名 称 エア・ウォーター株式会社
所在地 大阪市中央区南船場二丁目12番8号
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2025年2月7日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を2,903,600株(所有割合:50.10%)所有することにより、当社を連結子会社としているとのことです。今般、公開買付者は、2025年2月7日開催の取締役会において、当社の発行済株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の下限を960,100株(所有割合:16.57%)と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(960,100株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。一方、本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社の発行済株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限を設定しておりませんので、応募株券等の総数が買付予定数の下限(960,100株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(960,100株)は、当社第3四半期決算短信に記載された2024年12月31日現在の発行済株式総数(6,000,000株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(204,480株)を控除した株式数(5,795,520株)に係る議決権の数(57,955個)に3分の2を乗じた数(38,637個、小数点以下切り上げ)から、本書提出日現在において公開買付者が所有する当社株式数(2,903,600株)に係る議決権の数(29,036個)を控除し、当社の単元株式数である100株を乗じた数としているとのことです。
公開買付者が、このような買付予定数の下限を設定したのは、本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、後記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるように設定したものとのことです。なお、公開買付者は、本書提出日現在、当社株式2,903,600株(所有割合:50.10%)を所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあると考え、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定していないとのことですが、公開買付者及び当社は、公開買付者及び当社において、本公開買付けの公正性を担保し利益相反を回避するための措置を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、公開買付者が当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者が当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。
当社は、公開買付者より、本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程につき、以下の説明を受けております。
公開買付者は、1929年9月に北海酸素株式会社として設立され、1966年8月に株式会社ほくさんに商号を変更し、1993年4月に、1933年3月に設立された大同酸素株式会社と合併し、大同ほくさん株式会社に商号を変更したとのことです。その後、2000年4月に、1962年2月に設立された共同酸素株式会社と合併し、現在のエア・ウォーター株式会社に商号を変更したとのことです。1950年4月には、証券会員制法人札幌証券取引所(以下「札幌証券取引所」といいます。)本則市場に、1979年9月には、東京証券取引所市場第一部に株式を上場しており、2022年4月4日の東京証券取引所における新市場区分への移行を経て、現在は東京証券取引所プライム市場及び札幌証券取引所本則市場に上場しているとのことです。公開買付者は、創業以来、空気や水に代表される地球資源を活用し、技術やビジネスモデル、ノウハウを掛け合わせることで、人々の暮らしや産業になくてはならない製品、サービス、ソリューションを生み出す事業を行っているとのことです。公開買付者グループ(公開買付者、当社を含む連結子会社174社及び持分法適用会社及びその他関連会社を含む合計264社(本書提出日現在)からなる企業グループをいいます。以下同じ。)は、「地球の恵みを、社会の望みに。」というパーパスの下、公開買付者グループ一丸となって常に未来を見据えながら社会課題の解決に取組み、豊かな社会の実現に貢献しているとのことです。その事業としては、デジタル&インダストリーグループ(酸素・窒素・アルゴン・炭酸ガス・水素等の産業ガスの製造・販売、電子材料、機能材料等の製造・販売等)、エネルギーソリューショングループ(LPガス・灯油の販売及び、LNG関連機器の製造・販売等)、ヘルス&セーフティーグループ(以下「H&Sグループ」といいます。)(酸素・窒素等の医療用ガス・歯科材料・衛生材料・注射針・エアゾール製品等の製造・販売並びに、病院設備工事、病院サービス、在宅医療等)、アグリ&フーズグループ(青果物の加工・流通及び冷凍食品・食肉加工等の製造・販売並びに清涼飲料水の製造受託等)並びにその他の事業(物流サービスを展開する物流事業、業務用塩等の製造・販売事業、木質バイオマスによる電力事業等の前述のセグメントに属さない事業)の5つのグループにおいて、製品・商品の製造・販売を行っているとのことです。
公開買付者グループは、エア・ウォーター株式会社に商号を変更した2000年からの「第1の創業期」では、M&Aにより炭酸ガスや水素などの産業ガス事業の領域を拡大し、総合産業ガスメーカーとしてのポジションを確立し、2010年からの「第2の創業期」では、M&Aにより医療や農業・食品など生活系事業の規模を拡大するとともに、産業系事業と生活系事業の最適バランスを図った全天候型の事業ポートフォリオを構築したとのことです。そして2022年7月に、公開買付者グループは、2030年度に目指す姿として中期経営計画よりも長期的な方針として「terrAWell 30」を定め、2030年度までの期間を「第3の創業期」と位置付け、成長方針として(ⅰ)多様な事業領域の方向性を、新たな成長軸である『地球環境』(デジタル&インダストリーグループ、エネルギーソリューショングループ)と『ウェルネス』(H&Sグループ、アグリ&フーズグループ)に統合(ⅱ)「多様な事業・人材・技術」と「地域密着の事業基盤」を活かし、「成長領域の拡大」、「収益力強化」及び「新規事業創出」などのシナジー創出を最大化(ⅲ)成長と投資の好循環を実現といった3つの方針を掲げているとのことです。また、2030年度までに経済価値に関しては、「事業拡大」、「収益性向上」、「資本効率性向上」の3つのテーマを設定し、インド・北米産業ガス分野への積極投資による海外事業の拡大、成熟化が進む既存事業(産業ガス・医療・エネルギー)のシェア拡大・DX推進等による収益性向上及びグループ戦略機能の強化による資本効率の向上等の施策により売上収益1兆6,000億円、海外売上収益比率20%以上、営業利益1,600億円、売上収益営業利益率10%以上、ROEを12%以上、ROICは8%以上、社会価値に関しては、GHG(温室効果ガス)排出量を2020年度対比で30%削減、脱炭素・資源循環・人と自然の共存・スマート社会・健康長寿の実現を目指しているとのことです。
一方、当社は、1914年に医療・衛生材料のメーカーとして創業した後、1931年1月に株式会社川本新之助商店の商号で設立され、1943年6月に川本繃帯材料株式会社に商号を変更、1996年4月に現在の川本産業株式会社に商号を変更し、事業を拡大してきました。また、当社は、2001年12月に株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)市場第二部に上場、2003年6月には東京証券取引所市場第二部に上場した後、2013年7月の東京証券取引所と大阪証券取引所の統合を経て、2022年4月に東京証券取引所の市場区分見直しに伴い東京証券取引所スタンダード市場に移行し、現在に至ります。
本書提出日現在、当社グループ(当社及び下記連結子会社4社の計5社からなる企業グループをいいます。以下同じ。)は、当社及び連結子会社である浙江川本衛生材料有限公司、株式会社サカキL&Eワイズ、クロス工業株式会社及びKUROSU HANAM Co.,Ltd.の5社で構成されており、衛生材料・医療用品・介護用品・安全衛生保護具等の製造販売及び医療用品・介護用品・育児用品・トイレタリー用品の仕入販売を主たる業務としております。当社グループの事業は、コンシューマ事業及びメディカル事業の2つのセグメントで構成され、コンシューマ事業においては、国内の企業、一般消費者及び産業・工業向けに、衛生材料・医療用品・介護用品・育児用品・安全衛生保護具等の製造販売及び仕入販売を行っております。また、メディカル事業においては、国内外の医療機関や施設向けに、衛生材料・医療用品・感染管理製品・介護用品等の製造販売及び仕入販売を行っております。
当社は、公開買付者が2016年7月に実施した当社株式の公開買付けによって当社株式の50.10%を取得したことに伴い、公開買付者の連結子会社として公開買付者グループに加入し、それ以降、公開買付者の信用力及びネットワークを背景とした当社ブランド・顧客基盤の強化に取り組んで参りました。その後、当社は堅調に売上及び収益を増加させ、近年では新型コロナウイルス感染症の拡大により感染管理製品をはじめとした医療消耗品の販売が拡大いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の収束によりその需要は減少しており、当社のメディカル事業の売上は新型コロナウイルス感染症の5類感染症への分類前後で約12.3%減少しました。
また、当社グループが属する医療衛生材料業界は、政府による医療費適正化に向けた取組みの流れの中で、衛生材料を含む医療消耗品は価格競争に晒されております。
このような厳しい事業環境の中、当社は「我が社は常に進歩を求め、社会の保健衛生の向上と豊かな衣生活の充実の為、堅実な発展を続ける」という経営理念に基づき、自社製品の拡大と利益率の改善を最重要課題と認識し、感染管理製品や口腔ケア製品、介護用品等の積極的な販売、市場のニーズに応える新製品の開発及び製造受託の拡大を図っております。
公開買付者グループは、「terrAWell 30」を推し進めるために、2022年度から2024年度までの3ヵ年を実行期間とする中期経営計画「terrAWell 30 1st stage」を策定し、2022年度には、中長期的に目標としていた、売上収益1兆円を達成し、今後は事業拡大をさらに進めるとともに、キャッシュ・フローや投資効果を意識した、より経営効率を重視した経営を行う企業体として、更なる企業価値の向上を目指しているとのことです。
公開買付者グループを取り巻く環境として、地政学リスクの増加やエネルギー価格、為替相場の変動等、国内外において先行きが不透明であると考えているとのことです。とりわけ、当社が属するH&Sグループを取り巻く環境は、医療従事者の人手不足や働き方改革の加速、医療費抑制を背景とした在宅医療ニーズの高まり、データセンターの建設需要拡大、インバウンドによる化粧品分野の需要拡大等が想定され、公開買付者グループとして、医療機関へのグループ総合提案、コンシューマー向け事業の拡大、新製品の開発・販売の拡大、価格マネジメントや人員の最適配置等を通じた収益力強化が不可欠であると考えているとのことです。
また、公開買付者として、当社を取り巻く環境は益々厳しくなるものと考えているとのことです。具体的には、メディカル事業においては、コロナ禍の終息による衛生材料、感染管理製品の需要減少に加え、販売価格が下落傾向にある等、これまで以上に事業環境が厳しくなると想定しているとのことであり、また、コンシューマ事業においては、高齢者の増加により介護市場の拡大が見込まれる一方で、物流業界の働き方改革に伴う物流費の高騰により、収益を圧迫するおそれがあると想定しているとのことです。
上記のとおり、当社が公開買付者グループに加入して以来、当社は、当初は公開買付者の医療カンパニー(現在のH&Sグループ)傘下に属しカンパニー制という縦の強さを活かした連携を進め、また、本書提出日現在においては、H&Sグループを構成する、医療ガス、医療機器等を扱う「メディカルプロダクツ」、医療サービス等を扱う「サービス」、医療設備、ガス消火設備等を扱う「防災」、エアゾール・化粧品、衛生材料等を扱う「コンシューマーヘルス」の4つのユニットのうち、当社はコンシューマーヘルスユニットに属し、衛生材料、感染管理製品といった医療機関向けのメディカル事業とともに、大手小売量販店向けのコンシューマ事業を手掛け、医療分野での他ユニットとの連携によるシナジー創出に加え、H&Sグループにおいて数少ない一般消費者向けの販売ネットワークを保有しているという特徴を活かしながら、公開買付者グループのコンシューマーヘルス事業を牽引しております。
一方で、公開買付者グループ加入当初、当社において期待されていた、新製品の企画・開発の強化や製造機能の高度化については当社の上場会社としての独立性を維持するために主体的な経営を尊重した結果、公開買付者グループとの連携が進められていなかったとのことです。公開買付者としては、今後厳しさが増すことが想定される当社の事業環境に鑑みると、新製品の企画・開発の強化や製造機能の高度化についても迅速かつ確実に推進していく必要があると認識しているとのことです。
上記のとおり、公開買付者は、今後公開買付者グループと当社の連携をさらに深めていく必要があると認識する一方で、現在の当社との資本関係では、当社は東京証券取引所スタンダード市場に上場しているため、少数株主への配慮もしなければならないこと等から、中長期的な観点から実施すべきものと判断できる施策があるとしても、一時的には当社の収益を悪化させる場合もあり、当社の少数株主の期待に沿えない可能性や、短期的には資本市場から十分な評価が得られないことによる株価の不安定化のリスクを伴うことから、両者間での一体感のある取り組みを推進することは十分には叶っていないと考えているとのことです。
このような状況下において、上記の「terrAWell 30」に掲げる目標を達成するためには、当社の経営及び事業運営に対し、公開買付者グループがこれまで以上に関与を深めることで、グループシナジーの早期かつ着実な実現を目指すことが必要であると考えるに至ったとのことです。なお、公開買付者は、本取引を通じて当社を完全子会社化し、当社とより一層連携を深めることにより、以下のようなシナジーの実現を目指していくとのことです。
