名称 ARTS-3株式会社
所在地 東京都港区港南一丁目2番70号品川シーズンテラス
普通株式
(1)意見の内容
当社は、2025年2月28日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
(2)意見の根拠及び理由
本「(2)意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、2025年1月7日に設立され、2025年2月28日現在、スパークス・グループ株式会社(以下「スパークス」といい、関係会社及びその他の関連事業体と併せて、以下「スパークスグループ」と総称します。)が無限責任組合員をつとめる日本モノづくり未来投資事業有限責任組合(以下「日本モノづくり未来ファンド」といいます。)が発行済株式の全てを所有する株式会社であり、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を取得、所有し、当社の事業活動を支配及び管理することを主たる目的としているとのことです。なお、2025年2月28日現在、公開買付者、スパークス及び日本モノづくり未来ファンドは当社株式を所有していないとのことです。
スパークスは、資産運用業(投資顧問業・投資信託委託業)を中核業務としているとのことです。1989年7月の会社創業以来、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」を目指し、株式投資に留まらず、再生可能エネルギー発電所等の実物資産投資、未来創生ファンドに代表されるベンチャーキャピタル投資等、投資領域を広げてきたとのことです。日本モノづくり未来ファンドは、日本における高い技術・技能を維持し、モノづくりの力を今後も発展させていくために、優れた技術・人材・サービスを有する国内のモノづくり企業に投資し、企業の持続的な成長を通じて、日本のモノづくりの発展に寄与することを目的として2020年12月に設立され、これまでに株式会社IJTTへの投資実績を有しているとのことです。
公開買付者は、2025年2月28日、当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式(従業員インセンティブ・プラン「株式給付信託(J-ESOP)制度」の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する株式539,100株は含まれません。以下、当社の自己株式について同じです。)を除きます。)を取得することにより、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを、2025年3月3日から開始することを決定したとのことです。
本公開買付けに際して、公開買付者は、2025年2月28日付で、当社の第1位株主である東プレ株式会社(所有株式数2,585,200株、所有割合(注1):6.94%、以下「東プレ」といいます。)と応募契約(以下「本応募契約(東プレ)」といいます。)を締結し、東プレが所有する当社株式の全て(2,585,200株、所有割合:6.94%)を本公開買付けに応募することを合意しているとのことです。また、公開買付者は、当社の第2位株主である日本製鉄株式会社(所有株式数2,577,600株、所有割合:6.92%、以下「日本製鉄」といいます。))との間で応募契約(以下「本応募契約(日本製鉄)」といいます。)を締結し、日本製鉄が所有する当社株式の全て(2,577,600株、所有割合:6.92%)を本公開買付けに応募することを合意しているとのことです。また、公開買付者は、当社の第3位株主である日本パーカライジング株式会社(所有株式数1,878,400株、所有割合:5.04%、以下「日本パーカライジング」といいます。)と応募契約(以下「本応募契約(日本パーカライジング)」といいます。)を締結し、日本パーカライジングが所有する当社株式の全て(1,878,400株、所有割合:5.04%)を本公開買付けに応募することを合意しているとのことです。更に、公開買付者は、当社の第8位株主である日鉄物産株式会社(所有株式数1,200,000株、所有割合:3.22%、以下「日鉄物産」といい、日本製鉄、東プレ及び日本パーカライジングと併せて「本応募合意株主」といいます。)との間で応募契約(以下「本応募契約(日鉄物産)」といいます。)を締結し、日鉄物産が所有する当社株式の全て(1,200,000株、所有割合:3.22%)を本公開買付けに応募することを合意しており、本応募合意株主が所有する当社株式の合計8,241,200株(所有割合:22.12%、以下「本応募合意株式数」といいます。)を本公開買付けに応募することを合意しているとのことです。なお、本応募契約(東プレ)、本応募契約(日本製鉄)、本応募契約(日本パーカライジング)及び本応募契約(日鉄物産)の詳細については、下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年2月13日に公表した「2025年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2024年12月31日現在の発行済株式総数55,000,000株から、当社が所有する自己株式数(17,751,462株)を控除した株式数(37,248,538株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下、所有割合の記載において同じです。
本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の下限を24,832,400株(所有割合:66.67%)と設定しており、本公開買付けに応募された当社株式(以下「応募株券等」といいます。)の合計が買付予定数の下限(24,832,400株)に満たない場合は、応募株券等の全ての買付け等を行わないとのことです。なお、本公開買付けにおける買付予定数の下限である24,832,400株(所有割合:66.67%)は、当社決算短信に記載された2024年12月31日現在の発行済株式総数55,000,000株から、当社が所有する自己株式数(17,751,462株)を控除した株式数(37,248,538株)に係る議決権の数(372,485個)の3分の2(248,324個、小数点以下を切上げ)に、当社の単元株式数である100株を乗じた数(24,832,400株)に設定しているとのことです。これは、本取引においては当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、本株式併合(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義します。以下同じです。)の手続を実施する際に、会社法(平成17年法律第86号、その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、本取引を確実に実施すべく、公開買付者が当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することとなるように設定したものとのことです。一方、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを企図しているため、本公開買付けにおいては買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(24,832,400株)以上の場合は、応募株券等の全ての買付け等を行うとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本公開買付けの成立後、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けの決済の開始日の2営業日前までに日本モノづくり未来ファンドより3,360百万円を上限として出資を受けるとともに、本公開買付けの決済の開始日の前営業日までに株式会社横浜銀行から18,546百万円を限度として借入れを行うことを予定しており、これらの資金をもって、本公開買付けの決済資金等に充当する予定とのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針
(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
ア.当社を取り巻く経営環境
当社は、1948年11月に神奈川県川崎市に東日本鍛工株式会社を設立、同時に旧日本鍛工株式会社川崎製造所を継承し鍛造品製造業を開始し、1953年1月に社名を新日本鍛工株式会社に変更、1962年8月に東京証券取引所市場第二部に上場し、建設用機材製造業を開始しました。その後、1968年4月、愛知県新城市に鍛造品製造及び販売を目的に中部鍛工株式会社(以下「中部鍛工」といいます。)を設立、1970年3月に建設用機材製造及び販売を目的に中部工機株式会社を設立、1984年10月に建機事業部建設機材製造部門をニッタン機材株式会社として分社化いたしました。更に、1990年2月に社名を株式会社シンニッタンに変更し、1996年6月にはタイ国に鍛造品製造及び販売を目的に日産自動車株式会社(以下「日産自動車」といいます。)と共同で合弁会社サイアム・メタル・テクノロジー社(以下「SMT」といいます。)を設立(注2)、1996年9月に物流機器製造及び販売を目的にニッタン物流株式会社を設立いたしました。その後、2003年9月に東京証券取引所市場第一部に指定変更し、2004年4月にはニッタン物流株式会社が中部工機株式会社及びニッタン機材株式会社を吸収合併し商号を株式会社エヌケーケー(以下「エヌケーケー」といいます。)に変更し、また、2017年1月に日立金属株式会社(現株式会社プロテリアル)より鍛工品製造及び販売を目的とする株式会社セイタン(以下「セイタン」といいます。)の株式を譲り受け、2022年4月に東京証券取引所の新市場区分においてスタンダード市場に移行しました。
当社のグループは、2025年2月28日現在、当社及び連結子会社4社(以下、総称して「当社グループ」といいます。)で構成され、自動車・建設機械部品などの鍛造品、並びに建設・土木工事用の建設用機材及び物流機器の製造販売、ビル賃貸業務を行っており、各事業の概要は以下のとおりです。
(注2) SMTの設立当初は日産自動車が51%、当社が49%の出資比率であったものの、当社は、1993年3月に日産自動車が保有するSMTの発行済株式の一部を、その後2006年10月に日産自動車が保有するSMTの発行済株式の全てを譲り受け、本日現在、SMTは当社の連結子会社であります。
(a)鍛造事業
主に自動車や建設機部品械向けの鍛工品の製造・販売及び機械加工を行っており、当社、中部鍛工及びセイタンは日本国内において、SMTはタイ国において事業を行っています。
(b)建機事業
建設・土木工事用の建設用機材の製造・販売及びリースを行っており、当社は販売及びリースを行い、エヌケーケーは当社向けに建設用機材を製造しています。
(c)物流事業
物流機器の製造・販売を行っており、当社が販売を行い、エヌケーケーは当社向けに物流機器を製造・販売しています。
(d)不動産事業
当社はビル賃貸・管理業務を行っており、また、遊休地を利用して太陽光発電による売電を行っています。
当社は、経営理念として「常にあふれる情熱をもって、新しい価値を創造することにより、社会に貢献する」を不変の理念として掲げ、全社員の意識の共有化を図っており、当社グループは主要事業である鍛造事業において、国内外4拠点にプレス、ハンマー、アップセッター(注3)の様々なスペックの設備を擁し、それぞれの立地及び得意分野を活かした製造と販路確保を幅広く実現しつつ、グループ間のシナジー創出に重点を置いています。そして今後は、自動車市場におけるEV化やグローバル化の進展をはじめとした激動する環境の変化、技術開発のスピード化等に機敏に対応し、常に挑戦していく予定です。
(注3) 「アップセッター」とは、棒状の素材を成形する軸物据え込み鍛造機のことをいいます。
当社グループを取り巻く経営環境は、自動車産業向け鍛造品において長期間にわたり半導体不足の影響を受けていた自動車生産活動の回復が見受けられた一方で、一部取引先における固有の事情により受注が先送りになる事象が発生したり、ウクライナ情勢等を受けた資源価格、電力をはじめとしたエネルギー価格、労務費、運送費の上昇等、依然として大きく速いスピードで変化しており、これらの環境変化に機敏に対応し、挑戦することが求められ、自動車のEV化に伴う部品ニーズの変化、カーボンニュートラルをはじめとした環境保全、グローバルな市場への取組強化などは、対応すべき優先度が高い課題です。財務面においては、現預金や自己株式の活用も視野に入れ、M&A、資本・業務提携等のアライアンスや様々な分野・方々との共同研究・協働等を積極的に検討し、資本効率の向上を目指しています。当社グループは主要事業の鍛造事業では自動車産業や建設機械業界へのタイムリーな部品供給体制を確立するとともに、長期的な視点から適切な設備投資に取り組んできました。また、建機事業では安全で取り扱いの容易な仮設機材の提供を図り、物流事業では搬送の信頼性が高く収納が容易な金属製パレットの提供を行ってきました。引き続き当社グループは各事業を通じた社会インフラへの貢献と環境との共生を念頭に置き、活動していく予定です。
