1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   キーストーン インベストメント ホールディングス エルピー(Keystone Investment Holdings, L.P.)

所在地  ケイマン諸島、グランド・ケイマン KY1-9008、ジョージ・タウン、エルジン・アヴェニュー190、ウォーカーズ・コーポレート・リミテッド

 

2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

(1)普通株式

(2)新株予約権

① 2015年3月13日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第3回新株予約権(以下「第3回新株予約権」といいます。)(行使期間は2017年4月1日から2025年3月13日まで)1個につき、1円

② 2018年3月30日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第4回新株予約権(以下「第4回新株予約権」といいます。)(行使期間は2020年3月13日から2028年3月12日まで)1個につき、1円

③ 2018年9月28日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第5回新株予約権(以下「第5回新株予約権」といい、第3回新株予約権及び第4回新株予約権と総称して「本新株予約権」といいます。)(行使期間は2020年6月29日から2028年6月28日まで)1個につき、1円

 

(注) なお、本書提出日現在においては第3回新株予約権が存在しているものの、第3回新株予約権の行使期間は、本公開買付けに係る決済の開始日よりも前の日である2025年3月13日の経過をもって満了し、これをもって当該時点で存在している第3回新株予約権は全て消滅します。当社において、第3回新株予約権の行使期間の延長は予定していないため、第3回新株予約権について本公開買付けによる応募の受付及び買付け等を行う予定はないとのことです。第3回新株予約権を保有されている方は、第3回新株予約権の行使期間満了日(2025年3月13日)までに新株予約権を行使し、当該行使により発行又は移転された普通株式を本公開買付けに応募することが可能とのことです。

 

3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1)意見の内容

 当社は、2025年2月13日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに関し、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨すること、及び、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。

 なお、当社の取締役会決議は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。

 

(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

 「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいて記載しております。

 

① 本公開買付けの概要

 公開買付者は、ケイマン諸島法に基づき2024年3月6日に組成されたリミテッド・パートナーシップであって、カーライルがその持分の全てを保有・運用しているとのことです。なお、本書提出日現在、カーライル及び公開買付者(以下総称して「公開買付者ら」といいます。)は、当社株式及び本新株予約権を所有していないとのことです。

 

 カーライルは、グローバルに展開する投資会社であり、世界4大陸の29拠点において約2,300名の社員を擁し、3つの事業セグメント(注1)において、612のファンドを通じ総額約4,474億ドルの資産を運用しているとのことです(2024年9月末現在)。

(注1) 具体的には、①上場会社の非公開化を含むバイアウト投資、グロース・キャピタル(新興企業への成長資金の提供)、戦略的マイノリティ出資(少数持分投資)等の投資活動や、不動産やエネルギー等のリアルアセット投資を含む「グローバル・プライベート・エクイティ」(運用総額約1,692億ドル)、②ローン担保証券、メザニン等、主にクレジットへの投資を行う「グローバル・クレジット」(運用総額約1,945億ドル)、及び③プライベート・エクイティ・ファンドへの投資を行う「グローバル・インベストメント・ソリューションズ」(運用総額約837億ドル)の3事業セグメントとのことです(いずれも2024年9月末現在)。

 

 このうち、「グローバル・プライベート・エクイティ」セグメントにおいて企業への投資活動を行うコーポレート・プライベート・エクイティ投資では、1987年の設立以来、2024年9月末までで780件以上の投資実績を有しているとのことです。また、日本国内でも、2000年に活動を開始して以来、日本企業に対する投資を中心に行うバイアウトファンドにおいて、株式会社ツバキ・ナカシマ、株式会社日本医療事務センター(現 株式会社ソラスト)、シンプレクス株式会社、アルヒ株式会社(現 SBIアルヒ株式会社)、日立機材株式会社(現 センクシア株式会社)、ウイングアーク1st株式会社、オリオンビール株式会社、株式会社リガク、AOI TYO Holdings株式会社(現 KANAMEL株式会社)、東京特殊電線株式会社(現 株式会社TOTOKU)、株式会社ユーザベース、岩崎電気株式会社、星光PMC株式会社、日本KFCホールディングス株式会社、及び株式会社キョウデン等に対する累計約40件の投資実績を有しているとのことです。

 

 今般、公開買付者は、2025年2月13日、当社を非公開化することを目的として、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)グロース市場に上場している当社株式の全て及び本新株予約権の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式、当社の取締役が保有する譲渡制限株式(合計35,900株、所有割合:(注2)0.30%)(以下「本譲渡制限株式」といいます。)及び当社の第2位株主である、株式会社リクルートホールディングスの子会社である株式会社リクルートが代表社員を務める合同会社RSIファンド1号(以下「リクルートファンド」といいます。)が所有する当社株式(2,460,000株、所有割合:20.60%)の全部(以下「本売却予定株式」といいます。)を除きます。)を取得するための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを2025年2月14日から開始することを決定したとのことです。

 

 本取引は、①本公開買付け、②本公開買付けの成立を条件として、公開買付者が本公開買付けにおいて、当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式、本譲渡制限株式及び本売却予定株式を除きます。)を取得できなかった場合に当社が行う株式併合(以下「本株式併合」といいます。)を通じて、当社の株主を公開買付者及びリクルートファンドのみとすること、③本株式併合の効力発生を条件として、当社が実施する本売却予定株式の自己株式取得(以下「本自己株式取得」といいます。)を実施するために必要な分配可能額及び本自己株式取得に係る資金を確保するために行う(ⅰ)公開買付者による当社に対する資金提供(公開買付者を引受人とする第三者割当増資(以下「本増資」といいます。)の方法によることを予定しているとのことです。なお、本増資の金額は約86億円とする予定ですが、1株あたりの払込金額については、本書提出日現在未定です。また、本増資は、当社において有価証券報告書の提出義務が免除された後に実施する予定です。)及び(ⅱ)会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第447条第1項及び第448条第1項に基づく当社の資本金及び資本準備金の額の減少(以下「本減資等」といいます。)(注3)、並びに④本自己株式取得からそれぞれ構成され、最終的に、公開買付者が当社を完全子会社化することを企図しているとのことです。

 なお、本株式併合の詳細につきましては下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。

 また、本自己株式取得は、リクルートファンドにおいて、法人税法(昭和40年法律第34号。その後の改正を含みます。以下同じです。)に定めるみなし配当の益金不算入規定の適用が見込まれることを踏まえ、本自己株式取得における本売却予定株式の取得価格(株式併合前1株当たり。以下「本自己株式取得価格」といいます。)(3,504円)を、仮にリクルートファンドが本公開買付けに応募した場合に得られる税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合の税引後手取り額が同等となる金額を基準として設定し本自己株式取得価格を抑えることにより、当社の一般株主の皆様への配分をより多くすることで、本公開買付けに係る公開買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)の最大化と株主間の公平性を両立させることを目的に実施するものであり、本自己株式取得価格の算出においては、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用される法人であるリクルートファンドについて、(ⅰ)本自己株式取得価格(3,504円)にて本自己株式取得に応じた場合の税引後手取り額として計算される金額が、(ⅱ)仮にリクルートファンドが本公開買付価格で本公開買付けに応募した場合に得られる税引後手取り額として計算される金額と同等となる金額を基準として設定する予定とのことです。

(注2) 「所有割合」とは、(ⅰ)当社が2025年2月13日に公表した「2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社2025年3月期第3四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(11,617,400株)に、(ⅱ)2025年1月1日以降公開買付届出書提出日までに新株予約権が行使されたことにより発行又は移転された当社株式(132,000株)及び本新株予約権のうち、本書提出日現在行使可能なものと報告を受けた、新株予約権の行使により発行又は移転される可能性のある当社株式の最大数(195,400株)を加え、(ⅲ)当社2025年3月期第3四半期決算短信に記載された2024年12月31日現在の当社が所有する自己株式数(317株)を控除した株式数(11,944,483株)(以下「調整後当社発行済株式総数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下、所有割合の記載において同じとします。

(注3) 公開買付者は、本減資等において、当社が、減少する資本金及び資本準備金の一部又は全額をその他資本剰余金に振り替える旨を、当社に対して要請する予定とのことです。

 

 本公開買付けに際し、公開買付者は、2025年2月13日付で、当社の代表取締役Co-CEOかつ2025年2月13日現在において第1位株主である柳橋仁機氏(所有株式数:3,038,409株、所有割合:25.44%。以下柳橋氏といいます。)(注4)及び柳橋氏の資産管理会社である柳橋事務所株式会社(所有株式数:300,000株、所有割合:2.51%、以下「柳橋事務所」といい、柳橋氏及び柳橋事務所を総称して「本応募予定株主」といいます。)との間で、2025年2月13日付で公開買付応募契約(以下「本応募契約」といいます。)を締結したとのことです。

 

(注4) なお、柳橋氏は、柳橋氏が所有する当社株式3,038,409株のうち185,000株(所有割合:1.55%)(以下「本担保付株式」といいます。)を、株式会社三菱UFJ銀行が柳橋氏に対して有する貸金債権を被担保債権として、株式会社三菱UFJ銀行に担保(以下「本担保」といいます。)として提供しておりますが、柳橋氏は、本応募契約において、本担保を解除したうえで本担保付株式についても本公開買付けに応募する旨の努力義務を負担しているとのことです。また、柳橋氏の保有する当社株式のうち、8,300株(所有割合:0.07%)については本譲渡制限株式であるところ(以下「本譲渡制限株式(柳橋氏)」といいます。)、本譲渡制限株式(柳橋氏)及び本担保付株式(仮に公開買付期間中に本担保が解除されない場合に限る。)について、本公開買付けに応募せず、当社が下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」において定義される本臨時株主総会を開催したときは、本臨時株主総会における本株式併合に関する議案について公開買付者の指示に従い賛成の議決権の行使を行うことを合意しているとのことです。

 

 また、公開買付者は、2025年2月13日付で、当社の第2位株主であるリクルートファンド(所有株式数:2,460,000株、所有割合:20.60%)との間で、①本売却予定株式の全てについて本公開買付けに応募しないこと、②本売却予定株式の全てを、本自己株式取得を通じて本自己株式取得価格で当社に譲渡すること、及び、③自ら当社の株主をリクルートファンド及び公開買付者のみとするために必要な本株式併合を含む手続(以下「本スクイーズアウト」といいます。)に必要な一切の行為(臨時株主総会における賛成の議決権の行使を含みます。)を行うことで、本スクイーズアウトを完了させることを含めた、本取引に係る諸条件に合意し、かかる諸条件について定めた契約(以下「本不応募契約」といいます。)を締結したとのことです。

 なお、本応募契約及び本不応募契約の詳細につきましては、下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

 

 本公開買付けにおいては、公開買付者は、当社の完全子会社化を企図しているため、買付予定数の下限(注5)を5,467,100株(所有割合:45.77%)としており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、公開買付者は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。一方、本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限5,467,100株以上の場合は、公開買付者は、応募株券等の全部(但し、本新株予約権の行使により発行又は移転される当社株式を含みます。)の買付け等を行うとのことです。

 

(注5) 本公開買付けにおける買付予定数の下限(5,467,100株、所有割合:45.77%)は、調整後当社発行済株式総数(11,944,483株)に係る議決権の個数(119,444個)に、3分の2を乗じた数(79,630個、小数点以下を切上げ。)から、本譲渡制限株式(合計35,900株)及び本売却予定株式(2,460,000株)に係る議決権の個数(24,959個)を控除した数に、当社の単元株式数である100を乗じた株式数に設定をしているとのことです。なお、買付予定数の下限(5,467,100株)は、本取引において、公開買付者が当社を完全子会社化することを目的としているところ、本株式併合の手続を実施する際には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、公開買付者及びリクルートファンドの二者により当該要件を満たすことができるように設定したものとのことです。なお、本譲渡制限株式に関しては、譲渡制限が付されていることから、本公開買付けに応募することができませんが、当社は、2025年2月13日開催の当社取締役会において、上場廃止を前提とした本公開買付けに賛同する旨の意見を表明することを決議しており、当該決議に際しては、当社の取締役7名のうち、柳橋氏及び小林氏を除く5名が審議及び決議に参加し、決議に参加した取締役全員が賛成の議決権を行使していることから(なお、柳橋氏は、当社の筆頭株主(所有株式数:3,038,409株、所有割合:25.44%)であるところ、本応募予定株主及びリクルートファンド(以下、総称して「大株主グループ」といいます。)以外の当社の株主の皆様との利益が一致しない可能性があることを考慮し、また、当社の取締役である小林氏については、カーライルの投資先のグループ会社の代表取締役を務めていることを踏まえ、利益相反のおそれを回避する観点より、柳橋氏及び小林氏を除く5名の取締役において審議の上、全員一致により上記の決議を行っております。)、本公開買付けが成立した場合には本スクイーズアウト手続に賛同する見込みであると考えているとのことです。そのため、買付予定数の下限を考慮するにあたって、本譲渡制限株式のうち、当社の取締役が所有する譲渡制限付株式に係る議決権の数を控除しているとのことです。

