1 【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   あいホールディングス株式会社

所在地  東京都中央区日本橋久松町12番8号

 

2 【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

普通株式

 

3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1) 意見の内容

当社は、2025年2月14日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。

なお、当該取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」に記載の方法により決議されております。

 

(2) 意見の根拠及び理由

本「(2) 意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

 

① 本公開買付けの概要

公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社株式を375,200株(所有割合(注1):8.38%)所有しているとのことです。今般、公開買付者は、2025年2月14日開催の取締役会において、当社の発行済株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。

 

(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年2月4日に公表した「2025年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕連結」(以下「当社第3四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(4,794,963株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(316,077株)を控除した株式数(4,478,886株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の記載において同じです。)をいいます。

 

 

本公開買付けに際して、公開買付者は、当社の株主である光通信株式会社(以下「光通信」といいます。所有株式数:331,500株、所有割合:7.40%、第3位の株主(注2))、株式会社UH Partners 2(以下「UH Partners 2」といいます。所有株式数:333,700株、所有割合:7.45%、第2位の株主)及び株式会社UH Partners 3(以下「UH Partners 3」といいます。所有株式数:143,600株、所有割合:3.21%、第6位の株主。以下、光通信、UH Partners 2と併せて、「応募予定株主」といいます。)との間で、2025年2月14日付で公開買付応募契約書(以下「本応募契約」といいます。)を締結し、応募予定株主が所有する当社株式の全て(合計で808,800株、所有割合:18.06%、以下「応募予定株式」といいます。)について、本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。なお、本応募契約の詳細については、下記「(7) 公開買付者と自社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

 

(注2) 公開買付者によれば、当社の株主の順位に関しては、当社が2024年11月11日に提出した第84期中半期報告書の「第一部 企業情報」の「第3 提出会社の状況」の「1 株式等の状況」の「(5)大株主の状況」に記載の株式数を元に記載しているとのことです。以下の株主順位の記載について同じとのことです。

 

本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の下限を2,610,700株(所有割合:58.29%)に設定しており、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。なお、買付予定数の下限である2,610,700株(所有割合:58.29%)は、当社第3四半期決算短信に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(4,794,963株)より、当社第3四半期決算短信に記載された同日現在当社が所有する自己株式数(316,077株)を控除した株式数(4,478,886株)に係る議決権の数(44,788個)に3分の2を乗じた数(29,859個、小数点以下を切上げ)から、公開買付者が本書提出日現在所有する当社株式数(375,200株)に係る議決権の数(3,752個)を控除した議決権の数(26,107個)に相当する当社株式数(2,610,700株)としているとのことです。これは、本公開買付けにおいては、公開買付者が当社を公開買付者の完全子会社とすることを企図しているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされるため、本取引の実施を着実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるよう買付予定数の下限を設定したとのことです。一方、公開買付者は、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを企図していることから、本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(2,610,700株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。

公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、公開買付者が当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。

 

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

公開買付者は、2007年4月、株式会社ドッドウエル ビー・エム・エスとグラフテック株式会社が株式移転により共同設立することで発足したとのことです。公開買付者の前身の一つである株式会社ドッドウエル ビー・エム・エスは、1950年9月、有限会社タイプライターサービス社として創業し、1978年10月に株式会社ドッドウエル ビー・エム・エスに社名を変更した後、1994年6月に公開買付者の代表取締役会長である佐々木秀吉氏が代表取締役社長に就任し、2002年6月には東京証券取引所市場第二部へ上場したとのことです。その後、2003年6月に東京証券取引所市場第一部の指定を受けたとのことです。また、公開買付者のもう一つの前身であるグラフテック株式会社は、1949年3月に株式会社渡辺研究所として設立し、1983年6月にはグラフテック株式会社に社名を変更したとのことです。その後、1985年1月に東京証券取引所市場第二部へ上場し、1987年9月に東京証券取引所市場第一部の指定を受けたとのことです。2007年4月に設立された公開買付者は、2007年4月に東京証券取引所市場第一部に株式上場し、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しているとのことです。

本書提出日現在、公開買付者のグループは、公開買付者並びに公開買付者の子会社41社(連結子会社34社、非連結子会社7社)及び持分法適用関連会社3社及び持分法を適用しない関連会社5社より構成されているとのことです(以下「公開買付者グループ」といいます。)。公開買付者グループは「全ては『信頼』と『誠実』から始まり、人と社会に認められる価値を創造する」という経営の基本理念のもと、セキュリティ機器事業(主要製品は監視カメラやレコーダー等のセキュリティシステム機器で、単なる開発・販売にとどまらず、導入時からアフターフォローまで、一貫したサービスを提供しているとのことです。)と情報機器事業(主要製品であるカッティングマシンは、プロユースの大型機から、ホビー向けの小型機までを提供しており、コア技術であるカッティングを生かしたラベル加工用システムも提供しているとのことです。)の2大事業を中心に、カード及びその他事務用機器事業(主要製品はカード発行システム機器であり、診察券発行機や再来受付機等の医療機関向けシステムから、ICカード等の身分証や磁気カードリーダなど一般向けシステムまで幅広いラインアップを取り揃えているとのことです。また、鉄構業界向けに鉄骨専用CADシステムを販売しているとのことです。)、計測機器事業(主要製品はセンサーを用いて計測した各種データを収録する機器であるデータロガーで、研究・開発・製造分野等の様々な測定シーンにあわせてご使用いただけるように、電圧・温度・ひずみ・加速度等のセンサーや計測ユニットを組み合わせて活用が可能なデータアクイジション、高電圧高速タイプ、多チャネルハンディタイプ、コンパクトタイプなど複数品のラインアップを取り揃えているとのことです。)、設計事業(建築設計業界の中でも専門性の高い「耐震診断・耐震構造設計」を事業の中核に据え、意匠設計、設備設計等、技術力を軸とした建築総合コンサルタント業を行っているとのことです。)等があり、新たに第三の柱となるべく脱炭素システム事業(エアコンの電力消費と電力使用料金の両方を削減する節電・省エネシステム「Ai-Glies」の開発・製造・販売を行っているとのことです。)を立ち上げているとのことです。各々の事業の成長と発展に加えて、積極的に国内はもとより海外市場における業務提携やM&Aを含めた事業運営を推進しているとのことです。2024年5月31日には、情報通信事業を主力とし、公開買付者の持分法適用関連会社であった岩崎通信機株式会社(以下「岩崎通信機」といいます。)の安定的な競争力の強化、事業拡大及び両社の企業価値向上を目的として、公開買付者と岩崎通信機は経営統合及び株式交換契約を締結し、2024年9月1日をもって公開買付者は岩崎通信機の株式交換による完全子会社化を実施したとのことです。

岩崎通信機は、1938年8月に創業し、1957年には東京証券取引所市場第一部へ上場したとのことです。本書提出日現在は、公開買付者グループの一員として「スピードと創意、そして対話を何よりも重んじ、明るく活力のあるチャレンジ精神に溢れた会社」を経営基本として掲げ、ビジネスホン(注1)を中心とした情報通信機器の開発・製造・販売等を行う情報通信事業、電気信号の時間的な変化を波形として表示するオシロスコープ等の電子計測器の開発・製造・販売を行う計測機器事業、UVインクジェット方式により最速50m/分という速度で印刷可能なデジタルラベル印刷機等の開発・製造・販売を行う印刷システム事業を中心に、顧客の多様なニーズに対して、創業以来、通信機器メーカーとして培った技術力、開発力、プロジェクトマネジメント力を生かして、商品及びサービスを提供しているとのことです。

 

 

(注1) 「ビジネスホン」とは、オフィスや事務所などで使用する業務用電話機のことをいいます。

 

一方、当社は、1926年4月に前身となる中村与一郎商店が創立され、1944年5月に株式会社中与通信機製作所として設立されました。その後、1974年5月に株式会社ナカヨ通信機に商号変更し、2014年8月に株式会社ナカヨに商号変更いたしました。また、1974年10月に東京証券取引所市場第二部に株式上場し、2005年3月に東京証券取引所市場第一部の指定を受け、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しております。

本書提出日現在、当社、連結子会社1社、非連結子会社1社及び関連会社2社で構成される企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)は、情報通信機器の開発、製造及び販売を主たる事業としております。

当社グループは、「良き企業市民として、時代のニーズを先取りした価値を創造し、社会の発展に貢献します」を企業理念とし、主力のIPテレフォニーシステムを中心に、情報通信分野でお客様のニーズに応える製品を提供することで社会の発展に貢献し、また、IoT(注2)やAIといった新しい技術を組み込んだモノづくりとサービスを通じて世の中を豊かにすることを目指しており、変化の激しい社会状況や世の中のニーズに対応したソリューションを提供する「ものづくりとテクノロジーの融合」、創業より培った製造技術とノウハウを活用し、大量生産に対応する各種高速設備と多品種少量生産に対応する生産設備を組み合わせた最適なものづくりを行う「ものづくり力」、そして、販売からサポートまで全国のお客様のご要望に迅速に対応することを可能とする「全国網羅の販売チャネル」を強みに今日まで事業を展開してまいりました。

 

(注2) 「IoT」とは、「Internet of Things」の略であり、モノのインターネット化をいいます。

 

当社は、近年における経営環境として、デジタル技術の進化に伴いスマートフォンやクラウドサービスが社会に浸透する中で、主力製品であるビジネスホン市場の中長期的な縮小が見込まれるとともに、少子高齢化による労働人口の減少・人材不足の深刻化、サプライチェーンの不安定化や調達価格の高騰に直面する等、当社グループを取り巻く経営環境が大きく変化してきており、一層の競争力強化が求められる状況であると認識しております。一方で、こうした経営環境の変化は、デジタル技術を活用した生産性の向上や、社会課題解決へのニーズの高まりといった新たな機会をもたらしており、当社グループの関連するICT(情報通信技術)業界では、多様な働き方に向けたテレワーク等新たなビジネススタイルへの移行に向けての通信インフラ関連の需要増加に加え、Society5.0(注3)やDX(注4)の推進に向けたIoTやAIを活用した製品・サービスの高度化等、技術革新とともに新たなビジネスの躍進が期待できるものと考えております。

 

(注3) 「Society5.0」とは、2016年1月22日に閣議決定された第5期科学技術基本計画において提唱された我が国が目指すべき未来社会の姿であり、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会をいいます。