当社グループは経営体質の強化と、各事業での業績の向上に努めるべく、2022年5月16日に「株式会社シンニッタン中期経営計画<2023.3期~2025.3期>」(以下「中期計画」といいます。)を公表しました。地政学リスクやサプライチェーン遮断リスクが長期化する可能性があることに加え、脱炭素をはじめとした地球環境問題への対応が不可避であるなど、業界を取り巻く環境は一大変革期にあり、かかる環境を踏まえ、この中期計画の対象期間を、これからの時代に何をもって新しい価値を創造し、いかに経営理念を実現していくかを深堀・探索する「第一ステップ期間」と位置付けております。当社グループは中期計画の達成に向けたビジョンとして、鍛造品や仮設機材、パレットといった鉄の加工品を通じ、「環境との共生」への貢献、「社会インフラ」整備への貢献、「人口減少下における省人化ニーズ」や「物流インフラ」向上への貢献をテーマに、EV、建築資材、工作機械やロボットなどの分野においても、新しい価値の創造に果敢に挑戦することを標榜し、併せて生産工程におけるカーボンニュートラルへの取組みや、再生可能エネルギー分野への関与を通じて、環境問題にも対応していく予定です。
これらのビジョンの実現のために、当社グループは、グループ企業間で「支える、共有する、学び合う」ことを念頭に置き、生産体制の相互補完を強めるなど連携機能を発揮することで、不確実性の高い経済環境に向き合って行く方針です。
当社は上記方針を踏まえ中期計画期間中、2ヶ年を終えほぼ計画通りの実績を上げてきた一方で、最終期である2025年3月期は、これまで業績を牽引してきた建設機械産業向け鍛造部品の受注低下、タイ国の金利政策に伴うピックアップトラック向け部品の販売不振など、厳しい経営環境の影響を受けるものと想定しています。また、ウクライナ情勢、深刻な中東情勢、中国経済の先行き懸念などが当社グループの受注活動や収益状況に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に対し、コロナ禍後の主要取引先の新車発売、エネルギー費用や労務費の製品販売価格への適正な反映効果を織り込みつつ、更には自助努力による生産性の向上、設備及び人的資本投資の選択と集中に主眼を置いた事業改善に取り組むことで、業績の立て直しを図ってきました。他方、当社は、足元の激変する事業環境を踏まえ、従来の延長線上にはない「抜本的な企業価値向上策」を2024年7月に策定し、果断に実行していく必要があるとも認識しており、企業価値向上のための前提として、当社グループとしてはグループの全体最適を徹底的に意識し、主に以下の6つの視点から「事業インフラ改革」をスピード感を持って成し遂げていくことが不可欠であると考えております。
(ア)グループガバナンス強化
全社を統括する人材の配置、新技術にチャレンジするための研究開発体制、事業変革を推進可能な外部人材の招聘等、グループ全体の最適経営を実現可能とする組織・人員体制を構築する。
(イ)グループ事業構造・製品ポートフォリオ変革
不採算事業の取り止めを含む抜本的な選択と集中を図り、拠点毎の「強み」を際立たせることを企図した製品ポートフォリオへの変更、あるべき価格で顧客提案するための体制整備(原価計算の精緻化を含む)を構築し、利益が出る価格設定の仕組みを創出する。
(ウ)グループ内最適生産の追求
各種KPI(注4)等を共通化し、グループ各社のコスト構造の比較や分析を容易にすることでグループ内の最適生産を追求する。
(エ)グループ一体型営業と物流の仕組みづくり
グループ一体となった営業推進の徹底、グループ内での物流合理化の追求、新規顧客(特に非自動車領域)の開拓を行う。
(オ)グループDXの推進
外部視点を有するプロジェクトマネージャー人材を活用することで使い勝手の良い原価計算・管理体制を構築するためのグループ統一の基幹業務システムを新たに導入する。
(カ)グループでの脱炭素推進
外部専門家の活用の検討や他社事例の研究を行いつつ、グループ一体で省エネの推進を行う。
(注4) 「KPI」とは、「Key Performance Indicator」の略称で、業績評価のための管理指標を意味します。
更に、当社は、上記の事業インフラ改革とあわせ、以下8つの重点施策からなる「シンニッタングループRe・Born計画」を2024年7月に策定し、着実に実行することとしました。
(ア)主要取引先との取引適正化
(イ)グループ内最適生産体制構築のための設備の集約と廃棄
(ウ)成長分野への重点投資(ロボット、EV部品、建築関連部品等)
(エ)鍛造+αの付加価値の追求~川上(設計力強化)と川下(機械加工等)の強化
(オ)的を絞った省人化・自動化投資の推進
(カ)OEMの内製化、中小外注先の受け皿追求
(キ)国内3社の統合検討と統合システムを活用したDX化による生産性向上
(ク)新素材、新技術、脱炭素に資する研究開発費の投入
イ.公開買付者と当社との協議、公開買付者による意思決定の過程
日本モノづくり未来ファンドは、日本における高い技術・技能を維持し、モノづくりの力を今後も発展させていくために、優れた技術・人財・サービスを有する国内のモノづくり企業に投資し、企業の持続的な成長を通じて、日本のモノづくりの発展に寄与することを目的として設立されたとのことです。日本モノづくり未来ファンドは、ファンドの理念に合致する投資候補先企業を探索する中、当社は高い鍛造技術を持つ一方で経営リソースが不足しており、スパークスによる経営改善のサポートを実施することで企業価値向上の余地がある企業の1つであると判断し、従前から日本モノづくり未来ファンドの潜在的な投資候補先について継続的に議論を行っていた野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)に対して当社への紹介を依頼したとのことです。その後、スパークスは野村證券から2023年2月初旬に当社を紹介され、当社の今後の成長戦略についてスパークスと当社の間で協議を開始したとのことです。
スパークスは、2023年12月初旬、当社に対し、当社の競争力強化及び企業価値の向上を図る観点から、当社の非公開化を目指し、新たな資本パートナーとしてスパークスを選定するといった、外部の経営資源の活用について初期的な案を説明したとのことです。具体的には、非公開化後の最終的な株主構成や経営体制の見直し、100日プラン(「シンニッタングループRe・Born計画」に定められた各施策を推進するために必要な体制づくりや現状分析、課題把握等の実施案)について、スパークスが過去に扱った投資案件の事例を用いて提示したとのことです。この説明を受けて当社は、社内で改めて外部パートナーと連携した非公開化について検討を行い、2024年4月初旬には、当社からスパークスに対し、非公開化に向けた外部パートナーの候補としてスパークスを選定した旨の説明があったとのことです。また、非公開化に向けたより具体的な進め方を検討すべく、同年4月末にスパークスと当社は機密保持契約を締結したとのことです。その後、スパークスは、当社について初期的なデュー・ディリジェンスを行い、その結果を踏まえ、当社との間で、課題解決や成長戦略に係る協議を継続的に行ったとのことです。
かかる協議を通じ、スパークスは、当社が自動車業界の事業環境の変化に対応するためには、グループ全体の最適経営を行うための管理体制の構築や、プレス、ハンマー、アップセッター等の製造設備を活用し異形や大型部品を含む様々な鍛造品成形対応が可能という強みを活かした既存製品の競争力の維持・向上に加え、産業機械・産業用ロボット向け鍛造品の拡販に向けた生産ラインの整備を通じて競争優位性を確立し、鍛造事業ポートフォリオの再構築を行っていく必要性があると認識し、当該方針の達成のためには、生産設備等の拡大に向けた大規模な設備投資及び研究開発、DX領域への投資や将来を見据えた人材への投資、機動的なM&Aの実施等が必要であると考えるに至ったとのことです。他方で、これらの施策の実施は、先行費用や設備投資等、相応の時間及び資金を要するものと考えられるとともに、期待する効果の発現にも相応に時間を要する可能性もあり、当社が上場を維持したままこれらの施策を実施することは、短期的には業績を圧迫し株価の下落要因となる可能性や配当を維持できなくなる可能性があるという観点から既存株主にとって負担になる可能性も想定され、また、当社は1962年8月の東京証券取引所市場第二部への上場以来、知名度の更なる向上による優れた人材の確保、社会的な信用力向上による取引先の拡大等、上場会社として様々なメリットを享受してきた一方、当社のブランド力や信用力は事業活動を通じて維持・獲得される部分が大きいと考えられ、上場を維持するための相応の負担と比較して、継続して株式の上場を維持することのメリットは大きくないものと考えるに至ったとのことです。
上記検討を踏まえ、スパークスは、2024年7月31日、当社に対して、本取引の実施による、当社株式の完全子会社化に関する初期的な提案(2023年12月初旬の提案内容と比較すると、機密保持契約に基づくより詳細な当社社内情報をもとに構築した仮説を含む点が異なるとのことです。)を実施したとのことです。その後、スパークスは2024年8月下旬、スパークスグループ及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)を、フィナンシャル・アドバイザーとして野村證券を選任の上、本取引に関する具体的な検討を開始したとのことです。その後、スパークスは、2024年8月下旬から2024年12月下旬までの間、本取引の実現可能性の精査のため、当社グループに対するより詳細なデュー・ディリジェンス(以下「本デュー・ディリジェンス」といいます。)や当社の経営陣との面談等を実施したとのことです。本デュー・ディリジェンス及び工場への現地訪問等の各種分析を通じて、スパークスは、当社の生産設備の老朽化等の課題や遊休生産設備の稼働率向上に向けた新規顧客の開拓等の将来の成長戦略について確認するとともに、当社の完全子会社化を実施した上で経営管理や生産管理の体制強化を起点とした事業変革を実施することが当社の経営課題の克服と中長期的な成長、更なる企業価値向上に資すると判断するに至ったとのことです。
このような検討の結果等を踏まえ、2025年1月24日、スパークスは当社及び当社において設置された本特別委員会(下記「③当社における意思決定に至る過程及び理由」に定義します。以下同じです。)に対して、本デュー・ディリジェンス、当社の事業計画、市場株価の動向並びにスパークスにおける当社株式価値の試算結果及びスパークスの日本モノづくり未来ファンドとしての投資リターンを確保することに対する責任の観点から、本公開買付けにおける当社株式の1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を2025年3月期の期末配当を無配とする前提で、300円(本公開買付価格の提案日の前営業日である2025年1月23日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値208円に対して44.23%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)のプレミアムを加えた価格)とする旨の提案を行ったとのことです。その後、2025年1月27日、当社及び本特別委員会より、スパークスが本公開買付価格として提案した300円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準から乖離しているとして、再検討を要請されたとのことです。当社及び本特別委員会からのかかる要請を受け、スパークスは本公開買付価格の引上げについて真摯に検討を行い、2025年2月4日、本公開買付価格を310円(提案日の前営業日である2025年2月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値203円に対して52.71%のプレミアムを加えた価格)とする旨の2回目の提案を実施したとのことです。その後、2025年2月5日、当社及び本特別委員会より、スパークスが本公開買付価格として提案した310円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準から依然として乖離しているとして、再検討を要請されたとのことです。当社及び本特別委員会からのかかる要請を受け、スパークスは本公開買付価格の引上げについて真摯に検討を行い、2025年2月12日、本公開買付価格を340円(提案日の前営業日である2025年2月10日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値207円に対して64.25%のプレミアムを加えた価格)とする旨の3回目の提案を実施したとのことです。その後、2025年2月13日、当社及び本特別委員会より、スパークスが本公開買付価格として提案した340円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準から依然として乖離しているとして、再検討を要請されたとのことです。当社及び本特別委員会からのかかる要請を受け、スパークスは本公開買付価格の引上げについて真摯に検討を行い、2025年2月17日、本公開買付価格を360円(提案日の前営業日である2025年2月14日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値208円に対して73.08%のプレミアムを加えた価格)とする旨の4回目の提案を実施したとのことです。その後、2025年2月18日、当社及び本特別委員会より、スパークスが本公開買付価格として提案した360円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準と引き続き乖離があるとして、再検討を要請されたとのことです。当社及び本特別委員会からのかかる要請を受け、スパークスは本公開買付価格の引上げについて真摯に検討を行い、2025年2月21日、本公開買付価格を380円(提案日の前営業日である2025年2月20日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値208円に対して82.69%のプレミアムを加えた価格)とする旨の5回目の提案を実施したとのことです。その後、2025年2月25日、当社及び本特別委員会より、スパークスが本公開買付価格として提案した380円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準であるとまでは言えないとして、本公開買付価格を400円以上とすることを要請されたとのことです。当社及び本特別委員会からのかかる要請を受け、スパークスは本公開買付価格の引上げについて真摯に検討を行い、2025年2月26日、本公開買付価格を403円(提案日の前営業日である2025年2月25日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値209円に対して92.82%のプレミアムを加えた価格)とする旨の最終提案を実施したとのことです。その後、2025年2月27日、本特別委員会より、最終的な当社の意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で当社取締役会決議を経てなされるという前提のもと、本公開買付価格を403円とすることで応諾する旨の連絡を受領したとのことです。