 

■本取引のスキーム図

① 本公開買付け(~2025年4月上旬)

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② 本株式併合(~2025年6月中旬~下旬)

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③ 本増資及び本減資等(~2025年6月中旬~下旬)

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④ 本自己株式取得(~2025年6月中旬~下旬)

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 公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、ケイマン諸島法に基づき設立されたリミテッド・パートナーシップであって、カーライルが運用しているCarlyle Japan Partners V, L.P.及びCarlyle Japan International Partners V, L.P.からの出資により賄うことを予定しており、これらをもって、本公開買付けの決済資金等に充当する予定とのことです。また、本自己株式取得は、当社の分配可能額の範囲内で行われますが、公開買付者は、本株式併合の効力発生を条件として、本増資及び本減資等を実施せしめることにより、当社が実施する本自己株式取得のための資金(約86億円)全額を確保することを予定しているため、本書提出日現在、本自己株式取得にあたり当社の分配可能額が不足することは見込まれていないとのことです。

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程は、以下のとおりとのことです。

 当社は、当社の代表取締役である柳橋氏により、2008年5月に、株式会社ジャパンオペレーションラボとして設立され(2013年5月に株式会社カオナビに商号変更)、その後、2012年4月にタレントマネジメントシステム「カオナビ」事業を開始しました。また、当社株式については、2019年3月に東京証券取引所マザーズ市場に上場後、2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しにより東京証券取引所グロース市場に移行し、現在に至ります。

 当社及びその子会社(以下、総称して「当社グループ」といいます。)は、「“はたらく”にテクノロジーを実装し、個の力から社会の仕様を変える」というパーパス(注1)のもと、テクノロジーによって一人ひとりの個性や才能を理解することで、個人のキャリア形成や働き方が多様化される社会の実現を目指し、HRテクノロジー領域(注2)におけるSaaS(注3)サービスを開発・提供しております。具体的には、当社は、企業の人材情報をクラウド(注4)上で一元管理し、データ活用のプラットフォームとなるタレントマネジメントシステム(注5)「カオナビ」を提供しております。

(注1) 企業の存在意義や社会的な役割を表すものをいいます。

(注2) HR(Human Resource)とテクノロジーを組み合わせた概念で、人事領域におけるテクノロジーを活用したイノベーションの総称をいいます。

(注3) Software as a serviceの略語で、顧客側のコンピューターにソフトウエアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でソフトウエアを利用する形態のサービスをいいます。

(注4) クラウドコンピューティングの略語で、インターネット経由で必要な時に必要なだけITシステムを利用する仕組みの総称をいいます。サーバーやソフトウエアなどのITシステムの設備を自社で保有することに比べ、ITシステムに関する開発や保守・運用の負担が軽減され、コスト削減に寄与します。

(注5) 従業員の基本情報やスキル、能力などといった人材情報を一元的に管理・共有できるシステムをいいます。

 

 当社を取り巻く経営環境について、公益財団法人日本生産性本部が2024年12月に発表した「労働生産性国際比較2024」によると、我が国の就業者1人当たりの労働生産性は、OECD加盟諸国38カ国の中で32位と、上位諸国とはかけ離れた実態が明らかになっております。また、就業者1人当たりの労働生産性が低い中、内閣府が公表した令和6年版「高齢社会白書」によると、2040年までに生産年齢人口は7,000万人を割り込み、その先の2070年までに5,000万人を下回ると推計されております。このような状況を踏まえ、当社は今後の日本社会では、労働人口は減少するという前提のもと、いかに労働生産性を高めていくかが重要な命題になると考えております。この点、近年の技術進歩により、テクノロジーの活用が労働生産性の向上に繋がると考えております。さらに、これまで企業の中でも裏方的な存在であった人事・総務といった“人材に関わる業務”は、企業の売上や利益に直結する業務ではないこともあり、テクノロジーの導入や効率化が遅れている分野でもありましたが、HRテクノロジーの普及に伴い、この分野にITを積極的に導入する企業が増えていると考えております。一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会が発表した「企業IT動向調査報告書2023」(2022年度調査)によると、雇用の流動化を背景に適材適所の人材配置・活用が求められており、2021年度調査と比較してタレントマネジメントシステムを導入・検討する動きがさらに広がっております。また、当社がターゲットとする従業員100人以上の企業は日本に約63,000社(注6)存在しており、当社の利用企業数3,963社(注7)を鑑みれば市場の開拓余地は広大であると考えております。このように、タレントマネジメントシステムに対するニーズの高まりと市場の開拓余地を踏まえると、更なる市場成長が見込めると考えております。一方で、既存の競合企業に加えて、タレントマネジメントシステム以外のHRテクノロジー領域のサービスを展開する企業の参入など、競争環境が激化しています。また、当該事業が成長市場であることに加え、参入障壁が必ずしも高いと言えないことから、今後、更なる他社の新規参入により一層競争が激化すると認識しております。

(注6) 日本の従業員100人以上の企業数は、総務省・経済産業省が公表している「平成28年経済センサス-活動調査」に基づき当社が算出しております。

(注7) 2024年9月末時点でタレントマネジメントシステム「カオナビ」を導入している企業や団体の数

 

 そのような経営環境の下、当社グループは、中期経営方針として、「継続的なARR(注8)の成長」、「収益性の向上」、「非財務的活動の推進」の3つを掲げております。継続的なARRの成長に向けた施策の一環として、人材データベースを軸にさまざまなサービスと連携して付加価値を高めることで、顧客に最適なUX(顧客体験)を提供する人材データプラットフォームの構築を目指しております。

 このような方針のもと、直近では、当社グループはタレントマネジメントシステムにおいて、顧客体験価値の向上に向けた機能の開発・改善に注力し、学習管理機能「ラーニングライブラリ」やスキル管理機能「アビリティマネージャー」の強化をはじめとしたさまざまな機能改善に加えて、新機能として社内の膨大な文章データを整理・分析する「インサイトファインダー」をリリースしました。また、新規事業として、2024年4月に予実管理システム「ヨジツティクス」、2024年7月に労務管理システム「ロウムメイト」をリリースしました。さらに、積極的な人材採用や育成をはじめとした組織体制の強化、サービス認知度向上を加速するためのマーケティング活動、既存顧客に対するカスタマーサクセスの取り組みなどにも注力してまいりました。

(注8) Annual Recurring Revenueの略で、四半期末のMRR(Monthly Recurring Revenueの略で月額利用料の合計)を12倍して算出しています。なお、MRRは管理会計上の数値です。

 

 一方で、主力事業のタレントマネジメントシステムにおいては、上記の通り今後更に競争環境の激化が想定され、「継続的なARRの成長」を実現するために、継続的な開発投資の実施、セールス体制の強化、サービス認知度向上のためのマーケティング投資、既存顧客に対するカスタマーサクセスを、これまで以上に機動的かつ抜本的に取り組むことが必要不可欠と考えております。また、当社は創業以来、タレントマネジメント領域で「カオナビ」を主軸として事業を展開してきましたが、人材データベースを中心としたマルチプロダクト化(注9)を実現することで、中長期的に安定的かつ継続的な企業価値向上を実現できると考えております。この一環として、2025年3月期より予実管理システム「ヨジツティクス」及び労務管理システム「ロウムメイト」をリリースしておりますが、今後は機能開発のための開発投資やマーケティング投資が一層必要になると考えております。加えて、当社グループを拡大しながらも高い競争力・成長力を維持するためには、柔軟かつ迅速な経営意思決定を実践できる組織体制の構築、当社グループの成長を支える優秀な人材の獲得・育成、営業効率向上に向けたコーポレート機能の強化等の取り組みも必要不可欠であると考えています。仮にこれらの取り組みを先延ばしすれば、競争環境が激化する中で、当社グループの中長期的な競争力・収益力の低下につながるおそれがあるため、上記の施策の早期かつ着実な実行が、当社グループの経営戦略上極めて重要であると考えております。

(注9) 単一の製品に依存せず、複数のプロダクトを市場に展開することをいいます。

 

 しかしながら、こうした積極的な投資の継続や経営・事業基盤等の取り組みは、中長期的に当社グループの企業価値向上に資するものであったとしても、短期的なキャッシュ・フローや収益の悪化を招くおそれがあります。また、当社が株式上場を継続する限りは株主を意識した経営が求められ、中長期的な視点に立った積極的な成長施策よりも短期的な収益性確保が選好される傾向が近年更に強まっていると考えており、上記施策を講じる場合には、当社グループの本源的な成長を達成するための戦略と資本市場からの期待に乖離が生じて、必ずしも十分な評価を得ることができず、当社の株価に悪影響を及ぼし、既存株主の皆様に不利益を与える可能性も否定できません。

 そのため、当社は、当社のパーパス実現の為に、機動的かつ柔軟に経営課題を対処し、当社の企業価値を向上するための様々な選択肢を模索する中で、2024年3月頃より継続的に、カーライルを含むファンド7社及び事業会社4社との間で、中長期的な経営環境の見通しを踏まえた当社グループの経営戦略及び施策、さらには当社の最適な資本構成等について意見交換を行ってまいりました。そのような中で、当社は、2024年7月上旬、中長期的な観点から、当社株式を非公開化することも選択肢の一つとして考えるに至り、その後もカーライルを含む複数のファンド又は事業会社との間で、中長期的な経営環境の見通しを踏まえた当社グループの経営戦略及び施策について意見交換や協議を実施いたしました。

 他方、カーライルは、ソフトウエア業界において豊富な投資実績を有しており、当該領域において積極的に投資を進める方針の下、従前より継続的に投資機会を調査していたとのことです。そのような調査の過程で、労働環境の変化や人材関連の制度変化といったマクロ環境の追い風を受けて、急速に市場形成がなされていると考えるタレントマネジメントシステム市場において、株式会社アイ・ティ・アールが2023年5月に発行した調査レポート「ITR Market View:人材管理市場2023」によると8年連続市場シェアNo.1を達成している当社に関心を持つに至り、2024年5月中旬頃から9月上旬まで継続的に当社経営陣と協議を重ね、当社の理解を深めるとともにお互いの信頼関係も醸成しつつ、当社の長期的な成長と更なる企業価値向上に資する戦略的な選択肢として当社株式の非公開化を含めた資本政策についての討議を行ってきたとのことです。

 カーライルは、当社との協議内容や公開情報に基づき独自に分析及び検討を進めるなかで、2024年10月上旬、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を通じて、当社の本取引に係るパートナーの選定プロセスの参加を打診され、本格的な検討を開始したとのことです。その後、10月中旬、カーライルは、当社と、当社株式の非公開化を含む当社の資本政策に関して、中長期的な経営環境の見通しを踏まえた当社グループの経営戦略及び施策について意見交換や協議を実施したとのことです。かかる意見交換や協議を踏まえ、カーライルは、当社が非連続かつ持続的な成長を実現する企業価値向上施策として、①「カオナビ」事業の更なる進化、②マルチプロダクト化及び提供サービスの拡大、及び③人材の確保を実行していくことが必要だと考えたとのことです。