(注4) 「DX」とは、「Digital Transformation」の略であり、ビジネスや組織がデジタル技術を活用して変革を達成する取組のことをいいます。

 

かかる状況を踏まえ、当社は、2021年5月13日付で第五次中期経営計画を策定し、「①弊社が長年培ってきた音声・画像等の情報伝送技術や製造能力を活用し、社会の課題解決と発展に寄与する製品・サービスを創出する」、「②グループ全体で徹底したコスト管理を行い、安定的に収益を生み出せる経営体質へと改善する」、「③社員がナカヨグループで働くことに『喜び』や『やりがい』を感じられる環境を構築する」の3点を基本方針として掲げ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を見据えて事業分類を「レガシー事業」(従来から培ってきた、音声通信を核とした製品群によるBtoB事業)・「スマートX事業」(情報伝送技術と製造能力にITを融合させた事業)・「バリュー・ディベロップメント(VD)事業」(お客様に役立つ製品やサービスを提供する事業)の3つに見直した上で成長戦略を定め、従来からの事業の柱であるビジネスホンのさらなる展開に加えて、新たな事業基盤の確立、特に新たに立ち上げる「スマートX事業」に経営資源を重点配分することで当該事業の早期確立を推進することといたしました。さらに、最終年度である2023年度の目標経営数値を売上高20,000百万円、営業利益800百万円、営業利益率4%と設定いたしました。

 

その後、当社グループは、第五次中期経営計画に則り、アクションプランを計画・実行しておりましたが、部品不足や取引先の納入調整による影響を受けた減産、価格転嫁を上回る部材価格の高騰等の外部要因に加え、工場の稼働率低下・部材の調達難という状況下で先行手配した部品の納入が進み棚卸資産が過大となったことによるレガシー事業の収益性悪化や、新製品リリース・サービス育成の遅延等の内部要因により、第五次中期経営計画を公表して以降の当社グループの業績は、連結売上高が、2022年3月期は18,587百万円、2023年3月期は17,086百万円、2024年3月期は17,220百万円となり、連結営業損益が、2022年3月期は86百万円の営業利益、2023年3月期は974百万円の営業損失、2024年3月期は660百万円の営業損失として推移した結果、第五次中期経営計画において設定した目標経営数値に対して未達となりました。

このような厳しい経営環境の下、当社は、2024年5月10日に、レガシー事業の利益確保と新製品・サービスの育成加速の両立を通じた収益性の改善と新規事業の育成が必須であるとの認識に至り、同日付で新たに「長期ビジョンNX2030(NAKAYO Transformation 2030:変わる・新しいナカヨへ)」(以下「長期ビジョンNX2030」といいます。)を策定し、2030年に目指す姿として、「ビジネスホンの会社」から「ビジネスソリューションの会社」への転換を目指し、「自社企画ソリューションの提供を通じてビジネス・社会課題を解決、サステナブルな社会の実現に貢献するとともに持続的に成長・進化する良き企業市民でありたい」をビジョンとして設定いたしました。長期ビジョンNX2030の実現に向けたコンセプトとしては、当社グループの事業を、他社からのビジネスホン等の製造請負を行うプロダクト事業、及びビジネスホン等の製造販売や情報伝送技術・製造能力にITを融合したソリューションサービスを自社企画の下で提供するソリューション事業の2つに区分した上で、コア事業であるプロダクト事業の資本収益性向上と戦略事業であるソリューション事業強化を両輪として持続可能な成長と中長期的な企業価値向上を目指すこととし、プロダクト事業においては、主力製品であるビジネスホンを含む請負型のOEM製品製造に係る事業資産効率と生産性向上を図る中で安定した収益基盤を構築し、ソリューション事業においては、自社ブランドのビジネスホン・介護ソリューション・光回線サービス等のソリューションサービス提供を通じて長年蓄積してきた顧客・販売チャネル基盤を活用して新製品・サービスを展開することに加え、新市場開拓に取り組むことで事業を拡大することを目指しております。また、イノベーションの創出能力と顧客接点の強化・拡大のための投資を重点的に行うことで組織能力を強化し、新規事業の探索・創出・育成を推進するとともに新たな事業領域を開拓し「ビジネスソリューションの会社」への転換を目指しております。そして、当社は、長期ビジョンNX2030の実現に向けた1st Stageとして2024年度から2027年度を「持続的な成長の経営基盤を構築する4年間」と位置付け、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を踏まえて「第六次中期経営計画(NX2030 1st Stage 2024-2027)」(以下「第六次中期経営計画」といいます。)を策定し、「ROE5%以上」及び「純利益800百万円以上」を第六次中期経営計画の最終年度である2027年度の目標指標にするとともに、以下3点を基本テーマとして設定いたしました。

(ア)経営構造改革(資本効率向上)

主力製品であるビジネスホン市場の中長期的な縮小や調達価格の高騰等が見込まれる情勢に鑑み、コア事業であるプロダクト事業の資本収益性向上を目指し、生産拠点の集約を通じて、人員の最適配置、作業の合理化及びリードタイムの短縮を目指した工場生産品の抜本的な構造改革を行います。また、拠点と設備の集約により事業資産を徹底的に活用するとともに、販売価格の見直しや原価低減活動を通じて粗利益の確保を実践いたします。

(イ)ソリューション事業の育成(成長力強化)

戦略事業であるソリューション事業の育成のため、「営業、保守サポート力強化」、「イノベーション創出能力強化」、「積極的な成長投資」の3つの取組を実施し、持続的な成長の経営基盤を構築いたします。

(ウ)サステナビリティへの取組強化

持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向け、「脱炭素・環境負荷軽減に向けた取組」「人的資本経営の基盤強化に向けた取組」「全社的なDX推進の取組」を強化いたします。

 

 

その後、当社グループは第六次中期経営計画に則り事業を推進しておりますが、上記の当社グループを取り巻く経営環境はなお厳しく、2025年3月期第3四半期における足元の当社グループの売上高は前年同期比で増加しているものの、同第2四半期における当社グループの売上高は前年同期比で減少しており、第六次中期経営計画における目標指標の達成についても予断を許さない状況が続いております。

公開買付者は、2022年3月に当社の株式を375,200株(所有割合:8.38%)取得し、当社と双方が持つ製品の販売協力や設置工事等の協業を進めてきたとのことです。具体的には、公開買付者の脱炭素システム事業における特約店契約を締結し、営業・現地調査・効果試算・納品・保守・契約締結・利用料の回収といった広範に及ぶ様々な業務を当社によって顧客へ提供しているとのことです。

公開買付者によれば、当社及び岩崎通信機が属するビジネスホン市場は、デジタル技術の進化、スマートフォンやクラウドサービスのオフィスや社会への浸透等に加え、少子高齢化による労働人口の減少・人材不足の深刻化、サプライチェーン等の不安定化や部材価格の高騰等により、一層厳しい経営環境が継続していくものと理解しているとのことです。また、近年は新型コロナウイルスをきっかけに、企業のワークスタイルの変革、DXの推進を背景に、音声コミュニケーション基盤の再構築を検討する動きがみられるとのことであり、具体的には、在宅勤務、サテライトオフィス等働く場所の制約を受けない多様な働き方が定着しつつあり、中長期的にビジネスホン市場は縮小していくことが予想されるとのことです。

 

このような状況の下、公開買付者は、公開買付者グループとしては、同様のビジネスホン事業を行う当社を公開買付者の完全子会社とすることにより、開発技術面・生産面・販売面等において幅広い相乗効果を通じて、公開買付者グループのビジネスホン事業をさらに強化することができるとともに、当社としても、公開買付者グループが有するネットワーク、リソース、知見を活かした施策を実行することで、当社の事業をさらに強化することが可能になると考え、2024年9月下旬より本取引の検討体制の構築を開始したとのことです。

公開買付者は、2024年9月下旬、当社、公開買付者及び応募予定株主から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、また10月中旬、当社、公開買付者及び応募予定株主から独立したリーガル・アドバイザーとして名古屋・山本法律事務所をそれぞれ選任し、本取引に関する検討体制を構築した上で、2024年10月21日に、当社に対して本取引の目的、公開買付けを通した完全子会社化、想定スケジュール及び本取引後の体制等について記載した意向表明書を提出し、同日、公開買付者は、当社から、社内で対応方針を検討する旨の連絡を受けたとのことです。その後、公開買付者は、2024年11月下旬から2025年1月上旬まで、本取引の実現可能性の精査及びシナジー検証のため、デュー・ディリジェンスを実施し、その結果、当社を完全子会社化することが岩崎通信機を含む公開買付者グループ及び当社において中長期的・持続的成長と企業価値の向上に繋がるとともに、以下のようなシナジーを期待できると確信するに至ったとのことです。

 

(ア)開発体制の一本化によるビジネスホン開発の効率化及び投入リソースの再配分

当社を完全子会社とすることによって、固定電話機端末及び中・小規模事業所向けビジネスホンシステムの開発を得意とする当社のビジネスホン開発部門とコードレス端末及び中・大規模事業所向けビジネスホンシステムの開発を得意とする岩崎通信機の各ビジネスホン開発部門の各得意領域を踏まえて、両社がそれぞれラインアップする中・小型及び中・大型のビジネスホン製品の一本化及び両ビジネスホン開発部門を一本化することができると考えているとのことです。

一本化によって、開発の重複部分を効率化でき、当社及び岩崎通信機双方のビジネスホン開発のコスト及び投入リソースをスリム化すること並びに当社及び岩崎通信機双方のビジネスホンに関する開発スピードの向上及びビジネスホン製品市場投入の早期化を実現することが可能になると考えているとのことです。

なお、公開買付者としては、事業所の規模は、従業員数を基準に、1~20名を小規模、21名~100名を中規模、101名以上を大規模と位置づけているとのことです。

加えて、ビジネスホン開発を効率化することによって創出したリソースは、当社と公開買付者グループの通信・IoT技術を融合した市場優位性のある付加価値の高い新製品・新サービスの開発にシフトすることができると考えているとのことです。

 

(イ)生産拠点の統廃合による生産設備稼働率の向上

当社を完全子会社とすることによって、当社が前橋に保有する2つの工場及び岩崎通信機が福島に保有する3つの工場に関して、当社と岩崎通信機が同様の事業を営んでいるビジネスホンとEMS(電子機器製造受託)の生産機能の一本化を軸に統廃合することができると考えているとのことです。