当社が公開買付者グループに加入した当初は、各種医療用製品の生産効率向上のための設備増強や生産設備老朽化に伴う更新、その他維持に必要な保守修繕投資の推進を目指していたものの、公開買付者と当社の上場を維持したまま、公開買付者が当社に経営資源を提供する場合、経営資源の供与者と受益者が必ずしも一致しないことや、利益の一部が公開買付者グループ外に流出するといった問題が指摘される可能性もあったこと等から、十分な積極的な投資を実現するには至らなかったとのことです。また、コロナ禍の終息による需要の減少に加え、販売価格も下落傾向にある等、当社を取り巻く環境としては今後厳しくなることが予想されるところ、生産の効率化や、新製品開発へ注力することが不可欠と考えているとのことです。そのため、少数株主への配慮を勘案することなく中長期的な成長を目指すため、公開買付者グループのリソースを活用し、当社の主力工場である大阪工場へ新たな設備投資を行い、生産性の向上を進めて製造原価の逓減や売上総利益率の改善を図るとともに、収益性の高い新製品の開発のために公開買付者グループ全体として経営資源の積極的な投入を進めていくとのことです。併せて、現在、公開買付者グループが外部委託している製品の製造を当社大阪工場へ委託することにより、大阪工場の稼働率を引き上げ、製品単位当たり原価の低減を図り、ひいては当社グループの生産性向上を図ることができるとともに、公開買付者グループ全体としての生産性も高めることができると考えているとのことです。
上記のとおり、当社のメディカル事業においては需要減少や販売価格の下落傾向等、事業環境が厳しくなると見込んでおり、コンシューマ事業においては介護市場の拡大が見込まれる一方、両事業の収益性を向上させる必要性があると考えているとのことです。両事業においてこのような事業環境に対応するために、積極的な研究開発を行うための人材交流を含めた研究開発機能の強化を実現していくとのことです。メディカル事業では、公開買付者グループの医療機器事業で培った開発力と当社が製造・販売している医療現場における不可欠な製品群とを掛け合わせた新製品の開発に取り組み、収益性の高い製品開発を行うことができる体制を構築するとのことです。また、当社のコンシューマ事業と、公開買付者グループの地域事業会社を中心とした営業部門及びヘルスケア開発センターを中心とした開発部門とが協働して、介護従事者等のニーズに合った製品開発、さらには、公開買付者グループのアグリ&フーズグループとの連携において、介護向け食品開発等も進められるものと考えているとのことです。このような公開買付者グループの開発力と当社の既存事業のノウハウ等とを掛け合わせることで、介護向け商品マーケットでの長期的な収益拡大を見込んでいるとのことです。
今後想定される物流業界の働き方改革に伴う物流費の高騰へ対応するため、公開買付者グループと当社の両者のリソースを相互に活用することで、当社を含む公開買付者グループのH&Sグループとしての倉庫・物流機能を強化するとのことです。特に、コンシューマ事業においては、公開買付者グループと当社の物流拠点の共用化を図ることで、公開買付者グループ全体での物流費の低減を実現するとともに、顧客への迅速な配送を行える等といったより高いサービスを顧客に提供できるものと考えているとのことです。
また、上記以外にもこれまで公開買付者と当社がいわゆる親子上場の関係であるために制約のあった公開買付者グループ各社と当社の経営資源の相互活用による経営効率の向上や、当社の長年に亘る医療衛生材料メーカーとしてのブランドと実績を担ってきた人材による公開買付者グループの経営への参画等の両者間における人材交流といった施策、また当社株式が上場廃止されることにより、監査費用、株主総会の運営に関する費用、株主名簿管理人への事務委託に関する費用等の上場維持にかかるコスト削減等により、公開買付者グループ一体となった共通利益・シナジーの創造及びコスト削減を徹底的に追求することが可能になり、当社を含めた公開買付者グループの中長期的な企業価値向上にも資することになると考えているとのことです。
なお、当社における非公開化によるデメリットとして、上場会社としての知名度・信用力を活用した人材確保が困難になることや、従業員のモチベーションの低下、医療衛生材料メーカーとして培ってきたブランドの低下等の可能性も想定され得るものの、本取引が成就した際には、上場会社である公開買付者のグループとして、対外的発信や知名度向上等のメリットは継続して享受可能となると考えており、さらには、公開買付者グループとしての採用活動や人材交流を実施することで、人的リソースの確保とともに、従業員のモチベーション向上にも寄与できるものと考えているとのことです。
上記の検討を経て、公開買付者は2024年7月8日に当社に対し、当社を完全子会社化することについて議論したい旨の提案を行ったとのことであり、当社は、2024年7月12日に協議に応じる旨の回答を行いました。公開買付者は、社内検討を行った上で、2024年9月9日に、当社に対して、本取引に関する正式な検討の開始を求めるべく、当社の完全子会社化に関する正式提案を行ったとのことです。これに対して、当社は、公開買付者に対し、2024年9月9日、当社の完全子会社化に向けて検討を継続して行う旨の回答を行いました。
その後、公開買付者は、本取引に関する本格的な検討を行うべく、2024年10月上旬に、公開買付者グループ及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、みかがみ監査法人を、リーガル・アドバイザーとして弁護士法人大江橋法律事務所(以下「大江橋法律事務所」といいます。)を選任し、2024年10月下旬に公開買付代理人としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を選任し、本取引に関する検討体制を整えたとのことです。
その上で、公開買付者は、正式提案を行った2024年9月9日以降、当社に対して、法務・財務・税務等の観点からの各種デュー・ディリジェンスを実施するとともに、当社及び本特別委員会(下記「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に定義されます。)に対して、非公開化に関するより詳細な説明を行い、2025年2月6日に至るまで、公開買付者及び当社のシナジーの創出に向けた具体的な施策や、本公開買付けにおける買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を含む本取引の諸条件等について本格的な協議・検討を進めてきたとのことです。
具体的には、公開買付者は、2024年10月下旬から2024年12月中旬にかけて、法務・財務・税務等の観点からの各種デュー・ディリジェンスを実施し、当社から提供された各種資料(当社の事業計画を含みます。)への精査を行い、当社に対する本公開買付価格の提案に向けた準備を行ったとのことです。また、この間、公開買付者によるデュー・ディリジェンスとは別に、公開買付者は、本特別委員会から、本取引を提案するに至った背景、本取引の意義・目的、本取引実施後の経営体制・経営方針等についての質問事項を2024年10月23日に書面により受領し、2024年11月8日に当該質問事項について書面により回答を提出したとのことです。また、公開買付者は、2024年11月12日に本特別委員会に対して当該質問事項に対する回答に関する説明をするとともに、これに対する質疑応答を行ったとのことです。さらに、当該質疑応答を受けて、公開買付者は、本特別委員会から本取引による当社の企業価値向上に与える影響(シナジー効果)に対する追加の質問事項を2024年11月13日に書面により受領し、2024年11月26日に当該追加質問事項について書面により回答を提出した後、2024年11月28日に当該追加質問事項に対する回答に関する説明をするとともに、これに対する質疑応答を行ったとのことです。
その後、公開買付者は、2024年12月26日に、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を当社株式1株当たり900円(提案日の前営業日である2024年12月25日の東京証券取引所における当社株式の終値788円に対して14.21%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値(円未満を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)792円に対して13.64%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値788円に対して14.21%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値785円に対して14.65%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の初回の価格提案書を提出したとのことです(なお、公開買付者による全ての価格提案は、当社の2025年3月期の期末配当が無配であることを前提とするものである旨、上記2024年11月8日付け書面にて回答しているとのことです。)。これに対して、同日、公開買付者は当社より、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー」といいます。)による助言及び本特別委員会により事前に確認された交渉方針を踏まえた上で、当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、提案内容の再検討を要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は、2025年1月14日に、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を1株当たり1,057円(提案日の前営業日である同年1月10日の東京証券取引所における当社株式の終値977円に対して8.19%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値812円に対して30.17%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値796円に対して32.79%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値789円に対して33.97%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の2回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同年1月16日に、公開買付者は当社より、本特別委員会の意見を踏まえた上で、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、提案内容の再検討を要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は、同年1月23日に、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を1株当たり1,100円(提案日の前営業日である同年1月22日の東京証券取引所における当社株式の終値860円に対して27.91%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値849円に対して29.56%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値807円に対して36.31%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値793円に対して38.71%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の3回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同年1月24日に、公開買付者は当社より、本特別委員会の意見を踏まえた上で、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、提案内容の再検討を要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は、同年1月28日に、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を1株当たり1,150円(提案日の前営業日である同年1月27日の東京証券取引所における当社株式の終値901円に対して27.64%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値871円に対して32.03%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値812円に対して41.63%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値795円に対して44.65%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の4回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同日、公開買付者は当社より、本特別委員会の意見を踏まえた上で、2024年12月までの当社の業績の状況が2024年5月8日付で公表した連結業績予想を上回る情勢であり、通期業績予想修正が見込まれること等を勘案すると、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を十分に反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、提案内容の再検討を要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は、同年2月3日に、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を1株当たり1,190円(提案日の前営業日である同年1月31日の東京証券取引所における当社株式の終値869円に対して36.94%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値878円に対して35.54%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値819円に対して45.30%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値798円に対して49.12%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