 また、カーライルは、早い時期からシリコン・バレー(Menlo Park)に拠点を構え、最先端の技術動向の把握や、人的ネットワークの構築を重ねることで、デジタル化事業への投資はもとよりカーライルが全世界で投資する様々な企業においてこれらの技術を活用した事業展開を支援しているとのことです。国内ソフトウエア業界においても、株式会社ブロードリーフ、シンプレクス株式会社、ウイングアーク1st株式会社、株式会社ユーザベース等の数多くの企業を支援してきた実績を有し、カーライルの有する潤沢な人的・資本的リソース及びグローバル・ネットワークを最大限に活用することで、前述した当社の次なる成長への転身を十分に支援できるとの考えに至ったとのことです。

 一方で、上記の施策を通じて当社の持続的な成長を実現することは、中長期的に見れば大きな成長が見込まれる機会であったとしても、それらの施策が必ずしも早期に当社の利益に貢献するものではないこと、上場を維持したままでこれらの施策を実施すれば、当社の株主の皆様に対して、短期的に、当社株式の市場価格の下落といったマイナスの影響を及ぼす可能性も否定できないと考えたとのことです。

 そのため、当社が上場を維持したままこれらの施策を実行することは難しく、当社が中長期的な視点で持続的な企業価値の向上を実現させていくためには、当社株式を非公開化した上で、機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする、株主と経営陣が一体となった強固かつ安定した新しい経営体制を構築することが重要であると考えたとのことです。一方で、非公開化によるデメリットとして、株式市場へのアクセス制限、取引先及び従業員への影響並びにリクルートファンドと資本関係が外れることの影響が想定されるものの、当社の事業の特性としてキャッシュ・フローが潤沢に創出されるビジネスであり資本市場からの資金調達の必要性は高くないこと、当社はタレントマネジメントシステム市場において既に高い知名度・信用を有していること、及びリクルートファンドとの既存の資本関係を前提とした契約は存在しないことから、リクルートファンドとの資本関係が外れたとしても、悪影響は想定されない旨を当社に確認できたこと等から、当社株式の非公開化に伴うデメリットはメリットを上回ると判断し、当社株式の非公開化を前提とした提案を検討するに至ったとのことです。そして、カーライルの持つリソースや類似企業への投資経験に基づく知見を活用することで、当社の持つ可能性を最大限発揮し、「カオナビ」事業の更なる進化、マルチプロダクト化及び提供サービスの拡大が可能であるとの結論に至り、カーライルは、当社より開示を受けた情報や公開情報に基づく分析及び検討を踏まえて、当社に対して、2024年11月1日付で、自己株式取得スキームを前提としない当社株式1株当たりの買付価格を4,200円(2024年10月31日付の終値2,390円に対して75.73%のプレミアム。)、本新株予約権1個あたり公開買付価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)は、普通株式1株あたり公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株あたり権利行使価格の差額に本新株予約権の1個の目的となる当社株式数を乗じた金額とすること(以下「差額買付け」といいます。)を内容とする意向表明書を提出したとのことです。その後、2024年11月14日に、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券より、カーライルに対して、カーライルを最終候補者として相対プロセスを進めることを伝達し、併せて、詳細なデュー・ディリジェンスの機会を踏まえて、意向表明書を提出するよう要請をいたしました。かかる要請を受けたカーライルは、詳細なデュー・ディリジェンスを行うこととしたとのことです。

 その後カーライルは、2024年11月上旬から同年12月下旬にかけて、当社の事業・財務・法務等に関するデュー・ディリジェンス、当社の経営陣の面談等を実施し、当社株式の取得について、分析及び検討を進めたとのことです。その結果、カーライルは、当社はタレントマネジメントシステムのパイオニアとしての確固たるブランド力、機能と操作性を高次に兼ね備えたプロダクト、及び経験に裏打ちされたオンボーディング(注10)支援により、将来的に顧客になり得る見込み顧客獲得~顧客獲得~オンボーディングまで迅速かつきめ細やかに対応を行うサイクルを構築できている強みを活かし、タレントマネジメントシステム市場において株式会社アイ・ティ・アールが2023年5月に発行した調査レポート「ITR Market View:人材管理市場2023」による8年連続シェアNo.1を達成しており、マルチプロダクト化及び提供サービスを拡大する為の確固たる基盤を築いていると理解したとのことです。カーライルは、当社の事業に対して、カーライルがグローバルに展開するプラットフォーム並びにこれまで蓄積してきた知見及び投資経験と当社の成長を牽引してきた当社の経営陣の知見とを融合することによって、当社の目指す「“はたらく”にテクノロジーを実装し、個の力から社会の仕様を変える」というパーパスを実現し、「人材情報を一元化したデータプラットフォームを築く」というビジョンへの飛躍的な成長を共に目指すことができると考えるに至ったとのことです。また、カーライルは、当社が以下の各施策を実行していくにあたってのサポートを提供できると考えているとのことです。

(注10) サービス・商品を利用し始めたユーザーに対して、いち早く使い方や機能に慣れてもらうためにサポートするプロセス、初期定着支援を言います。

 

1)「カオナビ」事業の更なる進化

 カーライルは、タレントマネジメントシステムに対するニーズが急速に顕在化していく中で、顧客獲得の加速が重要になると理解しているとのことです。営業体制強化に向けた組織構築や営業戦略実行において、カーライルが国内外のSaaS企業への投資・バリューアップ支援で培った営業・組織強化に資するナレッジや人的ネットワークを存分に活用し、かかるカオナビ事業の更なる進化・加速に向けて人材の採用を含む営業リソースの強化、機能開発によるプロダクト強化、大企業向け営業組織体制の整備等を積極的に行っていくとのことです。

 

2)マルチプロダクト化及び提供サービスの拡大

 カーライルは、当社の中長期的な成長のためには、マルチプロダクト化の必要性があるものと認識しているとのことです。当社は既に、タレントマネジメントシステム「カオナビ」に加えて予実管理システム「ヨジツティクス」及び労務管理システム「ロウムメイト」という2つのプロダクトを有しており、新規2プロダクトについては、更なる機能強化をはじめ継続的な機能開発やマーケティング投資の検討・実行支援を積極的に行っていく予定とのことです。また、自社で開発可能な領域での新プロダクトの開始に向けた先行投資についても戦略的にかつ積極的に行っていくとのことです。加えて、クロスセル商材の獲得に向けたM&A推進も選択肢として考えており、カーライルが経営陣と並走しながら買収先候補の選定からM&A実行、買収後のバリューアップをサポートしていくとのことです。

 

3)人材の確保

 カーライルは、上記の施策を実現するためには、優秀な人材を確保し、活躍してもらうことが重要であると考えているとのことです。カーライルの投資先事例で培った知見を踏まえ、当社のニーズに合わせた柔軟なインセンティブ・プラン導入を設計・実行サポートする予定とのことです。かかる支援を通じ、企業価値向上の成果を株主、経営陣、従業員の全てが成果を享受する仕組みを構築し、既存人材の維持、モチベーション向上に加えて新規の人材採用にも活用が可能であると考えているとのことです。

 

 カーライルは、当社の本特別委員会(下記「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」において定義します。以下同じです。)から2024年12月23日に本取引に関する質問書を受領したため(具体的には、本取引の目的及び経緯・背景、カーライルの考える当社の事業の強み・弱み、今後の事業の見通し、本取引後に実施予定の施策、本取引の条件等について質問を受けたとのことです。)、2024年12月30日に書面にて回答したとのことです。そのうえで、2025年1月9日に、当社及び本特別委員会に対して、カーライルの概要の紹介及び本取引に関する上記回答を踏まえた質疑応答を行ったとのことです。具体的には、本特別委員会より、本取引後に当社事業は国内市場を中心に成長を目指しているか、カーライルのSaaS、ソフトウェア領域におけるネットワークが当社事業の成長にどのように寄与するかとの質問があり、これに対してカーライルは、当社事業は国内市場で更なる成長余地があると考えている旨、SaaS業界においてオペレーションや投資家からの評価等様々な観点から先行していると考えるアメリカでの取組み及び新規プロダクトを開発するにあたってアメリカの専門家にアドバイスを求めるサポート等を提供することで、当社の事業戦略の検討及び日々のオペレーションに活用できると考えている旨を回答したとのことです。

 その後、検討結果及びデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえ、カーライルは、2025年1月11日に、当社に対して、本公開買付価格を4,355円、本新株予約権買付価格を1円及び本自己株式取得価格を3,600円とする旨の価格提案書(以下「1月11日付価格提案書」といいます。)を提出したとのことです。4,355円は、カーライルが11月1日付で意向表明書にて提案した本公開買付価格4,200円に、大株主グループとの交渉を経て合意予定の本自己株式取得の税務メリット分を上乗せした価格であり、1月11日付価格提案書の提出日の前営業日である2025年1月10日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値1,895円に対して129.82%(小数点以下第三位以下四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,906円(小数点以下四捨五入。以下終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して128.49%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,047円に対して112.75%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,943円に対して124.14%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。また、本新株予約権買付価格については、いずれも税制適格要件を満たす形態で発行されているため、税制適格要件を満たさない差額買付けではなく本新株予約権を権利行使のうえ普通株式として本公開買付けに応募することに税務上のインセンティブがあること、また、本新株予約権の権利行使時点において、当社グループの取締役、執行役員、監査役又は使用人その他これに準ずる地位にあることが権利行使条件として定められており、仮にカーライルが本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないため、1円と提示したとのことです。

 

 これに対して、カーライルは、同年1月16日、本特別委員会から、1月11日付価格提案書の内容は当社株式の市場株価の動向や類似事例に付されたプレミアムの水準等を勘案すると相応な水準であると考える一方、本公開買付けを含む一連の取引の実現に向けたこれ以上の価格の引き上げ余地の有無を伺いたい旨の回答書を受領したとのことです。

 これを踏まえて、カーライルは、同年1月20日、1月11日付価格提案書の内容は、本取引が入札手続きを通じた戦略的パートナーの選定プロセスであることに鑑み、カーライルとして当社の成長ポテンシャルを加味した本源的価値を最大限評価した結果として提案した価格であり、本公開買付けと本自己株式取得を組み合わせて、当社株式を取得・非公開化するスキームの前提において最終かつ最大の提案であるため、価格の引き上げは困難と考えている旨の返答をしたとのことです。

 その後、同年1月23日、本特別委員会から、1月11日付価格提案書の内容は当社株式の市場株価の動向や類似事例に付されたプレミアムの水準等を勘案すると相応な水準であると考える一方、当社から提示した事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を踏まえた当社の考える本源的価値を考慮すると、当社の少数株主に対して更なる配慮をいただく余地があるとして本公開買付価格を再度検討いただきたい旨の回答書を受領したとのことです。

 

 また、カーライルは、リクルートファンドにおいて、本自己株式取得を通じて当社株式を譲渡した場合に、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用され、これに伴い一定の税務メリットの発生が見込まれることを踏まえ、本自己株式取得価格(3,600円)を、仮にリクルートファンドが本公開買付けに応募した場合に得られる税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合の税引後手取り額が同等となる金額を基準として設定しつつ、当該税務メリットをリクルートファンドだけでなく当社の少数株主の皆様を含めて株式数に応じて公平に分配することで、本公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることができるとの考えの下、1月上旬より本自己株式取得を含む本取引のスキームの検討を行ってきており、1月23日にかかるスキームをリクルートファンドへ提示したとのことです。その後、同年1月24日にリクルートファンドより、リクルートファンドにおける法人税等の額の計算で用いられる適用税率について申し出があり、同日、リクルートファンドに計算結果の更新を踏まえた本自己株式取得価格(3,504円)を提示したとのことです。

 その後、カーライルは、同年1月27日、本自己株式取得価格を3,504円とすることを応諾する旨の回答を電子メールにて受領したとのことです。

 

 これを踏まえて、カーライルは、同年1月27日、本特別委員会に、リクルートファンドにて生じる税務メリットに係る計算の詳細を更新したことに伴い、本自己株式取得による税務メリットが従前の試算より拡大したため、1月11日付価格提案書における本公開買付価格及び自己株式取得価格の提案に対し、かかる税務メリットの拡大分を上乗せした、本公開買付価格を4,380円、本自己株式取得価格を3,504円とする旨の返答書を提出したとのことです。4,380円は、当該価格提案提出日の前営業日である2025年1月24日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値1,985円に対して120.65%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,912円に対して129.08%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,981円に対して121.10%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,959円に対して123.58%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。