一本化することにより、ビジネスホン、電子計測器、新規事業製品、EMS等の各生産機能を工場毎に整理・再配置することができ、当社及び公開買付者グループ双方において効率的かつ効果的な生産体制を構築し、生産設備全体の稼働率を向上させることが可能になると考えているとのことです。

(ウ)ビジネスホン営業体制の再構築及び投入リソースの再配分

当社を完全子会社とすることによって、当社及び公開買付者グループが持つ全国の営業拠点の統廃合を進め、拠点維持コストの削減の推進とともに、両社の販売網・保守網が同一エリアにおいて重複している場合はそれらを一本化して営業に関わるリソースを最適化することができると考えているとのことです。

その結果、現状においては個社ごとに展開している当社及び岩崎通信機のビジネスホンの営業体制を統合することで、両社の営業担当が重複するエリアについては一方の営業担当のみにするというスリム化を進め、少ないリソースで2社分の既存顧客及び新規顧客の対応を行う体制を再構築することが可能になると考えているとのことです。

また、新たな営業体制構築によって創出したリソースは、公開買付者グループ商材や今後の新製品、新サービスの販売に振り向けることが可能になると考えているとのことです。

(エ)資材調達機能の一本化によるメリット

当社を完全子会社とすることによって、当社及び岩崎通信機が個々に行っている資材調達を一本化すること及びビジネスホン開発に使用する部品の整理を行って共用部品を増やすこと、及び当社と岩崎通信機のビジネスホン製品ラインアップを一本化することができると考えているとのことです。

その結果、当社及び岩崎通信機双方において在庫のスリム化と、購買量のスケールメリットを活かした仕入れコストの削減を図ることが可能になると考えているとのことです。

また、当社と岩崎通信機の調達ルートを統合することにより、調達先及び調達ルートの選択肢が増加し、それらの中から、コスト及び品質の両面において最適なサプライチェーンを再構築することが可能になると考えているとのことです。

(オ)物流ネットワークの統合によるメリット

当社を完全子会社とすることによって、当社と岩崎通信機の物流ネットワークを統合することができ、両社を併せた物流量のスケールメリットを生かして、当社及び公開買付者グループ双方における運搬・保管にかかる物流コストを削減することが可能になると考えているとのことです。

また、当社と岩崎通信機の物流ネットワークを統合することによって、物流の2024年問題に起因する物流コスト増に対処しつつ、両社で重複するエリアを一本化する等、当社及び岩崎通信機双方において物流ネットワークの無駄を省いた効率的な運用を実現することが可能になると考えているとのことです。

 

なお、公開買付者は、本取引において想定されるディスシナジーについて検討したとのことですが、ディスシナジーは生じないものと考えているとのことです。

 

また、公開買付者は、本取引の実行の是非及び公開買付価格に関して当社との間で複数回に亘る協議・交渉を行ったとのことです。

具体的には、公開買付者は、2024年10月21日に提出した意向表明書の内容を踏まえ、2024年11月29日には、当社から本特別委員会(下記で定義いたします。以下同じです。)を通じて、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針、本取引において想定しているシナジー及びデメリット並びにストラクチャーの詳細を明らかにするよう書面による質問を受けたとのことです。

2024年12月13日に公開買付者から当社に対して、当該質問事項について書面によって、本取引を提案するに至った経緯、公開買付者にとっての当社の位置付け、当社の完全子会社化によるメリットについて公開買付者の考え方及び本公開買付けを通じて公開買付者が当社を公開買付者の完全子会社とすることを企図している旨、買付予定数の下限及び公開買付期間を含む本取引の想定ストラクチャーの説明をしたとのことです。

 

2024年12月19日に、公開買付者は、当社における本特別委員会から受けたインタビューにおいて、本取引を当社に提案するに至った経緯を含む本取引の目的及び背景(詳細については、上記における公開買付者が2024年10月21日に当社に対して意向表明書を提出した経緯に関する記載をご参照ください。)、今後の役員体制及び当社従業員の雇用を含む本取引後の経営方針(下記「(ⅱ)本公開買付け後の経営方針」に記載のとおりです。)、完全子会社化によるメリットを含む本取引において想定しているシナジー(上記(ア)乃至(オ)のシナジーに関する記載及び想定されるディスシナジーに関する記載をご参照ください。)、想定ストラクチャー(本公開買付けを通じて公開買付者が当社を公開買付者の完全子会社とすることを企図している旨、買付予定数の下限及び公開買付期間を含みます。)及び下記「(ⅱ)本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、当社の完全子会社化後の経営方針については当社の意向を踏まえて決定する予定であることについて説明したとのことです。

その後、公開買付者は、2025年1月上旬より、当社との間で、本公開買付価格に関する協議を重ねてきたとのことです。具体的には、公開買付者は、2025年1月14日、当社株式の市場株価の動向(過去10年間という切りのよい期間について暦年初日を起点とし、2015年1月1日以降の期間における当社株式の市場株価の最高値2,250円)及び2024年11月下旬から2025年1月上旬まで実施したデュー・ディリジェンスの進捗状況、大和証券による当社株式の評価分析内容及び本公開買付けに対する応募の見通しを総合的に考慮し、本公開買付価格を1株当たり2,000円(2025年1月14日の前営業日である2025年1月10日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,122円に対し、78.25%のプレミアム(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの計算において同じです。))とする提案を行ったとのことですが、公開買付者は、同月17日に、当社から、当該提案価格は当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離していると考えられることから、再検討するよう要請を受けたとのことです。当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2025年1月22日に、本公開買付価格を1株当たり2,150円(2025年1月22日の前営業日である2025年1月21日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,074円に対し、100.19%のプレミアム)とする提案を行ったとのことですが、公開買付者は、同月24日に、当社から、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離していると考えられることから、再検討するよう要請を受けたとのことです。当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、同月28日に、本公開買付価格を1株当たり2,250円(2025年1月28日の前営業日である2025年1月27日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,073円に対し、109.69%のプレミアム)とする提案を行ったとのことですが、公開買付者は、同日に、当社から、本特別委員会の意見を踏まえた上で、本公開買付価格として当社の第三者算定機関におけるDCF法による算定結果の範囲内の水準であることを重視しており、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、再検討するよう要請を受けたとのことです。当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、2025年2月5日に、本公開買付価格を1株当たり2,550円(2025年2月5日の前営業日である2025年2月4日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,063円に対し、139.89%のプレミアム)とする提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、同月7日に、当社から、本特別委員会の意見を踏まえた上で、当該提案価格は当社の本源的価値について一定の評価がなされているものの、未だ十分な水準には達していないとして、再検討するよう要請を受けたとのことですが、公開買付者は、2025年2月10日、これ以上の価格引き上げには応じられないとして、改めて本公開買付価格1株当たり2,550円(2025年2月10日の前営業日である2025年2月7日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,050円に対し、142.86%のプレミアム)とする提案を行ったとのことです。これに対し、2025年2月13日、公開買付者は、当社から当該提案について、当社として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨することが可能な水準であるとして、当該提案を受諾する旨の回答を得たとのことです。

 

 

公開買付者は2024年12月2日、公開買付者及び応募予定株主との間で守秘義務契約を締結し、同年1月上旬、公開買付者と応募予定株主の間で、応募予定株主が所有する当社株式の今後の取扱いの方針等について協議を開始し、2025年1月9日に公開買付者と応募予定株主との間で面談を実施したとのことです。当該面談において、公開買付者が、公開買付けによって当社を完全子会社化することを検討している旨及び当社に提案予定の本公開買付価格を1株当たり2,000円とする案を提示したところ、応募予定株主からは本件に賛同し、また、当該提案価格の水準であれば公開買付けに応募することを検討することができるという趣旨において当該提案には概ね同意するという意向が示されたとのことです。同年1月10日、応募予定株主から公開買付者に対して、応募予定株主の所有する当社株式に関して公開買付けへの応募ではなく株式交換を実施する可能性について打診を受けたため、公開買付者は、ファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して当該打診についてアドバイスを求めたとのことです。同年1月16日、公開買付者は、応募予定株主に対して、株式交換ではなく当初説明どおり、公開買付けに応募してもらうことを希望することを伝えたとのことですが、同日中に応募予定株主から、株式交換を改めて要望するという希望を受け、同年1月20日に公開買付者と大和証券の間で、株式交換を実施する際においては、株式交換比率の交渉を始めること及び不応募契約の内容の検討が必要になることの確認をしたとのことです。当該確認結果に基づいて、同年1月21日、公開買付者は応募予定株主に対して、株式交換を検討する旨及び実施する場合の具体的な不応募契約の主要条件(注5)について、大和証券を通じて回答したとのことです。なお、株式交換の交換比率については、当該提案価格を基準に、他の株主よりも有利とならない条件とすることで検討を進めることについて概ね同意を得、公開買付者と応募予定株主は協議を重ねたとのことですが、同年1月31日、株式交換比率について一致をみることができず、短期間で協議を成立させるのは難しいと双方で確認し、公開買付者は、応募予定株主に対して、当初の打診内容のとおり、本公開買付けに応募する旨の本応募契約の締結を希望する旨を伝え、同日、公開買付者は、応募予定株主から、本応募契約の締結を了承する旨の回答を受領するに至ったとのことです。また、同年2月4日、公開買付者は、本公開買付価格を1株当たり2,550円とする旨を応募予定株主に対して打診したところ、同年2月5日、当該提案価格の水準であれば本公開買付けに応募することについて応諾する意向が確認されたとのことです。同日、公開買付者は、主要条件を含む応募契約書案を提示し、応募予定株主から形式上の修正を求める回答があり、公開買付者はこれに応じ、同年2月7日、応募予定株主は、当該案について応諾する意向であることを回答し、同年2月10日、2月14日の締結に向けて最終案を当事者間で確認し合ったとのことです(本応募契約の主要条件については「(7) 公開買付者と自社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。)。

 

(注5) 公開買付者は、不応募契約案において、応募予定株主に対して(ⅰ)本件公開買付けへの不応募、(ⅱ)当社株主総会招集請求権及び株主提案権の不行使、(ⅲ)スクイーズアウト実現に必要な手続への協力、(ⅳ)当該株式交換実現に必要な手続への協力、を求めることを主要条件として検討していたとのことです。

 

