文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
1.経営の基本方針
当社グループは2017年9月に創業100周年を迎えるにあたり、新たなコーポレートミッションを策定しました。
コーポレートスローガン 「かがやく“笑顔”のために」
経営理念 「乳で培った技術を活かし
私たちならではの商品をお届けすることで
健康で幸せな生活に貢献し豊かな社会をつくる」
新しい100年に向けて、当社グループは、笑顔あふれる豊かな社会の実現のため、私たちならではの価値を高め、その価値をお届けし続けることによって、より一層社会に貢献してまいります。
2.中長期的な会社の経営戦略、経営環境および対処すべき課題等
当社グループは10年先を見据えた「森永乳業グループ10年ビジョン」を、2019年4月に制定しております。当ビジョンでは、「『食のおいしさ・楽しさ』と『健康・栄養』を両立した企業へ」「世界で独自の存在感を発揮できるグローバル企業へ」「サステナブルな社会の実現に貢献し続ける企業へ」を10年後の当社グループのありたい姿と定め、「営業利益率7%以上」「ROE10%以上」「海外売上高比率15%以上」を2029年3月期の数値目標に設定いたしました。
・「森永乳業グループ10年ビジョン」
・「中期経営計画 2022-24」(2023年3月期~2025年3月期)
この考えのもと、2025年3月期までの3年間の「中期経営計画 2022-24」では、社会課題の解決と収益力向上の両立を目指し、「事業の高付加価値化を通じた持続的成長の実現」「将来を見据えた経営基盤のさらなる強化」「効率性を重視した財務戦略」の3つを基本方針に定め、取り組んでいます。また、合わせて「サステナビリティ中長期計画2030」を制定し、「食と健康」「資源と環境」「人と社会」の3つのテーマにより2030年の目標、KPIを定め、経営の根幹に据えるとともに、中期経営計画と相互に連動させながら取り組みを進めております。
中期経営計画の最終年度(2025年3月期)の数値目標については、売上高5,700億円、営業利益300億円、親会社株主に帰属する当期純利益190億円、売上高営業利益率5.3%、ROE(自己資本利益率)7.0%、海外売上高比率12.3%としています。(2024年5月14日修正)
(資料1)「中期経営計画 2022-24」全体像
(資料2)「サステナビリティ中長期計画2030」
中期経営計画の基本方針の1つ目「事業の高付加価値化を通じた持続的成長の実現」におきましては、①栄養・機能性食品事業、②主力食品事業、③BtoB事業、④海外事業の4本の柱それぞれを拡大させるとともに、特に「健康5領域」商品の拡大による横断的な健康価値提供の加速、当社独自の機能性素材・菌体の再飛躍、海外事業のポートフォリオ変革を進めております。事業活動を通じ「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」を提供し、生活者の「健康」と「幸せ」に貢献してまいります。
基本方針の2つ目「将来を見据えた経営基盤のさらなる強化」におきましては、構造改革、戦略投資、資産活用の観点からそれぞれ取り組みを進めております。構造改革として、外部環境変化への耐性強化などに取り組んでおります。戦略投資として、研究開発機能の強化や、10年ビジョンを見据えた成長投資・環境関連投資などを進めております。資産活用の観点では、知的財産基盤の強化や、国産乳資源活用の推進を図っております。
基本方針の3つ目「効率性を重視した財務戦略」におきましては、成長投資の戦略的な実行、株主還元と財務体質にも留意した資金活用を目指すとともに、合わせて資本効率の視点を重視したROE改善を進めております。また、株主還元につきましては、財務の健全性、内部留保の重要性に留意しつつ、安定的かつ長期的な配当を実施することを基本方針とし、具体的には配当性向を30%(一過性要因を除く)とすることを目標にしております。合わせて総還元性向も意識した対応を実施してまいります。なお、保有する自己株式につきましては、基本的には消却いたしますが、将来の柔軟な資本政策に備えて一部を保有いたします。この考えのもと、2023年5月に「自己株式取得に係る事項の決定および自己株式の消却に関するお知らせ」を発表し、同年5月から10月にかけて100億円分の自己株式を取得、11月に全て消却いたしました。
3.2025年3月期業績見通し
国内においては、雇用・所得環境の改善のもと緩やかな景気回復が続くことが期待される一方、物価上昇による家計や企業への影響は今後も継続すると考えられ、引き続き国内外の情勢の動向を注視する必要があります。
当社グループにおいても、原材料・エネルギー価格および物流コストや人件費のさらなる上昇の影響が見込まれます。これに対し、引き続き価格改定の浸透に努めるほか、利益率の高い事業や商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、グループ全体でのコストの見直しなどをさらに推進させるなどの対応を図ってまいります。また、海外事業においては、2024年3月期はMILEI社の反動減やM&Aを実施したことによるのれん償却費の増加などにより大きな減益となりましたが、2025年3月期は事業全体の営業利益として前年差1億円と安定的な貢献を見込んでいます。
2025年3月期の通期連結業績予想につきましては、売上高5,700億円(前年比4.2%増)、営業利益300億円(同7.8%増)、経常利益303億円(同7.8%増)を見込んでおります。なお、2024年3月期の第1四半期に東京工場跡地の売却にかかる特別利益として657億円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は前年比69.0%減を見込み、190億円の予想としております。
当社グループは10年先を見据えた「森永乳業グループ10年ビジョン」を、2019年4月に制定しております。この考えのもと、2025年3月期までの3年間の「中期経営計画 2022-24」では、社会課題の解決と収益力向上の両立を目指し、3つの基本方針のもと取り組みを進めております。また、合わせて「サステナビリティ中長期計画2030」を制定し、2030年の目標、KPIを定め、経営の根幹に据えるとともに、中期経営計画と相互に連動させながら取り組みを進めております。加えて、5月14日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関するお知らせ」を発表しました。企業価値向上に向けて対応を進めてまいります。
2025年3月期につきましても、これらの方針・計画のもと取り組みを進めてまいります。当社グループは今後も、笑顔あふれる豊かな社会の実現のため、私たちならではの価値を高め、その価値をお届けし続けることによって、より一層社会に貢献してまいります。
2025年3月期通期業績見通し
2025年3月期営業利益増減要因見通し ()は第2四半期累計期間見通し
(参考)「中期経営計画 2022-24」における事業分野別業績見通し(2025年3月期)
(1)ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ経営の実現に向け、「社会課題の解決と収益力向上の両立を目指す」という考えのもと、全社活動と現場活動の両輪で取り組みを推進しています。
全社活動では、2030年度を目標年度としたグループ共通の目標である「サステナビリティ中長期計画2030」の推進。現場活動では、当社グループの全ての事業所における現場ならではの「事業所サステナビリティ活動」を通じたサステナビリティの自分事化に取り組んでいます。