(ⅱ)本公開買付け後の経営方針
スパークスは、本取引の完了後においては、国内外の企業等への投資経験を基に、当社グループの経営リソースが不足している領域を中心に、スパークスグループ及びその投資先ネットワークの投資実績に基づく知見を最大限活用し、当社の更なる企業価値向上に資する支援を実施する予定とのことです。
具体的には、全社目線での戦略策定や営業・物流面での拠点間の連携、部門横断的なリソースの最適配分、全社共通のKPI設定等を実施することでグループ全体の全体最適経営を推進することや、鍛造事業や建機事業及び物流事業における利益率の改善、生産現場・生産効率の改善、販路拡大・新規顧客の開拓を進めるため、従業員の採用、研修、定着率強化に関する様々な事例紹介や人事制度改革サポート、DX/AI先進活用事例の紹介と当社への導入支援、経営戦略・中期経営計画の策定、実行支援及び経営改善支援、各種専門人材の招聘、協業先候補となるスタートアップ企業の紹介や協業実現に向けた支援、カーボンニュートラル実現に向けたシナリオ・投資計画策定支援及びトラッキング等を検討しているとのことです。
また、スパークスは、本取引の完了後、当社の所有する賃貸不動産の一部を処分することを検討しているとのことです。
なお、その他の経営体制、経営方針等については現時点で決定・想定しているものはなく、本公開買付けの成立後に、公開買付者及び当社との間で協議・検討していく予定とのことです。
③ 当社における意思決定に至る過程及び理由
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、2024年7月31日、スパークスから本取引に関する初期的な提案を受けたことから、スパークスグループとの間で協議を開始することや本取引の実施の是非等を含めて検討を開始するため、2024年8月22日開催の取締役会において、スパークスグループ及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を、フィナンシャル・アドバイザーとしてりそな総合研究所株式会社(以下「りそな総合研究所」といいます。)を、第三者算定機関として山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)をそれぞれ選任しております。なお、本取引に係るりそな総合研究所に対する報酬は、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬が含まれております。しかし、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立になった場合であっても当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の公表や成立を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりりそな総合研究所を当社のフィナンシャル・アドバイザーとして選任いたしました。また、当社は、公開買付者の連結子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しないものの、TMI総合法律事務所の助言を踏まえ、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保する観点から、2024年8月22日付の取締役会決議に基づき、当社の独立社外取締役である森谷弘史氏(当社社外取締役)、辻孝夫氏(当社社外取締役(監査等委員))及び齊藤健一氏(当社社外取締役(監査等委員))の3名によって構成される、スパークスグループ及び当社のいずれからも独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)、本取引に係る提案を検討するための体制を構築いたしました。
なお、当社は、スパークスから本取引に関する初期的な打診を受けた後、2024年11月13日に「業績予想の修正に関するお知らせ」を公表し、2025年3月期通期連結業績予想の下方修正を行っておりますが、当該業績予想修正は、特に一部乗用車部品の受注時期後ろ倒し、ピックアップトラック販売不振の影響等が大きく、業績全体が下方に遷移し、当初想定以上に経営環境が悪化していたことから、東京証券取引所の適時開示基準に基づいて開示したものであり、本取引に関連して、又は本取引を意図して行われたものではありません。
その後、当社は、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、TMI総合法律事務所、りそな総合研究所及び山田コンサルの助言を受けながら、本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容等を踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の諸条件について、スパークスとの間で複数回に亘る協議・交渉を行いました。
具体的には、当社及び本特別委員会は、2025年1月24日に、スパークスから、本公開買付価格を300円とする旨の提案を受領いたしました。これに対し、当社及び本特別委員会は、2025年1月27日に、スパークスが本公開買付価格として提案した300円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準から乖離しているとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。当社及び本特別委員会は、かかる要請を受けたスパークスから、2025年2月4日に、本公開買付価格を310円とする旨の提案を受領いたしました。これに対し、当社及び本特別委員会は、2025年2月5日に、スパークスが本公開買付価格として提案した310円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準から依然として乖離しているとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。当社及び本特別委員会は、かかる要請を受けたスパークスから、2025年2月12日に、本公開買付価格を340円とする旨の提案を受領いたしました。これに対し、当社及び本特別委員会は、2025年2月13日に、スパークスが本公開買付価格として提案した340円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準から依然として乖離しているとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。当社及び本特別委員会は、かかる要請を受けたスパークスから、2025年2月17日に、本公開買付価格を360円とする旨の提案を受領いたしました。これに対し、当社及び本特別委員会は、2025年2月18日に、スパークスが本公開買付価格として提案した360円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準から依然として乖離しているとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。当社及び本特別委員会は、かかる要請を受けたスパークスから、2025年2月21日に、本公開買付価格を380円とする旨の提案を受領いたしました。これに対し、当社及び本特別委員会は、2025年2月25日に、スパークスが本公開買付価格として提案した380円は、本公開買付けの実行により将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格と判断し得る水準であるとまではいえないとして、本公開買付価格を400円以上とすることを要請いたしました。当社及び本特別委員会は、かかる要請を受けたスパークスから、2025年2月26日に、本公開買付価格を403円とする旨の最終の提案を受領いたしました。これに対し、本特別委員会は、2025年2月27日に、最終的な当社の意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で当社取締役会決議を経てなされるという前提のもと、本公開買付価格を403円とする旨の提案を応諾する旨の回答をいたしました。
以上の経緯のもとで、当社は2025年2月28日に、山田コンサルから2025年2月27日付で取得した株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。)の内容、リーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた2025年2月27日付の答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら(本答申書の概要については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)、本取引について、企業価値向上を図ることができるか、本取引に関する諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、以下の観点から本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであると判断しております。
当社は、厳しい事業環境の中で、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、6つの視点から「事業インフラ改革」をスピード感持って成し遂げていくことが不可欠であると認識し、あわせて8つの重点施策からなる「シンニッタングループRe・Born計画」を策定し、これら施策を着実に実行することを目指しております。しかしながら、これら施策を成し遂げるためには、鍛造を科学技術的に理解している生産技術者やIoT・DXを生産性向上に結び付ける人材等、グループ内における人材が不足しており、当社の経営資源のみにより成し遂げることが困難な状況にあります。また、主要取引先との取引価格の適正化やグループ内最適生産体制構築のための設備の集約と廃棄に向けても相応に時間がかかることが想定されます。
一方で、当社は、スパークスが管理・運営する日本モノづくり未来ファンドの「日本における高い技術・技能を維持し、モノづくりの力を今後も発展させていくために、優れた技術・人財・サービスを有する国内のモノづくり企業に投資し、生産・業務改善や経営戦略の策定等により支援します。企業の持続的な成長を通じて、日本のモノづくりの発展に寄与することで、社会に貢献します」という理念に共鳴するとともに、当社としては具体的に以下のシナジーが見込めると認識し、当社の中長期的な成長と事業価値の向上が図ることが可能であるとの考えに至りました。
(a)グループ全体の最適経営を行うための体制整備
当社グループは、国内3社及び海外1社と法人格が分かれていることもあり、グループ全体最適(設備の特徴を最大限生かした生産体制の構築や不要設備の廃棄、当社グループ各社の受注状況に応じたヒト・モノ・カネなど経営資源の最適配分等)のための意思決定がスムーズにできないケースがあることが課題であると認識しておりますが、グループ全体の最適経営を行うためには、事業変革を推進する人材や技術軸で全社を統括する人材が欠かせません。当社においてはこれらの人的リソースが不足しているところ、スパークスからは同社のほか、同社のネットワーク(スパークスグループが運用するベンチャーキャピタルの投資先等を含みます。)を通じてIoT・DX等のデジタル領域に関する外部専門家等の人材の紹介や派遣を受け、全社戦略の構築と社内コンセンサスの形成、最適な組織・人員体制(特にコーポレート部門)の構築、グループ一体営業の推進、グループ内での物流合理化の追求、及びDXの推進等、企画段階だけでなく実行段階においても支援を受けられる見込みです。
(b)主要取引先との取引の適正化