の5回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同年2月4日に、公開買付者は当社より、本特別委員会の意見を踏まえた上で、2024年12月までの当社の業績の状況が2024年5月8日付で公表した連結業績予想を上回る情勢であり、通期業績予想修正が見込まれること等を勘案すると、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を十分に反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準に達していないとして、本公開買付価格を1株当たり1,300円とすることを要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は、同年2月5日に、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を1株当たり1,200円(提案日の前営業日である同年2月4日の東京証券取引所における当社株式の終値859円に対して39.70%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値877円に対して36.83%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値821円に対して46.16%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値800円に対して50.00%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の6回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同日、公開買付者は当社より、本特別委員会の意見を踏まえた上で、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を十分に反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準達していないとして、本公開買付価格を1株当たり1,250円とすることを要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は再度検討を行ったものの、同年2月5日に本公開買付価格として提案した価格1,200円が、公開買付者として想定できるシナジーを含めて当社の企業価値を最大限反映しており、当社の事業が属する市場環境等を前提とすると、市場株価に対して十分なプレミアムが付されたものであり、当社の少数株主の利益に資するものと判断していることから、価格の引き上げは行わないこととし、公開買付者は、同年2月6日に、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を1株当たり1,200円(提案日の前営業日である同年2月5日の東京証券取引所における当社株式の終値868円に対して38.25%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値877円に対して36.83%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値822円に対して45.99%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値802円に対して49.63%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の最終価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同日、当社及び本特別委員会から、最終的な意思決定は2025年2月7日に開催される当社の取締役会での決議によることを前提として、公開買付者の提案を応諾し、本公開買付価格を1,200円とする旨の回答を受領し、合意に至ったとのことです。
これらの協議、交渉を経て、公開買付者は2025年2月7日開催の取締役会において、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的として、当社株式を本公開買付けにより取得すること及び本公開買付価格を1,200円とすることについて決議したとのことです。
公開買付者は、本取引の実行後においては、上記「② 公開買付者が本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の経営施策を推進する予定とのことです。なお、公開買付者は、当社の取締役との間で、本取引後の役員就任や処遇について何らの合意も行っておらず、本取引後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細については、本取引後、公開買付者の他のグループ会社と同様に、公開買付者グループから役員を派遣する等、公開買付者のグループ経営体制やガバナンス体制を踏まえた形への移行に向けた調整を進めることを予定しているとのことですが、決定した事項はないとのことです。
当社は、2024年9月上旬に、公開買付者から本取引に関する意向の表明を受け、公開買付者は当社株式の所有割合が50.10%に達する当社の支配株主であり、公開買付者が当社を連結子会社としていること等により、本取引における公開買付者と他の当社の株主との構造的な利益相反及び情報の非対称性の問題が存在すること等に鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、2024年9月9日開催の当社取締役会の決議により、本取引の提案を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本取引に係る協議・交渉を行う体制を構築いたしました。具体的には、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社は、公開買付者及び当社から独立した委員として、当社の独立社外取締役兼監査等委員である親泊伸明氏及び小玉稔氏を選任したほか、当社の社外取締役兼監査等委員である小寺美帆氏については、公開買付者のリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所に所属していることを考慮して委員には選任しないこととし、より独立性が高く、弁護士としての高度な専門性と企業法務に関する豊富な知見を有する外部有識者である矢倉昌子氏(弁護士、アスカ法律事務所)を選任したうえ、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性及び合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本公開買付けにおける公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性、(ⅲ)本取引に係る手続の公正性、(ⅳ)本取引についての決定(本公開買付けに関して当社の取締役会が賛同意見を表明し、株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決定することを含む。)が当社の少数株主に不利益なものでないか、及び、(ⅴ)本公開買付けに関して当社の取締役会が賛同意見を表明し、株主に対して公開買付けへの応募を推奨することが相当であるか否かを諮問しました。本特別委員会における検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
また、当社は、本取引の公正性を担保するための更なる措置として、2024年9月中旬から10月上旬にかけて、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを、リーガル・アドバイザーとして弁護士法人御堂筋法律事務所(以下「御堂筋法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任しました。
さらに、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本公開買付けに係る検討、交渉及び判断を行うべく、公開買付者グループ(当社グループを除きます。)各社の役職員を兼務していない役員(福井誠氏、吉田康晃氏、内海博明氏、吉村真信氏及び藤本和精氏)及び一部の従業員のみにおいて本取引に関する検討(当社株式の価値算定の基礎となる事業計画の作成を含みます。)並びに公開買付者との協議及び交渉を行う検討体制を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
加えて、「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」に記載のとおり、当社取締役のうち、公開買付者の顧問を兼務する福田健太郎氏及び公開買付者のリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所に所属する小寺美帆氏は、本取引に係る取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場で本取引の協議及び交渉に参加しておりません。
その後、当社は、当該検討を踏まえ、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び御堂筋法律事務所の助言を受けながら、本公開買付けの実行の是非に関して公開買付者との間で複数回に亘る協議・交渉を行いました。
また、本公開買付価格については、当社は、2024年12月26日に公開買付者から本公開買付価格1株当たり900円(2024年12月26日の前営業日である2024年12月25日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値788円に対して14.21%のプレミアム)とする第1回提案を受領した後、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる助言及び本特別委員会により事前に確認された交渉方針を踏まえた上で、同日に、公開買付者に対して、当該提案価格は当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年1月14日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり1,057円(2025年1月14日の前営業日である2025年1月10日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値977円に対し、8.19%のプレミアム)とする旨の第2回提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、2025年1月16日に、公開買付者に対して、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年1月23日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり1,100円(2025年1月23日の前営業日である2025年1月22日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値860円に対し、27.91%のプレミアム)とする旨の第3回提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、2025年1月24日に、公開買付者に対して、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年1月28日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり1,150円(2025年1月28日の前営業日である2025年1月27日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値901円に対し、27.64%のプレミアム)とする旨の第4回提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、同日に、公開買付者に対して、2024年12月までの当社の業績の状況が2024年5月8日付で公表した連結業績予想を上回る情勢であり、通期業績予想修正が見込まれること等を勘案すると、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を十分に反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年2月3日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり1,190円(2025年2月3日の前営業日である2025年1月31日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値869円に対し、36.94%のプレミアム)とする旨の第5回提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、2025年2月4日に、公開買付者に対して、2024年12月までの当社の業績の状況が2024年5月8日付で公表した連結業績予想を上回る情勢であり、通期業績予想修正が見込まれること等を勘案すると、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を十分に反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準に達していないとして、本公開買付価格を1株当たり1,300円とすることを要請いたしました。その後、当社は、2025年2月5日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり1,200円(2025年2月5日の前営業日である2025年2月4日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値859円に対し、39.70%のプレミアム)とする旨の第6回提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、同日に、公開買付者に対して、2024年12月までの当社の業績の状況が2024年5月8日付で公表した連結業績予想を上回る情勢であり、通期業績予想修正が見込まれること等を勘案すると、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を十分に反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準に達していないとして、本公開買付価格を1株当たり1,250円とすることを要請いたしました。そして、当社は、2025年2月6日に公開買付者から、価格の引き上げを行わず、提示可能な最大限の価格として本公開買付価格を1株当たり1,200円(2025年2月6日の前営業日である2025年2月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値868円に対し、38.25%のプレミアム)とする旨の最終提案を受領いたしました。