これらの協議・交渉を踏まえて、公開買付者は2025年2月14日開催の取締役会において、当社を公開買付者の完全子会社化とすることを目的として、本応募契約の締結を含む本公開買付価格を2,550円とすることについて決議したとのことです。

 

(ⅱ)本公開買付け後の経営方針

公開買付者は、当社の完全子会社化以降の経営体制の枠組みについては、公開買付者グループ及び当社の企業価値向上の最大化に向け、事業運営の最適化を図るべく協議を行っていくことを予定しているとのことです。また、今後の当社の役員体制については、本書提出日現在において未定とのことですが、当社の現在の経営体制を尊重することを基本としつつ、当社と協議の上、当社の意向を踏まえて方針を決定する予定であり、現時点で想定している事項はないとのことです。

なお、本公開買付け成立後の当社の従業員に関しては、原則として引き続き雇用を継続することを予定しているとのことです。

 

 

③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯

当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2022年3月に公開買付者が当社株式を375,200株(所有割合:8.38%)取得して以降、両社の企業価値向上を目的とした協業の可能性について、公開買付者との協議を重ねてまいりました。その後、当社は、2024年10月21日に公開買付者から本取引の目的、公開買付けを通した完全子会社化、想定スケジュール及び本取引後の体制等に関する意向表明書を受領したため、同日、公開買付者に対して、社内で対応方針を検討する旨の連絡をいたしました。その後、当該意向表明書の内容について検討するにあたり、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性その他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、当社、公開買付者及び応募予定株主からの独立性及び本取引と同種の非公開化を目的とした取引に関する経験等を踏まえ、2024年11月上旬に、リーガル・アドバイザーとして弁護士法人北浜法律事務所(以下「北浜法律事務所」といいます。)を、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー」といいます。)を選任いたしました。また、当社は、2024年11月7日開催の当社取締役会において、本取引を検討するにあたって、当社の意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立することを目的として、当社、公開買付者及び応募予定株主との間に利害関係を有しない、荒井功氏(当社独立社外取締役)、大西俊彦氏(当社独立社外取締役)、土屋和雄氏(当社独立社外取締役(監査等委員))及び加藤正憲氏(当社独立社外取締役(監査等委員))の4名によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置いたしました。さらに、当社は、2024年11月28日開催の当社取締役会において、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本公開買付けを含む本取引に係る意思決定を行うものとすることを決議し、本特別委員会に対し、(a)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(b)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性、(c)本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性、(d)本取引の決定が当社の少数株主にとって不利益なものではないか、並びに(e)上記(a)乃至(d)を踏まえ、本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問し、これらの点について答申書を当社取締役会に提出することを嘱託いたしました。また、併せて、当社は、本特別委員会に対し、(a)当社が本取引の取引条件等について公開買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与する権限(必要に応じて、公開買付者との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら公開買付者と交渉を行うことを含む。)、(b)適切な判断を確保するために、当社のファイナンシャル・アドバイザー、第三者算定機関、リーガル・アドバイザー等の外部専門家(以下「アドバイザー等」といいます。)を指名・承認(事後承認を含む。)する権限及び必要に応じて独自のアドバイザー等を選任する権限(なお、特別委員会が独自のアドバイザー等を選任する場合の費用は当社が負担し、また、特別委員会は、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができるものとする。)、並びに(c)当社の取締役、従業員その他特別委員会が必要と認める者に、特別委員会への出席、書面による回答その他適宜の方法により、本取引の検討及び判断に必要な情報について説明・提供を求める権限を与えることを、当社取締役会にて決議しております。

なお、当社は、2024年11月28日開催の特別委員会に対する諮問事項及び権限付与に関する当社取締役会に先立ち、2024年11月22日開催の本特別委員会において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」に記載のとおり、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー並びに当社のリーガル・アドバイザーである北浜法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。

 

また、当社は、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、2024年10月21日に公開買付者から本取引に関する意向表明書を受領して以降、公開買付者からの独立性が認められる当社の取締役1名(岩本修氏)及び当社従業員6名で構成される検討体制を構築し、本特別委員会とともに、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、また当社株式の株式価値の算定の前提となる当社の事業計画の作成過程に関与しており、本公開買付けの公表日に至るまでかかる取扱いを継続しております。本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認しております。

 

(ⅱ)検討・交渉の経緯

当社は、上記の検討体制を整備した上で、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、北浜法律事務所及びデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの助言を受けながら、本取引の実行の是非及び本公開買付価格に関して公開買付者との間で複数回に亘る協議・交渉を行いました。

具体的には、当社は、本特別委員会を通じて、2024年11月29日に公開買付者に対して本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針、本取引において想定しているシナジー及びデメリット並びにストラクチャーの詳細に関して書面による質問を行い、2024年12月13日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受け、また、2024年12月19日に当該書面回答の内容を踏まえた本特別委員会による公開買付者に対するインタビューを実施することを通じて、本取引の目的及び背景(公開買付者が本取引を当社に提案するに至った経緯を含みます。詳細については、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」における公開買付者が2024年10月21日に当社に対して意向表明書を提出した経緯に関する記載をご参照ください。)、本取引後の経営方針(詳細については、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ)本公開買付け後の経営方針」における今後の役員体制及び当社従業員の雇用に関する記載をご参照ください。)、本取引において想定しているシナジー及びデメリット(詳細については、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」における(ア)乃至(オ)のシナジーに関する記載及び想定されるディスシナジーに関する記載をご参照ください。)並びにストラクチャー(本公開買付けを通じて公開買付者が当社を公開買付者の完全子会社とすることを企図している旨、買付予定数の下限及び公開買付期間を含みます。)の説明を受け、確認いたしました。

 

また、本公開買付価格については、当社は、2025年1月14日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,000円(2025年1月14日の前営業日である2025年1月10日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,122円に対し、78.25%のプレミアム)とする旨の提案を受領した後、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから受けた当社株式の株式価値に係る試算結果の報告内容及び本特別委員会の意見を踏まえた上で、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの助言を受けながら、2025年1月17日に、公開買付者に対して、当該提案価格は当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年1月22日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,150円(2025年1月22日の前営業日である2025年1月21日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,074円に対し、100.19%のプレミアム)とする旨の提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、2025年1月24日に、公開買付者に対して、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年1月28日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,250円(2025年1月28日の前営業日である2025年1月27日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,073円に対し、109.69%のプレミアム)とする旨の提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、同日に、公開買付者に対して、本公開買付価格として当社の第三者算定機関におけるDCF法による算定結果の範囲内の水準であることを重視しており、当該提案価格は依然として当社の本源的価値を反映しておらず、また、少数株主の利益確保の観点から当社及び本特別委員会が想定している価格水準から乖離しているとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年2月5日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,550円(2025年2月5日の前営業日である2025年2月4日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,063円に対し、139.89%のプレミアム)とする旨の提案を受領した後、本特別委員会の意見を踏まえた上で、2025年2月7日に、公開買付者に対して、当社の本源的価値について一定の評価はなされているものの、未だ十分な水準には達していないとして、提案内容の再検討を要請いたしました。その後、当社は、2025年2月10日、公開買付者から、これ以上の価格引き上げには応じられないとして、改めて本公開買付価格1株当たり2,550円(2025年2月10日の前営業日である2025年2月7日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,050円に対し、142.86%のプレミアム)とする提案を受領いたしました。

当社は、公開買付者による提案を受けて、慎重に協議及び検討を行った上で、2025年2月13日に、公開買付者に対して、最終的な意思決定は当社取締役会決議を経てなされるという前提の下、本公開買付価格を2,550円とする旨の提案を受諾する旨を回答し、本公開買付価格を2,550円とすることで合意に至りました。

 

そして、当社は、2025年2月13日、本特別委員会から、(a)本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的には正当性・合理性が認められる旨、(b)本公開買付価格を含む本取引の取引条件の公正性が確保されていると考えられる旨、(c)本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性が確保されていると考えられる旨、(d)本取引の決定は当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられる旨、(e)上記(a)乃至(d)を踏まえ、本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは適切であり、当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられる旨の意見を表明することは適切であると考えられる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅲ)判断内容」をご参照ください。)。

 

 

(ⅲ)判断内容

以上の経緯の下で、当社は、2025年2月14日開催の取締役会において、北浜法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言及びデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから2025年2月13日付で取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値向上に資するか否か及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否か等について、慎重に検討・協議を行いました。

その結果、当社は、以下の理由により本取引が当社の企業価値向上に資するとの結論に至りました。

当社は、当社グループが様々なステークホルダーに対して社会的責任を果たしていくためには、当社グループが存続し、持続的に成長することが必要であると考えておりますが、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社グループを取り巻く経営環境が大きく変化している中で、当社グループの業績は、連結売上高が、2022年3月期は18,587百万円、2023年3月期は17,086百万円、2024年3月期は17,220百万円となり、連結営業損益が、2022年3月期は86百万円の営業利益、2023年3月期は974百万円の営業損失、2024年3月期は660百万円の営業損失として推移しており、また、2025年3月期第3四半期における足元の当社グループの売上高は前年同期比で増加しているものの、同第2四半期における当社グループの売上高が前年同期比で減少している現状を踏まえると、第六次中期経営計画における目標指標の達成については予断を許さない状況にあり、足元の業績見通しについても不安定な状況が継続すると思われる中、当社グループの存続と持続的な成長を実現するためには、収益性の改善と新規事業の育成が必要であると考えております。このような認識の下、当社は、公開買付者からの提案内容を検討したところ、本取引に応じて当社が公開買付者の完全子会社となることで、以下のメリットが見込まれ、当社単独の経営体制を維持するよりも当社グループの存続と持続的な成長の実現可能性が高まると考えたことから、2025年2月14日、本取引は当社グループの中長期的な企業価値向上に資すると判断いたしました。

 

(ア)営業・顧客基盤の拡大

本取引を通じて、公開買付者グループ・当社グループ間における相互の顧客紹介やサービスの相互提案等が可能になることにより、当社グループのビジネスチャンスが増大し、グループ全体の付加価値の向上や売上拡大に繋がると考えております。例えば、当社グループは全国的な販売網を有していることを強みとしているところ、公開買付者グループの製品・サービスを当社グループの全国的な販売網で取り扱うことや、公開買付者グループが得意とする国内マンション向けの販売網に当社の製品を提案すること、そして、当社グループが公開買付者グループの一員としてグループ内の製造機能を担うことで公開買付者グループ(当社グループを除く。)からの製造受託が拡大すること等を通じて、売上拡大が期待できると考えております。また、ビジネスホン市場において、小規模企業向け案件・中規模企業向け案件を得意とする当社グループと、大規模企業向け案件を得意とする岩崎通信機(同社は公開買付者の完全子会社であります。)が協業することで提案の幅が広がり、当社グループのビジネス領域の拡大に繋がると考えております。