鍛造事業については低採算の取引が多いうえに長期趨勢的に受注が減少しており、厳しい事業環境を踏まえると更なる利益率の低下が懸念されます。このため当社としては値上げ交渉を含む販売価格の適正化、付加価値向上策、不採算事業の取り止めを含む選択と集中を実行することで新しい事業ポートフォリオを構築する等の収益面での改善が必須であると認識しております。いずれの施策にも共通して影響する原価管理の高度化に関して、単なる仕組みの構築のみならず、その根本・背景にある原価管理の目的の明確化、及び目的に即したデータ基盤の作成・整備等が重要だと理解しておりスパークスからは、当社の同業の企業への投資を通じて得た知見やノウハウを活かし、事前準備・開始段階からハンズオンで支援を受けられる見込みです。
(c)販路拡大と新規顧客の開拓
鍛造業界において、既存顧客の受注を伸ばすだけでは成長戦略が描きにくい状況にある中、省人化ニーズで成長が期待できるロボット分野等への販路拡大や新規顧客の開拓が欠かせないと認識しており、スパークスからも、同分野の成長性を鑑みて、当社が営業リソースを最も集中投下すべき分野の一つであるとの指摘を受けております。当社はグループ一体となった営業推進体制の構築を予定しておりますが、推進にあたっては、単に営業力を強化するだけでなく、あわせてR&D機能(注5)の整備や非自動車領域拡販のための設備投資コミットメント等も必要になるものと考えております。グループ内における既存リソースの配置や稼働状況の把握、全社目線での顧客ニーズの洗い出し、既存技術の棚卸等グループ全体を俯瞰しつつ、各社個別最適を目指していた営業・R&D機能を、グループ一体の機能への昇華に向け、これら推進のための必要な人材や外部パートナーの招聘等、スパークスからプロジェクト推進のサポートを受けることで、よりスピード感ある推進が可能になると想定しております。
(d)生産現場・生産効率の改善
当社の事業の特性上、生産現場においては重筋作業(注6)や危険作業が発生しております。また、設備の故障も相応に発生しており、生産効率の改善や不良率の削減が必須となっています。これらに対しては、自動化投資や省人化投資を進める必要がありますが、当社と同業の企業への投資を通して得たスパークスの知見やノウハウを活用し、更には十分な費用対効果を見込める投資や、設備保全要員の補充や設備保全計画の見直しを通して設備故障率・不良率の低減を目指しつつ、保全人員の育成を進める等の対応が可能になると想定しています。
(e)DX、SXの推進(カーボンニュートラルの実現)
当社グループの国内2社が使用しているシステムがオフコン(注7)であることなど、DXやIoTへの取組みが大幅に遅れています。また、当社グループとして2030年のCO2削減目標(2013年度比38%減少)を掲げていますが、目標達成に向けた具体策を策定するには至っておらず、当社の顧客との取引関係にも悪影響が生じるリスクを内包していると考えています。DXに関しては、スパークスグループが運用するベンチャーキャピタルのDXに関して先端技術を保有していると考えられる100社を超える投資先やネットワークを活用して製造業におけるDX/AI先進活用事例の紹介等により効率的にプロジェクト推進の支援を受けることが可能になると想定しております。また、SX推進に関しても、スパークスから具体的な削減量と投資額に加え、炭素税等が経営に与えるインパクトなど、全体的な投資対効果を可視化のうえで議論することを想定しつつ、自動車部品サプライヤーの本領域において知見と経験を有する外部の専門家やコンサルタントの招聘等のサポートを見込んでおります。
(注5) 「R&D」とは、「Research and Development」の略称で、企業や組織が新しい製品、サービス、技術、プロセスなどを開発するための活動や機能を意味します。
(注6) 「重筋作業」とは、肉体的に重い負荷がかかる作業を意味します。
(注7) 「オフコン」とは、「オフィスコンピュータ」の略称で、1970年代から1990年代にかけて中小規模の企業や部門で広く普及したコンピュータシステムを意味します。
上記の施策の実現は、中長期的に見れば当社グループの大きな成長及び収益の拡大につながるものの、他方で、各施策を実行する段階において、短期的な収益に直結しない可能性があり、上場会社の施策として資本市場から十分な評価を得られない場合においては、株価の下落を招き、当社既存株主の期待に沿えないおそれがあり、当社が上場を維持したままでこれらの諸施策を迅速に実施することは困難であると考えています。なお、当社の株式の非公開化を行った場合、上場会社として享受してきた社会的な信用力及び知名度向上による優れた人材の獲得及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられ、また、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなります。しかしながら、近時の上場維持コストの上昇を踏まえると、今後も継続して上場を維持することの意義は乏しくなっており、また当社グループの現在の財務状況を勘案すると大規模な資金調達の必要性は見込まれず、加えて当社の社会的信用力や知名度向上による優れた人材の獲得等は、今後の事業活動を通じた獲得が見込まれる部分もあり、当社が創業以来築いてきた社会的な信用力及び知名度に照らし合わせれば、非公開化による悪影響は大きくないものと考えられます。なお、スパークスグループの傘下に入ることで生じうる固有のデメリットは特段存在しないと考えております。
したがって、当社取締役会は、上記に記載した検討を踏まえて、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断し、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することで、機動的かつ柔軟な意思決定が可能となる株主と経営陣が一体となった強固かつ安定した新たな経営体制を構築し、あわせてスパークスによる経営・生産面の支援を最大限活用することが、当社の企業価値向上に資するとの結論に至りました。
また、当社は、本公開買付価格について、(ⅰ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている山田コンサルによる当社株式価値算定書における当社株式の株式価値算定結果によれば、市場株価法及び類似会社比較法の上限値を上回り、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく1株当たり株式価値レンジに収まる水準となっていること、(ⅱ)本公開買付価格(403円)が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年2月27日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場(以下同じです。)における当社株式の基準日の終値208円に対して93.75%、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値207円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して94.69%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値205円に対して96.59%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値206円に対して95.63%のプレミアムが加算されたものであり、当該プレミアム水準は、経済産業省の「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「公正M&A指針」といいます。)が公表された2019年6月28日以降に公表され、2025年2月26日までに成立した事例のうち、上場会社の非公開化を目的とした事例であって、対象会社より賛同の意見表明及び応募推奨がなされた公開買付け事例(MBO、又は対象会社が公開買付者の連結子会社又は関連会社である事例を除きます。)のうち、リーク報道が確認されていない事例83件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が51.69%、直近1ヶ月間が51.54%、直近3ヶ月間が52.73%、直近6ヶ月間が53.44%)との比較において上記同種事例におけるプレミアム水準を優に上回っていること、(ⅲ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られたうえで決定された価格であること等を踏まえ、本公開買付価格は妥当性を有し、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
なお、本公開買付価格は、当社の2024年12月31日現在の簿価純資産額である26,814百万円を自己株式控除後の発行済株式総数(37,248,538株)で割ることにより算出した1株当たり純資産額である720円(小数点以下四捨五入。以下当社の1株当たり純資産額において同じです。)を下回っており、本公開買付価格(403円)は当該金額との比較で44.03%のディスカウントとなっているものの、仮に当社が清算する場合においても、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、鍛造品の原材料である各種金属の溶融金属片、溶剤や燃料油等の製造工場における土壌汚染の調査・除染費用等の清算に伴う追加コストの発生、また、製造工場は汎用性が乏しく、本社及び工場の各建屋等は建築後相当程度の年月が経過し老朽化していることを踏まえると簿価により売却することが困難と見込まれるため、更地での売却が必要であり、建屋の取り壊しにも費用を要すること、製造工程の仕掛品や製品、原材料の廃棄等を考慮すると、相当程度の毀損が見込まれます。
加えて、子会社を含めた当社グループの清算を行う場合、企業の清算に伴い、従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の専門家費用その他相当程度の追加コストが発生することが見込まれること等に鑑みると、当社の株主の皆様に最終的に分配されることとなる金額は、現実的には簿価純資産額から相当程度毀損された金額となることが想定されます。そのため、当社は、1株当たり簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格となるという考え方は採用し難いと考え(なお、当社においては、実際に清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得までは行っておらず、また、本公開買付価格が、具体的な検討を経て概算された想定清算コスト等を勘案して算出される、想定の清算価値を上回っていることの確認までは行っておらず、同時に、想定の清算価値が本公開買付価格を下回っていることの確認も行っておりません。)、また、純資産額は将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えております。
以上のとおり、当社は、2025年2月28日開催の当社取締役会において本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
上記当社取締役会決議における詳細については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、スパークスグループ及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、山田コンサルに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月27日に、当社株式価値算定書を取得いたしました。なお、山田コンサルは、スパークスグループ及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、山田コンサルから本公開買付けの価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、本取引に係る山田コンサルに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりせん。
② 算定の概要
山田コンサルは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、比較可能な類似上場会社が複数存在し、類似上場会社の市場価値との比較において株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値算定を行っております。
山田コンサルが上記の手法に基づいて算定した当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :205円から208円
類似会社比較法:347円から381円
DCF法 :368円から497円
市場株価法では、算定基準日を2025年2月27日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値208円、直近1ヶ月間の終値単純平均値207円、直近3ヶ月間の終値単純平均値205円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値206円をもとに、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を205円から208円までと算定しております。