①サステナビリティ委員会
当社グループは、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会のもと、グループ全体でサステナビリティ経営を推進しています。
サステナビリティ委員会は、取締役会の機能を補強するための特別委員会組織として設置され、社長を委員長、サステナビリティ本部長を副委員長、社内取締役および全本部長を委員として構成し、事務局はサステナビリティ推進部が務めています。半年に1回開催する定例委員会では、「サステナビリティ中長期計画2030」の進捗等について議論を行っています。
このほか、気候変動対策部会、プラスチック対策部会、人権部会など、当社グループにとって重要なサステナビリティ課題については分科会を設置して議論を進めています。2023年度にはウェルビーイング部会を新設しました。
また、月1回、部門横断のサステナビリティ委員会事務局会議を開催し、サステナビリティ中長期計画2030の各KPIについて関係部門が議論する場を設けています。
なお、サステナビリティ委員会の討議内容は取締役会に報告され、ウェブサイトでも公開しています。
②事業所でのサステナビリティ活動
当社グループでは、地域ごとに有する社会課題の解決とビジネスとの連携、ステークホルダーとのコミュニケーションを通じた地域コミュニティとの共生を通じて、社員一人ひとりのサステナビリティの自分事化を目指し、事業所サステナビリティ活動に取り組んでいます。国内グループの各事業所に「サステナビリティ推進リーダー」を任命し、事業所の活動テーマを設定し、取り組みを実施するほか、全国のサステナビリティ推進リーダーの相互啓発の場として、「サステナビリティフォーラム」を開催(当該年度は年2回)しています。
(2)戦略
当社グループは10年先を見据えた「森永乳業グループ10年ビジョン」を2019年に制定し、「『食のおいしさ・楽しさ』と『健康・栄養』を両立した企業へ」「世界で独自の存在感を発揮できるグローバル企業へ」「サステナブルな社会の実現に貢献し続ける企業へ」を当社グループのありたい姿と定めました。
この考えのもと、2025年3月期までの3年間の中期経営計画では、社会課題の解決と収益力向上の両立を目指し、「事業の高付加価値化を通じた持続的成長の実現」「将来を見据えた経営基盤のさらなる強化」「効率性を重視した財務戦略」の3つを基本方針に定め、取り組みを進めます。また、合わせて「サステナビリティ中長期計画2030」を制定し、「食と健康」「資源と環境」「人と社会」の3つのテーマにより2030年度の目標、KPIを定め、経営の根幹に据えるとともに、中期経営計画と相互に連動させながら取り組みを進めます。
当社グループは、サステナビリティビジョン実現のため経営・事業に与えるリスク・機会の分析や、ステークホルダー視点での優先度評価を通じて、重点的に取り組むべき課題(マテリアリティ)を特定しました。2023年度は、外部・内部の環境変化を鑑み、人的資本に関連する項目等について検討を行い、「女性管理職比率の目標値変更」と「社員エンゲージメントに関するKPIの新設」を行いました。
今後も、環境変化に応じたマテリアリティの定期的な見直し・レビューを図ります。
(3)リスク管理
当社グループは、経営者が当社グループの経営成績および財政状態などに影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクについて10項目認識しております。
その中でも、特に「(1)酪農乳業界について」「(2)原材料の調達リスクについて」「(3)食品の安全性について」「(6)自然災害、大事故、感染症などによる影響について」「(10)環境への影響について」はサステナビリティと深く関連するものであります。
また、これらのリスクについては、内部統制委員会の下部組織であるリスク管理部会にて、定期的にリスクの洗い出しと見直しを行っております。また、個々のリスクごとに要因と対応策をまとめ、対応策についてモニタリングを実施しております。サステナビリティ課題への対応策とその取組状況についても、サステナビリティ委員会の運営事務局を務めるサステナビリティ推進部より、リスク管理部会に定期的に報告しています。
◆主なサステナビリティに関するリスク
「(1)酪農乳業界について」
考えられるリスク:酪農家の減少による原乳量の減少や既存原料の枯渇等による生産・開発の停滞が懸念されるため、酪農乳業の支援が必要。
「(2)原材料の調達リスクについて」
考えられるリスク:気候変動などの環境課題、人権侵害などの社会課題への対応遅れによる原材料調達の不安定化や信頼低下が懸念されるため、環境や人権に配慮した原材料の調達を進める。
「(3)食品の安全性について」
考えられるリスク:品質トラブルの発生による信頼低下が懸念されるため、トレーサビリティの仕組み化や、品質事故ゼロを目指した安全への取り組みを進める。
「(6)自然災害、大事故、感染症などによる影響について」
考えられるリスク:生産拠点や物流網の停止による商品供給の停滞が懸念されるため、BCP対策を進める。
「(10)環境への影響について」
考えられるリスク:自然資本の毀損や規制強化による原材料調達コストの増加、炭素税の導入による操業コストの増加、生態系の汚染・破壊による操業リスク上昇が懸念されるため、気候変動への緩和と適応や石油由来のバージンプラスチック使用量の削減などを進める。
なお、気候変動リスクについては、気候変動対策部会およびサステナビリティ委員会において定期的に評価を見直し、対応を検討しております。詳細は「TCFDへの取り組み」をご参照ください。
◆TCFDへの取り組みのURL
https://www.morinagamilk.co.jp/sustainability/resources_and_the_environment/tcfd/
(4)指標及び目標
当社グループでは重点的に取り組むべき課題について、2030年度達成を目指したKPIを設定しています。
※1 Topics「健康課題に配慮した商品設計」に記載している商品
※2 当社が実施する消費者調査。2022年度は健康貢献イメージが17.9%
※3 第三者保証取得前の数値であるため、変更になる可能性があります。
※4 産業廃棄物管理票確定していない情報を含むため、変更になる可能性があります。
※5 女性管理職比率は2024年3月に変更、社員エンゲージメントレーティングは2024年3月に新設しました。
その他、気候変動の取り組み、および、人権の取り組みについては、公式ウェブサイトに掲載しております。
気候変動(TCFD)の取り組み
https://www.morinagamilk.co.jp/sustainability/resources_and_the_environment/tcfd/
人権の取り組み
https://www.morinagamilk.co.jp/sustainability/people_and_society/#jinken
(5)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標について
①戦略
森永乳業グループの「人的資本」
◆なぜ「人財」を資本と捉えるのか
当社グループはお客さまから選ばれる企業であり続けるために、社会課題の解決と収益力向上の両立による企業価値向上を追求しています。その源泉となる「人財」は、価値創造プロセスにおいて最も重要な資本であると捉えています。人的資本への一層の投資を通じて、社員一人ひとりが持つ“知”を結集し、「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」を掛け合わせた独自の価値を創造し、持続的な成長を成しえる組織であり続けることを目指しています。