 

(イ)研究開発力の強化

本取引を通じて、公開買付者グループと当社グループの研究開発部門が連携し、開発体制を一本化することにより、技術開発の重複を減らすことによる研究開発効率の向上や、両社が有する知見やノウハウを相互活用することが可能となり、新たなイノベーションの創発に繋がることが期待できることに加え、公開買付者グループは、当社グループに比して高い資金力を有していることから、これまで当社グループ単独では実現が困難であった成長投資を公開買付者グループの一員として推進することで、付加価値の高い製品・サービスの開発が期待できると考えております。例えば、公開買付者グループは、研究開発・技術力に強みを有しており、現在、当社グループにおいて開発・販売に注力している製品である「Biz Server」(注)には多額の先行投資が必要とされるところ、公開買付者グループの有するIoT技術と資金力を活用することで、お客様のニーズに合わせたアプリケーションやソリューションサービスの開発に繋がると考えております。

 

(注) 「Biz Server」とは、当社が提供する製品であり、通話アプリ、グループウェア及びPCシャットダウンアプリから構成される小中規模オフィス向けのビジネスサーバをいいます。

 

(ウ)経営資源の相互活用による経営の効率化・組織基盤の強化

当社グループと岩崎通信機を含む公開買付者グループは、ともにビジネスホン事業を営んでいることから両社の事業は親和性が高いと考えられ、本取引を通じて、当社グループと親和性の高い事業を営む公開買付者グループとの情報システム、購買、物流、経理及び人事等のコーポレート機能の統合やリソースの共有を推進することにより、経営資源の効率的な配置・余剰コストの低減を実現し、収益性の改善に繋がると考えております。例えば、当社グループと岩崎通信機が保有する営業拠点・生産拠点の統廃合により営業効率や工場の稼働率を向上させるとともに、両社の資材調達機能を一体化し、部材を共同購入するといった施策を通じて、利益率の改善を図ることができると考えております。また、公開買付者グループとの営業人員の相互出向やローテーションといった人材交流や情報交換等の連携を通じて、グループ全体での人的リソースの最適化が期待できることから、当社グループにおける業務の効率化及び組織・人材基盤の強化に繋がると考えております。

(エ)上場維持コスト及び関連する業務負担の軽減

近年の東京証券取引所の新市場区分における上場維持基準への適合対応及び改訂されたコーポレートガバナンス・コード等への対応を含めた上場維持に係る業務負担や、有価証券報告書等の継続的な情報開示、監査、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用に代表される上場を維持するために必要なコストは年々増大しているところ、本取引を通じて当社株式を非公開化することによって、これらの業務及びコストの削減が見込まれ、経営資源を新規事業の育成に振り向けることが可能になると考えております。

 

加えて、公開買付者は、ビジネスホン事業を営む岩崎通信機を2024年9月に株式交換により完全子会社化しており、上記のとおり、当社グループ及び岩崎通信機を含む公開買付者グループは事業上の親和性が高く、また、公開買付者が本取引後に想定するシナジー(詳細については、「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の(ア)乃至(オ)をご参照ください。)は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の(ア)乃至(ウ)に記載の当社グループが策定した第六次中期経営計画において目指す方向性と近しいものであることを踏まえると、本取引に応じて当社が公開買付者の完全子会社となることで、本取引のメリット(統合効果)が発現する蓋然性は高いと考えております。

 

なお、当社が考える株式の非公開化(公開買付者による完全子会社化)に伴うデメリットは、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることであります。しかしながら、当社グループの現在の財務状況や昨今の間接金融における低金利環境等を考慮すると、今後数年間においてはエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれておらず、また、エクイティ・ファイナンスによる資金調達については、公開買付者グループの資金支援により代替可能であると考えられます。加えて、当社グループの知名度や社会的信用の向上は、事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きく、本取引の実行後においても事業遂行によりこれを獲得・維持することが可能であるほか、本取引の実行後は、東京証券取引所プライム市場に株式上場している公開買付者のグループ会社となることで、公開買付者グループが有する知名度や社会的信用を活用できるようになり、総合的な知名度や社会的信用の向上も見込まれることからすれば、非公開化のデメリットは限定的であると考えております。

 

また、以下の理由により、本公開買付価格である2,550円は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

(ア)本公開買付価格は、当社において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。

(イ)本公開買付価格である2,550円は、下記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」に記載の本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)における市場株価法及び類似会社比較法による算定結果のレンジの上限を上回っており、また、本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)におけるDCF法による算定結果のレンジの範囲内であること。

(ウ)本公開買付価格である2,550円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月13日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,073円に対して137.65%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,069円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して138.54%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,101円に対して131.61%及び同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,125円に対して126.67%のプレミアムが加算されており、これらのプレミアムは、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2025年2月13日までに成立した上場会社の非公開化を目的とした公開買付けの事例(マネジメント・バイアウト(MBO)事例、対象会社が公開買付者の連結子会社又は関連会社である事例等を除く。)におけるプレミアム実例91件(公表日の前営業日を基準日として、公表日の前営業日の終値に対するプレミアム並びに同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるそれぞれのプレミアムの中央値が47.92%、53.47%、49.00%及び54.57%)のプレミアムの中央値と比較して、遜色ないプレミアムが付された価格であると評価できること。

(エ)本公開買付価格は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅲ)判断内容」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると判断されていること。

 

 

なお、本公開買付価格2,550円は、当社の2024年12月31日現在の連結簿価純資産額から算出した1株当たり連結簿価純資産額(3,502円)を27.18%下回っているものの、簿価純資産額はあくまで理論的な清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の株式価値算定において重視することは合理的でないと考えております。また、仮に当社が事業の清算を行う場合、同日現在の当社の連結貸借対照表において総資産に占める流動性の低い資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品、土地建物といった固定資産)の割合が約30%と一定程度存在すること、投資その他の資産の大部分を占める退職給付に係る資産についても、年金制度の終了に伴い、当社に返還されるものではないこと、及び、清算に際しては売上債権の早期回収に伴う費用・損失、工場の閉鎖に伴う除去コスト、土壌汚染対策費用、従業員に対する割増退職金及び海外子会社を含めた事業清算のための弁護士等の専門家費用等、清算に伴う様々な追加コストの発生が見込まれること等を考慮すると、簿価純資産額と同額で換価されるわけではなく、現実的には相当程度に毀損することが想定されるため(なお、当社としては清算を予定しているわけではないため、当社においては、清算を前提とする見積書の取得までは行っておりません。)、1株当たり連結簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格になるという考え方は採用し難く、また、事業の清算を前提とした評価手法を重視することは継続企業である当社の株式価値算定において合理的ではないと考えております。

以上を踏まえ、当社は、2025年2月14日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。

なお、当該取締役会における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」をご参照ください。

 

(3) 算定に関する事項

① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社、公開買付者及び応募予定株主から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月13日付で、本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)を取得いたしました。

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社、公開買付者及び応募予定株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、記載すべき重要な利害関係を有しておりません。本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの独立性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。また、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、当社及び公開買付者において本公開買付価格の公正性及び本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置等を実施していることを踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の公正性が担保されていると考えた結果、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

なお、本取引に係るデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対する報酬には、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬の他、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。

 

 

(ⅱ)算定の概要

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較的類似する事業を手がける上場会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値の算定を行いました。

上記の各方式において算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、以下のとおりです。

 

市場株価法   :1,069円~1,125円

類似会社比較法 :1,127円~1,634円

DCF法    :2,435円~3,106円

 

市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月13日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値1,073円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,069円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,101円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,125円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,069円~1,125円と算定しております。

類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社株式の株式価値を評価し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,127円~1,634円と算定しております。

DCF法では、当社が作成した2025年3月期から2028年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)における収益予測及び投資計画、並びに一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第4四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,435円~3,106円と算定しております。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーがDCF法で算定の前提とした本事業計画においては、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年3月期から2028年3月期にかけて、第六次中期経営計画において公表のとおり、重点分野(オフィス・介護)における新製品・サービス開発やソリューションサービスの展開を通じた売上増加と、生産拠点と設備の集約を通じた原価低減活動により、各期の営業利益が対前年度比で大幅な増益となること(2024年3月期が営業損失であるところ、2025年3月期において営業利益の計上を見込んでおり、2026年3月期において対前年度比47.8%増、2027年3月期において対前年度比136.6%増、2028年3月期において対前年度比67.5%増)を見込んでおります。さらに、2026年3月期においては、新製品・サービス開発投資等の設備投資の影響を上回る営業利益の増益により、フリー・キャッシュ・フローが大幅に増加(対前年度比466百万円増)することを見込んでおり、2027年3月期においては、設備投資が前年度に比して減少する一方で、上記の売上増加に伴う運転資本の増加により、フリー・キャッシュ・フローが大幅に減少(対前年度比50百万円減)することを見込んでおり、また、2028年3月期においては、上記の原価低減活動を通じて、運転資本の増加の影響を上回る営業利益の増加により、フリー・キャッシュ・フローが大幅に増加(対前年度比270百万円増)することを見込んでおります。なお、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、本事業計画には加味しておりません。

本事業計画は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会が、その内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。

 

 

(注) デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、当社株式の株式価値の算定に重大な影響を及ぼす可能性のある事実でデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の本事業計画に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの算定は、2025年2月13日までの上記情報を反映したものであります。なお、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの算定は、当社取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。

 

② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、当社、公開買付者及び応募予定株主から独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。公開買付者が大和証券から取得した当社株式の株式価値の算定結果に関する算定書(以下「公開買付者算定書」といいます。)の詳細については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

 

(4) 上場廃止となる見込み及びその事由

当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。

また、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の取得を目的とした手続を実施することを予定しているとのことですので、その場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。

 

(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社を公開買付者の完全子会社とする方針であり、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の取得を目的として、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

 

① 株式売渡請求

公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(当社及び公開買付者を除きます。以下同じです。)の全員に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を当社の株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社が取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、当社の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、当社の株主全員からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。そして、当該各株主の所有していた当社株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。