当社は、公開買付者による最終提案を受けて、慎重に協議及び検討を行った上で、2025年2月6日に、公開買付者に対して、最終的な意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で当社取締役会決議を経てなされるという前提の下、本公開買付価格を1,200円とする旨の最終提案を受諾する旨を回答し、本公開買付価格を1,200円とすることで合意に至りました。
以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、随時、当社や当社のアドバイザーから報告を受け、適宜、確認・承認を行ってきております。具体的には、まず、当社が公開買付者に対して提示し、また、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーが当社株式の価値算定において基礎とする当社の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会の確認を受け、その承認を受けております。また、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、公開買付者との交渉にあたって、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。
そして、当社は、2025年2月6日付で、本特別委員会から、①本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本公開買付けの目的は正当性及び合理性を有するものと認められる旨、②本取引の取引条件は妥当であると認められる旨、③本取引に係る手続は公正であると認められる旨、④本取引についての決定(本公開買付けに関して当社の取締役会が賛同意見を表明し、株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決定することを含む。)は当社の少数株主にとって不利益ではないと認められる旨、及び、⑤本公開買付けに関して当社の取締役会が賛同意見を表明し、株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することが相当であると認められる旨の答申内容を含む答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております(本答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
以上の経緯の下で、当社は、リーガル・アドバイザーである御堂筋法律事務所から受けた法的助言及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから取得した当社株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けにより当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付けにおける本公開買付価格を含む本公開買付けの諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社は、以下のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであるとの結論に至りました。
当社には、「メディカル事業」(国内外の医療機関や施設向けに、衛生材料・医療用品・感染管理製品・介護用品等の製造販売及び仕入販売を行う事業)、及び「コンシューマ事業」(国内の企業及び一般消費者、産業・工業向けに、衛生材料・医療用品・介護用品・育児用品・安全衛生保護具等の製造販売及び仕入販売を行う事業)がありますが、当社グループが属する医療衛生材料業界は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、感染管理製品をはじめとした医療消耗品の市場は拡大したものの、新型コロナウイルス感染症の収束によりその需要は減少しており、当社のメディカル事業の売上は新型コロナウイルス感染症の5類感染症への分類前後で約12.3%減少しました。
また、当業界は、政府による医療費適正化(医療費削減)に向けた取組みの流れの中にあり、原材料価格やエネルギーコストの高騰、円安に起因する輸入品価格の上昇、物流業界の働き方改革に伴う物流費の高騰等も相まって、衛生材料を含む医療消耗品は、引き続き価格競争に晒されております。
こうした環境の下、当社グループの更なる企業価値向上のためには、メディカル事業における以下の経営課題を克服することに加えて、コンシューマ事業の更なる強化と成長を図り、より付加価値の高い商品を顧客に提供していくための投資や、商品の企画・開発力を向上させることが必要であると認識しており、この点において、公開買付者との連携効果が期待できるものの、利益相反等の観点で十分な投資が実現しておらず、ノウハウや情報共有や効率的な役割分担ができていないため、協業効果が限定的となっていることは課題の一つであると認識しています。
その結果、当社は、上記に記載の当社グループを取り巻く経営環境を踏まえ、本取引を通じて当社株式が非公開化し、公開買付者と当社の少数株主との間の構造的な利益相反関係を解消し、公開買付者による当社グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで、機動的かつ着実な経営施策の実行を通じて、以下のシナジー創出を見込むことができ、当社の更なる企業価値向上に資するとの結論に至りました。
(a) メディカル事業の再構築
(ア)当社のメディカル事業の経営課題
近時、政府主導での医療費削減や、上記の様々なコストの高騰等の影響により、医療消耗品等に関して、価格の安価性が重視される市場環境へ変わってきているため、当社のメディカル事業は、利益を確保しづらい事業構造になってきており、当社が創業以来全国の医療機関に対して築いてきた広範な顧客基盤及び営業基盤を活かして高品質の医療消耗品等を販売するという、当社の競争優位性を発揮しづらい状況となってきております。そのような中、当社製品の製造拠点である大阪工場は、設備の旧式化・老朽化が著しく、製造ライン・製造機械を刷新し、利益率の高い商品を重点的に製造する等、抜本的な再構築を必要とします。しかしながら、これらの施策を効果的に実施するには、少なくとも短期的には当社グループ全体の業績を著しく押し下げる水準の資本投下が必要であるところ、当社単独では資本投下には限度があり、抜本的な収益構造の改革に踏み切ることは困難な状況にあります。
また、メディカル事業における収益性改善のためには、現行商品のみならず更なる高付加価値を備えた商品の開発・販売を推し進めることも必要であるところ、昨今の人材難の影響もあり、当社単独のリソースでは、そのような高付加価値品の開発を効果的に行うことも困難な状況と言わざるを得ません。
(イ)メディカル事業再構築のために必要となる施策・見込まれるシナジー
A) 製造体制の再構築等
大阪工場の製造ラインを刷新して製造効率を上昇させ、利益率の低い製品(コモディティ製品等)の製造を製造コストが低価である当社の海外拠点等に移管し、大阪工場では公開買付者グループの製品を含め、利益率の高い製品の製造に注力する等して、公開買付者グループと当社が協働し、製造製品の選択と集中を行い、メディカル事業の利益率の向上を図っていくことが期待されます。
具体的には、現在、公開買付者グループが外部事業者に外注している公開買付者グループの製品について、当社に対する大阪工場での製造委託に切り替える等の方法により、製造能力を効率的に活用し、当社を含む公開買付者グループ全体としての売上・収益の拡大を実現することが期待されます。加えて、当社の完全子会社化後は、公開買付者グループ全体として、大阪工場の最適な活用方法を模索することになるため、想定される製造ラインの刷新、再築・改修等の大阪工場に関する設備投資についても、現時点で具体的な投資計画は決まっていないものの、公開買付者グループ全体における必要費としての投資判断がなされることが期待されます。さらに、現時点において、具体的な予定はないものの、製造体制の変更により人的リソースの再配分の必要性が生じる場合は、当社グループのみならず、公開買付者グループ全体における人材交流施策を活用することにより、人材の適正配置が可能になるものと考えております。
B) 新商品(高付加価値製品)の開発に向けた開発リソースの提供
当社は、完全子会社化により、公開買付者及び公開買付者グループの開発リソースにつき、人材派遣や共同プロジェクト等の方法により提供を受け、また、公開買付者グループが有する商品開発のノウハウ及び情報の提供を受けることが可能となり、メディカル事業における高付加価値製品の開発の製品企画力・開発力を増強し、売上及び利益率を向上させていくことができると考えております。例えば、公開買付者グループが保有する、多数の開発担当職員が所属する研究開発拠点である「ヘルスケア開発センター」に蓄積されている医療機器事業で培われた様々な開発の技術・ノウハウを活用することが可能になると考えております。
(b) コンシューマ事業の更なる強化・成長
(ア)当社のコンシューマ事業の経営課題
当社のコンシューマ事業の更なる強化・成長を考えた場合、既存の商品ラインナップあるいはその延長線上にある商品のみならず、様々な取引先に汎用的に販売可能な自社ブランド製品等の開発・販売を進め、既存の商流をさらに活用して販売数を増加させることや、特に今後の成長分野と見込まれる介護関連用品等において、新たな商品を投入するとともに、更なる販売先を確保して販売の裾野を拡げることが必要であると考えられます。
しかしながら、当社単独では、開発リソースが非常に限られており、自社ブランド商品等の開発に向けた十分な活動は行えていない状況にあります。また、同じく介護関連用品についても、現状では製品開発や販路拡大に対して十分なリソースを投下できていない状況にあります。
(イ)コンシューマ事業の更なる強化・成長のために必要となる施策・見込まれるシナジー
公開買付者グループが属する事業分野において、上記ヘルスケア開発センター等において公開買付者の有する開発リソース(技術、ノウハウ、情報等)を活用することにより、当社にとっては新たな分野での魅力的な自社ブランド商品を開発することが可能となり、コンシューマ事業の競争優位性の更なる向上につながると考えております。また、公開買付者グループは、食品分野等、当社グループが持たない多くの商品ラインナップを有しており、このような公開買付者グループの商品と当社の商流を掛け合わせることで、更なる販売の増加を実現できるものと見込まれます。
また、介護食品を含む介護関連用品については、完全子会社化後、公開買付者グループの地域事業会社を中心とした営業部門及び上記ヘルスケア開発センターを中心とした開発部門とも協働することにより、介護従事者等から介護関連用品のニーズを適切に汲み取り、公開買付者と当社との共同により商品開発を実現したうえで、当社ブランド商品として製造を行い、当社の既存顧客基盤を活用して効果的に販売していくことも見込まれます。
(c) 倉庫・物流機能の強化
以上のような事業セグメント別のシナジーのほか、近年、物流業界の働き方改革に伴う物流費の高騰傾向にあり、メディカル事業とコンシューマ事業のいずれにおいても、その影響を受けて売上原価や販売費及び一般管理費が増大し、収益が圧迫されている状況にあります。
本公開買付けによる完全子会社化により、構造的な利益相反関係が解消され、公開買付者グループと当社とで、双方が保有する倉庫・物流拠点を活用し、倉庫・物流機能を補完し合うことで効率的な物流網を構築することができ、物流コストを削減することが可能となるため、公開買付者グループ及び当社の利益率の向上等にも資するとともに、顧客への迅速な配送を行える等といったより高いサービスの実現に資すると考えております。
(d) 上場コストの削減
加えて、当社株式の上場廃止により、コーポレートガバナンス・コード等への対応を含めた近時の上場維持に係る業務負担や、有価証券報告書等の継続的な情報開示、監査、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用に代表される上場維持に要する費用の削減が見込まれるうえ、株主総会対応、IR対応等の業務削減による人的リソースの活用ができる等、更なる事業成長への経営資源集中を図ることが可能になると考えております。
なお、本公開買付けに伴う上場廃止による一般的なデメリットとして、上場会社としてのブランド、認知度、信用力の低下等の懸念もあるものの、当社は、当社が上場する以前より、長年に亘って高い信用力とブランド力を構築してきており、また、上場廃止後も、上場会社である公開買付者のグループ会社として、公開買付者の信用力や知名度向上等を享受することができることも踏まえれば、信用力の低下等のデメリットは仮にあるにしても限定的と考えております。
また、上場会社というステータスを失うことにより、一時的には、優秀な従業員等、離職率の上昇や人材採用の不安定化等の懸念もありますが、上記のとおり、上場廃止後も、上場会社である公開買付者のグループ会社としてその知名度、信用力等に与ることが可能であるうえ、公開買付者によると、本公開買付け後、人的リソースの再配分の必要性が生じる場合は、当社グループのみならず、公開買付者グループ全体における人材交流施策を行う可能性があるとのことから、従業員の能力強化やキャリアプランの多様化によるモチベーションの向上にも繋がるとも考えられ、人事政策に係るデメリットについても限定的と考えております。
その他、本公開買付けによる具体的なデメリットは特に想定されておりません。
以上を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付けは、事業上の経営課題の下、当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、以下の点から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(ア)当社において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、当社及び公開買付者から独立した本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯に交渉を重ねた上で合意された価格であること。