当社グループが人財について目指している姿は、「高い専門性と多様性に富んだ活力ある人財集団」です。社員一人ひとりが学び続ける文化や多様な意見が活発に議論される組織風土の構築を通じ、また社会に健康価値を提供する企業として、社員の健やかで充実した人生への貢献を目指します。
◆経営戦略の実現に向けて
中長期的に描く姿を人財の面から実現するために、当社グループでは「人」と「組織」の両面で取り組んでいます。人づくり(人財育成)においては「個人の自律」と「専門能力の発揮」に向けたアプローチ、組織づくり(環境整備)においては「多様な価値の結合」と「挑戦を称賛する風土」に向けたアプローチ、これらを両立させることが必要だと考えています。
また、経営戦略を実現していくには、その基盤となる社員のエンゲージメントを高めることも重要になります。2022年より全社員を対象としたサーベイを一新し、社員エンゲージメントを可視化できるようになりました。2023年度についてもエンゲージメントスコア※を各職場で共有し、組織改善に向けたアクションプランの作成に取り組んでいます。今後も毎年1回エンゲージメントサーベイを実施して、目指す姿への実現度合いを確認し、改善活動に繋げていきます。
※社員の会社に対する共感指数(会社・仕事・上司・職場に関する質問の期待度と満足度から算出)
◆人づくり(人財育成)
森永乳業グループの人財育成では、研修や自己啓発などさまざまな機会とツールの提供を通じて、「自身のありたい姿」を描き、お客さまと仲間と自らの笑顔のために自律的に挑戦・貢献・成長する社員の育成を目指しています。
●個人の自律
当社グループでは社員個人が自律するということを「自分自身の働く意義を今の仕事に見出し、受け身ではなく自ら考え、自ら判断し動けている状態」と定義しており、これが「働きがい」や「エンゲージメント」に直結すると考えています。個人が自律した状態を作ることができれば、各所で活発な議論が行われ、活き活きとしたチャレンジ精神のあふれる職場が形成されると考えています。こうした状態を実現するために、評価会議や人財活躍会議を通じた「上司のマネジメント力向上」、キャリア調査や異動公募制の実施などによる「選択肢のあるキャリア形成支援」、社員の心身の健康維持・向上に向けた「健康経営の推進」の3点を重視して取り組んでいます。このうち健康経営については、当社取締役会が監督するサステナビリティ委員会内に設置しているウェルビーイング部会が、推進のモニタリングを行っております。2024年3月には、5年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されました。
●専門能力の発揮
社員のスキル・能力向上を目的とした社員一人あたりの年間研修投資額は、コロナ禍に経験したオンライン化等の適切な効率化を継続したうえで、2030年度までにコロナ前を上回る水準まで拡大させることを目標としています。階層別研修に加え、部門別の研修を通じた専門能力習得機会を設けています。また経営戦略を踏まえ、グローバル人財育成プログラムを充実させています。
教育制度の充実に加え、高度な専門性が必要となる職種に対しては、キャリア採用を強化し、外部人財の登用も積極化しています。
事業成長に必要な専門知識や能力の多様性を組織内に保有し、それを強みとして本人が発揮できる力、そしてそれを発揮しやすい環境をマネジメント層の支援のもと整えることで、新たな価値の創出を目指しています。
◆組織づくり(環境整備)
●多様な価値の結合(ダイバーシティ&インクルージョン)
活力ある組織づくりに向けて、性別、年齢、国籍等の属性に関わらず多様性を認め合い、活かすことは必須条件だと考えています。そのための取り組みとして、ダイバーシティに関する研修を実施するほか、在宅勤務やフレックスタイム等の制度に加え、育児・介護支援制度を拡充して多様な働き方を実現しています。2022年度は育児休業の社内愛称を社員から公募し、当社の製品名にちなんで「はぐくみ期間」と名付けました。休業という言葉は使わずに、子をはぐくむ大切な仕事をする期間であるとして、育児休業の取りにくさや、育児における性別役割分業の払拭を目指しています。2022年10月からは出生時育児休業を100%有給で設立し、2023年度の男性育児休業取得率は95.8%となりました。
リーダー層の多様性を確保するため、女性キャリア支援にも継続的に取り組みます。2012年から始めた女性リーダー研修には累計227名の女性社員が参加しており、マネジメントやリーダーシップを学ぶプログラムを実施しています。
なお性別を理由とする処遇の違いはないものの、社員構成年齢や上位役職に占める性別の違いによって賃金差は生じています。前述のような女性のリーダー層における割合の増加に向けた施策や育児における性別役割分業の払拭を目指した取り組みを通じて、賃金差の縮小を目指してまいります。
森永乳業グループでは2022年度に、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」において要素・要件を網羅した人権方針を改定し、自社グループの事業が人権課題に影響を与えうることの理解ならびに必要に応じて是正対応・取り組みを行っていくことを改めて表明いたしました。本方針において、差別やハラスメントを排除していく旨を明記しております。本人権方針は取締役会にて承認を得ており、人権方針の実行については森永乳業株式会社の人事担当役員が責任者として実施状況を監督しています。
2022年度より開始した人権デュー・デリジェンスの取り組みでは、森永乳業グループが優先的に取り組むべき潜在的人権リスクとして特定した日本国内の外国人労働者の権利に加え、2023年度にはサプライチェーン上の人権侵害への加担、海外拠点の労働者に係わる労働諸問題についても調査を実施いたしました。
●挑戦を称賛する風土
新たな発想を成果に繋げていくには、発想を行動に移すことができるかが大切であり、そのためには、失敗を許容し、挑戦を後押しする風土を創り上げていくことが必要と考えています。
森永乳業グループの表彰制度(Morinaga Milk Awards)や、2022年より風土改革と事業創出を目的に開始した新規事業創出プログラムは、挑戦を称賛し合う文化の定着につながっています。
②指標並びに目標及び実績
※本項目については、各連結子会社の規模・制度の違いから一律記載は困難であるため、
提出会社単体の記載といたします。
◆人づくり(人財育成)
●専門能力の発揮
※研究、マーケティング、法務、知財、IT、海外部門などにおけるキャリア採用者数
◆組織づくり(環境整備)
●多様な価値の結合(ダイバーシティ&インクルージョン)
※女性管理職比率について、2030年度目標は10%から20%に、中間目標は「24年度6%以上」から「26年度10%以上」に、それぞれ変更しました。
経営者が当社グループの経営成績および財政状態などに影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクについて、主な事項を記載しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)酪農乳業界について
当社グループが生産する乳製品の原料である生乳の取引では、「畜産経営の安定に関する法律」の加工原料乳生産者補給金制度により、生産者に補給金が支払われます。将来において同法律が大幅に変更もしくは廃止され、補給金の水準が変化する場合は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが生産する乳製品は、国内農業の保護を目的として関税制度が設けられていますが、関税制度が大幅に変更になることで、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、酪農乳業界における課題等について、適時適切な対応を取ることができるよう、関係省庁、関係諸団体と連携をとり、解決を図っています。また、酪農家や酪農組織を日常的に訪問し、乳牛の健康管理技術や生乳需給に関する情報提供を通じて酪農生産振興活動を行っています。