類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を行い、当社株式の1株当たりの価値の範囲を347円から381円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した2025年3月期から2030年3月期までの事業計画における収益予測及び投資計画を前提として、当社が2025年3月期第3四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値及び株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を368円から497円までと算定しております。
なお、DCF法による算定に用いた2025年3月期から2030年3月期までの当社の事業計画には大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれます。具体的には、2026年3月期は、国内での鍛造事業の営業利益率の回復により、営業利益4億46百万円(前期は赤字)が見込まれております。2027年3月期は、国内及びタイ国での鍛造事業の売上と営業利益率の増加により、営業利益6億47百万円(前期比+45.1%)が見込まれております。2028年3月期は、国内及びタイ国での鍛造事業の売上と営業利益率の増加により、営業利益10億5百万円(前期比+55.3%)が見込まれております。また、2026年3月期から2029年3月期までの事業計画期間において、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減が見込まれておりますが、これは、営業利益の増加に加えて当社が見込んでいる売上高等の増加に伴う運転資本の増加と、設備投資額が毎期変動することによるものです。具体的には、2026年3月期は、営業利益が増加している一方で、設備投資の増加、運転資本の増加により、フリー・キャッシュ・フロー△3億22百万円が見込まれております。2027年3月期は、営業利益の増加及び運転資本の増加額の減少により、フリー・キャッシュ・フロー△87百万円が見込まれております。2028年3月期は、営業利益の増加及び設備投資の減少により、フリー・キャッシュ・フロー3億90百万円が見込まれております。2029年3月期は、設備投資の減少、運転資本の増加額の減少により、フリー・キャッシュ・フロー6億97百万円が見込まれております。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映しておりません。
山田コンサルは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、2025年2月28日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者は、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しておりますので、その場合、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式売渡請求
本公開買付けの成立及び決済の完了後、公開買付者が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至った場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済完了後速やかに、会社法第179条に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員に対して、その所有する当社株式の全てを売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、当社の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員からその所有する当社株式の全てを取得するとのことです。この場合、当該各株主の所有していた当社株式の対価として、公開買付者は、当該各株主に対して、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。当社は、公開買付者より株式売渡請求がなされた場合には、当社取締役会において当該株式売渡請求を承認する予定です。
株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
② 株式併合
本公開買付けの成立及び決済の完了後、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済完了後速やかに、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、当社に要請する予定とのことです(本臨時株主総会の開催は2025年6月上旬頃を想定しているとのことです。)。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、本株式併合の割合は、2025年2月28日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。この本株式併合に関する具体的な手続については、公開買付者と当社との間で協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
本株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。
上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者は、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定とのことです。なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いします。
なお、本スクイーズアウト手続が2025年6月30日までに完了することが見込まれる場合には、公開買付者は、当社に対して、本スクイーズアウト手続が完了していることを条件として、2025年3月期に係る当社の定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)で権利を行使することができる株主を、本スクイーズアウト手続完了後の株主(公開買付者を意味します。)とするため、定時株主総会の議決権の基準日の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを要請する予定とのことです。そのため、当社の2025年3月31日の株主名簿に記載又は記録された株主であっても、本定時株主総会において権利を行使できない可能性があるとのことです。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
2025年2月28日現在において、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することは予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注)に該当いたしません。もっとも、本公開買付けが当社を非公開化することを前提として行われることから、当社は、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下のような措置を実施いたしました。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
(注) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が当社の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって当社の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、スパークスグループ及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、山田コンサルに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月27日に、当社株式価値算定書を取得いたしました。
当社が山田コンサルから取得した当社株式価値算定書の詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」をご参照ください。
② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
当社は、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2024年8月22日に、当社の独立社外取締役である森谷弘史氏(当社社外取締役)、辻孝夫氏(当社社外取締役(監査等委員))及び齊藤健一氏(当社社外取締役(監査等委員))の3名から構成されるスパークスグループ及び当社のいずれからも独立した本特別委員会を設置いたしました(なお、本特別委員会の委員の報酬については、固定額となっており、成功報酬は採用しておりません。また、当社は、本特別委員会の委員として設置当初からこの3名を選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。)。
当社取締役会は、本特別委員会設置の決定に際し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社企業価値の向上に資するかを含みます。)に関する事項、(ⅱ)本取引の取引条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の妥当性を含みます。)に関する事項、(ⅲ)本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含みます。)に関する事項、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)及びその他の事項を踏まえ、当社取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含みます。)を決定することが少数株主に不利益か否か(以下「本諮問事項」と総称します。)について諮問いたしました。更に、当社取締役会は、本取引に関する決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の条件等について妥当でないと判断した場合には、本取引を実行する旨の意思決定(本公開買付けに対する当社の賛同及び応募推奨を内容とする意見表明を含みます。)を行わないことを併せて決議しております。
加えて、当社取締役会は、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社の費用負担の下、本取引に係る調査(本取引に関係する当社の役員若しくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザーに対し、本諮問事項の検討に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含みます。)を行うことができる権限、(ⅱ)当社に対し、(a)本特別委員会としての提案その他の意見又は質問を公開買付者に伝達すること、及び(b)本特別委員会自ら公開買付者(本取引に係る公開買付者のアドバイザーを含みます。)と協議・交渉する機会の設定を求めることができ、また、本特別委員会が当該機会の設定を求めない場合であっても、当社は、公開買付者と協議・交渉を行った場合にはその内容を速やかに本特別委員会に報告し、本特別委員会は、当該内容を踏まえ、公開買付者との協議・交渉の方針について、当社に対して意見を述べ、また、必要な指示・要請を行うことができる権限、(ⅲ)必要と認めるときは、当社の費用負担の下、本特別委員会独自の弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを選任することができ、また、本取引に係る当社のアドバイザーに対して必要な指示を行うことができるほか、必要と認めるときはアドバイザーの変更を求めることができる権限を付与いたしました。これを受けて、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所、当社のフィナンシャル・アドバイザーであるりそな総合研究所、及び当社の第三者算定機関である山田コンサルにつき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ、当社のリーガル・アドバイザー、フィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認し、また本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認いたしました。
本特別委員会は、2024年9月11日より2025年2月27日までの間に合計16回開催され、本諮問事項についての協議及び検討が慎重に行われました。具体的には、本特別委員会は、(ⅰ)公開買付者に対する、本取引の目的・背景、本取引の条件及び本取引後の当社の経営方針等に関する事項のヒアリング、(ⅱ)当社に対する、山田コンサルによる当社株式の株式価値算定の前提とした事業計画の内容及び策定方法、並びに公開買付者の提案内容及び本取引後の当社の経営方針等に関する事項のヒアリング、並びに(ⅲ)山田コンサルに対する、当社株式の株式価値算定に関する事項のヒアリング等を行っております。
