当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用の改善や賃上げの動きに加え、ペントアップ需要の顕在化などに支えられ、緩やかに回復しています。またインバウンドを含めた人流と消費動向は所謂コロナ禍前の状態に回帰しつつあります。一方景気については、長引く人手不足、物価上昇、中東情勢や中国経済の先行き懸念といったマイナス要因による足踏みも見られ、一進一退の動向の中で特に海外景気の下振れに伴う下押しリスクが懸念されています。
当社グループの業績においては、牽引していた建設機械産業向け鍛造品の需要がピークを越したことにより、業績見通しが弱含みとなっております。自動車産業向け鍛造品に関しては、長期間にわたり半導体不足の影響を受けていた自動車生産活動の回復効果が、徐々にではありますが当社グループの受注改善につながったものの、一部取引先における固有の事情等により受注が先送りになる事象が生じています。また、ウクライナ情勢等を受けた資源価格、電力をはじめとしたエネルギー価格、労務費、運送費の上昇等の製品価格への反映について鋭意交渉を進めておりますが、妥結までの過程において一部途上にあること、さらにタイ国におけるピックアップトラックの販売不振が収益回復への足かせとなっております。
当連結会計年度後半には、経営環境におけるネガティブな要因が緩和され、一部取引先からの受注先送り収束に伴う増産要請が見込まれるなど、当社グループの業績は徐々に改善して行くものと予想しておりますが、当初想定以上に経営環境が悪化しているため、これまでの業績進捗の遅れを挽回することは厳しい状況となっております。
このような状況下、当社グループの当中間連結会計期間の売上高は、主力の鍛造事業で販売重量が落ち込んだことにより、前中間連結会計期間比19億46百万円減少の91億96百万円となりました。利益については、主に鍛造事業における受注減少に伴う生産効率の低下が影響し、営業損失が1億38百万円(前中間連結会計期間は2億95百万円の利益)、経常利益は83百万円(同4億43百万円の利益)と前中間連結会計期間の水準を下回りました。前中間連結会計期間には特別利益として投資有価証券売却益5億20百万円を計上しましたが、当中間連結会計期間には特別利益の計上は無く、親会社株主に帰属する中間純損失は99百万円(同7億9百万円の利益)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
鍛造事業
当社グループの主要事業である鍛造事業においては、グループ各社の販売重量が減少したことにより、売上高は前中間連結会計期間比20億12百万円減少の76億4百万円となりました。セグメント利益は、受注減少に伴う生産効率の悪化が原価率上昇を招き1億79百万円の損失(前中間連結会計期間は1億87百万円の利益)となりました。各分野の状況は以下のとおりです。
① 自動車産業向け
鍛造品の主要マーケットである国内自動車産業の海外生産及び部品現地調達の拡大により、同産業に関わる鍛造品の国内需要は減少傾向にあります。長引く新型コロナウイルス感染症の自動車生産活動への影響は看過できる水準まで軽減されたと考えられますが、取引先固有の事情により受注先送りとなる事象が生じており、操業の回復度合いは抑制されております。
タイ国の子会社においては、電力などエネルギー価格高騰に関し日本に比べて製品販売価格への反映が難しいものの、一部取引先との交渉が緒に就き、今後の状況改善が見込まれるようになりました。しかしながら、同国政策金利の上昇を伴った金融引締めの影響でピックアップトラックに対する消費者の購買力低下に直面していること等厳しい経営環境が続いており、事業計画自体にそのリスクを織込みながらも想定を超える苦戦を強いられ、収益力の低下を招いております。
② 建設機械産業向け
建設機械産業は、建設機械ならびに鉱山機械の市況がピークを越し下降局面を迎えましたが、事業計画にはこの影響を織込んでおり、計画比堅調な業績推移を示しております。
③ その他産業向け
建築資材や工作機械部品など、自動車関連以外のマーケットでの受注に努めておりますが、取引先における在庫調整等に伴い、一部受注が先送りとなる事象が生じています。
建機事業
仮設機材の販売・リースを行う建機事業は、首都圏のみならず地方における再開発事業や社会インフラの改修整備等が堅調なことから、仮設機材の需要が安定基調にありました。売上高は前中間連結会計期間比1億29百万円増加の11億8百万円ながら、やや利幅の薄くなる販売商品構成が影響し、セグメント利益は同44百万円減少の47百万円となりました。
物流事業
金属製パレットの製造販売を中心とした物流事業は、当中間連結会計期間においても引続き取引数量が獲られず、業績は当初想定に達しませんでした。この結果、売上高は前中間連結会計期間比59百万円減少の3億77百万円、セグメント損失は38百万円(前中間連結会計期間は11百万円の損失)となりました。
不動産事業
不動産事業の売上高は、入居状況が堅調に推移し、前中間連結会計期間比微減の1億6百万円、セグメント利益は同1百万円減少の64百万円と前中間連結会計期間水準を維持しました。
財政状態は、次のとおりです。
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ14億38百万円減少し、375億32百万円となりました。資産の主な増減は以下のとおりです。
流動資産では、売上債権の回収が進み5億58百万円減少したことなどに伴い、現金及び預金が4億57百万円増加したこと、主に鍛造事業において保有原材料からの生産と出荷が進み棚卸資産が4億57百万円減少したことなどにより、流動資産合計は前連結会計年度末に比べ4億45百万円減少し、215億46百万円となりました。また、固定資産では、有形固定資産が減価償却等により1億79百万円減少したこと、投資有価証券が時価下落の結果7億85百万円減少したこと等により、固定資産合計は前連結会計年度末に比べ9億93百万円減少し、159億86百万円となりました。
流動負債では、受注の減少から仕入債務が5億63百万円減少したこと、未払法人税等及び未払消費税が納税により2億50百万円減少したことなどにより、流動負債合計は前連結会計年度末に比べ8億70百万円減少し、87億88百万円となりました。また、固定負債では、繰延税金負債が1億64百万円減少したこと、退職給付に係る負債が24百万円増加したことなどにより、固定負債合計は前連結会計年度末に比べ1億23百万円減少し、21億92百万円となりました。
純資産は、損失計上と配当金支払い等により利益剰余金が5億9百万円減少したこと、その他有価証券評価差額金が5億46百万円減少する一方で為替換算調整勘定が5億94百万円増加しその他の包括利益累計額合計が47百万円増加したことなどにより、純資産合計は前連結会計年度末に比べ4億44百万円減少し、265億52百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前中間連結会計期間末に比べ16億1百万円減少し、37億76百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は、8億66百万円(前中間連結会計期間は15億19百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益が24百万円となったことのほか、減価償却費相当の資金留保5億89百万円、売上債権、棚卸資産、仕入債務それぞれの減少に伴い合わせて5億29百万円の資金増加要因、法人税等ならびに消費税の支払2億75百万円などが要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は、11億26百万円(前中間連結会計期間は26億16百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金(3ケ月超)の純増額7億41百万円(キャッシュ・フローは減少)、既存設備の更新投資等の有形固定資産取得による支出3億81百万円などによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は、4億47百万円(前中間連結会計期間は11億30百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の返済30百万円及び配当金4億9百万円の支払いなどによります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。