なお、当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会にてかかる株式売渡請求を承認する予定です。

株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法の規定として、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、当社の株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、当該申立てがなされた場合の売買価格は、最終的に裁判所が判断することになります。

なお、譲渡制限付株式報酬として当社の取締役に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)については、その割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、当社の普通株式を対象とする株式売渡請求に関する事項が当社取締役会で承認された場合(但し、売渡株式の取得日(以下「スクイーズアウト効力発生日(売渡請求)」といいます。)が譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限ります。)には、当社取締役会の決議により、スクイーズアウト効力発生日(売渡請求)の前営業日をもって、本譲渡制限付株式の割当日の直前の当社の定時株主総会の日を含む月から当該承認の日を含む月までの月数を12で除した数(その数が1を超える場合は、1とします。)に、当該承認の日において付与対象者が保有する本譲渡制限付株式の数を乗じた数の本譲渡制限付株式について、譲渡制限を解除するとされ、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、スクイーズアウト効力発生日(売渡請求)の前営業日をもって、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部を当然に無償で取得するとされております。本スクイーズアウト手続においては、上記割当契約書の(a)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日(売渡請求)の前営業日をもって譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、株式売渡請求の対象とし、上記割当契約書の(b)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日(売渡請求)の前営業日の直前時をもって譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、当社において無償取得する予定です。

 

② 株式併合

他方で、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の90%未満となった場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき当社株式の併合を行うこと(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。また本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2025年5月下旬を予定しているとのことです。

 

 

本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(当社及び公開買付者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者のみが当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(当社及び公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定とのことです。

本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした規定として、本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(当社及び公開買付者を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(当社及び公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主は、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、価格決定の申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は最終的に裁判所が判断することになります。

なお、本譲渡制限付株式については、その割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、本株式併合(当該株式併合により、付与対象者の有する本譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなる場合に限ります。)に関する事項が当社株主総会で承認された場合(但し、本株式併合の効力発生日(以下「スクイーズアウト効力発生日(本株式併合)」といいます。)が譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限ります。)には、当社取締役会の決議により、スクイーズアウト効力発生日(本株式併合)の前営業日をもって、本譲渡制限付株式の割当日を含む月から当該承認の日を含む月までの月数を12で除した数(その数が1を超える場合は、1とします。)に、当該承認の日において付与対象者が保有する本譲渡制限付株式の数を乗じた数の本譲渡制限付株式について、譲渡制限を解除するとされ、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、スクイーズアウト効力発生日(本株式併合)の前営業日をもって、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部を当然に無償で取得するとされております。本スクイーズアウト手続においては、上記割当契約書の(a)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日(本株式併合)の前営業日をもって譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、本株式併合の対象とし、上記割当契約書の(b)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日(本株式併合)の前営業日の直前時をもって譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、当社において無償取得する予定です。

 

上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があるとのことです。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(当社及び公開買付者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。

以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。

 

なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認ください。

 

(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

本書提出日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引はいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注)にも該当いたしません。

 

(注) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が当社の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって当社の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。

 

もっとも、公開買付者が本取引を通じて当社を完全子会社とすることを企図していることを勘案し、当社及び公開買付者は、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。

なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は、本「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者が本取引を通じて当社を完全子会社とすることを企図していることを勘案し、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、当社、公開買付者及び応募予定株主から独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、大和証券は当社、公開買付者及び応募予定株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。大和証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、市場株価法及びDCF法を用いて当社株式の株式価値の算定を行い、公開買付者は2025年2月13日付で大和証券から算定書(以下「公開買付者算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、当社及び公開買付者において本公開買付価格の公正性及び本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置等を実施していることを踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の公正性が担保されていると考えた結果、大和証券から本公開買付価格の妥当性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

大和証券による当社株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりとのことです。

 

市場株価法  :1,069円~1,125円

DCF法   :1,900円~2,836円

 

市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月13日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値1,073円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,069円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,101円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,125円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,069円~1,125円と算定しているとのことです。

 

DCF法では、当社から提供を受けた事業計画(2025年3月期から2028年3月期までの4期分)を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、想定されるシナジー、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の事業計画に基づき、当社が2025年3月期第4四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,900円~2,836円と算定しているとのことです。なお、大和証券がDCF法に用いた2025年3月期から2028年3月期までの当社の事業計画には、本取引により想定されるシナジー効果が含まれており、岩崎通信機とのシナジーが発現する2027年3月期以降において、営業利益が対前年度比較において大幅に増加することを見込んでいるとのことです。また、2027年3月期以降において、売上高増加に伴い、運転資本が大幅に増加する影響から、フリー・キャッシュ・フローが、対前年度比較において大幅に減少することを見込んでいるとのことです。

公開買付者は、大和証券から取得した公開買付者算定書の算定結果に加え、公開買付者において2024年11月下旬から2025年1月上旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社の取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の市場株価の動向(2007年1月1日以降の期間における当社株式の市場株価の最高値2,250円)及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2025年2月14日開催の取締役会の決議によって、本公開買付価格を、大和証券より取得した株式価値算定書の算定結果のうち、市場株価法による算定結果(1,069円~1,125円)のレンジの上限を上回るものであり、また、DCF法による算定結果(1,900円~2,836円)のレンジの範囲内である1株当たり2,550円と決定したとのことです。

なお、本公開買付価格である1株当たり2,550円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月13日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,073円に対して137.65%、2025年2月13日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,069円に対して138.54%、2025年2月13日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値1,101円に対して131.61%、2025年2月13日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値1,125円に対して126.67%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。また、本公開買付価格は、本書提出日の前営業日である2025年2月14日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値1,064円に対して139.66%のプレミアムを加えた金額とのことです。

 

② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

当社は、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係」に記載のとおり、当社、公開買付者及び応募予定株主から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月13日付で本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)を取得いたしました。

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社、公開買付者及び応募予定株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、記載すべき重要な利害関係を有しておりません。本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの独立性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。また、当社は、当社及び公開買付者において本公開買付価格の公正性及び本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置等を実施していることを踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の公正性が担保されていると考えた結果、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。なお、本取引に係るデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対する報酬には、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬の他、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。

 

本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。

 

③ 当社における独立した法律事務所からの助言

当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社、公開買付者及び応募予定株主から独立したリーガル・アドバイザーとして北浜法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。

なお、北浜法律事務所は、当社、公開買付者及び応募予定株主の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。本特別委員会は、北浜法律事務所の独立性に問題がないことを確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとして承認しております。また、本取引に係る北浜法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。

 

④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯

当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、2024年11月7日開催の当社取締役会において、本取引を検討するにあたって、当社の意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立することを目的として、当社、公開買付者及び応募予定株主との間に利害関係を有しない、荒井功氏(当社独立社外取締役)、大西俊彦氏(当社独立社外取締役)、土屋和雄氏(当社独立社外取締役(監査等委員))及び加藤正憲氏(当社独立社外取締役(監査等委員))の4名によって構成される本特別委員会を設置いたしました。さらに、当社は、2024年11月28日開催の当社取締役会において、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本公開買付けを含む本取引に係る意思決定を行うものとすることを決議いたしました。なお、本特別委員会の委員長は、委員間の互選により荒井功氏が選任されており、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。また、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。

当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、2024年11月28日開催の当社取締役会において、本特別委員会に対し、本諮問事項を諮問し、これらの点について本答申書を当社取締役会に提出することを嘱託いたしました。また、併せて、当社は、本特別委員会に対し、(a)当社が本取引の取引条件等について公開買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与する権限(必要に応じて、公開買付者との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら公開買付者と交渉を行うことを含む。)、(b)適切な判断を確保するために、当社のアドバイザー等を指名・承認(事後承認を含む。)する権限及び必要に応じて独自のアドバイザー等を選任する権限(なお、特別委員会が独自のアドバイザー等を選任する場合の費用は当社が負担し、また、特別委員会は、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができるものとする。)、並びに(c)当社の取締役、従業員その他特別委員会が必要と認める者に、特別委員会への出席、書面による回答その他適宜の方法により、本取引の検討及び判断に必要な情報について説明・提供を求める権限を与えることを、当社取締役会にて決議しております。

 

 

(ⅱ)検討の経緯

本特別委員会は、2024年11月7日より2025年2月13日までの間に合計17回開催され、また、必要に応じて都度電子メール又は電話連絡を通じて報告、情報共有、審議及び意思決定を行う等して、本諮問事項について、慎重に協議及び検討を行っております。具体的には、本特別委員会は、まず、当社が選任したリーガル・アドバイザーである北浜法律事務所、並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーにつき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれを当社のリーガル・アドバイザー、並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認いたしました。また、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認しております。

その上で、本特別委員会は、当社から、本取引の目的や意義、当社事業に対する影響等についてインタビュー形式及び書面で説明を受け、質疑応答を行うとともに、公開買付者から、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式及び書面で説明を受け、質疑応答を行いました。

また、本特別委員会は、当社が作成した本事業計画について、当社からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認しております。

さらに、本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから、本取引の条件等についての交渉経緯及び当社の株式価値算定についての説明を受けるとともに、北浜法律事務所から、本取引の手続面における公正性を担保するための措置並びに本取引に係る当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容について説明を受け、これらに関しても質疑応答を行っております。

本特別委員会は、当社から、当社と公開買付者との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本公開買付価格につき、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり交渉が行われ、公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,550円とする旨の提案を受けるに至るまで、本特別委員会が公開買付者から公開買付価格に関する提案を受領する都度、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから受けた財務的見地からの助言も踏まえて公開買付者に対する交渉方針を審議・検討する等、公開買付者との交渉過程に実質的に関与いたしました。

 

(ⅲ)判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2025年2月13日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で大要以下の内容の本答申書を提出しております。

(ア)答申内容

a.本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的の正当性・合理性が認められる。

b.本公開買付価格を含む本取引の取引条件の公正性が確保されていると考えられる。

c.本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性が確保されていると考えられる。

d.上記a乃至cを踏まえると、本取引の決定は当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。

e.上記a乃至dを踏まえると、本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明することは適切であり、当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。

 

(イ)答申理由

a.本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)について

・上記した当社、公開買付者及び岩崎通信機から説明された当社を取り巻く経営環境及び当社の経営課題、本取引実施後に期待できる取組み及びシナジー等に関して、その内容に不合理な点は認められない。

 