本特別委員会は、以上の経緯で本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2025年2月27日、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、本諮問事項につき大要以下を内容とする本答申書を提出しております。
(a)答申内容
① 本取引は当社の企業価値向上に資すると認められ、本取引の目的は合理的である。
② 本取引の実施方法を含む本取引の取引条件は妥当である。
③ 本取引においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引に係る手続は公正である。
④ 上記①乃至③を踏まえ、当社の取締役会が、(ⅰ)本公開買付けに関して、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨を決定すること、及び(ⅱ)本公開買付け後に本スクイーズアウト手続を実施することを決定することは、当社の少数株主にとって不利益ではない。
(b)答申理由
Ⅰ.本取引の目的の合理性
(i)本取引の目的等
本特別委員会は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」及び「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載の本取引の目的及び本取引により向上することが見込まれる当社の企業価値の具体的内容等について、当社及びスパークスグループに対して質疑を行った。
(ii)検討
本特別委員会は、上記の当社を巡る経営環境その他の事項を踏まえた本取引の目的の具体的な内容の当否・合理性、本取引が当社の従業員や取引先等に与える影響、及びこれらを踏まえた当社の企業価値向上の可能性等について、詳細な検討を実施した。具体的には、本特別委員会は、現在の当社が置かれた経営環境の中、スパークスグループがいかなる企業価値向上の施策案を構想し、それがどの程度具体的で実践的か、それを実行に移すために本取引を実施する必要性はあるのか、本取引の実施が当社の事業上どのようなメリットをもたらし、他方でデメリットの有無、程度はどのように想定されるか等を含めて、総合的に検証を行った。その結果、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」及び「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載の当社及び公開買付者が想定している本公開買付けを含む本取引の意義及び目的には、特に不合理な点はなく、合理的な検討の結果と認められることから、本取引は当社の企業価値向上を目的として行われるものといえ、当社が想定している各施策を実現する必要があるとの当社の判断に特段不合理な点は認められないと判断するに至った。
また、本特別委員会としても、スパークスグループとの質疑応答の内容等を踏まえると、公開買付者は当社の経営の独立性を尊重する方針であり、本取引によって、特に以下のシナジー及びメリットが期待できると考えるに至った。
・ 単なる経営改善の支援にとどまらず、日本モノづくり未来ファンドを通じた技術指導及びボトムアップとしての現場改善等も期待できること。
・ 日本モノづくり未来ファンドは、一般的なキャピタルゲインを目的とするPEファンドではなく、国内のモノづくり企業に投資し、企業の持続的な成長を通じて、日本のモノづくりの発展に寄与することを目的として組成されたファンドとのことであるため、日本モノづくり未来ファンドが発行済株式の全てを所有する公開買付者との本取引は、当社における長期的な利益の獲得に資すると考えられること。
・ スパークスグループから人材の招聘等を受けることにより、グループガバナンス強化等の当社の中長期的な課題が、より迅速に、より確実に実現でき、当社の事業計画の実行性が確保されるものと考えられること。
一方で、当社株式の非公開化を行った際には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力、知名度の向上を通じた人材確保や取引先をはじめとするステークホルダーに影響を及ぼす可能性が一般的には考えられる。しかしながら、当社の現在の財務状況に鑑みると当面の間エクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれないこと、当社の社会的な信用力及び知名度は事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きいこと等を踏まえると、上場を維持する必要性及び非上場化によるデメリットは限定的であると考えられる。
(iii)小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引は当社の企業価値の向上に資することを企図するものであると認められ、本取引の目的は合理的であると判断するに至った。
Ⅱ.本取引の取引条件の妥当性
(i)山田コンサルによる株式価値算定書
当社が、スパークスグループ及び当社から独立した第三者算定機関である山田コンサルから取得した株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると205円から208円、類似会社比較法によると347円から381円、DCF法によると368円から497円とされているところ、本公開買付価格である403円は、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限値を上回るとともに、DCF法による算定結果の範囲内の金額である。
そして、本特別委員会は、山田コンサルから株式価値算定に用いられた算定方法等について、山田コンサル及び当社から、評価手法の選択、DCF法による算定の基礎となる当社の事業計画の作成方法・作成過程及び内容、割引率の算定根拠等について説明を受けるとともに、質疑応答を行った上で検討した結果、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。
加えて、本公開買付価格は、当社株式の2025年2月27日の東京証券取引所スタンダード市場における終値208円に対して93.75%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値207円に対して94.69%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値205円に対して96.59%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値206円に対して95.63%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であって、当該プレミアム水準は、公正M&A指針が公表された2019年6月28日以降に公表され、2025年2月26日までに成立した、上場会社の非公開化を目的とした公開買付け事例(MBO、又は対象会社が公開買付者の連結子会社又は関連会社である事例を除く)のうち、リーク報道が確認されていない事例83件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が51.69%、直近1ヶ月間が51.54%、直近3ヶ月間が52.73%、直近6ヶ月間が53.44%)との比較において、上記同種事例におけるプレミアム水準を優に上回っている。
なお、本公開買付価格は、当社の2024年12月31日現在の簿価純資産額である26,814百万円を自己株式控除後の発行済株式総数(37,248,538株)で割ることにより算出した1株当たり純資産額である720円(本公開買付価格は当該金額との比較で44.03%のディスカウント)を下回っているものの、純資産額は将来の収益性を反映するものではなく、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないため、取引条件の妥当性の判断には影響しないものと考えられる。
(ii)交渉過程の手続の公正性
下記「Ⅲ.本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)に関する事項について」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に係る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本公開買付価格は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであると認められる。
また、実際に、交渉の結果として、当社株式1株当たり300円とする公開買付者の当初の提案より、合計で103円の価格引上げを引き出している。
(iii)本公開買付け後の手続の合理性
本公開買付けに応募しなかった少数株主は、本公開買付けの後に実施される予定の本スクイーズアウト手続において、最終的に金銭が交付されることになるところ、当該手続において交付される金銭の額については、本公開買付価格に株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定である旨が、プレスリリース等で明示される予定であると認められる。
(iv)小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引の取引条件は妥当であると判断するに至った。
Ⅲ.本取引の手続の公正性
(i)特別委員会の設置
当社は、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2024年8月22日に、当社の独立社外取締役である森谷弘史氏(当社社外取締役)、辻孝夫氏(当社社外取締役(監査等委員))及び齊藤健一氏(当社社外取締役(監査等委員))の3名から構成される本特別委員会を設置している。また、当社は、本取引に係る決定を行うに際しては、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の条件について妥当でないと判断した場合には、本取引を実行する旨の意思決定を行わないこととしている。なお、本特別委員会の委員は、設置当初から変更されていない。また、本特別委員会の各委員の報酬は、答申内容にかかわらず支給される固定金額のみとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用していない。
(ii)当社による検討方法
当社が本取引について検討するにあたっては、スパークスグループ及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザーであるりそな総合研究所、第三者算定機関である山田コンサル及びリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から助言・意見等を得ながら、当社の企業価値向上及び株主共同の利益の観点から、本公開買付価格をはじめとする本公開買付けの買付条件の妥当性及び本取引の一連の手続の公正性といった点について慎重に検討及び協議を行っている。
なお、本特別委員会は、りそな総合研究所、山田コンサル及びTMI総合法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認し、当社のフィナンシャル・アドバイザー、第三者算定機関及びリーガル・アドバイザーとして承認している。
本取引に係るりそな総合研究所に対する報酬には、本取引の公表や成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているが、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の公表や成立を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではない。
また、山田コンサル及びTMI総合法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていない。
(iii)当社による協議・交渉
当社は、本特別委員会から事前に助言を受けた交渉方針に従い、本公開買付価格について、少数株主の利益保護の観点からその公正性を確保するための実質的な協議・交渉をスパークスグループとの間で複数回にわたって行っている。具体的には、当社はりそな総合研究所を通じて、複数回にわたり本特別委員会での質疑応答及び意見交換の内容を尊重した上で、公開買付者のフィナンシャル・アドバイザーである野村證券を介して価格交渉を実施した。当社が協議・交渉を行うにあたっては、価格の妥当性についての考え方やスパークスグループに対する回答の仕方についても、同様に、本特別委員会での質疑応答及び意見交換の内容を尊重している。
そして、その交渉の結果として、1株当たり403円という本公開買付価格の決定に至るまでには、当社株式1株当たり300円とする公開買付者の当初の提案より、合計で103円の価格引上げを引き出している。
(iv)当社における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得
当社は、本取引に関し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するための措置の一環として、スパークスグループ及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、同事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けている。