 これに対して、カーライルは、同年1月30日、本特別委員会から、本公開買付価格を4,380円とすることを応諾する旨の回答書を受領したとのことです。

 

③ 本公開買付け後の経営方針

 カーライルは、本公開買付けが成立した場合、当社が今まで築き上げてきた事業基盤を生かしつつ、カーライルが有する経営資源、カーライルのグローバルな業界チームが有する専門性及びこれまで培ってきた幅広い経営人材ネットワークの提供により、中長期的な視点に基づく積極的な経営資源の投入を行うことで、当社の更なる企業価値向上を目指すとのことです。カーライルから当社に派遣する役員の人数等については、現時点で決定している事項はなく、本公開買付け成立後、当社との間で協議・検討のうえ方針を決定する予定とのことです。また、カーライルは、当社の役職員に対してストック・オプション等のインセンティブ・プランの導入を予定しており、公開買付者及び当社の役職員が一丸となって、当社の長期的な企業価値の向上を図る体制を構築する予定とのことですが、具体的な内容や導入時期は未定とのことです。なお、本取引実行後における役員体制については、柳橋氏の取締役留任の有無を含め、現時点で決まっている事項はないとのことです。

 

④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

 当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、業界内の競争が激化していることを受け、主力事業のタレントマネジメントシステムにおける継続的な開発投資の実施、セールス体制の強化、サービス認知度向上のためのマーケティング投資、既存顧客に対するカスタマーサクセス、新規事業における機能開発のための開発投資やマーケティング投資、柔軟かつ迅速な経営意思決定を実践できる組織体制の構築、当社グループの成長を支える優秀な人材の獲得・育成、営業効率向上に向けたコーポレート機能の強化等の取り組みといった経営課題の解決のため、中長期的な観点から、当社株式を非公開化する取引を含む当社の企業価値を最大化する様々な施策についての検討を2024年3月頃より慎重に行ってまいりました。当社の企業価値を最大化するための施策の検討の過程で、カーライルを含む11社(ファンド7社及び事業会社4社)と協議を重ねるとともに、当社の企業価値向上の施策等について各候補先との間の協業に関し、検討を深めて、その過程の中で、2024年8月中旬に、当該施策に関するリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所(現在の森・濱田松本法律事務所外国法共同事業をいい、以下単に「森・濱田松本法律事務所」といいます。)を選任いたしました。その後、当該施策の検討をより深めるため、2024年10月上旬、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券を選任いたしました。

 その後も、関心を示した各ファンド又は事業会社の提案の具体性、関心の度合いや範囲、検討の深度等には差があったものの、当社は、各ファンド又は事業会社との間で当社の経営陣との経営方針に関するディスカッションの機会の提供等を行ってまいりました。

 その結果、当社は、カーライルを含むファンド2社のパートナー候補(以下「本件パートナー候補」といいます。)が当社の企業価値向上施策等への具体的な関心を有していることが確認できたことから、本件パートナー候補を対象として、本取引に係るパートナーの選定プロセス(以下「本件プロセス」といいます。)を開始し、2024年10月上旬以降、本件パートナー候補との間で、中長期的な経営環境の見通しを踏まえた当社グループの経営戦略及び施策について意見交換や協議を実施いたしました。

 その後、2024年11月1日付で、カーライルから、公開買付け及びスクイーズアウト手続を通じて当社株式の全てを取得すること及び当社株式1株当たりの買付価格を4,200円(2024年10月31日付の終値2,390円に対して75.73%のプレミアム。)、本新株予約権買付価格は、普通株式1株あたり公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株あたり権利行使価格の差額に本新株予約権の1個の目的となる当社株式数を乗じた金額とすることを内容とする意向表明書の提出を受けました。意向表明書の提出を受けたカーライルを含むファンド2社と並行して協議を行いましたが、当社は、受領した意向表明書の内容について、株式価値評価額、本取引実施後の経営方針、想定される当社とのシナジー効果、及びその支援施策等の観点から慎重に検討を行いました。意向表明書を提出したパートナー候補2社の中でカーライルの提案価格が高く、かつ本取引実施後の経営方針、想定される当社とのシナジー効果、及びその支援施策等の観点を踏まえて、カーライルとの具体的な協議を進めることが最善であるとの結論に至り、当該候補者に対して詳細なデュー・ディリジェンスの機会を与え、意向表明書を提出することを求めることといたしました。

 本取引は、支配株主による公開買付けには該当しないものの、カーライルは、本取引に係る本公開買付けにおいて、大株主グループが本取引に賛同する旨の合意が得られることを本取引実施の条件とする可能性が想定され、大株主グループと当社の一般株主との間に構造的な利益相反が存するおそれがあることを踏まえ、本取引の是非や取引条件の妥当性についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、当社は、リーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所の法的助言を受け、カーライルによる意向表明書の受領後速やかに、公開買付者ら及び大株主グループから独立した立場で本取引について検討・交渉等を行うための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置する旨を2024年11月13日開催の取締役会にて決議いたしました。また、当社は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、大株主グループ及び公開買付者らから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務(当社の株式価値の評価の基礎となる本事業計画の作成など高い独立性が求められる職務を含みます。)を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。

 そして、2025年1月上旬、当社は、カーライルからの意向表明書を受領し、本特別委員会による事前に確認された交渉方針や交渉局面における意見、指示、要請等に基づいたうえで、リーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所及びファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券の助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性等に関してカーライルとの間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。

 具体的には、当社及び本特別委員会は、本特別委員会を通じて、2024年12月23日にカーライルに対して本取引の意義・目的等に関して書面による質問を行い、2024年12月30日にカーライルから当該質問事項について書面による回答を受領し、2025年1月9日に、特別委員会によるカーライルに対するインタビューを実施して、本取引の意義及び目的、本取引の実施時期・方法、本取引の検討に至った経緯、本取引後の経営方針等を確認しました。

 また、本公開買付価格を含む本取引に関する取引条件については、当社は、2025年1月11日に、カーライルから、本公開買付価格を4,355円(本公開買付価格4,355円は、提案日前営業日である1月10日の終値1,895円に対して129.82%、過去1ヶ月間の終値平均値1,906円に対して128.49%、過去3ヶ月間の終値平均値2,047円に対して112.75%、過去6ヶ月間の終値平均値1,943円に対して124.14%のプレミアムを付した金額となります。)本新株予約権買付価格を1円及び本自己株式取得価格を3,600円とする旨の初回の価格提案を書面で受領しました。また、本公開買付けの諸条件に関して、買付け等の期間を2月14日から3月31日の30営業日とし、買付予定数の下限を公開買付者とリクルートファンドが保有する当社株式の合計数が当社の議決権の数に3分の2を乗じた数以上となるよう設定し、上限を設定しない旨の提案書も同時に受領いたしました。これに対して、当社は、森・濱田松本法律事務所及びSMBC日興証券の助言並び本特別委員会からの意見も参考に慎重に協議を行ったところ、本公開買付価格4,355円は、当社株式の市場株価の動向や類似事例に付されたプレミアムの水準等を勘案すると相応な水準であると考える一方で、本事業計画を踏まえた当社株式の本源的価値を考慮すると、当社の少数株主に対して更なる配慮をいただく余地があると判断し、同年1月16日に、本公開買付価格の引き上げを検討いただきたい旨の返答をいたしました。その後、同年1月20日に、カーライルから、本公開買付価格について再度検討したものの、1月11日付価格提案書記載の本公開買付価格は、カーライルとして当社の成長ポテンシャルを加味した本源的価値を最大限評価した結果として提案した価格であり、本公開買付けと本自己株式取得を組み合わせて、当社株式を取得・非公開化するスキームの前提において最終かつ最大の提案であるため、本公開買付価格の引き上げは困難である旨の価格提案を受領いたしました。これに対して、当社は、森・濱田松本法律事務所及びSMBC日興証券の助言並び本特別委員会からの意見も参考に慎重に協議を行ったところ、本公開買付価格4,355円は、当社株式の市場株価の動向や類似事例において付されたプレミアムの水準等を勘案すると相応な水準感とも考えられる一方で、本事業計画を踏まえた当社株式の本源的価値を考慮すると、当社の少数株主に対して更なる配慮をいただく余地があると判断し、同年1月23日に、本公開買付価格の引き上げを再度検討いただきたい旨の返答をいたしました。その後、同年1月27日に、カーライルから、1月11日付価格提案書記載の本公開買付価格が最終かつ最大の提案であることに変更はないものの、リクルートファンド及びその親会社との協議・交渉状況を踏まえ、リクルートファンドにて生じる税務メリットに係る計算の詳細を更新したことに伴い、本自己株式取得による税務メリットが従前の試算より拡大したことで、1月11日付価格提案書における本公開買付価格及び自己株式取得価格の提案に対し、かかる税務メリットの拡大分を上乗せすることが可能になったことを理由として、本公開買付価格を4,380円(本公開買付価格4,380円は、提案日前営業日である1月24日の終値1,985円に対して120.65%、過去1ヶ月間の終値平均値1,912円に対して129.08%、過去3ヶ月間の終値平均値1,981円に対して121.10%、過去6ヶ月間の終値平均値1,959円に対して123.58%のプレミアムを付した金額となります。)、本自己株式取得価格を3,504円とする旨の価格提案を受領いたしました。これに対して、当社は、森・濱田松本法律事務所及びSMBC日興証券の助言並び本特別委員会からの意見も参考に慎重に協議を行ったところ、本公開買付価格を4,380円は、当社の成長ポテンシャルを加味した本源的価値を最大限評価した結果として提案した価格4,355円に、リクルートファンドとの協議・交渉状況を踏まえた税務メリットに係る計算の詳細を更新したことに伴う税務メリット拡大分を上乗せいただいた価格であることを踏まえ、同年1月30日、カーライルに対して、これを応諾するとの回答をいたしました。

 

 その後、当社は、2025年2月13日付で第三者算定機関であるSMBC日興証券より当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)を取得し、また、本特別委員会から同日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております。本株式価値算定書の概要については、下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。また、本答申書の概要については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。

 

 その上で、当社取締役会は、森・濱田松本法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言及び本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引における諸条件は妥当なものであるか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。

 その結果、当社は、以下の観点から、本取引は当社の企業価値向上に資するものであると認識しております。

 

a.M&A戦略の構築・実行支援

 当社の企業価値向上に向けた開発投資戦略において、自社開発に固執すると開発の長期化や不確実性などにより、市場の成長機会を捉えたサービス展開ができなくなるおそれがあるため、当社は、M&Aの活用が当社の企業価値向上に向けた開発投資戦略において有力な選択肢となり得ると考えております。

 一方で、当社が積極的にM&Aを実施する場合には、資金調達及び株主資本の充実のためのエクイティ・ファイナンスの必要性が高まりますが、M&Aはインサイダー取引規制上の重要事実に該当するため、当該ファイナンスを検討できる期間が限定され、株価水準や株式市場の環境にも左右されるため、当社がM&Aを積極化するほど機動的な資金調達が困難になると考えております。本取引により当社株式を非公開化することで、積極的にマルチプロダクト化に向けたM&Aの検討が可能になることに加えて、カーライルの知見を活用したM&A戦略の立案、交渉、DD、PMI、並びにカーライルによる機動的な資金調達も可能になると考えております。

 

b.中長期目線の事業戦略の実行及びSaaS・ソフトウエア領域におけるグローバルのネットワーク・知見の提供

 マルチプロダクト戦略によって、異なる顧客層や市場にアプローチすることが可能となり、各プロダクトが顧客ニーズに合わせて相互補完的に機能することで、収益を多角化し、競争力を高めることが期待されると考えます。

 しかしながら、新しいプロダクトの展開には、開発費や人件費、マーケティング費用などの先行投資が必要となり、当社が上場を継続する限りは機動的な投資判断が困難であるものの、カーライルの主導による非公開化を実施することで、機動的な投資判断を実施することが可能になることに加えて、カーライルの知見を活用することで、投資判断を実施するためのKPI管理を深化させることが可能になると考えております。

 また、カーライルはグローバルのSaaS・ソフトウエア領域において知見やネットワークを有しており、当社の国内における事業基盤の強化のみならず中長期的なグローバル経営の加速において、それらを活用できることが期待できます。