・当社は、部品不足や取引先の納入調整による影響を受けた減産、価格転嫁を上回る部材価格の高騰等の外部要因、レガシー事業の収益性悪化や新製品リリース・サービス育成の遅延等の内部要因の影響を受け、第五次中期経営計画において設定した目標経営数値は未達となっており、当社を取り巻く経営環境は厳しい状況にあるといえる。また、2025年3月期第3四半期における足元の当社グループの売上高は前年同期比で増加しているものの、同期第2四半期における当社グループの売上高は前年同期比で減少しており、第六次中期経営計画における目標指標の達成についても予断を許さない状況にあり、足元の業績見通しについても引き続き不安定な状況が継続しており、当社グループの存続と持続的な成長を実現するためには、当社グループの既存事業における収益性の改善と新規事業の育成の必要性が認められる。

・当社の既存事業のうち主力のビジネスホン事業においては、デジタル技術の代替に伴い市場の中長期的な縮小が見込まれており、今後の需要拡大を合理的に見込むことが難しい状況にある。このようなマーケットの縮小が見込まれる分野においては、シェアアップや水平統合・ロールアップ戦略をとることが考えられ、当社グループ単独でも一定の効果をあげることも期待できるものの、その余地は限られており、また、現在当社と競合関係にある同業他社においては直接販売の撤退や代理店の削減を実施・検討する等しており、当社の事業戦略と合致する適切な経営統合先は限られている。

・また、当社は、近年、ビジネスホン事業以外の製品・サービス開発として、スマートX事業に注力してきたが、主力製品として期待された製品・サービスに必要な技術は、ビジネスホン事業で培った技術と異なる部分があり、技術難度の高さ等から、当社グループ単独では、現状以上に製品・サービスの開発スピードを向上させることが困難な状況にある。

・以上のとおり、各事業分野において、当社グループ単独での成長余地も残されてはいるものの、中長期的な企業価値の向上、特に既存事業の収益性を改善した上で、安定的な収益を確保しつつ、新製品開発・新規ビジネスといった新規事業の育成の早期実現を当社グループ単独で取り組むことは、デジタル化、IT化に向けた開発面のケイパビリティーギャップが課題として残る。

・この点、公開買付者グループ及び当社グループが想定するシナジーについては、必ずしも定量化できる程具体化されたものが認められるわけではないものの、実現可能性が著しく低いものでもなく、当社が、公開買付者の完全子会社となれば、公開買付者グループの有する人的リソース、ネットワークを最大限活用することができ、クロスセルによる営業力や販売力の強化、経営資源の相互活用による効率的な人材配置・余剰コストの低減(コストシナジーや営業拠点・生産拠点の統合による営業効率や工場稼働率の向上を含む。)、新製品・新規事業への積極投資・開発、人材交流や情報交換等の連携を通じた研究開発力の強化が可能であると考えられる。

・また、当社が、公開買付者の完全子会社とならず、部分的な資本関係のもと、上場企業として独立した経営を行っている状態では、それぞれの経営資源・ノウハウ等を相互活用する場合、各社の少数株主を含むステークホルダーの利益を考慮した上で各種の施策を実行する必要があるため、共有できるリソース・ノウハウの範囲や共同での研究開発の深度も限定されたものにとどまる可能性があることや、また、上場を維持しながらでは、収益改善に向けた大胆かつ抜本的な施策や新規事業への積極投資等によって一時的な業績の悪化等を招き株価が下落することがあるため、着手しづらいという問題が挙げられる。

・しかしながら、当社が、非公開化され、公開買付者の完全子会社になった場合は、そのような懸念がなくなり、スピード感をもった施策やより中長期的な視点からの抜本的な施策・改革が実施しやすくなるとともに、一人株主のもと、迅速な意思決定が可能な体制が構築できる。

・また、上記のとおり、完全子会社化に伴うデメリットは、限定的なものであることが認められる。

・以上の点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的の正当性・合理性が認められる。

 

 

b.本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性について

(a).本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)の取得

・本特別委員会は、当社の事業計画について、当社の公表している第六次中期経営計画と同様に、重点分野(オフィス・介護)における新製品・サービス開発やソリューションサービスの展開を通じた売上増加と、生産拠点と設備の集約を通じた原価低減活動等を見込んだ内容となっており、その作成過程において、公開買付者グループ及び応募予定株主の関係者が、不当な影響を与えた事実は認められず、また、内容についても相応の合理性が認められることを確認した。

・当社が、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから取得した本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)によれば、本株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると1,069円から1,125円、DCF法によると2,435円から3,106円、類似会社比較法によると1,127円から1,634円とされているところ、本公開買付価格は、市場株価法及び類似会社比較法による株式価値算定結果のレンジの上限を上回り、かつ、DCF法による株式価値算定結果のレンジの範囲内であり、レンジの下限を115円上回る金額となっている。

・そして、本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから株式価値評価に用いられた算定方法等について詳細な説明を受けるとともに、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及び当社に対して、評価手法の選択、DCF法による算定の基礎となる事業計画、当該事業計画に基づく財務予測、継続価値の算定方法、割引率の算定根拠、必要運転資金、類似会社の選定基準・考え方等に関する質疑応答を行った上で検討した結果、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。

・したがって、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる当社の株式価値算定の内容は合理的なものであると考えられる。

 

(b).プレミアムの水準について

・本公開買付価格(2,550円)は、2025年2月13日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,073円に対し137.65%、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,069円に対して138.54%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,101円に対して131.61%、直近6ヶ月間の終値単純平均値1,125円に対して126.67%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、過去の類似事例におけるプレミアム水準と比べて遜色ない水準であることを確認した。

・以上からすれば、本公開買付けは、当社の少数株主に対して十分なプレミアムによる合理性が認められる株式売却機会を提供するものであると評価できる。

 

(c).PBRとの関係について

・当社からの説明を踏まえれば、簿価純資産額はあくまで理論的な清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の株式価値算定において重視することは合理的でないと考えられ、また、仮に当社が事業の清算を行う場合、2024年12月31日現在の当社の連結貸借対照表において総資産に占める流動性の低い資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品、土地建物といった固定資産)の割合が約30%と一定程度存在すること、投資その他の資産の大部分を占める退職給付に係る資産についても、年金制度の終了に伴い、当社に返還されるものではないこと、及び、清算に際しては売上債権の早期回収に伴う費用・損失、工場の閉鎖に伴う除去コスト、土壌汚染対策費用、従業員に対する割増退職金及び海外子会社を含めた事業清算のための弁護士等の専門家費用等、清算に伴う様々な追加コストの発生が見込まれること等を考慮すると、簿価純資産額と同額で換価されるわけではなく、現実的には相当程度に毀損することが想定されると考えられる。

・したがって、本公開買付価格が1株当たり連結簿価純資産額を下回ることをもって、本公開買付価格の合理性が否定されることにはならないと考えられる。

 

 

(d).公開買付者との協議・交渉の内容について

・当社及び本特別委員会は、本特別委員会が事前に承認した交渉方針に従い、少数株主の利益保護の観点から、公開買付者に対し、定量化可能なシナジーのみならず、定量化が困難なシナジーについても勘案することを要請する等し、公開買付価格に関する協議・交渉を公開買付者との間で複数回にわたって行っている。

・具体的には、当社及び本特別委員会は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを通じて、本特別委員会が承認した方針に従い価格交渉を実施し、5回に亘る価格引き上げの要請を行い、公開買付者の当初提案額(1株当たり2,000円)から、最終的に総額550円(本公開買付価格2,550円と当初提案額の差額)の引き上げに成功している。

 

(e).その他本取引に係るスキーム・条件の妥当性について

・本取引に係るスキームは一般的な非公開化手法として用いられるものであり、さらに、本公開買付価格は上記で述べたとおり、合理的な金額であると評価することができることから、本取引のスキームを採用すること自体が不合理であるとはいえない。

・その他、本取引に係るスキーム・条件に関して、不合理な内容は特段見当たらない。

 

(f).小括

・以上の点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本公開買付価格は、本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)における市場株価法及び類似会社比較法による株式価値算定結果のレンジの上限を上回り、かつ、DCF法による株式価値算定結果のレンジの範囲内であり、レンジの下限を115円上回る金額であること、2025年2月13日の終値、直近1ヶ月、直近3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準としては、過去の類似事例におけるプレミアム水準と比べて遜色ない水準であり、また、当社の少数株主に対して十分なプレミアムによる合理性が認められる株式売却機会を提供するものであると評価できること、当社は公開買付者との間で真摯な交渉を複数回にわたり行い、当初の提示価格から550円の引き上げに成功していること等の事情も踏まえ、本取引に係る取引条件(本公開買付価格を含む。)の公正性が確保されていると考えられる。

 

c.本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性について

(a).本特別委員会の設置

・当社は、本取引に係る当社の意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性のある当社の取締役会における意思決定過程を確立するため、公開買付者及び応募予定株主並びに本取引から独立性を有する荒井功、大西俊彦、土屋和雄及び加藤正憲の4名で構成される特別委員会を設置し、本答申書を取得している。

・また、本特別委員会は、合計17回開催され、上記で述べたとおり、公開買付者との協議及び交渉に実質的に関与しており、真摯な交渉が行われたことが認められる。

 

(b).当社のアドバイザー等の選任

・当社は、当社、公開買付者及び応募予定株主並びに本取引から独立性を有し専門性が認められる第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザーとして、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを選任し、同社から本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)を取得するとともに、財務的見地からの助言・意見等を取得している。また、独立性及び専門性を有するリーガル・アドバイザーとして、北浜法律事務所を選任し、本取引における手続の公正性を確保するために講じるべき措置やその他の法的見地からの助言・意見等を取得している。

 

 

(c).当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認

・当社は、公開買付者、応募予定株主及び本取引との間で特別な利害関係を有しない当社取締役9名(監査等委員である取締役を含む。)による取締役会決議を実施することを予定している。

・本取引に係る協議、検討及び交渉の過程(当社における事業計画の策定過程を含む。)において、公開買付者グループ及び応募予定株主の関係者その他本取引に特別な利害関係を有する者が、当社側の意思決定過程に不当な影響を与えた事実は認められない。

 