(イ)当社における独立した本特別委員会から取得した本答申書において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断されていること。
(ウ)本公開買付価格は、下記「(3) 算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる当社株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価法による算定結果のレンジの上限を超えており、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内であり、かつ、当該レンジの中央値(DCF法による算定の基礎となる割引率及び永久成長率について、その感応度分析において用いた数値の中央値を使用して算出された当社株式の1株当たりの株式価値)を上回る水準であること。
(エ)本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月6日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値の881円に対して36.21%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値881円(小数点以下第一位を四捨五入しております。以下終値単純平均値の数値について同じです。)に対して36.21%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値824円に対して45.63%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値804円に対して49.25%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっているところ、これらの市場株価には、当社が2025年2月7日付で公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の業績予想の上方修正の影響が反映されていないため、当該プレミアム水準のみを重視して本公開買付価格の是非を判断することはできないものの、少なくとも、当該上方修正の影響が反映されていない市場株価を基準としたプレミアム水準は、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2025年2月6日までに成立した、親会社による上場子会社の非公開化を企図した公開買付けの事例67件(公表日の前営業日を基準日として、公表日の前営業日の終値に対するプレミアム並びに同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるそれぞれのプレミアムの中央値が41.43%、42.99%、39.98%及び37.55%)のプレミアムの中央値と比較すると、本公開買付価格のプレミアム水準は、公表日の前営業日の終値及び同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値との比較においては、上記同種事例におけるプレミアム水準を下回っているものの、その乖離は大きくなく、同過去3ヶ月間の終値単純平均値及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値との比較においては、上記同種事例におけるプレミアム水準を上回っていることを踏まえれば、同種事例におけるプレミアム率と同程度の水準にあるものと認められ、相応のプレミアムが付された価格であると評価できること。
(オ)下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、一般株主の利益が確保されていると認められること。
加えて、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保」に記載のとおり、当社は、公開買付者が当社との間で、当社が公開買付者以外の買収提案者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととしていること、及び、本公開買付けに係る買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、36営業日としていること等に鑑みれば、本取引に係る本公開買付価格以外の取引条件についても、本公開買付けの公正性の担保に配慮したものであり、妥当なものであると考えております。
なお、本公開買付価格1,200円は、当社の2024年12月31日現在の連結簿価純資産額から算出した1株当たり連結簿価純資産額(1,284円)を約6.5%下回っているものの、簿価純資産額はあくまで理論的な清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の株式価値算定において重視することは合理的でないと考えております。また、仮に当社が事業の清算を行う場合、同日現在の当社の連結貸借対照表において総資産に占める流動性の低い資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品、土地建物といった固定資産)の割合が一定程度存在すること、及び、清算に際しては売上債権の早期回収に伴う費用・損失、工場の閉鎖に伴う除去コスト、従業員に対する割増退職金及び海外子会社を含めた事業清算のための弁護士等の専門家費用等、清算に伴う様々な追加コストの発生が見込まれること等を考慮すると、簿価純資産額と同額で換価されるわけではなく、現実的には相当程度に毀損することが想定されるため(なお、当社としては清算を予定しているわけではないため、当社においては、清算を前提とする見積書の取得までは行っておりません。)、1株当たり連結簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格になるという考え方は採用し難く、また、事業の清算を前提とした評価手法を重視することは継続企業である当社の株式価値算定において合理的ではないと考えております。
以上より、当社は、2025年2月7日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、上記当社取締役会における決議の方法は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」をご参照ください。
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるみかがみ監査法人に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、みかがみ監査法人は公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
みかがみ監査法人は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討のうえ、当社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法及び将来の事業活動を評価に反映するためにDCF法の各手法を用いて当社株式の株式価値の算定を行い、公開買付者はみかがみ監査法人から2025年2月6日付で当社株式の株式価値に関する株式価値算定書(以下「本買付者側株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載された各措置をもって、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えており、みかがみ監査法人から、本公開買付価格の妥当性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
みかがみ監査法人による当社の株式価値の算定結果の詳細については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、当社及び公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年2月6日付で、株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)を取得いたしました。なお、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
また、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。なお、本取引に係るデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対する報酬には、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬の他、本取引の成立等を条件とする成功報酬が含まれておりますが、当社は、報酬の一部を成功報酬とすることには、本取引が不成立となった場合の取引費用を限定することが可能になるという合理性があること及び報酬体系としても同種の取引における一般的な実務慣行であること等を勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることの一事をもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値の算定を行いました。
上記の各方式において算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、以下のとおりです。
市場株価法 :804円~881円
DCF法 :960円~1,446円
市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月6日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値881円、直近1ヶ月間の終値単純平均値881円、直近3ヶ月間の終値単純平均値824円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値804円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を804円~881円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した2025年3月期から2031年3月期までの事業計画に基づく財務予測及び投資計画、並びに一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第4四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定しております。その際、7.1%~8.1%の割引率を採用しております。また、継続価値の算定については永久成長率法を採用し、0%~1.0%の永久成長率を採用しております。その結果、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を960円~1,446円と算定しております。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーがDCF法で算定の前提とした当社財務予測の具体的な数値は以下のとおりです。当該財務予測においては、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないものの、大幅なフリー・キャッシュ・フローの変動を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年3月期においては、大阪工場に係る設備投資の実施により、フリー・キャッシュ・フローの減少を見込んでおります。また、2027年3月期、2028年3月期及び2029年3月期においては、各期の設備投資が前年度に比して減少することに加え、コンシューマ事業の売上拡大や利益率の高いメディカル事業における製造受託の売上拡大に伴う増益により、フリー・キャッシュ・フローの増加を見込んでおります。
また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味しておりません。なお、下記の財務予測は、当社が2025年2月7日付で公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の2025年3月期通期業績予想を考慮しております。
なお、当該財務予測は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会が、その内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。
(単位:百万円)
(注) デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、当社株式の株式価値の算定に重大な影響を及ぼす可能性のある事実でデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の事業計画に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの算定は、2025年2月6日までの上記情報を反映したものであります。なお、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの算定は、当社取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを予定しているとのことですので、その場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
なお、上場廃止を目的とする理由、少数株主への影響及びそれに対する考え方につきましては、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)判断内容」に記載のとおりです。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、公開買付者が当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的として、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し株式売渡請求の承認を求める予定とのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、当社の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。この場合、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。
なお、当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、取締役会において、株式売渡請求を承認する予定です。