 

c.人材組織強化支援

 主力事業のタレントマネジメントシステムにおいて競争環境が激化する中、当社グループを拡大しながらも高い競争力・成長力を維持するためには、成長を支える優秀な人材の確保や、組織体制の強化が必要不可欠と考えております。カーライルのネットワークを活用し、優秀な人材の獲得支援を受けることにより、中長期的な競争力・収益力の拡大を実現しうる組織体制の構築が期待できます。

 加えて、カーライルの主導による非公開化を実施し、カーライルの知見を活用することで、適切かつ柔軟なストック・オプション等のインセンティブ・プランの導入など、当社を成長に導く仕組みの構築が可能と考えております。インセンティブ・プラン制度を導入することで、所有と経営の一致率が高まり、株主目線を持ち、全社的かつ長期的な企業価値向上を目指す役職員が増加し、優秀な人材の採用・リテンションの強化にもつながるため、より強固な経営体制の構築と、スピード感をもって全社で経営課題に取り組むことが可能となり、当社の中長期的な企業価値の向上が期待できます。

 

 なお、当社株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優秀な人材の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、当社の事業の特性として、キャッシュ・フローが潤沢に創出されるビジネスであることに加えて、新規事業における機能開発のための開発投資やマーケティング投資後は利益を創出する段階となり、十分な借入余力が生まれると考えております。また、M&Aなどで一時的に大きな資金ニーズが発生した場合は、状況に応じてカーライルによる追加投資で対応することを想定しております。また、当社が非公開化することにより、人材確保及び取引先に対する信用力に影響が生じることは考え得るものの、当社がこれまで培ってきたブランド力・知名度により、当社の非公開化が人材確保及び取引先に対する信用力に与える影響は限定的と考えられ、更に、カーライルの主導による非公開化を実施することで、新たなストック・オプションを中心としたインセンティブ・プランの導入を含む人材組織強化支援の実施により、従業員のモチベーション維持・人材確保は可能であると考えられ、中長期的な競争力・収益力の拡大を実現しうる組織体制の構築が期待できます。そのため、当社における株式の非公開化に伴うデメリットは限定的と考えられ、上記a~cに記載の当社株式の非公開化のメリットは、上記デメリットを上回ると判断しました。

 また、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、業界内の競争が激化している現状に鑑みると、当社グループの経営課題の解決のための取り組みを先延ばしすれば、当社グループの中長期的な競争力・収益力の低下につながるおそれがあると考えており、今般、本取引を通じて当社が公開買付者の完全子会社となり、カーライルの保有するリソースを戦略的かつ機動的に活用し、上記a~cに記載のメリットを早期に実現することこそが当社の企業価値向上に資すると判断しております。

 以上より、当社取締役会は、2025年2月13日、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社グループの企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。

 

 また、本公開買付価格については、(ⅰ)下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているSMBC日興証券による当社株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回るものであり、また、類似上場会社比較法に基づく算定結果のレンジを上回るものであり、さらに、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内かつ中央値を上回っていること、(ⅱ)本公開買付価格である4,380円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年2月12日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値の1,989円に対して120.21%(小数点以下第三位以下四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、過去1ヶ月間(2025年1月14日から2025年2月12日まで)の終値の単純平均値1,953円(小数点以下四捨五入。以下終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して124.27%、過去3ヶ月間(2024年11月13日から2025年2月12日まで)の終値の単純平均値1,902円に対して130.28%、過去6ヶ月間(2024年8月13日から2025年2月12日まで)の終値の単純平均値2,001円に対して118.89%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっていること、(ⅲ)本公開買付価格が、本公開買付けの公正性を担保するための措置を講じられた上で、当社と公開買付者の間で真摯に交渉を重ねた上で決定された価格であること、具体的には、SMBC日興証券による当社株式の株式価値の算定結果の内容や森・濱田松本法律事務所による本取引に関する意思決定の過程及び方法その他の留意点についての法的助言等を踏まえ、かつ、本特別委員会による意見、支持、要請等に基づいて当社とカーライルの間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた結果として、決定された価格であること、(ⅳ)当社における独立した本特別委員会から取得した本答申書において、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断されていること、(ⅴ)下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られており、一般株主の利益への配慮がなされていると認められることを踏まえ、当社取締役会は、2025年2月13日、本取引について、本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

 

 以上より、当社は、2025年2月13日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。また、本新株予約権については、本新株予約権買付価格が1円とされていることから、本新株予約権に関して本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることといたしました。

 当該取締役会の意思決定過程の詳細については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」をご参照ください。

 

(3)算定に関する事項

① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

 当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うに当たり、当社、大株主グループ及び公開買付者らから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券に対して、当社株式の価値の算定を依頼し、2025年2月13日付で本株式価値算定書を取得しております。

 また、SMBC日興証券は、当社、大株主グループ及び公開買付者らの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は、SMBC日興証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。

 なお、SMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会において、SMBC日興証券の独立性に問題ないことが確認されております。

 

(ⅱ)算定の概要

 SMBC日興証券は、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所グロース市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似上場会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、2025年2月13日付でSMBC日興証券より本株式価値算定書を取得いたしました。

 上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価法    :1,902円から2,001円

類似上場会社比較法:978円から1,242円

DCF法       :2,733円から4,501円

 

 市場株価法では、2025年2月12日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所グロース市場における基準日の終値1,989円、直近1ヶ月間の終値単純平均株価1,953円、直近3ヶ月間の終値単純平均株価1,902円及び直近6ヶ月間の終値単純平均株価2,001円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,902円~2,001円と算定しております。

 類似上場会社比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として株式会社プラスアルファ・コンサルティング、株式会社チームスピリット及び株式会社ヒューマンテクノロジーズを選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算出を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を978円~1,242円と算定しております。

 DCF法では、本事業計画を基に、2025年3月期から2028年3月期までの4期分の事業計画における収益や投資計画等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第3四半期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を2,733円~4,501円と分析しております。

 なお、本事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年3月期は新規プロダクトのリリースに伴う開発投資やマーケティング投資、人材採用を織り込んでいるため、フリー・キャッシュ・フローは前年度に比べて減少する見込みであるものの、2026年3月期以降は既存事業であるタレントマネジメントシステム事業の増益に加えて、新規プロダクトに係る事業の利益率の改善に伴い、営業利益は2027年3月期で前期比約88%、2028年3月期で前期比約134%、フリー・キャッシュ・フローは2027年3月期で前期比約63%、2028年3月期で前期比約53%の大幅な増加を見込んでおります。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、本事業計画には加味しておりません。

 

(注) SMBC日興証券は、本株式価値算定書(SMBC日興証券)の作成にあたり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につき当社において一切認識されていないことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。さらに、当社及びその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本株式価値算定書(SMBC日興証券)に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。SMBC日興証券が、本株式価値算定書(SMBC日興証券)で使用している本事業計画等は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、当社により合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、本株式価値算定書(SMBC日興証券)において、SMBC日興証券が提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。SMBC日興証券は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。なお、SMBC日興証券の算定結果は、SMBC日興証券が当社の依頼により、当社取締役会が本公開買付価格を検討するための参考に資することを唯一の目的として当社に提出したものであり、当該算定結果は、SMBC日興証券が本公開買付価格の公正性について意見を表明するものではありません。

 

(ⅲ)本新株予約権に係る算定の概要

 本新株予約権の買付価格が1円とされていることから、当社は、本新株予約権の買付価格について第三者算定機関から算定書又は意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

② 公開買付者における算定方法

(ⅰ)普通株式

 カーライルは、本公開買付価格を決定するに際して、当社が開示した財務情報等の資料、当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえ、当社の事業及び財務状況を多面的かつ総合的に分析したとのことです。また、カーライルは、当社株式が金融商品取引所を通じて取引されていることに鑑みて、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月12日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値(1,989円)、同日までの過去1ヶ月(2025年1月14日から2025年2月12日まで)、同日までの過去3ヶ月(2024年11月13日から2025年2月12日まで)及び同日までの過去6ヶ月(2024年8月13日から2025年2月12日まで)の終値単純平均値(それぞれ、1,953円、1,902円、及び2,001円)の推移を参考したとのことです。さらに、当社との協議・交渉の結果、企業価値向上の施策、経営及び事業運営の計画、当社の直近の業績、当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社株式の市場株価の動向、経済情勢、当社の取締役会及び本特別委員会による本公開買付けへの賛同及び当社株主の皆様への応募推奨の可否、並びに当社株主の皆様の本公開買付けへの応募の見通しを考慮し、最終的に2025年2月13日に本公開買付価格を4,380円とすることを決定したとのことです。

 

 本公開買付価格4,380円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月12日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値1,989円に対して120.21%、同日までの過去1ヶ月間(2025年1月14日から2025年2月12日まで)の終値単純平均値1,953円に対して124.27%、同日までの過去3ヶ月間(2024年11月13日から2025年2月12日まで)の終値単純平均値1,902円に対して130.28%、同日までの過去6ヶ月間(2024年8月13日から2025年2月12日まで)の終値単純平均値2,001円に対して118.89%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。

 

 なお、カーライルは、上記の諸要素を総合的に考慮しつつ、当社との協議・交渉を踏まえて本公開買付価格を決定したため、第三者算定機関からの株式価値算定書を取得していないとのことです。

 

(ⅱ)本新株予約権

 本新株予約権は、その権利行使時点において、当社グループの取締役、執行役員、監査役又は使用人その他これに準ずる地位にあることが権利行使条件として定められており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解されることから、カーライルは、2025年2月13日に、本新株予約権買付価格をいずれも1円とすることを決定したとのことです。

 

(4)上場廃止となる見込み及びその事由

 当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所グロース市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。

 また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実行された場合には、東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所グロース市場において取引することはできません。

 

(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

 公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社を最終的に公開買付者の完全子会社とする方針であり、本公開買付けにおいて、公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及び本売却予定株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、当社において以下の手続を実施し、当社の株主を公開買付者及びリクルートファンドのみとするための一連の手続を実施することを予定しているとのことです。

 

 具体的には、本公開買付けの成立後、公開買付者は、本株式併合及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を速やかに開催することを当社に要請する予定であり、公開買付者及びリクルートファンドは、本臨時株主総会において当該議案に賛成する予定とのことです。

 本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する当社株式を公開買付者又は当社に売却することによって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、端数が生じた当社の株主の皆様に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式のうち1株に満たない端数となった当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者及びリクルートファンドが当社の発行済株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(当社及びリクルートファンドを除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう当社に要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。

 本株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合がなされた場合であって、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(当社及びリクルートファンドを除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、当該申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

 上記手続については、関係法令の改正、施行、当局の解釈等の状況、本公開買付け後の公開買付者及びリクルートファンドの株券等所有割合、並びに公開買付者及びリクルートファンド以外の株主の当社株式の所有状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。この場合においても、本株式併合後に行われる予定である本自己株式取得によって、最終的に当社を公開買付者の完全子会社とする方針であることは、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおりです。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の各株主の皆様(当社及びリクルートファンドを除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定とのことです。もっとも、本株式併合についての株式買取請求に関する価格の決定の申立てがなされた場合においては、株式買取請求に関する価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 本臨時株主総会を開催する場合、2025年5月下旬~6月上旬(予定)を目途に開催される予定とのことですが、その具体的な手続及び実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表します。なお、当社においては2025年6月下旬に定時株主総会を開催予定ですが、当該定時株主総会に先立って、本臨時株主総会を実施することを予定しているとのことです。

 また、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に、本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実践することを要請する予定とのことです。なお、当社は、当該要請を受けた場合には、これに協力する意向です。

 なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。また、本公開買付けへの応募又は上記の手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

 本書提出日現在において、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは、支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当いたしません。もっとも、公開買付者が、当社の大株主であり代表取締役である柳橋氏(所有株式数:3,038,409株、所有割合:25.44%)及びその資産管理会社である柳橋事務所(所有株式数:300,000株、所有割合:2.51%)との間で、本応募契約を締結していること、及びリクルートファンド(所有株式数:2,460,000株、所有割合:20.60%)との間で、本不応募契約を締結していること、本公開買付けは当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的の一環として実施されることから、大株主グループと大株主グループ以外の当社の株主の皆様との利益が一致しない可能性があることを考慮し、公開買付者及び当社は、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性及び透明性を担保するため、それぞれ以下の措置を講じております。

