提出をお願いいたします。

(※2) 法人の場合、当該法人の事業内容の確認が必要であるため、本人確認書類に事業内容の記載がない場合は、別途事業内容の確認ができる書類(居住者の本人確認書類に準じる書類又は外国の法令の規定により当該法人が作成されることとされている書類で事業内容の記載があるもの)の提出が必要です。

(※3) 当該外国人株主の氏名又は名称、国外の住所地の記載のあるものに限り、①常任代理人による証明年月日、②常任代理人の名称、住所、代表者又は署名者の氏名及び役職が記載され、公開買付代理人の証券取引口座に係る届出印により原本証明が付されたもの。

(注3) 日本の居住者の株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(個人株主の場合)

日本の居住者である個人株主の方の場合、株式等の譲渡所得等には、原則として申告分離課税が適用されます。本公開買付けへの応募による売却につきましても、通常の金融商品取引業者を通じた売却として取り扱われることとなります。税務上の具体的なご質問等につきましては、税理士等の専門家にご確認いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。

 

(2) 【契約の解除の方法】

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間の末日の15時までに、応募受付けをした公開買付代理人の本店又は全国各支店に本公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください。契約の解除は、解除書面が公開買付代理人に交付され、又は到達した時に効力を生じます。したがって、解除書面を送付する場合は、解除書面が公開買付期間の末日の15時までに公開買付代理人に到達しなければ解除できないことにご注意ください。

 

解除書面を受領する権限を有する者

みずほ証券株式会社    東京都千代田区大手町一丁目5番1号

(その他みずほ証券株式会社全国各支店)

 

(3) 【株券等の返還方法】

応募株主等が上記「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法により本公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに下記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還いたします。

 

(4) 【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

みずほ証券株式会社    東京都千代田区大手町一丁目5番1号

 

 

8 【買付け等に要する資金】

(1) 【買付け等に要する資金等】

 

買付代金(円)(a)

17,021,650,830

金銭以外の対価の種類

金銭以外の対価の総額

買付手数料(b)

80,000,000

その他(c)

7,700,000

合計(a)+(b)+(c)

17,109,350,830

 

(注1) 「買付代金(円)(a)」欄には、本公開買付けにおける買付予定数(8,468,483株)に、本公開買付価格(2,010円)を乗じた金額を記載しております。

(注2) 「買付手数料(b)」欄には、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。

(注3) 「その他(c)」欄には、本公開買付けに関する公告に要する費用及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。

(注4) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

(注5) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は本公開買付け終了後まで未定です。

 

(2) 【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等】

① 【届出日の前々日又は前日現在の預金】

 

種類

金額(千円)

当座預金

18,651,330

計(a)

18,651,330

 

 

② 【届出日前の借入金】

イ 【金融機関】

 

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

 

ロ 【金融機関以外】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

 

 

③ 【届出日以後に借入れを予定している資金】

イ 【金融機関】

 

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

計(b)

 

 

ロ 【金融機関以外】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

計(c)

 

 

④ 【その他資金調達方法】

 

内容

金額(千円)

計(d)

 

 

⑤ 【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】

18,651,330千円((a)+(b)+(c)+(d))

 

(3) 【買付け等の対価とする有価証券の発行者と公開買付者との関係等】

該当事項はありません。

 

9 【買付け等の対価とする有価証券の発行者の状況】

該当事項はありません。

 

10 【決済の方法】

(1) 【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

みずほ証券株式会社   東京都千代田区大手町一丁目5番1号

 

(2) 【決済の開始日】

2025年4月1日(火曜日)

 

 

(3) 【決済の方法】

公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の住所宛に郵送いたします。買付けは、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金を応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指定した場所へ送金するか、公開買付代理人の応募受付けをした応募株主等の口座へお支払いいたします。

 

(4) 【株券等の返還方法】

下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1) 法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2) 公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部を買付けないこととなった場合には、公開買付代理人は、返還することが必要な株券等を公開買付期間末日の翌々営業日(本公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)以後、速やかに応募が行われた時の状態に戻します。

 

11 【その他買付け等の条件及び方法】

(1) 【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】

応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(5,276,700株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(5,276,700株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

 

(2) 【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】

令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが発生した場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合、②対象者の重要な子会社に同号イ乃至トに掲げる事実が発生した場合をいいます。

撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表を行い、その後直ちに公告を行います。

 

(3) 【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】

法第27条の6第1項第1号の規定により、対象者が公開買付期間中に令第13条第1項に定める行為を行った場合は、府令第19条第1項に定める基準により買付け等の価格の引下げを行うことがあります。

買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

 

(4) 【応募株主等の契約の解除権についての事項】

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。

なお、公開買付者は応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求しません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

 

 

(5) 【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】

公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表を行い、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

 

(6) 【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】

訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(ただし、法第27条の8第11項ただし書に規定する場合を除きます。)は、直ちに訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては、訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。ただし、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。

 

(7) 【公開買付けの結果の開示の方法】

本公開買付けの結果については、公開買付期間の末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

 

(8) 【その他】

本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて行われるものではなく、また、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)を利用して行われるものでもなく、更に米国の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、若しくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。

また、本書又は関連する買付書類は、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けできません。

本公開買付けへの応募に際し、応募株主等(外国人株主の場合は常任代理人)は公開買付代理人に対し、以下の表明及び保証を行うことを求められることがあります。

応募株主等が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても米国に所在していないこと。本公開買付けに関するいかなる情報(その写しを含みます。)も、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、これを受領したり送付したりしていないこと。買付け等若しくは公開買付応募申込書の署名交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと。他の者の裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動する者ではないこと(当該他の者が買付け等に関する全ての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。