(2)原材料の調達リスクについて
当社グループの主要な原材料は、国内外の需給状況や関税制度の変化、原材料相場や為替相場などにより、価格に影響を受ける可能性があります。これらによる価格変化は、原材料調達や生産コストに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、需給状況の大きな変化に備え、原材料市場の動向を注視するとともに、「森永乳業グループ調達ポリシー」を定め、安全・安心を第一に、複数地域・複数取引先からの購買、代替原材料手当等、様々な対策を講じることとしています。
(3)食品の安全性について
当社グループの製品製造にあたっては、食品の安全性や品質の確保に万全を期していますが、仮に大規模な回収や製造物責任賠償につながるような不測の製品事故の発生があれば、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、製造現場のみならずサプライチェーンすべてにおける品質の考え方を「森永乳業グループ品質ポリシー」として定め、商品の安全と品質を確保することとしています。
(4)為替レートの影響について
当社グループは、一部の原材料等を海外から調達していることから、これらの相場や為替レートの変動により購入価格は影響を受けます。為替レートの円安の進行および相場の高騰は、原価の上昇要因となり、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、金融機関等から情報収集を行いながら為替予約や外貨決済を行うことで、為替リスクの抑制を図っております。
(5)天候による影響について
当社グループの各事業の売上は、天候の影響を受ける可能性があります。特に、冷夏の場合には、アイス、ビバレッジなどの売上が減少し、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、生産から営業に関わる各部門が密接に連携をとり、販売状況に応じたタイムリーな生産調整を行うなど、全体最適を図ることで天候による影響に対しフレキシブルに対応してまいります。
(6)自然災害、大事故、感染症などによる影響について
当社グループの事業所において、地震や暴風雨などの自然災害、火災・テロなどの事件・事故、感染症のまん延など、突発的かつ甚大な災害が発生した場合には、長期間の事業停止や物流の混乱による商品供給の停止、市場・生活の変化などにより、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業継続計画書等のマニュアルを整備し、従業員およびその家族、ならびにお客さま、お得意先、近隣社会、関係先の人命保護を最優先に考えるとともに、適切な商品の供給および早期に事業活動を復旧できる体制の構築に努めています。
(7)情報の漏洩について
当社グループでは、グループ各社が保有する個人情報や営業秘密の保護・管理および情報システムへの不正アクセス防止のための情報セキュリティ対応策を策定し、取り組んでおります。しかしながら、不測の事態により情報の流出等が発生した場合には、社会的信用の低下などによって、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、内部統制委員会のもとに情報セキュリティ部会を設置し、不正アクセス対策や脆弱性対応の強化、技術情報の適正な管理、セキュリティルールの見直しなど各種対応を行うとともに、従業員に対する教育、標的型メール対応訓練などにより、情報セキュリティの知識と意識の向上を図っています。
(8)情報システムについて
当社グループでは、商品の受注、原材料の発注、製品製造の指示、経理処理等、事業全般にわたって情報システムを活用していることから、規定類の整備、サポート体制の充実やセキュリティの対策を行っています。しかしながら、災害、停電、コンピュータウィルスの感染、不正アクセス等によって、情報システムの停止または消失等のリスクがあります。このような事態が発生した場合には、事業の停滞や社会的信用の低下などにより、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業継続計画書等のマニュアル整備、重要データのバックアップ、脆弱性対応の強化を行うとともに、従業員にリスクに対する教育等を行うことでその徹底を図っています。
(9)知的財産について
当社グループは、その事業活動において、当社グループが所有する、または第三者から適法に使用許諾を受けた種々の知的財産を活用しており、知的財産権を侵害したとして第三者から不測の訴訟を提起された場合、その結果によっては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、知的財産権を尊重し、適正な事業活動のための知的財産の出願・維持と、第三者の権利を侵害することのないよう専門部門によるチェックを継続して行っております。
(10)環境への影響について
気候変動に代表される世界的な環境問題の深刻化を受け、化石エネルギーやプラスチック使用、水リスク等に関する規制や風評が発生した場合、商品戦略の見直しや設備投資、エネルギーや原材料調達費用の増大など当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、様々なステークホルダーを通して情報を収集し対応を進めています。
当社グループでは、「サステナビリティ中長期計画2030」において「資源と環境」をマテリアリティの一つに掲げるとともに「森永乳業グループ環境ポリシー」を定めISO14001環境マネジメントシステムに基づき適切な目標設定と管理を行っています。
なお、気候変動への対応については、気候変動対策部会及びサステナビリティ委員会において定期的に見直しております。詳細は当社ウェブサイト「気候変動への取り組み」をご参照ください。
◆TCFDへの取り組みのURL
https://www.morinagamilk.co.jp/sustainability/resources_and_the_environment/tcfd/
なお、上記のリスクが当社グループにおけるすべてのリスクではありません。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、連結財務諸表の作成にあたっては、主として期末日現在などの判断に基づき金額を見積った項目があります。
特に以下の項目に関する見積額は、実際の結果と異なる可能性があります。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、今後の個別の業況などによっては、追加引当もしくは取崩しが必要となる可能性があります。
退職給付費用および退職給付債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
投資有価証券については、その価値の下落が一時的ではなく回復可能性が無いと認められる場合に減損処理を実施しておりますが、今後の市況や投資先の業況などにより、さらに減損処理が必要となる可能性や価格が回復する可能性があります。