 なお、公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社の筆頭株主である柳橋氏が当社株式3,038,409株(所有割合:25.44%)を所有しているところ、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立が不安定なものとなり、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりません。もっとも、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。

 

① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ)設置等の経緯

 当社は、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、本取引の検討プロセスに関する当社の意思決定の恣意性を排除し、本取引の是非や取引条件の妥当性等についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、2024年11月13日開催の取締役会において、特別委員会の委員の候補となる当社の社外取締役について、公開買付者ら、大株主グループ及び当社との間で利害関係を有しておらず、また本取引の成否に関して一般株主とは異なる重要な利害関係を有していないことに加え、委員としての適格性を有することを確認した上で、当社の独立社外取締役であり、コーポレートガバナンス及びコーポレートファイナンスに関する専門的な見識を有している崔真淑氏、当社の独立社外取締役であり、税理士及び企業経営者としての豊富な経験と専門的な見識を有している山田啓之氏、及び、当社の独立社外取締役であり弁護士として豊富な経験と専門的な見識を有している生田美弥子氏の3名から構成される本特別委員会を設置いたしました(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。また、本特別委員会は、互選により、本特別委員会の委員長として、崔真淑氏を選定しております。なお、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 当社取締役会は、本特別委員会設置の決定に際し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、当社取締役会に勧告を行うこと、(ⅱ)当社取締役会における本取引についての決定が、当社の一般株主(少数株主)(注)にとって不利益なものでないかを検討し、当社取締役会に意見を述べること、また、(ⅰ)の検討に際しては、①当社の企業価値の向上に資するかという観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、②当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性(本取引のために講じられた公正性担保措置の内容を含む。)について検討・判断するものとすること(以下これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問し、これらの点についての答申を当社に提出することを嘱託いたしました。さらに、当社は、上記の取締役会において、当社取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、取締役会は本取引の実施を承認しない(本公開買付けに賛同しないことを含みます。)こととすることを決定するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社が買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与すること(必要に応じて、買付者との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら買付者と交渉を行うことを含む。)、(ⅱ)必要に応じ、自らの財務若しくは法務等に関するアドバイザーを選任し、又は、当社の財務又は法務等に関するアドバイザーを指名し又は承認(事後承認を含む。)すること、(ⅲ)特別委員会が必要と認める者に特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めること、(ⅳ)事業計画の内容及び作成の前提に係る情報を含め、当社の役職員から本取引に関する検討及び判断に必要な情報を受領すること、及び(ⅴ)その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と特別委員会が認める事項を実施することに係る権限を付与する旨を決定いたしました。また、2024年11月22日、本特別委員会は、当社が選任したリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所、ファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認し、それぞれ当社のアドバイザーとして承認いたしました。

(注) 当社は、本プレスリリースにおいて、一般株主(少数株主)を東京証券取引所が定める有価証券上場規程第441条の2に定める少数株主を包含する概念として使用しております。

 

(ⅱ)検討の結果

 本特別委員会は、2024年11月22日より2025年2月10日までの間に合計9回、合計約9時間に亘って開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度、電子メールや電話、Web会議等を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行っております。

 具体的には、本特別委員会は、2024年11月22日、その独立性の程度、専門性及び実績等に問題がないことを確認の上、森・濱田松本法律事務所を当社のリーガル・アドバイザーとし、SMBC日興証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任することについて承認しております。さらに、本特別委員会は、当社より、大株主グループ及びカーライルから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務(当社の株式価値の評価の基礎となる事業計画の作成など高い独立性が求められる職務を含みます。)を含みます。)を当社の社内に構築した旨報告を受け、本特別委員会は当社内の検討体制に独立性の観点から問題がないことについて承認しました。

 その上で、本特別委員会は、本諮問事項の検討に当たり、当社から、本取引の経緯、当社の事業内容・事業環境、業績推移、主要な経営課題、本取引により当社の事業に対して想定されるメリット・デメリット等について説明を受け、質疑応答を行いました。また、カーライルに対して、本取引を提案するに至った検討過程、本取引後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の影響の内容及び程度、並びに本取引後に予定している当社の経営方針等について書面による質問状を送付し、これらの事項に対し書面での回答を受領するとともに、本取引を提案するに至った経緯及び本取引の意義・目的等に関する説明をカーライルから直接受け、質疑応答を行いました。

 また、本特別委員会は、カーライルとの交渉の基礎となり、また、SMBC日興証券による当社株式の価値評価の基礎ともなる本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について、当社執行部から説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの合理性を確認し、承認しております。その上で、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、SMBC日興証券は、本事業計画の内容を前提として当社株式の価値算定を実施しており、本特別委員会は、別途SMBC日興証券から、当社株式の株式価値の算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件、当社株式の株価推移及び出来高分析、最近の同種事例におけるプレミアムの水準等について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。

 加えて、本特別委員会は、当社より、当社とカーライルとの間の公開買付価格を含む本取引の取引条件に係る交渉状況の説明を適時に受け、質疑応答を行いました。また、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行いました。

 また、本特別委員会は、2025年1月11日に当社がカーライルから公開買付価格の提案を受領して以降、当社がカーライルから公開買付価格についての提案を受領する都度、SMBC日興証券による当社の株式価値の試算結果等の説明を受け、質疑応答を行うとともに、SMBC日興証券の財務的観点からの助言及び森・濱田松本法律事務所の法的観点からの助言を踏まえて検討し、カーライルに対して複数回にわたり、価格の引上げを要請するとともに、カーライルの価格提案の前提等につき確認を求めるなどして、カーライルとの交渉過程に実質的に関与しました。

 本特別委員会は、本プレスリリース等のドラフトについて、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所及び当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券から説明を受け、質疑応答を行い、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。

 

(ⅲ)判断内容

 本特別委員会は、上記の協議及び検討の内容を踏まえ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行った結果、2025年2月13日に、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。

 

ⅰ 答申内容

(a)当社取締役会は、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し本公開買付けへの応募を推奨すること及び本新株予約権の所有者に対し本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権の所有者の判断に委ねることを決議するべきであると考える。

(b)当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに当社の株主に対し本公開買付けへの応募を推奨すること及び本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権の所有者の判断に委ねることを決議することは、当社の一般株主(少数株主)にとって不利益なものではないと考える。また、本公開買付けが成立した後における公開買付者による当社の非公開化及び完全子会社化に係る取引は、当社の一般株主(少数株主)にとって不利益なものではないと考える。

 

ⅱ 答申理由

(a)本諮問事項①(本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、当社取締役会に勧告するか)

ア 当社の企業価値の向上に資するか否か

(ア)当社を取り巻く事業環境及び当社の経営課題

・上記「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」記載の当社を取り巻く事業環境及び当社の経営課題に関して、本特別委員会としても同様の認識を有している。

・上記の経営課題は、HRテクノロジー領域におけるニーズの高まり及び当社グループとして市場開拓の余地が認められること並びに競争の激化など、一過性とはいえない中長期的な事象を内容としており、その対応においては、抜本的かつ実効的な施策を迅速に遂行していくことが急務であると認められる。

・当社は、中期経営方針を策定し、継続的なARRの成長に向けた施策に関する取り組みを推進しているが、上記のような激化する競争環境やそれに伴う抜本的かつ実効的な経営改革の必要性を踏まえると、当社単体で上場を維持したまま、かかる改革に取り組むための実行力は必ずしも十分とはいえない。

(イ)本取引のシナジーその他のメリット

・上記「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」記載のカーライルの認識は、当社の現在の事業環境及び経営課題を踏まえたものであり、カーライルの日本国内外における過去の投資実績に基づけば、当社に対して実際にこれらの支援を実行することができると考えることは合理性があり、当委員会から見ても合理的と認められる。

・上記「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」記載の当社が本取引を通じて創出することが可能と考えているシナジー及びメリットは、いずれも本取引によるカーライルとの協働を通じて創出することが可能であると合理的に考えられるものである。

・さらに、当社の経営課題を解決し、さらなる企業価値向上を実現するためには、当社の事業を深く理解した外部の経営資源を活用することも重要であると考えており、カーライルの過去の投資実績及び豊富な経験を踏まえれば、本取引においてカーライルをパートナーとして選択することにより、当社のステークホルダーに対してメリットを提供することができると考えられる。

・また、本取引の実施時期について、競争環境が激化している当社の事業環境において、早期の抜本的な経営課題の改革が迫られているところ、マルチプロダクト戦略の推進に向けて当社が2024年にリリースした2つの新規プロダクトの継続的な機能開発やマーケティング投資の必要性を踏まえれば、この時期に本取引を実施することは当社が認識している各経営課題に対する実効的な経営改革に資すると考えられる。

・このように、カーライルが想定する各施策は具体的な実現可能性が認められ、本取引によって、当社は経営課題に関する改革に資する各施策を、早期かつ着実に実行できるようになることが期待される。

(ウ)本取引のデメリット

・上場廃止に伴い、(ⅰ)株式市場へのアクセスを通じた資金調達が困難になり、また、(ⅱ)非公開化により上場会社というステータスを失うことにより、取引先に対する信用力の低下や従業員のモチベーション維持・人材確保が困難となる可能性があり、また、(ⅲ)リクルートファンドと資本関係が外れることの影響が生じる可能性がある。もっとも、(ⅰ)については、当社の事業の特性やカーライルによる追加投資が期待できることに鑑みれば、非公開化後も、かかるデメリットによる影響は僅少であると考えている。また、(ⅱ)については、当社がこれまでの事業運営によって積み重ねてきた知名度・信用は上場廃止によって直ちに失われるものではなく、カーライルによる人材組織強化支援の実施により、従業員のモチベーション維持・人材確保は可能であると考えられることから、かかるデメリットによる影響も僅少であると考えている。また、(ⅲ)については、カーライルは、当社とリクルートファンドとの間で既存の資本関係を前提とした契約は存在しないことから、リクルートファンドとの資本関係が外れたとしても悪影響は想定されない旨を当社に確認できたとのことである。

・以上を踏まえれば、本取引のデメリットは限定的であり、生じる可能性があるデメリットについても当社として必要な対応を実施することを予定していると認められる。

(エ)代替手段の可能性

・上記で述べた本取引によるシナジー等について、当社が上場を維持しつつ経営課題に関する施策を実施することも理論上は考えられるが、上記経営課題に関する改革に資する各施策を実行することは、中長期的に見れば当社グループの企業価値向上に資するものであったとしても、それらの施策が必ずしも早期に当社の利益に貢献するものではないことに加え、それらの施策の実施により短期的なキャッシュ・フローや収益の悪化を招くおそれがあることが懸念される。当社が上場維持を前提としてこれらの施策を実施すれば当社グループの本源的な成長を達成するための戦略と資本市場からの期待に乖離が生じて、必ずしも十分な評価を得ることができず、当社の株価に悪影響を及ぼし、既存株主に不利益を与える可能性も否定できない。

・以上からすると、当社の企業価値向上の観点において、本取引に優る有効な代替手段が存在すると認めるに足る事情は見当たらない。

(オ)小括

・以上を踏まえると、本取引の目的に関する当社の認識は、本特別委員会としても合理的と考えるものであり、本取引は当社グループ全体の企業価値の向上に資するものと認められ、本取引の目的は合理性を有すると認められる。

 

イ 取引条件の妥当性

(ア)独立した第三者算定機関による株式価値算定の結果

・当社、大株主グループ及び公開買付者らから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券の本株式価値算定書において、市場株価法、類似上場会社比較法及びDCF法が算定方法として用いられているが、各算定方法による算定の前提やその内容に不合理な点は認められない。

・DCF法の算定の基礎となっている当社の本事業計画は、2024年9月修正予算策定時における事業計画をベースに、進行期の状況を踏まえた数値の精緻化及び2027年度の数値の追加等を反映し、調整を行ったものである。かかる事業計画案については、利益相反のおそれがないカーライル及び大株主グループから独立した者による主導の下で作成されているなど、構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれが合理的に排除されていることが認められる。また、本事業計画は、当社が従前から策定している2024年9月修正予算策定時における事業計画をベースに作成された客観性・合理性のあるものといえ、2024年9月修正予算策定時における事業計画との差異についても、上記のとおり直近の事業環境を反映したものであり、特段不合理な点は見当たらない。