なお、TMI総合法律事務所は、公開買付者、スパークスグループ及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していない。
(v)マジョリティ・オブ・マイノリティ条件
本公開買付けにおける買付予定数の下限は、本公開買付け成立後の公開買付者が所有する当社の議決権が当社の総議決権数の3分の2以上となるように24,832,400株(所有割合66.67%)に設定している。本公開買付けが成立するためには、公開買付者との間で応募契約を締結する予定である東プレ、日本製鉄、日本パーカライジング及び日鉄物産が保有する当社株式数(8,241,200株、所有割合:22.12%)の他に、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式16,591,200株(所有割合:44.54%)以上の応募が必要であり、これは当社決算短信に記載された2024年12月31日現在の発行済株式総数(55,000,000株)から同日現在の当社が所有する自己株式数(17,751,462株)及び本応募合意株式数(8,241,200株、所有割合:22.12%)を控除した数(29,007,338株、所有割合:77.88%)に係る議決権の数(290,073個)の過半数に相当する数(145,037個)に相当する当社株式数(14,503,700株、所有割合:38.94%)を上回っており、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティの条件を満たしている。
(vi)本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日に設定している。公開買付期間を法定の最短期間より長期に設定することにより、当社の株主が本取引の是非や本公開買付価格の妥当性について熟慮し、本公開買付けに対する応募の是非について適切な判断を行うための期間を提供しつつ、公開買付者以外にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付価格の公正性を担保することを企図している。また、公開買付者及び当社は、当社が第三者から当社株式、事業もしくは資産の買収に係る提案を受けた場合において、かかる提案を行った第三者と協議・交渉することを制限するような内容の合意や、当社が公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」という。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っていない。このように、公開買付者及び当社は、上記公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付け等の機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保している。
(vii)適切な情報開示
本取引においては、本公開買付けが成立した場合に、その後に実施される予定の本スクイーズアウト手続について、公開買付者が提出する公開買付届出書、当社が公表するプレスリリース等において、十分な開示がなされることが予定されている。
なお、本公開買付け後に本スクイーズアウト手続を行う場合、本公開買付けに応募しなかった当社の株主に交付される金銭の額が、株式売渡請求の場合においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を交付することを定める予定である旨が、株式併合の場合においては、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう株式併合により生じる端数の合計数の売却代金が算定される予定である旨が、プレスリリース等で明示される予定であると認められ、本公開買付けに応募することの強圧性が低減される適切な措置が採られているといえる。
(viii)小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引に係る手続は公正であると判断するに至った。
Ⅳ.当社取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含む。)を決定することが少数株主に不利益か否かについて
上記Ⅰ乃至Ⅲまでにおいて検討した諸事項以外の点に関して、本特別委員会において、本公開買付けを含む本取引が当社の少数株主にとって不利益なものであると考えられる事情は特段見当たらず、したがって当社の取締役会が、本公開買付けへの賛同意見の表明及び当社の株主に対して応募推奨することを含め、本取引の実施を決定することは当社の少数株主にとって不利益ではないと判断するに至った。
③ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、スパークスグループ及び当社のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、TMI総合法律事務所を選任し、本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けに関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。
なお、TMI総合法律事務所は、スパークスグループ及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、TMI総合法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、TMI総合法律事務所の専門性・独立性に問題がないことを確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとして承認しております。
④ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認
当社取締役会は、TMI総合法律事務所から受けた法的助言及び当社株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引に関して、当社の企業価値向上、本取引に関する諸条件の妥当性等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するとともに、本公開買付価格は妥当性を有し、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年2月28日開催の取締役会において、本公開買付けへ賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
上記取締役会においては、当社の取締役(監査等委員を含みます。)10名のうち、全員が審議及び決議に参加し、全員一致により決議されております。
⑤ マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定
本公開買付けにおける買付予定数の下限は、本公開買付け成立後の公開買付者が所有する当社の議決権が当社の総議決権数の3分の2以上となるように24,832,400株(所有割合:66.67%)に設定しているとのことです。本公開買付けが成立するためには、本応募合意株式数(8,241,200株、所有割合:22.12%)の他に、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主の皆様が所有する当社株式16,591,200株(所有割合:44.54%)以上の応募が必要であり、これは当社決算短信に記載された2024年12月31日現在の発行済株式総数(55,000,000株)から同日現在の当社が所有する自己株式数(17,751,462株)及び本応募合意株式数(8,241,200株、所有割合:22.12%)を控除した数(29,007,338株、所有割合:77.88%)に係る議決権の数(290,073個)の過半数に相当する数(145,037個)に相当する当社株式数(14,503,700株、所有割合:38.94%)を上回っており、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティの条件を満たしているとのことです。
⑥ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日に設定しているとのことです。このように、公開買付期間を法令に定められた最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様が本取引の是非や本公開買付価格の妥当性について熟慮し、本公開買付けに対する応募の是非について適切な判断を行うための期間を提供しつつ、対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。また、公開買付者及び当社は、当社が第三者から当社株式、事業もしくは資産の買収に係る提案を受けた場合において、かかる提案を行った第三者と協議・交渉することを制限するような内容の合意や、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。このように、上記公開買付期間の設定と併せ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性を担保しているとのことです。
(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項
①本応募契約(東プレ)
公開買付者は、2025年2月28日付で、東プレとの間で、同社が所有する当社株式2,585,200株(所有割合:6.94%)を本公開買付けに応募することに合意する旨及び以下の内容を含む本応募契約(東プレ)を締結したとのことです。なお、公開買付者は、本取引に関して、東プレに対して、本公開買付けの応募の対価のほかに、何らかの利益を供与又は提供する旨の合意はしていないとのことです。
(i)東プレは、以下の前提条件が充足されていること(又は東プレにより放棄されていること)を条件に、東プレが所有する当社株式全てを本公開買付けに応募すること
①本公開買付けが法令等に従って開始され、かつ、撤回されていないこと
②公開買付者による表明及び保証が、重要な点において真実かつ正確であること
③公開買付者が本応募契約(東プレ)に基づき本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務が、重要な点において履行又は遵守されていること
④(i)当社の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の決議が適法になされ、(ii) 法令等に従って、当社により当該意見が公表され、かつ、(iii) 当該決議が撤回又は変更されていないこと
⑤司法・行政機関等に対して、本公開買付けを制限又は禁止することを求める旨のいかなる訴訟等も継続しておらず、かつ、本公開買付けを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等が存在しないこと
⑥当社について、法第166条第1項柱書の重要事実又は法第167条第1項柱書の公開買付け等の実施に関する事実若しくは公開買付け等の中止に関する事実(東プレ及び公開買付者以外の者による公開買付け等に係るものに限る。)であって、公表(法第166条第4項又は法第167条第4項に規定された意味を有する。)されていないものが存在せず、応募株主において応募時点で当該事実を認識していないこと
(ⅱ)東プレは、本公開買付けに係る決済の開始日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催される場合、当該株主総会における議決権その他の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(i) 公開買付者若しくは公開買付者が指定する者に対して包括的な代理権を授与するか、又は(ii) 公開買付者の指示に従って当該権利を行使すること
(ⅲ)東プレは、本応募契約(東プレ)の締結日以降、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、直接又は間接に、公開買付者以外の者との間で本公開買付けと実質的に競合、矛盾若しくは抵触し又はそれらおそれのある取引(以下「競合取引」といいます。)を行ってはならず、競合取引に関する第三者に対する提案、接触、勧誘、情報提供、又は協議の申し入れを自ら行ってはならず、また、公開買付者との協議を試みても、第三者から提案された競合取引に応じないことが、東プレの取締役の善管注意義務に違反すると客観的かつ合理的に判断できる場合を除き、競合取引に関して第三者と合意してはならないこと
(ⅳ)東プレは、(i) 本応募契約(東プレ)の締結日以降、公開買付期間の末日の前営業日までの間に、公開買付者以外の者から、本公開買付価格を上回る買付価格により、当社株式に対する公開買付けが開始された場合、(ii) 本応募契約(東プレ)に従い公開買付者との協議を試みてもなお、本公開買付けに応募することが東プレの取締役の善管注意義務に違反すると客観的かつ合理的に判断することを条件として、本公開買付けに応募する義務その他本公開買付けに関する義務を負わず、当該公開買付けに応募することができること