棚卸資産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき処理を行っております。評価を行うに当たっては、正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。また、一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても、簿価を切り下げております。今後の市況や需要動向によっては、追加の評価減が必要となる可能性があります。
当期はウクライナ情勢の長期化や中東情勢の動向、世界的な金融引き締め政策など、国際社会におけるさまざまな影響や世界経済の下振れリスクが生じました。国内においては、感染症対策の規制緩和を受けた経済活動の持ち直し、労働需要増加、賃金上昇、インバウンド需要の回復などを受け緩やかな景気回復が続くことが期待された一方、物価上昇による家計や企業への影響は今後も継続すると考えられ、引き続き国内外の情勢を注視する必要があります。
そのような中、森永乳業グループにおいては前期より開始した「中期経営計画2022-24」のもと、当社グループならではの「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」の提供に努め、特に、国内外での健康ニーズの高まりを背景に、ヨーグルトや機能性素材をはじめさまざまな健康課題に配慮した「健康5領域」商品の拡大に継続して取り組みました。
また、海外事業においては、主力となるMILEI GmbH(ミライ社)事業に加えて、前期に実施したパキスタン、米国、ベトナムでのM&Aによる事業計画を着実に軌道に乗せるべく、中長期での成長を目指した取り組みを進めました。
一方で、原料乳・原材料価格や各種オペレーションコストについては、前期に引き続きさまざまなコストアップの影響を受けました。生乳取引価格においては、2023年4月からの乳製品向け、8月からの飲用・発酵乳用途向けに続き、12月からはバター向けおよびクリーム向けの価格の引き上げが行われ、一段とコストアップが進行しました。これに対し、価格改定や、利益率の高い事業や商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、グループ全体でのコストの見直しなどをより一層推進いたしました。
これまでの取り組みをさらに推進させることに努めた結果、当期については増収増益となりました。
<当期の主な取り組み事項>
当期は「中期経営計画2022-24」の達成に向けた重要な1年と位置付け、各取り組みを推進し、激変する環境に対応しながら、さらなる企業体質および事業の強化に努めてまいりました。
・原料乳・原材料・エネルギーコスト上昇への対応
- 価格改定、プロダクトミックス改善、合理化などあらゆる対応によりコスト上昇の影響を最小限に抑制
・「中期経営計画 2022-24」「サステナビリティ中長期計画2030」に沿った取り組みの推進
- 当社グループならではの「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」を追求した、お客さまのニーズに応える商品・高付加価値商品の提供とその価値訴求
- 栄養・機能性食品事業を中心に、ヨーグルトや機能性素材を始めとするさまざまな健康課題に配慮した「健康5領域」商品の拡大
- 海外事業のさらなる成長に向けた取り組みの推進
- 当社グループの基盤となる主力食品事業の収益基盤の強化、BtoB事業(業務用乳製品)の回復
- 経営基盤のさらなる強化に向けた成長分野への投資
(2025年4月稼働予定:神戸工場製造棟増築、ほか)
- 株主還元の強化
(2023年5月発表:「自己株式取得に係る事項の決定および自己株式の消却に関するお知らせ」、
2023年10月および2024年2月発表:「配当予想の修正に関するお知らせ」)
- サステナビリティ経営の推進に向けた取り組み
(本業を通じた健康への貢献、気候変動・プラスチック問題など環境課題への対応、人権・多様性への配慮、 グループ全体のサステナビリティ意識の浸透など)
これらの結果、当社グループの連結売上高は増収となりました。栄養・機能性食品事業および主力食品事業においては、ヨーグルト、育児用ミルク、ビバレッジ、チーズ、牛乳、デザートなどの価格改定や、機能性ヨーグルト、「マウントレーニア」、アイスなどの高付加価値商品の提供に努めました。また、価格改定や消費活動回復によるBtoB事業の増収、新規連結した海外子会社の寄与など海外事業の拡大、国内子会社の拡大もあり、全体では増収となりました。
連結の利益面では、原材料価格や各種オペレーションコストを中心に、引き続きさまざまなコストアップの影響を受けました。特に原材料については、2023年4月に乳製品向け、8月に飲用・発酵乳用途向け、12月にバター向けおよびクリーム向けの生乳取引価格の引き上げが行われました。また、2023年4月に実施した東京工場跡地売却にかかる一時的な税負担や、M&Aによるのれん償却費の増加など、新たなコストアップも発生いたしました。これに対し、価格改定や、利益率の高い事業や商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、グループ全体でのコストの見直しなどをより一層推進いたしました。これまでの取り組みをさらに推進させることに努めた結果、全体では増益となりました。なお、海外事業は前期に大きく拡大したMILEI社の反動減などがあり減益となりましたが、中長期での成長を目指し、引き続き取り組みを推進いたしました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、東京工場跡地売却による特別利益として第1四半期に657億円を計上したこともあり、61,307百万円、前年比263.3%増と大幅増益となりました。
なお、公益財団法人ひかり協会に対する負担金として、当期は約16億円を支出いたしました。
2024年3月期営業利益増減要因
セグメント別の状況は、次のとおりです。
(単位:百万円)
食品事業:市乳、乳製品、アイス、飲料など
その他の事業:飼料、プラント設備の設計施工など
(参考)「中期経営計画 2022-24」における事業分野別(4本の事業の柱)業績概況
① 栄養・機能性食品事業:ヨーグルトは価格改定に取り組んだほか、健康志向の高まりを背景に「ビヒダスヨーグルト」や「パルテノ」が好調に推移し、機能性ヨーグルトの拡大にも継続して注力しました。また、育児用ミルクなどの栄養食品、流動食などを扱う森永乳業クリニコ社の寄与もあり、事業全体では増収となりました。
利益面では、原材料価格の上昇の影響やオペレーションコスト増加の影響を受けましたが、価格改定やプロダクトミックスの改善、コスト削減などに努めました。なお、中長期的な成長を見据え、下期を中心にビフィズス菌等のプロモーションを強化したこともあり、事業全体では減益となりました。
② 主力食品事業:原材料価格の上昇の影響や、オペレーションコストの増加の影響を受けましたが、ビバレッジ、チーズ、牛乳、デザートなどの価格改定や、「マウントレーニア」、アイスなどの高付加価値商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、コスト削減などに努め、事業全体では増収増益となりました。
③ BtoB事業:原材料価格の上昇の影響や、オペレーションコストの増加の影響を受けましたが、構成比の高い業務用乳製品において、消費動向の回復に応じた拡販や価格改定を進め、事業全体でも増収増益となりました。また、健康ニーズの高まりから、菌体をはじめとする当社保有の機能性素材への高い関心も継続しております。
