独立監査人の監査報告書

 

 

 

2025年2月25日

ZETA株式会社

 取締役会 御中

 

監査法人アヴァンティア

東京事務所

 

 

指定社員
業務執行社員

 

公認会計士

木  村  直  人

 

 

 

指定社員
業務執行社員

 

公認会計士

金  井  政  直

 

 

 

<財務諸表監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているZETA株式会社(旧社名 サイジニア株式会社)の2023年7月1日から2024年6月30日までの第19期事業年度の訂正後の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。

当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、ZETA株式会社(旧社名 サイジニア株式会社)の2024年6月30日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

 

ライセンス契約に係る収益認識

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

会社は、顧客のECサイトにおいて、レコメンド機能を提供するデクワス.RECO事業、及びクラウドプラットフォーム「Yext Knowledge Engine」(以下「Yext」という。)を使用し、新商品や新規店舗の開店情報など顧客の企業情報を正確に管理、最適化してユーザーに発信するデジタルナレッジマネジメント(以下「DKM」という。)サービス事業を行っており、どちらもライセンス商品の販売、その保守、及びホスティング契約を手掛けている。

注記事項 (重要な会計方針) 5.収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、デクワス.RECO事業では、顧客が運営するECサイトの検索エンジンに自社ライセンスの使用権を付与し稼働させる義務、DKMサービス事業では顧客にYextのライセンスの使用権を付与し稼働させる義務を負うため、ライセンスが供与され使用可能となった時点に収益を認識している。また、ライセンスの更新においては、更新後のライセンス期間開始時点で履行義務が充足されると判断し、収益を認識している。

ライセンスの付与は無形のサービス提供であり、顧客に実際にライセンスが提供されているかを客観的に判断することは難しい。そのため履行義務の充足の実態を把握することが通常の取引よりも困難である。

以上から、当監査法人は、会社におけるライセンスに係る収益認識について、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断している。

当監査法人は、識別された監査上の主要な検討事項に対応するため、主として以下の監査手続を実施した。

(1)内部統制の評価

・ライセンス売上高にかかる取引形態の理解及びこれに関連した内部統制の整備及び運用状況を評価した。

・特にライセンスの付与における履行義務の充足時点において、経営管理部責任者が契約書、請求書と起票内容を確認するプロセスについて、適切な内部統制が整備及び運用されているかを重点的に評価した。

(2)収益認識の適切性の検討

・ライセンス売上高の実在性及び期間帰属の妥当性を検証するために、決算月の売上高について、通常の手続と比較して手続実施範囲を拡大し、ライセンス契約書、請求書及び入金証憑との証憑突合を実施した。

・ライセンス売上高の実在性及び期間帰属の妥当性を検証するために、取引先別分析、粗利分析、月次推移分析、及び取引先への契約内容の確認手続を実施し、売上計上時期及び金額に異常性がないかを検討した。

・ライセンス契約書及び請求書の閲覧により、回収サイトが長期間に渡るライセンス契約を把握した。

・回収サイトが長期間に渡るライセンス売上高については、入金証憑との突合を実施し、回収の事実を確かめた。

 

 

強調事項

重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2024年9月27日開催の定時株主総会にて、会社の完全子会社であるZETA株式会社及びデクワス株式会社を、同年10月1日を効力発生日として吸収合併することを承認可決した。

当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。

 

その他の事項

有価証券報告書の訂正報告書の提出理由に記載されているとおり、会社は、財務諸表を訂正している。なお、当監査法人は、訂正前の財務諸表に対して2024年9月30日に監査報告書を提出しているが、当該訂正に伴い、訂正後の財務諸表に対して本監査報告書を提出する。

 

その他の記載内容

その他の記載内容は、有価証券報告書の訂正報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

当監査法人の訂正後の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

 

財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<報酬関連情報>

報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

 

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以  上

 

 

(注) 1.上記の監査報告書の原本は、当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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