・上記のとおり、SMBC日興証券作成の本株式価値算定書における市場株価法、類似上場会社比較法及びDCF法には、特段不合理な点は認められず、本株式価値算定書における当社株式の株式価値評価に照らし、本公開買付価格は、市場株価法及び類似上場会社比較法により算定された価格帯の上限値を上回っており、さらにDCF法により算定された価格帯の範囲内にあり、かつ中央値を上回っている。このように、本公開買付価格が、本株式価値算定書における算定結果の上限値を超え、又は算定結果の範囲の中央値を上回るものであることは、本公開買付価格の妥当性を裏付ける要素と評価することができる。

(イ)当社株式の市場価格に対するプレミアム

・本公開買付価格は、本取引の公表日の前営業日である2025年2月12日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値1,989円に対して120.21%が加算されているところ、近時の他の公開買付け事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日から2024年11月30日に公表され、公開買付けが成立した日本国内の事例349件)におけるプレミアムの中央値(公表日の前営業日の終値に対して36.5%、公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.4%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して39.8%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して39.9%)と比較して高い水準になっていると認められる。

(ウ)交渉過程・価格決定プロセス

・本特別委員会は、SMBC日興証券の財務的観点からの助言及び森・濱田松本法律事務所の法的観点からの助言を踏まえて検討し、カーライルに対して複数回にわたり、価格の引上げを要請するとともに、カーライルの価格提案の前提等につき確認を求めた。

・本取引は、本件プロセスで意向表明したパートナー候補のうち高値を提示したカーライルとの取引であり、またカーライルは本件プロセスで提示した価格を上回る本公開買付価格(1株当たり4,380円)を最終的に提示するに至った。加えて、本特別委員会がカーライルの価格提案を踏まえて確認した事項において不合理と認められる点は確認されなかった。

・以上を踏まえれば、本公開買付価格については、本件プロセスを通した公正な交渉過程の結果によるものと評価できる。

(エ)取引の方法の合理性

・当社が、公開買付者から提案されている、現金を対価とする公開買付け及びその後の株式併合の方法による二段階買収という方法は、この種の非公開化取引においては一般的に採用されている方法であり、かつ、株式併合については、一般株主が本公開買付け又は本公開買付けの成立後に行われる当社株式の併合のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されていることが公表される予定であること、本公開買付けの公表から本公開買付けの終了まで長期間が確保されていること、当社株主においては株式買取請求後の価格決定の申立てを行うことにより株式の価格を争うことが可能である。

・また、公開買付者は、本株式併合の効力発生を条件として、本増資及び本減資を実施し、その後、本売却予定株式を対象として、本自己株式取得を実施する予定であるところ、かかる方法は、法人大株主が存在する上場会社の非公開化取引においては採用されることが少なくない方法であり、自己株式取得価格と公開買付価格に差異を設けることで、公開買付価格の引き上げにもつながり、一般株主の利益に資する可能性もある方法といえる。また、本自己株式取得価格は、本公開買付価格との対比において、リクルートファンドが当社株式の対価として一般株主を上回る経済的利益を得るものではないと評価できる。

・よって、本取引の方法に不合理な点は認められない。

(オ)本新株予約権買付価格の妥当性

・本新株予約権は、その権利行使時点において、当社グループの取締役、執行役員、監査役又は使用人その他これに準ずる地位にあることが権利行使条件として定められており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができない。そのため、本新株予約権買付価格を1円としても、本新株予約権者にとって必ずしも不利益とはいえず、本新株予約権買付価格は不合理とはいえず、また、算定書及びフェアネス・オピニオンを取得しないことも不合理とはいえない。

(カ)小括

・以上を踏まえると、当社の一般株主の利益を図る観点から、本取引の取引条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性は確保されていると考えられる。

 

ウ 手続の公正性

 本特別委員会は、以下のとおり、本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているものと考える。

・当社において本特別委員会が設置されているところ、当社取締役会が、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して意思決定を行う仕組みが担保されており、また、本特別委員会が有効に機能するために必要な権限等が付与され、それを基にカーライルとの交渉が実施されたものと認められる。

・当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社、大株主グループ並びに公開買付者らから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、SMBC日興証券に当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月13日付で本株式価値算定書を取得している。

・当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、当社、大株主グループ並びに公開買付者らから独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けている。

・当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含む。)は、森・濱田松本法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて確認の上、本特別委員会の承認を得ており、当社における独立した社内検討体制は、適切に構築されており、また、有効に機能していたものと評価できる。

・当社の取締役のうち、当社の代表取締役である柳橋氏については、当社の筆頭株主であるところ、大株主グループ以外の当社の株主との利益が一致しない可能性があることを考慮し、また、当社の取締役である小林傑氏については、カーライルの投資先のグループ会社の代表取締役を務めていることを踏まえ、利益相反のおそれを回避する観点より、取締役会における審議及び決議には参加しておらず、また当社の立場において、本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉に参加していない。

・当社における本取引の検討にあたり、本件プロセスが実施され、本件プロセスに基づく一定の競争状態において、他の買付候補者との比較を通じて選定するという過程を経たものであり、本件プロセスを実施することで、当社の主導により合理的な競争環境を作出したものと評価できる。また、その選定においても、提案価格が最も高く、かつ本取引実施後の経営方針、想定される当社とのシナジー効果、及びその支援施策等の観点を踏まえてカーライルを選定しており、その過程に不合理な点は見受けられない。したがって、本件プロセスが本取引に係る手続の公正性に資するものと認められる。

・公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間である20営業日よりも長い30営業日に設定することにより、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断の機会を確保しているとのことである。また、公開買付者と当社は、当社が公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」という。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っていないとのことであり、このように、公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付け等の機会等が確保されていると認められる。

・公開買付者は、本公開買付けにおいて、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件に相当する下限を設定しない予定とのことである。もっとも、本取引では充実した公正性担保措置が取られ、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると評価できることを踏まえれば、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定を行っていなくとも、本取引の公正性が否定されるものではないと考えられる。

・当社及び公開買付者は、それぞれのリーガル・アドバイザーからの助言を得て適切な情報開示を行う予定である。

・本取引については強圧性の問題が生じないように配慮の上、スクイーズアウト手続の適法性も確保されているといえる。

・以上の点に加え、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程において、当社が公開買付者より不当な影響を受けたことを推認させる事実は認められない。

・以上の点を検討の上、本特別委員会は、本取引に係る取引条件の公正性を担保するための手続として十分な公正性担保措置が実施されており、当社の一般株主の利益を図る観点から、本取引の手続には公正性が認められると考える。

 

エ 結論

 当社取締役会は、本公開買付けに関して、現時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議するべきであると考える。なお、本新株予約権の所有者に対し本新株予約権に関して本公開買付けに応募するか否かについては本新株予約権の所有者の判断に委ねることを決議すべきである。

 

(b)本諮問事項②(当社取締役会における本取引についての決定が、当社の一般株主(少数株主)にとって不利益なものでないか)

 本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性も認められる。したがって、当社取締役会において、本公開買付けに関して、現時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議すること、また、本新株予約権の所有者に対し、本公開買付けに応募するか否かは本新株予約権の所有者の判断に委ねることを決議することは、当社の一般株主(少数株主)にとって不利益なものではないと考える。

 また、本公開買付けが成立した後における公開買付者による当社の非公開化及び当社の完全子会社化は、当社の一般株主(少数株主)にとって不利益なものではないと考える。

 

② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社、大株主グループ及び公開買付者らから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券に対して、当社株式の価値算定を依頼し、2025年2月13日付で、本株式価値算定書を取得しました。

 また、SMBC日興証券は、当社、大株主グループ及び公開買付者らの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は、SMBC日興証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。

 なお、SMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会において、SMBC日興証券の独立性に問題ないことが確認されております。

 本株式価値算定書の概要は、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

 

③ 当社における独立した法律事務所からの助言

 当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、本公開買付け及びその後の一連の手続に対する当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、森・濱田松本法律事務所は、当社、大株主グループ及び公開買付者らから独立しており、当社及び公開買付者との間に重要な利害関係を有しておりません。また、森・濱田松本法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。

 

④ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認

 当社は、森・濱田松本法律事務所から得た法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言、本株式価値算定書の内容、本特別委員会から入手した本答申書の内容、カーライルとの間で実施した複数回に亘る継続的な協議の内容及びその他の関連資料を踏まえ、公開買付者による本公開買付けに関する諸条件の内容について慎重に協議・検討を行った結果、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、取締役7名(監査等委員である者を含みます。)のうち、柳橋氏及び小林氏を除く審議及び決議に参加した5名の取締役全員の一致により、2025年2月13日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨すること、及び、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議しております。

 なお、当社の代表取締役である柳橋氏については、当社の筆頭株主(所有株式数:3,338,409株、所有割合:27.95%(柳橋氏の資産管理会社である柳橋事務所が保有する株式数を含む。))であるところ、大株主グループ以外の当社の株主の皆様との利益が一致しない可能性があることを考慮し、また、当社の取締役である小林氏については、カーライルの投資先のグループ会社の代表取締役を務めていることを踏まえ、利益相反のおそれを回避する観点より、取締役会における審議及び決議には参加しておらず、また当社の立場において、本取引に関する検討並びにカーライルとの協議及び交渉に参加しておりません。

 

⑤ 当社における独立した検討体制の構築

 当社は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、大株主グループ及び公開買付者らから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制((当社の株式価値の評価の基礎となる事業計画の作成など高い独立性が求められる職務を含みます。以下同じです。)を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、本取引に係る検討、交渉及び判断は、全て大株主グループ及び公開買付者らから独立した者が担当することとした上で、本取引に関する大株主グループ又は公開買付者らの検討、交渉及び判断に参加若しくは補助する者は検討体制に加わらないこととし、大株主グループ及び公開買付者らからの独立性の認められる役職員のみによる体制として、佐藤寛之取締役及び橋本公隆取締役を中心とする検討体制を構築し、本書提出日に至るまでかかる取扱いを継続しております。

 カーライルに対して提示し、かつ、SMBC日興証券が当社株式の株式価値の算定において基礎とする本事業計画は、必要に応じて、SMBC日興証券のサポートを得つつ、公開買付者らから独立した者による主導の下作成されており、その作成過程においても、本特別委員会に対して作成中の事業計画案の内容、重要な前提条件等について説明が行われるとともに、最終的な本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会の確認を受け、その承認を受けています。

 また、かかる取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制は、森・濱田松本法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。

 

⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置

 公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間である20営業日よりも長い30営業日に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断の機会を確保しているとのことです。また、公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っていないとのことです。このように、公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付け等の機会等が確保されていることを確認しており、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。

 

(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

① 本不応募契約

 本公開買付けに際して、公開買付者は、2025年2月13日付で、当社の主要株主であるリクルートファンドとの間で、本取引に係る諸条件に合意し、かかる諸条件について定めた本不応募契約を締結しているとのことです。

 本不応募契約において、リクルートファンドは、①本売却予定株式について本公開買付けに応募しないこと、②本公開買付けの決済開始日後、実務上可能な限り速やかに、当社をして、当社の株主をリクルートファンド及び公開買付者のみとすることを目的として、本株式併合の議案を目的とする臨時株主総会の開催を含む、本スクイーズアウトを実施させること、③自ら本スクイーズアウトに必要な一切の行為(本臨時株主総会における賛成の議決権の行使を含みます。)を行うことで、本スクイーズアウトを完了させること、④本売却予定株式の全てを、本自己株式取得を実施するために必要となる分配可能額が確保されていることを条件として本自己株式取得を通じて本自己株式取得価格で当社に譲渡すること、また、⑤本自己株式取得を実施するために必要となる分配可能額又は資金を確保するために必要である場合、当社による公開買付者に対する第三者割当ての方法による株式発行その他の措置を講じるとともに、当社の資本金及び準備金の額を、それぞれ、本自己株式取得を実施するために必要となる分配可能額を確保し、本自己株式取得を法令等に従い実施することができるために必要な金額となるよう減少させることに合意しているとのことです。