④ 海外事業:輸出事業や、大きく拡大した前期からの反動減もあったMILEI GmbH(ミライ社)は減収となりましたが、M&Aにより新たに連結子会社となったNutriCo Morinaga (Pvt.) LTD.(ニュートリコ モリナガ社)、Turtle Island Foods, Inc.(タートル アイランド フーズ社)、Morinaga Le May Vietnam Joint Stock Company(モリナガ ル マイ社)の寄与もあり事業全体では増収となりました。
利益面では、MILEI社の反動減や原材料価格の上昇の影響、M&Aによるのれん償却費の増加などがあり、事業全体では減益となりました。
生産、受注及び販売の状況は次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産の部は、「現金及び預金」や「建設仮勘定」が増加したことなどにより、合計では前連結会計年度末に比べ、785億5千6百万円増の5,659億9千8百万円となりました。
負債の部は、「コマーシャル・ペーパー」が減少した一方、「未払法人税等」が増加したことなどにより、合計では前連結会計年度末に比べ、246億6千9百万円増の2,838億6千2百万円となりました。
純資産の部は、「利益剰余金」の増加などにより、合計では前連結会計年度末に比べ、538億8千6百万円増の2,821億3千5百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の45.7%から49.0%に、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の2,463.65円から3,192.33円になりました。
当社は2023年12月1日付けで株式分割(1株を2株)を実施しておりますが、前連結会計年度期首より当該株式分割が実施されたものと仮定して1株当たり純資産額を算出しております。
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ372億円増の565億8千3百万円の収入となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益885億7千1百万円がキャッシュ・フローの収入となり、売上債権の増加額86億3千9百万円がキャッシュ・フローの支出となったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ506億8千6百万円支出減の252億2千3百万円の収入となりました。主な要因は、固定資産の売却により603億1千万円の収入となり、固定資産の取得により331億4千6百万円の支出となったことによります。
これらを合計したフリーキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ878億8千7百万円増の818億6百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ415億5千万円支出増の386億2千4百万円の支出となりました。主な要因は、長期借入金の返済により137億1千5百万円の支出や自己株式の取得により100億1千2百万円の支出があったことによります。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ435億5千2百万円増の645億2千8百万円となりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
自己資本比率:(純資産-新株予約権-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 2022年3月期及び2024年3月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2021年3月期及び2023年3月期に係る数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下の財務政策のとおりです。
当社グループは、資金調達に際しては、内部資金を基本としながら、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行、社債の発行などの外部からの資金も利用しております。外部からの資金調達につきましては、安定的かつ低利を前提としながら、将来の金融情勢の変化等も勘案してバランスのとれた調達を実施しております。なお、当社(提出会社)は機動的な資金調達および当社グループ全体の資金効率アップのため、金融機関11行と総額200億円のコミットメントライン契約を締結しております。調達した資金につきましては、経常設備投資および成長投資への支出と、財務安定性を維持(有利子負債コントロール)することにより基盤確保した上で、株主還元へ振り分けております。
(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応)
①現状認識
PBR1倍水準、ROE8%以上で近年は推移しているものの 、直近は大規模な資産売却影響により株主資本が増加しROE低下要因となっております。株主資本コストは6%程度(CAPMモデルおよび株主・投資家ヒアリングより)と認識しており、これを上回るROEは達成出来ているものの、早期に8%以上へ回復することが重要と考えております。
②改善に向けた方針
当社はグループ10 年ビジョン・中期経営計画2022-24・サステナビリティ中長期計画2030等の方針に沿ってROE(収益性・効率性・財務レバレッジ)や PER(成長期待・非財務指標)向上への取り組みを進めております。ステークホルダーの期待に応え、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するために「収益力・効率性の向上」「バランスシート方針のアップデート」「IR・コーポレートガバナンスの強化」の3点に取り組み、さらなるROEの向上、 PBRの改善を目指してまいります。
<収益力・効率性の向上>
激変する環境下、価格改定の遂行で収益力の回復に注力いたしました。10年ビジョンにおける現中計の位置づけや方向性に変化はなく、方針に合致した取り組みを着実に実行いたします。(次期中期経営計画は2025年春公表予定)
<バランスシート方針のアップデート>
従来は財務健全性を重視して参りましたが、今後は財務健全性を担保しつつ、一定程度負債を活用しながら最適資本構成を追求することで資本コストを低減させ、企業価値最大化に取り組みます。
・株主還元の強化
最適資本構成を追求するバランスシート方針に基づき株主還元強化を実施します。年間配当金を60円(2024年3月期)から90円(2025年3月期)へ増配し、自己株式取得は2024年3月期に続き2025年3月期も100億円予定します。
<IR・コーポレートガバナンスの強化>
積極的な資本市場との対話・情報開示およびコーポレートガバナンス強化により株主資本コストを低減させていきます。
③キャッシュアロケーション
事業の拡大・体質強化へ投資し、重要課題としての株主還元を実行いたします。(増配+自己株式取得)
さらに、人財活躍推進および資本市場への意識向上に向けた人的投資を実行します。(退職給付・株式給付信託)
当社が技術援助等を受けている契約
(注) 上記についてはロイヤリティとして、売上高の一定率を支払っております。
乳で培った技術を活かし、「おいしさ・楽しさ」「健康・栄養」「安全・安心」の面から研究開発に取り組むことで、サステナブルな社会の実現と世界中の人々の笑顔あふれる生活に貢献していくことをミッションとしています。
当社グループの研究開発体制は、以下のとおりです。
〔研究本部〕
◆ 研究企画部