(d).他の買付者からの買付機会を確保するための措置

・本公開買付けに関しては、公開買付期間が法令に定められた最短期間(20営業日)よりも長期である31営業日に設定される予定であるとともに、公開買付者と当社は、公開買付者以外の者による公開買付け等の機会が不当に制限されることがないよう、当社が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを禁止・制限するような取引保護条項を含む合意等は一切行っておらず、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的買収提案の機会が確保されることにより、本取引に係る手続の公正性の確保に向けた配慮がなされている。

・なお、本公開買付けにおいては、積極的なマーケット・チェックが実施されていないものの、他の公正性担保措置を通じて手続の公正性が確保されており、本件において、積極的なマーケット・チェックが実施されていないことの一事をもって、本取引に係る手続の公正性が阻害されることはないと考えられる。

 

(e).マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定について

・本公開買付けにおいて、公開買付者が設定する予定の買付予定数の下限は、2,610,700株(所有割合58.29%)であるところ、当該下限は、当社の第3四半期決算短信に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(4,794,963株)から、公開買付者が所有する当社株式数(375,200株)、応募予定株主との間で締結された応募契約の対象となる株式数(合計808,800株)及び同日現在の当社が所有する自己株式数(316,077株)の合計数を控除した株式数(3,294,886株)を2で除した株式数(1,647,443株、所有割合36.78%)(いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」に相当する株式数)に、応募予定株式数(808,800株)を加算した株式数(2,456,243株、所有割合54.84%)を上回っており、公開買付者及び応募予定株主と重要な利害関係を有さない当社の株主が保有する当社株式の数の過半数が同意した上で本取引が行われるものといえ、本取引の公正性が担保されていると考えられる。

 

(f).本スクイーズアウト手続について

・本公開買付けに応募しなかった少数株主は、本公開買付けの後に実施される予定の本スクイーズアウト手続において、最終的に金銭が交付されることになるが、当該手続において交付される金銭の額は、本公開買付価格に当該株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定である旨がプレスリリース等で明示される予定であり、強圧性に一定の配慮がなされるとともに、本スクイーズアウト手続において予定されている株式等売渡請求又は株式併合は、非公開化手法として一般的な手法であり、いずれの手続においても少数株主が対価について異議を述べる機会が適切に確保されているため、本スクイーズアウト手続の内容に関し、特段不合理な点は見当たらない。

 

(g).小括

・以上の点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引に至る交渉過程及び意思決定に至る手続の公正性が確保されていると考えられる。

 

d.本取引の決定は当社の少数株主にとって不利益ではないかについて

・上記a乃至cを踏まえると、本取引の決定は当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。

 

 

e.当社取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨することの是非について

・上記a乃至dを踏まえると、当社取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明することは適切であり、当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。

 

⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認

当社は、北浜法律事務所から受けた法的助言及びデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから取得した本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議を行いました。

その結果、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)判断内容」に記載のとおり、本取引について、本公開買付けを含む本取引に応じて当社が公開買付者の完全子会社となることにより、(ア)営業・顧客基盤の拡大、(イ)研究開発力の強化、(ウ)経営資源の相互活用による経営の効率化・組織基盤の強化並びに(エ)上場維持コスト及び関連する業務負担の軽減といったメリットが生じることで当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格は、(ア)当社において、本「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること、(イ)上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」に記載の本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)における市場株価法及び類似会社比較法による算定結果のレンジの上限を上回っており、また、本株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)におけるDCF法による算定結果のレンジの範囲内であること、(ウ)本公開買付けの公表日の前営業日である2025年2月13日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,073円に対して137.65%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,069円に対して138.54%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,101円に対して131.61%及び同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,125円に対して126.67%のプレミアムが加算されており、これらのプレミアムは、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2025年2月13日までに成立した上場会社の非公開化を目的とした公開買付け事例(マネジメント・バイアウト(MBO)事例、対象会社が公開買付者の連結子会社又は関連会社である事例等を除く。)におけるプレミアムの実例91件(公表日の前営業日を基準日として、公表日の前営業日の終値に対するプレミアム並びに同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるそれぞれのプレミアムの中央値が47.92%、53.47%、49.00%及び54.57%)のプレミアムの中央値と比較して、遜色ないプレミアムが付された価格であると評価できること、(エ)上記「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅲ)判断内容」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると判断されていることを踏まえ、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年2月14日開催の取締役会において、当社の取締役全9名のうち、審議及び決議に参加した利害関係を有しない当社の取締役9名(監査等委員である取締役を含みます。)の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。

 

 

⑥ マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)を満たす買付予定数の下限の設定

公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を2,610,700株(所有割合58.29%)と設定しており、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(2,610,700株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。なお、買付予定数の下限である2,610,700株(所有割合58.29%)は、当社第3四半期決算短信に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(4,794,963株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(316,077株)、公開買付者が所有する当社株式の数(375,200株)及び応募予定株式数(808,800株)を控除した株式数(3,294,886株)を2で除した株式数(1,647,443株、所有割合36.78%。これは、公開買付者と重要な利害関係を有さない当社の株主の皆様が所有する当社株式の数の過半数、すなわち、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」に相当する数)に、応募予定株式数(808,800株)を加算した株式数(2,456,243株、所有割合54.84%)を上回っております。

これにより、当社の少数株主の皆様の意思を重視して、公開買付者の利害関係者以外の株主の皆様の過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを含む本取引を行わないこととしているとのことです。

 

⑦ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置

公開買付者は、当社との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っていないとのことです。

また、公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、比較的長期間である31営業日としているとのことです。公開買付者は、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性も担保することを企図しているとのことです。

 

(7) 公開買付者と自社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、2025年2月14日付で、応募予定株主との間で本応募契約を締結しているとのことです。本応募契約において、応募予定株主は、応募予定株式(光通信の所有する331,500株(所有割合:7.40%)、UH Partners 2の所有する333,700株(所有割合:7.45%)及びUH Partners 3の所有する143,600株(所有割合:3.21%)の合計である808,800株、所有割合:18.06%)について応募することに合意しているとのことです。

本応募契約において、公開買付者は、応募予定株主との間で以下の内容を合意しているとのことです。なお、応募予定株主による応募の前提条件は、下記内容以外においてはないとのことです。

(ア)応募予定株主は、応募予定株式(808,800株、所有割合:18.06%)について、本公開買付けに応募(以下「本応募」という。)し、かつ本応募の結果成立した応募予定株式の買付に係る契約を解除しないこと。

(イ)公開買付者による本公開買付けの開始は、以下の前提条件が全て満たされていることを前提条件とする。但し、公開買付者は、いずれの条件も放棄することができる。

・応募予定株主の表明及び保証について重大な誤りがないこと(注1)。

・応募予定株主について、本応募契約に定める義務の重大な違反のないこと(注2)。

・本応募契約締結日以降、本公開買付けの開始日までの間に、本公開買付けの開始日以降に生じたとすれば、金融商品取引法施行令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ、並びに同上第2項第3号乃至6号に定める事由に含まれることになる事由が生じていないこと。

・当社に関する未公表の重要事実(金融商品取引法第166条第2項に定める重要事実をいう。)となる事由が生じていないこと。

・当社において本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の取締役会決議がなされ、かかる決議が公表され、かつ当該決議が撤回、留保又は変更されていないこと。

・当社の独立した特別委員会から、本公開買付けが当社の少数株主にとって不利益でない旨の意見が取得され、かつ維持されていること。

 

・当社が、本公開買付け以外の公開買付けに対して賛同意見を表明していないこと。

・本公開買付け及びその後に企図されている取引の実行のために必要な許認可等がすべて取得、履践され、待機期間が定められている場合には当該期間が経過しており、かつ本公開買付けまたはその後に企図されている取引の実行を妨げる措置等がとられていないこと。

・当社及びその子会社を当事者とする重要な契約が本公開買付け後も適法かつ有効に存続することが合理的に見込まれること。

・司法機関、行政機関及び自主規制機関(以下「司法・行政機関等」と総称する。)に対して、本公開買付けを制限又は禁止することを求める訴訟等が継続しておらず、かつ、本公開買付けを制限又は禁止する旨のいかなる法令等又は司法・行政機関等の判断等が存在していないこと。

(注1) 応募予定株主は、本応募契約において、公開買付者に対して、本応募契約締結日、本公開買付けの開始日及び本公開買付けに係る決済の開始日において(ⅰ)応募予定株主の適法かつ有効な設立及び存続、(ⅱ)応募予定株主による本応募契約の締結及び履行に必要な権限及び機能保有並びに必要な社内手続の履践、(ⅲ)応募予定株主に対する本応募契約の強制執行可能性、(ⅳ)応募予定株主による本応募契約の締結及び履行のための許認可等の取得、(ⅴ)本応募契約の締結及び履行による法令等との抵触の不存在、(ⅵ)本公開買付けにおいて応募対象となる当社株式の適法な所有及び担保権等の負担の不存在、(ⅶ)応募対象となる当社株式以外の当社株式及び新株予約権等の不存在、(ⅷ)反社会的勢力の非該当性、関係の不存在について表明及び保証を行っているとのことです。

(注2) 応募予定株主は、本応募契約において、(ⅰ)第三者との間で当社株式の取得、譲渡、担保権の設定その他処分を行わない義務、(ⅱ)公開買付けと競合、矛盾若しくは抵触する取引に係る協議、交渉、契約その他の合意、かかる合意に向けた申込み、申込みの誘因、勧誘若しくは情報交換又は当該取引の実行を行わない義務を負っているとのことです。

 

 

4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

 

氏名

役職名

所有株式数(株)

議決権の数(個)

貫井 俊明

代表取締役社長

22,156

221

原  和弘

専務取締役

12,855

128

岩本 修

取締役 常務執行役員

管理統括本部長

9,752

97

石川 智之

取締役 常務執行役員

ソリューション営業本部長

8,212

82

大西 俊彦

取締役

0

0

荒井 功

取締役

0

0

加藤 英明

取締役(常勤監査等委員)

10,126

101

土屋 和雄

取締役(監査等委員)

0

0

加藤 正憲

取締役(監査等委員)

0

0

63,101

629

 

(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。

(注2) 取締役 大西俊彦氏及び荒井功氏は、監査等委員ではない社外取締役であります。取締役 土屋和雄氏及び加藤正憲氏は、監査等委員である社外取締役であります。

(注3) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めた数を記載しております。

 

5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

該当事項はありません。

 

6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

該当事項はありません。

 

7 【公開買付者に対する質問】

該当事項はありません。

 

8 【公開買付期間の延長請求】

該当事項はありません。

以 上