 さらに、本不応募契約において、リクルートファンドは、本公開買付けと実質的に矛盾若しくは抵触し、又は本公開買付けの実行若しくは成立を困難にするおそれのある取引(本売却予定株式の全部若しくは一部の譲渡、担保設定その他の処分及び当社の株式等の取得を含み、以下「抵触取引」といいます。)に関連する合意をし、抵触取引を開始若しくは実行し、又は抵触取引に応じてはならず、公開買付者以外の者に対し、抵触取引に関連して当社グループに関する情報その他の情報を提供してはならず、かつ、抵触取引の申込み若しくは申込みの勧誘又は抵触取引に関するいかなる協議若しくは交渉も行ってはならない旨を合意しているとのことです。ただし、リクルートファンドは、上記にかかわらず、(ⅰ)公開買付者以外の者が、本公開買付価格を5%以上上回る金額に相当する取得対価により当社の普通株式を取得する旨の法的拘束力のある申出(但し、当社普通株式の全部の取得を企図するものであることを要し、以下「適格対抗提案」といいます。)を公表した場合に、リクルートファンドが当該適格対抗提案に係る情報提供、協議又は交渉を行うこと、及び、(ⅱ)適格対抗提案が公表された場合において本不応募契約が解除された場合に、適格対抗提案に応じることも妨げられないこととされているとのことです。また、適格対抗提案が公表された場合であって、当該適格対抗提案に係る取引の実行の確度が高いとリクルートファンドが合理的に判断するときは、公開買付者に対して、本公開買付価格及び本自己株式取得価格の変更について協議を申し入れることができることとされており、(ⅰ)公開買付者が、かかる協議申入れを受けた日から起算して5営業日を経過する日又は公開買付期間の末日の前日までのいずれか早く到来する日までに、本自己株式取得価格を、適格対抗提案の買付価格を変更後の本公開買付価格とした場合の本調整差額(注1)を加算した価格以上となる金額に適法に変更せず、かつ、(ⅱ)リクルートファンドが本契約を解除しないことがリクルートファンドの業務執行社員の善管注意義務に違反するおそれがあるとリクルートファンドが合理的に判断する場合は、リクルートファンドは、本公開買付けの終了前に限り、損害賠償、違約金その他名目を問わず何らの金銭の支払いをすることなく、またその他何らの義務、負担又は条件を課されることなく、本不応募契約を解除することができること、ただし、本公開買付けが成立した場合はこの限りではなく、また、本公開買付け成立前に本不応募契約が解除されていた場合には、本公開買付けの成立をもって本不応募契約は将来に向かって再度その効力を生じるものとすることに合意しているとのことです。

(注1) 「本調整差額」とは、リクルートファンドが変更後の本公開買付価格を買付価格とする本公開買付けに本売却予定株式を応募した場合に、本売却予定株式の売却に関してリクルートファンドに生じる税効果の金額から、リクルートファンドが変更後の本自己株式取得価格を本売却予定株式1株当たりの対価額とする本自己株式取得により本売却予定株式を当社に売却した場合に、これに関してリクルートファンドに生じる税効果の金額を控除して、本株式併合の効力発生直前時における本売却予定株式の数で除して得られる金額とのことです。

 

 その他、本不応募契約においては、公開買付者が本公開買付けを開始する前提条件、かかる前提条件の充足を条件として公開買付者が本公開買付けを実施する義務、リクルートファンドの一定の義務(注2)、公開買付者及びリクルートファンドによる表明保証(注3、4)等を合意しているとのことです。

 なお、本不応募契約を除き、公開買付者とリクルートファンドの間で契約その他の合意はないとのことです。

(注2) 本不応募契約において、リクルートファンドは、大要、①本自己株式取得の完了までの間、当社の株主総会の招集請求権(会社法第297条)、議題提案権(会社法第303条第1項及び第2項)及び議案提案権(会社法第304条、同法第305条第1項)を行使しない義務、及び②本自己株式取得の完了までの間、本売却予定株式に係る議決権その他の一切の権利について、公開買付者の指示に従って行使し又は行使しない義務を負っているとのことです。

(注3) 本不応募契約において、リクルートファンドは、大要、(ⅰ)設立及び存続の有効性、(ⅱ)本不応募契約の締結に関する権利能力及び必要な手続の履践、(ⅲ)本不応募契約の強制執行可能性、(ⅳ)法令等との抵触の不存在、(ⅴ)反社会的勢力との関係の不存在、(ⅵ)倒産手続等の不存在、並びに(ⅷ)本売却予定株式の有効な所有等について表明及び保証を行っているとのことです。

(注4) 本不応募契約において、公開買付者は、大要、(ⅰ)設立及び存続の有効性、(ⅱ)本不応募契約の締結に関する権利能力及び必要な手続の履践、(ⅲ)本不応募契約の強制執行可能性、(ⅳ)法令等との抵触の不存在、(ⅴ)反社会的勢力との関係の不存在、並びに(ⅵ)倒産手続等の不存在について表明及び保証を行っているとのことです。

 

② 本応募契約

 上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」及び「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、2025年2月13日付で、本応募予定株主との間で、本応募契約を締結しているとのことです。

 本応募契約において、本応募予定株主は、一定の前提条件(注5)の充足を条件として(但し、本応募予定株主は、その裁量により、かかる前提条件の全部又は一部を放棄することができるものとしています。)、本公開買付けにおいて、本応募予定株主が保有する当社株式(合計所有株式数:3,338,409株、所有割合:27.95%)の全て(但し、本譲渡制限株式(柳橋氏)を除き、また、柳橋氏の保有する本担保付株式については、公開買付期間中に本担保が解除できた場合に限ります。)を本公開買付けに応募する旨合意しているとのことです。なお、本応募契約において、本応募予定株主は、本公開買付けと実質的に矛盾若しくは抵触し、又は本公開買付けの実行若しくは成立を困難にするおそれのある取引に関連する合意をし、かかる取引を開始若しくは実行し、又はかかる取引に応じてはならず、公開買付者以外の者に対し、かかる取引に関連して当社グループに関する情報その他の情報を提供してはならず、かつ、かかる取引の申込み若しくは申込みの勧誘又は抵触取引に関するいかなる協議若しくは交渉も行ってはならない旨を合意しているとのことです。ただし、本応募予定株主は、公開買付期間の末日までの間に、上記前提条件のいずれかを満たさなくなった場合には、本公開買付けに係る応募を撤回し、又は応募の結果成立した当社株式の買付けに係る契約を解除することができることとされているとのことです。

 また、本応募予定株主は、本応募契約において、①本担保付株式について、実務上可能な限り速やかに本担保を解除するよう商業上合理的な努力を行うこと、②柳橋氏が保有する当社株式のうち本応募契約の締結日において日本証券金融株式会社における貸株口座において保管されている102,000株(所有割合:0.85%)に関して、日本証券金融株式会社の同意を得て、本公開買付けに対する応募が可能な証券口座への移管に係る手続を行うことができるよう、商業上合理的な努力を行うこと、③本譲渡制限株式(柳橋氏)及び本担保付株式(但し、公開買付期間中に本担保が解除できなかった場合に限る。)について、本臨時株主総会における本株式併合に関する議案について公開買付者の指示に従い賛成の議決権の行使を行うこと、④その保有する当社株式に係る議決権その他の一切の権利について、公開買付者の指示に従って行使し又は行使しないことについて、義務を負っているとのことです。

 その他、本応募契約においては、公開買付者が本公開買付けを開始する前提条件、かかる前提条件の充足を条件として公開買付者が本公開買付けを実施する義務、公開買付者及び本応募予定株主による表明保証(注6、7)等を合意しているとのことです。

 なお、本応募契約を除き、公開買付者と本応募予定株主の間で契約その他の合意はないとのことです。

(注5) 本応募契約において、本応募予定株主による本公開買付けへの応募は、大要、①本公開買付けが開始され、かつ撤回されていないこと、②公開買付者の表明及び保証(注6)が重要な点において真実かつ正確であること、③公開買付者について、公開買付期間開始日までに本応募契約に基づき履行又は遵守すべき義務(注7)が、重要な点において履行又は遵守されていること、④本公開買付けの開始に先立って、当社の取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことに係る決議がなされ、かかる意見が法令等に従って公表されており、かつ、本公開買付けに賛同する旨のかかる意見表明が撤回又は変更されておらず、当該賛同の意見表明と矛盾する内容のいかなる決議も行われていないこと、⑤本公開買付けの開始に先立って、本特別委員会により、当社の取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことが妥当である旨の答申が適法かつ有効になされ、これが当社のプレスリリースにおいて公表されており、かつ、かかる答申のうち、本公開買付けへの賛同に係る部分が撤回又は変更されていないこと、⑥本取引に伴い行うことが予定されている取引のいずれかを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等がなされておらず、かつ、そのおそれもないことが前提条件とされているとのことです。なお、当該前提条件が充足されない場合においても、本応募予定株主は、その裁量により条件の全部又は一部を放棄することにより応募することができるとのことです。

(注6) 本不応募契約において、本応募予定株主は、大要、(ⅰ)設立及び存続の有効性、(ⅱ)本応募契約の締結に関する権利能力及び必要な手続の履践、(ⅲ)本応募契約の強制執行可能性、(ⅳ)法令等との抵触の不存在、(ⅴ)反社会的勢力との関係の不存在、(ⅵ)倒産手続等の不存在、並びに(ⅶ)当社株式の有効な所有等について表明及び保証を行っているとのことです。

(注7) 本応募契約において、公開買付者は、大要、(ⅰ)設立及び存続の有効性、(ⅱ)本応募契約の締結に関する権利能力及び必要な手続の履践、(ⅲ)本不応募契約の強制執行可能性、(ⅳ)法令等との抵触の不存在、(ⅴ)本取引に要する資金、(ⅵ)反社会的勢力との関係の不存在、並びに(ⅶ)倒産手続等の不存在について表明及び保証を行っているとのことです。

 

4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

(1)普通株式

氏名

役職名

所有株式数(株)

議決権数(個)

佐藤 寛之

代表取締役社長Co-CEO

336,700

3,367

柳橋 仁機

代表取締役Co-CEO

3,338,409

33,384

橋本 公隆

取締役CFO

28,700

287

小林 傑

取締役

山田 啓之

取締役(監査等委員)

9,000

90

崔 真淑

取締役(監査等委員)

生田 美弥子

取締役(監査等委員)

3,712,809

37,128

 (注1) 役職名、所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。

 (注2) 取締役小林傑、山田啓之、崔真淑及び生田美弥子は、社外取締役です。

 (注3) 取締役崔真淑の戸籍上の氏名は、石原真淑です。

 (注4) 取締役生田美弥子の戸籍上の氏名は、大橋美弥子です。

 (注5) 代表取締役Co-CEO柳橋仁機の所有株式数は、同役員の資産管理会社である柳橋事務所が保有する株式数を含めた実質所有株式数を記載しております。

 

(2)新株予約権

氏名

役職名

所有個数(個)

株式に換算した数

(株)

株式に換算した議決権の数(個)

佐藤 寛之

代表取締役社長Co-CEO

40

8,000

80

柳橋 仁機

代表取締役Co-CEO

19

38,000

380

橋本 公隆

取締役CFO

53

10,600

106

小林 傑

取締役

45

9,000

90

山田 啓之

取締役(監査等委員)

崔 真淑

取締役(監査等委員)

生田 美弥子

取締役(監査等委員)

157

65,600

656

 (注1) 役職名、所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。

 (注2) 所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権の数は、本書提出日現在のものです。

 (注3) 代表取締役社長Co-CEO佐藤寛之は、第4回新株予約権を40個所有しています。

 (注4) 代表取締役Co-CEO柳橋仁機は、第3回新株予約権を19個所有しています。

 (注5) 取締役CFO橋本公隆は、第5回新株予約権を53個所有しています。

 (注6) 取締役小林傑は、第5回新株予約権を45個所有しています。

 

5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

 該当事項はありません。

 

6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

 該当事項はありません。

 

7【公開買付者に対する質問】

 該当事項はありません。

 

8【公開買付期間の延長請求】

 該当事項はありません。