研究本部における機能横断的部門として、研究開発の発展に必要な学術情報の収集発信、臨床試験支援、研究広報活動や庶務、設備メンテナンスなどの管理業務を行っています。
◆ 食品開発研究所
独自の製造技術やノウハウを活かして、「おいしさ・楽しさ」と「健康・栄養」の両立を目指した飲料やヨーグルト、アイスクリーム、チーズ、デザート、ウェルネス食品、それらの品質を守る容器包装の研究開発に取り組んでいます。
◆健康栄養科学研究所
幅広い年齢層や健康状態の方を対象に、必要な栄養および健康に関する研究に基づき、国内外向けの育児用ミルク、妊産婦向け食品、栄養補助食品、および、流動食、物性調整食品など医療・介護施設向け食品の研究開発に取り組んでいます。
◆ 素材応用研究所
ビフィズス菌や乳酸菌、ラクトフェリン、ペプチド、ラクチュロース、たんぱく素材、乳糖などの素材およびそれらの製造プロセスの開発・改良、これらの素材の分析や製造に関わる技術開発、および素材を応用した高付加価値製品の研究開発に取り組んでいます。
◆ 基礎研究所
ビフィズス菌や腸内フローラを中心に世界で通じる基礎研究を行い、プロバイオティクスやプレバイオティクス、ラクトフェリン、乳ペプチドなどの新たな機能性素材の探索、新規機能性の発見、エビデンスの取得、健康との関連性について研究しています。
◆ フードソリューション研究所
自社製品をどう活用できるか、お客さまの視点で味覚や食感を評価し、レシピを提案して、より良い商品づくりに繋げています。また、バターやクリーム、脱脂粉乳などの乳製品開発や豆腐を中心とした植物性食品の開発も行っています。
〔生産本部〕
◆ 技術開発部
より良い商品を安全に効率よく生産し、環境に配慮した装置・システムを中心とした「生産技術」の研究開発を行っています。AI・IoT、ロボットなどの先端技術を応用した生産ラインの自働化・省人化、省エネ・水資源・廃棄物などの環境課題への挑戦、ローコストオペレーションおよび高品質とおいしさの両立などに取り組んでいます。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
流行を取り入れつつ、高級感、贅沢感、食感、風味、満足感といった嗜好性を重視した商品、当社独自の素材や技術を活かした“おいしさと健康・栄養”を兼ね備えた商品、他社とのコラボレーション商品を開発・発売すると共に、これらの商品群を支え、研究方針に掲げるミッションの達成を目指して研究開発活動をしてまいりました。
① 飲料
◆「マウントレーニア」シリーズ‥‥「クリーミー抹茶ラテ」と、「カフェラッテ さくらメモリーズ」などの期間限定商品
◆「リプトン」シリーズ‥‥「はちみつ紅茶」と、「キャラメルティーラテ」(2024年4月発売)などの期間限定商品
◆「森永マミー」シリーズ‥‥「森永マミークラシック1965」
◆「Piknik(ピクニック)」シリーズ‥‥「バニラオ・レ」「チョコレートオ・レ」
◆「眼の疲労感軽減」‥‥モノグルコシルルチン(眼のピント調節機能のサポート、眼の疲労感を軽減する機能の報告有り)を機能性関与成分とした機能性表示食品
◆「PURESU(ピュレス) 発酵酢ドリンク」シリーズ(2024年4月発売)‥‥「ざくろ味」「マスカット味」、原材料に酢を使わず「ホエイ」などを「ビフィズス菌 BB536」(Bifidobacterium longum BB536)で発酵させた新健康飲料で、酢酸(日常生活で生じる運動程度の疲労感軽減、肥満気味の方のお腹の脂肪を減少させる機能の報告有り)と「ビフィズス菌 BB536」(腸内環境を改善する機能の報告有り)を機能性関与成分とした機能性表示食品
◆「Plants&Me」シリーズ(2024年4月発売)‥‥「オリジナル」「砂糖不使用」の2種類、オーツ麦、ココナッツ、ひよこ豆、大豆、アーモンドの5種の植物素材をブレンドした植物ブレンド飲料で、動物性原料不使用の、NPO法人ベジプロジェクトジャパンのヴィーガン認証商品
◆「大人の栄養サポート」‥‥「ミルク風味」で、ラクチュロースやシールド乳酸菌®などの機能性素材に加え、たんぱく質、カルシウム、鉄分などの栄養成分をバランスよく配合した栄養補助飲料
② デザート
◆「タニタ食堂監修のデザート」シリーズ‥‥「コーヒーゼリー ベトナム風 れん乳ソース入り 4個パック」(2024年4月発売)
③ ヨーグルト
◆「ビヒダス ヨーグルト」シリーズ‥‥「もぐ盛りオートミール」「骨密度対策 ドリンクタイプ」(「ビフィズス菌 BB536」と「マルトピオン酸」(ミネラルの吸収促進、骨密度を維持する機能の報告有り)を機能性関与成分とした機能性表示食品)
◆「ギリシャヨーグルト パルテノ」シリーズ‥‥「脂肪ゼロ プレーン砂糖不使用」「マスカットソース入 30g」「りんご&キウイmixソース入 110g」「みかんソース入り 80g」「いちごソース入り 110g」
◆「森永アロエヨーグルト」シリーズ‥‥「森永アロエ&ヨーグルト つぶ盛り」(2024年4月発売)「森永豆乳&アロエ豆乳仕立て」
◆「森永カルダスヨーグルト ドリンクタイプ」‥‥「ビフィズス菌 BB536」と「マルトピオン酸」を機能性関与成分とした機能性表示食品
◆「森永白桃果肉ヨーグルト」‥‥爽やかな酸味を実現した白桃果肉入りの脂肪0(ゼロ)タイプヨーグルト
◆「森永マミー のむヨーグルト」‥‥シールド乳酸菌®(Lacticaseibacillus paracasei MCC1849)を配合し、「森永マミー」の爽やかな酸味が楽しめるのむヨーグルト
④ アイスクリーム
◆「ピノ」シリーズ‥‥「蜜芋ブリュレ味~安納芋~」「香り湧き立つカフェラテ」などの期間限定商品
◆「PARM(パルム)」シリーズ‥‥「PARM チョコレート」などのリニューアルと、「ダブルチョコ ピスタチオ&ラズベリーショコラ(1本入り)」数量限定商品や「杏仁ミルクストロベリー(1本入り)」(2024年4月発売)などの期間限定商品
◆「MOW(モウ)」シリーズ‥‥「いちご」「発酵バターキャラメル」「香りたつマスカット」
◆「MOW PRIME(モウ プライム)」シリーズ‥‥「マカダミアナッツ」「バタークッキー&クリームチーズ」
◆「森永 れん乳」シリーズ‥‥「森永れん乳アイス ブルーハワイフロート」(2024年4月発売)
◆「森永マミー アイスバー」‥‥「森永マミー」をイメージし、シールド乳酸菌®を配合したアイスバー
◆「リプトン 濃厚ロイヤルミルクティーバー」‥‥紅茶アイスに、ミルクソースを柱状に2本差し込んだバーアイスで、数量限定商品
⑤ チーズ
◆「クラフト やみつき」シリーズ(2024年4月発売)‥‥コチュジャンをブレンドした韓国風の旨辛な「旨辛チーズ」と、コクとほのかな甘みが感じられる「バターチーズ」の2種のシュレッドタイプのプロセスチーズ
◆「クラフト フレッシュモッツアレラ」シリーズ‥‥「バジルフレッシュモッツアレラ」
◆「クラフト 小さなチーズケーキ」シリーズ‥‥「モンブラン」などの数量限定商品と「キャラメルスイート~香るバニラ~」(2024年4月発売)期間限定商品
◆「クラフト 切れてるチーズ」シリーズ‥‥「旨辛とうがらし味」数量限定商品
◆「クラフト れん乳スライスチーズ 5枚」‥‥「森永ミルク 加糖れん乳」を使用した、ほんのりれん乳風味のスライスチーズで、数量限定商品
◆「フィラデルフィア クリームチーズ」シリーズ‥‥「フィラデルフィアクリームチーズ 6P 爽やかレモン仕立て」
⑥ 育児用食品
◆「森永 E お母さん」‥‥ベトナム向けに、妊産婦・授乳婦の栄養補給におすすめ「森永E-OKAASAN ミルクティー味」を輸出開始
◆「森永マミーゼリー」シリーズ‥‥「ひらめきキッズ」
⑦ ヘルスケア・健康食品
◆「スッキリオリゴ」‥‥ビフィズス菌の栄養源となるラクチュロースのシロップタイプサプリメントで、通信販売限定商品