加えて、本応募契約(東プレ)において、公開買付者及び東プレは、義務の不履行又は表明及び保証の違反に関する補償義務、契約の解除・終了、秘密保持義務、契約上の地位及び権利義務の譲渡等の禁止等について合意しているとのことです。
②本応募契約(日本製鉄)
公開買付者は、2025年2月28日付で、日本製鉄との間で、同社が所有する当社株式2,577,600株(所有割合:6.92%)を本公開買付けに応募することに合意する旨及び以下の内容を含む本応募契約(日本製鉄)を締結したとのことです。なお、公開買付者は、本取引に関して、日本製鉄に対して、本公開買付けの応募の対価のほかに、何らかの利益を供与又は提供する旨の合意はしていないとのことです。
(i)日本製鉄は、以下の前提条件が充足されていること(又は日本製鉄により放棄されていること)を条件に、日本製鉄が所有する当社株式全てを本公開買付けに応募すること
①本公開買付けが法令等に従って開始され、かつ、撤回されていないこと
②公開買付者による表明及び保証が、重要な点において真実かつ正確であること
③公開買付者が本応募契約(日本製鉄)に基づき本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務が、重要な点において履行又は遵守されていること
④(i) 当社の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の決議が適法になされ、(ii) 法令等に従って、当社により当該意見が公表され、かつ、(iii) 当該決議が撤回又は変更されていないこと
⑤司法・行政機関等に対して、本公開買付けを制限又は禁止することを求める旨のいかなる訴訟等も継続しておらず、かつ、本公開買付けを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等が存在しないこと
⑥当社について、法第166条第1項柱書の重要事実又は法第167条第1項柱書の公開買付け等の実施に関する事実若しくは公開買付け等の中止に関する事実(日本製鉄及び公開買付者以外の者による公開買付け等に係るものに限る。)であって、公表(法第166条第4項又は法第167条第4項に規定された意味を有する。)されていないものが存在せず、応募株主において応募時点で当該事実を認識していないこと
(ⅱ)日本製鉄は、本公開買付けに係る決済の開始日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催される場合、当該株主総会における議決権その他の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(i) 公開買付者若しくは公開買付者が指定する者に対して包括的な代理権を授与するか、又は(ii) 公開買付者の指示に従って当該権利を行使すること
(ⅲ)日本製鉄は、本応募契約(日本製鉄)の締結日以降、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、直接又は間接に、公開買付者以外の者との間で競合取引を行ってはならず、競合取引に関する第三者に対する提案、接触、勧誘、情報提供、又は協議の申し入れを自ら行ってはならず、また、公開買付者との協議を試みても、第三者から提案された競合取引に応じないことが、日本製鉄の取締役の善管注意義務に違反すると客観的かつ合理的に判断できる場合を除き、競合取引に関して第三者と合意してはならないこと
(ⅳ)日本製鉄は、(i) 本応募契約(日本製鉄)の締結日以降、公開買付期間の末日の前営業日までの間に、公開買付者以外の者から、本公開買付価格を上回る買付価格により、当社株式に対する公開買付けが開始された場合、(ii) 本応募契約(日本製鉄)に従い公開買付者との協議を試みてもなお、本公開買付けに応募することが日本製鉄の取締役の善管注意義務に違反すると客観的かつ合理的に判断することを条件として、本公開買付けに応募する義務その他本公開買付けに関する義務を負わず、当該公開買付けに応募することができること
加えて、本応募契約(日本製鉄)において、公開買付者及び日本製鉄は、義務の不履行又は表明及び保証の違反に関する補償義務、契約の解除・終了、秘密保持義務、契約上の地位及び権利義務の譲渡等の禁止等について合意しているとのことです。
③本応募契約(日本パーカライジング)
公開買付者は、2025年2月28日付で、日本パーカライジングとの間で、同社が所有する当社株式1,878,400株(所有割合:5.04%)を本公開買付けに応募することに合意する旨及び以下の内容を含む本応募契約(日本パーカライジング)を締結したとのことです。なお、公開買付者は、本取引に関して、日本パーカライジングに対して、本公開買付けの応募の対価のほかに、何らかの利益を供与又は提供する旨の合意はしていないとのことです。
(i)日本パーカライジングは、以下の前提条件が充足されていること(又は日本パーカライジングにより放棄されていること)を条件に、日本パーカライジングが所有する当社株式全てを本公開買付けに応募すること
①本公開買付けが法令等に従って開始され、かつ、撤回されていないこと
②公開買付者による表明及び保証が、重要な点において真実かつ正確であること
③公開買付者が本応募契約(日本パーカライジング)に基づき本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務が、重要な点において履行又は遵守されていること
④(i) 当社の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の決議が適法になされ、(ii) 法令等に従って、当社により当該意見が公表され、かつ、(iii) 当該決議が撤回又は変更されていないこと
⑤司法・行政機関等に対して、本公開買付けを制限又は禁止することを求める旨のいかなる訴訟等も継続しておらず、かつ、本公開買付けを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等が存在しないこと
⑥当社について、法第166条第1項柱書の重要事実又は法第167条第1項柱書の公開買付け等の実施に関する事実若しくは公開買付け等の中止に関する事実(日本パーカライジング及び公開買付者以外の者による公開買付け等に係るものに限る。)であって、公表(法第166条第4項又は法第167条第4項に規定された意味を有する。)されていないものが存在せず、応募株主において応募時点で当該事実を認識していないこと
(ⅱ)日本パーカライジングは、本公開買付けに係る決済の開始日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催される場合、当該株主総会における議決権その他の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(i) 公開買付者若しくは公開買付者が指定する者に対して包括的な代理権を授与するか、又は(ii) 公開買付者の指示に従って当該権利を行使すること
(ⅲ)日本パーカライジングは、本応募契約(日本パーカライジング)の締結日以降、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、直接又は間接に、公開買付者以外の者との間で競合取引を行ってはならず、競合取引に関する第三者に対する提案、接触、勧誘、情報提供、又は協議の申し入れを自ら行ってはならず、また、公開買付者との協議を試みても、第三者から提案された競合取引に応じないことが日本パーカライジングの取締役の善管注意義務に違反すると客観的かつ合理的に判断できる場合を除き、競合取引に関して第三者と合意してはならないこと
(ⅳ)日本パーカライジングは、(i) 本応募契約(日本パーカライジング)の締結日以降、公開買付期間の末日の前営業日までの間に、公開買付者以外の者から、本公開買付価格を上回る買付価格により、当社株式に対する公開買付けが開始された場合、(ii) 本応募契約(日本パーカライジング)に従い公開買付者との協議を行ってもなお、本公開買付けに応募することが日本パーカライジングの取締役の善管注意義務に違反すると客観的かつ合理的に判断することを条件として、本公開買付けに応募する義務その他本公開買付けに関する義務を負わず、当該公開買付けに応募することができること
加えて、本応募契約(日本パーカライジング)において、公開買付者及び日本パーカライジングは、義務の不履行又は表明及び保証の違反に関する補償義務、契約の解除・終了、秘密保持義務、契約上の地位及び権利義務の譲渡等の禁止等について合意しているとのことです。
④本応募契約(日鉄物産)
公開買付者は、2025年2月28日付で、日鉄物産との間で、同社が所有する当社株式1,200,000株(所有割合:3.22%)を本公開買付けに応募することに合意する旨及び以下の内容を含む本応募契約(日鉄物産)を締結したとのことです。なお、公開買付者は、本取引に関して、日鉄物産に対して、本公開買付けの応募の対価のほかに、何らかの利益を供与又は提供する旨の合意はしていないとのことです。
(i)日鉄物産は、以下の前提条件が充足されていること(又は日鉄物産により放棄されていること)を条件に、日鉄物産が所有する当社株式全てを本公開買付けに応募すること
①本公開買付けが法令等に従って開始され、かつ、撤回されていないこと
②公開買付者による表明及び保証が、重要な点において真実かつ正確であること
③公開買付者が本応募契約(日鉄物産)に基づき本公開買付けの開始日までに履行又は遵守すべき義務が、重要な点において履行又は遵守されていること
④(i) 当社の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の決議が適法になされ、(ii) 法令等に従って、当社により当該意見が公表され、かつ、(iii) 当該決議が撤回又は変更されていないこと
⑤司法・行政機関等に対して、本公開買付けを制限又は禁止することを求める旨のいかなる訴訟等も継続しておらず、かつ、本公開買付けを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等が存在しないこと
⑥当社について、法第166条第1項柱書の重要事実又は法第167条第1項柱書の公開買付け等の実施に関する事実若しくは公開買付け等の中止に関する事実(日鉄物産及び公開買付者以外の者による公開買付け等に係るものに限る。)であって、公表(法第166条第4項又は法第167条第4項に規定された意味を有する。)されていないものが存在せず、応募株主において応募時点で当該事実を認識していないこと
(ⅱ)日鉄物産は、本公開買付けに係る決済の開始日以前の日を権利行使の基準日とする当社の株主総会が開催される場合、当該株主総会における議決権その他の権利行使について、公開買付者の選択に従い、(i) 公開買付者若しくは公開買付者が指定する者に対して包括的な代理権を授与するか、又は(ii) 公開買付者の指示に従って当該権利を行使すること
(ⅲ)日鉄物産は、本応募契約(日鉄物産)の締結日以降、本公開買付けに係る決済の開始日までの間、直接又は間接に、公開買付者以外の者との間で競合取引を行ってはならず、競合取引に関する第三者に対する提案、接触、勧誘、情報提供、又は協議の申し入れを自ら行ってはならず、また、公開買付者との協議を試みても、第三者から提案された競合取引に応じないことが、日鉄物産の取締役の善管注意義務に違反すると客観的かつ合理的に判断できる場合を除き、競合取引に関して第三者と合意してはならないこと
(ⅳ)日鉄物産は、(i) 本応募契約(日鉄物産)の締結日以降、公開買付期間の末日の前営業日までの間に、公開買付者以外の者から、本公開買付価格を上回る買付価格により、当社株式に対する公開買付けが開始された場合、(ii) 本応募契約(日鉄物産)に従い公開買付者との協議を試みてもなお、本公開買付けに応募することが日鉄物産の取締役の善管注意義務に違反すると客観的かつ合理的に判断することを条件として、本公開買付けに応募する義務その他本公開買付けに関する義務を負わず、当該公開買付けに応募することができること
加えて、本応募契約(日鉄物産)において、公開買付者及び日鉄物産は、義務の不履行又は表明及び保証の違反に関する補償義務、契約の解除・終了、秘密保持義務、契約上の地位及び権利義務の譲渡等の禁止等について合意しているとのことです。
(1)普通株式
氏名 |
役名 |
職名 |
所有株式数(株) |
議決権の数(個) |
平山 泰行 |
代表取締役 |
社長 |
30,000 |
300 |
長久保 眞治 |
取締役 |
鍛造事業部長兼同事業部生産本部長 |
44,100 |
441 |
川島 俊也 |
取締役 |
- |
15,100 |
151 |
髙橋 克夫 |
取締役 |
グループ戦略部長(財務部・総務部・DX推進部担当) |
5,100 |
51 |
大井 進 |
取締役 |
- |
4,000 |
40 |
森谷 弘史 |
取締役 |
- |
- |
- |
加藤 尚久 |
取締役(監査等委員) |
- |
- |
- |
齊藤 健一 |
取締役(監査等委員) |
- |
- |
- |
辻 孝夫 |
取締役(監査等委員) |
- |
40,000 |
400 |
安藤 美佐 |
取締役(監査等委員) |
- |
- |
- |
計 |
- |
- |
138,300 |
1,383 |
(注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役の森谷弘史、加藤尚久、齊藤健一、辻孝夫及び安藤美佐は、社外取締役であります。
該当事項はありません。
以 上