株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に対して要請する予定とのことです。また、公開買付者は、当社の企業価値向上の観点から、本臨時株主総会を可能な限り早期に開催することが望ましいと考えており、本公開買付けの決済の開始日後の近接する日(本書提出日現在においては、2025年4月上旬を予定しているとのことです。)が本臨時株主総会の基準日となるように、当社に対して公開買付期間中に基準日設定公告を行うことを要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認いただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定とのことですが、公開買付者が当社の発行済株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定とのことです。なお、当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
また、本臨時株主総会を開催する場合、2025年5月下旬を目途に開催される予定とのことですが、その具体的な手続及び実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。
上記の株式売渡請求及び株式併合の各手続については、関係法令の改正、施行、当局の解釈等の状況、本公開買付け後の公開買付者の株券等所有割合並びに公開買付者以外の当社株式を所有する当社の株主の株券等所有割合及び所有の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があるとのことです。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定とのことであり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定とのことです。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
また、本スクイーズアウト手続により当社の完全子会社化が2025年6月30日までの間に完了すると合理的に見込まれる場合には、公開買付者は、当社に対し、2025年3月期に係る当社の定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)で権利を行使することができる株主を、当社の完全子会社化が完了した後の株主(公開買付者を意味します。)とするため、本定時株主総会の議決権の基準日の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを要請する予定とのことです。当社は、当該要請があった場合には、本定時株主総会の開催に先立ち本臨時株主総会にて定款の一部変更に係る決議を行う予定です(株式売渡請求の場合には、完全子会社化が完了した後の適宜の時期に定款の一部変更に係る決議を行う予定です。)。そのため、2025年3月31日の株主名簿に記載又は記録された株主であっても本定時株主総会において権利を行使できない可能性があります。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
公開買付者及び当社は、本書提出日現在において、当社が公開買付者の連結子会社であるため、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と当社の少数株主の間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、それぞれ以下のような措置を実施しております。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、当社株式2,903,600株(所有割合:50.10%)を所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあると考え、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定していないとのことです。もっとも、公開買付者及び当社は、公開買付者及び当社において、本公開買付けの公正性を担保し利益相反を回避するための以下の措置を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
また、本特別委員会は、本答申書において、本件においては、公開買付者が当社株式2,903,600株(所有割合:50.10%)を所有しているため当社の少数株主の持株比率が比較的少ない比率であり、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合、企業価値の向上に資するM&Aを妨害しようとする者が少ない株式取得によってその目的を達することができ、本取引に対する阻害効果を及ぼす懸念が高いこと等から、同条件を設定することは実際上困難と考えられるうえ、他の公正性担保措置が十分に講じられていると解されること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことは、不合理とはいえない旨判断しており、当社としても同様に判断しております。
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるみかがみ監査法人に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、みかがみ監査法人は公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
みかがみ監査法人は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討のうえ、当社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法及び将来の事業活動を評価に反映するためにDCF法の各手法を用いて当社株式の株式価値の算定を行い、公開買付者はみかがみ監査法人から2025年2月6日付で本買付者側株式価値算定書を取得したとのことです。なお、公開買付者は、本「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載された各措置をもって、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えており、みかがみ監査法人から、本公開買付価格の妥当性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
みかがみ監査法人による当社株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりです。
市場株価法 :804円~881円
DCF法 :991円~1,282円
市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月6日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の算定基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値881円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)、直近3ヶ月間の終値単純平均値824円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値804円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を804円から881円までと算定しているとのことです。
DCF法では、当社から提供された2025年3月期から2031年3月期までの事業計画を、当社の直近までの業績の動向、公開買付者が当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報及び本取引の実行により想定されるシナジー等の諸要素を考慮し、公開買付者において調整を行った事業計画に基づき、2025年3月期第4四半期以降に当社が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値や株式価値を評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を991円から1,282円までと算定しているとのことです。
公開買付者は、みかがみ監査法人から取得した本買付者側株式価値算定書の算定結果に加え、公開買付者において実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の市場株価の動向及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2025年2月7日開催の取締役会において、本公開買付価格を1,200円とすることを決定したとのことです。
本公開買付価格1,200円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年2月6日の当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における終値881円に対して36.21%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値881円に対して36.21%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値824円に対して45.63%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値804円に対して49.25%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。また、本公開買付価格1,200円は、本書提出日の前営業日である2025年2月7日の当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における終値906円に対して32.45%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
上記「(3) 算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係」に記載のとおり、当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社及び公開買付者から独立した第三者算定機関として、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに当社株式の株式価値の算定を依頼いたしました。なお、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
また、本取引に係るデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対する報酬には、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬の他、本取引の成立等を条件とする成功報酬が含まれておりますが、当社は、報酬の一部を成功報酬とすることには、本取引が不成立となった場合の取引費用を限定することが可能になるという合理性があること及び報酬体系としても同種の取引における一般的な実務慣行であること等を勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることの一事をもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
本株式価値算定書の概要は、上記「(3) 算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)当社株式に係る算定の概要」をご参照ください。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思 決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本公開買付けに関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、2024年9月9日に開催された臨時取締役会における決議に基づき、本特別委員会を設置し、同決議及び同年10月21日に開催された臨時取締役会における決議に基づき、公開買付者及び当社から独立した委員として、当社の独立社外取締役兼監査等委員である親泊伸明氏及び小玉稔氏、並びに、外部有識者である矢倉昌子氏(弁護士、アスカ法律事務所)を選任しております。本特別委員会の構成については、本特別委員会の開催の機動性及び意見の集約を円滑に図るという観点から、3名が望ましいと判断し、当該3名の選任にあたっては、経済産業省が2019年6月28日に策定した「公正なM&Aの在り方に関する指針」に準拠しています。すなわち、当社の社外取締役は、親泊伸明氏、小玉稔氏及び小寺美帆氏の3名であるところ、小寺美帆氏は公開買付者のリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所に所属していることを考慮し、御堂筋法律事務所の助言も参考として、より独立性が高く、弁護士としての高度な専門性と企業法務に関する豊富な知見を有する外部有識者である矢倉昌子氏を本特別委員会の委員として選任しました。以降、本特別委員会の委員は変更されていません。なお、本特別委員会の互選により、当社の社外取締役兼監査等委員である親泊伸明氏を本特別委員会の委員長として選定しております。