◆「ミライplus お肌のうるおい対策プロテインパウダー」(2024年4月発売)‥‥ヒアルロン酸Na(肌の水分保持に役立ち、潤いを保つ機能の報告有り)を機能性関与成分とした機能性表示食品
⑧ その他食品
◆「森永クリープ」シリーズ‥‥「泡立つミルク」、カフェで飲むふわふわ泡をおうちで手軽に楽しめるカフェスタイルの新しい「クリープ」
⑨ 他社とのコラボレーション
◆森永製菓株式会社(本社:東京都港区)
・「inPROTEIN(インプロテイン)」(飲料)シリーズ‥‥「ハニー・オレ風味」〔L-テアニン(睡眠の質を改善する機能の報告有り)を機能性関与成分とした機能性表示食品〕「バナナ・オレ風味」「ミルク風味」「抹茶風味」(2024年4月発売)
・その他‥‥「森永 牛乳で飲むココア」と、「ビヒダスヨーグルト ラムネ風味 4ポット」や「リプトン ホットケーキ紅茶ラテ」などの期間限定商品や「すッパイチュウ めちゃうまいレモン味」数量限定商品
◆TBCグループ株式会社(本社:東京都新宿区)
「TBCドリンク」シリーズ‥‥「生搾りマスカットミックス」「1日分の鉄分 ピーチミックス」「1日分のマルチビタミン レモン」「コラーゲン アップル」
◆株式会社スミフルジャパン(本社:東京都渋谷区)
「甘熟王チョコバナナサンドアイス」‥‥同社のバナナ「甘熟王(かんじゅくおう)」を使ったバナナピューレを使用したアイスにチョコチップを混ぜ込んでココアクッキーでサンドした数量限定商品
⑩ 生産技術開発
工場内の衛生レベルの維持向上を目的に、微酸性次亜塩素酸水生成装置「PURE(ピュア)STER(スター)」を開発(生成方法特許取得)し、自社・関係会社の工場で使用し、品質管理に役立てています。1996年には社外に対して工業向けの「PURESTER」シリーズの販売を開始しました。2002年には食品添加物の殺菌料に指定され、活用用途がますます拡大しています。
◆「PURE(ピュア)STER(スター)」シリーズ史上最小型の「コンパクトピュアスターCP-180」を開発し、これまでスペースが確保できずに設置できなかった福祉施設や介護施設、保育園などにもお使いいただけるようになりました。
⑪ 学術・研究
〔ビフィズス菌関連〕
◆京都大学(片山研究室)および株式会社島津製作所(本社:京都府京都市)との取り組みで、ヒトiPS 由来の腸管上皮細胞が「Bifidobacterium breve MCC1274」の産生する有用な代謝産物を増加させることを明らかにした研究成果が、科学雑誌『Frontiers in microbiology』〔14:1155438(2023)〕に掲載されました。
◆ブラジル国家衛生監督庁(Agência Nacional de Vigilância Sanitária 以下、ANVISA)より、「ビフィズス菌 BB536(Bifidobacterium longum BB536)」(単菌株)が、ブラジル国内で販売する一般食品への使用承認およびヘルスクレームとして「整腸」に関する表示承認(2023年7月27日付け)を、「ビフィズス菌 BB536」「ビフィズス菌 M-16V (Bifidobacterium breve M-16V)」(単菌株では使用承認取得済み)「ビフィズス菌 M-63(Bifidobacterium longum subsp. infantis M-63)」の3菌株の組み合わせについても、一般食品への組合せ原料として使用承認および4歳~18歳を対象としたヘルスクレームとして「胃・腸」のケアに関する表示承認を取得しました(ANVISA web サイトの公告2024年3月12日時点)。ANVISAより保有するビフィズス菌が使用承認された日本企業は当社のみです(同公告 同日時点)。当社のビフィズス菌に関するブラジルでの使用承認は、この3菌株の組み合わせで3例目となります。
◆「ビフィズス菌 BB536」入りヨーグルトの摂取による腸内環境の変化に関する「神戸実証研究」を(株)メタジェン(本社:山形県鶴岡市)と共同で開始し、“腸内環境と若さ”をテーマに「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)の“TEAM EXPO 2025”「プログラム/共創チャレンジ」に登録されました。
〔乳酸菌関連〕
◆山口県・山口市、「やまぐちヘルスラボ」との産官連携による臨床試験において、シールド乳酸菌®の摂取が健常成人男女の風邪様症状を緩和することを確認した研究成果が、科学誌『Nutrients』〔15(15):3450(2023)〕に掲載されました。また、免疫機能への働きかけを検討した臨床試験において、シールド乳酸菌®の摂取が健常成人のプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)の活性を高め、免疫応答性を維持することで体調維持に寄与する可能性が示唆された研究結果が、科学誌『Nutrients』〔16(2):216(2024)〕に掲載されました。
〔ラクトフェリン関連〕
◆九州保健福祉大学(黒川昌彦教授)と実施した臨床試験において、ラクトフェリンの摂取が健常成人のプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)の活性を維持し、呼吸器および全身の健康状態を維持することを確認した研究成果が、科学誌『Nutrients』〔15(18):3959(2023)〕に掲載されました。
◆玉川大学(冨田信一農学部教授)と実施した臨床試験において、ラクトフェリンの摂取が、空気の乾燥した環境下での健常成人の口と喉の不快感を軽減することを確認した研究成果が、科学誌『Nutrients』〔15(18):4033(2023)〕に掲載されました。
〔その他〕
◆日本の消費者に向けたミルクコーヒーのフレーバーホイールを開発し、「フレーバープラットフォーム」として商標化しました。この研究成果が、科学雑誌『Food Science and Technology Research』〔29(3):197-209
(2023)〕に掲載されました。
⑫ 表彰
◆3名の社員が、「ビフィズス菌生菌末の製造技術および応用製品の開発」で「令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」における「科学技術賞(開発部門)」を受賞しました。
◆「ビフィズス菌 MCC1274」(Bifidobacterium breve MCC1274)および「メモリービフィズス 記憶対策」シリーズが、ウェルネスフードジャパン実行委員会が主催する“ウェルネスフードアワード2023”において、「最優秀賞」および「認知・睡眠部門」で「金賞」を受賞しました。
◆「ビフィズス菌 MCC1274」が、William Reed Business Media社(イギリス)が主催する“The 2023 NutraIngredients-Asia Awards”において、「認知機能」部門の「Ingredient of the Year」を受賞しました。
◆藤森工業株式会社(本社:東京都文京区)と共同開発した「森永はぐくみ 液体ミルク」の「エコらくパウチ」が、世界包装機構(WPO:World Packaging Organization)が主催する“ワールドスターコンテスト 2024”において、「ワールドスター賞」を受賞しました。また、アジア包装連盟(APF:Asian Packaging Federation)が主催する「アジアスターコンテスト 2023」においても「アジアスター賞」を受賞しました。
◆「クラフト 魚Chee 燻製カツオ/ピリ辛マグロ」が日本食糧新聞社主催「第37回 新技術・食品開発賞」を受賞しました。