そのうえで、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性及び合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本公開買付けにおける公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性、(ⅲ)本取引に係る手続の公正性、(ⅳ)本取引についての決定(本公開買付けに関して当社の取締役会が賛同意見を表明し、株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決定することを含む。)が当社の少数株主に不利益なものでないか、及び、(ⅴ)本公開買付けに関して当社の取締役会が賛同意見を表明し、株主に対して公開買付けへの応募を推奨することが相当であるか否かを諮問しました(以下(ⅰ)ないし(ⅴ)の事項を「本諮問事項」といいます。)。また、併せて、当社は、本特別委員会に対して、(a)本公開買付けの取引条件等について買収者と交渉を行う権限及び当社が公開買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与する権限(必要に応じて、公開買付者との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと及び自ら公開買付者と交渉を行うことを含む。)、(b)本公開買付けに関して、必要に応じて、本特別委員会が自らの財務若しくは法務等のアドバイザーを選任し(この場合の費用は当社が負担する。)、又は、当社が選任するアドバイザーを指名若しくは承認(事後承認を含む。)し、専門的助言を求める権限、並びに、(c)当社の役職員その他特別委員会が必要と認める者に対して、本特別委員会への出席、書面による回答その他適宜の方法により、必要な情報の説明・提供を求める権限の各権限を付与しております。さらに、本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定は、上記委嘱に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本公開買付けに関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本公開買付けに賛同しないものとすることを決議いたしました。なお、上記のうち2024年9月9日に開催された取締役会においては、当時の取締役9名全員により審理及び決議がなされたところ、御堂筋法律事務所の助言も得て、取締役のうち、公開買付者の顧問を兼任している福田健太郎氏、及び公開買付者のリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所に所属している小寺美帆氏については、本公開買付けにおける構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、本取引に関する審議及び決議に関与させないことが相当であると判断し、2024年10月22日の第1回特別委員会の開催前に、これらの2名が審議及び決議に参加しない取締役会決議を改めて行うこととし、当該2名を除く7名の取締役の全員一致により、本特別委員会の設置を追認するとともに、その委員、権限及び判断の取扱い等について改めて決議する旨の取締役会決議(書面決議)を、同月21日付で行っております。
なお、本特別委員会の委員のうち、外部専門家である矢倉昌子氏には本特別委員の委員としての報酬を支払っておりますが、当該報酬は、本公開買付けの成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けの公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、親泊伸明氏及び小玉稔氏については、社外取締役としての報酬の他に、本特別委員会の委員としての報酬は支払われておりません。
本特別委員会は、2024年10月22日より2025年2月6日までの間に合計15回、約18時間にわたって、開催された他、各会日間においても必要に応じて都度電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。具体的には、本特別委員会は、第1回特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー並びに当社のリーガル・アドバイザーである御堂筋法律事務所について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認のうえ、その選任を承認しております。
さらに、本特別委員会は、第1回特別委員会において、当社が社内に構築した、公開買付者グループ(当社グループを除きます。)各社の役職員を兼務していない役員(福井誠氏、吉田康晃氏、内海博明氏、吉村真信氏及び藤本和精氏)及び一部の従業員のみからなる、本取引の検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことを確認のうえ、承認をしております。
そのうえで、本特別委員会は、御堂筋法律事務所から聴取した法的観点からの意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。
本特別委員会は、公開買付者から、本取引を提案するに至った背景、本取引の意義・目的、本取引実施後の経営体制・経営方針等についての説明を受け、質疑応答を行っております。
また、本特別委員会は、当社から、本取引の意義・目的、本取引が当社の事業に及ぼす影響、本取引実施後の経営体制・経営方針等に関する当社の見解及び関連する情報を聴取するとともに、これらに関する質疑応答を行っております。
加えて、本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、当社の作成した事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について当社から説明を受け、質疑応答を行ったうえで、これらの合理性を確認し、承認をしております。そのうえで、上記「(3) 算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社の事業計画の内容を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーが実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行ったうえで、これらの事項について合理性を確認しております。
また、本特別委員会は、当社の公開買付者との交渉について、随時、当社や当社のアドバイザーから報告を受け、アドバイザーからの専門的知見に基づく助言も踏まえて審議・検討を行い、当社の交渉方針につき、適宜、必要な意見を述べました。具体的には、本特別委員会は、当社が公開買付者から本公開買付価格の各提案を受領次第、当社より本公開買付価格に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けたうえで、当社に対して計6回にわたり、公開買付者に対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を意見し、当社が当該意見に従って公開買付者と交渉を行ったこと等により、当社と公開買付者との間の協議・交渉過程に実質的に関与いたしました。
その結果、当社は、2025年2月6日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり1,200円とすることを含む提案を受け、結果として、本公開買付価格を、公開買付者の当初提示額である900円から1,200円にまで引上げております。さらに、本特別委員会は、御堂筋法律事務所から、複数回、当社が公表予定の本公開買付けに係る本プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。
本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に協議・検討を重ねた結果、2025年2月6日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。
(a) 答申内容
(ア)本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本公開買付けの目的は正当性及び合理性を有するものと認められる。
(イ)本取引の取引条件は妥当であると認められる。
(ウ)本取引に係る手続は公正であると認められる。
(エ)本取引についての決定(本公開買付けに関して当社の取締役会が賛同意見を表明し、株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨を決定することを含む。以下、同じ。)は当社の少数株主にとって不利益ではないと認められる。
(オ)本公開買付けに関して当社の取締役会が賛同意見を表明し、株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することが相当であると認められる。
(b) 答申の理由
(ア)本公開買付けの目的の正当性及び合理性(本取引は当社の企業価値向上資するものであるかどうか)
以下の点から、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本公開買付けの目的は正当性及び合理性を有するものと認められる。
当社からの説明によれば、当社は、当社の業況及び近時の経営課題及びそれらを踏まえた本取引の意義・目的について、概ね以下の認識を有しており、当該認識に、公開買付者から説明を受けた公開買付者の認識と矛盾する点は見当たらず、特に不合理な点も認められない。
A) 当社の業況及び近時の経営課題
・ 当社の事業が属する医療衛生材料業界の需要は減少傾向にあり、また、原材料価格やエネルギーコストの高騰、円安に起因する輸入品価格の上昇、物流業界の働き方改革に伴う物流費の高騰等も相まって、衛生材料を含む医療消耗品は、価格競争に晒されている。
・ メディカル事業について、医療消耗品等に係る市場環境の価格の安価性が重視される市場環境への変化等により、当社の競争優位性も発揮しづらい状況となってきている。製造拠点である大阪工場は、設備の旧式化・老朽化が著しく、その稼働継続には多額の費用を投じたメンテナンスが必要であり、将来的には、製造ライン・製造機械を刷新し、利益率の高い商品を重点的に製造する等、抜本的な再構築を必要とするが、当社単独では抜本的な収益構造の改革に踏み切ることは困難な状況にある。
・ また、メディカル事業では、現行商品のみならず高付加価値製品の開発・販売を進める必要があるが、当社単独のリソースで効果的な開発を行うことも困難な状況にある。
・ コンシューマ事業の更なる成長・強化を考えた場合、今後の成長分野である介護関連用品等を中心に、自社ブランド商品の開発・販売等を積極的に進めていく必要があるところ、当社の開発リソースは非常に限られており、主要売上先の売上拡大を従前どおり維持しながら、当該開発等を積極的に行っていくことは事実上困難な状況にある。
B) 当社が公開買付者の完全子会社となることの意義
本取引により当社が公開買付者の完全子会社となることにより、以下のとおり、メディカル事業の経営課題を克服するとともに、コンシューマ事業の経営課題を解消することが可能となり、その他倉庫物流機能の強化や上場コストの削減も図ることができるとのメリットがある。
・ メディカル事業について、大阪工場の製造ラインを刷新して製造効率を上昇させる等、公開買付者と当社が協働し、製造商品の選択と集中を行い、メディカル事業の利益率の向上を図っていくことが期待される。
・ また、公開買付者グループ全体として、大阪工場の最適な活用方法を模索することになることから、公開買付者グループが外部事業者に外注している公開買付者グループの製品について、当社に対する大阪工場での製造委託に切り替えが期待され、想定される製造ラインの刷新、再築・改修等の大阪工場に関する設備投資についても、公開買付者グループ全体における必要費としての投資判断がなされることが期待される。
・ さらに、製造体制の変更により人的リソースの再配分の必要性が生じる場合は、当社グループのみならず、公開買付者グループ全体における人材交流施策を活用することにより、人材の適正配置が可能になると考えられる。
・ 公開買付者グループが有する商品開発のノウハウ及び情報の提供を受けることが可能となり、メディカル事業における高付加価値製品の開発の製品企画力・開発力を増強し、売上及び利益率を向上させていくことができる。
・ コンシューマ事業においても、公開買付者の有する開発リソース(技術、ノウハウ、情報等)を活用することにより、当社にとっては新たな分野での魅力的な自社ブランド商品を開発することが可能となり、競争優位性の更なる向上に繋がると考えられる。
・ 構造的な利益相反関係が解消され、公開買付者グループと当社とで、双方が保有する倉庫・物流拠点を活用し、倉庫・物流機能を補完し合うことで効率的な物流網を構築することができ、物流コストの削減が可能となり、公開買付者グループ及び当社の利益率の向上等にも資する。
・ 上場コストの削減を図ることができる。
・ 短期的な資本市場の評価に左右されない中長期的な企業価値向上の観点に立った施策の敢行が可能となり、より一層、当社の企業価値の向上に繋がる提携やシナジーの創出が可能になると考えられる。
C) 本取引によるデメリット
・ 本公開買付けに伴う上場廃止による一般的なデメリットとして、上場会社としてのブランド、認知度、信用力の低下等の懸念もあるものの、当社は、当社が上場する以前より、長年に亘って高い信用力とブランド力を構築してきており、また、上場廃止後も、上場会社である公開買付者のグループ会社として、公開買付者の信用力や知名度向上等を享受することができることも踏まえれば、信用力の低下等のデメリットは仮にあるにしても限定的と考えられる。
・ また、上場会社というステータスを失うことにより、一時的には、優秀な従業員等、離職率の上昇や人材採用の不安定化等の懸念もあるが、上記のとおり、上場廃止後も、上場会社である公開買付者のグループ会社としてその知名度、信用力等に与ることが可能であるうえ、公開買付者によると、本公開買付け後、人的リソースの再配分の必要性が生じる場合は、当社グループのみならず、公開買付者グループ全体における人材交流施策を行う可能性があるとのことから、従業員の能力強化やキャリアプランの多様化によるモチベーションの向上にも繋がるとも考えられ、人事政策に係るデメリットについても限定的と考えられる。
D) 小括
以上を総合的に勘案すると、本取引は、当社の企業価値向上に資するものであると認められ、本取引の目的は正当であり、かつ、合理的である。
(イ)本取引の取引条件の妥当性
以下の点から、本取引の取引条件は妥当であると認められる。
・ 当社は、公開買付者から提示される公開買付価格が適正な当社株式価値を反映したものであるかどうかを分析すべく、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーにその算定を依頼している。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社株式の価値について、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を採用するとともに、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて算定を行ったところ、公開買付者により最終的に提案された1株当たり1,200円という本公開買付価格は、2025年2月6日付の当社株式価値の算定結果(DCF法及び市場株価法により計算された当社株式価値のレンジ)と比較しても、市場株価法による算定結果のレンジの上限を超えており、かつ、本取引と同時に公表される2025年3月期の業績予想の上方修正数値を反映させたDCF法による算定結果のレンジの範囲内にあるものと認められる。
・ DCF法の算定の前提となる事業計画は、公開買付者と利害関係のない当社の役職員により作成されたものであり、また、当該事業計画に関する情報については、当社が現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたものであると考えられ、その他、当社の事業計画の内容について特段不合理な点や恣意的な下方修正が加えられたような事情も窺われない。
・ 本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月6日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値の881円に対して36.21%、過去1ヶ月間(2025年1月7日から2025年2月6日まで)の終値単純平均値881円に対して36.21%、過去3ヶ月間(2024年11月7日から2025年2月6日まで)の終値単純平均値824円に対して45.63%、過去6ヶ月間(2024年8月7日から2025年2月6日まで)の終値単純平均値804円に対して49.25%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっているところ、直近の当社株式の市場株価には本取引と同時に公表される2025年3月期の業績予想の上方修正数値が織り込まれていないため参考値ではあるものの、2019年6月28日以降に公表され、2025年2月6日までに成立した、親会社による上場子会社の非公開化を企図した公開買付けの事例67件(公表日の前営業日を基準日として、公表日の前営業日の終値に対するプレミアム並びに同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるそれぞれのプレミアムの中央値が41.43%、42.99%、39.98%及び37.55%)のプレミアムの中央値と比較すると、本公開買付価格のプレミアム率は、公表日の前営業日の市場株価及び直近1ヶ月間の平均市場株価との比較においては、上記同種事例におけるプレミアム率の水準を下回っているものの、その乖離は大きくなく、当社の直近3ヶ月間及び6ヶ月間の平均市場株価との比較においては、上記同種事例におけるプレミアム率の水準を上回っていることを踏まえれば、同種事例におけるプレミアム率と同程度の水準にあるものと認められ、相応のプレミアムが付された価格であると評価できる。
・ 本公開買付価格1,200円は、当社の2024年12月31日現在の連結簿価純資産額から算出した1株当たり連結簿価純資産額(1,284円)を約6.5%下回っているが、簿価純資産額はあくまで現時点で企業を清算した場合の理論的な価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないこと、仮に清算を行う場合には、資産の換価に伴う損失や清算に必要となる種々のコストによって、現実的な清算価値は連結簿価純資産から相当程度割り引かれたものとならざるを得ないことから、本公開買付価格が1株当たり連結簿価純資産額を下回ることをもって、本公開買付価格の妥当性が否定されるものではないというべきである。
・ 本公開買付価格を巡っては、当社の各アドバイザー及び本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者から提案された公開買付価格についてその都度引上げを求めて交渉を行った結果、公開買付者が当初900円と提示していた公開買付価格について、その後5度にわたって公開買付者から価格を引き上げた提案がなされ、最終的には1,200円まで増加するに至ったという経緯にも鑑みると、本公開買付価格は公開買付者によって一方的に定められたものではなく、本特別委員会が十分な交渉力をもって真摯かつ継続的に交渉を行った結果、公開買付者としても一定程度妥協して提示されたものといえる。
(ウ)本取引に係る手続の公正性
以下の点から、本取引に係る手続は公正であると認められる。
・ 特別委員会の設置
当社は、本特別委員会を設置しており、その設置時期、委員構成(その独立性及び専門性)、本特別委員会の設置及び委員の選定プロセス、権限の内容、検討の経緯・方法、交渉過程への関与状況等からみても、本特別委員会は、公開買付者の影響が排除されていると認められる。
・ 当社取締役会における本特別委員会の判断の取扱い
当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、取締役会における本取引に関する意思決定については、本特別委員会の判断内容を最大限尊重すること、及び本特別委員会が本公開買付けに関する取引条件を妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないことを定めており、当社取締役会における本取引に関する意思決定にあたって、本特別委員会の意見が適切に反映されるための措置が講じられているものと認められる。
・ 当社における独立した検討体制の構築
当社の取締役のうち、公開買付者の役員を兼務する福田健太郎氏、及び公開買付者のリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所に所属している小寺美帆氏の2名の取締役が関与しないように、①本特別委員会を設置する旨の取締役会決議、②当社が選任した第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーにおける当社の株式価値算定の基礎となる当社の事業計画の作成及び③本取引に関する意思決定を行うこととした。加えて、上記①ないし③の交渉及び意思決定の前提となる本取引に関連する情報の収集その他本取引の進行に関する業務についても、公開買付者との間で職務の兼務関係等がある者は関与していないこととしている。以上のとおり、当社においては独立した検討体制が構築されている。
・ 外部専門家の独立した専門的助言等の取得
当社は、本取引に関する当社取締役会の意思決定の方法及びかかる意思決定に至るまでの各過程について、その適法性及び公正性を確保するため、本特別委員会の承認を得て、当社及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザー及びファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関を選任し、それぞれから専門的な助言を受けている。また、ファイナンシャル・アドバイザーからは、株式価値算定書を取得するとともに、公開買付者との間で本取引の条件に関する交渉を進める上で助言を受けた。
・ 少数株主に対する適切な情報開示
公開買付者により提出・公表される公開買付届出書、意見表明報告書及びプレスリリースによる情報開示は、当社の少数株主が本公開買付けに応じるか否かを適切に判断するために相当と認められる情報が開示されているものと認められる。
・ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
当社と公開買付者との間では、本公開買付価格よりも有利な条件で少数株主から当社株式を取得する第三者が出現した場合に、当該第三者による株式取得を阻害する合意はなされていない。
・ 当社の少数株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
本公開買付けでは、36営業日の公開買付期間が定められており、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、対抗的買収提案者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保している。また、本公開買付け後の本スクイーズアウト手続における株式の買取価格を本公開買付価格と同一の価格を基準として算定される予定であることが明らかにされており、強圧性が生じないように配慮している。
・ マジョリティ・オブ・マイノリティ
本公開買付けにおいて、マジョリティ・オブ・マイノリティが設定されていないことは、本取引に係る手続の公正性に特段の疑義を差し挟む事情とはいえない。
(エ)本取引についての決定が当社の少数株主にとって不利益なものではないか
上記「(ア)」から「(ウ)」のとおり、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は正当性及び合理性を有すること、本公開買付価格は当社の少数株主が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本取引の条件の妥当性が確保されていること、及び、本取引においては、公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認められることから、本特別委員会は、本取引は当社の少数株主にとって不利益ではないと判断する。
(オ)本公開買付けに関して当社の取締役会が賛同意見を表明し、株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することが相当であるか否か
以上のとおり、本取引の目的には正当性及び合理性が認められるうえ、本取引の取引条件の妥当性及び本取引に係る手続の公正性はいずれも確保されており、かつ、本取引は当社の少数株主にとって不利益ではないと認められることを踏まえ、本特別委員会は、本公開買付けに関して当社の取締役会が賛同意見を表明し、株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することが相当であると判断する。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、当社及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとして御堂筋法律事務所を選任し、同事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点等について、必要な法的助言を受けております。なお、御堂筋法律事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
また、本公開買付けに係る御堂筋法律事務所の報酬は、本公開買付けの成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本公開買付けの成立を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本公開買付けに係る検討、交渉及び判断を行う体制(本公開買付けの検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築し、検討を進めてまいりました。具体的には、当社は、2024年10月中旬から、当社と公開買付者との間の本公開買付けに係る取引条件に関する協議・交渉過程、及び当社株式の価値算定の基礎となる当社の財務予測の作成過程においては、構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、公開買付者グループ(当社グループを除きます。)各社の役職員を兼務していない当社の役職員のみから構成される検討体制を構築し、本書提出日に至るまでかかる取扱いを継続しております。また、かかる取扱いを含めて、当社の社内に構築した本公開買付けの検討体制(本公開買付けの検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の確認を得ております。
当社は、御堂筋法律事務所から得た法的助言、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーより取得した財務的見地からの助言、本株式価値算定書の内容、本答申書の内容、公開買付者との間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容及びその他の関連資料を踏まえ、公開買付者による本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて慎重に協議・検討を行った結果、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2025年2月7日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社株式について本公開買付けに応募することを推奨することを決議しております。上記の当社取締役会においては、当社の取締役9名のうち、福田健太郎氏は公開買付者の顧問を兼任しており、小寺美帆氏は公開買付者のリーガル・アドバイザーを務める大江橋法律事務所に所属していることから、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、当社取締役会における審議及び決議がこれらの問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、これらの2氏を除く7名の取締役(監査等委員2名を含む。)において審議のうえ、全員一致により上記の決議を行っております。また、福田健太郎氏及び小寺美帆氏は、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記取締役会を含む本取引に係る取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場で本取引の協議及び交渉に参加しておりません。
当社及び公開買付者は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、36営業日に設定しているとのことです。公開買付期間を法令に定められた最短期間よりも長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保すると共に、対抗的買収提案者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。
当社は、2025年2月7日開催の取締役会において、上記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、上記取締役会決議は、上記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役親泊伸明、小寺美帆及び小玉稔は社外取締役です。
(注3) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社役員持株会を通じた所有株式数(少数点以下切捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めた数を記載しております。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】
以 上